○小川(豊)
委員 あなたの方は、ほかのことではずいぶんよくPRもし、
努力もしているわけですが、米軍の五十億の金だとか、しろうとにもわかる利子
計算とか、こういう点について、
努力はしています、それぞれお願いはしておりますと言うけれども――私どもの方でも、あなたの方から改めてもらいたいという要求が出たということは、去年聞きました。ずっと前から出ておるのかもしれませんが、去年聞いた。こういう点で、基本的にもっと
公社の
資金繰りをよくして、
国民に対する
サービスをもっとよくできるようにするために最も必要な、こういう点での
努力というものは、非常に欠けているのじゃないか。お願いしますと、しっぱなしになったのでは、これは法律改正はできませんよ。そういう点での
努力というものは、これはもっと
郵政省その他とも十分連絡をとっていかなければならない。
そこで、私は、時間がありませんから、簡単にいきますが、あなたの方の機構というものを見ると、おかしいんですね。
総裁は
公社を代表するわけでしょう。ところが、経常
委員会というのがあって、経常
委員会には何人かの
委員が出てこれはしろうとなのですけれども、こういう人たちが出て、そした経営
委員会の
委員長というものができて、ほとんどそこで重要なことはきめられていくのです。この点で私はおかしいと思うのは、国鉄と運輸省との場合には、国鉄の
総裁の任命というものは、国鉄がやるのです。ところが、
電電公社の場合には、
郵政大臣にはこれはない。経営
委員会できめてくる。そうして国会の同意を求めるという形になっているのではないか。そこで、おかしいと思って監査報告を見たのです。内部の、あなたの方の報告書、
電電公社の監事から出てきている報告を見ると、これは国鉄の監査とは全く違ってきている。なぜこういう結果になるかというと、この経営
委員会で、幹事も任命しているのです。そうしてその幹事というのは任命されるが、それに付属する
職員というのは、内部の人です。だから、あまり痛いところを言うと、自分のあれに差しさわってくるから、この監査というものは、国鉄の監査とは違って、実になまぬるい監査になってくる。こういうところにも、私は、
郵政省――あとで
郵政省のときにお聞きしますが、
郵政省の
公社に対する
監督権の問題、それから
総裁の権限の問題、こういう点でも、非常に
電電公社の仕事がおくれがちになってくるということが
指摘されると思うのです。
きょうは時間がありませんから、その点での答弁はおいて、あと一点、これだけ伺ってやめたいと思いますが、これは三十三年、三十四年ではないのです。三十三年、三十四年にもいろいろ不正、
不当事項、批難
事項等がかなり数多く
指摘されていますが、これは去年の七、八月ごろに新聞に報道された問題ですが、大きな、三十五
年度のトップともいうべき汚職問題が、
公社で起こっています。そうして新聞では、これを酔いどれ疑獄だとかなんとか、きわめて派手に報道しておる。世間でもあぜんとしたわけですけれども、これはどうして起こったかというと、
電電公社と
契約したり、
設備をしたり、あるいは資材を納める場合に、納める業者からほとんど片っ端から収賄してしまって、その金額が数千万円にも上る収賄をした。かわいそうに一人のあなたの方の
職員は、熱海で、まことに破廉恥な行為をしたという書き置きを残して、自殺までしている。新聞の報道ですけれども、なかなかあなたの方の
職員で堅実な者がいて、収賄をしたものを全部貯金にしておいたという堅実組、それからもう一つは、毎晩毎晩キャバレーを飲んで歩いた酔いどれ組と、この二つに分かれている。こういうことが、分厚く当時の新聞――に私はここに切り抜きを持っていますが、こんなに報道されています。業者も悲鳴の豪遊という――業者も、こんなに取られたのではやり切れないと言って悲鳴をあげながらも、一緒に飲んでいるということだ。
電話がほしい大衆をよそに、汚職戦術のトップ・モード、こう盛んに出ております。これを人の名前をあげていくと、あなたの方では、関東電気通信局の平川清、
郵政大臣官房の
郵政技官久光敬蔵、それから
公社の資材局の荒川宏、川口善久、建築部の係長の池上顕司、近畿電気通信局の倉本武二郎、大阪
郵政局の
設備係長中井楢松、
電電公社の
設備課長の鳥居昂、手動係長の割出政一、それから島嶺康次郎、唐沢文平、こういう人たちが、この事件にみんな関係している。業者の方は、ヤマト工業社長の菊地英三、鞍田工業の村山耕智、それから東洋ヒューズ会社の山崎常務、亀山鑿泉工業の大八木元俊、東京
設備工業の鈴木栄、日本通信機器工業組合の宮内栄三、大興電気の開発課長の森学、目黒電気製造株式会社の専務村野井啓一、これはあげていったらきりもなく出てくる。
最後に、係長を三十八人処分したということも発表されていますが、係長でなかった人、あるいはその上の人も関係しておったと思うのです。ここでお聞きしたいのは、なぜ一体こういう問題が発生するのか。そこで、これはまた
会計検査院にもお尋ねしなければならぬのですが、これは去年ですから、あなたの方では当然まだ
指摘されていないけれども、この事件は、去年一年にぽつっと起こったわけではない。前々からずっとやってきている。そしてこういうことが起こるということは、資材を研く入れさせてやってあるから、高く見積もってやるから、それだけの何千万円という賄路を持っていくのです。だから、検査していれば、こういうことは当然おかしいということが出てこなければならないにもかかわらず、これが出てこない。今度は、これほど新聞に発表されたのだから、来年のには出てくるでよう。出てこなかったのは、どうしてあなたの方で気がつかなかったのか。実に大きな疑獄事件、しかも、この五カ年
計画というのを見ると、ここにまたふしぎな問題が出てくるのは、これは次官も聞いておいて下さい。この第二次五カ年
計画というのに対して、電気通信
工事請負業者十一社を指定してある。この十一社には、
公社出身の人が、私の調べた限りで三十三人入っておる。だから、指定した会社へは、あなたの方の人が、少なくとも三十三人は確実に入っておる。そうしてそれらと組んでこういう
電電公社の大疑獄事件というものを起こして、
電電公社の信用を失墜し、また非常に大きな損害を与えている、こういうことになるのであります。先ほども
決算の方の報告を見ると、それに対する答弁は、まことに遺憾であった、今後こういうことをなからしめる、これは毎年心々同じ文句です。毎年々々同じ文句を聞いて、毎年々々同じことが起きておる。この点の改善に対する点、どうしてこういう問題が起こったのか、そうしてなぜそれが、監査制度がありながら、もっと早期に発見されなかったのか、これを今後どうなさるつもりか、という点だけをお尋ねして、
質問を終わります。