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和達気象庁長官 第一番に、
中小河川に対する
局所的観測の問題でございます。
中小河川と申しますのは結局小さい川もしくは支流になる、その意味は大きな
地勢ではなくて小さい山脈あるいは谷間、盆地、こういうところの違った
気象状況の把握はどういうふうにしているかという問題であります。この点に関しましては、
平野部の方は役場、
学校等に依頼した
観測網がございますが、
山地の方はそういうものが少なく、
昭和二十八年の
水害以来
山地に自動的に
雨量を
観測する器械を鋭意設置して参りまして、現在約二百
気象庁関係で据え付けております。また他の省あるいは他の
団体がそういうような
施設を持っております。
日本の二百という数は、外国に比べますと非常にこの
方面は
日本が先がけてこの設備をなしておるわけてありますけれ
ども、
日本の複雑な
地勢とその土地の
利用状況から見れば、この数はさらに検討しまして要所にはもう少しふやすべきと思います。私
ども重要の
場所につきましては、一応の
整備はしたのでありますが、再度その重要の
場所の増設について、昨年あたりから予算を要求し、非常にわずかでありますがその手直しをいたしておる
状態であります。これは自動的に降った雨を
観測するいわゆる
観測網でありますが、一方
大雨の
注意報、
警報あるいは
洪水注意報、
警報に対しては、現在の
気象学あるいは
気象技術において、降る前から狭い
範囲の量と時間とを的確に言う
技術がなかなかまだ進んでおりません。非常に残念ではありますけれ
ども、こういう
梅雨前線ができますと、その
可能性は十分にわかっておるのでありますから、そういう点につきまして
十分情報を持ってその
可能性を伝え、そうしていよいよどこかが破れて
大雨が降らんとするところを
レーダーをもって見つけまして、そして
レーダーは刻々それの見える
範囲における雨の降っておる
状況を示しておりますので、それが非常に
予報者の大きな助けになりまして、今回も現在までに
施設しました
レーダーは非常に有力な
観測機であることを証明した次第でございます。
その次に、それではそういうような
注意報、
警報は十分の時間を持って出し得たか、あるいはどういう
方法で出したかという問題であります。先ほどお
手元にお配りしました
資料の後半に、
全国各
気象官署がどういう種類の
注意報や
警報をいつ出し、いつ解除したかという表を出してございますので、この表で実際に降ったあるいは実際に
被害を受けたのを参照していただきますとおわかりになっていただけるかと思うのであります。私
どももこれを目下こまかく検討いたしておるわけでありますが、もちろん、あるところでは
相当な余裕を持ってこれが出ておるところもあります。
場所によっては、降り出し、もう水が出そうになってからこれが出ておるところも必ずしもなきにしもあらずと私は思っておりまして、そういう面につきましてはさらに私
どもが勉強いたしまして、もう少し早く出るような
工夫をいたさねばならないかと思っております。しかしこの
注意報、
警報はともかくも雨の降り出しがら出ておるのでありますから、雨が降ってから
水害が起こるまでの時間の間に間に合うという
程度では出ておると
一般的に申せるかと思います。
なおその知らせる
方法でございますが、これは前もってその
必要方面と連絡してございまして、必要なる
官署、
公共団体、そういうところは
警報、
注意報が出ますればすぐ知らせる方途ができておりまして、それに従います。また
一般につきましても、
報道関係と特別に連絡しておきまして、遺憾なきを期してやった、努力したと思っておりますけれ
ども、さらに不十分のところは十分に今後検討いたしまして、ますますよい
注意報、
警報を出し、それの的確有効な伝達がなされるように努力したいと思っております。