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上野参考人 そう言われてみると、私も多少――いざとなったらあんな者はやっつけてやれる。おれとの道義を裏切れば、おれが訴えてやれば、やっつけられるという私の確信もあったのです。それはどういうことであるかというと、一等最初にこの問題で
大阪へ行ったときに、竹原さんが最高検の検事をしておりまして、それで
大阪の
拘置所の問題はどうなのか、非常に弱っているようだ、それじゃ場合によってはおれが手助けしてやろうかと思うが、じゃ行ってくれというので、
大阪の松本検事正に紹介されて、それで行きました。それから
大阪の所長だの
管区長だのみんなに会ったわけです。それからそのときのいろいろな話で、
大阪の
拘置所では全部この事件を本省に移してしまったから、あなたの話は一つ本省へ行ってやってくれないかというふうなことがあって、今の刑事局長の竹内さんが経理部長のときに行って話して、お目にかかったわけです。そのとき経理部長の言われるには、ちょっとおもしろからぬことがあるから、今、良島、
延原の
交換はちょっと取りやめなければならないということと、それからもう一つは、どう
考えてみても、これはだれか人が買って、その人とそれから
天満の
拘置所のものを
交換するのもよくないから、持っている人に
法務省でじかにやるのがいいんだ。ただし、そういう
交換ができた
あとで、
天満の
土地をあなたが
延原からお買いになろうがどうしようが、それはあなたの自由だから、一向差しつかえないというふうな話があって、私がそのとき、いかに
拘置所を早く作らなければいけないかということに協力したかということは、おそらく知っておられると思うのです。だから、もしもそういうことで
延原さんなんかが裏切った場合は、きっと処置をとれるんじゃないかというふうに、私はそのときは
考えてやったのです。だけれども、今になってみると、何かそんな人にそんなことを言っていく筋もおかしいような気もするし、結局これは
国有財産であるから、
決算委員会でもってつぶさに公正なことをしてもらって、私がいけないならいけないで、あきらめるようにしよう。いいものなら、そういう
国家の
損害が起きないように、一つよろしくお願いしたいということであります。