○重山
参考人 福山総務部長さんに会いました。そのときのいきさつを一応申し上げます。昨年六月の末ごろだと思いますが、時間はよくわかりませんけれども、
上野さんと一緒に大阪のグランド・ホテルで会ったものですから、これから
拘置所に
福山総務部長に会う、一緒に
一つ行ってくれというので、お供して参りました。午前十一時ごろだと思いますが、
福山総務部長は、
上野さんに対して非常に丁重なお礼を申し述べておりました。あなたのおかげで、この新しい
拘置所ができるようになった。
所長初め所員みんな、あなたに対して感謝しております、ということで、紅茶やケーキを出して懇談しました。それから
拘置所の建設の進行状態をとった
写真がありましたので、それを出されて、こういう状況だとか、いろいろ詳しく説明しております。それから
上野さんが
福山さんを訪問した目的は、
延原に会えるように
一つ取り計らってもらえないかということの申し入れのようでした。それに対して
福山さんとしては、
延原という人は非常にずるい、利己的な面を具体的な説明をしました。その説明の仕方に、
交換が済んでから、工事を進行させるためにあそこの構築物の撤去を、
延原の方へ至急
一つ撤去してもらいたい、それに対して十数回にまたがって
福山総務部長から
延原に交渉したけれども、一向に構築物の撤去をしてくれない。最後に、しようがないから書留にして速達で出したと思いますが、そのときに
延原という人は、私は今まで信じていた、あなたはそういう人でないと思ったのに、実に失礼なことじゃないか、あなたみたいな人は見たことがないといって、相当の悪口を書いてやったらしいのです。それで最後に、どうしてもいつまでも構築物を撤去してくれなければ、こちらとしては最後の腹があるのだという
意味の手紙を出したところが、初めて
延原さんの
支配人の福泉さんから返事があって、早速撤去するようにします、こういう
工合で、
交換が成立してから後は、一度も当人には会ったことがない。こういう人だから、私の力では
上野さんを紹介してもなかなか会ってくれないだろうと思います。それで会う方法としては、結局前の
支配人であった
中村さんという人は非常にいい人だ。その人を紹介するから、その人に会って、よく
延原の内部
事情を聞いて、どういう人から言ったら
延原に会えるだろうかということがわかるんじゃないか。
中村さんは
上野さんたちに非常に好意を持っているのですから、私が早速お勤め先を連絡しますというので、大阪にある会社に電話をかけてくれたりしたのですが、そこをもう二カ月くらい前にやめたとかいうことで、京都の自宅までわざわざ
福山さんが教えてくれました。そうしてその後に
——そういうところで結局別れることにしたのですが、それから結局
福山総務部長としては
松本所長と相談して、
延原と会うことについてはできるだけ善処しましょうということで、
福山さんのところを辞去したわけです。