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石田(宥)
委員 企画庁長官に
伺いますが、実は総理の
出席を要求しておったのでありますが、都合によって
出席されないそうでありますのでお
伺いをいたします。
長官御
承知のように、
農民の
所得が他
産業と比較して著しく
低位にあります。それがために、常に総理以下各閣僚とも、
農民の
所得を他
産業従事者の
所得に均衡させるように、また
農民の
生活水準を、他
産業従事者の
生活水準に均衡させるような
政策をとるということを強調されておる。ところが本年の
政府の
政策を見ますと、鉱工業はもちろん、
一般の
産業の
所得はどんどん伸長をいたしておるのであります。これに引きかえまして
農民の方を見ますると、大裸麦についてはすでに
作付転換を要請され、また買い上げ数量の制限を行なう等、大裸麦を作っておりまする
農民にとっては重大な打撃を与えておる。また小麦についても、その
価格の算定方式については、従来の法令に決定されておるパリティ方式を放棄しょうとしておられるようであります。米価についてはしばしば農林
大臣や総理
大臣は、前年度を下回らないように
措置したい、こうおっしゃっている。そういたしますと、
農業用資材は最近の
値上がりブームでどんどんやっぱり上がって参ります。それから
生活物資も相当もうすでに上がっておる。そういう中で他
産業の
所得はどんどん伸びていく。それから生産
物資も
生活物資も上がっていく。ところが
農民の方は、米は
農業の総
所得の五〇%を占めているわけであります。それを前年度に下回らないといっているけれ
ども、長官御
承知と思いますけれ
ども、税制調査会の結論といたしましては、すでに租税特別
措置法の中の予約減税の
措置は取りやめるという決定が行なわれて、
政府もそのように進んでいるようであります。また時期格別差等も漸次これをなくするという方向が打ち出されているわけであります。従って
農民の
所得というものは総体的に相当低下することは避けられない、相当低下する。
一面今度税制の方を見ますと、
所得税や事業税については、白色申告でも家族専従者控除の道が今年度から開かれたわけであります。ところが
所得税を納める
農民は全体の七%弱である。そうすると九三%
程度の
農民は全然減税の恩典を受けない。大
部分の
農民は住民税の
所得割について家族専従者控除というものの適用がないのでありますから、この点においては、まことに片手落ちと言わざるを得ない。ところが一面固定資産の評価が、ことしも評価がえの年でありますが、土地については五%の評価を上げておる。また間接税についてはこれは全然考慮されておらない。そうなりますとほかの
産業従業者は
所得がどんどん伸びていく。
農民の重大な
所得源である農産物の
価格については、引き下げまたは据え置きという、そうして税金の
負担は重くなる、これでは総体的に
農民の
所得が著しく低下する、これはきわめて明瞭だと思うのであります。その中にあって
国鉄の
料金の
改定というものが出て参りまして一五%、この点は問題があるようでありますけれ
ども、一五%を
値上げしたとすれば、八〇億
程度の
農林水産物資の
負担増、こういうことになります。でありますから、私
どもは全体の
料金値上げも問題であるが、
農林水産物資についてはこの
値上げを見合せるべきではないか、こう
考えるのです。少なくとも
政府は
農民の
所得というものを、他
産業従事者の
所得に均衡させるという
考え方をほんとうに持っておられるならば、また
農民の
生活水準というものを、他
産業従事者の
生活水準に均衡させるということをほんとうに
考えておられるとするならば、今回の
国鉄料金の
改定にあたって、いわゆる
公共政策割引としてのこの
国鉄料金の
値上げは、少なくともわれわれ
農林水産物資に
関係のある者ちたから見れば、
値上げをすべきではないのではないか、こういうふうにこれはきわめて常識的に判断されるのでありますが、企画庁長官の
所見を
伺いたい。