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1961-04-13 第38回国会 衆議院 運輸委員会観光に関する小委員会 第1号
公式Web版
会議録情報
0
本小
委員会
は
昭和
三十六年二月十日(金曜日)委
員会
において設置することに決した。 二月十四日 本小
委員
は
委員会
において次の通り選任された。
生田
宏一
君
高橋
英吉
君
細田
吉藏
君
山田
彌一
君
勝澤
芳雄
君
尾関
義一
君 塚原 俊郎君 三池 信君
加藤
勘十君
山口丈太郎
君 同 日
生田宏一
君が
委員会
において小
委員長
に選任さ れた。
—————————————
昭和
三十六年四月十三日(木曜日) 午前十時三十四分
開議
出席小委員
小
委員長
生田
宏一
君
尾関
義一
君
細田
吉藏
君
勝澤
芳雄
君
高橋
英吉
君
加藤
勘十君
山口丈太郎
君
出席政府委員
運輸事務官
(
観光局長
) 津上 毅一君 小
委員外
の
出席者
専 門 員 志鎌 一之君
—————————————
四月十二日 小
委員高橋英吉
君三月二十四日
委員辞任
につき、 その
補欠
として
高橋英吉
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に選任された。 同 日 小
委員山田彌一
君三月十六日
委員辞任
につき、 その
補欠
として
山田彌一
君が
委員長
の
指名
で小
委員
に選任された。 同 日 小
委員勝澤芳雄
君三月一日
委員辞任
につき、そ の
補欠
として
勝澤芳雄
君が
委員長
の
指名
で小委 員に選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
観光
に関する件
——
——
◇—
——
——
生田宏一
1
○
生田
小
委員長
これより
運輸委員会観光
に関する小
委員会
を開会いたします。 本日は初めての
会議
でもありますので、まず
政府当局
より
観光事業
の振興についての総合的な政策あるいは将来における抱負、また近く開催される
オリンピック
を控えて、これに伴う
観光施設
の
整備計画
、また
政府
より
補助金
を交付されている
観光事業団体
の
実情
、その他
宿泊施設等
の
整備
問題につきまして、詳細に
説明
を聴取いたしたいと存じます。津上
観光局長
。
津上毅一
2
○津上
政府委員
それでは私から
観光行政
のごく概要についてお話し申し上げたいと存じます。
観光行政
は言うまでもなく非常に広範な面にわたっておりますので、後ほどいろいろな問題に入るといたしまして、最初に、私
ども
の方で現在やっております
行政
の大要につきまして、ごくかいつまんで申し上げることがいいかと思いますので、そのことをさせていただきたいと存じます。 まず現在の
日本
の
観光事業
のといいますか
観光
の
規模
がどうなっているかということを申し上げたいと思うのでございます。昨年、これは暦年でございますが、三十五年の
入国外客数
は二十一万二千人でございます。これは
入国管理局
でとりました
数字
をもとにいたしまして正確にとったものでございます。これに対しまする
推定
の
消費額
は一億一千六百万ドルという
推定
を私
ども
出しております。四百十八億円でございます。三十六年、本年の
推定
は、それに対しまして二十四万八千人の
入国
、
推定消費額
は一億三千七百万ドル、かような見通しを立てておるわけでございます。かような
状態
で、年々一七・八%の
増加ぶり
を示しておりまして、この調子でいきますと、数年ならずして
相当
大きな数になることが予想されるのでございますが、
内閣観光事業審議会
におきまして二年ほど前に出しました
達成目標
は三十八年、これは
オリンピック
の前年でございますが、三十八年の
目標
は
入国外客数
三十五万人、大体これは三十四年ごろの
数字
の倍になっております。
推定消費額
二億ドル、かような
数字
を出しておるのでございます。この
数字
はある
程度
努力
目標
的な感じを持っておるのでございますけれ
ども
、最近の状況を見ますに、
ジェット機
の
就航等
によります航空機の回数の
増加
、あるいは
収容力
が
ジェット機
の場合は大体倍になりますから、そういった点を考えてみますと、
輸送力
の面においてはこの三十五万人を達成することはほとんど困難がない。また
外客
の
日本
に対する関心が異常に高まっております今日、特に
欧州市場
よりも東洋特に
日本
を
対象
にして
外客
を
誘致
しようという
外国
の
旅行あっせん業者
あるいは
航空会社等
の意欲から見ましても、
わが国
における施策が十分に行なわれますならば、達成し得るというように私
ども
考えておるのでございます。 これが大体の
規模
でございますが、以下、
観光局
の業務に関連させまして、
観光事業一般
について申しあげたいと存じます。
観光事業
はこれは
国際
だけでございませんで、
国内観光事業
も当然あるわけでございますが、
順序
といたしまして
国際観光事業
の
関係
から申し上げたいと思います。 端的に申しまして、私
ども運輸省
として考えております
観光行政
は、いわゆる
観光事業
というものを育成発達さしていく、
一つ
の産業として成り立たしていくという観点を
中心
として考えておるのでございまして、
経済面
の点を比較的強く見ておるといっていいと思うのでございます。結論を申しますと非常に単純にいってこれはいけないかもしれませんが、
外客
がたくさん来ること、そして
日本
に長く滞在すること、そしてその落とす金をできるだけ多くしてもらうということが、簡単な
経済効果
を分析した表現であろうかと思います。そのためにどういうことを
観光行政
として取り上げていくかということになってきますと、第一が
対外宣伝
でございます。何といいましても
商品
を売りますときのように
宣伝
をいたしませんと、特に
日本
のように
国情
も違い、風俗も違うところに来るわけでございますから、よほどよく
宣伝
をいたさないといけない。それが
対外宣伝
。それから
一つ
が
国内
の
受け入れ態勢
の
整備
、これを、
日本
に参りましたときに楽しく、
印象
を悪くしないで
旅行
できるような
状態
にする、この
二つ
があるわけでございますが、まずその
対外宣伝
の面について申し上げたいと存じます。この
対外宣伝
でございますが、これはちょうど
外国
の
市場
に
商品
を売り出しますように、たとえば
アメリカ
なら
アメリカ
、あるいは
欧州
なら
欧州
というところに
商品
を売り出しますときに、いろいろな
方法
を講じて
宣伝
をし、あるいは
代理店
を使い、出張所、
支店
を作りまして
販売
の作戦を練るわけでございますが、
観光
も同様にいたしまして、
外国
の
市場
に対する猛烈な
各国
間の
競争場裏
に置かれておるということが
実情
でございます。
各国
と同様に、私
ども
といたしましても、
特殊法人
の
日本観光協会
というものがございまして、これを
中心
的な
役割
として、各面のものを動員いたしまして、この
対外宣伝
をやっているわけでございます。この
日本観光協会
は、今後いろいろの論議の
関係
になると思いますので申し上げますと、これは
昭和
三十四年に、以前からありました
財団法人国際観光協会
と
社団法人
の
全日本観光連盟
を引き継いで設立されたものでございます。この
事業
の
内容
は、必ずしもこれは
対外観光宣伝
だけではございません。
受け入れ態勢整備
に対する指導的な
役割
もする
——
前にありました
全日本観光連盟
の
役割
でありましたそういうものも持っているわけでございますが、
国庫
の
補助
をいただいておりますのはその面の前者、つまり
対外観光宣伝
の面のみに限って
補助
をいただいております。もちろん
海外事務所
の
経営
、それに伴う
事業活動等
に対する
補助
もいただいております。
国内受け入れ
につきましては
補助
はいただいておりませんのが
実情
でございます。その
補助金
の交付はどのくらい行なわれているかと申しますと、お
手元
に配付いたしました
資料
によってごらんになっていただきたいと存じますが、三十四
年度
二億円、三十五
年度
二億一千三百四十万円、それから本
年度
の
予算
といたしましては二億八千二百万円
余り
、非常にいろいろ御助力いただきまして二億八千万円ほどの
補助
をいただいております。これに対しまして、地方自治体あるいは
交通関係
の
事業者
あるいは
宿泊関係
の
業者
、
みやげ品業者
、そういうようなところから会費、
拠出金
を得まして、それがざっと一億一千万円ほどでございますが、それを加えまして
事業活動
をやっておるというわけでございまして、昨
年度
で申しますならば三億三千万円ほどの
金額
で
事業活動
をやっておる、かような
実情
になっております。
補助
によって行なっておりまする
海外宣伝
の
仕事
は、これは一々申し上げるのもなにでございますから、詳しく別の
機会
に申し上げたいと思うのでございますが、印刷物、映画、写真、
海外
の
博覧会
に参加することとか、それから広告を出すとか、そういった
活動
はもちろんでございますが、特に重要な
項目
はこの
海外宣伝
の
事務所
でございます。
海外
の
宣伝事務所
は、これも一々申し上げるのは省略いたしますが、現在七カ所ございます。
アメリカ
に四カ所、カナダに一カ所、それから
東南アジア——
これはタイでございますが、一カ所、
欧州
に一カ所ございます。三十六
年度
の
予算
によって設置されておりますのは、
欧州
のロンドンとオーストラリアのシドニーでございます。合計九カ所、
年度
末までに九カ所の
事務所
のができ上がる、かようなことになっております。 これが
海外宣伝
の
実情
でございますが、ただいま申しましたように、
海外宣伝
のことにつきましては、現在
国庫補助
九〇%という率でいただいておりますけれ
ども
、その他の
受け入れ態勢等
につきましては
補助
をいただいておりませんので、
補助
としては大体三分の二
程度
の
補助
をいただいておるということでございまして、これは
英国あたり
の例から見ますと、かなり低い
補助率
でございます。私
ども
といたしまして、
海外宣伝
だけでございませんで、やはり
受け入れ態勢面
を充実しなければならぬわけでございますので、そういった面について今後の
補助
の
内容
をいただきたいと、かような
努力
を続けておるわけでございます。この点につきましては、また別の
機会
に申し上げたいと存じます。 これが
日本観光協会
の
海外宣伝
に対する
補助
の
実情
でございますが、
補助行政
のついでといたしまして、もう
一つ観光局
でやっております
内容
といたしまして、
ユース
・
ホステル
の
整備
に対する
補助
というものがございます。この
ユース
・
ホステル
は
青少年
の
健全旅行
を推進しようということで、かねてから
公営
の、都道府県、市町村の
経営
する
ユース
・
ホステル
の
建設
ということが望まれておったわけでございますが、
昭和
三十三
年度
から
国庫補助
によって
建設
が行なわれるということになったわけでございます。大体、これは
基準
がございますけれ
ども
、三分の一ないし二分の一の
補助金
を
地方公共団体
に対して交付いたしまして、
建設
を
補助
しているわけでございます。
ユース
・
ホステル
という言葉は、ある
程度
熟しかけてはおりますけれ
ども
、何だかちょっと一わかりにくいという
印象
を漏らされる方もございます。ただ、これはほかに適当な名もございませんし、だんだんと普及して参っておりますので、改めるということもできないと思うのでございますが、私
ども
、これを頭でそしゃくしてみまして、
ユース
が
青少年
でございますならば、
ホステル
は簡易な
宿泊施設
、こういうふうな意味とも言えるんじゃないかと思うのでございます。 小
委員長退席
、
尾関
小
委員長代理着席
〕 ただし、簡易な
宿泊施設
と申しますけれ
ども
、もともとこれは
国際性
を持って
各国
に普及しておる
施設
にならっておるのでございますので、
海外
からの
青少年等
が
日本
に参りまして、また
青少年
でなくても、比較的
収入
の少ない人々が来られて利用される、こういうことも重大な使命になっておるわけでございますので、
施設
の面においても、
公営
の
ユース
・
ホステル
につきましては、私
ども
こまかく審査いたしまして、
国際
的な規格を持つようなものにしてもらいます。清潔な、快的なものでかなりいい
施設
でございまして、
内外青少年
の
集団生活
、交歓ということができるような
施設
になっておるわけでございます。今までのそれらの
施設
に対します
補助
の
内容
は、お
手元
の
資料
にございます。
昭和
三十三
年度
、八カ所、四千万円、
昭和
三十四
年度
、十カ所、五千万円、
昭和
三十五
年度
、八カ所、四千七百五十万円、かような額になっております。
昭和
三十六
年度
につきましては四千七百五十万円でございまして、この
建設計画
として現在予定されておりますものは九カ所でございまして、お
手元
にお配りしたような
内容
でございます。これが
公営
の
ユース
・
ホテル
に対しまする
補助
の
内容
でございます。そのはかに
ユース
・
ホステル
といたしまして国立の
ユース
・
ホステル
というものがございまして、国で管理
経営
いたしまする
ユース
・
ホステル
が三十五
年度
に二千万円
予算
をいただきまして、これは近く開設する予定になっておりますが、大津市におきまして八十人ほどの
収容力
のものができます。これは今
年度
も継続して三千万円いただきましたので、百人ほどの増強をいたします。これは国営の
ユース
・
ホステル
というものはやはり
ユース
・
ホステル
の正しい運営のあり方を実地に示す、あわせて
調査研究
、
指導等
もやる、こういうことを
目的
といたしまして、一カ所でございますが、
建設
しているわけでございます。これが
ユース
・
ホステル
につきましての
内容
でございます。 次に
観光施設
の
整備
の問題について申し上げたいと存じます。
観光施設
と申しますと、これは非常に万般なものがございまして、
ひとり宿泊施設
だけでございませんで、いろいろなものがございますけれ
ども
、私
ども
の
行政
として取り上げております一番
中心
的なものが
宿泊施設
でございますので、
宿泊施設
と、あとちょっと
交通関係
の
施設
について、直接
運輸省
と
関係
がございますので申し上げたいと存じます。
宿泊施設
の
整備改善
のために私
ども
としてどういう
方法
をとっておるかと申し上げますと、大まかに言いまして
二つ
大きな
項目
をあげることができると思います。
一つ
は
昭和
二十四年に制定されました
国際観光ホテル整備法
、この法律によりましてやっている面と、もう
一つ
は
観光局
を
中心
としてやっておりますところの
融資
の
あっせん
、この
二つ
であろうかと思うのでございますが、
順序
といたしまして
ホテル整備法
につきましてごく簡単に申し上げたいと存じます。 この
ホテル整備法
は簡単に申しましてどういう
仕組み
になっているかと申しますと、これは御承知の通り、
一定
の
施設基準
を
ホテル
ないしは
旅館
、
国際観光ホテル
、
国際観光旅館
につきまして設けまして、その
基準
に合致して、しかも
経営
の健全なものについては
登録
をする、その
登録
をしたものにつきまして、主として税法上でございますけれ
ども
特典を与える。かようなことによりまして、
施設
ないしは
経営
の
内容
のすぐれた
ホテル
、
旅館
ができますことを助長する、かような
目的
でやっておるわけでございまして、現在の
登録ホテル
は、これは
日付
はちょっとはっきりしませんが、最近の
日付
でございますが、
ホテル
が八十八カ所、それから
旅館
が二百七十八カ所、かようにあるわけでございます。これがこの
ホテル整備法
の
仕組み
でございますが、これによりまして、ただ
経営者
だけの恣意によって
施設
をやっておりましたものが、
一定
の
基準
に従って
施設
の
整備
をしていこう、こういう風潮を作りましたために、かなり
施設面
における向上が見られたと私
ども
考えておるわけでございます。 次に、もう
一つ
の
融資
の側の問題でございます。
融資
と申しますと、これは
財政融資
と市中の
融資
と両方ございますけれ
ども
、私
ども
主として力こぶを入れてやっておりますのは
財政融資
の面でございます。
財政融資面
で
関係
のあります
機関
は幾つかございますけれ
ども
、特にその
中心
的な
役割
をいたしておりますのは、現在までにおきますものといたしまして
開発銀行
と
中小企業金融公庫
でございます。大体におきまして、この
開発銀行
は今までにおきまして大
規模
な
ホテル
の
整備
という面に働いて参りましたし、
中小企業金融公庫
の方は
旅館
の
整備
の面において働いてきた、これは大まかに申し上げられると思うのでございます。
開発銀行
におきます
融資
につきましては、私
ども運輸省
といたしましては、
融資
の申し出のありましたものにつきまして、
内容
を審査いたしまして
融資
の
あっせん
をやっておるわけでございますが、三十五
年度
におきます
融資金額
は、これは最終的なものでございませんけれ
ども
、大体二十億円を上回る
程度
の
融資
が成立しております。一月六日現在におきまして十九
ホテル
が成立しておる、かようなことでございます。これが
開発銀行
の面の
融資
の
あっせん
による
ホテル
の
整備
でございます。
中小企業金融公庫
におきましては
対象事業
が大体
資本金
一千万円以下のものになっておりますけれ
ども
、これにつきましても、
国際観光
に寄与する
宿泊施設
につきます
融資
、それから
国際観光
とまでいかなくても、ある
程度
小口の
融資
もありまして、三十四
年度
の
成立額
が十四億円
余り
になっている、かようなことでございまして、この面は
旅館
に対する
相当
の
改善
の寄与をなした、かように考えております。 今後の
宿泊施設関係
の
整備
、特にこの
融資
の
関係
に関連するわけでございますが、
問題点
を二、三申し上げたいと思うのでございます。
一つ
は、私
ども
といたしまして、
オリンピック
もあることでございますし、
宿泊施設
をできるだけ
整備
していかなければならぬ。それにはどうしてもこの
融資
の点においてめんどうを見ていかなければならぬという面がございますので、この
目標
をどういうところに置こうかということでいろいろ検討をいたしました結果、一万室
整備計画
というものを
昭和
三十八
年度
を
目標
といたしまして立てておるわけでございます。
昭和
三十八
年度
は先ほど申し上げました
外客総数
三十五万人という
達成目標
の年でありますが、この三十八
年度
までに現在よりも一万室よけいに作ろうという
計画
でございます。これは、現在の
規模
が、その計算によりまして全国でざっと九千室ほどでございますが、これを一万九千室にふやす。結局一万室をさらに
整備
しなければいけない、かような計数に基づいておるものでございます。 こういうことを考えてみますときに、
財政融資
の面でどうしても
相当
大きく見ていただかなければならぬということになるわけでございまして、
一つ
の問題といたしまして、私
ども
考えておりますことは、
開発銀行
におきます
融資
をできるだけ幅広くやっていただきたいという
考え方
を持っておるわけでございますが、この点についての今
年度
の
財政融資資金計画
はどういうふうになっているかと申しますと、
開発銀行
として八百二十五億円の総
ワク
中でその他のその他という
ワク
があって、その中でいろいろな特別にあげられた
事業
、海運、電力、その他のものを除きましたものとして百四十三億ほどございます。これが前
年度
は百三十五億でございまして多少ふえておるわけでございますが、その中でまかなうということになるわけでございまして、今後何とかこの面を広げていく
努力
をしていかなければならないということを考えておるわけでございます。それから
中小企業関係
においても何らかの拡充の措置を講じていただきたいということが私
ども
の希望であります。それからもう
一つ
は、
北海道東北開発公庫
の
融資対象
として現在
観光事業
というものは業種の中に入っておりません。あるいは
地方開発資金等
も
観光事業
を
対象
としないことになっておりますが、こういう面も広げていただきまして
融資
の面の円滑を期していく必要があるのではないか、かようなことを私
ども
考えておるような次第でございます。 私
ども
の
行政
の範囲は以上の面のほかに、あるいはガイドでありますとか、あるいは
旅行あっせん業
の問題でありますとか、いろいろございますけれ
ども
、さしあたり重要な
項目
を要約して申し上げたようなな次第でございます。
尾関義一
3
○
尾関
小
委員長代理
質疑の通告がありますので、これを許します。
山口丈太郎
君。
山口丈太郎
4
○
山口
(丈)小
委員
ただいま
説明
を聞いたばかりでありまして、まだ私も深く勉強しておりませんので、あまり詳しい
内容
に立ち入って御質問できないわけでございます。 まず第一に、
海外事務所
の
補助金
が年々ふやされていることは大へんけっこうなことでありますし、
海外
からの
観光客
を
誘致
するためにはこれをさらに強化して、いわばこれは一種の
投資
でありますから、
収入
をふやそうとすればそれに伴う
投資
が必要になるのは当然だと思うのです。ただいま承りますと、
海外
のこの種の
事務所
は九カ所ということを聞いているのですが、私はこのほかに
民間会社
でこういった
事務所
を持っているところもあるのじゃないかと思いますが、現在
補助
の
対象
になっていない各
民間会社
において、こういう
誘致
のために
海外
へ設けている
事務所等
がどのくらいありますか。 〔
尾関
小
委員長代理退席
、小
委員長着席
〕
津上毅一
5
○津上
政府委員
説明
が足りませんでしたのですが、この
海外宣伝
というのは
日本観光協会
が
中心
となって
海外
の
事務所網
を使ってやるということでございます。もちろん
海外
に対する
宣伝
というのは
観光協会
だけがやるものではございませんで、広く言うと
日本人
全部あるいは
日本人
の
関係商社等
も、それから国の
機関
として行っているものも
関係
するわけでございます。 大体どういう
活動
をやるかと申しますと、
二つ方法
がございまして、
海外
におきまする
旅行
の
あっせん業者
あるいは
運輸機関
、そういうものを主体にして、そういう
人たち
から
日本
に対する送り出しを強くしていくというような
やり方
でやる場合と、それから
日本自身
の
機関
が行きまして
切符
も売り
旅行
の
あっせん
もする、こういう
やり方
もあるわけなんでございます。私の方といたしましては、大体
各国
がやっておりますように、
海外
における
事務所
は
切符
を売ったりそれから
旅行
の
あっせん
をして客をとったりする直接の
仕事
はやはりいたさないで、これは
向こう
にありまする有力な
旅行あっせん業者
あるいは
運輸機関
と接触いたしましてその辺の
活動
を促進する、こういう
やり方
をとっておるのでございます。これは
考え方
といたしまして、イタリアの場合なんかはチットという、ちょうど
日本
でいいますならば
交通公社
みたいなものでございますが、これがやはり
外国
に
支店網
を設けまして、そこで直接
切符
を売ったり客をとったりしております。ただ、これは
向こう
の
地元
におきまする既存の
事業者
に対して非常に心理的に悪い影響を与える場合が多いので、大体において
各国
ともやはり
地元
の
事業者
を使って集客といいますか客を直接つかまえる
営業
をさせております。
海外事務所
はその
営業
はやらないで、そういう
人たち
に対して情報を提供する、あるいはいろいろな面で
宣伝
の幅広い
活動
をいたしまして、そういった
旅行あっせん業者
あるいは
運輸機関等
が客を送り出すような働き方をさせるという
やり方
をとっております。従いまして、
日本
の
旅行あっせん業者
あるいは
日本
に来ております
外国
の
運輸機関
あるいは
日本
の
航空会社等
がやっております
海外
の
活動
は、やはり大体そういった
地元
の
機関
を使ってやっておるということが
実情
でございます。ついでに申しますと、全然ないわけではございません。
日本
の
旅行あっせん業者
で
向こう
に出しておるものがきわめて少数でございますけれ
ども
、これは例外といっていいのじゃないか。
向こう
の有力な
旅行あっせん業者
と結びついて、その
人たち
から客を送るような
努力
をしている。ちょうど
商品
の輸出で言いますならば、
商品
を輸出する場合に
日本自身
が
支店
を設けて
販売
のPRをするか、あるいは
向こう
の
代理店
を設けてやるかというような行き方があるわけでございますが、客を直接集める
営業活動自身
は、
代理店方式
といいますか
向こう
との契約でやっておる。ただし、インフォーメーションやそれから具体的な
宣伝活動
というのは
外国
まかせではできませんので、そういった
啓蒙活動
、
宣伝
という面だけを大きく取り上げて
海外
の
事務所
というのはやっておるようなわけでございます。大体そういった格好でございます。
山口丈太郎
6
○
山口
(丈)小
委員
私は、
行政面
からこれを言いますと、単なる
外客
の
誘致
で金もうけをするということよりも、むしろ
観光
を通して広く
日本
の
国情
も知ってもらい、また直接われわれに接してもらうことによって、
わが国
の事情を理解してもらうという、いわば
国際親善
上の大きな
役割
を持っておる、こういうように考えるわけです。
観光
を通してそういう
国際親善
の場を作る、これが、ただ
観光事業
の
収入
を増すというだけではなく、
日本
の国全体の大きな
仕事
になると私は思うのです。従って、
観光事業
の
目的
は、
一つ
はもちろん外貨の獲得ということでもありますが、そういう面からして、いま少し公的な
機関
を
海外
にふやすべきではないか。たとえば公館であります大使館でありますとか、あるいは領事館、こういったような国の公
機関
を通して、いま少し
国際親善
上から見た
観光行政
をやるべきじゃないかと思うのですけれ
ども
、これについてどういう御所見ですか。
津上毅一
7
○津上
政府委員
ごもっともな御意見だと存じます。最初私、
経済効果
という点を強調するあまり、その点だけ申し上げたのでございますけれ
ども
、本来的に申しまするならば、
観光
の深い使命は、やはり
国際親善
、文化の交流というような点にあることは当然でございまして、そういう点を十分私
ども
考えながらやらなければならない、かように考えるわけでございます。それで、ただいまお話のございました
事務所網
のことでございますが、やはりそういった公的な
役割
を果たすところといたしましては、民間商社の
販売
活動
、
営業
活動
というものには依存できないのでございまして、どうしてもこういった
観光協会
のような組織を通じてやらなければなりませんので、今後におきまして、やはりこの
事務所網
の拡充ということを大いにやらなければならぬと思います。それと、御指摘のございました在外の出先の
政府
機関
等におきましても、もちろんこれは
日本人
全体の問題でございますから、大いにやっていただかなければならぬわけでございまして、現在におきましても、
日本観光協会
等で作っておる印刷物でありますとか、映画等につきましては、各公館等に備えつけまして、まだ十分とは申せないと思いますけれ
ども
、そういうところで大いに利用していただいて、
日本
の
国情
宣伝
というような点をやっていただいておるようなわけでございます。十分連絡をいたしまして、今後もさしていただきたい、かように考えております。
山口丈太郎
8
○
山口
(丈)小
委員
意図はわかりました。そこで私は申し上げたいのですけれ
ども
、今度
国際
競技上の場である
オリンピック
が東京で開催されることになりました。これは、
海外
に
日本
の
実情
を紹介するには最も適したものとして、国の全体をあげて協力すべき問題だと思います。同時にこの種の催しが、世界
各国
に
日本
というものをよく理解してもらう、社交上の
一つ
の重要な契機になるのでありますから、ただ単なる
観光
ということだけではなくて、あらゆる公館は、こういった世界の公的な
会議
も極力
日本
に
誘致
をして、そのことによって、自然に
日本
の
観光
美というものを理解してもらうようにすることが、単なる商業的な
観光
ということではなくて、私は
国際親善
上からも有意義であり、かつ外貨の獲得等の諸問題もうまくいくのではないか、そしてひいては、もっと
収入
をふやすこともできるのではないか、またこれによって
日本
の生産物も理解させ得る
機会
が持てるのではないか、このように考えるわけです。現在、そういった
国際
会議
の
誘致
等については、どういう方針でおられますか、
一つ
伺いたい。
津上毅一
9
○津上
政府委員
オリンピック
の
機会
、あるいは
国際
会議
の
機会
におきまして、
日本
を理解していただくという法をとることは、非常にけっこうなことでございまして、私
ども
としても極力そういった面の推進をしたい、かように考えております。
国際
会議
につきましては、実は
国際
会議
を
誘致
するための
努力
をもっと組織的にやらなくちゃいけないじゃないかという声が、
観光事業
審議会等においても出まして、そのために
一つ
組織を作ったらいいじゃないか。ただ組織を作って会合するだけではなくして、
国際
会議
連絡
事務所
というようなものを設置いたしまして、そこでいろいろなサービスをする。
日本
で
会議
をしたいという人に対しては、いろいろな面のお世話をいたしまして、
日本
に来やすいようにする。そういう組織を作り、同時に
会議
が春だけに集まりますと、これは
収容力
もございませんし、むだでもございますので、これを季節的に配分いたしまして、現在の
施設
を十分に使っていただくような季節的な調整もする。お世話もするし、同時にそういったあんばいもする、こういった
施設
があることが望ましいということが意見として出まして、その面も三十六
年度
の
予算
において、実は
観光協会
の
事業
として要求したわけでございます。諸般の事情でこれは認められなかったのでございますが、いずれにしろ何らかの形におきまして、将来そういったものを作る必要があるということを痛感いたしております。今後
国際
会議
を
日本
で開催することを促進いたしまして、そういった
機会
を多くするようにしたい、かように考えております。
山口丈太郎
10
○
山口
(丈)小
委員
今の
観光局長
の御答弁は、非常にいいと思いますが、私も前からそういうことを常に考えておりました。どうも各官庁でばらばらのことをやっていたのでは、
国際
会議
に参加をする人々に対して満足を与えることができない。そこで、何らかの集約
機関
を設ける必要がある。これはやはり
一つ
の集約された公的な
機関
でもけっこうですが、センター的なものを設けて、そこへ行けば、その
会議
にふさわしい会場等が直ちに紹介できる。これは民間の
会議
も同じですが、そこに行きさえすれば、その
会議
の
規模
に応じて適切な
会議
場が直ちに紹介できる、こういうような世話のできるセンターを当然持つべきだと思う。それが今日まだ持たれていないということは、
海外
からの
会議
参加者に対して満足感を与えることができない
状態
にあるのではないか、こういうように考えますので、私はぜひともこれを近い将来、
オリンピック
もあることでありますから、急速に御考慮を願いたい、このように考えるわけです。 次に、
国内
のそれらの
受け入れ態勢
についてであります。今承りますと、
オリンピック
までには現在全国にある九千室余の
旅館
の
施設
を一万室
増加
したいという御希望のようでありますが、私はこれはぜひともそうあるべきだと思うのであります。しかし、これを大資本やあるいはまた民間の小企業にだけまかして、それを
補助
育成するというだけでは非常に困難ではないか、もっと国あるいは地方自治体が
中心
となって、
ホテル
施設
を作るなり、あるいは直接それができないということでありますならば、これはもちろん
旅館
業にとっては、重大なことであるかもわかりませんが、
観光
ホテル
公団というようなものでもよろしいですけれ
ども
、何か法人のようなものを作って、そしてその
会議
場の周辺に、あるいは最も便利で、
観光
にも適するような土地に大
規模
の
ホテル
を作らせる、こういうようにして、私はもっと低廉で、しかもいろいろの文化交流もそこででき得るような
施設
を作る必要があるのではないか、こういうふうに考えるわけですけれ
ども
、将来の構想として、いかがでしょうか、そういう
計画
でもおありになれば承りたいと思います。
津上毅一
11
○津上
政府委員
受け入れ態勢
の
整備
につきまして、ただいま、低廉で、かつ文化交流等にも適する
施設
を、国ないしは地方自治体の援助を強力に得て推進した方がいいのじゃないか、こういう御意見でございますが、これにつきましては、私
ども
もいろいろな面で研究してみたわけでございます。ただ、この
ホテル
ないし
旅館
の
整備
というのは、どうも
各国
とも民間ベースでやるという方式が普通でございまして、こういう客扱いのサービスにつきましては、特殊の形を持っているものは公的
機関
でやるのもよろしいのでございますけれ
ども
、そうでないものは、やはり民間ベースをもちまして、ただそれに対して強力な国ないしは地方自治体、特にこれは地方自治体が大事だと思うのでございますが、そういった面の実質的な援助というものをもって
施設
を普及していかなければならぬ、かように考える次第でございます。実はこの
ユース
・
ホステル
は、
青少年
宿泊所という形ではございますけれ
ども
、料金も二食つき三百五十円ということでございまして、内部では秩序を保ち、
ホステル
の主任の指図に従うというような、普通の
旅館
とちょっと違った
仕組み
でございます。ちょうど先生のおっしゃいました面も十分含まして、しかも
国際性
を持たして普及していきたい、かような
考え方
で現在進めておりますが、この利用がだんだんと促進されていきました暁には、大幅にこれを拡充すれば先生のおっしゃったようなものにある
程度
近いものになるではないか、かように私
ども
期待しておるわけであります。
山口丈太郎
12
○
山口
(丈)小
委員
海外
への移民ということも重要な
日本
の国策の
一つ
になっておりますが、最近は南米その他の
各国
とも移民協定などできまして、多くの同胞が
海外
へ移民進出することになっております。昨年私、汽車の中で、
観光
のため
アメリカ
から帰られた人々といろいろと話をいたしました。先週の土曜日にも名古屋まで、ハワイから帰られた
観光客
の方と話をいたしました。それらの人々の話の中で、一番痛切にといいますか、希望しておられるのは何であるかといろいろ聞いてみますと、中には三十年も四十年もたって成功して帰ってこられた人もあって、ほんとうに久しぶりの帰国ということであります。しかし、集団で行動しているので、個人的に郷土を訪れ、あるいは旧来の家族の人と団らんするのはごく短い時間に限られている。それで、
海外
から帰って参った場合に、もう少し祖国の各所をめぐって
観光
をいたしたい、同時に、人間的にもとのつながりでもっと語り合う場を提供してもらうような何か便宜の
施設
はないものか、こういうようなことを非常に望んでおられます。私ももっともだと思うのです。従って、これらの人々と行動をともにしても、いま少し安い値段でそれらの人々を処遇するような何か
方法
がとれないものかと思うのですが、これは無理かもしれませんけれ
ども
、いかがでしょうか、そういう
施設
を作る御意思があるかないか。
津上毅一
13
○津上
政府委員
ただいまのお話のお答えになるかどうかわからないのですけれ
ども
、ただいまのお話は一世、二世の方えとの間の交歓親善ということだったわけでございますが、そうでなくして一般的なことにもなるわけですけれ
ども
、
日本
に来られた方々が
日本
の家庭の人と接するということが比較的少ないので、そういった面でもっと道を開く必要があるのではないかという声がときどきあるのでございます。これは聞くところによりますと、
外国
等でもそういった家庭訪問といいますか、訪問というとおかしいのですが、ホーム・ヴィジットということを言うのでございますが、家庭に行って泊まる、あるいは泊まらなくても家庭でしばらくの間を過ごして交歓できる、こういった
機会
を設けている国がございまして、聞きますと、デンマークなんかではその点が非常に発達しているそうでございます。そういう制度もやはり
日本
にはぜひ必要でございまして、東京都などにおきましてももっとやらなければならぬことだと思います。私の聞いておりますところでは、京都である
程度
やっているというふうに聞いておりますけれ
ども
、まだまだ全国的に見まして普及しているとは申しがたいと思います。私
ども
といたしましてそういう面の施策を今後広げていきまして、人と人との間の交わりということを深めていくということを今後大いにやらなければならぬ、かように考えているわけでございます。
山口丈太郎
14
○
山口
(丈)小
委員
それとともに、無理でもあろうかと思いますけれ
ども
、その話の中で、たとえば汽車なんかに乗っておりましても、実際に交通
機関
でも、こういう団体に対しましては国鉄も貸し切り等の措置をしているようでございますが、しかし、もと
日本
に育った人であるといいましても、
国内
の事情というのはきわめてうといわけでありまして、その地名や名所の所在等もあまり知っておられない人々が非常に多いのであります。そこで私はこれらの人々に対しまして、ほんとうに親切にこれを扱うためには、やはりそういった人々に沿線の
説明
な
ども
できるような
説明
員と申しましょうか、ガイドと申しましょうか、こういうものを作っておいて、そういう団体があったときには直ちにそのガイドがその団体の御用に応じられる、こういうガイド・センターと申しますか、そういった
施設
というようなものを
整備
する必要があるのではないか。これは
海外
から同胞が
観光
にやってくるというだけでなく、外人の団体もあることでありますから、従ってそれらの
説明
に応じられるような態勢はぜひともとるべきではないか。実は私は昨年も
アメリカ
から帰った人と東京から京都まで一緒に乗ったのでありますけれ
ども
、一向に沿線の地名も名所も知らない。そこでこれはどういうところかというので非常に要望せられておりましたので、乏しい知恵を振りしぼって私いろいろ
説明
をしてやりましたところが、私が国
会議
員だったというので
向こう
は大へん恐縮をしておられましたけれ
ども
、私はそれを痛感するわけです。そういうものを何とか設けられてはどうかと思うのですけれ
ども
、いかがでしょうか。
津上毅一
15
○津上
政府委員
特に言葉も違い
国情
も違っておる
日本
におきましては非常に大事な問題だと存じます。ただ車中にまで無料で案内の人を差し上げるというところまでにはとても参らないかと思いますけれ
ども
、私
ども
といたしましてこういう構想が
一つ
あるのでございます。これは
外客
無料総合案内所というような名前にしたらいいかと思うのでございますが、外人が
日本
に来まして
切符
を買うとか、それから
ホテル
を頼むというときには、いろいろな
旅行あっせん業
を利用しても快くやってくれると思いますが、こまかく、たとえばどこかの工場を見たいとか、どこかの文化
施設
を見たいとか、あるいは社会
事業
施設
を見たいとか、こういうことを
旅行あっせん業者
に話しましても、なかなかそこまでの世話は普通できないということで、そういった公の意味を持ちました、無料でどんなことでも、
日本
の
国情
が、聞いたらわかる、そこではそう営利と
関係
なく親切に教えてあげるという
施設
がぜひほしいというのが私
ども
の考えでございまして、いろいろ調べてみますと、
各国
にそういった
施設
があるようでございます。私
ども
といたしましても、これも本
年度
の
予算
でございましたけれ
ども
、
観光協会
を
中心
といたしましてそういった
施設
を設けたいと希望しておったわけでございますが、これも将来の問題としてぜひ取り上げまして、たとえば東京でありますとか、関西の方でございますとか、特に
外客
の集中の多い個所には、来られた方に対して無料で御案内することができるような
施設
をぜひ設けたい、かように考えております。ただ車中までお供をしてやるというところまでやるのには、これはかなり研究の余地がございますので、よく勉強さしていただきます。
山口丈太郎
16
○
山口
(丈)小
委員
私は思いますのに、われわれのサービスでは、これは
日本
の伝統的な考えとして、ただいま御答弁のありましたように、無料サービス
——
それは無料でサービスできるということはいいことかもしれません。しかし、私
ども
は寡聞にして
海外
に行っておりませんから
実情
はわかりませんが、しかし
外国
の人とはいろいろ話もし、伺っておるわけですけれ
ども
、必ずしも
外国
ではそう無料奉仕ばかりをやっているというようなことではないのではないかと私は思うのです。ガイドにいたしましても、あるいは
ホテル
のエレベーター
一つ
に乗っても、これは主として
日本
で言うチップ制度のような工合のようですけれ
ども
、それにいたしましてもそれ
相当
の報酬というものを合理的にとっているようでございます。従って私はこういうガイド制度につきましても、幸いにして
観光協会
であるとか
旅行
協会であるとかいろいろな協会があるわけでありますから、この協会の中にそういう一部を設けて、そして求めに応じて合理的な料金を徴収しても一向差しつかえないのではないか。それを基本にして考えれば、もっと進んだ
施設
ができて満足させることができる。それの方が料金を徴収するというよりもなお一そう満足させることができるのであるなら、それの方が効果が大きいのではないか。サービスといえば無料にすることにこだわっているようでは私は十分のことができない、それで不満足感を与えるということの方が大きいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
津上毅一
17
○津上
政府委員
ただいまのようなセンターを設けてもっと容易にそういったガイドを得られるようにしたらいいのじゃないかというお話は非常に適切な御注意でございまして、ただいまもガイドはあるわけでございますけれ
ども
、それの連絡といった点についてまだまだ考えなければならぬ余地があると思います。十分研究させていただきたいと思います。
山口丈太郎
18
○
山口
(丈)小
委員
オリンピック
につきましては道路の
整備
等も
相当
進んでいるようでございますし、
オリンピック
村も
建設
するようになっているようでございますが、私はこの
オリンピック
を
中心
にいたしまして、さらに
観光客
等も
増加
することと思いますし、また
日本
で初めての画期的な
国際
競技も行なわれることでありますから、
日本
に参る外人客も非常に多いと思う。そこで、こういう催しが行なわれるにあたって
——
外国
のことを言ってはなんですが、イタリアにおいては、
施設
はあったがその
内容
等において非常にお粗末なものがあったというような若干非難に値するような批判が生まれていたことは御承知だと思うのです。これについて
観光局
としては諸
外国
に恥ずかしくない
施設
をするためにどのようにしておられるかを承りたい。
津上毅一
19
○津上
政府委員
オリンピック
に伴い世ます受け入れの態勢をいかにして
整備
するかということは、
観光
関係
といたしまして非常に重要な問題だと存じます。
一つ
の問題は
宿泊施設
の問題でございます。この点につきましても、私
ども
といたしましては極力
施設
の拡充をはかっていくのでございますが、恒久的な
施設
だけではとても間に合いませんので、臨時的な
施設
を
相当
やっていかなければならぬ、かように考えておりまして、その対策に腐心しているようなわけでございます。ただ私
ども
考えますと、
宿泊施設
だけの問題ではございませんで、もう
一つ
大事な事柄として、宿泊その他に伴う受け入れの
仕組み
の問題でございます。イタリアの場合のいろいろな情報を総合いたしますと、どうも受け入れの仕方においていろいろ問題があったのではないか。つまり宿泊能力でありますとか、そういった面から考えまして、かなりきびしい宿泊予約制度をとりまして、
相当
大幅な前金制度をとったり
相当
前の予約をしないと認めないといったようなことをやりましたことが、いろいろな面であとであきができたりいたしまして、あきが出ているにもかかわらず、客は断わられておるといった事態が起こったり、この予約制度の問題というものが
日本
におきましても
相当
大きな問題ではないかと思います。これにつきましてはイタリアなんかの例を見まして、何らかの
中心
的な組織を作りまして、そこで予約等によってそごが起こって
外客
に不満を与えるということがないように、十分注意をしなければならぬと思います。そのほか受け入れに伴ってガイドの問題とか、案内所の問題でありますとか、それから
日本
には道路に名前がないので非常にわかりにくいとか、いろいろな問題がございますが、そういう問題につきましても
一つ
ずつ片づけていきたい、かようなことでやっておるようなわけでございます。
山口丈太郎
20
○
山口
(丈)小
委員
もし
オリンピック
を
中心
にして、外人の
受け入れ態勢等
に非常に手抜かりがあったとなれば、せっかく
海外
で
日本
の声価というものが高まっているときに、非常な信用を失墜するおそれがあるというように考えますが、それと同時に、これは所管が違いますから無理でありましょうけれ
ども
、たとえば正常なガイドはいいといたしましても、そうではない、たとえばダフ屋に類するようなそういうものが横行して、せっかく来訪した外人の気分をこわすようなこと、これは非常に困った現象を今も呈しておるようであります。これについて何らかの対策を
政府
としてもやらないと、せっかくの気分を台なしにする結果になると思うのですが、これは適切な
方法
を各官庁で総合して考えなければならない問題だと思います。これを
観光
面から見て
関係
当局に要望されたことがありますか。また要望しようとしておられますか。環境の浄化についてお尋ねをしたい。
津上毅一
21
○津上
政府委員
オリンピック
の対策問題として大きな問題は
宿泊施設
とかそういった問題をたくさん控えておりますので、ただいまお話のありましたような問題はもちろん取り上げなければならない問題としてあげられておりますけれ
ども
、具体的にまだ私の方で手を打つとかいうような段階にはいっておりません。ただ私考えてみまして、これについての一番力を入れてもらわなければならぬのは、直接それに接します自治体の
行政面
が大きいと思いますので、そういった面の対策が十分できるように促進することをいたしたい、かように考える次第であります。
山口丈太郎
22
○
山口
(丈)小
委員
まだいろいろお尋ねをいたしたい点もありますけれ
ども
、きょうは御
説明
を承った直後でもありますし、私も研究しておかなければならぬ点もありますから、このくらいにしておきます。
生田宏一
23
○
生田
小
委員長
細田
吉藏
君。
細田吉藏
24
○
細田
(吉)小
委員
きょうは時間があまりございませんので、私、次会に詳細に各般の問題について御質問いたしたいと思いますが、初めに小
委員長
に特にお願い申し上げておきたい。
観光
の問題で、ただいまも
山口
委員
からいろいろな御質問がございました。まだ幾らも問題があるというお話でございましたが、これは非常にたくさんな問題があり、研究され、あるいはいわれていないような問題がございますが、また、すでにもう何べんも各方面でいわれていることで、ちっとも実効が上がらぬという問題も非常にたくさんあるわけでございます。そこで、せっかくできましたこの小
委員会
でございますので、
観光事業
をこの際飛躍的に発展させるというためにどうしたらいいかという結論を、野心的に出すという方向でこの小
委員会
の運営をぜひお願い申し上げたい。最初に小
委員長
に特にお願いを申し上げたいと思います。 そこで私は、今度の所得倍増
計画
でも、
昭和
四十五年に百二十五万、六億一千万ドルという
目標
で一応書いております。しかし、これあたりにつきましても、具体的な裏づけがどこまであるかということになりますと、これは非常に問題であろうと思うのです。そこできょうは、この所得倍増
計画
といいましょうか、将来の
計画
に対するもう少しこまかい
資料
を次会までにぜひお作りを願いたいということを、最初に申し上げておきます。 それから、最近銀行あたりで盛んに国外へ
日本人
を出す、貯蓄をして出すというような
宣伝
を非常にしております。私、
数字
を持っておりませんけれ
ども
、
日本人
が
外国
へ行って使う金と、こちらへ外人が来るという
——
逆に
向こう
へ行って使う金というものは逐年かなりふえておるんじゃないか、また今後かなり急速なスピードでふえてくるんじゃないかと思うのでございます。そこで、今まで
政府
でいろいろいわゆる
観光
としていっておりますことは、
国内
へ
外国
人が来るという面だけが非常に強調されておりますけれ
ども
、これは私は、こっちから出るというものにつきましての
資料
を
整備
することが、結局こちらへ受け入れる
観光
振興の
一つ
の大きな裏づけといいましょうか、主張する大きな理由になるんじゃないか、
日本人
だけどんどん出ていって
向こう
で外貨を使う、こちらへ来るものはそれほどふえないということになりますと、これは大へんなことになると思う。こういった面が私は今まで欠けておるんじゃないかと思うのでございまして、こういう
数字
につきまして、最近数年の趨勢がよろしいのですが、どういう状況になっておるか、また今後
海外
渡航が楽になって、
日本人
がどんどん視野を広めるということはいいことでありまして、これをいけないとは決して申し上げていないのでありますが、これが
増加
していけば、それ以上のものをこっちが受け入れなけれならないということで、こういう線から非常に重大なターニング・ポイントにきているんじゃないかというふうにも感ずるので、その
関係
の
資料
もぜひ次会までにお示しを願いたいと思うのです。
外国
ではやはり、出るものと入るものとを調べておるような国もあるようでありまして、
アメリカ
なんかは特に
海外
でどれだけ使ったかというような統計があるようでありまして、こちらでもぜひ、これは使わなくするというよりは、使うのがこれだけあるんだからこちらもふやせという意味で、大いに強調する必要がある。そういう点もぜひお願いしたい。外貨の事情も楽観ばかりしておるわけに参らぬわけでございまして、そういった点から特に
観光
は重大な問題だというように私認識いたしておりますので、そういう
資料
をお願いいたしたいと思います。 それから、きょうは
資料
要求みたいなことだけ申し上げますが、
受け入れ態勢
——
先ほど来
ホテル
やなんかのいろいろな問題がございましたが、
オリンピック
なんかの問題、これは
一つ
の行事でございますからピークをなすわけでございますが、
オリンピック
の問題は別にいたしまして、現在
国内
の宿泊設備
——
宿泊設備に限定しておきましょう。宿泊設備で一体、外人が
日本
へ来たいといっておるが、宿泊設備が不足をしておって来られないという事態があるのかないのか。これは時期的には多分あるんじゃないかと思うのでございますが、なかなか調整することが困難かとは思いますけれ
ども
、
ホテル
で受けて断わるというものがあるはずでございますから、そういうものが一体どの
程度
あるのか、これはお調べが次会までにつかなければ、その次まででもけっこうですが、ぜひお調べおきを願いたいと思うのでございます。あればけっこうでございます。ということは、
国内
の
観光
——
これも次会にいろいろ申し上げたいと思っておりますが、
国内
では、
旅館
の不足のために断わるという例、あるいは
輸送力
が足りないために断わるという例はざらにあるわけでございます。そういった点からどういう状況であるか。
輸送力
については、今のところ、ジェット化しておりますし、そういう点はないとは思うのでございますけれ
ども
、
輸送力
についてもそういう面があるとするならば、これも
資料
として御
説明
をお願いいたしたいと思うのでございます。 それから、これは非常に困難な問題ですが、今後
日本
の
観光事業
に
政府
が本腰を入れるというために、どうしてもこういうものが必要だと考えるので申し上げておきたいのですが、これはどこかの代表的な例でもいいのですが、いわゆる
観光事業
と商業なりあるいは農林水産業との
関係
、つまり
観光客
が来て、単に
旅館
がもうける、交通
機関
がもうけるということ以外に、間接的には農林水産業なりあるいは商業、中小企業等に
相当
大きな影響がある。
アメリカ
あたりでは、非常にこの点の研究が進められておるわけです。ヨーロッパでもそうでございます。
日本
の場合は、どうもそういった点が十分明らかにされておらないために、何か
観光
といえば宿屋、
ホテル
がもうけるだけじゃないか、こういったような感じがあると思うのでございまして、こういう
関係
の何か
——
全般的にはなかなか困難な問題だし、今後に残されておる問題だと思うのでございますが、その研究等でございますればそれでけっこうでございます。またどうしても
国内
になければ、これは今後の問題として、
外国
のこういったようなものにつきましてございますれば、
外国
の研究されたものでもけっこうでございます。できれば
日本
のものをぜひ作っていただきたいと思うのでございますが、ぜひお願いを申し上げたいと思います。 いろいろ伺いたい点がございますが、さらにもう
一つ
だけお願いしておきましょう。先ほど来お話が出ておりました
事務所
の拡充
計画
、だんだん拡充して参っておられるようですが、これについて将来の
計画
があるのか、ないのか。あるとすれば
計画
を
一つ
お示しを願いたいと思います。そのほかの点につきましては、時間もございませんので、次会にお願いをいたしたいと思います。 なお、小
委員長
にお願い申し上げたいのですが、できますならば大臣に御出席をお願いしたいことと、それから
観光
は
政府
部内の各省、各方面にわたって
関係
がございますので、それをこの小
委員会
としてはやはり呼んでいただいて、国立公園とか、あるいは文化財の問題ですとか、あるいは
建設
省のいろいろな道路その他の問題とか、御
説明
いただきたいと思うのでございます。これは小
委員会
としてどうお扱いいただけますか、それによりましてはけっこうでございますが、私としましてはできるならば次会にそういう
関係
の各省の、これは担当官でけっこうでございますが、御出席をお願いいたしたいと思います。きょうは質疑と申しますよりはお願いだけ申し上げまして、次会に……。
生田宏一
25
○
生田
小
委員長
承知しました。 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時一分散会