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田中(彰)
委員 そこで、延原は勧銀から戦争中から終戦当時まで莫大な金を借りて、それを返しております。
昭和二十五年までには三百七十万返し、二十六年には九十万返し、三十五年までにずっと返しておりますが、この返した金は、概略延原が安いときに
土地を買っておいて、
土地その他のものを売って返した。これに対しては、もちろん私はここに数字を持っておるが、あなたの方では、これに対して税でお調べになっておる。こういうものについても
一つ、私が今あなたに、説明員に申し上げたように、あなたの税務署の署長をしておったのが延原のうちへ雇われていった、そしてあらゆる知恵を貸しておるから、延原が、おれのところは税務署は大丈夫だ、こういうことになる。今長官はいろいろおっしゃるけれ
ども、十人のうちの九人までは、税務署に幹部でおった者がここへ入っておるから、ここへ連絡がとれるだろうと思うのは常識なんです。そういう点について、
一つあなたの方から厳重に——私の方からも出しておりますから、そういうものも
委員長と相談して私は申し上げる。
それから長官も、なるほどあなたのおっしゃることはもっともです。私も賛成ですが、しかし、こんなやつはどうします。たとえばここに大森、多摩川の両税務署において、四十余万円の金がその職員に横領されている。たくさん横領があります。
国民が泣いて納めたものを、税務署の職員がどれだけ横領しているかわからない。こういうものでも、それじゃどうだ、横領している者に対して出さないかと言われると、これはあなたの答弁とちょっと何ですけれ
ども、こういうものもずいぶんあるのです。僕らは決して
国税庁をいじめるとか、そういう
考えでおるのじゃない。
大阪の
人たちから、この決算
委員会に投書が来ている。延原のうちにもと税務署におったこういう者がおって、全部税金をやっているから、延原は税金なんかやっておらぬと公言しているじゃないか。脱税を調べてくれ。そしてわれわれが税金を納めないでいると、土足で上がり込んできて差し押えをしたり、競売したりする。ああいう特殊なところには何も調べ切れぬ。だから、調べてくれと言う。調べてみる。私は、あなた方の税務署の人がどこで何をやろうと、たくさんあるけれ
ども、決してそんなことを言っているのじゃない。延原の脱税は相当な額であるということを、あなたの方で認識されてやられる。私の方からもいろいろ材料を出しましょう。そういう材料を出したものについては、イエスかノーかということは、この決算
委員会へ、
田中彰治個人でなく、決算
委員長あてには報告されていいはずです。それから今あなたのおっしゃる
通り、個人の税金に対するお
考えはけっこうです。しかし、
国民は平等に税金を納め、あるいはまた納められないために差し押えを食う者もあれば、脱税して告発される人もあるのだから、こういうものに対して、不平等と思ったり、あるいはおかしいと思ったときは、やっぱりそれを要求して——決算
委員会の方はそれが主体なんだから、
国民の税金の使途をどういうところに使ってあるか、不正であるかということを調べるのが決算
委員会なんだから、そういうものをこういうことをして調べて、
委員長は、われわれ
委員が、それは
一つ押してもらおうじゃないかというときには、もちろん押していただけるでしょうけれ
ども、私
どもは、延原に対しては相当なものを握っておるのです。まだあなたに申し上げないけれ
ども、モーターだけで三百台、それをもと相撲におった人を利用して全部売っておる。白米と取りかえてきているのもある。こういうものもたくさんある。こんなものは、みんな税の対象にはなっている。あなたの方でそれをみな見のがして
おいでになったとすると、時効になったものもあるでしょう。大へんな問題だと思う。だから、延原の一切を書いて、そしてあなたの方へ出しましょう。あなたの方で、これは知らぬでおったから時効にしてしまった、これは知っておったからこうした、これはどうやった、これは目下こうする、というようなことを報告をいただくということにして、私の方からも
一つ出しましょう。
委員長、これを
一つ取り計らっていただきたい。出したら、そういうことに対して報告をもらえるか、厳重に取り調べていただけるか、こういう点について……。