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1961-02-03 第38回国会 衆議院 決算委員会国有財産の増減及び現況に関する調査小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員会昭和三十五年十二月二十六日(月曜 日)委員会において設置することに決した。 十二月二十六日  本小委員委員長指名で次の通り選任された。       荒舩清十郎君    木村 公平君       鈴木 正吾君    高橋 英吉君       丹羽喬四郎君    三和 精一君       小川 豊明君    高田 富之君       山田 長司君 同 日  田中彰治君が委員長指名で小委員長選任さ  れた。 昭和三十六年二月一日  森本靖君が委員会において小委員追加選任さ  れた。 ――――――――――――――――――――― 昭和三十六年二月三日(金曜日)    午前十一時十七分開議  出席小委員    小委員長 田中 彰治君       荒舩清十郎君    木村 公平君       三和 精一君    小川 豊明君       勝澤 芳雄君    西村 力弥君  小委員外出席者         決 算 委 員 薩摩 雄次君         参  考  人         (日本燃料株式         会社監査役)  上野  浩君         参  考  人 良島 正浩君         参  考  人         (大阪府福島不         動産組合長大阪         府不動産鑑定師         会理事)    高瀬 昌弘君         専  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 二月一日  小委員高田富之君及び山田長司君一月三十日委  員辞任につき、その補欠として勝澤芳雄君及び  西村力弥君が委員長指名で小委員選任され  た。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国有財産増減及び現況に関する件      ――――◇―――――
  2. 田中彰治

    田中委員長 これより小委員会を開会いたします。  国有財産増減及び現況に関する件について調査を進めます。  本日は、まず大阪拘置所用地交換の問題について参考人より意見を聴取いたします。  御出席いただいております参考人は、上野浩君、良島正浩君、高瀬昌弘君の三人でございます。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。参考人各位には、御多用中にもかかわらず、また高瀬参考人には遠路わざわざ御出席をいただき、まことにありがとうございます。厚く御礼申し上げます。  それでは、これより参考人より意見を聴取しますが、調査の便宜上、小委員長の私からまず本問題について各参考人にお尋ねいたし、その後小委員の質疑をいたしたいと存じますので、さよう御承知願います。  参考人各位にちょっと申し上げておきます。国有財産の管理、処分について参考人良島正浩氏から決算委員長のもとに陳情書が提出され、これを本委員会において審議することになったのでありますが、概要を承ると、重大な問題のように考えられますので、直接陳情者の御両人から実情を承ることになって、本日急に御出頭をわずらわすことになったのであります。もとより、本委員会は、国有財産に関することを明白にいたすのが目的であって、これによって陳情者の利害にどういう影響を及ぼすかについては関知せぬこと、本委員会によって陳情者に利益があるなどというようなことは毛頭も考えられないようにしていただきたいので、調査の進むに従って、陳情者に不利になるような結果になるかもしれぬことをあらかじめ御承知おき願いたいのであります。  そこで、まず参考人職業及び略歴等、本陳情をせられるに至ったいきさつをきわめて簡単に述べていただきたいと存じます。  まず、上野参考人にお尋ねいたしたいのであります。
  3. 上野浩

    上野参考人 私は上野浩です。住所は、東京都文京区武島町二十七番地、職業は、日本燃料株式会社監査役をいたしております。経歴は、過日までは日産建設の社長をやったり、何か会社の役員をやっておったのであります。  それから陳情しますに至りました動機を簡単に申し上げます。  本件は、大阪拘置所土地交換問題でありまして、拘置所土地国有地でありますので、これが真の所有者でない者と交換せられ、真の所有者であります者が非常な損害をこうむったのであります。ほかに、この土地交換価値がきわめて不当であって、国家損害を及ぼしていると思われますので、私自身のことはともかくとして、国家的な立場において公正なお取り計らいを願いたいため、特に決算委員会の御配慮をお願いしたいと存じた次第であります。
  4. 田中彰治

    田中委員長 それでは、どういうわけであなた方の土地がほかの人の手で国有地交換されたか、そのいきさつについて一つ簡単に述べて下さい。
  5. 上野浩

    上野参考人 経過を簡単に申しますと、私が関係しておる以前と私が関係してから後と、この二つに分けられます。関係以前のことは、私はただここにおる長島さんから聞いたことでありますが、簡単に申します。  大阪天満法務省土地がありまして、そこへ拘置所を作るという考えをしておったところが、あの土地が急速に発展をしたために、まわりの人がここへ拘置所を作られては非常に困るというので猛烈な反対運動が起きて、それでどうしてもそこへ建てることができなくなり、何とかして適当ないい場所と交換したいということで、法務省並びに拘置所が一生懸命になって物色をしておったのです。そのとき、たまたま天理教細見という人が適当な土地を見つけて拘置所に話したところが、拘置所ではぜひそれをやってほしいということで、細見が一生懸命やっておったのですが、細見君には財力的な力がなかったために、途中で良島君に財力の援助を求め、そうして良島君は延原観太郎さんと会われて契約を結び、五百万円の手付金を入れたのであります。
  6. 田中彰治

    田中委員長 延原という人は土地を持っておったのですか。
  7. 上野浩

    上野参考人 延原さんは都島というところに土地を持っておったのです。
  8. 田中彰治

    田中委員長 どのくらい持っておったのですか。
  9. 上野浩

    上野参考人 それは、私の聞くところでは一万九千坪です。
  10. 田中彰治

    田中委員長 それから天満にあった国有地というのは何坪ですか。
  11. 上野浩

    上野参考人 一万一千坪です。
  12. 田中彰治

    田中委員長 そこで、延原さんの土地長島さんが買い取って、この拘置所土地とかえるということになったのですか。
  13. 上野浩

    上野参考人 そうです。
  14. 田中彰治

    田中委員長 そこで、それが実行されたのですか。
  15. 上野浩

    上野参考人 それから今度関係後のところに入ります。  良島君から私に話がありまして、五千万の手金を入れる金を持ってきてほしいというので、昭和三十年の十一月の二十七日に金を四千五百万持って参ったのです。ところが、せっかく持ってきたのに、良島君から、二十八日の日に、何か特別な関係があって、ちょっとその金を入れるわけにいかないから、あなたが預かっていてくれということで、その契約ができており、手金が入れられているにもかかわらず、長島さんと延原さんとの間でどういう交渉になったのか知りませんが、ずるずると延びていったのであります。ところが、昭和三十一年の三月の四日に、突然良島民から、延原土地仮処分をするのだということを私の方へ通知してよこしたのです。それはどういうわけかと聞いたら、正式に契約し、手金も取っておきながら、自分に相談しないで勝手に法務省の方へ売ってしまった。自分土地自分に無断で処分するということでは困るから仮処分をするのだということで、三月の四日にその土地長島さんが仮処分をされたのです。
  16. 田中彰治

    田中委員長 ちょっと聞きますが、上野参考人長島さんとはどのくらいの長いつき合いで、どういう関係の人なんですか。
  17. 上野浩

    上野参考人 そう古いつき合いではありませんが、私は、日本橋に良島さんの土地があったので、それは昭和二十五年くらいだと思いますが、土地を買ったということが知り合いの初めであります。
  18. 田中彰治

    田中委員長 それで、今五千万手金を入れなければならぬというところへ四千五百万参考人が持っていったというのですが……。
  19. 上野浩

    上野参考人 それは、五百万はすでに手金といいますか、ここに領収書もありますが、金を渡してありますから、あと四千五百万持っていくと、それで約束通りのことになるから、四千五百万持っていったのです。
  20. 田中彰治

    田中委員長 それでは上野参考人はけっこうです。  良島参考人にお尋ねいたしますが、あなたが五百万手金を入れられた経路、それから四千五百万の手付金を持っていったときに、それが要らなくなった理由、それから仮処分をされるに至った経路についてお述べ下さい。
  21. 良島正浩

    ○良島参考人 最初、これは今上野参考人から話がありました通り大阪拘置所移転先反対を受けました。それで適当な土地があったら交換をするからというので、奈良の天理教此花分教会というのがあって、その土地をあっせんするために延原観太郎という人の都島土地を見つけてきまして、これならどうだというて拘置所に出したところが、法務省のえらい方々がみな東京から出張されて、天理教本部まで行って、おみやげをもらったりごちそうになったりしたということも聞いております。そうして結局その土地がよかろうというので、天理教拘置所とが公文書による契約をしてあるのでございます。ところが、延原君の方に金を二億三千万円持っていって、その延原君の方の都島土地拘置所に持っていかなければ、いわゆる交換ができないというので、その金策に奔走していたらしいのですけれども、当時天理教は教祖の百年祭があるというので金ができない。できないからぜひ一つ何とかしてもらいたいというて、私が京都に関係しておるところにたびたび参りましたけれども、自分はもういやだ、そういう仕事はとにかくやりたくないのだからいやだというて、再三再四拒絶しまして、東京のうちまで逃げて帰ったのですけれども、東京まで追いかけてきて、もしもこれがこのままできないというと、予算が通過しているのだし、都島拘置所を建設しなければ役人の首にかかわる、自分たち契約した立場上困るから、ぜひ何とかしてもらいたいというから、二億三千万円という金は今ふところにあるわけでもない、一応は現物を見なければしようがないから、一ぺんじゃあ見に行こうというので、十一月十四日に飛行機でみんな連れて大阪に行ったことがありました。そうしたら、伊丹にちょうど拘置所の車が迎えに来ておりました。そうして拘置所に行きまして、福山という総務部長に会いましたら、大体今お話ししましたような様子であったもので、きょうは堺の刑務所武道大会があって、そこに本庁からもえらい人が来ているから、そこまで一つ御足労願いたい、こう申しますので、じゃあ行きましょうというので、堺の刑務所まで行ったわけでございます。ところが、皆さんからぜひ頼むといってしきりに頼まれたものですから――自分もかって小菅刑務所に入ったこともありますし、中に入っている人間の苦痛その他についてもつぶさに承知しておるものですから、現在の拘置所には九百人収容しているのだが、一間に四人入れているのだ、だから四条畷に仮小屋を作って入れて、そこには常時二千五百人未決囚がいる、人権じゅうりんにもなりかねないから、直ちに作らなければならないというお話もありましたので、じゃあ奔走しましょうというので、それから延原土地を見に行ったり、拘置所の持っている天満土地を調べたりしたのですが、延原土地を二億三千万円ということは、延原土地だけであれば二億三千万円では絶対買いはしないのです。一億円でも私は買う意思はないのです。ところが、拘置所天満土地なら、その当時少なくとも五億円の価値はありましたし、今はもうそれよりずっと上だろうと思いますが、また、現実に買い手もおりましたし、これならよかろう、これならもうかるから、じゃあ一つやろうか、二億三千万円で高くてもいいから買おうかというので約束をすることにしまして、二十一日に延原のところに行ったのでございます。
  22. 田中彰治

    田中委員長 ちょっと参考人待って下さい。お尋ねしますが、延原がそれだけの土地を持っておるのに、どうして拘置所延原土地を直接契約しないで、天理教とかあなたのところに頼まなければならないのですか。
  23. 良島正浩

    ○良島参考人 それがおかしいのですが、その件につきましては、私は延原のところに行きまして――拘置所でもそう言ったのですが、拘置所でも、あなた方は有利な条件を持っているのだから、じかに延原のところに交換に行ったらいいじゃないかと言ったところが、延原は絶対交換には応じないのだ、延原は金で売るのだから、応じないから、それをするのには、法務省としては予算関係都合が悪いのだ、自分の持っている土地を持っていって交換しなくては悪いのだ。だから買うて持ってきてもらいたいというお話だったのです。
  24. 田中彰治

    田中委員長 参考人に伺いますが、そのとき延原土地拘置所予算で買って、拘置所土地をまた直かへ売れば、国家のためにももうかるし、それから直接取引すればいいのにそれをしないでやるという、そこをもう少し説明してもらいたいのだが……。
  25. 良島正浩

    ○良島参考人 私はそれも突っ込んだのですが、そうしましたら、拘置所天満土地法務省としては売って、そうしてその売った金で延原土地を買うということはできなくて、一応大蔵省に返還しなくちゃならないのだ。それだから自分たちが持っている間に直交換をやってしまおう。だから、その間にもうけるのは――つまり都島土地を持ってくるあなた方が幾らもうけようと、そんなことはうちはかまわないのだ、こういうような話でありました。それから延原のところへ行きまして、延原にもそれを……。
  26. 田中彰治

    田中委員長 ちょっと参考人拘置所から、延原土地を買って、拘置所の持っている土地交換してくれということを、あなたは正式に頼まれたのですか。
  27. 良島正浩

    ○良島参考人 正式に頼まれまして、しかも、私だけでは工合が悪いと思いまして、武田という関西大学の教授をしている弁護士を帯同して、つまり証人として連れて一緒に行きまして、武田さんからまた別個に証明をとりまして、それから天満土地を……。
  28. 田中彰治

    田中委員長 その武田さんからどういう証明書をとったのですか。
  29. 良島正浩

    ○良島参考人 あくまでその土地一対一交換であって、その間に何ら金銭的の要求はしない、拘置所ではそう言っている、こういう証明書をくれました。
  30. 田中彰治

    田中委員長 何かそれはありますか。
  31. 良島正浩

    ○良島参考人 あります。(小委員長書類を渡す)それで延原のところに私は行きまして、国のためにもなるし、僕はこういう仕事をするのはいやなのだから、あなたが交換してあげたらどうだ。それなら大した手数はかけなくていいのではないか。交換してあげて下さい。僕はなるべくならばいやなのだ――もちろんその日に契約をするのどうのこうのと、そんな考えはありませんから、五百万円だけ持っていったわけですけれども、行きましたら、とにかく延原という人は妙な人で、変わった人で、事務所で会うのだろうと思ったら、裏の倉庫に連れていきまして……(荒舩小委員「どこの裏ですか」と呼ぶ)自分事務所の裏です。その倉庫に連れていって、倉庫の中で鉄のドアをがちゃんとかけまして、そうしてその中にテーブルをまず一つ置いて、うしろ世界地図などを置いて、大きな話をしておりましたけれども、見ると六尺豊かな大男ですし、この人はどうするのだろう、私は、金を持っているし、殺されるのではないかしらという一種の疑念もぽっと起こったわけなんです。ところがそのときも、いやそうじゃないと思いまして、あなたのところから単独に買うのならば、一億で売ってくれるといっても僕はいやなのだ。拘置所交換するというから二億三千万円で買うのだから、それは交換してやりなさいと言うたら、いや、あなたを最後として、あなたがいやだというならばいやでいいのだ。あなたが買うのならば、これを最後として、絶対売らないのだ、交換もしないのだ、自分はここに造船所を作るから、こういう話であったわけなんです。ああそうか、それだったならばしようがないと言うたら、金を持ってきたかと言うから、金は五百万しか持ってきていないと言うたのです。そうすると、それならばそれをもらおう、それで約束しよう、こういう調子です。それならばいいわという調子で五百万円渡しまして、向こうはそれに対する受取書をよこしまして、残りは二十八日ころにとりあえずあと四千五百万円ぐらい作ろう、残りは一月の末までに全部を作ろう、そのときに登記しようというて渡してきたのです。ところが、拘置所からは、私はその当時新大阪ホテルへ泊っていたのですが、一日約二十回以上――十四日に初めて堺の刑務所で会った人間をつかまえて、その日から、大阪刑務所ですが、契約に来て下さいましたか、延原契約してくれましたか、まだですか、まだですか  もう新大阪ホテルも驚いたろうと思うのです、一日平均二十回くらい電話がかかってきました。それで五百万円の契約書を持ってきてぽんとやったら、大急ぎで拘置所でコピーをこしらえて、本庁にすぐ電話をして、そして本庁に持っていったんです。そのあくる日に管区長のところでお礼をするというから、それで大阪管区長のところに行って、ありがとうございましたという礼は聞いたわけです。そういういきさつ延原とは話したわけです。
  32. 田中彰治

    田中委員長 ちょっと参考人にお尋ねします。その裏の倉庫にあなたが入れられたときに、鉄の戸をがちゃっと閉ざされてかぎをかけられて、四時間もお茶一ぱい飲まされずにすわらされたというのはほんとうですか。
  33. 良島正浩

    ○良島参考人 五時から行きまして、金を渡したのが九時でしたか、ほんとうにひどいものです。冷茶一ぱいもくれないのです。それでこうして突っ立っていて、いばって立っておって、すわりもしないのです。こちらは土地を買わなくちゃいけないという気持があったものですから、はい、はいと言っておりました。ところが、話は、いや四百億ドルとかなんとか大きな話ばかりで、どえらい人もいるものだな、変わった人もいるものだなと思っていたんです。
  34. 田中彰治

    田中委員長 その話はいいとして、お茶一ぱい飲まされずに二、三時間待たされたことは事実ですね。(「四時間待たされたわけだね」と呼ぶ者あり)
  35. 良島正浩

    ○良島参考人 ええ、そうです。
  36. 田中彰治

    田中委員長 あなたにお尋ねしておくのだが、正直に言ってもらわなければならぬが、あなたがもし実際拘置所土地延原土地交換すれば、拘置所土地が高い相場になっているし、また高くもなって売れるからもうかるというので、交換をしたのだけれども、実際延原土地だけをあなたに買ってくれと言われたら、どのくらいの値打があるのですか。
  37. 良島正浩

    ○良島参考人 まあ一億円でしょうな。
  38. 田中彰治

    田中委員長 その一億円のものと、あなたがその当時見て五億の土地と取りかえるのは、おかしいと思わなかったですか。
  39. 良島正浩

    ○良島参考人 いや、ずいぶん国家というものは変なことをやるものだな、法務省というものはおかしなことをやるものだな……。それでそんなことをしていいんですかということを僕は聞いたのです。えらいことをやるものだな、そんなことが行なわれているんだなということを初めてわかったような次第です。
  40. 田中彰治

    田中委員長 そうすると、あなたのその理由を聞いたのには、法務省の持っている拘置所土地を売って、その金で延原土地を買えば、安くも買えるし、非常にもうかるのだけれども、それをやることになると、法務省がそれをできないので、一たん大蔵省雑地にして返すと、自分の方の権利がなくなるから、損しても得しても一対一交換してしまいたい、こういうことを言ったわけですね。
  41. 良島正浩

    ○良島参考人 はい。
  42. 田中彰治

    田中委員長 それで、あなたがそれをやればもうかる、もうかるから乗った、こういうわけですね。
  43. 良島正浩

    ○良島参考人 私が仮処分したときに新聞社が、三億三千万円……。   〔小川(豊)小委員「小委員長仮処分まで飛躍しないで、もう少し、その間に行くまでのことをやって下さい」と呼ぶ〕
  44. 田中彰治

    田中委員長 あなたがそれに手を出されたのは、延原土地を、一億くらいの価値しかないものだけれども、二億三千万円の金で買っても、拘置所土地と取りかえれば、拘置所土地は五億も値がある、これからも上がる、だから、あなたがもうかるから、それにあなたが乗ったということなんでしょうね。間違いないですね。
  45. 良島正浩

    ○良島参考人 そうです。
  46. 田中彰治

    田中委員長 それで、五百万円やった手金の受け取りはありますか。
  47. 良島正浩

    ○良島参考人 あります。(小委員長書類を渡す)
  48. 田中彰治

    田中委員長 それまでして、拘置所が二十回も電話をかけたり、あなたをありがとうといって呼んだり、あなたももうかると思ったから五百万円の金を暮れ近くに出してそれを買った、契約書もある。それで、どうしてあなたがその土地仮処分して拘置所とけんかしなければならないようなことになったのですか。
  49. 良島正浩

    ○良島参考人 これは二十七日だったと思いますが……。(「何月ですか」と呼ぶ者あり)十一月二十七日、この契約をしてからです。
  50. 田中彰治

    田中委員長 手金を打ってからですか。
  51. 良島正浩

    ○良島参考人 ええ。
  52. 田中彰治

    田中委員長 手金はいつだね。
  53. 良島正浩

    ○良島参考人 二十一日です。それで二十七日に、あしたが日限だという日に、私は、すっかり金の準備をしたりいろいろしていたら、突然拘置所から、あの問題は白紙に返してもらいたいということを私に言ってきたわけです。それはおかしいじゃないか、僕の方からお願いしたのじゃなくして、あなたの方から頼んだんじゃないか、どういう理由か知らぬけれども、かりに僕が小菅刑務所にいたということを正直に話したことがガンであったら、それは僕でなくていいじゃないか。僕の方は、名義はだれでもりっぱに立てられる。僕はこうしていても、俯仰天地に恥じないつもりでいる。それは昭和二十五年、やみのごしゃごしゃしたときに引っぱられた。それはだれだって引っぱられるのだ。その証拠に、事実上延原あたりだって、まるでどろぼうばかりしているじゃないか。それだから、そんなことで白紙にしろというのは、法務省ちょっとおかしいじゃないか、そんなことを言うのだったら、僕は覚悟があるからというので、すぐ飛行機東京に飛んできまして、それから実際に法務省はひどいじゃないかといって実情を書いて、時の法務委員長世耕弘一君に提示したわけです。それから一方二十八日までという口約束があったから……。(荒舩小委員「何年です」と呼ぶ)
  54. 田中彰治

    田中委員長 三十年十一月二十八日。
  55. 良島正浩

    ○良島参考人 はあ。口約束をして、残りを持ってくるという約束があったものですから、鍵谷というヤンマーディゼルの常務取締役の人にわざわざ使いに行ってもらいまして、ちょっと妙な故障を生じたから、すぐお払いする準備はできているのだけれども、都合があるから二、三日待ってもらいたいということを延原のところに言ってもらったわけでございます。そうしたところが、延原支配人が、暗黙のうちに承認をしたという話をし、また、当然するはずだと思ったものですから、東京に帰ったときに、今言った通り法務委員会にその書類を出したわけでございます。出したら、世耕さんは、その書類岸木さんのところに送ったわけです。(荒松小委員「岸本というのは何だね」と呼ぶ)そのときの法務次官でしたかね。持っていったら、それはその通りだ。その通りなんだけれども、何とか良島に対しては善処するから、しばらく待ってくれといわれたから、まあ法務委員会に持ち出すのはそのうち様子を見た上のことにするから、あなた待って様子を見たらどうだ、こういうわけで、それじゃそうしようと言って、待っていたわけでございます。
  56. 田中彰治

    田中委員長 あなたが十一月の二十八日に残る四千五百万円の金を東京で用意はしたけれども、そういうような故障があったので、法務委員会陳情その他いろいろなととろに運動しなければならないので、二、三日おくれるからというので、ヤンマーディーゼルのだれですか。
  57. 良島正浩

    ○良島参考人 鍵谷実です。
  58. 田中彰治

    田中委員長 その人を使い延原のところに行ってもらったんですね。
  59. 良島正浩

    ○良島参考人 はい。
  60. 田中彰治

    田中委員長 その鍵谷さんという人は、延原さんに会ったんですか。
  61. 良島正浩

    ○良島参考人 そのときには支配人に会ったらしいのです。それで延原はその日から逃げているのです。
  62. 田中彰治

    田中委員長 支配人に会ったらどう言ったの。
  63. 良島正浩

    ○良島参考人 延原は承認したのであります。
  64. 田中彰治

    田中委員長 暗黙の承認をしたというか、拒否はしなかったのですね。手金には期日は書いてないけれども、たとい契約しても、十一月二十八日に持ってこないから、手金をとってその話は流すという拒否はしなかったのですね。
  65. 良島正浩

    ○良島参考人 しないのです。
  66. 田中彰治

    田中委員長 これは間違いないのですか。
  67. 良島正浩

    ○良島参考人 間違いないです。そうして待っていましたら、これは個人の仲介でなくして、大阪府か大阪市かに仲介してもらおうというので、法務庁のえらい人たちが大阪府庁に出かけて府知事に頼んだところが、市の管轄だからそれはだめだといってけ飛ばされてしまった。市へ行ったら、これは市会によってこの拘置所の問題だけは今くちばしを入れないという決議になっているから、つまり自分たちは容喙しないと言ってけ飛ばされてしまって、じゃこの上は直交換でいこうというわけで、大阪の検事局の当時の次席検事の安西という人が延原と懇意だったものですから、その連中と協議をして、延原と直交換をやろう、こういう情勢になってきたわけです。
  68. 田中彰治

    田中委員長 長島参考人に聞きますが、ちょっとこれは聞きにくい話で、あなたいやならお答えにならなくてもけっこうですが、ほんとうの話を聞くと、あなたが終戦当時ちょっと刑務所に引っぱられたことがある。そういうものと契約してはいけないというようなことで因縁つけたのではないのですが。
  69. 良島正浩

    ○良島参考人 そういうことも仄聞しております。
  70. 田中彰治

    田中委員長 あるのですか。
  71. 良島正浩

    ○良島参考人 仄聞しておりますが、そういうことであれば、僕はなおさら許しがたいといって、世耕氏にも言うし、それから小林鉛さんにも言いましたら、いや決してそういうわけじゃないのだ。ないんだが、一個人では都合が悪いからというので、やめたらどうだといってうやむやになった。そう言っておりました。
  72. 田中彰治

    田中委員長 それでは参考人に聞きますが、その延原は個人でしょう。
  73. 良島正浩

    ○良島参考人 はい。
  74. 田中彰治

    田中委員長 あなたには個人ではだめだと言いながら、延原個人と契約するのはおかしいじゃないですか。
  75. 良島正浩

    ○良島参考人 それなんです。私が法務庁というのを信用しなくなったのは、それが原因です。もうこれはだめだ、そんなことではだめだから、何もかも暴露して戦ってやろうか。その後も、まああとお話しますけれども、りっぱに民事の問題で決定をとって仮処分したら、私の前身を洗って私を縛るかと、弁護士に圧迫を加えるとかいうことを常々と検事がやっているのです。
  76. 田中彰治

    田中委員長 ちょっと参考人に聞きますが、それはあとで話を聞くことにして、私が了解できないのは、あなたに個人の契約はできないと言って、延原と個人でした。それはいいとして、あなたが手金を打ったり、あなたと拘置所がちょっと契約したり、弁護士が中へ入って契約したことを、法務庁とか拘置所で知っているのでしょう。
  77. 良島正浩

    ○良島参考人 よく知っております。
  78. 田中彰治

    田中委員長 しかし知っているのに、人の権利の土地をあなたに黙って、何もあなたに言わぬで、それを国有地へ変えるというのはおかしいじゃないか。
  79. 良島正浩

    ○良島参考人 それはおかしいのです。
  80. 田中彰治

    田中委員長 それはおかしいが、どういうわけでそうなんですか。
  81. 良島正浩

    ○良島参考人 それがおかしいと同時に、そんなことをやっているというから、延原も不都合だし、法務庁だってけしからぬじゃないかというので、私は、その延原都島土地に対して仮処分をやったわけです。
  82. 田中彰治

    田中委員長 その仮処分をするときに、大阪では許さなかったというのはほんとうですか。
  83. 良島正浩

    ○良島参考人 大阪では、大阪の検事局が、時の次席検事の安西という人が非常に延原と懇意ですし、いろいろうわさにも上っておる人だったもんですから……。
  84. 田中彰治

    田中委員長 どんなうわさに上っているのですか。
  85. 良島正浩

    ○良島参考人 話に聞くと、延原から家を作ってもらっているとか、めかけを世話してもらっているとか、聞いております。これは証拠はありませんけれども、そういううわさを聞いております。
  86. 小川豊明

    小川(豊)小委員 ちょっと待って、安西検事は今どこにいる。
  87. 田中彰治

    田中委員長 地検ですか。
  88. 良島正浩

    ○良島参考人 高検の次席検事です。
  89. 田中彰治

    田中委員長 そこであなたは大阪仮処分とれたの。
  90. 良島正浩

    ○良島参考人 大阪は受け付けないかもしれないという懸念があったもんですから、じゃどうしたらいいだろうかというので、延原の住まいを調べましたところが、芦屋に住んでいる。大阪の方には居住してないで、芦屋に本宅があるもんですから、居住している。それでそこの管轄の尼崎の裁判所に持っていきました。山口という判事がそれを受け付けてくれまして、そうして仮処分をして、即日私は仮処分の登記までやっちまったわけです。そうしたら、大阪の検事局があわてて、高検の次席検事がその裁判所の判事に対して、その一件書類を回してよこせ、こう言うていったわけでございます。
  91. 田中彰治

    田中委員長 事実ですか。
  92. 良島正浩

    ○良島参考人 事実です。しかし、それはよこさなかったですよ。判事さんが拒否したのですよ。
  93. 田中彰治

    田中委員長 それを判事は拒否した。どういう理由で拒否したのですか。
  94. 良島正浩

    ○良島参考人 何もこっちで決定したことを、そんな書類を何のために検事局に送らなければならぬかということで拒否したわけです。じゃ写さしてくれというので、それは写さしたのじゃないでしょうか。
  95. 田中彰治

    田中委員長 写さした。
  96. 良島正浩

    ○良島参考人 写さしたと思います。
  97. 田中彰治

    田中委員長 それはおかしいですね。
  98. 良島正浩

    ○良島参考人 それも判事が拒否したかどうか知りませんが、写さしたかもしれません。  それで、しまいにはもうこの良島というやつを縛っちまえというので、私は御影の山水閣という旅館へ行って――検事局むちゃするからと思って、しゃがんで隠れていました。新聞にはじゃんじゃん書き立てるし、これは何をやるかわからぬと思ったもんですから、御影の山の中に隠れていたのです。そのうちに今度は弁護士に会ったわけです。
  99. 田中彰治

    田中委員長 何という弁護士ですか。
  100. 良島正浩

    ○良島参考人 田口という人です。
  101. 田中彰治

    田中委員長 あなたの弁護士だね。
  102. 良島正浩

    ○良島参考人 はあ。
  103. 小川豊明

    小川(豊)小委員 これはどこの弁護士です。
  104. 良島正浩

    ○良島参考人 神戸の弁護士です。これは参考人に呼んでいただくと、また事こまかにお話なさると思います。
  105. 田中彰治

    田中委員長 圧迫したことを。
  106. 良島正浩

    ○良島参考人 はい。
  107. 田中彰治

    田中委員長 それで仮処分を……。
  108. 良島正浩

    ○良島参考人 そうしていたら、もう新聞で毎日、拘置所の移転が宙に迷ったとか、法務庁が協議したとか、じゃんじゃん書き立てられたし、実際法務庁も協議しておったろうと思います。それで今度は上野氏に頼んでいったわけです、拘置所が……。
  109. 田中彰治

    田中委員長 それはあとで聞きます。そこであなたにもう一度聞きたいのは、五百万の手金を打ったし、拘置所から買ってくれと頼まれるし、拘置所から契約書類の依頼もあるし、そこで金を都合してあとで持たしてやったのですか。それは二、三日待ってくれといってから、だれが持っていきましたか。
  110. 良島正浩

    ○良島参考人 鍵谷さんが、何しろヤンマーディーゼルの常務でもありますし、それから自分も一億や三億の資産があるんです。それで二、三日東京に急用があって良島が行ったから、それでもしかしたらあなたの方の都合によって払えというなら、自分で払ってもいいから、とにかく二、三日待ってあげてくれ、こう言ってきているのです。拒否するなら拒否する……。
  111. 田中彰治

    田中委員長 それはいいです。あとからその金を持っていったのですか。
  112. 良島正浩

    ○良島参考人 持っていったんですよ。持っていったが会わないのです。
  113. 田中彰治

    田中委員長 だれが持っていった。
  114. 良島正浩

    ○良島参考人 上野さんです。
  115. 田中彰治

    田中委員長 それは上野さんから聞きます。仮処分まであなたはされたということでけっこうです。
  116. 良島正浩

    ○良島参考人 そのときの契約書がありますけれども……。拘置所にとられてしまいましたので、写真をとっておきました。(小委員長書類を渡す)
  117. 田中彰治

    田中委員長 はい。――これはどうだろうね。委員の諸君にお尋ねするが、これを読まして速記に入れますか、入れないでいいですか。
  118. 荒舩清十郎

    荒舩小委員 入れておく方がいい。
  119. 田中彰治

    田中委員長 これを委員の諸君ちょっと見て下さい。  そこで、上野参考人から、その仮処分をあなたがどうして取り消すに至ったかという点を、一つ正直に言って下さい。
  120. 上野浩

    上野参考人 実は拘置所の福山総務部長が、私に何とか良島さんが仮処分を解くように骨を折ってくれないか。それはどうしてかというと、あんなことをしていると、交換ができない。交換ができなければ、拘置所ができない。できないと、未決の人や弁護士さんなんかもみんな困ってしまうから、どうすることもできないからやってくれと頼まれましたから、私は良島さんに、もうけんかはけんかとして、何とか処分を解いてやってくれるわけにいかないかといって、再三頼んだわけです。ところが、良島さんは、そんなものを解いてしまったら、拘置所だとか、法務省の横暴に屈服したことにもなるし、また延原の横着なやつに対抗する何のよりどころもないじゃないか、法律的に。そんなことをしてしまったらだめだ。だから、どうしてもいやだ、こう言うので、私も困ったといって返事をしたら、何とかしてくれ……
  121. 田中彰治

    田中委員長 あなたはどうして総務部長を知っておるのですか。
  122. 上野浩

    上野参考人 それはこの移転の問題で、良島さんに金を持ってこいというものですから、そのときに拘置所やなんかにも行って、ほんとうにそういう交換やなんかがあるのかということを聞きに行ったから、よく知っております。
  123. 田中彰治

    田中委員長 今のそういうあなたが聞いたことは、良島さんがしゃべったことと変わりありませんか。
  124. 上野浩

    上野参考人 変わりありません。
  125. 田中彰治

    田中委員長 それで……。
  126. 上野浩

    上野参考人 ただ少し違うのは、長島氏にやらせるつもりであったのが、もうやらせなくなってしまって、延原さんと直接やるんだということを言っていたことが、ちょっと違います。
  127. 田中彰治

    田中委員長 どう言っておりましたか。
  128. 上野浩

    上野参考人 持っている人直接にやらせるようにするんだ。
  129. 田中彰治

    田中委員長 地主と直接やらせるようにするんだ、そこが違うんだ……。
  130. 上野浩

    上野参考人 ええ。
  131. 田中彰治

    田中委員長 それから、あなたが頼まれて、取り消すまでに至った点を少し言って下さい。
  132. 上野浩

    上野参考人 それで私から言いますと、良島さんが仮処分したときの金だとか、その積立金やいろいろなものを出してもありますし、また国家的に見ても、そんなことで争わない方がいいと思ったから、いったわけです。しかし、どうしても先生がいやだという。じゃ、一体どうしたらいいのかといったら、先生は、今まで自分は約二千万ばかり出費をしておる。だからその出費を君が肩がわりしてくれるなら、もう自分はこんなものは全部あきらめてしまって、君にそれを譲るから、君がどうしてもそれをしたいというなら、そういうふうにしてくれという話になりました。それで私は、二千万も大金を出すのは大へんなことですから、まず、拘置所に行きまして、こういうふうなことを言っている、こうしなければ良島はどうしても仮処分を解かないという、どうだろうかといったら、できれば何とか解いて下さい。それで交換がうまくいったらば、拘置所としては延原さんの方によく話をして、そして交換のできるようにあなたのためにしてあげるから……。
  133. 田中彰治

    田中委員長 あなたのために何をしてあげるというのですか。
  134. 上野浩

    上野参考人 延原さんが交換した天満土地を二億三千万で入るように骨を折ってあげる、だから、あなたはそれをやってくれないだろうか。
  135. 田中彰治

    田中委員長 だれが言ったのですか。
  136. 上野浩

    上野参考人 福山総務部長です。
  137. 田中彰治

    田中委員長 それで仮処分をとれ、とったら、交換した延原土地になったものをあなたに二億三千万で売るようにしてやる、そういうことですか。
  138. 上野浩

    上野参考人 そうです。
  139. 田中彰治

    田中委員長 さらに、あなたもそれを買えばもうかるから、良島に勧めたということですか。
  140. 上野浩

    上野参考人 だから、今まで損した分を取り返せると思ったのです。  それからもう一つは、延原さんの方に対しても、増井良二――きょうは来ておりませんが、初めから延原さんとの中に入っている人、それからここにおられる高瀬さん、増井さんをおもにやったのですが、こういうふうにおれは二千万出さなければならないが、おれ一人で損するのは困る。だから、延原さんの方でも、交換したいならおれに千万くらいよこせ、千万ずつ損して片づけようじゃないか、こういうふうに言ってくれと私は申し込ましたわけです。そうしたら、これは増井さんの私が聞いた返事ですが、延原さんの方としては、今千万出すわけにいかぬ。要するに、交換が終わって取引をするときには、その千万を自分の方でかぶってやるようにすると言ったということを聞いて、拘置所の方の話も、延原さんの方の話も、私が片づけることによって一等うまくいくし、私もこれなら損をしないという気持になりまして、良島さんに金を払って、そして一切の権利をとって、私は昭和三十一年三月二十八日に仮処分を解き、四月十二日に本訴を取り下げて、それで拘置所長が良島さんに渡していた契約書や何かを何回も返せ返せと言ったけれども、返さなかったのだから上野君返してくれというので、そういうものをすべて返してやったわけです。そのときに、私の弁護士や親しい者は、そんな大切な証拠書類をみんなやってしまったら、契約を一つもしないでそんなことをやったら、あとよりどころがないから、君がみんな損するかもしれない、そんなことはよせ。やはり君がきちんと契約か何かを取りかわしてやらなければだめだというふうにみんなが忠告してくれたのですが、私は、法律で契約するよりも、道徳的に契約したならば、信義上それをきっとやってくれるであろう、その方が強いし、そうやってやることが早く片づけることであるということで、その信念のもとにそういうふうにやってしまった。
  141. 田中彰治

    田中委員長 参考人に聞きますが、二千万の損をあなたが千万出して延原に千万出させて片づけようじゃないか。このときに、延原は今一千万は出せないが、土地交換したら千万出すと言ったのか、土地交換したら、今の延原土地を千万引いてあなたに売ると言ったのか、どっちです。
  142. 上野浩

    上野参考人 それは延原さん直接ではありませんが、増井さんを通して延原さんの中村という支配人に話をして、一億三千万を二億二千万で売ってくれ……
  143. 田中彰治

    田中委員長 土地交換したら、現金を千万出して、あなたが千万損して良島と片をつけるということなのか、交換した土地を千万引いてあなたにやると言ったのか。
  144. 上野浩

    上野参考人 二億二千万で売る……。
  145. 田中彰治

    田中委員長 あなたに売ると言ったのですね、今の刑務所土地を。それは書いたものはありませんか。
  146. 上野浩

    上野参考人 ありません。
  147. 田中彰治

    田中委員長 そんなことで、仮処分の保証金の積み立ても、本訴を出しているのも取り下げるのは、おかしいじゃないですか。
  148. 上野浩

    上野参考人 私から見ると、拘置所法務省の人たちは、片一方は僕は知らなかったのですが、延原さんというのはりっぱな人だ、また財産も二百億もある人だというような話も、当時私は聞いておりましたから、そういう人がそんなことを違約するなどとはどうしても思えなかったのです。
  149. 田中彰治

    田中委員長 今のあなたと延原さんとの間に入って話をしてくれた人が、証人に出てそういうことを言いますか。
  150. 上野浩

    上野参考人 ここに高瀬さんがおりますが、高瀬さんは増井さんが交渉された様子を知っておると思いますから、聞いて下さい。私の言っていることが違っているかもしれませんが、聞いて下さい。
  151. 木村公平

    木村(公)小委員 上野参考人にお伺いするのですけれども、結論は、それではあなたは一千万延原にお出しになったのか、二千万お出しになったのか。
  152. 上野浩

    上野参考人 良島さんに二千万出したのです。
  153. 木村公平

    木村(公)小委員 あなたのふところから二千万現金でお出しになった。一度に。
  154. 上野浩

    上野参考人 一度ではありません。ここにもちゃんと書いてありますが、千万最初渡し、あと手形を渡しておったのですが、その手形は百万払ったり五十万払ったりして、ぼちぼち千万を払ったのです。
  155. 木村公平

    木村(公)小委員 結局二千万はお払いになったわけですね。
  156. 上野浩

    上野参考人 はい、そうです。
  157. 木村公平

    木村(公)小委員 そうして一切の権利を継承されたわけですか。
  158. 上野浩

    上野参考人 私が一切の権利を継承してしまったわけです。
  159. 木村公平

    木村(公)小委員 それは法律上の継承をされたわけですか、弁護士も立ち会いの上で。
  160. 上野浩

    上野参考人 確定書もとってありますから。
  161. 田中彰治

    田中委員長 公正証書で。
  162. 上野浩

    上野参考人 公正証書じゃなくて、それとこれとが一体となる筋のものなんです。(小委員長書類を渡す)
  163. 田中彰治

    田中委員長 それでは上野参考人はけっこうです。  高瀬さん、今上野参考人が言った使いに行った人の話を、あなたの知っている程度のことを話してみて下さい。
  164. 高瀬昌弘

    高瀬参考人 大阪市福島区江成町八十番地、高瀬昌弘と申します。
  165. 田中彰治

    田中委員長 御商売は何ですか。
  166. 高瀬昌弘

    高瀬参考人 商売は宅地建物取引業、現在の職業大阪府福島不動産組合の組合長で、大阪府不動産鑑定師会の理事をしております。
  167. 田中彰治

    田中委員長 それではあなたの知っている程度のことを言って下さい。
  168. 高瀬昌弘

    高瀬参考人 上野さんから希望がありまして、もしこれを取り下げてすると、自分は二千万ほど負担しなければならぬ。であるから、売買が二億三千万円台であったために、そのうちから取引のときに一千万減して一億二千万で売買額ができるように交渉してくれという依頼がありました。それで支配人の中村氏に交渉しました結果、中村氏は、言われることは大体わかった。しかし、主人に話をしなかったら確答できないから、主人によろしく交渉するというて別れて、その後の返事は私にはなかったわけです。それからだんだん話が続いておったものですから、取引の時期がこなかったから、はっきりそれが承諾したかせぬかということが不明朗で終わってしまったような状態であります。
  169. 田中彰治

    田中委員長 高瀬参考人にちょっと聞きますが、それじゃあなたはあとから、もう一人交渉にこちらから頼まれた人の話を聞きましたか。
  170. 高瀬昌弘

    高瀬参考人 増井というのですけれども、増井の話では中村支配人があれだけ引き受けていったから、多分これは成立するだろうというような工合に解釈しておったと思います。その後の返事は、私ははっきり聞いておりません。というのは、それがなかなか本契約にいくというに至らぬものですから、それを徹底的に詰問する機会がなかったように思います。
  171. 田中彰治

    田中委員長 本契約とは何ですか。
  172. 高瀬昌弘

    高瀬参考人 本契約というのは、つまり売買の契約です七契約といって、はっきり上野さんがお金をかけるという段階にいっておらなかった。向こうが承諾したような、せぬような――われわれは承諾しておるものと解釈しておったけれども、なかなか受け取ってくれなかったわけです。
  173. 田中彰治

    田中委員長 けっこうです。  上野参考人に聞きますが、増井という人は、それからあなたにどんなことを言いましたか。
  174. 上野浩

    上野参考人 増井さんは、今言ったように中村支配人に話をした。中村支配人はいけないと言わないで、主人とよく話をするからと言っているから、間違いなくそういうふうなことにいくでしょうと私に言いました。
  175. 田中彰治

    田中委員長 増井さんからそれだけしか聞かないのですか。
  176. 上野浩

    上野参考人 ええ。
  177. 田中彰治

    田中委員長 それであなた契約書も何もないのに、どうして取り消すのですか。
  178. 上野浩

    上野参考人 それは言いましたように、要するに法律上の話し合いだとか契約などというものに対して、あまりそれを値打があるというふうに私は思いたくないたちで、口で約束したこと、道義的な約束、そういうものの方が一番大切なものであるというのが、私、ことし六十二才でありますが、若いときからの信念でありますから、これはどうしようもないのです。
  179. 田中彰治

    田中委員長 あなたはだれを信じているのですか。
  180. 上野浩

    上野参考人 私は、拘置所並びに延原観太郎さんの支配人の中村さんがそういうように言った。またそれを取り次いでくれた増井さん、そういう人たちを信用しているのです。
  181. 田中彰治

    田中委員長 あなたは増井さんと会っていますか。
  182. 上野浩

    上野参考人 会っています。
  183. 田中彰治

    田中委員長 延原とも会っていますか。
  184. 上野浩

    上野参考人 会っていません。
  185. 田中彰治

    田中委員長 中村支配人とは……。
  186. 上野浩

    上野参考人 会っていません。
  187. 田中彰治

    田中委員長 それはおかしいじゃないか。会わぬ者をどうして信用したのですか。増井さんという人の人格をあなたは知っているのですか。
  188. 上野浩

    上野参考人 ええ、知っています。りっぱな人です。信じております。
  189. 田中彰治

    田中委員長 それから、拘置所総務部長のことを信じておるのですか。
  190. 上野浩

    上野参考人 あれもりっぱだと私は思って、信じております。
  191. 田中彰治

    田中委員長 それであなたは延原とも会わぬし、支配人とも会わぬのに、この二人を信じてやったのですか。
  192. 上野浩

    上野参考人 そうです。
  193. 田中彰治

    田中委員長 それはまたずいぶんお人のいいことだな。
  194. 木村公平

    木村(公)小委員 ちょっとお伺いするのですが、私は、これは全貌はまだ何もわからないので、これからいろいろお伺いするのですが、結論的に言うと、あなたの二千万円が被害を受けられて、結局交換は今なおできておらぬのですね。
  195. 上野浩

    上野参考人 手付金の五百万円はそのままになっております。
  196. 田中彰治

    田中委員長 それから、経費はみんな棒に振っているわけですね。土地はすでに延原交換しておるわけですね。
  197. 木村公平

    木村(公)小委員 交換になっちゃったのですか。
  198. 上野浩

    上野参考人 交換になって、拘置所は建っておるのです。ですから、交換になってから、早く取引をしようといって、私は行ったわけですね。
  199. 田中彰治

    田中委員長 延原のところに……。
  200. 上野浩

    上野参考人 ええ。そうしたら、今非常に方々で見ている、何か不当な取引をしたとかなんとかいって、うわさを立てられる懸念もあるから、もう少し時期を延ばしてほしいというふうなことで……。
  201. 田中彰治

    田中委員長 それはだれが言うのですか。
  202. 上野浩

    上野参考人 それは延原派の者です。
  203. 田中彰治

    田中委員長 延原のだれですか。
  204. 上野浩

    上野参考人 中村支配人です。その間に牧野寛索さんがいるのですが、牧野質素さんを私の使いとして延原さんのところに十回くらいやりまして、牧野寛索さんは、延原さんと三回も四回も会ってやってくれていたのです。
  205. 田中彰治

    田中委員長 そしてどう言ったのですか。
  206. 上野浩

    上野参考人 それでやったときに、牧野さんが言うのには、延原さんと会うのは、もう少し待ちなさいと言っているわけですね。それで待ちなさい、待ちなさいとばかり言って、しまいのときに向こうから言ってきたのは、上野さん、買うといっても買う金があるのかと言うんですね。あるなら金を見せろと言うんです。それじゃしようがないから、牧野寛索氏がそういうふうに言ってくるから、人に頼んで、三億五千万の銀行の残高証明、これは延原さんの土地を売買したときの内金であるということを、ちゃんと各自が金額や何か書いてもらって、そうして牧野氏に持っていってもらったのです。だから、もうこれできっと話がまとまると私は考えた。ところが、今度延原さんが足をくじいたとかいうようなことで、三カ月か四カ月会えなくなる。それから今度牧野さんが五、六回行ったところで、全然会ってくれなくなった。
  207. 三和精一

    三和委員 お伺いしますが、牧野さんは弁護士としてあなたに頼まれたわけですか。政治家として頼まれたわけですか。
  208. 上野浩

    上野参考人 もちろん議員になるずっと前ですから……。
  209. 三和精一

    三和委員 それじゃ弁護士としてですか。
  210. 上野浩

    上野参考人 ええ、そうです。
  211. 荒舩清十郎

    荒舩小委員 個人として頼んだのですか、弁護士として頼んだのですか。
  212. 田中彰治

    田中委員長 牧野君は弁護士だし、友達だから……。
  213. 上野浩

    上野参考人 知っている人だし、弁護士だし、どっちにしても便利がいいから頼んだのです。
  214. 田中彰治

    田中委員長 それであなたの残高証明は、土地を買われる残高証明としてやったわけですね。
  215. 上野浩

    上野参考人 もちろんそうです。
  216. 田中彰治

    田中委員長 それでおかしいのは、買うのは一億三千万でしょう。それを二億二千万にするという約束でしょう。そこでどうして三億の金を持っていくのですか。
  217. 上野浩

    上野参考人 それは私の常識で、私が約束したのは昭和三十一年のときです。そうして今言った残高証明を持っていったのは去年ですから、だから、その間に物価は常識的にいっても、うんと上がっておりますから……。
  218. 田中彰治

    田中委員長 そんなことはかまわぬじゃないか。
  219. 上野浩

    上野参考人 だから、私としては、少なくとも六億か六億五千万で買いたいという意思表示をして、それだけの金を持っていったのです。
  220. 田中彰治

    田中委員長 それでおかしいのは、あなたが一億三千万で買う約束をしてあったものであれば、十年たとうがあなたのものだろう。それをまた高く買ってやるというのがおかしい。
  221. 上野浩

    上野参考人 自分一人でもうけてもしようがないから……。
  222. 田中彰治

    田中委員長 それがあいまいなところなんだ。おかしいじゃないか。向こうで、あなたに二億三千万円で売ると約束しておったけれども、今物価も上がっておるし、ごたごた延びたから、おれも利益がほしいから、これを四億で買ってくれ、五億で買ってくれというならいいけれども、あなたから六億とか五億とかいうのはおかしいじゃないか。
  223. 上野浩

    上野参考人 今考えてみると、非常におかしいと思うのです。そのときは、私としては早くそういうふうに片づけたい。ところが、向こうから見ると、私が三億五千万円しか持っていかない。向こうは十億に売りたいとか、幾らに売りたいと考えていたと思うのです。それだから、これだけしか持ってこない。そうすると、僕は前のつながりがあるから安くしか買ってもらえないということで、先生としては牧野さんに会うのをやめてしまったのじゃないかというように推測しております。
  224. 田中彰治

    田中委員長 それがおかしい。あなたが支配人のところに行ったときにも、それから今の刑務所総務部長ですか、その人が行ったときも、二億三千万だけれども、あなたがそうやって損するから二億二千万でやらせますということを言ったのでしょう。
  225. 上野浩

    上野参考人 そのときはそうです。
  226. 田中彰治

    田中委員長 あなたは二億三千万円と約束したのだから、よけいに払うということはおかしいじゃないか。そういうときは、向こうになめられるというか、契約がはっきりしていないということに触れる。今どう思っているのか。延原のものだと思っているのか、あなたのものだと思っているのか。
  227. 上野浩

    上野参考人 今は自分のものだと思うから、こうやって、そんなことで国に損害を与えてはいけないと思うから、お調べを願いたいということを申し上げています。
  228. 田中彰治

    田中委員長 中村支配人が首になったというのは、どういうわけで首になったのか。
  229. 上野浩

    上野参考人 それは、私が拘置所の福山総務部長のところに行きまして、お前たちひどいじゃないか、おれにさんざやらしておいて、あとになったら連絡するとかなんとか言っておきながら、何にもしてくれない、そんなばかなことがあるかと、僕が何回も何回も文句を言いに行った。そうしたら、総務部長の福山さんの言うのには、延原みたいな悪いやつはない。驚いてしまった。延原が悪いということは、中村支配人がいたときにはわからなかったけれども、中村支配人がいなくなってから、全部わかってしまった。今大げんかしているからおれは行けないのだと言い、そのときに拘置所長の言うのには、君が中村支配人のところに会いに行きなさいと、所番地を書いて言うから、僕が中村支配人のところに行って会う必要はない。そんなことはあなたがやってくれればいいことで、おれは、やめさせられてしまった支配人のところに行くなんて、そんなばかなことをしてもしようがないと言って、別かれたわけです。
  230. 田中彰治

    田中委員長 その総務部長をここに呼び出したら、言いますか。
  231. 上野浩

    上野参考人 それは言うと思います。事実のことですから……。
  232. 荒舩清十郎

    荒舩小委員 実に不可思議な話で、どうも探偵小説にでも出るような話で、真意をつかみ取れない節もあると思います。そこで、先ほど参考人から、延原という男はひどいやつだというような話が陳述された。そこで延原という男の、あなたが知っている今までの前身、おい立ちといいましょうか、それらの点について、あなたの知り得る点をお話願いたいと思います。
  233. 良島正浩

    ○良島参考人 最初は、先ほどお話しました通り、変わった人だぐらいに思っておりましたけれども、その後大阪に行って調べますと、つまり白昼公然と大阪の町が歩けない人でして、それはどういうわけかというと、約二百億と称する資産がありながら、一万人に近い職工は弊履のごとく捨ててしまって、一銭の手当も出さずに、実にみじめな生活をしている者がおって、会い次第殺してしまうというのも、相当いるという話でありました。それから、現にこの中村という人も、銀行の支店長をしていて、さんざん自分が利用したあげく――この人は相当な人物ですが、たった一言正論を吐いたばかりに、犬ネコみたいに首にしているような状態で、われわれのこの問題から、それは社長少し無理じゃないかと言ったととが原因で、一銭もくれずに首を切ったという話を聞いております。
  234. 田中彰治

    田中委員長 中村支配人というのは元銀行員だったの。
  235. 良島正浩

    ○良島参考人 銀行の支店長です。
  236. 田中彰治

    田中委員長 どこの……。
  237. 良島正浩

    ○良島参考人 住友じゃないですか。
  238. 田中彰治

    田中委員長 それをやめてから、そこに入ったわけですか。
  239. 良島正浩

    ○良島参考人 やめさせて入れたわけです。
  240. 田中彰治

    田中委員長 それで、あなた方の問題で正論を吐いて首になった……。
  241. 良島正浩

    ○良島参考人 しかも、二十年勤めて、われわれの問題でたまさか正論を吐いたがために、お前首だと言って、一銭の退職金も出さずに首を切っておるわけです。そういうような男で、驚くような、もう普通の悪いやつだぐらいでは、ほとんど評価ができないような男でして、前身はわかりませんが、戦争中には職工から、海軍御用の大砲とか軍需品を作っていたわけです。至るところに大きな工場を持っておりまして、銀行でも――勧業銀行の堀頭取にも私は会いましたが、あんた男は初めて会うた。自分が貸付課長のときに貸したんだが、八千万円という、とても想像もつかない金をあの当時貸した……。
  242. 田中彰治

    田中委員長 何年に貸したのですか。
  243. 良島正浩

    ○良島参考人 昭和十八年で八千万円ですから……。今の土地価値から見ても、今言った通り一億そこそこの土地です。それを昭和十八年に八千万円貸して、いまだに一銭も利息も払っていないし、一銭も元金も払っていない。というのは、大阪の勧銀に行って私も責めた。そうしたら、三十ぺんに一ぺんぐらい見えるだけで、けちなことを言うな、おれは今に四百億ドルぐらいの金が入ってくるんだということを、わあっと言って煙に巻いてしまう。図体は大きいし、実際何でもする。そういうふうだから、もうあの人だけには手がつかぬ。じゃ競売したらいいじゃないか、ずいぶんあなたのところややこしいじゃないかということを言ったら、値打があるから、こう言うて延ばしておるようなものです。
  244. 木村公平

    木村(公)小委員 担保はとっているのですか。
  245. 良島正浩

    ○良島参考人 とっています。
  246. 田中彰治

    田中委員長 拘置所と取りかえた土地をとっている。
  247. 良島正浩

    ○良島参考人 どうにもしようがないので、草をはやしてあります。
  248. 荒舩清十郎

    荒舩小委員 一つ重要な点でありまして、勧銀が――当時の勧銀ですから、政府からも金が出ている。その勧銀が八千万円――当時の八千万円というと、今日の何十億に当たる。その金を貸して、しかも利息もとっていないということが事実であるとするならば、大へんな問題で、そういう点、一つ委員長において、いかなる理由で利息もとっていないか、それからその当時から担保の処分もいかなる理由によってしないか、これを直ちにお調べ願いたい。
  249. 田中彰治

    田中委員長 承知いたしました。
  250. 荒舩清十郎

    荒舩小委員 なおもう一つお尋ねしますが、延原というのは鉄工所ですか。
  251. 良島正浩

    ○良島参考人 はい。
  252. 荒舩清十郎

    荒舩小委員 その鉄工所は、終戦の当時、もちろん二万人も使うのですから、海軍の仕事をしていれば管理工場でしょう。管理工場であって、工場を終戦後閉鎖したと思いますが、その場合に職工を首にする、一銭も退職金をやらない、そういうような不正な、まことに法律を無視したやり方をしている。同時に、その延原に聞くと、何百億とか資産があるということですから、終戦の当時はごたすたして――ずいぶん地方にもありますが、たとえば軍から受注を受けている品物を、終戦の当時にどさくさでやみに売ってしまったとか、スクラップにして売ってしまったというようなことがなきにしもあらずですが、あなたが知っている程度のことをお話し願いたいと思います。
  253. 良島正浩

    ○良島参考人 それはほとんど売っております。
  254. 荒舩清十郎

    荒舩小委員 どんなものですか。
  255. 良島正浩

    ○良島参考人 鉄材、しんちゅう、銅、いわゆる非鉄金属類ですね。それから材木ですが、ほとんど全部売って、借りたものは返さずに、持っているものはみんなそれを売って、しまい込んで、そして秘密に高利貸しをやっております。それから、それを買った人間も私知っております。
  256. 荒舩清十郎

    荒舩小委員 自分の持っている資材をいわゆる鉄工所では素材といいましょうか、それを売るようになったのは、当時の軍の状態であれば相当の注文を出し、資材を送った。その材料を売ったというようなことになれば、これは国有財産をどろぼうしたという形になる。そこで、それを買った人があるという話ですが、そういう人ははっきりしておりますか。
  257. 良島正浩

    ○良島参考人 はっきりしております。
  258. 荒舩清十郎

    荒舩小委員 それは一つ参考人に呼んで、ぜひお調べ願いたい。
  259. 田中彰治

    田中委員長 あと参考人からその人の住所、名前をこっちに出して下さい。
  260. 荒舩清十郎

    荒舩小委員 とんでもないことだと思うのです。そこでいわゆるスクラップを買った人、その状況をつぶさに調べる。それから勧銀の問題は、八千万円貸したものをいかなる理由で利息をとらないのか、それを調べる。
  261. 田中彰治

    田中委員長 この次の委員会に頭取を呼びます。
  262. 荒舩清十郎

    荒舩小委員 なお同時に、今の地所を交換する。その交換の仕方において私どもは非常な疑義を持っておる。大阪のまん中の土地都島の離れたところの土地交換するというようなやり方、これはやり方においては、そこに検事局あるいは裁判所のいろいろな圧迫があったようにも聞こえる。こういう点を一つつまびらかにしなくちゃならぬ。しかも、交換した土地国有財産である。これは断固として取り調べなくちゃならないということと、延原が相当な資産を持っておるということになれば、それが国税を一体どのくらい納めているのか。それから五百万円やったとすれば、その五百万円に対する税金、これらの状況も直ちに当委員会で調べる。これらをぜひすみやかに調べたいと思うのですが、どうですか。
  263. 田中彰治

    田中委員長 けっこうです。荒松小委員に申し上げますが、実は税務署の方をちょっと調べたら、一年に三十一万幾らしか払っていない。そのほかに税金というものは一銭も払っていない。
  264. 荒舩清十郎

    荒舩小委員 どういう種類の税金を納めているかということも……。
  265. 田中彰治

    田中委員長 彼の申告のものだけしか納めていない。
  266. 荒舩清十郎

    荒舩小委員 五百万円のものは……。
  267. 田中彰治

    田中委員長 そんなものは納めていない。
  268. 木村公平

    木村(公)小委員 ここで一番僕が大事だと思うのは、今荒舩委員長からお話があったのですが、まず、国有財産である天満拘置所を、周辺の反対があったので、ここに拘置所を建てることはよくないという結論に達して――法務省の見解では、これを一応返せば大蔵省の所管になる。そこでそういうことになったのでは、うまい汁が吸えないからというので、人を介して個人の交換地を見つけて、それと交換する。その場合に、すでに法務省では、天満土地は場合によっては五億、あるいは今日においては十億の価値のあるものかもしれないし、都島土地というものは一万九千坪あるけれども、ただいまの参考人お話によれば、一億円でもいやだというようなことが事前に明らかなんだ。片一方は一億円、片一方はすでにその当時で五億の価値のあったものとすりかえ、交換をしておる。中に入った者が勝手にもうけなさいというようなことは、これは国有財産に対する不当な増減の減の方だ。こんなことを今後各役所がやりかけたら、日本の国有財産に与える打撃は甚大なものだ。参考人ですらも、おかしなことをやるものだと知りながら、個人のことだし、利益にさといから、そういうことはいかにも摩訶不思議であるけれども、もうけ仕事であれば乗ってみようかということで乗ったということを、参考人はここで言っておる。そうすると、おそらく拘置所においても、法務省においても、天満価値はどのくらいであって、都島価値はどのくらいだということを承知の上で、国家に損を与えたと言わざるを得ないのです。だから、ここが大問題です。それを判明させるために大事なものは、たとえば大阪高検の――現在はどこにおるか知らぬが、安西検事などというものはぜひこれは呼ばなければならぬ。それから拘置所長並びに福山という総務部長に、十分この間の状態を聞かないとわからない。それからできれば、田口という弁護士が恐喝されたという事実を調べておかなければならぬ。国有財産損害を与えるために恐喝したのだから、それも聞かなければならぬと思いますので、以上の参考人を皆さんの御協議の上で、ぜひとも出頭せしめるような手続をとっていただきたい。
  269. 田中彰治

    田中委員長 承知しました。
  270. 小川豊明

    小川(豊)小委員 私も今それに関連した発言をしようと思ったのですが、今の聞いたところを要約していくと、国有地の処分の不当というのが一つ。もう一つは、司法官僚の越権行為があって、第三者に不当な被害を与えておるということが出てくるし、さらに国有財産の取り込みと横流しという問題が出てくるし、脱税が出てくるのじゃないか。こういうふうに、要約すると考えられる。そこでさっき荒舩委員長から発言されたように、勧業銀行から延原観太郎に対して貸付金が何千万かある。従って、この資料提出を要求するわけですが、これに対する貸付の金額と貸付の条件、元利金支払いの状況とその担保物件の状況、これを資料として出してもらいたい。それから次に、既往五カ年間における延原観太郎の国税額とその根拠、及びこれが納税状況、特にさっき話に出た五百万円手付金を取得しているわけですから、それに対する納税というものはどういうふうになっておるか、その納税額の状況。さらに国有財産交換にあたっての法令上の手続を示す経過文書。たとえば、国有財産法上の大蔵大臣の承認が必要だ、鑑定額とこれらに対する経過、こういうものを一つ資料として要求します。最後に、終戦以来延原観太郎に対して国有財産等を払い下げていると思われる。従って、これを払い下げているとすれば、この物件と数量と払い下げの条件というものを資料として提出してもらいたい。さらに参考人としては、先ほど木村君が言われたような拘置所の所長、それから安西ですか、検事正、と同時に、事件の中心人物である延原観太郎、この三人はぜひ次会にもう一回、これは参考人になるか、場合によっては証人になるかもしれませんが、呼んでもらいたい。
  271. 木村公平

    木村(公)小委員 それから先ほど良島さんのお話のうちに、延原観太郎の家へ行ったところが、倉庫へ案内をされた。鉄のとびらが締まって立ち話をして、心理的脅迫を受けたので、つい五百万円渡すことが、不安であったけれども、出してしまったというようなお話がありましたが、それが事実だとするならば、延原観太郎所有のその鉄のカーテンのある倉庫も、実地検証をしなければいかぬと僕は思う。これはぜひ一つ見てこなければいかぬ。
  272. 西村力弥

    西村(力)小委員 上野さんの先ほどのお話で、仮処分も取り下げた、本訴も取り下げたというときの事情は、委員長も指摘されておりましたが、どうも不明なんですね。あなたの善意というか、形のものよりも人間に対する信用だというような問題、それだけではどうも了解ができない。それでお聞きしたいのは、その間に圧迫、脅迫的なものはなかったのかどうかということです。あなたがそういう措置をとらざるを得なくなったような事情がなかったのかということですが、その点はどうなんです。
  273. 上野浩

    上野参考人 別に圧迫、脅迫されたというようなことはありませんでしたが、どうしても早く拘置所を建てて――実際私たちも大阪拘置所に行ってみたけれども、ひどいものだから、しなければいけないという気持は非常にそのときしていたわけです。
  274. 田中彰治

    田中委員長 上野参考人、実はあなたに聞きにくいことだけれども、今の竹内刑事局長とか、その他もっと司法部の幹部から、君こうしてやれと言われたんじゃないの。正直に言った方がいいね。それはわかっているんだから。
  275. 上野浩

    上野参考人 別にそんなことはありませんでした。
  276. 田中彰治

    田中委員長 そうじゃないだろう。提訴なんか思ったこともあるのだろう。刑務所の一総務部長ですか、そんなものが言ったくらいのことで、どうもそれだけの問題を取り下げるのはちょっとおかしいのだよ。
  277. 上野浩

    上野参考人 そう言われてみると、私も多少――いざとなったらあんな者はやっつけてやれる。おれとの道義を裏切れば、おれが訴えてやれば、やっつけられるという私の確信もあったのです。それはどういうことであるかというと、一等最初にこの問題で大阪へ行ったときに、竹原さんが最高検の検事をしておりまして、それで大阪拘置所の問題はどうなのか、非常に弱っているようだ、それじゃ場合によってはおれが手助けしてやろうかと思うが、じゃ行ってくれというので、大阪の松本検事正に紹介されて、それで行きました。それから大阪の所長だの管区長だのみんなに会ったわけです。それからそのときのいろいろな話で、大阪拘置所では全部この事件を本省に移してしまったから、あなたの話は一つ本省へ行ってやってくれないかというふうなことがあって、今の刑事局長の竹内さんが経理部長のときに行って話して、お目にかかったわけです。そのとき経理部長の言われるには、ちょっとおもしろからぬことがあるから、今、良島、延原交換はちょっと取りやめなければならないということと、それからもう一つは、どう考えてみても、これはだれか人が買って、その人とそれから天満拘置所のものを交換するのもよくないから、持っている人に法務省でじかにやるのがいいんだ。ただし、そういう交換ができたあとで、天満土地をあなたが延原からお買いになろうがどうしようが、それはあなたの自由だから、一向差しつかえないというふうな話があって、私がそのとき、いかに拘置所を早く作らなければいけないかということに協力したかということは、おそらく知っておられると思うのです。だから、もしもそういうことで延原さんなんかが裏切った場合は、きっと処置をとれるんじゃないかというふうに、私はそのときは考えてやったのです。だけれども、今になってみると、何かそんな人にそんなことを言っていく筋もおかしいような気もするし、結局これは国有財産であるから、決算委員会でもってつぶさに公正なことをしてもらって、私がいけないならいけないで、あきらめるようにしよう。いいものなら、そういう国家損害が起きないように、一つよろしくお願いしたいということであります。
  278. 西村力弥

    西村(力)小委員 良島さんに聞きますが、二千万円受け取られたわけですね。二千万円を必要経費と算定されるのは、どういうところにあるのですか。五百万円は手付金として出しておりますから、そのほかの一千五百万円の算定は、どうなんですか。
  279. 良島正浩

    ○良島参考人 私は、新大阪ホテルに四百五十万円くらい支払っておりますし、その部屋代と、それから東京との飛行機の往復を約四十回いたしております。それから……。
  280. 田中彰治

    田中委員長 弁護士料とかあるだろう。
  281. 良島正浩

    ○良島参考人 そのほか弁護士にもやったり、それは損害といったら、そんなものじゃない。六、七千万円しております。土地を担保に入れて費用に使って、私がそれをやっている間に、知らない間に、いつの間にか根担保に入れておったその土地が売られてしまったり、それから知らない間に転々として人の名義に移っていたりしていました。京都に約三、四千万円のものがあるでしょう。それをたった百万円かそこらでみんなぶん流れておりますし、それから今三億円くらいの土地を根担保に入れておりますが、それを売ってしまってもうけている。これは告訴はしておりますけれども。そういったふうで、大きな損害もしているのです。
  282. 荒舩清十郎

    荒舩小委員 ちょっと関連して。いろいろな角度から調べなくちゃならない。私はうわさに聞いたんだから、事実であるか事実でないかわかりませんが、延原というのは鉄工所をやっておって、軍の資材をうんと取り入れた。終戦と同時に、軍に出入りしていたものですから、大砲をうんと持ってきて、スクラップにして売ったといううわさを聞いている。当時の大阪のうわさを聞くと、とんでもない、終戦と同時に軍の資材をことごとく引っぱり出して、スクラップでどんどん売った、あれは大砲屋だ、大砲売りだといううわさまで私の耳には入っている。しかも、今良島さんに聞くと、そういう横流しというか、軍の資材を無断で売った。その買った人を知っておるのだというのだから、ぜひそういうものは、参考人あるいは証人として呼ばなくてはならないと思う。これを一つきめてもらいたい。
  283. 田中彰治

    田中委員長 あとで理事会を聞いて、そういうものを整理して……。
  284. 小川豊明

    小川(豊)小委員 さっき女学生がたくさんいたからお聞きしなかったのだが、良島さんの発言の中に、こういうことがあるのです。大阪の高検の安西次席検事は、延原からめかけを世話をしてもらったということを聞いているので、そういうところへ持ち込んでもだめだろうと思って尼崎へ持っていった。こう言うが、これは綱紀の紊乱ということになる。との安西次席検事がそういうことがあったというのは、あなたうわさで聞いたのか、何かしっかりした人から聞いたのか、その点はどうなんですか。あなたがそう信じ込んでそこへ持っていかなかったというのは、何か根拠があるのですか。
  285. 田中彰治

    田中委員長 その点について、安西検事と延原との関係、それからいろいろな件について、あなたが知っている範囲のことをここで言ってごらんなさい。
  286. 良島正浩

    ○良島参考人 最初安西さんという人が延原とそんな深い関係があるということを聞いたのは、刑務所の福山という総務部長から聞いたのです。安西次席さんのところへ行かなくちゃだめですよ、向こうさえいけば延原はどうにでもなります、こういうことを福山さんがはっきり言うておりました。
  287. 田中彰治

    田中委員長 その他延原との関係は、どこかで聞かないの。
  288. 良島正浩

    ○良島参考人 その他は、もうほとんどだれ一人知らぬ者はいない。さあ、だれだと言われたら困りますけれども……。
  289. 田中彰治

    田中委員長 どういうことを聞いているの。
  290. 良島正浩

    ○良島参考人 大体安西氏と延原氏とは深い関係がある、そんなことが原因で、安西氏は大阪で弁護士をやれないんじゃないでしょうか。大阪の弁護士会からボイコットを食って……。
  291. 田中彰治

    田中委員長 検事正をやめたときに、大阪で弁護士をやろうとしたら、大阪の弁護士会がけった。それで東京で弁護士をやっている。めかけを持ったとか、家屋敷を買ってくれたということは評判に聞いたの。
  292. 良島正浩

    ○良島参考人 それはあるそうです。淡路町だそうです。
  293. 田中彰治

    田中委員長 良島参考人、あなた淡路町へ行って、そういうものがあるかどうか。登記所も調べてみて、あったら、それを写真にとってきて下さい。
  294. 良島正浩

    ○良島参考人 そういったような事実は、以前に国会で問題になりまして、一松定吉さんが拘置所の問題でだいぶ騒いでおりましたから、ある程度は国会でも御存じのはずだと思うんですがね。
  295. 田中彰治

    田中委員長 それはそれとして、こっちはこっちで調べるのだから、もしあなた、まことに済まないけれども、そういうことをおっしゃったのだから、それを裏づける意味においても、調べたりいろいろなことをして……。
  296. 良島正浩

    ○良島参考人 調べて証拠として出します。
  297. 田中彰治

    田中委員長 それから安西さんと延原との関係その他も、あったら調べて出して下さい。
  298. 西村力弥

    西村(力)小委員 高瀬さんに、あなたは鑑定師会の理事ということでありますが、延原所有地と天満駅前の土地、それの評価は当時あなたですと、どのくらいに見ておりましたか。
  299. 高瀬昌弘

    高瀬参考人 これは私が本件に関係しておったので、私から鑑定するのはちょっと控えた方がいいかと思います。ほかに適当な方があると思います。
  300. 田中彰治

    田中委員長 それは鑑定人を呼びます。  良島参考人に聞きますが、その当時、土地の評価の審議委員会か何かあったんじゃないの。
  301. 良島正浩

    ○良島参考人 ありました。国会で問題になって、やかましくなって、国家財産の価値があるものと、値打がないものと交換するとは何事だ。天満の敷地は五億円以上するが、今の都鳥は一億何千万しかしないじゃないかということは、一松さんがその当時明細に国会に提出しております。私は新聞で見ております。その後なぜ国会でそのままになったかというと、参議院の法務委員会などでもずいぶん出かけていったようでありますが、大阪土地評価委員会というのを作って、その委員会の評価によってきめようということになったわけです。そうしたら、両方同じ値段の評価鑑定書が国会に出てきたわけです。そこで当時評価委員長をしておった住友信託の土地部長のところに、荒木大之介という弁護士と私が行きまして、それは君おかしいじゃないか、ほんとうにそう思っているのか。それはそう思っていない。天満の方は坪五万円は見られます。坪五万円とすると、六億何千万円と見られますけれども、検事局から頼まれて、そういうところににらまれてはかなわぬから、同じようにして出したのです。これも明瞭に言っているのです。それが出たので……。
  302. 田中彰治

    田中委員長 何という人ですか。
  303. 良島正浩

    ○良島参考人 名前はちょっとど忘れしました。
  304. 小川豊明

    小川(豊)委員 そうするとこの土地評価委員会は、検事局か拘置所かどっちか知らぬが、この土地を等価にしてくれと頼まれたのですね。評価委員会の会長をしていた住友信託の土地部長が、頼まれたからそうしたんだ、こういうことですか。
  305. 良島正浩

    ○良島参考人 はあ、頼まれたから……。大阪の銀行としては、天満の敷地はそれ以上の金は出せないのだと、そうはっきり言っておりました。
  306. 田中彰治

    田中委員長 その人の名前は私の方で調べましょう。
  307. 荒舩清十郎

    荒舩小委員 何年ですか。昭和三十一年ですか。
  308. 良島正浩

    ○良島参考人 いや、国会の問題になったのは、評価したとき問題になって国会に出したのですから……。
  309. 田中彰治

    田中委員長 私が調べます。  それから良島参考人にもう一つ聞きますが、延原のことについては、今言われた程度のものなんですね、延原の人格という問題については。
  310. 良島正浩

    ○良島参考人 その後いろいろ調べて、だれに聞いても、あんな悪いやつはいないのだよと言って、人格を認めている人間はほとんどおりません。
  311. 田中彰治

    田中委員長 延原のうちに、元大阪の税務署に勤めておった者が入っておるというのはほんとうですか。
  312. 良島正浩

    ○良島参考人 延原という人間が一番こわがっているのは、検察庁と税務署なのです。これが一番こわいんです。それで税務署の署長をやめさせて、今自分の相談役みたいなふうに使っています。
  313. 荒舩清十郎

    荒舩小委員 何という人だかわかりますか。
  314. 良島正浩

    ○良島参考人 それもちょっと……。
  315. 田中彰治

    田中委員長 私が調べます。
  316. 小川豊明

    小川(豊)小委員 今どきどうもおかしいのだが、検事局では良島さんを縛る、ただこれだけ言っているのですが、あなたが仮処分をしたのを取り消さなければ、あなたを縛るとか言っておった。だからやむを得なかった。隠れたり何かしていた、こういうのですが、ただそれだけでなく、どういうふうな言葉でそういうことを覆ったのですか。
  317. 良島正浩

    ○良島参考人 大阪で、検事局が縛りに来るから、しばらく隠れていた方がいいという注意が弁護士からありました。それからまた、現実に私の京都のうちだとか大阪へ調べに行っておりますよ。
  318. 田中彰治

    田中委員長 警察が……。
  319. 良島正浩

    ○良島参考人 警察が。
  320. 小川豊明

    小川(豊)小委員 非常につかぬことを聞きますが、あなたは縛ると言われると、やはり縛られるような問題を持っていたんですか。
  321. 良島正浩

    ○良島参考人 何らありません。
  322. 小川豊明

    小川(豊)小委員 それなら、なぜ逃げたのですか。
  323. 良島正浩

    ○良島参考人 何らありませんけれども、一方は仮処分をしているでしょう。大体検事局というのは、私は信じられないことがあるのですよ。それでむちゃやることがあるものですから、そんなことをやられては困ると、こう思ったわけなのですけれども、縛ろうと思ったら、ちょっと小便をしただけでも縛れるのですから、やろうと思えばやりかねないから、それでしばらく体をかわした、こういうわけです。
  324. 田中彰治

    田中委員長 ほかに質問がなければ、きょうはこの程度にして、あとまた理事会で相談して、参考人等を呼ぶ、あるいは資料の提出を求める、こういうことにいたします。  それでは、本日はこの程度にして散会いたします。    午後一時二分散会