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1961-06-08 第38回国会 衆議院 決算委員会 第45号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年六月八日(木曜日)    午前十一時三十四分開議  出席委員    委員長 荒舩清十郎君    理事 木村 公平君 理事 田中 彰治君    理事 丹羽喬四郎君 理事 三和 精一君    理事 小川 豊明君       浦野 幸男君    亀岡 高夫君       倉成  正君    藏内 修治君       正示啓次郎君    鈴木 正吾君       藤井 勝志君  出席国務大臣         法 務 大 臣 植木庚子郎君  出席政府委員         検     事         (刑事局長)  竹内 壽平君         国税庁長官   原  純夫君  委員外出席者         検     事         (刑事局刑事課         長)      河井信太郎君         大蔵事務官         (近畿財務局         長)      佐々木庸一君         大蔵事務官         (大阪国税局         長)      武樋寅三郎君         証     人         (日本燃料株式         会社監査役)  上野  浩君         証     人         (久保田鋳器製         作所社長)  鍵谷  實君         証     人         (近畿塗装株式         会社社長)   堤 友次郎君         証     人 良島 正浩君         証     人 細見 育一君         証     人         (大阪拘置所         長)      松本 貞男君         専  門  員 黒田 久太君     ————————————— 六月八日  委員宇田國榮君、菅野和太郎君、田中角榮君及  び山口喜久一郎辞任につき、その補欠として  倉成正君、浦野幸男君、亀岡高夫君及び藏内修  治君が議長指名委員選任された。 同日  委員浦野幸男君、亀岡高夫君倉成正君及び藏  内修治辞任につき、その補欠として菅野和太  郎君、田中角榮君、宇田國榮君及び山口喜久一  郎君が議長指名委員選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  国有財産増減及び現況に関する件(大阪拘置  所の用地交換の問題)      ————◇—————
  2. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これより会議を開きます。  この際、小委員会設置についてお諮りいたします。  閉会審査の各件が付託になりました際の審査の便宜上、本委員会閉会審査小委員会、並びに国有財産増減及び現況に関する調査小委員会を設置いたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  ただいま設置することに決定した両小委員会の小委員の員数、及び小委員選任並びに委員移動等に伴う小委員補欠選任等の取り扱いについては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。  なお、小委員及び小委員長指名は、追って行ない、公報をもってお知らせいたします。     —————————————
  5. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 次に、国有財産増減及び現況に関する件、特に大阪拘置所用地交換の問題について、調査を進めます。  本件については、国有財産増減に関し重大なる関連がありますので、閉会中といえども、継続して審査を進めたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     —————————————
  7. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 これより本日も、本問題について証人証言を求めたいと存じます。  御出席いただきました証人は、委員各位のお手元に配付いたしております証人名簿通りでございます。  証人より証書を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあった者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び、医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。  では、法律の定めるところによりまして、証人宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。   〔証人上野浩朗読〕    宣誓書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくざず、又、何事もつけ加えないことを誓います。   昭和三十六年六月八日            上野  浩
  8. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 鍵谷實証人。   〔証人鍵谷賓君朗読〕    宣誓書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。   昭和三十六年六月八日            鍵谷  實
  9. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 堤友次郎証人。   〔証人堤友次郎朗読〕    宣誓書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。   昭和三十六年六月八日            堤 友次郎
  10. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 良島正浩証人。   〔証人島正浩朗読〕    宣誓書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。   昭和三十六年六月八日            良島 正浩
  11. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 細見育証人。   〔証人細見育一君朗読〕    宣誓書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。   昭和三十六年六月八日            細見 育一
  12. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 松本貞男証人。   〔証人松本貞男朗読〕    宣誓書  良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。   昭和三十六年六月八日            松本 貞男
  13. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それでは宣誓書署名捺印を願います。   〔証人宣誓書署名捺印
  14. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御一同着席。  証人に申し上げますが、証人発言は、証書を求められた範囲を越えてはならないことになっております。また、発言の際は、そのつど委員長の許可を待てから発言していただきます。お尋ねしているときは着席のままでけっこうでございますが、お答えの際は、起立して発言をしていただきます。  以上、あらかじめ御承知おきをいただきます。  この際、お諮りいたします。  出頭されました六人の証人を同席せしめて証言を求めることに、御異議はございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  念のため証人に御注意いたしますが、他の証人証言したことに直接お答えになるようなことは、慎んでいただきます。証言は、委員長または委員の求めた際にのみ行なって下さい。証言は、委員発言に答える形で行なっていただきます。  発言の通告がありますので、順次これを許します。田中彰治君。
  16. 田中彰治

    田中(彰)委員 国税庁からだれか来ておりますか……。
  17. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 念のために委員各位に申し上げますが、植木法務大臣は間もなく参ります。なお、法務省関係といたしまして、刑事局長竹内政府委員刑事課長河井説明員大蔵省関係で、国税庁長官政府委員、なお、大阪国税局長武樋説明員近畿財務局長佐々木説明員は、間もなく到着するようになっております。
  18. 田中彰治

    田中(彰)委員 法務大臣おいでになっておりますから、法務大臣に一言申し上げておきます。  この問題は、大阪拘置所に関する国有地の問題であります。大臣はもちろん御存じないでしょうが、今の大阪拘置所都島に作るのについて、法務省の大きな手落ち、あるいは法律的にいったら背任行為、こういうような問題で、きょう法務大臣にお聞き願いたい、そして大臣としての英断なり御措置を願いたい、こういうふうなことで大臣おいでを願ったわけであります。大臣の方からも、私たちがいろいろこの人たちにお聞きしているうちに、何か不明瞭な点がございましたら、どうか御質疑下さいまして、概略でけっこうですから、一つよく納得して帰っていただきたい、こういうように考えております。  そこで、大阪管財の方、おいでになっておりますか。
  19. 荒舩清十郎

  20. 田中彰治

    田中(彰)委員 近畿財務局長佐々木さんにお尋ねしますが、昭和三十年の十二月の十九日に、拘置所からあなたの方へ、土地評価のことについて公文書がいっておるはずです。そこでここにおいでになる大阪拘置所長から、今拘置所が建っている都島土地と、それから今仮処分されておる天満のもとの拘置所所有土地との交換でありますが、この間証人として答弁されたのには、この土地評価については十分なる調査をしてもらった、責任近畿財務局にある、こういうことを述べられた。ところが、私の方で調査した点を見ますると、この一万九千百七十幾坪余りの土地、しかも評価価格が、昭和三十年の当時で一億一千五百万ちょっと出ている、これだけのものをあなたの方で調査されたについては、非常に調査する期間がなかった。私の方が調べたのは、三十年の十二月の十九日に、あなたの方へ公文書拘置所から出ている。あなたの方がこれを受け付けられたのが三十年の十二月の二十一日、これがお宅の方へ着いた。それから総務課文書係の受付で、大永部長が判を押されて、磯部次長がこれを見て判を押されて、秋沢総務課長がこれを見て判を押されて、村上総括係長にこれを渡して、大賀担当員調査方を命じられた。これだけのものの判を押していろいろされたのですから、これがほんとう調査にかかられたのは、十二月の二十一日でなくして、少なくとも二十二日ごろに調査にかかられた、私はこういう工合考えておりますが、どんなことでございますか。
  21. 佐々木庸一

    佐々木説明員 お答え申し上げます。  今委員からお話があった通りでございます。ところで、これが非常に早くに送られましたことにつきましては、拘置所の移転の問題は非常にもめておる問題であるということは、数年来財務局で調べておったところであります。それで、実はその月の十二月十三日に、拘置所長財務局おいでになって、口頭依頼をされたことがあったのでございます。拘置所の移転問題が非常にもめておるということをよく承知しておりましたので、当時の財務局といたしましては、特別に早くやることにいたしまして、その日からすぐやり始めました。従いまして、それでも少し早うございますけれども、作業を続けまして、通例と非常に異なる努力をして調べたものでございます。
  22. 田中彰治

    田中(彰)委員 財務局の方で行って調べた管財部長などの話では、なるほど十二月の十三日に、あらかじめ拘置所から財務局長依頼があった、こういうことは認めているけれども、別に口頭依頼によって調査を進める、そういうような実行にはかからなかった。公文書は出た、こういうことも、管財部長が述べられております。そうしますと、あなたの方へ行ったのは、あなたの方は、今そのときから調査されたと言いますが、そのとき調査されたとしても、十二月の二十一日にそれを受け付けられて、これだけの判を押して一日かかって、二十二日から調査をされた。この間に、これを回答されたのが、二十四日に回答文書を草案されておる。そうすると、ここに一日あるから、二日しかないわけです。もう二十四日には回答が草案される。そこへ日曜が一つ入っているのですよ。こうなりますと、一万九千坪余の土地をどんな調査をしたかというと、二人の係員が行って、拘置所から自動車を出してもらった。それから自転車で行った。あんな遠いところまで自転車で行って、わずか二日間で、一体これだけの調査ができたかできないか、こういうことを私たちは非常にあれしているのです。私たちの調べによっては、面積実測もしてない。国定資産税調査もしてない。相続税関係も単に口頭で聞いた。口頭で聞いたら、だれに聞いてどういうことを答えたかという文書も何もない。それからこの面積実測してないということは、私は非常に遺憾だと思う。これだけのものを、どこの役所でも、いい会社でも、物を買うときは、必ず登記面は別として、実測をするものである。それがしてない。それから鑑定は、各業者の意見を聴取したと言うけれども、これはどういう鑑定人がどういう意見を言ったのか、どういう者がどうしたかということもしてない。ただ、近所の土地周旋屋に、ちょっと立ち寄って聞いたという程度です。との鑑定について、松本所長財務局責任だということを言っているのだが、これは国有財産ですから、私の方とあなたの方の取引じゃないのです。これは国民の血税によってまかなっている財産ですから、重要であることは、私が申し上げるまでもなくあなたは御存じであると思う。私は正直に言っている。とにかく二日間でこれだけの調査ができるかできないか。また調査するには、するだけのちゃんと大蔵省あたりでやっている一つ調査方法があるはずです。これは私の方で調べさしている。こんな簡単な調査で、よくこれだけの価格が出たものですね。どういう調査のやり方ですか。神わざか、ほかの何か方法でやられたのですか。今申し上げたような簡単な調査で、御報告なさったのですか。あなたの方で、この調査の点については責任を負われるのですか。もちろん、国会から調査員を出します。りっぱな調査員調査をしたときに、その責任を負われるのですか。もし拘置所から、急ぐのだから、どうしても早くあれしてくれ、簡単でいいということならば別ですが、ほんとう正式公文書であれば、重大なことだから調査をしてくれと言われて、こういう簡単な調査で、その土地が、もし安いものを高く評価して、こちらの土地の高いものと交換したことになりますと、国家損害をかける。国家損害を役人がかけると、背任罪ということにもなる。これは私が申し上げるまでもなく、御存じだと思う。どういう考え調査をしたのか、一つ述べて下さい。
  23. 佐々木庸一

    佐々木説明員 当時の資料によって調べますと、先ほど申しました通り口頭による依頼がありましたときから始めている次第であります。そしてまた間に休みの日などが入っておりますので、休みの日も入れて一生懸命やったということです。依頼されました評価につきましては、財務局としては、もちろんその評価したことに対して責任を負うべきものと考えている次第でございます。
  24. 田中彰治

    田中(彰)委員 おかしいじゃないですか。あなたの方でこういう国有財産評価されるときは、ちゃんと一つの目標があって、そして評価されなければならぬ。それを何もそういうことをしておらぬで、たった二日でこれだけのものをあんたの方で調査されるということは、実際神わざでなければできないと思う。たとえば一万九千坪からあるものを、日曜にあれしたとおっしゃるけれども、あんたの方の管財部長が、こういっているのですよ。刑務所から口頭依頼があったけれども口頭依頼などによって私どもはそういうことに着手しないということを、われわれの調査管財部長が答えているじゃありませんか。それじゃあなたと管財部長との間で意見が違うのですか。そういうものは来たけれども、私の方は口だけのことではそういうことはしないのだ、こういうことを答えているのですよ。おかしいじゃないですか。あなたは今、電話できたから調査したとおっしゃるけれども、あなたの方の管財部長は、正式の文書を受けるまでは調査には着手しない旨を言明しているのですよ。おかしいじゃないですか。あなたが役所におられて、拘置所から図面も何も持ってこないで、拘置所の問題がもめているから、拘置所土地調査してくれと言われたときに、どういう工合にやるか。やはり正式の文書でちゃんと手続をとって、そして調査に出られる。それを一人が自転車で、一人は拘置所自動車を借りて、二人で一万九千坪の土地を、責任ある実測をしないで、どうして責任が持てるのですか。一万九千坪の土地責任財務局で持つといって、実測もしないで鑑定して、どうして責任が持てるのですか。その前に、この土地はお前の方が高くても、おれの方が安くても、取引しない、土地土地とのずり交換だということが、拘置所長から書類で出ている。交換をするという書類が出ている。その土地を買ってもらって、手金を入れたりしてから、あなたの方に頼む。あなたの方は財務局責任を持つとおっしゃって、一万九千坪の土地を、国家の大事な土地と取りかえるのに、あなたは実地の調査もしないで、こういうような手続を踏まないで調査されて、どういうところから責任を持つのですか。固定資産税調査もしていない。相続税だってそうでしょう。そんなにあなたが簡単に責任を持つとおっしゃるのなら、相続税はどこに聞いて、どこで調べて、どういうことになったのですか。鑑定人にあなたが聞いたというけれども鑑定人はだれなんです。どの鑑定人にどういうことを聞いたのです。それが文書になっていないじゃないか。測量はしない。固定資産税は調べない。手続一つも踏まないで、どうして責任を持つのです。おかしいじゃないですか。これは国民財産ですよ。昔のような天皇の財産とか、単なる国の財産じゃないですよ。国民財産ですよ。それを何万坪というものを交換されるのに、そんな法があるのですか。そんな取りかえがあるのですか。どこで責任を持つのかおっしゃって下さい。
  25. 佐々木庸一

    佐々木説明員 実測によらないで、公簿面数量を見てやりましたことは、御指摘通りでございます。これは実は予算関係がございまして、財務局は、自分の所管いたします財産につきましては、実測の費用を予算上持っておりますが、他省の所管のものにつきましては、鑑定依頼を受けるものについて予算措置がないものでございますから、依頼を受けました書類による数量に基づいて、常に処理しているわけでございます。その点は御了承いただきたいと思います。  それから相続税その他の調査でございますが、私どものところに残っております資料では、旭税務署住友信託銀行、安田信託銀行、勧業不動産日本勧業銀行三菱信託銀行等に照会している次第でございます。
  26. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたがそういううそをおっしゃるなら、私は証人か何かに出てもらって、この次にお聞きしたいと思います。  住友信託不動産部の副長、安田信託勧業不動産日本勧業銀行大阪支店、こういうものにあなたが照会されておりますが、こういう部長から意見をあなたが聞いたとおっしゃいますが、この人たちは、別に文書意見も何もあなたに出しておらぬのです。役所仕事として、そういう大きなものを取りかえて、こういう問題さえも起こる土地に、あなたが聞いたとおっしゃるけれども、向こうから別に書類で、公文書でもあるいはたとえば私文書でも、あなたの方にこういうものを鑑定したとは出ていない。ただあなたが聞いたとおっしゃっただけです。だれがどんなことを言いましたか、おっしゃって下さい。
  27. 佐々木庸一

    佐々木説明員 御指摘通り口頭で聞いておるだけでございます。そのような鑑定依頼いたします手数料を予算措置してございませんので、財務局としては、このようなことで正式の文書回答をもらうということを、その当時通例としてしていなかったのであります。
  28. 田中彰治

    田中(彰)委員 おかしいじゃないですか。あなたの方でちゃんと法律によって土地なんか評価される場合は、相続科標準価格から見たもの、固定資産税標準価格から見たもの、売買の実例から見たもの、これを三つ足して三つに割って、あれする。それから利用効率、そういうものをやる。こういうものを算定価格に入れる。あるいはまた民間精通者から鑑定評価というものをとる。こういうものを全部されて、最終的の決定をされるのが、あなたの御商売です。あなたは、予算がなかったら、予算を請求なさったらいいじゃないですか。これだけのものを評価されるのに、実測もしてない。あなたが普通だとおっしゃるなら、私の方にも考えがありますよ。実測もしてない。固定資産税評価もしてない。人に聞いたというが、だれに聞いたかもはっきりしておらない。民間に聞いたというが、民間から私文書においても報告一つ受けていない。こういうものを、日曜日も入れて二日間で出してきている。これはりっぱな鑑定だと責任を持っておっしゃるのだけれども、当時の鑑定が誤っておっても、あなたは責任を持ちますか。そんなことをおっしゃるよりも、拘置所から急いでやってくれと言われたから、うまく合わしてやったのだと正直におっしゃったらいい。あなたは局長というりっぱな地位におられて、そういう国民財産をごまかすのに加担しなくてもいいじゃないか。実はこういうことをやらなければいけない規則があるから、刑務所から急いでやってくれと言われたから、合わして簡単にやったのだと言えばいいじゃないか。それであなたは責任を持てと言われれば、責任を持ちますか。責任なんか持てないでしょう。一民間会社でも、土地売買をしたときに、必ず実測をして、足りないなら足りない、よけいならよけいということをやっています。また登記面でするなら、登記面で約何割くらい減るだろう、何ぼはふえるだろうということは、契約書に出ています。財務局責任を持って国の財産鑑定をするのに、それはちょっと軽率じゃないですか。これはあなたがやってしまったのだから、そんなことを平気でおっしゃるけれども、もし民間でそういうことをやったら、許しますか。そこに政治家鬼検事とふるえ上がった河井さんもおられるが、これは拘置所でやったから黙っているけれども民間の者がやったら、承知なさらぬでしょう。正直におっしゃったらいいじゃないですか。
  29. 佐々木庸一

    佐々木説明員 私ども、当時としましては、十分に注意を尽くしてこの仕事をやっているものと考えております。公簿面積によってやりますにつきましては、渡します方の天満財産につきましては、御承知通り刑務所が三十六年に買ったものでありますから、そのときに実測して台帳に載せてありますので、報告と実測とは一致すべき筋合いであると思います。もらいます方につきましては、公簿面積というものはふえるというのが通例でありましたので、それも考えに入れながら、私どもの方としましては、依頼を受けました書類面に書いてある数量、この場合には公簿数量でありますが、それによってやることにしたのであります。
  30. 田中彰治

    田中(彰)委員 どうもあなたはおかしなことをおっしゃる。天満土地を買うときは、ちゃんと実測したから、今度はしなくていいということで、延原の土地とおかえになった。そのときは実測しない。注意をしたとおっしゃるけれども実測しないから、公簿面でどれくらい減るだろう、ふえるだろうということを契約書に書いてない。それからあなたは民間鑑定人鑑定をさせたというが、鑑定をしたという私文書でも、公文書でも、意見がついておらない。しかも、日曜日を入れてわずか二日間にこれだけの報告を書いている。そういうものをしたときに、注意されたのなら、固定資産税のことも、どこで調べた、どこでどうなったかという証明書をとっておく。あるいはまた相続税の証明書をとっておく。これは鑑定する方法というものは、ちゃんと法律できまっている。こういうことをされて、そしてそういうものがあって、初めて注意したとおっしゃれる。何もそういうものがないというのは、不注意じゃないですか。注意の上に不の字が一つつくのですよ。不注意であったと言わなければならない。注意なら、こういうものはついでいるはずです。あなたはりっぱな学校をお出になって、局長の身分でおいでになって、これからどんどん出世される方が——注意と不注意とは、これは大きな違いじゃありませんか。上に一字ついたんですか、つかないんですか。上に一字がふえて不注意であったというなら、けっこうですよ。私は、あなたを責めるのではないのです。どうせあなたは、拘置所のこういう人たちからいろいろなことを言われて、こういうことをやられたことはわかっているのですが、一応あなたの職責というものは、重大な職責なんです。あなたはたくさんの国有地を管理している。たくさんのものを管理されている。それが十分やられていない。調査によっては、鑑定人からりっぱなものが出たら、これはあなたは重大な責任を負わなければならない。あなたは、そのことを考えておらないのだ。ただあまり軽率に、あまり短期間に調査をしているから、この所長に聞いたら、それはもうそんな責任はわれわれにない。財務局責任だとおっしゃる。だから、あなたに来てもらった。私は、ほんとうはあなたを証人に出すようにしたがったけれども委員長がまあまあ役人だから、うそも言わぬだろうというので、説明員で出した。どうなんです。不注意だったということはわかるじゃないですか。何か書類があるのですか。どこの周旋屋に聞いたら、何という周旋屋がどう言った、民間の住友のこういうところに聞いたら、どう答えた、これは相続税に対してこう、固定資産税に対してこう、そういうものがあってあたりまえなんです。ないんだから、ないのに注意したとおっしゃるのは、上に一字つくのでしょうか、つかないのでしょうか、どうなんです。
  31. 佐々木庸一

    佐々木説明員 当時の資料によりますと、こうなっております。都島地区につきましては、相続税の課税標準額から見ますと、評価額は六千百七十一円、場所によっては若干違っておる。友淵町とこれと違うのですが、五千百四十二円となっておるわけであります。それから精通者の御意見を求めたものを当時の記録で見ますと、旭税務署資産税係では五千円ないし六千円と見ております。それから住友信託銀行不動産部副長の評価では、五千五百円となっております。あと安田信託銀行不動産課長、勧業不動産大阪支店長代理、日本勧業銀行大阪支店調査役の鑑定価格は、六千円ということでございました。それから渡します方の財産につきましては、これを四つの地区に分けておるわけでございます。一番広い部面は……。
  32. 田中彰治

    田中(彰)委員 そんなことはいいですよ。そんなことを私は聞いているのじゃないんですよ。
  33. 佐々木庸一

    佐々木説明員 このようにして、一応価格書類でもらっておりませんけれども、聞いたものはすべて記録されておるわけであります。
  34. 田中彰治

    田中(彰)委員 お宅の役所というのは、書類というものは重要視しないで、口頭で何でもやるのですか。口頭で聞いた、聞いた人さえわからぬ、そういうものを書いていろいろ持っておいでになるけれども、あとで作った書類であるか、どこかでいいかげんに作った書類であるか、わかりませんよ。そういう人から報告を受けたものさえも間違うのです。それはだれから聞いたか。だれに調査させたか。そういう報告書もなく、ただ副長だとか、部長だとかいうことを言われて、そうしてあなたそこに書いておられるけれども、おかしいじゃないですか。これからあなたの役所口頭で言ったら、口頭でやりますか。口頭で今まで財産評価されておりますが、現在も頼むと、そういうふうに口頭で二、三日間で一万坪以上のものを評価されますか、どうなんですか。
  35. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 佐々木説明員に御注意しますが、速記が非常にとりづらいから、一つなるべく大きい声でお願いいたします。
  36. 佐々木庸一

    佐々木説明員 ちょっとかぜを引いておりますので……。  現在は、書類でとるようにしております。それから予算の計上もありません。所管の財産に対するこういう問題につきましては、そういう財産を所管しております部局において書類をとっていただくようにしております。
  37. 田中彰治

    田中(彰)委員 現在そうやって改めておいでになる。その当時のことを、あなたの方にある人が今調べに行っております。やはり鑑定したものが、全部書類で出てきております。その当時のそういうものが出てくると、あなたが今度証人に出たら、非常に御答弁に困るのですよ。その当時のお宅の鑑定したものが、全部書類になっております。今調べに行っております。その人が神戸に行ったが、おらなかった。今度帰って、その書類を持ってきます。どうなんですか。その当時は、全部とらないで、口頭でやったのですか。やはり書類をとってやったものもあるのですか。
  38. 佐々木庸一

    佐々木説明員 予算があります分については、全部やっております。依頼を受けました分については、口頭によるものが多かったと思います。
  39. 田中彰治

    田中(彰)委員 予算がある分には書類をとって、予算がないものには書類をとっていない。何億というものを交換する、そうして国の財産民間財産交換するのですから、できないものならできないでお断わりになればいい。ほかの民間でさえも、ちゃんと書類で出して、ちゃんとめんどうなことをやっておられる。たまたまこの事件で、民間から、ただ予算もなく鑑定してくれというのではないのですよ。国の財産国民財産を、その当時の金で何億ですよ。それをあなたの方で鑑定されて、今手落ちがあったと思われるのですか。当然だと思われるのですか。
  40. 佐々木庸一

    佐々木説明員 私、当時としては、この程度でやむを得なかったと考えております。
  41. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたは、こういう土地評価額について、こういう大きな問題を起こしているのについて、あんなものはあたりまえだ、どうでもいいのだということをおっしゃっているのですが、あなたの方の評価が間違っているから、この問題が起きておるのですよ。しかも、あなたが当時何をやっておいでになったか知りませんが、とにかくこれだけのものを交換するのに、二日か一日半でやって、書類をみんなとらないで、だれが聞いたって、あなたの答弁を正しいと聞きませんよ。良識のある答弁じゃないじゃないですか。実測をしていない。実測をしていないから、交換するときには、実測したらどれくらいになるか、それも書いてない。調査したと言っても、調査も何もしていない。私どもの方で住友に行って調べたら、そんな調査なんか頼まれた覚えがないと言っておる。ただあなたの方で行って、これはどのくらいだという話は出たか知らないけれども、正式に公文書を出して調査しておらない。正式に役所から出されたら、ちゃんと文書回答いたしますと言っておる。みなでたらめじゃないですか。委員長、今度この方を証人に呼んで下さい。私は、説明員として聞きのがしできない。見なさい。財務局鑑定したのが、あんな大きな事件を起こしたでしょう。そうして今度民間のものをやるときには、実に厳粛というのか、やかまし過ぎるというのか、そういうことでやる。そうして夜料理屋へ連れていくような、あるいは役所でも関係の何かあるような……。あなた一体延原観太郎を知っておりますか。終戦後、国の財産を何十億とごまかしておる。そうしてどれだけのことをやっておるか、その延原観太郎を知っておるのですか、どうですか。
  42. 佐々木庸一

    佐々木説明員 全然承知しておりません。
  43. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなた、これだけ頼まれたときに、延原観太郎にお会いにたりましたか、どうなんですか。
  44. 佐々木庸一

    佐々木説明員 そのころ、私は財務局におりませんので、もちろん延原という人には全然面識がないのであります。
  45. 田中彰治

    田中(彰)委員 それじゃおかしいじゃないですか。延原の財産鑑定するときには、あなたがお会いになって、あるいはこういうものを取りかえる、拘置所土地のことでもめておるのだから、延原の話も聞いておいでになるし、延原という人間がどういう人間かということをあらかじめお含みにならなければ、口頭でもって依頼を受けて、すぐにそれからでも調査するようにしたというのは——ああそうか、もめているか、やろうか、そういうような土方の取引のようなことはないでしょう。あなた、どうお考えになりますか。  それからもう一つ、これを今度委員会鑑定するとか、この鑑定にいろいろなものが出てきて、その鑑定が誤ったとなれば、あなた責任を持ちますか。あなた、考えながら答弁なすったらいいですよ。
  46. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 佐々木説明員に申し上げますが、あなた、当時は近畿財務局におらなかったのでしょう。そこで、詳しい事情はよくわからなかったこともあると思うのですが、先ほど田中委員の質問に対しては、お役所の人としては、答弁がまことにまずいと思うのです。あなたがおらなかったのですから、知り得ることをごく簡単明瞭にお答えになっていただきたいと思います。  今田中君から証人にということがありますが、これはまた別側の問題で、私はまだ直ちにそういうことに同意しかねるのですが、もう少し簡単明瞭な答弁を願いたいと思います。
  47. 佐々木庸一

    佐々木説明員 当時延原と役所の方とは、接触した事実は認められておりません。またそういう関係者に会うことによって、関係者から特別の請託を受けたというような推測を受けることを警戒しておったものと考える次第でございます。
  48. 田中彰治

    田中(彰)委員 それでは、この次にその人から証人に出てもらって話してもいいです。当時こういう評判が散らばったのです。延原は悪いやつにきまっている。財務局なんか悪いことばかりしていやがって、それだから、おれは法務省の方だから、こんなもの一日か二日あれば、向こうの価格とおれの価格と合わせてきちっと報告させるだけの力を持っているということで、始終ここへ出入りしている人、この土地関係した人々に、あの総務部長だとか、所長、管区長から出た言葉として——出たかどうか知りませんけれども、そういうものが散らばっておる。だから、これを調べてごらんなさい。絶対書類も出しておらない。実測もしておらない。何もしておらない。強権でやったのか、あるいはどうしてやったのか知らないけれども、とにかくこれはいいかげんにやって取りかえたのだということだけは、間違いないということだ。そこでちょっとわずかに調べて、一日行ってきて、こういうような固定資産税もあれしてなければ、何にもしていない。私文書書類も出しておらない。実測もしておらない。これはすぐにわかってしまう。当時財務局としては、国民のこんな大きな財産を取りかえるのに、こういう変なことをして、軽率なことをして国家に損をかけた、こんな問題を起こしたということに対して、あなたは何の反省もなく、ここで言いのがれていればいいとおっしゃるなら、私は何回でもあなたに来てもらって、あなたと討論してでも、私は国民の前に明らかにする。ほんとうは、これは軽率だったと思われるのか、今考えて何でもないと思われるのか、どうなんです。
  49. 佐々木庸一

    佐々木説明員 私ども再検討してみましたけれども、この評価につきまして直さなければならぬという点はないと、結論的には思っておる次第でございます。
  50. 田中彰治

    田中(彰)委員 今度は財務局長としてお尋ねするのだが、今都島土地が坪幾らしていますか。天満土地が坪幾らしていますか。
  51. 佐々木庸一

    佐々木説明員 さしあたり実地については調べて参っておりません。
  52. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたが都島土地評価を知らないで、天満土地評価を知らないで、当時交換したのは間違いないとおっしゃるのは、何を標準にしておっしゃるのですか。実測もしていない。私文書もとっていない。固定資産税もあれしていない。そうして二日間かそこらの調査をしたので——しかも、今都島土地が幾らになっているか、天満土地が幾らになっているか、天満土地にしても、あの一番近いものが幾ら、どこが幾ら、そういうものを知っておいでになって、今考えていただいてもそういうものが間違いないとおっしゃるならば、それはいいですよ。それを何も知らぬで、何をおっしゃるか。あなたの、言うことは、いいかげんじゃないですか。何をもってそれを間違いないとあなたはおっしゃるのか。御答弁して下さい。
  53. 佐々木庸一

    佐々木説明員 土地につきましては、先ほど申しました通り公簿数量実測数量は同じでございます。もらいました財産の方は、実測しました結果、千坪あまりふえております。従いまして、私ども、結果的に見まして、数量については国に損をかけたことはなかったと考えております。  それから価格につきましても、現在の価格はかなり変わっていると思いますが、その当時の値段というものを、その当時の資料によってやりますと、国に対して損をかけておるということはないと考えておる次第でございます。
  54. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたは実測しておらぬで、その後実測したら千坪あまりふえたとおっしゃるが、あの中で、もとの公簿上は鉄道の土地であったものが、全部途中で消えてしまっている。だから、あまり大したものではないのです。しかも、現在の土地評価を、ここにおる証人がみんな言っておる。天満土地は、当時五億、都島土地は、当時一億七千万で売りに出したけれども、売れないで、一億四千万に下げて、それでも売れない。片方は五億の値打がある。おかしいじゃないですか。民間のだれでも、みんなそう言っておる。ここにおる証人の一人々々が、そう言っておる。おかしいじゃありませんか。どうなんです。あなたは、その当時おったの、おらなかったの。間違いないのと言われるが、あなたのやった手続は、だれが何と言ったって、現在そんなことをしたら大へんです。責任を負ってやめなければならぬでしょう。その当時でも、役所の何万坪という土地評価の違っているものを、二日間で両方の土地を合わせるというのは、おかしいじゃありませんか。しかも、天満土地を買うときに、ちゃんと実測して買っておるじゃないですか。どうしてそんなに合うのですか。あなたが変なことをおっしゃって、これが裁判でも負けると、この拘置所土地というものは、権利のある土地なんだから、拘置所は移転しなければなりませんよ。そんな簡単なことでこれを調べているのではないのです。仮処分を許しているのも、そういうことなのです。どうですか。
  55. 佐々木庸一

    佐々木説明員 当時の評価のやり方を見ておりますと、確かに現在のように整備された基準によってやっておりませんことは、御指摘通りであります。しかしながら、当時としてはやむを得ないものとは思うのでございます。そしてまたその結論を振り返ってみましても、今のところ修正すべきものを認めないのでございますけれども、現在の正しい手続に載せて——今のは三十四年にきめられておるものですが、きめられておる手続によってやった場合にはいかようになるか、なおよく調べてみたいと思う次第でございます。
  56. 田中彰治

    田中(彰)委員 責任のがれで言うのだから、幾らあれしてもいけないが、委員長のときに、私が三十年当時民間において土地売買したものを数件、それから役所会社等で土地売買したものを数件ずつ出した。どこでもみんな実測するか、登記面でやる場合は、どれだけふえる、あるいはどれだけ減る、それからこういう鑑定をさした場合には、どんな鑑定を当時しておったかというものを私は出した。あなたがそのときの担当者じゃないから、これ以上責めないけれども、今の役人さんが、みんなあなたの言う通りだと、国民がどんなに迷惑しようが、人がどんなに迷惑しようが、自分のやったことは絶対責任負わない。それで責任のがれしている。これが私は重大な問題だと思う。私、あなたの方の管財局でも、三十年ころにどういうことをされたか調べた。管財局は、何でも書類も何もとらないで、寛大にすべてやっておいでになるかどうか、これを調べて、そのとき、あなたにもう一回来てもらって証拠を出してやりましょう。管財局のやり方は、温厚篤実といいますか、すべてにおいて簡便なやり方をしてやっているんでしょう。全部そういう証拠を突きつけて——あなたは大きなめがねをかけて、こうやらぬとわからぬ人だから、そのときは、あなたに来てもらって、一つ見せましょう。
  57. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 田中彰治君に申し上げますが、近畿財務局長佐々木説明員の答弁は、本日はこの程度でよろしゅうございますか。
  58. 田中彰治

    田中(彰)委員 納得しませんが、次の証拠を持ってくるまで、これで一応保留しておきます。
  59. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それでは佐々木説明員に申し上げますが、なるほど、あなたが当時おられなかった事情は、よくわかります。ただし、私もこういうことについてはしろうとでございますが、どうもその調査とか、あるいは何かに遺憾の点があったというんですか、まずい点があったというんですか、というように思えますので、次回においでをいただくときまでには、それをよく調査せられて、そして納得できるような御答弁をするように御努力願いたいと思います。  それじゃかわっていただきます。
  60. 田中彰治

    田中(彰)委員 ここで、国税庁の長官がだいぶお忙しいようですから、国税局の方について、長官からお聞きしておきます。  大阪の国税局の関係の方がおいでになっておりますか。——あなたにお尋ねするんですが、延原は、税務署におった人なんかを自分の家に入れたり、いろいろ使っております。そこで自分の方は、もうこの淀川の税務署関係とはなあなあだ。ほとんど何をしても、だれが何と言うても、その心配だけはないんだということで、非常な放言を吐いておるということを私は聞いておるんです。そこでこの延原という人のことを調べてみますと、あなたの方の淀川税務署関係において、相当な脱税が起きている。しかも、それは手をつけてない。これが一つ。  それからこの間、五百万の手金を取った。その手金を取ったというやつを、ここで問題を起こすまでは、あなたの方に何にも納めておらなかった。ここで問題が起きたから、この五百万円の手金のそれを何ほどか納めた。  それからもう一つ、この延原という人のやり口を聞くと、ここにきょう来ておられる細見証人が、都島土地売買拘置所から依頼されて、延原に会った。書類を二通とられた。一通は、お前と土地売買をするが、税金は脱税する。しかし、税金のそういうものについてもし国税庁に知れたときは、そういうものの責任は全部お前が負うということで、一書書かせられた。そうして売買の話をした。そうして帰ってまたあくる日行ったら、昨日書いた書類はちょっと不完備だから、もう一回この書類を書けというので、今度はその書類を書いて売買した、こう言うんですね。そこで一番初めお尋ねしたいのは、五百万のこういう問題が起きたので、この金を納めたんですが、これについては、加算税とかなんとかいうものは、みんなちゃんとお取りになっておりますか。
  61. 武樋寅三郎

    ○武樋説明員 ただいまお話になりました五百万の手付金、前渡金の件でございますが、これにつきましては、延原氏、それから良島氏、両方とも事実を認めておるわけであります。ただ、こういう性質の金については、これを注意しているつもりでございますが、なかなか把握しにくい問題でもあるわけでございます。従いまして、率直に申しまして、私たちは、当時そういうような金について、授受されたというように承知しておらないわけであります。そこで今御指摘がありましたように、本年二月二十三日に延原氏から修正申告が出たわけでございます。これは五百万円まるまるでございます。そこで、もちろん今お話のございました無申告加算として、それに対応いたしますものを徴収いたしております。
  62. 田中彰治

    田中(彰)委員 この五百万のこれに対して、加算税とか、そういうものはお取りになったのですか、それはどうです。——それはあとで委員長あてに報告いただけますか。
  63. 武樋寅三郎

    ○武樋説明員 数字そのものですか。
  64. 田中彰治

    田中(彰)委員 ええ、数字そのものです。
  65. 原純夫

    ○原政府委員 私から概括的に税の関係について、ここで申し上げます場合の境目と申しますものについて、ちょっとお願いのようなことを申し上げたいと思います。  本委員会においては、決算の審査を通されまして、われわれの仕事、国の金の使い方、税の納め方、納まり方というものをお調べになり、御監督になる非常に大事な機能でございまするから、できる限り御協力いたしたいと思います。その意味で極力資料は出し、お話は申し上げるという気持でおりまするが、反面で、税というものは、なかなか納税者個人々々にとりますと大事なものでもあり、また秘密のものでございます。税法におきましても、税務官吏がその仕事で知り得たことを漏らしてはならないという規定があるわけです。これは両方大事なことであって、その境目は、こういう委員会の質疑応答その他を通して常識的にやっていかなければならぬというふうに思いますので、ただいまのお尋ね、また今後御要求のあります点については、どこを境として書類で出すか、どこを境として口頭で申し上げるかというような点については、相当慎重に考えていたしたいと思いますので、どうか御要求は要求でなさって、後刻そういうことがかないまするならば、委員長理事、あるいは田中委員もお交えの上、これはどういうふうに、書類ではどの程度にするかというような点を御相談いただけると、非常に都合がよろしい。出せといわれるその一つ一つに、出しますと申し上げたい気持はやまやまでございますが、今のようなことでありますので、別途総括してやっていきたいというふうに思います。
  66. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたのおっしゃることはもっともなんでありますが、それじゃ、延原が脱税しているというようなことを私の方で指摘して、だれが告発するかどうかは知りませんが、そういうときには、断固として、どうです、ここ大阪から来ていらっしゃいますが、取り締まるか。延原といろいろな因果関係があって、くされ縁があって、取り締まれぬのじゃないですか。どうなんです。
  67. 武樋寅三郎

    ○武樋説明員 延原氏とは別にあまりじっこんではないのでございます。また、関係職員につきましても、そういうことはないと思います。ただ、先ほど御心配がありましたように、二十七年、今から九年前でございますが、税務署長をやっておりました香崎という人が退官いたしまして、三十二年から会社の顧問をやっております。これは税理士の資格においてやっております。そういう関係で、われわれの内部といたしましては、そういうような変な関係はないと思っておりますが、しかし、延原氏自身につきましての課税の状況につきましては、こういうような問題が起きますと、若干の資料等も今後集めまして、慎重にやって参りたいと思っております。なおまた、委員の方から、重要な資料がございますれば、提出をいただきまして、取り締まるというようなことでなしに、調査をいたしたいと思っております。
  68. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこで、延原は勧銀から戦争中から終戦当時まで莫大な金を借りて、それを返しております。昭和二十五年までには三百七十万返し、二十六年には九十万返し、三十五年までにずっと返しておりますが、この返した金は、概略延原が安いときに土地を買っておいて、土地その他のものを売って返した。これに対しては、もちろん私はここに数字を持っておるが、あなたの方では、これに対して税でお調べになっておる。こういうものについても一つ、私が今あなたに、説明員に申し上げたように、あなたの税務署の署長をしておったのが延原のうちへ雇われていった、そしてあらゆる知恵を貸しておるから、延原が、おれのところは税務署は大丈夫だ、こういうことになる。今長官はいろいろおっしゃるけれども、十人のうちの九人までは、税務署に幹部でおった者がここへ入っておるから、ここへ連絡がとれるだろうと思うのは常識なんです。そういう点について、一つあなたの方から厳重に——私の方からも出しておりますから、そういうものも委員長と相談して私は申し上げる。  それから長官も、なるほどあなたのおっしゃることはもっともです。私も賛成ですが、しかし、こんなやつはどうします。たとえばここに大森、多摩川の両税務署において、四十余万円の金がその職員に横領されている。たくさん横領があります。国民が泣いて納めたものを、税務署の職員がどれだけ横領しているかわからない。こういうものでも、それじゃどうだ、横領している者に対して出さないかと言われると、これはあなたの答弁とちょっと何ですけれども、こういうものもずいぶんあるのです。僕らは決して国税庁をいじめるとか、そういう考えでおるのじゃない。大阪人たちから、この決算委員会に投書が来ている。延原のうちにもと税務署におったこういう者がおって、全部税金をやっているから、延原は税金なんかやっておらぬと公言しているじゃないか。脱税を調べてくれ。そしてわれわれが税金を納めないでいると、土足で上がり込んできて差し押えをしたり、競売したりする。ああいう特殊なところには何も調べ切れぬ。だから、調べてくれと言う。調べてみる。私は、あなた方の税務署の人がどこで何をやろうと、たくさんあるけれども、決してそんなことを言っているのじゃない。延原の脱税は相当な額であるということを、あなたの方で認識されてやられる。私の方からもいろいろ材料を出しましょう。そういう材料を出したものについては、イエスかノーかということは、この決算委員会へ、田中彰治個人でなく、決算委員長あてには報告されていいはずです。それから今あなたのおっしゃる通り、個人の税金に対するお考えはけっこうです。しかし、国民は平等に税金を納め、あるいはまた納められないために差し押えを食う者もあれば、脱税して告発される人もあるのだから、こういうものに対して、不平等と思ったり、あるいはおかしいと思ったときは、やっぱりそれを要求して——決算委員会の方はそれが主体なんだから、国民の税金の使途をどういうところに使ってあるか、不正であるかということを調べるのが決算委員会なんだから、そういうものをこういうことをして調べて、委員長は、われわれ委員が、それは一つ押してもらおうじゃないかというときには、もちろん押していただけるでしょうけれども、私どもは、延原に対しては相当なものを握っておるのです。まだあなたに申し上げないけれども、モーターだけで三百台、それをもと相撲におった人を利用して全部売っておる。白米と取りかえてきているのもある。こういうものもたくさんある。こんなものは、みんな税の対象にはなっている。あなたの方でそれをみな見のがしておいでになったとすると、時効になったものもあるでしょう。大へんな問題だと思う。だから、延原の一切を書いて、そしてあなたの方へ出しましょう。あなたの方で、これは知らぬでおったから時効にしてしまった、これは知っておったからこうした、これはどうやった、これは目下こうする、というようなことを報告をいただくということにして、私の方からも一つ出しましょう。委員長、これを一つ取り計らっていただきたい。出したら、そういうことに対して報告をもらえるか、厳重に取り調べていただけるか、こういう点について……。
  69. 原純夫

    ○原政府委員 延原さんという方は、資産もいろいろおありになるようですし、戦前からだいぶ広く事業をやっておられた方でありますから、私の判断では、やはりこういう方の所得等については、相当詳細な調査を要する方だと思います。それが今まで深い調査が行なわれてないというのは、これは私どもとして申しわけないと思います。五百万円の話が二月にありまして、その後、その他の取引についてもいろいろお話が出ておりましたのを、もう少し密接にフォローして、どんどん調査に乗せるべきであったと私は思いますが、若干怠りがありました。おくればせながら、延原さんの所得については、十分調査を推し進めたいと思っております。その際、資料をいただきまするならば、非常にけっこうであります。その上での結果につきましては、先ほど申しましたような両面の事情を考えて、後ほどまた御相談をいたしたいというふうに考えます。
  70. 田中彰治

    田中(彰)委員 長官のお話はよくわかったし、手落ちのある点、これは人間ですから、神様でもないから、あやまちがあるのですから……。  延原は、資産は数十億持っているということです。また数十億あるかもしれません。それがあらゆるものの手によって、ほとんど税金というものは、一月給取りが納めるくらいの税金しか納めておらぬ。こういう点を一つ、御商売のことですから、よくお調べ下さって、私の方からも出しますから、それが脱税などあったら、断固として取り締まっていただきたい。これは長官と大阪から来ておられる局長によくお願いしておきます。
  71. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 田中君に申し上げますが、個人の所得というようなことは、なかなか重要な関係があると思う。ただし、今あなたの言われるように、延原というもののところにかつての税務署長だか、長く税務署長をやっていたか、税務署員だか知りませんが、その人が延原の会計に行ったとか、あるいは支配人に行ったということは、あなたよくお調べになって、事実なんですか。
  72. 田中彰治

    田中(彰)委員 事実です。
  73. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 間違いありませんか。
  74. 田中彰治

    田中(彰)委員 ありません。
  75. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 責任を負いますか。
  76. 田中彰治

    田中(彰)委員 負います。
  77. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 そこで国税庁長官並びに大阪の国税局長に申し上げますが、今申し上げた個人の所得ということ、それから財産というようなことも、税法によって、これを公表するということは、なかなか困難だと思いますが、しかしながら、この問題については、私は重要なポイントだと思う。ただし、それを委員会で公表できるかどうかということについても、これまた大へんむずかしい問題だと思います。従いまして、田中彰治君から出す資料、及び国税庁としましてなおそれ以上の調査もあることだと私は思います。そこで委員各位に申し上げますが、この点につきましては、国税庁長官あるいは大阪国税局長及び近畿財務局長に、委員長において適当な時間に適当な調査の結果を御報告願うというようなことで、当委員会はよろしゅうございますか。(「了解」と呼ぶ者あり)なお、国税庁長官、その範囲で、むろん個人の所得でございますから、大へんむずかしいことでありますが、決算委員会は決算委員会としてまた使命もあることは、御承知通りです。従って、私が個人——まあ個人というとおかしいですが、私が、その問題等について、委員会を別にして、あなたにお目にかかるというようなときは、十分一つ質問いたします。また、私も、これは公表しては困る、委員会にもこれは報告しては困るという問題は、私も断じてその責任を負いますが、そういうことでよろしゅうございますか。
  78. 田中彰治

    田中(彰)委員 委員長、最後に一つ。個人々々とおっしゃいますが、脱税という問題がはっきりあるということになれば、これは刑事問題ですから、何もこれは公表するとか、しないとかいう問題ではない。ただ、普通のそういうものがない範囲内において個人の税金がこうだということは、これはもうあなたのおっしゃる通りです。ただ、脱税が出たということになれば、これは刑事問題ですから、これはそんなにちゅうちょされる問題ではない。私が申し上げているのは、脱税に対して申し上げておる。脱税があるかどうか、お調べになっておらないかどうかということを私は申し上げておる。
  79. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 田中君に申し上げますが、あなたは脱税ということをおっしゃるが、私は、まだその脱税があるかいなかということについては、はっきり知り得ておりませんから、むろんその範囲の脱税があるというようなことなら、これは刑事問題ですから、これはまたそれで別個な問題として、すべてのそういうようなことを一括して委員長におまかせを願うということで、皆さんよろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 では、さよう取り計らいます。従って、税務当局、いわゆる国税庁に対する質疑は、これで終了したことにしてよろしゅうございますか。国税庁長官大阪国税局長は御退場願ってよろしゅうございますか。——それでは、国税庁長官及び国税局長、御退場願ってけっこうです。御苦労さんでした。  続いて、田中君に申し上げますが、法務大臣退場してよろしゅうございますか。
  81. 田中彰治

    田中(彰)委員 法務大臣一つ——松本証人にお尋ねいたします。  これをあなたちょっと見て下さい。(田中(彰)委員松本証人書類を示す)これはだれあてにお出しになりましたか。
  82. 松本貞男

    松本証人 これは細見側の方にお渡ししたように思います。
  83. 田中彰治

    田中(彰)委員 細見側の方にと申しますが、あなたの判が押してある。こっちに名前書いてあるのを切ってきたのだが、それは良島君にお渡しになったのと違いますか。
  84. 松本貞男

    松本証人 私は、これを福山総務部長に、細見側の人に渡すように命じました。福山君から渡しました。
  85. 田中彰治

    田中(彰)委員 それは良島君に渡されておったのですか。あなたは細見側の人というが、細見側って良島君も細見側だし、細見さんも当人だし、細見側とはどういうことですか。
  86. 松本貞男

    松本証人 私の申しますのは、細見氏御自身並びに金主も含めまして、細見側と申し上げました。
  87. 田中彰治

    田中(彰)委員 だれをいうのですか。
  88. 松本貞男

    松本証人 金主であります。金主は当時は良島です。
  89. 田中彰治

    田中(彰)委員 金主は良島ですね——。こういう目録がついたのがあなたの方から出ておりますが、これは御存じありませんか。(田中(彰)委員松本証人書類を示す)
  90. 松本貞男

    松本証人 この証明書には、私は署名はいたさなかったのでございます。これは字句、あて名、その他いろいろ問題があるように考えましたので、そういうふうに改めまして、そして……。
  91. 田中彰治

    田中(彰)委員 その裏に財産目録がついておりますよ。
  92. 松本貞男

    松本証人 これには署名はしておりません。
  93. 田中彰治

    田中(彰)委員 ですから、あなたの方がつけてやったのでしょうが。だれに渡しましたか。武田という方にお渡しになったと思うのですが……。
  94. 松本貞男

    松本証人 これは私、署名いたさなかったのであります。
  95. 田中彰治

    田中(彰)委員 その書類は、だれにお渡しになりましたか。
  96. 松本貞男

    松本証人 これは武田さんが持ってこられましたが、これはいけないということで、お断わりしたのであります。
  97. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたも、そこへ来られておる刑事課長も、この間、良島という人間とは、土地売買とかそういうような話もしたことはない、そういうものは相手にしていない、われわれが相手にしておるのは、天理教の何々総代の細見君だ、こうおっしゃった。ところが、この書類が良島君にいっておったのです。良島君のあて名があるのです。今所長も、金主の良島君に渡したとおっしゃった。良島氏とそういう書類交換されておれば、やはり長島氏に当時は土地売買依頼等をされたということは事実でしょう。それは武田という人も全部承知しているのだから、これは所長に——この問題だって、何もあなたをいじめて、あなたをどうするというのじゃないのだが、そういう書類もあるのだし、みんなあるのだから、あなたの方も手落ちは手落ち、これはこうと、やっぱりお認めになって、この問題を早く終結されればいいんですよ。私も、個人のことを言ってはなんだけれども竹内刑事局長と仲がいいし、そんなことでここでごたごた言いたくないけれども、決算委員会に上がってきて、私は小委員長として調べた以上、やはりこれは調べなければならない。あなたの方でうそを言われれば言われるほど、いろいろな人が出てきてこれはあれする。これは刑事局長、おわかりになっているでしょう。これは良島に渡したと言っているのですから、それでは、良島君はこの事件に土地を頼まれた覚えがないとか、良島を相手にしておらぬとか、関係ないとかいうことは、取り消せますね。どうなんです。
  98. 松本貞男

    松本証人 私どもこの前の会議で申したと思いますが、良島氏が細見氏の金主としておいでになった。そして金主としていろいろ奔走されたということは、十分承知しております。それで金主としていろいろ金を集めた上において、銀行などに行きますと、私が細見氏にあてた内諾書と私は申しておりますが、これの字句はどうもはっきりしない。金を集める上に、どうもこの点について銀行からいろいろ質問されてもはっきりしない。それで金を集める上に必要なのだから、こういうものをもらいたい、こういうことであったと思います。
  99. 田中彰治

    田中(彰)委員 それで法務大臣お忙しいから申し上げておきますが、実はこの事件で、大阪都島というところに延原観太郎といって、今申し上げた国の隠退蔵物資は、どんどん取りはぐれておる。税金は払わない。そうして暴力団を使ってあらゆることをした悪党ですね。これは刑務所へ行かないのだから、ほんとうの悪党だ。そういうことをしながら、刑務所へ行かない。その延原観太郎の持っておる土地が、一万九千坪余りある。それから大阪拘置所が持っておる土地が、大阪市の天満駅の前に一万一千坪余りある。そこでその一万一千坪余りある天満土地拘置所を建てようとしたところが、周囲から反対されて、こんな発展した町中へ拘置所なんか持ってきては困ると反対されて、できなかった。そこでどっかへ拘置所を移さなければならない。大阪のその土地を売って、その金でほかの土地を買えば問題ない。ところが売るとなると、拘置所は直接売れないから、一たん大蔵省へ返す。返すと、大蔵省からまた拘置所を建てる土地を買う予算ももらわなければいかぬ。非常にめんどうだから、どっかにいい土地があったら交換したいというわけで、そこで細見証人が天理教の此花支部の信徒総代だった。そこでどこかいい土地がないかと探した結果、いろいろな土地がありましたけれども都島の一万九千坪の土地が一番いい。そこで延原にその土地交換してくれないかと言ったら、延原は、当時その天満土地に魅力がなかった。金が要るから、これは交換するのはいやだ、この都島のおれの土地を買ってくれるならこれを売ろう、幾らで買うか。その当時一億七千万円で出しておっても売れなかった。一億四千万円でも売れなかった。天満土地は五億の値打がある。それとかえれば交換できるから、無条件交換だ。書類がここにみなあるのです。これは法律的には違法かどうかわかりませんよ。そこでいろんな人が、みんなもうかることだからというので、延原にそれじゃ買おうと言ったら、延原は土地なら売ると言った。そこで延原の土地を買ったら、拘置所長も管区長も、買ったら交換していいというので、いろいろな書類がかわされて、そしてこの方が買おうと思って努力したわけです。ところが、天理教から金が出ると思ったところが、天理教でも七十周年記念とかなんかやったので、金を使って金がない。だから、延原の土地を買う金がないと言ったら、どっか金主を探せといって探したのが、良島という人なのです。この人が金主になって、おれが買おう。それでは一応、金を出すについては拘置所と会おうというので会って、これは私の金主です。金主といって、共同でやるということですね。共同で買ってあなたの方へ上げます、それではよかろうということで、その書類が良島君にも渡された。そこで良島君は、それではそれを買おうというので、延原のところへ行って五百万手金を打った。五百万手金を打って、手金の受け取りを持っていったら、非常に喜ばれて、拘置所の貴賓室——法務大臣が行ったら貴賓室に入れるかどうかわからないけれども、貴賓室でお茶をもらって、いろいろ礼を言われた。ところが、この人は人がいいものだから、これも自慢して言ったのでしょうね。おれも拘置所の受刑者には同情している。おれもやみでひっかかって半年ばかり引っぱられたことがあるということをちょっと話した。それをこういう職務の人だから、ぴんと頭にきたので、それで東京へ話した。そんな前科のあるやつは困る、そんなやみでも何でも刑務所へ入った者と取引してはいけない、断われというので、三年も四年もやったのに、一銭の運動費もやらないで断わった。良島に、管区長と所長が行って断わった。それで延原に、どうだ、直接取引でやろうじゃないかと言ったが、会わない。手金を流された。五百万の金が行っておりますから、残金を持って行く前に断わられたから、そんなばかなことがあるか、五百万で前に頼んでおいて断わるやつがあるかといって、死んだ小林かなえ君、一松さん、世耕さん、そういう人たちに運動して——しかし、期日がきたときに金を持っていかないと悪いというので、ここにおいでになる鍵谷さん、この方が当時発動機の重役をしておられた。こちらに頼んで、あなた延原さんを知っておるか。まことに済まぬが四千五百万、期日に持っていってくれと言われた。この方が保証小切手を持って延原のところに行ったら、ちょっと待ってくれ。それでこの方がいろいろ話したところが、おりませんと断わった。そして会わない。会わないから手金が流れた。保証小切手を持っていったが、流れちゃった。そうして手金が流れたからといって、もうそのままほうって、こっちを解決つけないで、五百万手金を打ったそれと、天満土地を取りかえた。交換しちゃった。そこで鑑定も何もしないで、表面だけのことで、ぱっと二日間で取りかえてしまった。その取りかえる前には、鑑定も何も……。
  100. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 ちょっと田中君に申し上げますが、本日は最終日でございまして、重要な本会議がただいま開会されておりますので、いかがでしょう、この問題は満場一致で閉会審査を継続するということに相なっておりますので、きょうは直ちに与野党とも本会議に入らなければなりませんので、この程度で本日はこの会議を閉じたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  101. 田中彰治

    田中(彰)委員 私は、委員長から委員諸君に諮ってもらいたい。この問題で、法務大臣竹内刑事局長はお知りにならぬで、下からいい報告だけを受けて、ほんとうのわれわれの持っておるような書類とか、お知りにならぬととがある。これについて、私は法務大臣と話し合いをして、今度出てもらう前に一通り申し上げたいのですが、とのことを一つ……。
  102. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 いかがです。今田中君の発言を承認することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 御異議ないと思いますので、さよう決定をいたします。  それでは、今本会議が開会中でございまして、採決に入りますから、本日はこの程度で散会いたしたいと思いますが、よろしゅうございますか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 荒舩清十郎

    荒舩委員長 それでは、証人各位には、しばしば御出頭願い、長時間にわたりましてまことに御苦労さまでございました。厚くお礼を申し上げます。  それでは法務大臣一つ田中君とよくお話し合いを願います。  本日はこれにて散会をいたします。    午後一時十分散会