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1961-04-27 第38回国会 衆議院 運輸委員会観光に関する小委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十六年四月二十七日(木曜日) 午前十時三十二分
開議
出席小委員
小
委員長
生田
宏一君 尾関 義一君 細田 吉藏君 加藤 勘十君
勝澤
芳雄君
山口丈太郎
君
出席国務大臣
運 輸 大 臣
木暮武太夫
君
出席政府委員
運輸事務官
(
鉄道監督局国
有
鉄道部長
) 廣瀬 眞一君
運輸事務官
(
自動車局長
)
國友
弘康君
運輸事務官
(
航空局長
) 今井
榮文
君
運輸事務官
(
観光局長
) 津上 毅一君 小
委員外
の
出席者
運輸委員
肥田 次郎君
運輸事務官
(
航空局監理部
総務課長
) 福永 正美君
運輸事務官
(
航空局監理部
飛行場課長
) 吉田 俊朗君 専 門 員 志鎌 一之君 ————————————— 本日の
会議
に付した案件
観光
に関する件 ————◇—————
生田宏一
1
○
生田
小
委員長
これより
運輸委員会観光
に関する小
委員会
を開会いたします。
観光
に関する件について
調査
を行ないます。 本日は、
運輸大臣
が出席されておりまするので、まず
大臣
より
観光行政
の基本的な問題について御
説明
を聴取いたしたいと存じます。
運輸大臣
。
木暮武太夫
2
○
木暮国務大臣
運輸省
といたしましては、最近における
国内
の
生活程度
の上昇、
所得
の
増加等
に伴いまして盛んになりましたいわゆる
国内観光
、また最近とみに盛んになりました
観光外客
を
受け入れ
まして
国内
で
設備
をする
国際観光
、この
二つ
につきまして両者ともきわめて大切なものであるとして力を入れておるわけでございます。
国内観光
につきましては、御
承知
の
通り
各国とも
だんだん
国民
の
生活
が上昇して参りますにつれまして、
国内
を
観光
してその国の
伝統
、
歴史等
を研究し、その国のよろしいことを
国民
が体得していくというような健全な
国内旅行
というものは、
各国とも
にこれを
奨励
をいたしておるのでありまして、
ドイツ
のごときにおきましても
学生
の
国内観光旅行
などに対しましては、
国費
をもって
相当
の
補助
をいたしておりまするし、また
青年
、
学生等
の
所得
の低い
人たち
が
国内
を自由に
観光旅行
をいたしまして、その国の
歴史
、
伝統
、
地理等
を修得することに便宜を与えるために、
ユース
・
ホステル
をどこの国でも
奨励
をして
国費
を
補助
いたしまして作っておるのでございます。
西ドイツ
におきましては
ユース
・
ホステル
は大体七百くらいございます。あのライン川の両岸にありまする
ドイツ
の数百年を経ました古いお城などは全部
ユース
・
ホステル
に改造するか、あるいは
ホテル
に改造するか、その
二つ
に使っておるというようなことによっても
西ドイツ
における
ユース
・
ホステル
の
奨励
の
状態
がわかるのでございます。
西ドイツ
が大体
ユース
・
ホステル
の初めの国でございますので、その数も七百もございますが、その他の国におきましても、たとえば
イタリア
であるとか
フランス
であるとかあるいは
スイス
、
スペイン等
におきましては、みな
ユース
・
ホステル
は百以上ございますような
状態
でございまして、
所得
の少ない人、
学生
、
青年等
の
国内旅行
をいわゆるソーシャル・ツーリズムと称しまして、健全に行なわれるように
奨励指導
をいたしているというのが諸
外国
の実例でございます。
わが国
におきましても
国会
の御賛意を得まして、
ユース
・
ホステル
を、数はまだ少ないのでございますけれ
ども
、だんだんとふやして参りまして、
各地
に
ユース
・
ホステル
などを置いて、この
青年
、
学生
、その他
所得
の低い階層の
人たち
に
国内
の
観光旅行
をして
わが国
の
伝統
、
歴史
、
地理等
を修得させる健全なる
国内旅行
を
奨励
するということに
運輸省
としても力を入れているのでございます。 それから
国際観光
は、すでに
委員
の
皆様方
御
承知
の
通り
に、
一つ
は
お互い
に
文化
の
交流等
によりまして、よく
各国
の
歴史
、
伝統
あるいはその国の
民族性
を
お互い
に知ることができますので、これがひいては
世界
の平和に貢献することができます
国際親善
を高める役をいたしますとともに、一方では
わが国
のごとき
外貨
を必要とする国におきましては、
観光収入
というものは他の
輸出産業
に比べまして
歩どまり
が一番よろしいことからして、
外貨獲得
の大きなる
手段
であると
考え
ますので、これを
奨励
いたしておるのでございます。他の
輸出産業
にいたしまするならば、たとえば
繊維品
のごとき、
外国
から原材料を
日本
の
外貨
をもって輸入をいたしまして、そうしてこれを製品に作り上げて
外国
へ出しますのですから、ものによって違いますが、その
手取率
というものはおそらく四〇%
程度
にとどまるものが普通の
輸出産業
では多いのでございますが、この
観光収入
というものは、
食事
のことから
みやげ品
のことから、あるいは
国内
における
交通料金
の
支払い
、
宿泊料
の
支払い等
を
考え
てみますると、一〇〇%
歩どまり
の率があるのでございます。よく世間で目に見えない
輸出
であるということを言うのはもっともなことだと思うのでございまして、私
ども
も、
わが国
の
産業
の基盤をつちかう
外貨獲得
と、また
日本
の人柄をよく
外国人
に知らして
国際親善
を高めて
世界
の平和に貢献いたします
国際観光
というものには力を尽くしまして、今日は
特殊法人
の
日本観光協会
というものが
国会
の御協賛によりましてできておりまして、これが
外国
に
事務所
を設けまして、
宣伝等
のことに全力を尽くしておるのでございます。三十六年度
予算
におきましては、すでに御審議を願いました
通り
、二億八千万円余の
予算
をこれに
国費
として
補助
いたしました。また一方、
国内
における
宿泊設備
を持っておるもの、
交通機関
を持っておるもの、その他
観光関係
のものが、これに対しましてほぼ同額の
拠金
をいたしまして、そうしてこの
日本観光協会
というものを中心にして
世界各地
に
事務所
を設けて、
宣伝
、
観光外客
の
受け入れ
に努めておるのであります。三十六年度におきましては、ロンドン、シドニーに新たに
事務所
を設けることにいたしておりまして、これができますと
世界
におきまして
事務所
が九カ所になるわけでございます。しかしながら、
イタリア
であるとか
イギリス
であるとか、その他
外国
が
海外
に
観光外客誘致
のために持っておりまする
事務所
の数と比較いたしましても、まだ足らざることを
考え
ておるのでございまして、将来はますますこういう
事務所
を多く作って
観光外客
の
受け入れ
に努めたいと思うのでございます。私
ども
の
考え
といたしましては、
昭和
三十五年におきましては、これは年度でなく大体暦年の
昭和
三十五年でございますが、
わが国
に来遊する
観光外客
の数が二十一万人に相なっておると推測をいたしまして、これが消費いたしました
収入
というものは約一億一千六百万ドルであろうと実は
推定
をいたしておるのでございます。
オリンピック
が
昭和
三十九年に参りますが、この
オリンピック
が参ります前年の
昭和
三十八年の
目標
といたしましては、
観光外客
を三十五万人
受け入れ
まして、
外貨獲得
二億ドルということを
目標
といたしておりますわけでございます。こういうふうに
目標
を立てておりますので、これが
受け入れ態勢
につきましても、
運輸省
といたしましては少なからず配慮をいたしておる次第でございまして、ただいま申し上げました三十八年に三十五万人を
受け入れ
ます場合には、
ホテル
の
部屋数
が一万九千ぐらいはなくてはならぬという
推定
でございます。しかしながら、現在におきましては、最近の
調査
によりますと約一万二千七百ぐらいに、
ホテル
の
建設
が盛んになってっておりますので、漸次
部屋数
が
増加
いたすと
考え
るのでございます。 また、
外国
から
日本
に来遊する
人たち
の中には、
日本
の
旅館
に泊まりまして、
日本
趣味豊かな、
日本
の建物の中で
日本
の
生活
を楽しみたいということを希望する人が最近だんだんにふえて参りました。今回近く
ロータリー
・
クラブ
が
日本
で開かれますので、六千人ぐらい
日本
に参ります。向こうから
宿泊希望
が参っておりますけれ
ども
、その
宿泊希望
で、われわれが予想した以上に、
日本
に行ったならば
日本旅館
に泊まりたいということを言ってくる者が多いのでございます。
運輸省
におきましてはこういう趨勢をつとに
考え
まして、一方
ホテル
の
不足
いたしておりますことを補う
意味
と、また
観光外客
に
日本
のよき趣味を楽しませるという
意味
から、
日本
の従来あります
旅館
に
外国人
を
受け入れ
、接遇するのに必要なる
最小限度
の
設備
をすることを
奨励
いたしておるのでございます。たとえて申しますならば、
日本旅館
にまず
水洗便所
を必ずつけさせる、これは腰かけの
水洗便所
でございます。それからドアにかぎをかけさせる、ベランダを設けさせる、それから、
日本旅館
は従来は
部屋
の
仕切り
がふすまでございまして、とかく
外国人
の
宿泊
には不適当でございましたのを、
壁仕切り
にいたさせます。また
観光外客
は非常に虫を好みませんものですから、
観光地
などにおきまして虫の多いところでは普通の
ガラス戸
のほかに網戸を設けさせるというような、いろいろのことをやらせるように
努力
をいたしまして、こういうことに対しましては、すでに
国会
において御
承認
を願いました
ホテル整備法
という法律がございますが、
ホテル
ばかりでなく、
日本旅館
もこの
ホテル整備法
によらしむることにいたしまして、ただいま私が御
説明
申し上げました
観光外客
を
受け入れ
、接遇いたしますのに不便のないような
施設
をしておりますところの
日本旅館
が現在二百七十八あるわけでございます。今後いろいろの
国際会議
がございますので
観光外客
が
日本
に参りますが、
ホテル
の数はまだ
不足
しております。これを補って、ただいま申し上げましたような、
外国人
の好むところでもあり、また
外国人
の
生活
にも
最小限度
合うように改造を加えました
日本旅館
というものが約三百近くございますので、これらによって
受け入れ態勢
の万全を期したいと思っておりますが、まだ実はこれでは
不足
でございます。今回の
ロータリー
・
クラブ
の
国際大会
などでも、実はもっとたくさんお客が来るのでございますが、
日本
の
ホテル
とか
日本旅館
とかいうものの
受け入れ態勢
が十分でありませんのでお
断わり
をしたり、あるいは船の中で寝起きしてもらうことを計画をいたしましたようなことがあるのでございまして、こういうのは
観光日本
といたしましては
一大恥辱
と申しますか、私
ども
の力足らないところで、失態であると痛感をいたしておるような次第でございます。 それから、こういうような
ホテル
を新しく建造し、あるいは
日本旅館
を改造いたします等のことにつきまして、たとえば
開発銀行
あるいは
中小企業金融公庫
、商工組合中央金庫、その他
不動産銀行
でありますとか、特殊の
銀行
から
融資
をいたしますように
観光局
といたしましては
あっせん
をいたしまして、数年前に比較して今日はこういうような
受け入れ態勢
に対します資金の融通というものが
相当
になっておることはまことに御同慶の至りだと存ずるのでございます。
金額
につきましては
政府委員
の方から詳細に
お話
を申し上げることといたします。 しかしながら、
日本
の
宿泊料
は
ホテル
などが高いという非難を今非常に受けておるのでございます。今の
日本
でできます
ホテル
というものは、
アメリカ
、
イギリス
のトップ・レベルと申しますか、
最上級
の
ホテル
と肩を並べるような
ホテル
を作ることをやっておるのでございますが、実際は
アメリカ
から参ります人でも、昔のようないわゆる
百万長者
ばかりが来るのではございません。従来は
銀行
、会社の退職をいたしました人であるとか
百万長者
が
日本
に
観光
に来たのですが、最近におきましては進駐軍の
宣伝等
によりまして
中産階級
の人が大部分で、
日本
に来ます
観光外客
の約半分は
アメリカ人
でございます。その
アメリカ人
がヨーロッパへ参りますると、六、七ドルの
ホテル
に泊まっておることを
考え
てみると、
日本
でも
最上級
の
ホテル
も必要でございますが、もう少し中級の
ホテル
が必要であるとわれわれは
考え
て、こういうものの
建設
にも
指導
をいたしたいというふうに
考え
ておる次第でございます。いずれにいたしましても
国内観光
、
国際観光とも
に、いわゆる昔の
物見遊山
として一がいにこれを笑うべきものでございませんで、経済上、
文化
上あるいは
世界
の平和の上から見まして大いにこれは
奨励
をすべきものであると
運輸省
では
考え
ておる次第でございます。 詳細のこと、また
数字等
は
政府委員
の方から御
答弁
さしていただきます。
生田宏一
3
○
生田
小
委員長
質疑の通告がありまするので、これを許します。
山口丈太郎
君。
山口丈太郎
4
○
山口
(丈)小
委員
私は
前回
のこの
委員会
におきまして
観光局長
からいろいろ御
答弁
をいただいておりますので、本日は
大臣
にごく簡単にお
伺い
をいたしたいと思います。 ただいま御
説明
の中で、
外国
の客を
誘致
するために、
海外
においてもまた
国内
においてもその
受け入れ
のためにいろいろな
施設
が
充実
されつつありますし、その
あっせん
のための
施設
も
機構
もいろいろ作られておるわけでございます。このうち
日本観光協会
が設立されまして
外客
の
誘致
についてその
受け入れ等
についても非常に
努力
をされておるのでありますけれ
ども
、実際には
観光協会
の
国内
の
サービス
・
センター
の
充実等
につきましては、これは
前回
の
委員会
におきましても御
質問
を申し上げたのでありますけれ
ども
、まだその
施設
が非常に
不足
していて、たとえば
地理
の紹介でありますとか、そういったようないわゆる
機構
に非常に欠けておるわけであります。これについては
観光局長
からもいろいろ御
答弁
をいただきました。しかしその実施をいたしますためにはいろいろ政治的にも裏づけをしてやらないとできない問題が多いと思うのでありますが、この
サービス
・
センター
の
充実
についての御所見を
一つ
承りたい。
木暮武太夫
5
○
木暮国務大臣
まことにごもっともな御
質問
でございまして、せっかく
日本
に来遊いたしました
観光外客
を
国内
における
サービス
の
不足
のために失望さして帰すというようなことは、今後における
日本
の
観光客
の
増加
を妨げるものでございますので、できるだけこういうことをいたしたいと
考え
ておる次第でございます。実は三十六年度
予算
を提出いたす前に
大蔵省
の方には
観光外客
に
国内
の
サービス
をいたしますために、いわゆる
観光外客
の
無料案内所
というような、前
会観光局長
から御
説明
申し上げましたようなものを設置いたしまする
予算
を、
大蔵当局
にいろいろ
説明
して出したのでございまするが、とうとう御了解を得ることができませんで、私
ども
非常に遺憾に思っておるようなわけでございますが、ただいま御
指摘
のように必要なものでございますので、今後におきましては、
運輸省
といたしましてはこういうものの増設に力を尽くしていきたい、こういうふうに
考え
ておる次第でございます。
山口丈太郎
6
○
山口
(丈)小
委員
ただいまの御
答弁
で私は了としますが、ただいま
大臣
の
説明
にもありましたように、
観光客
を
誘致
するということは、
外貨獲得
の
手段
としては最も効率の高い
一つ
の
手段
であるばかりではなく、
国際
間の
交流
についても、それ以上に重要な役割を持っておるものであります。しかしどの
事業
をやるにいたしましても、それだけ
国家
的に大きな意義を持っておるものでありますから、
国家的投資
というものを当然やらなければ、俗にいう金もうけといいますか、そういうことはできないのであります。従って、これはもう少し
大蔵省
が
観光事業
というものに
理解
を持っておれば、私はもっとこういう
施設
に対する
予算
というものを支出してしかるべきではないかと思うのですけれ
ども
、どうもまだそういった面について、
大蔵省
の
理解
が乏しいのではないか。これはむしろ
運輸省
が
大蔵省
に対するPRといいますか、そういう
理解
を深めるための
努力
というものが足りないのか、あるいは遠慮しているのか、どうも私
ども
には満足できない点が多いのであります。これは
行政
上の問題にもなりますが、
運輸大臣
として今後どういう
工合
にこれを拡充強化するための措置をとろうとしておられますか、その
基本策
について
一つ
伺い
たい。
木暮武太夫
7
○
木暮国務大臣
ただいま御
指摘
のように、
外貨
を獲得するためには、実は私
ども
の率直な言い方にすると、
元手
をおろさなければ無理だ。ただぬれ手でアワのつかみ取りというようなことを
考え
ている
国際観光事業
というものは、
各国
においてないのでございまして、
歩どまり
のいい
観光収入
がある場合におきましては、やはりみな
国家
がそれだけ力を尽くしておるわけでございまして、御意見の
通り
、私
ども
もそう
考え
る次第でございます。
わが国
の
観光収入
というものが、三十八年で二億ドルを
目標
にいたしておりますけれ
ども
、これは私
ども
は、昨年の一億一千六百万ドルから見まして、そう過大なる夢ではないように
考え
ておるのでございます。現に
スペイン
のようなところでも、四億ドル以上の
外貨
を
観光収入
によってかせいでおるわけでございます。従いまして、私
ども
は今後の
観光収入
を得るために、
国家
として
元手
をおろしていかなくてはならないということを
考え
ておるわけでございまして、ただいま
お話
のございましたような
国内
の
受け入れ態勢等
につきましても、いわゆる
開発銀行
その他の
融資
がだんだんとふえて参ってきておりますけれ
ども
、しかし、諸
外国
の
観光事業
を振興するために国が手を尽くしておるのに比べますと、まだ
不足
であると私
ども
は
考え
ておるものでございます。
西ドイツ
のごときは、戦後、いわゆるマーシャル・プランによりまして、
西ドイツ
の破壊された
観光ホテル
というものはできた。あるいは
イタリア
、
フランス
、
スイス
、
スペイン等
におきましても、
日本
のような高い
金利
の金を使って、
受け入れ態勢
を作っておるところはないのでございまして、大体において三分とか四分以上の利息をもって
ホテル
に
融資
しておるような国はございません。しかも、大体十四、五年くらいの長期の金を使わせるというようなことになっておるようなわけでございます。まず私
ども
は、具体的に申しますと、この
財政投融資
のワクを
受け入れ態勢
の方に、ただいま
融資
いたしておるよりはもっと
金額
を増すことと、それから場合によりましては
政府
の
利子補給等
のことによって、
ホテル等
についてはもっと安い
金利
の金を使わせるようにいたしたいということを
考え
ておるのでございます。 それから、
国会
の
皆様方
のお力添えによりまして、今回は
外国人
に対する
宿泊税
の
課税
が、一年間だけ猶予されるような臨時の処置がとられましたけれ
ども
、私から申しますと、今まで税金をとらなかった
観光外客
から、
地方税
の、従来の
遊興飲食税
というような、
宿泊税類似
のものも
課税
するということは、これは
観光日本
としてはとらざることでございますので、できますならば、これは永久に
観光外客
には
課税
をいたさぬ、非
課税
という
方針
を国の政策として確立してもらいたい、こういうふうに
考え
ておるわけでございます。また一方におきましては、もっと
日本観光協会
の
補助金
を
国家
として増しまして、そして先ほど申し上げました、現在九カ所
世界
にわたってあります
宣伝
、
誘致
の
事務所
というものを、この数をふやしていくということを、逐次ではございますがいたしたいものである、具体的にはこういうふうに
考え
ておるわけでございます。
山口丈太郎
8
○
山口
(丈)小
委員
私は、たくさん
質問
がありますが、またの
機会
にいたしまして、次の
質問
に移ります。
航空局
も、
自動車局
も見えておりますから、この際
一つ
お
伺い
をいたしますが、
外人
がやって参りまして、そして有名な
観光地
へ行く。ところがその
観光地
へ行く
道路
が全くなっていない。それでほこりをかぶって名所旧跡を回る。
陸上
まで来ても、
旅館
が完備しておらぬので、船でやってきた者がまた船で
宿泊
するというのは全く醜態だと思うのです。もちろん
観光地
から
観光地
への主要な地点に対する
循環路線
の
整備
だけではなくて、それと同時に、その
観光地
へ輸送するための
自動車
の
整備
ということが最も必要ではないか。特に
オリンピック
を控えまして、なるたけ広くこの
機会
に
国内
の
状況
を視察させるというととは、最も時宜に適した絶好の
機会
であると私は
考え
るのですが、そういう場合に、今申し上げましたように、
陸上
においては
自動車交通
が
道路
の悪い
状態
から思わしくいっていないといううらみが非常に多いのであります。これについてどういうふうにお
考え
になるか、
自動車
の
整備等
の
状況
についても将来のお
考え
を聞いておきたいと思います。 それから
飛行機
でありますが、私も
国内
線を利用いたしますが、どうも、
海外
へ行っている
飛行機
は機内が非常に
整備
されておりまして、
エア調節
な
ども
できておるようであります。最近日航の
北海道
行きの
飛行機
はそうでもないように聞いておりますけれ
ども
、特に6Bといいますか、
西回り
の
飛行機
は
気圧
の変動によっては耳が痛くて乗っておれない。私は耳が悪いものですからあまり利用しませんが、こういうのはやはりちょっとした
施設
の改良によって防げるものでありますから、
国内ローカル各線
に就航しておる
飛行機
も、外航しております
飛行機
と同じような
気圧調節
の装置をぜひやらせるべきではないかと思うのですが、これについての
整備状況
を聞きたいと思います。 それから
飛行場
の
整備
問題でありますが、今、
国際
的には、
北海道
、東京、それから九州、これら三
飛行場
が重要な
飛行場
になり、まだまだ名古屋、
大阪等
の
飛行場
はあまり
国際
的な
飛行場
としての
整備
はなされていないというように
考え
るわけです。特に
大阪
の
飛行場等
につきましてはいろいろの問題がありまして、拡張問題もなかなか意のように進んでいないというような
実情
にあります。私は別にあせりぎみで言うのではありませんが、
オリンピック
は
世界
的な行事であることは御
承知
の
通り
でありますから、この際やはりそれを
目標
にして
整備
を急いでいくということが私はぜひ必要ではないかと思うのです。どうもそれが進んでいないように思われるわけでありますが、この
飛行場
の
整備方針
についても承っておきたいと思います。 それから
国鉄
にお
伺い
をいたしますが、最近「こだま」とか、あるいは重要な特急、
国際
的な
列車
の乗客に対して
車内
の
案内放送
を
英語
でやられておりますが、これは非常によい感じを受けるわけであります。また主要駅においても駅の
放送
が
日本
語と
英語
と二
通り
になっておりまして、最近これは
外人
に対してもわれわれに対しても非常に好感を与えているわけであります。ところが、これは
商工委員会
でも問題になったようでありますが、
車内
の
売店サービス
といいますか、これがどうももう
一つ
行き届いておりません。それから窓はあけられないようになっておりますから、
みやげ
ものその他も停車する駅々で自由に買えるという
状態
になっていないように思います。しかるに、
車内
における
食堂
あるいは
食事
のための
弁当
の販売につきましても、たとえばお茶を売りにくる場合と
弁当
を売りにくる場合がちぐはぐになっていたり、
通り
一ぺんにさっとやって、
食堂
の注文をとって
弁当
の方をあとから売りにくるということになると、
弁当
は商業上のこともあろうと思いますけれ
ども
、もちろんこれはああいう
列車
の
状態
でありますから、もう少し徹底した方法で、
外客
が満足するようにさせることが必要ではないかと思われます。こういう点についての
改善策
を
国鉄
の方ではどういう
工合
にお
考え
になっておるか、大急ぎで
質問
をいたしましたが、以上概略を
一つ
御
答弁
願いたいと思います。
木暮武太夫
9
○
木暮国務大臣
いろいろ、
国鉄
あるいは
自動車関係
、
航空機関係
につきましてはそれぞれ
政府委員
が参っておりますから後ほど詳細に御
説明
をいたしますが、
建設省
の人がおりませんから、私が
建設省
にかわりまして、というのは大へんおこがましいですが、知っております
道路
のことだけちょっとお答えをしておきたいと思います。 ただいま御
指摘
のように、
日本
の
道路
が
世界
で一番悪いのでございまして、
外国
へ参りますと、砂利の道は、
目下建設
中という札が立っております。
日本
では、
外国
では目下工事中というところを
自動車
が通っておるというような
実情
でございますことを
考え
ても、
日本
の
道路
が一番悪いのであります。御
承知
の
通り
、
国会
において御
承認
を願いました三十六年度の
予算
におきましては、大幅に
道路
等の公共投資がふえて参りましたので、国道等につきましては今後舗装が十分にできることと私
ども
も期待をいたしておるのでございます。そこへ持って参りまして例の
アメリカ
の制度をまねました
道路
公団というものが
日本
には戦後できました。
道路
公団は、従来ややともすると
観光
道路
というものに対しましてはきわめて冷淡でございまして、
道路
公団の取り上げる
道路
は
産業
道路
だけに限るのだということを執拗に言い張っておったことがかなり長い間続いたのでございまするが、最近は
観光
もまた国の
産業
なりという
考え
をよく了解したものとみえまして、
日本
全国至るところで
観光
道路
を
道路
公団が取り上げまして舗装を始めておるのでございます。たとえて申しまするならば、従来は日光へ行きました
観光外客
というものは、日光を見物をしてそのまま同じ道をまた東京へ帰ってくるというようなことで、
観光
外人
の間では非常な不評判でありました。今度は日光と栃木県と群馬県の間にありまする金精峠という峠がございます。これは奥日光から群馬県の丸沼、菅沼の方に抜けます
観光
道路
としては将来の有望性を持っておるのでございまするが、これを
道路
公団で
調査
をいたしまして、おそらく明年度からこのトンネルを抜きまして金精峠の舗装をやることに決定をいたしましたり、また山の方な
ども
、従来は県道にまかしておいて破損の激しかった
観光
道路
が
道路
公団によりまして舗装されるというような、まことに好ましい実際が全国に今現われておるようなわけでございます。私は、
オリンピック
までには
相当
に舗装
道路
が国道においてもまた地方の
観光
道路
におきましてもできて、
観光
外人
の不評判を
相当
に消し得るものとして期待をいたしておるのでございます。また先ごろ、池田総理から東京周辺、ことに富士山を中心とする富士五湖地方に対する
道路
を、今回の大幅の公共投資によって
オリンピック
までに完成するように、
建設省
に
お話
があったということが新聞に出ておりました。とういうような
工合
に今後は
観光
を目的とする
道路
の改善というものに——一般に
観光
というものも、
日本
の
産業
として見えざる
輸出
として大切であるという認識を高められて、
道路
が
オリンピック
までには
相当
によくなるということを私は期待をいたしておるわけでございます。
自動車
等のことにつきましては、それぞれ参っておりますから、
政府委員
から御
答弁
をさしていただきます。
福永正美
10
○
國友
政府委員
観光
に関しましては、
自動車
の関係は
道路
が基本でございますこと、今
大臣
から御
答弁
がありました
通り
でございまするが、
自動車
の
整備等
の関係について申し上げますと、
自動車
に関しましては、乗用車につきましては国産車でももちろん
外人
を乗せて利用することができるのでございますが、乗用車につきましては、
オリンピック
を控えまして、やはり
外国人
が米国車なりあるいは欧州車に乗っておりますその国の
自動車
も輸入すべきであるという
考え
方のもとに立ちまして、最近
観光
用
自動車
の輸入をいたしておるのでございまするが、
昭和
三十五年度分といたしましては米国車八百六十四台、欧州車九十一台、合計九百五十五台の乗用車を輸入いたしまして、これはハイヤー業者に配属をいたしまして現在稼働いたしております。このような輸入の
状況
は今後も続けていきたいと
考え
まして、通産省その他関係官庁と連絡をしていくつもりであります。そのほかに貸切バスといたしましては、やはりこれも数年前から
外人
客に向くような、
設備
といたしましても高級な貸切車を計画いたしまして、希望を持っております各
観光
バス会社に対しまして所有することを認めまして、そういう車両の増備もはかっておる
状況
でございます。 そのほか、東京都内におきましては、実はこれは
道路
の問題になりまするが、現在首都高速
道路
公団が発足いたしまして、八路線約七十キロメートルほどを
建設
する予定で、現在工事に着手いたしております。
昭和
三十五年の十二月末の数字でございますが、軽
自動車
まで入れまして、
自動車
が東京都におきましては大体六十万台、それから全国におきましては三百四十五万台ございまするが、
オリンピック
の時期、すなわち
昭和
三十カ年の大体九月ころを予想してみますと、全国で五百五十五万台、東京都で申しますと九十六万台ほどになるという想定を現在いたしておりますが、これらの
自動車
を円滑に運行させますためには
道路
を積極的に
建設
をして流れを円滑にしなければなりませんと同時に、交通の規制等に関しましても積極的な措置を講じなければうまくさばいていけないと
考え
ておりますので、それらの点に関しまして警察庁その他と打合会を持ちながら現在対策を練っている
状況
でございます。
福永正美
11
○福永
説明
員 航空の問題につきまして私からお答え申し上げます。 初めに航空機の中の
気圧
調整の問題でございますが、先生が御
指摘
になりましたのは、おそらく全日空が使っておりますDC3以下の小型の航空機だと思います。現在全日空で使っておりますDC3のほかの大きなもの、バイカウント、コンベアにつきましては
気圧
調整の装置がございます。従いまして
飛行機
に乗りましても耳が痛くなるようなことはないと思いますが、DC3以下の小型につきましては、
気圧
調整の装置がございませんのでそういうことがあるかと存じます。その点につきましてはDC3を改造して気密室を作ることはかなり費用がかかりますので、現在全日空で
考え
ておりますのは、新しくそれ以外にバイカウント828型機を三機、フレンドシップ、これはオランダの
飛行機
ですが、それを三機、ことしの八月ごろまでに大体六機輸入いたしまして、現在使っておりますバイカウント744型にかえましてそのバイカウントとフレンドシップとコンベア——一部DC3が残りますが、これはローカル線の比較的地方的な部分に回すことになっております。従って全日空の路線におきましても幹線とローカル線のうらのおもな部分は今言った
飛行機
にかわりますので、
気圧
の問題はその分については解決されるわけであります。 さらに現在通産省、
政府
が作っております
日本
航空機製造会社のYS11というコンベアと同じ型の
飛行機
があと二年以内に量産に入りますので、その
飛行機
が値段その他の問題で
国内
に使用されることが可能になりましたら、その飛行につきましても今言った問題は解決されると思います。 それから
大阪
の
飛行場
の
整備
の問題につきましては、現在
大阪
は御
承知
のように羽田と同じように、
国際
空港といたしまして同じ一万フィート以上の滑走路を作るように
予算
をとりまして折衝しておるところでございますが、御
承知
のように地元の公共団体との話し合いがまだ十分いっておりませんので、至急話を進めまして工事に取りかかりますれば、
オリンピック
までには間に合うようにいたすつもりでございます。従って現在の計画では
オリンピック
における
国際
線の関係で申しますと、羽田の現在の建造中の第三滑走路ができますれば、それをもちまして三本の滑走路が羽田で十分さばき得る見通しでございますので、さらにそれに加えまして
大阪
も
オリンピック
に間に合うように新しい滑走路を構築することを
努力
するつもりでございます。
福永正美
12
○廣瀬
政府委員
観光
の問題に関連いたしまして、
国鉄
の問題特に
オリンピック
とも関連いたしまして
国鉄
の輸送力はどうなるか、それから最近の
観光客
、特に
外国
からの
観光客
に対します
サービス
の問題等につきましてお尋ねがございましたので、それらについて簡単に申し上げます。まず輸送力でございますが、幸いにいたしまして
国鉄
の新しい五カ年計画がことしから発足いたしまして、先生十分御存じでございますが、現在一番
国鉄
で困っておりますのは輸送力が足らないということでございます。東北本線であるとか、あるいは北陸本線、上越本線、中央本線、鹿児島本線、こういった主要幹線を本年度から約千百キロ、線路の増設に力をいたします。またそのほかおもなる幹線の電化を千八百キロ
程度
本年度からいたしまして、電化をいたしさらに電車化を進める。東北本線であるとか常磐線、信越本線、中央本線、北陸本線、山陽本線、鹿児島本線、こういったものを電化、電車化を進めて参る。
国鉄
の五カ年計画は四十年を
目標
にしておりますので、
オリンピック
の三十九年に全部は完成いたしませんが、この時期までにはかなりの輸送力がつくものと
考え
られます。またその他電化されない区間におきましても全面的にディーゼル化を実施いたしますので、輸送力特に旅客輸送の面で
サービス
は格段によくなる、輸送力もつくものと
考え
られます。なお例をとりますと、これは
外国
からのお客さんに非常に関係がございますが、優等
列車
、特急、急行、準急、こういったものが現在五百本近く走っておりますが。大体五カ年間においてこれを千本くらいにふやして参る。かようなことでございまして、輸送力の面はかなり緩和をされ、また弾力性がついて参るものと
考え
ております。 それからなお後段のお尋ねでございます。
サービス
の点でございますが、最近
国鉄
におきましても、特に優等
列車
におきましては
列車
の乗務員に対しまして
外人
のお客をある
程度
案内できるように
英語
教育に力を入れております。これは特に
オリンピック
等を頭に入れて実施しておりますが、こういった点も今後さらに
国鉄
を
指導
いたしまして強化をして参りたいと
考え
ております。それから
車内
販売の点でございますが、ただいま御
指摘
がございましたように、今後優秀な客車がだんだんふえて参ることになりますと、窓があかなくなる。従いまして、従来主として駅売りに依存しておった
食事
と申しますか、お茶の
サービス
といったものが、逐次
車内
販売ということに変わって参ると存じます。こういった点につきましては、私
ども
も各方面から
車内
販売の
サービス
が不十分であるということを聞いておりますので、ただいま御
指摘
のございました点は十分
国鉄
を
指導
いたしまして、今後
車内
販売を逐次改善をして参るという点に
努力
いたしたいと存じます。
山口丈太郎
13
○
山口
(丈)小
委員
まだ
国鉄
関係等はいろいろありますが、あと
質問
者がありますから、本日は私の
質問
はこの
程度
にいたします。
生田宏一
14
○
生田
小
委員長
細田吉藏君。
細田吉藏
15
○細田(吉)小
委員
先日来この小
委員会
で
観光
の各般の問題につきまして質疑応答がいたされているわけでございますが、これらと重複しないようにいたしまして私は
観光
の基本的な問題につきまして御
質問
を申し上げたいと存じます。
観光事業
の重要性、特に
日本
のような
外貨
の事情が本質的に苦しくなるような
状況
の国の
観光事業
は非常に重要であるということはよくいわれ、この
委員会
でもしばしば出ているのでございますが、しかし
実情
を見ますと、遺憾ながら
政府
の施策に現われている
観光事業
に対する力の入れ方というものは、片手間といっては何でしょうが、どうもあと回しになっておるというのが率直に言いまして
実情
ではなかろうかと思うのでございます。重要でないかと申しますとみんな非常に重要だというのでございますが、現実にたとえば
予算
面
一つ
とってみましても、どれだけ重要性が認識され、そこに織り込まれているかということになりますと、遺憾ながら他の諸
外国
等と比べましてもしかく重要に扱われておらないということが率直にいって言えるのではないかと思うのでございます。
観光
の仕事は関係の各省非常に広範にわたっておりますが、たとえば国立公園にいたしましても、
文化
財保護の問題にいたしましても、そのほか各般の
観光事業
に関係のある
予算
全部合わせましても知れたものでございます。そこで先ほどの
山口
委員
の御
質問
にも関連いたすのでございますが、私
ども
は何とかしてこれを突き破るととが必要だと思うのでございます。それには、先ほど
大臣
からも
予算
等につきまして
お話
がございましたが、私は
国内
におけるPRというものが足りないのではないかと
考え
るのでございます。これは単に
政府
だけの責任とは申しません。関係の業界もそうでございましょうし、またわれわれも
考え
なければならぬ点が多々あると思うのでございますけれ
ども
、
国内
における
観光
に対するPRが何といっても
不足
していると
考え
るのでございます。その中でも、特に私は今後やっていただきたいと思っておりますことは、説得力のある資料によるPRというものがほとんど行なわれておらぬ。またその最も基礎になることを申しますれば、いろんな研究、統計といったものが非常に不備であると
考え
ておるのでございます。
観光事業
というものは、ただ一応数字はございます。入国者数がどう、消費額がどうのといったような数字はございますけれ
ども
、もっと詳細な説得力のあるものがなくてはならぬのではないかと思うのでございます。ここらの点に関しまして私も私見をあとから申し述べたいと存じますが、何とかしてもっと
観光事業
を立て直すといいますか、今実は非常にいいチャンスだと思うのでございます。と申しますことは、
所得
倍増計画でも計画年度に六億一千万ドルというものが計画される、これもあとから
伺い
たいと思っておりますが、そういう
状態
でもございますし、また先ほど来
お話
が出ております
オリンピック
も真近に控えておる時期でございまして、私は時期としては非常にいい時期じゃないか、こう思うのでありますが、まずこういった一般的な点につきまして
大臣
から
一つ
御覚悟といいましょうか、お
考え
を簡単に伺わせていただきたいと思います。
木暮武太夫
16
○
木暮国務大臣
従来
観光
というものに対する一般の認識が非常に
不足
いたしておりまして、ことに歴代の総理
大臣
などが
観光
を非常に大切なように言われましても、なかなかそれが徹底をいたさないような
実情
にありましたことはお言葉の
通り
でございます。御
承知
の
通り
、私は
運輸大臣
になって
観光
のことを一生懸命にやるというわけではございませんで、もともと
観光
に関係のある人間でございます者から見ますと、非常に不満が多い。細田先生の
お話
に全く共鳴をいたすのでございます。 私といたしましては、ただいま御
指摘
になりましたように、統計とかその他のものについても、もっと
国内
において真剣にやって、一般
日本
国民
が
観光
というものに目をさましてくるようなやり方をやらなければならぬと
考え
ておるのでございます。その
一つ
の方法といたしましては、最近各大学などにおきまして
観光
を研究するような団体が
学生
の中にちらほらできて参りまして、まことにけっこうなことだと思うのでございます。私は、各大学の
学生
の間で
観光
研究会というようなものができて、そうして若い
人たち
の間で
観光
の重要性というものをよく認識してPRしてもらうということも非常に必要なことであると思います。 それと、現在
ホテル
の従業員を養成する学校がございますが、こういうものに対しましても、業界その他が力を入れまして、もっともっとこういうものを盛んにしていくということもまた
国内
におけるPRの上から見て大切のことであると思うのでございます。 また県によりますと、
行政
組織の中に
観光
課を持っておる県がだんだんとふえて参りましたことは大いにけっこうなことだと存ずるのでございますが、まだ少なからず
観光
資源を抱いておる県で、
観光
課というものが設けられないようなところもあるように見受けるのでございます。こういうことは、やはり県におきまして
観光
課というものを設けていただいて、そうしていろいろ資料を集め
調査
をいたすということに力をいたすべきであると思うのでございます。 また御
承知
の
通り
、
日本観光協会
が今日は
特殊法人
といたしまして中心になっていろいろやっておるのでございますが、これが
国内
につきましても、
観光
の先端を受け持っておりますところのバス業界でありますとか、あるいは
国鉄
、私鉄等ともっと積極的に連絡をとりまして、そうして
観光
ということにつきましていろいろの
調査
をする、PRをするというようなことをやっていただくことが必要であると思うのでございます。
国内観光
ということで
観光客
を接遇する道を勉強するということは、直ちに
観光外客
の接遇をりっぱにするということに相なるわけでございまして、よく世間では
国内
の
観光
を軽視する風潮がございますけれ
ども
、私は諸
外国
の例にならいまして、ただいま細田先生の
お話
しの
国内
におけるPRまた統計その他の
調査
ということを十分にいたすことを今後もできるだけ努めたい、こういうふうに
考え
る次第でございます。
細田吉藏
17
○細田(吉)小
委員
そこで私、
観光関係
の各
政府
機関のやり方をいろいろ見ておりますと、これまで言い古された、こういうことはやらなくちゃいかぬ、どうしてもやるべきだと言われておるようなことが実はたくさんあるにもかかわらず、それの実現が非常に遅々としておりますために、これは
運輸省
の方だけではございません、ほかも入れてでございますが、全体的にやれるというところまではいっておらないと思うのでございます。同じことを何年も何年もやってちっともできないというために、新しいことを
考え
ていこう、新しい機軸を出そうといったような熱意といいましょうか機運といいましょうか、そういうものが非常に阻害されているのじゃなかろうか。
観光
の仕事は比較的新しい仕事でございます、また非常に日進月歩する今日でございますので、新しい創意工夫を出さなくてはならぬ仕事だと思うのでございますけれ
ども
、どうもそういう点が萎靡沈滞しておるのじゃなかろうかという感じを、これまた率直に受けるのでございます。これはやっている人が悪いということだけではございませんので、長年言っておる簡単なことができてこない、ちっとも取り上げられないということのためにそういう傾向になっておるように私は見受けるのでございます。こういう点は伺うまでもない、私もよく
承知
しておるつもりでありますので、御返事をいただかなくてもよろしいのですが、どうしても、これを突き破っていくために、
行政
機構
の問題を
相当
考え
なければならぬ点があると私は思います。きょうは
行政
機構
の問題には一応触れませんが、たとえて申し上げますれば、
運輸省
だけにいたしましても、現在の
観光局
のやっておられる仕事についても根本的に検討し直される必要があるのじゃなかろうか。先ほど申し上げました資料等の関係にももちろん関連を持っておるのでございますけれ
ども
、現在やっております
観光局
の仕事のやり方というものを再編成する必要があるのじゃなかろうか。またそれは大きくいいますと
政府
全体にそういう問題が横たわっておるように私は思うのでございます。これは私は、いつの日かそういうことをやりませんと、からが突き破れなくて、結局だんだん取り残されていくように思うわけでございます。そこで、これは
観光局長
さんでけっとうでございますが、そういった全体の
行政
の問題は別にいたしまして、
運輸省
のいわゆる
観光行政
のあり方といったようなものについてお
伺い
したい、こう思います。
津上毅一
18
○津上
政府委員
ただいまの
お話
、大へん適切な
お話
だと存じております。先ほ
ども
お話
がございました
国内
PRの問題、あるいは
調査
、統計の強化の問題、あるいは今後の
観光行政
における盲点を埋めまして、正しい迫力のある
行政
にもっていくための
行政
上の検討、計画の策案、こういうものが現下におきまして最も大事なこととして
考え
なければならぬと私
考え
ておる次第でございます。
観光局
も発足いたしました当初におきましては、民間の
機構
あるいは
日本観光協会
のような組織も整っておりませんでした関係で、事実上の
行政
指導
というようなことにかなり力を注がざるを得なかった面があったのでございますが、最近におきまして、そういった
日本観光協会
その他の組織も整って参りましたので、こういった諸団体との間の仕事の配分等も考慮いたしまして、私
ども
としてただいま御
指摘
のありましたような
国内
PR、
調査
研究、新規の計画策定、こういった面に十分力を注ぐことにいたしたいと思いまして準備をいたしておるような次第でございますので、今後いろいろお教えいただきたいと存じます。
細田吉藏
19
○細田(吉)小
委員
そこで今の問題に引き続いてでございますが、今回の
所得
倍増計画で計画年次、すなわち
昭和
四十五年度に消費額ベースで六億一千万ドルという
目標
を一応掲げておるわけでございますが、これにつきましては積算その他についてはどういう方法でやられたものであるか、またはっきり計画的な裏づけがあってこういうふうにお作りになったかどうかという点が一点。それからこの際、先ほど
国鉄
部長から
国鉄
の五カ年計画の話がございましたが、
観光
に関する長期計画といったようなものを用意すべきだと私は思うのでございますが、される御意思があるかどうか、準備があるかどうか。かつて
観光事業
振興五カ年計画というものがあったのでございますが、これはもうほんとうに絵にかいたぼたもちでございまして、その実績等も各
事業
によってまちまちであり、ほとんど実効がなかったにひとしいような格好で終わっておるようなことになっておるわけでございますけれ
ども
、そういうものでなくて、もっとはっきり裏づけをした長期計画というようなものをお
考え
になることが、私は先ほど申し上げました
国内
の思想統一と、そうして
観光
に対する各方面の力を合わせる
意味
においても非常にいいのではないかという感じを持っておりますので、これをお尋ねいたしておるわけであります。その点についてお答え願いたいと思います。
津上毅一
20
○津上
政府委員
四十五年度六億一千万ドルの計算につきましては、本日御
説明
申し上げる準備が十分できておりませんので、策案いたしました当局の方ともよく相談いたしました上で、次会に御
説明
させていただきたいと思います。 それから私の方で、前会御要求のございました資料、長期計画につきまして御
説明
申し上げます。四十五年度を対象にいたしました長期計画といたしましては、
相当
そのときにおきまする事情の変更等も
考え
られますので、四十五年度におきまする
ホテル
室数がどのくらいであるかとか、あるいは
観光
宣伝
事務所
の数をどの
程度
に設定すべきであるかというようなことについてあまり具体的な個所等を指定することはできないかと思うのでございますが、私の方で
考え
ております具体的な数字といたしましては、お手元に差し上げました
受け入れ
ホテル
室数の地域別需給計画でございまして、これは前会
お話
申し上げましたように、現在約一万室でございますが、三十八年度は一万九千室、現在よりも九千室補充しなければならない、こういった数字が計画として具体的に出しておる数字でございます。四十五年度におきまして大体どの
程度
居室数が必要であるかということを、私
ども
いろいろな前提をもちまして試算してみたのでございますが、地域的配分あるいは滞在日数あるいは
外客
と
日本
人との居室を占める比率等が動くわけでございます。大体そういった各種の前提がたくさんございますが、一応四万八千室というような数字を試算的には出してみたのでございます。これは前提がたくさんございますので画一ではございません。
細田吉藏
21
○細田(吉)小
委員
今御
説明
ありましたが、その中身の話はあとでまた伺うつもりです。私が言っているのはそうじゃないので、これをお作りになっている性格がよくわからないのでありますから、つまりオーソライズされた権威ある計画を
政府
として、単に
ホテル
とか
事務所
だけではなくて全体としてお作りになることが必要じゃないか、ただこの計画内容はこれからあとの話でございますけれ
ども
、その計画ができてみたところで、これはただ計画だというだけの話でございまして——これは十年じゃ長過ぎると思います。現に
国鉄
でも五カ年計画でございますし、いろいろあるわけでございますが、そういった何らかの形の権威ある計画をお作りになるお
考え
があるかどうか、こういう一般的な点をお尋ねしておりますので、この点
大臣
からぜひお答えを願いたいと思います。私はその方がいいんじゃなかろうか、こう思っておるのであります。
木暮武太夫
22
○
木暮国務大臣
お答えを申し上げます。まことにごもっともな御意見でございまして、
オリンピック
を控え、また今後における
観光
というものの重要性にかんがみまして、これからいわゆる
国際
的コンベンションというようなことも
日本
へだんだん
誘致
するということが必要である等のいろいろ御意見もございますので、私
ども
といたしましては、ただいま御
指摘
のような
観光事業
振興に対する長期の見通しのもとに
一つ
の案を作ることは必要でもあるし、私
ども
は作りたいと思っておるのでございます。御
承知
の
通り
内閣に
観光事業
審議会というものがございますので、こういうものが中心になりまして、ただいま御
指摘
のような各省に
観光
の仕事はわたっておりまするので、各省と緊密な連絡をとりまして、なるべく早くこの
観光
に対する
相当
長期の見通しを持った案を策定をいたしたいということを
考え
ておりますし、これはできることであると私も
考え
ておる次第でございまして
努力
をいたすつもりでございます。そういう場合には
運輸省
観光局
が中心になりまして、これをまとめ上げることに
努力
をいたしたいと思いますから、どうぞ当
観光
小
委員会
等の
皆様方
の多年の御知識、御経験を十分にお教えを願いたい、こう
考え
ておる次第でございます。
細田吉藏
23
○細田(吉)小
委員
大臣
の御
答弁
で、計画をお作りになるという点について御熱意のほどを伺って、大へんけっこうでございます。ぜひお願いしておきたいことは、計画は何べんもできておりますし、それから十分ではないかもしれませんけれ
ども
、やろうというようなことにつきましては内閣の
観光事業
審議会でも過去十何年にわたりてたくさん出ておりますので、権威のある、実行する計画を作っていただきたい。いたずらに大きい計画である必要はないと思うのですが、どうも
観光
の仕事はそうなりがちでございます。もちろん
大臣
はそういうことでなく、私
ども
の申しておるようなことだろうと思いますけれ
ども
、ほんとうに裏づけのある長期計画ということを特に要望申し上げたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
木暮武太夫
24
○
木暮国務大臣
ただいまの
お話
のように、従来
観光
審議会等でできました案がいたずらに膨大で、どこから始めていいかわからぬというようなきらいのあることを私も非常に遺憾に思っておりましたので、今後は、今御注文になりましたように
相当
長期の見通しを持って、各省並びに
観光事業
審議会等々と緊密な連絡をとって、実行のできるということをまず頭に置きました案を
一つ
策定いたしたいと
考え
ておる次第でございます。
細田吉藏
25
○細田(吉)小
委員
非常に一般的なお尋ねをいたしましたが、具体的な個々の問題につきまして、私ただいま申し上げましたような基本線から各般の質疑をたくさん持っておるのでございますが、時間がちょうど中途半端になりますので、次会に留保さしていただきたいと思います。
生田宏一
26
○
生田
小
委員長
本日はこれをもって散会いたします。 午後零時三分散会