○
今井(榮)
政府委員 小牧の
事故についての
対策として私
どもが考えました点について、現在
実現を見ておるものにつきまして簡単に御
説明を申し上げたいと思います。
一つは
小牧の
事故が非常に特殊な
事故でございまして、
管制のミスとそれから
操縦士の不注意というふうなものによって惹起された
事故でございまして、これについて、特に
管制の
改善に関する問題を中心にして
対策が練られたわけでございます。
まずその第一点としまして、
管制官の
勤務体制の
改善という点につきましては、現在一日八時間三
交代制という配置が、特に繁忙な
管制業務を行なっておる
管制官にとっては、精神的に極度の緊張の連続というふうなことから過労に陥りやすいという点で問題になったのでございますが、この点についてはすでに本年度より、主要な
空港及びセンター等につきましては、三直四交代を四直五交代にするということに決定をいたしております。
それから待遇の
改善につきましては、従来の
管制官の給与体系というものを根本的に変えるべく、
関係方面と極力折衝いたしたのでございますが、微力にして
実現できなかったのでございます。辛うじて従来の
管制特別手当というものを五割方増額することに一応成功いたしまして、本年度からは
管制手当が
管制官について五割増額される。従いまして、従来基本給に対しまして
管制手当が大体月額、特に繁忙な方にとっては約二千円程度でございましたが、今度の
改正によりまして大体三千円程度になるというところまでこぎつけたのでございます。
また
管制官の養成であるとか再訓練につきましては、特に
事故後におきまして、現在羽田にございますトレーニング・センターを極力活用いたしまして、研修、再訓練等を行なっておる状況でございます。
それからなお当時問題になりました
自衛隊との共同使用
飛行場の分離等につきましても、
防衛庁との連絡
協議会におきましていろいろ検討いたしておるわけでございますが、これにつきましては、現状においてはこれを分離することが早急にはなかなかむずかしいという
実情にございますので、特にこの共同
飛行場につきましての
防衛庁機と民間機との離
着陸管制についての両者の十分な打ち合わせを行なうようにやっておる次第でございます。
また
着陸誘導施設とかあるいは
航空路上における
保安施設の
整備につきましては、すでに御承知のように、
東京国際空港におきましては最も近代的な計器
着陸装置であるILSの設置を完了いたしまして、また先ほど御
説明申し上げましたように、現在の
GCAを新しい高度な
レーダーに代替するということもでき上がったわけでございます。それからまた主要
航空路のVORの設置につきましても、三十六年度
予算におきまして佐倉と銚子の二カ所にVORを設置することになりまして、これによって東京コンプレックスにおける
航空機の
運航の混雑が緩和されていくということになります。またこの
対策として私
どもが意を用いました
管制本部の移転につきましては、諸
先生方の御後援もございまして、三十六年度
予算において移転が完全に
実現を見たわけでございまして、三十六年度におきましては、約一億の庁舎建設費とマイクロウエーブその他の製作費約五千万円の国庫債務負担行為というようなものが一応でき上がりまして、従いましてセンターの移転につきましては、三十六年度、三十七年度をもちまして完全に新しいところへ移れる、こういう状況になったわけであります。それ以外に
管制塔の冷房装置であるとか、あるいはまた人馬その他の往来によって
滑走路がしばしば危険になるような
飛行場における場周さくの設置であるとか、あるいはまた消防車の
整備であるとかいう面につきましても、全部ではございませんが、若干今度の
予算で認められておる状況でございまして、
小牧の
事故後におきましての特に
管制を中心とする
対策につきましては、三十六年度である程度
実現々見たように考えております。