○川上
委員 もう長くかかりませんが、これは重大なことを言われたと思います。ポツダム宣言、カイロ宣言を絶対否定です。無条件の降伏文書、ポツダム宣言の受諾、これを
政府は全く踏みにじる考えです。そういうことで南樺太の帰属、台湾の帰属は未決定であり、これは連合国できめるのだ。こんな考えを持って日ソ漁業
協定なんかうまくいきますか。これをソ連が聞いたらどう思いますか。ソ連は憲法を改正して南樺太もちゃんと自分の領土に入れておるのです。
日本は未決定である、連合国できめると言うておる。こんなことを言うて外交ですか。こんな考えを持っておって今後
日本の外交がいくと思いますか。私は心配します。私が樺太の問題を出したのは、台湾の問題にそういうことをおっしゃるから、それなら樺太もそうだろうということを言うたにすぎない。南樺太問題で論争しようとは思いません。
政府の考え方は根本的に原則的に間違っておる。この間違った考えを持って国連に行って何をするのです。アジア・アフリカ諸国からはひどい冷笑、軽べつ、反撃を受けます。
イギリスからさえもばかにされるにきまっております。これでやれますか。二つの中国を作ろうとして、この腹がまえを持っておるからこういうことになるのです。きょうのところは時間がありませんから、私はもう打ち切りますが、この問題については多くの問題が残っておるのであります。ことにきょう
政府の
答弁されたことについては、重大な問題が残ってきたと思うのです。これは
継続して時間をいただいて
質問をさせてもらいたいと思う。
最後に外務大臣に言いますが、この考えをお持ちになっておったら、
日本の外交はとても成功しないのみならず、世界のみなしごになります。権利、権原を主張するのはよろしい。何も
日本は平身低頭することは要らぬ。けれども国際的な原則と国際信義と
国際法上の
一つの道理、条理というものを踏まえなければ、とても今後の
日本をりっぱなものにすることはできない。このことを外務大臣、ほんとうにお考えなさい。外務大臣は私のこのような
質問に対して、あなたは反対なんだから、反対の
意見に対しては心胆の吐露はできぬと言っておる。私は追ってある機会に問題にしますが、
国会というものはそんなものではありません。あなたの反対論に対しては心胆の吐露はできぬというような考え方、この考え方こそが
国際法上におけるりっぱな原則に負けてしまったり、すでに確定しておる台湾の帰属問題をいろいろな口実を設けて文句を言うたり、そして結論は新しい中国に台湾を握らせないようにしておるにすぎない。私はこれ以上
質問しません。しかしこれは重大な問題であり、
政府のきょうの
答弁でも、重大な問題についてみずから
発言されておりますから、この点についてはこの次の適当な機会に時間をいただいて
質問を続けさせてもらいたい。時間がありませんのできょうの私の
質問はこれで終わります。