○木村(公)
委員 私も御同様で、
ジェトロというものに対する勉強、
調査等がまだできておりません。実は、昨日初めてこれを取り上げることに
理事会で
決定いたしまして、本日決算報告書をいただいて、まだこれを読むひまもないようなことでございますから、詳しいことは
調査に基づきまして、次回の木曜日の定例決算
委員会において、同僚議員とともにいろいろ
お尋ねをいたすことになると存じますが、たとえば私が一見しての印象的には、何かこれは非常にごまかしのような団体だ。
日本貿易振興会というものは、性格的には道路公団、住宅公団、あるいはその他公団に類似しておりますが、法律ができまして、
日本貿易振興会法というものが、
昭和三十三年四月二十六日に法律第九十五号としてできたわけです。これの
内容も附則も私はまだよく読んでおりませんが、第十二条に「国
会議員、国家公務員、地方公共団体の議会の議員又は地方公共団体の長若しくは常勤の職員は、役員となることができない。」とある。これは、これに限ったことではございませんが、こういう思想がこの中に織り込まれている。これは国会で作ったものでありますから、あなた方に
お尋ねするわけではありませんが、そういう思想がなぜここに織り込まれておるかといえば、なるべくフリーに民間の達識者を入れて、中小企業の輸出振興のためになるべく相談もしやすくする、あるいはあっせん等においても、
調査等においても、素朴なと申しますか、非常に楽な気持で
調査の御
依頼もできる、そうして、民間人として、
国民の一人として、親切にやっていただくといったようなイデオロギーが、この法律の中に各所にうかがわれる。
それから最後に持ってきまして、この法律は附帯決議を特に付記いたしておりまして、「本会の役員及び
運営審議会
委員には、出来うる限り民間達識者の参画を求め、本会の業務が官僚的
運営に陥らざるよう充分留意すること。」ということがわざわざ第一にあるのでございますが、その後、改組後の役員の顔ぶれを拝見してみますと、東京帝国大学を出られて、繊維局長だとか何とか局長をやられた
長村さんを長として、ほとんど全部お役所の古手である。そうすると、これは決議が無視されているわけですね。でき得る限り民間の達識者の参画を求めているかもしれないが、実情はそれがなされていない。求めていない。また、本会の業務が官僚的
運営に陥らざるよう十分に注意せよと言っているのだが、その点は、御注意はあるだろうけれ
ども、失礼ですけれ
ども、官界御出身の方ばかりで
運営されている。この場合、往々にして自然に官僚的にならざるを得ないことを心配して、特にこの決議を設けたものと思う。これを官僚的
運営にさせざるためには、なるべくお役所から入れることを避けて、民間の達識者を入れた方がよかろうという老婆心から、わざわざ国権の最高機関であるところの日本の国会が、決議をもってこれを表明している。意思表示をしているわけです。これが全く無視されており、監督官庁であるところの
通産省も、全くこんなことは忘れてしまっている。実に国会軽視もはなはだしい、侮辱もはなはだしいものと、まず第一に言わざるを得ません。
それから四番目にこういうことが書いてある。「本会は、輸出に向けうべき
商品を生産する中小企
業者のために、その輸出意欲を一層旺盛ならしめるよう、
国内におけるこれが指導斡旋活動に万全を期すること。」まことにこれは思いやりのあるところの決議だと思いますが、私の
手元へ今きている「
ジェトロの歩み」「決算報告書」「役員名簿」の三点から看取できることは、あなた方がほんとうに輸出意欲を旺盛ならしめるように、
国内において指導あっせんをしていらっしゃるようには、どうしても受け取れないような印象を受けますので、この点についても、これから
調査をいたして、いろいろ疑問を氷解をしていただきたいと思うのでありますが、先ほど
山田長司委員からも
お話があったようでありますが、たとえば外車を輸入する、そうして多過ぎると思われる利益の、
日本貿易振興会に差額を与える。この振興会というものは、その利潤をもらって、それでもって
貿易振興のために活動をする。その
費用を、特に
通産省がそのような操作をやって、私
どもには不思議な操作に見える、そういうようなことまでして、
貿易振興会に金を与えて、振興の実をあげておるかどうか。そして海外におけるところのもろもろの拠点の詳細な
会計検査等は、なかなかしがたいのです。ここに
会計検査院の局長がおられますけれ
ども、
会計検査院なんというものは、あまり大したものじゃない。今までやってこられたことを見ると、情けないようなものだ。検査の方法あるいは検査の報告を見ましても、われわれの琴線に触れたような検査報告は
一つもない。ピントはずれのことばかり言っている。そんなものが日本の最高の検査官ですから、そんなもの、海外のことに目が届くはずがありません。これは在外公館においても同じ問題がある。ばかげたことをやっておる。それと同じようなことがもしも行なわれておったならば、事は重大です。国費のそのようなルーズな使い方がもしもなされておるというようなことならば、大問題であります。それと同時に、国費は一方において乱費されておる。振興の実は、実際はあまり上がっておらない。自然に輸出はふえていくけれ
ども、実は、これは別に
日本貿易振興会の手柄でも何でもない。、目立つ手柄でもないでしょうけれ
ども、もしも輸出振興というものが多少でもあなた方の力によって向上したというならば、それは
見本市船、
見本市くらいなものです。それも大
部分は民間の寄付金か、しからずんば国の
補助金でなされておる。それによって初めてあなた方がそういうチャンスをつかんで、あるいはチャンスを作るというのですか、あなた方の
仕事といえば、ほとんど設営するだけなんです。それがために若干の振興はできるでありましょうけれ
ども、国費の乱費とその振興の比率と比較してみて、はたして
日本貿易振興会の役割というものが、それほど重要なものであるかないかということすらも、私は印象的に疑わざるを得ないのです。
そこで本日は、勉強もいたしておりませんし、まだ
資料を
調査するひまもございません。この次には、
通産大臣初め係の方全部に来ていただき、
会計検査院からも来ていただき、あるいは行政管理庁からも来てもらって、それと同時に
ジェトロの幹部諸公全部、杉さんも——頭だけのシャッポというようなばかなことはございませんよ。無
責任なシャッポというようなことはあり得ることではありませんよ。シャッポというものは
責任を持たなければいかぬはずだ。ただ名義上の
理事長であって、副
理事長が一切やっておる、そういうばかげた機構が日本にはたくさんあるからこそ、
責任というものが、回避されて、つまらない金が乱費されてくる、消えていくということになるのでございますから、杉さんもお呼びになって、そしてこの問題については、もう少し掘り下げて、私
どもは
質疑を続けたいと思うのでございますが、本日は、ただ一点のみ、
通産省の部長さんではいかがなものであろうかと思いますけれ
ども、きょうは大臣もおりませんから、部長さんから、国会の決議でこういう決議をされていることは御記憶があるのかないのか。決議というものは一ぺんなされて、その次に更改とかがなされるまでは、生きているはずなんです。全然無視されておる。この決議のことは、あなた方の方で御
承知なのかないのか、この点だけを伺っておきたいと思います。