○吉村
委員 運輸大臣が行かれるそうですから、なるたけ運輸大臣に
関係する部門についてお尋ねしておきます。
今まで私は主として
国鉄の車両工場、この受け持っておるところの車両の検修というものについていろいろ
質問をいたして参ったわけでございますけれ
ども、これは先ほど来総裁が非常に主張いたしておりまする
ように、従業員の協力を得なければ
国鉄というものはやっていけない、こういうことと関連をするので、時間をかげながらやっておったわけですが、今
国鉄の中の特に下積みになっておるといわれますところの工場の職員はどういうことを言っているかといいますと、戦争後車両が非常に少なくて、しかもその
状態が悪かった時代には、毎晩々々、三時間、四時間、五時間という超過勤務をさせられながら一生懸命車両の保守に当たって、あるいは修繕の向上に努力をしてきた。ところがこの二、三年来車両の
状態がよくなったということで、先ほどの答弁に見られる
ように、今度は回帰キロを延長した結果、工事量というものが少なくなった、こういう
ようなことが
一つは原因をする、そういうことによってお前たちはもう不要なので、他の部門の方に回ってくれということが、非常に積極的に
国鉄当局から言われておるわけです。そういたしますと、素朴な気持としましては、一生懸命車両の検修なりあるいは修繕に当たってきて、その
状態がよくなればお前たちはもう不要なんだ、極端な言い方をしますと、首だ、こういう
ようなことになる。これはどういうわけなんだろうかという疑問を、素朴なるがゆえに持っておるわけです。従って、私は、この車両の検修の問題については、車両工場という修繕工場の運命といたしまして、車両の
状態なりあるいは全体の近代化なりというものが進むに従って、工事量が少なくなるのは当然のことだとは思うのです。しかし、そのことによって、そのしわ寄せというものが、職員にだけしわ寄せされる今の
状態というものは、決してその職員を満足させて
国鉄の運営について協力をさせる
意思を起こさせることにはならないのではないか、この
ように
考えざるを得ませんので、こういう点につきましては、むしろ今までの修繕なりあるいは
業務に貢献をしてきた者に対して、何らかの方法で安定をして現在の作業なり何なりというものに従事でき得る
ような施策を与えてやるということが、ほんとうの意味での協力体制を打ち立てるゆえんになるのではないか、こういうふうに
考えて、今までいろいろ当局の経営に対するあり方を尋ねて参ったわけです。そういう
ような素朴な気持を持って働いておる職員がたくさんおるわけですから、総裁もあるいは副総裁も、そういうことにつきましては今までの労苦というものを
一つ無にしない
ように、将来にわたって安定をして、そこで
国鉄に協力しながらやっていける、そういう
ような具体的な措置というものをとっていただく
ように、特にこの際お願いを申し上げておきたいと思うわけです。
それから
一つだけ付随をして申し上げますが、工場の要員問題についての対策
委員会の方からも話がありましたけれ
ども、
国鉄の職員の年令構成というものはきわめてまずい
状態で、ちょうちん型というふうに表現をされておる
ようですが、こういうふうになっているので、四十才以上くらいになれば云々ということが言われております。これは全般の問題でありますから、それらに対する
方針というものは当然これから樹立をしていかなければならない問題だと思うのですが、特にここで私が申し上げたいのは、
鉄道の車両工場というのは技術を主体としたところの職域でございますけれ
ども、これが全然ここ五、六年来新しい者が採用になっていない。そうしますと、現在の
国鉄の工場の職員の平均年令というものは大体三十六、七くらいになっているかと思いますけれ
ども、
あとが続いてこない、こうなりますと、修繕の技術に断層が起きてくる。こういう問題が当然現在起こっているわけです。これは今は問題はないにいたしましても、将来大きな問題になるだろうというふうに
考えざるを得ないわけですけれ
ども、こういうことに対する当局の具体的な措置、いわゆる修繕の技術というものをずっと継続させるためには、新規に青年層というものを採用していく、こういう
ような方向以外に道はないのではないかというふうに
考えられますけれ
ども、これに対する対策はどの
ように
考えられているか、お伺いしたいと思うわけです。