運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1961-02-10 第38回国会 衆議院 運輸委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年二月十日(金曜日)    午前十時四十三分開議  出席委員   委員長 三池  信君    理事 有田 喜一君 理事 生田 宏一君    理事 尾関 義一君 理事 川野 芳滿君    理事 高橋清一郎君 理事 井岡 大治君    理事 久保 三郎君 理事 山口丈太郎君       伊藤 郷一君    河本 敏夫君       佐々木義武君    壽原 正一君       鈴木 仙八君    關谷 勝利君       高橋 英吉君    塚原 俊郎君       細田 吉藏君    加藤 勘十君       勝澤 芳雄君    西宮  弘君       肥田 次郎君    内海  清君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 木暮武太夫君  出席政府委員         運輸事務官         (大臣官房長) 辻  章男君         運 輸 技 官         (港湾局長)  中道 峰夫君  委員外出席者         文部事務官         (管理局助成課         長)      井内慶次郎君         厚生事務官         (社会局保護課         長)      三浦 直男君         厚生事務官         (社会局施設課         長)      瀬戸新太郎君         農林事務官         (農林経済局参         事官)     松岡  亮君         通商産業事務官         (中小企業庁振         興部長)    川島 一郎君         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  広瀬 真一君         建 設 技 官         (道路局国道課         長)      谷藤 正三君         自治事務官         (財政局財政課         長)      松島 五郎君         日本国有鉄道副         総裁      吾孫子 豊君         日本国有鉄道常         務理事     中村  卓君         日本国有鉄道参         与         (施設局長)  柴田 元良君         専  門  員 志鎌 一之君     ————————————— 二月八日  港湾整備緊急措置法案内閣提出第一七号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  小委員会設置に関する件  港湾整備緊急措置法案内閣提出第一七号)  豪雪による運輸施設被害に関する件      ————◇—————
  2. 三池信

    三池委員長 これより会議を開きます。  小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。  わが国観光事業振興は、国民の生活に関与すること大きいものがあり、また外国人旅行者の誘致によって、国際収支の改善に資すること大なるものがあろうかと存じます。特に数年後行なわれるオリンピックを控えて、観光事業振興は緊急を要する重大問題であると思うのであります。つきましては、当委員会におきましても、観光に関する調査のため、小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 三池信

    三池委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  なお、小委員の員数並びに小委員及び小委員長の選任は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 三池信

    三池委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ————◇—————
  5. 三池信

  6. 三池信

    三池委員長 まず本案について政府当局より提案理由説明を聴取いたします。木暮運輸大臣
  7. 木暮武太夫

    木暮国務大臣 ただいま議題となりました港湾整備緊急措置法案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  港湾は、経済活動基盤であり、その整備が貿易の拡大、生産増強及び地域格差の是正をはかり、国民経済の健全な発展に寄与するために、きわめて重要であることは申すまでもないところでありまして、政府はつとにその促進をはかって参ったのであります。しかしながら、近年におけるわが国経済発展予想以上に目ざましいものがあり、さらに近い将来における飛躍的発展が考えられるのであります。このような事態にかんがみ、政府といたしましては、港湾整備について新たな構想のもとに、昭和三十六年度を初年度とする五カ年計画策定し、これを強力かつ計画的に推進することといたしまして、この法律案を提出するものであります。  次に、その要旨について御説明申し上げます。  まず、この法律目的について定めました。この法律目的は、港湾整備事業の緊急かつ計画的な実施を促進することにより、経済基盤強化をはかり、もって国民経済の健全な発展に寄与することであります。  次に、この法律でいう港湾整備事業範囲について定めるとともに、港湾整備五カ年計画策定手続を定めました。  運輸大臣は、港湾整備事業に関し、港湾整備五カ年計画の案を作成し、閣議決定を求めなければならないものといたしました。計画の案の作成にあたりましては、運輸大臣は、長期経済計画との関係において経済企画庁長官と協議することといたしております。  なお、港湾整備五カ年計画実施を確保するため、政府は必要な措置を講ずるものとすることといたしました。  以上がこの法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  8. 三池信

    三池委員長 次に、本案について港湾局長より補足説明を聴取一いたします。中道港湾局長
  9. 中道峰夫

    中道政府委員 港湾整備緊急措置法案につきまして、逐条的に御説明を申し上げます。  第一条は、この法案目的に関する規定でございまして、本法案港湾整備事業の緊急かつ計画的な実施を促進することによりまして、経済基盤強化をはかり、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とするものであることを明らかにしたものでございます。  第二条は、この法案でいう港湾整備事業範囲に関する規定でございまして、港湾整備事業とは、港湾施設建設または改良事業運輸大臣が施行するもの及び港湾管理者が施行し、その費用の全部または一部を国が負担しまたは補助するもの並びに運輸大臣が施行する港湾区域外の航路の建設または改良事業をいうものといたしておりますが、港湾施設建設または改良事業でありましても災害関連事業は含まないことといたしますとともに、災害によって失われた機能の回復を目的としたもの等は政令で除くことによりましてこれに含めないことにいたしました。  第三条は、港湾整備五カ年計画に関する規定でございます。すなわち、運輸大臣は、港湾審議会意見を聞いて、昭和三十六年度以降の五カ年間において実施すべき港湾整備事業に関する計画の案を作成いたしまして閣議決定を求めなければならないものといたしました。  この港湾整備五カ年計画には、当該五カ年間に行なうべき事業実施の目標及び事業の量を定めなければならないことといたしました。  また、この計画は国の長期経済計画との関係も十分に考慮して作成されなければなりませんので、運輸大臣は、この計画の案を作成しようとするときには、あらかじめ経済企画庁長官に協議しなければならないものといたしました。  なお、港湾整備五カ年計画については、港湾管理者事業計画等との関係が出て参りますので、計画閣議決定されましたときは、運輸大臣は、遅滞なくこれを港湾管理者に通知しなければならないことといたしました。  以上の港湾整備五カ年計画策定に関する手続は、その変更の場合にも準用されることといたしております。  第四条は、港湾整備五カ年計画実施に関する規定でございます。すなわち、この計画を確実に実施するためには、政府といたしまして、財政上からも行政上からも種々の措置を講ずる必要がございますので、このような規定を設けたものでございます。  以上、簡単でございますが、港湾整備緊急措置法案の内容につきまして御説明申し上げた次第でございます。
  10. 三池信

    三池委員長 本案に対する質疑次会に譲ります。      ————◇—————
  11. 三池信

    三池委員長 陸運及び国鉄の経営に関する件について調査を行ないます。  過般北日本を襲った大雪による運輸施設被害に関して質疑の通告がありますので、これを許します。高橋清一郎君。
  12. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 今回の北越一帯中心といたしまして裏日本積雪地帯を襲いました降雪は、数十年来の記録的な豪雪となりまして、あらゆる交通及び通信機関は麻痺いたしました。ひいては一般生産及び消費、文化等に対する被害は、推定でございますが、数千億をこえており、住民全般の社会不安はその極に達したのであります。私どもは、この被害をすみやかに回復しまして、再びかかる不安に遭遇することのないように、強力なる対策を樹立する必要を痛感するものであります。このことにつきまして、順次各省別質問を試みたいと思うのであります。  まず、国鉄当局でありますが、今回の大雪の時期というものが、年間を通じまして最も輸送の錯綜する年末であったということであります。そのために、列車のダイヤの全面的な麻痺となり、各駅におきましては立ち往生いたしました旅客列車が五十四本、貨物列車が七十二本でありまして、約三万余りの旅客が雪の中で正月を迎えるというような事態になったのであります。このために迷惑を受けました一般旅客方々並びに三日間にわたりましてこの乗客の応対に想像に絶する御苦労を続けられました国鉄職員の各位に対しましては、心から御同情申し上げなければならないと思うのであります。  この雪害にかんがみまして、この際当局にお聞きしたいと思いますことは、その第一点といたしまして、ああした場合におきましては、まず一番大事なことは、災害個所全般に関する情報を早く、しかも正確にキャッチいたしまして、旅客十分納得のいく説明をすることが大切であるのではなかろうかと思うのであります。さらに、あの当時の混乱を顧みますると、ああした場合、災害情報を早くまずキャッチいたしましたならば、不通になってしまったという、その不通区間に向かって運転する列車打ち切り手配責任者が積極的に行なうという必要があるのではなかろうかと思うのでありますが、この態勢も十分できていなかったように思われるのであります。まず、この点について当局はどのように反省しておられますか、御意見を伺いたいのであります。
  13. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 先般の雪害は、四十年来の雪害ということでございまして、全く予想外の大きな降雪でありましたために、大ぜいの方々に御迷惑をおかけいたしましたことにつきましては、全く申しわけなかったと思っているのであります。ただいま先生からお話がありましたように、今度の大雪のために、通信機関等についてもあちこち障害が起こったようなこともありまして、通信連絡情報のキャッチというような点で欠陥を生じましたことは、これまたまことに遺憾であると思っておる次第でございます。ただ、ただいまの御質問は、ああいう大雪の際に、現地の情報を確実に入手して、列車運転についてもすみやかに打ち切るべきものは打ち切るというような処置をとるべきではなかろうかという意味のお尋ねであったかと思うのでございまするが、この点につきましては、国鉄といたしましては、雪の場合にはできるだけ列車を通すということによって、また雪の被害を未然に食いとめ得るという点もございますので、雪に対しては従来も今後もできるだけ運転をやめないでいく、やめないで済むように設備も改善し、処置も講じていきたいと思っております。  また、実際問題といたしまして、雪の降りますのは局地的に降るわけでございますから、たとえば東京の上野駅というようなところでは、裏日本にいかに大雪が降っておりましても、お天気はいいわけでありまして、お客さんも非常に大ぜい押しかけてきておられますし、それらの方に対して、今雪が降っておるから列車をとめます、一まずお引き取り下さいというようなことはそう軽々しくはなかなか言えるような情勢でもございませんし、鉄道といたしましては、やはり汽車を動かすというのが本来の使命でございますから、雪が降りましても、できるだけ汽車を動かすという建前で今後も進みたい、そのように考えておる次第でございます。
  14. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 それにちなみましてのことでありますが、私は、この際、特に冬季積雪に悩みますところの裏日本一帯における国鉄情報体制というものを整備強化する必要性を強調いたしたいのであります。  まずその第一は、現在国鉄電話線はほとんど裸線電柱架設によっておるのでありますが、これでは冬季におきまして断線事故があたりまえであるということになるのであります。これはどうしても埋設ケーブル方式にしなければならないと思うのであります。これが第一点。  次は、雪害事故現場情報のすみやかな伝達のために、移動式小型無線機がどうしても必要であるということであります。この点について伺いたい。  次は、マイクロウエーブ網でありますが、これをどうしても一つ裏日本にも延ばしていただかなければならぬのであります。御存じのように、現在マイクロウエーブは、北は札幌から南は鹿児島まで幹線を貫いておるのであります。このマイクロウエーブ網というのは、すでに整備されていると聞いておるのであります。ところが、裏日本側へは遺憾ながら延びていません。現在支社のある場所マイクロ網に入っていないというのは、私の地元の新潟支社だけであると聞いておるのでありますが、これはぜひ一つ早急に整備していただかなければならないと思うのであります。この点について伺いたい。
  15. 柴田元良

    柴田説明員 ただいまの御質問に対してお答えいたします。  マイクロウエーブ整備の問題、これはケーブル化の問題とも関連いたしまして、全国的にどういうふうに整備をいたしますか、種々過去において検討されております。ただいま先生がおっしゃいましたように、現実にはマイクロウエーブは表幹線完成をいたしておりますが、裏につきましては、秋田の局は完成をいたしております。それから金沢の局はこの四月に完成をいたします。新潟は来年のおおむね七月ごろ、こういうふうに予定をいたしております。  なお通信線ケーブル化、これは国鉄は特に交流電化区間、それから東海道など、通信の非常に輻輳いたします区間につきまして過去努力をして参っておりますが、先生の御指摘のございました豪雪地帯におきまして、特に直江津中心に今回通信障害が起こっております。この区間及び信越の一部につきましては、本年度より地下埋設ケーブル化のための工事をただいま計画いたしております。できるだけの努力をいたすつもりでおります。
  16. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 次には国鉄除雪法であります。雪のけのやり方についての批判でございます。常に技術の近代化を誇っております国鉄にありまして、近ごろずっと見て参りましても、どうも依然として昔と変わりばえがない。旧態依然の方式にたよっているように感じられるのであります。つまり国鉄除雪車現有数、これを調べてみたのでありますが、単線ラッセル百九十七台、複線ラッセル三十八台、広幅のものは二十五台、ロータリーが十九台、かき寄せと申しますか、これが十九台、ローダー一台、合計いたしまして二百九十九台と聞いております。しかしながら、これらはいずれも機関車の力を借りて出動するというものであります。従いまして、機動性に乏しいという欠点を免れないのであります。今回の場合におきましても、各所でこの欠点が露呈されまして、その結果除雪に依然として人間の力にたよる面が多くなるのであります。国鉄では現在年間約五十万人もの除雪人夫の手を借りておるという実情のようでありますが、これではやはり自力で走って機動性に富んだ除雪を行ない得るところの、専門語でありますが、モーターカーラッセルとかディーゼルロータリー式雪かき車整備がぜひ必要だと思うのであります。そのほかに、今回の雪害の処理にかんがみまして、よくいわれております流雪溝であります。これの整備であるとかその改良、続きましては各地からの助勤者に対する装備寝具、給食というようなことが不円滑でありまして、十分な活動ができなかったというような、いろいろな問題点があるようでありましたが、この点につきましても、当局の今後の真剣な恒久的な雪害対策の樹立とその実施を望みたいのでございます。まずこの点について伺いたい。
  17. 柴田元良

    柴田説明員 お答えいたします。  国鉄除雪機械化の問題でございますが、先生も御承知通りに、国鉄は、営業約二万キロのうち七千七百キロが雪の被害を受ける区間に一応なっております。特に豪雪地帯は二千二百キロ、一応そういう区間が何らかの格好において雪の被害を受けております。雪と戦うということは、冬季になりますと、私ども線路を担当いたします者としては、これはもう真剣な問題でございまして、このために最大の努力を過去においてもして参っております。こういった長い歴史の中で、除雪機械化というものがアメリカに発達いたしましたものをまねながら、営々努力いたしまして今日の体系ができたわけでございます。ただいま先生のおっしゃいました機械化の中には、もちろん今日の時勢に合わないものもございますけれども、現在約三百に近いものが冬季、雪を迎えますために豪雪地帯にあらかじめ配備されておりまして、こういったものが活動するわけでございますけれども、特に北陸、あるいは輸送力が非常に伸びて参りました区間につきましては、施設弾力性をだんだん失っております。従いまして、輸送をする列車とそういった機械活動というものがしばしば競合いたしまして、結果的には、場合によりまして十分な活躍ができなくなる。また、雪の量によりましてもしばしば活動ができない。特に今回の特徴といたしましては、吹雪が非常にひどかったということでございます。この吹雪は、どういう機械を用いましてもなかなかこれを除雪するということは困難でございます。こういった事情もございまして、あの混乱を起こしたわけでございます。  先生お話モーターカー中心にいたしました除雪は、これはあくまでも雪が少ない間の除雪で、簡易な、しかも機動的に随時出ていくもの、こういう考え方に発達をいたしておりまして、今日これは北海道で非常に成果を上げております。今後こういった除雪モーターカーを使うという考え方は、もちろん裏縦貫につきましても十分整備して参りたいというふうに考えております。  それから今回問題として私どもが反省いたしておりますものの中に、ロータリー動力が蒸気であるということがありますが、これは非常に問題がございます。これにつきましても、この動力ディーゼルに切りかえる、こういった趣旨で本年度施策をいたしまして、ただいま北海道で実はその性能につきまして十分検討いたしておりますが、今後こういった面に除雪機械化発展さしたいというふうに考えておる次第でございます。  そのほか、特に流雪溝中心にいたしました除雪設備の問題でございますが、流雪溝も、ただいまのところ全国に約二百二十キロくらいございますが、さらにこういった設備の現状を考慮いたしませんと——実は流雪溝はやはり水が大事でございます。あるいは流れなければならない。いろいろな地形的な制約もございまして、場所によりましてなかなか困難でございますが、ただいまの計画におきましても、特に北陸その他、現在の能力の三割ないし四割程度はどうしても必要である、こういうふうにして具体的な工事計画をただいま立てております。できるだけ早く着工する、こういうふうに考えております。  その他、防雪林につきましても同様に考える次第でございます。  それから助勤者装備その他ただいまいろいろお話がございました。雪につきましては実はやはりなれてないとなかなか作業ができません。従いまして、助勤いたします者はいわば隣接の比較的暖かい区域職員が多いわけでございます。御指摘のような寝具あるいはその他食糧、そういったものにつきましても、できるだけ考えて参らなければならないと実は考えておる次第であります。
  18. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 次に、今回の雪害が数十年ぶりの異常豪雪でありましたし、その時期が年末の繁忙期であったとは申しましても、国鉄の発表によりますと昨年末までの雪害額と申しますか、これが減収分で約十四億、除雪関係の経費で約七億というような雪害があったのであります。このほか金銭で換価できないと考えられまする一般旅客の迷惑、時間的なロスであるとか、物価の高騰などの国民経済的な損失を考慮いたしますると、前に述べました雪害対策というものの早急実施はもとよりでございますけれども、やはりこの際でございますので、裏日本一帯地方は、毎回私は申し上げるのでありますが、ひがむわけではございませんけれども、とかく表日本の日の当たる場所と違いまして万事があと回しにされがちな地方でありますが、この際でございますので、一つ国鉄関係鉄道輸送力も、こうした感じを持たれることのないように、ぜひ一つ一段の今後の工事建設計画と申しますか、たとえて申しますと、上越信越両線の整備拡充はもとよりでありますし、羽越本線等、これらの裏縦貫鉄道整備必要性を今回の雪害にかんがみましてこの際特に強調いたしたいと思うのであります。国鉄当局から、この際でございますので、この問題に関しましての工事計画がもうできていると思うのであります、詳細な御説明を承りたいと思います。
  19. 柴田元良

    柴田説明員 ただいま裏縦貫中心にいたしました複線化電化というような輸送力増強計画といったものにつきましては、もちろん予算の御決定をいただきませんと進まない問題でございますが、一応私ども計画いたしておりまする範囲におきまして簡単に御説明申し上げたいと思います。ことに複線化の問題につきましては、御承知通り北陸線はできるだけの努力をいたしまして複線化を続けておりますが、おおむねただいま策定いたしましておりまする新五カ年計画の四十一年三月には大体直江津までが予定されております。それから上越につきましては大体四十三年三月完成予定でございます。そのほか部分的な線路もしくは中間に信号所を設けて増強をする、こういった計画でございます。なお電化につきましても、おおむね富山までが一応計画としては三十八年四月というふうになっておるわけでございます。
  20. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 続いて農林省関係にお伺いいたしますが、過般の農林委員会においてもおそらく話題になっただろうと思うのでありますけれども農作物被害、特に果樹被害が大きかったことは御存じ通りであります。相当の件数が考えられておるのでありますが、この復旧につきまして万全の措置をお願いしたいのでありますけれども、これに関連いたしましてまず関係県民が非常に関心を持っておりますことは、復旧のための資材確保に要しますところの低利資金融資というものはどういうふうになるであろうかということであります。もう一つは再生産に要する営農低利資金融資、この二点についてでございます。
  21. 松岡亮

    松岡説明員 今回の雪害によります農作物被害及びその他の果樹だな等の被害に対します金融措置につきましては、ただいま農林省といたしましてまず被害の実態を調べるように努力をいたしておるのでございます。何分にも雪の下にありますために十分に被害の状態がつかめないといううらみがございますけれども、それはそれとしまして調査を進めつつ、一方どういう金融対策がとれるかということについて検討を進めておる次第でございます。  対策といたしまして考えられるのは、まず第一に天災融資法の発動であります。しかし何分にも作物の被害に対する融資ということでございますので、作物の被害がどうなっているかということが判明いたしませんと、これについて現在どうするということを申し上げることは、一応まだその段階に至っておりません。  第二は、自作農維持資金でございますが、これも大体天災融資法と同じような条件のもとで使われるということでございまして、これもやはり被害の実態の判明を待たなければならないということでございます。  第三には、果樹だなの被害であります。これにつきましては、もちろんこれも被害の実態が判明しなければならぬのでありますが、天災融資法のように政令によって指定するというような手続を要せずに、大体被害がわかりまして必要があれば、これは通常の行政措置によって融資措置がとれるのであります。またそのための資金のワクもございますので、これについて目下寄り寄り検討を進めておる段階でございます。
  22. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 次に建設関係でございますが、四点についてお尋ねしたいと思います。  国鉄でもこれは心配していることでございましょうけれども、どうしてもやはり建設関係との連関が多いのであります。まず国庫補助によりまする除雪機械、これをこの際でございますので大幅に増強整備し得まする予算措置を講ぜられる御方針であるかどうか。二点は、市街地の主要部分に対しましてやはり先ほど申しました流雪溝、こうしたものの設置に対しまして国庫補助の方途を講ぜられる御意思があるかどうか。なだれ防止、雪害防止工事費の大幅な予算措置を講じていただきたいがどうか。最後に、公共建物は、これは耐火構造の堅牢な建物としていただきたい。これは原則といたしまして豪雪地域内の標準建設費を実際に即して定めていただくというほかに、なるべくこれは一つ有効適切なる助成措置をお考え願いたいということの四点について、お伺いをいたしておきたいのであります。
  23. 谷藤正三

    ○谷藤説明員 質問の中の前の三つの点でございますが、四の点は私の方の道路局の所管になっておりませんので、住宅局が来ておりませんのであとでお答え申し上げます。  第一点の建設機械の補助につきましては、三十二年に積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法が通っております。それによりまして従来から雪寒事業というものを立てております。三十三年から三十五年までの間に約七十三億をそのために使用しておりますが、その中にも建設機械の補助が入っております。今度新しく改定になります新五カ年計画につきましても、同様に大幅な雪寒事業実施するつもりで目下策定中でございますので、まだ確定いたさないうちは申し上げるわけにはいきませんが、前よりもはるかに大幅なものを考えております。  第二点の流雪溝につきましては、これは先ほども話がありましたように、流雪溝を作る場所につきましては特異性がございまして、一定の流速のある勾配の場所でないとそういう構造物が作れません。また作る場合にいたしましても、これは道路の改良工事と同時に施行すれば足りることでございますので、特別に雪寒事業として流雪溝を作るということは考えておりませんが、現在の改良事業と並行いたしまして流雪溝のできるところについては作る、ほかの除雪方法でできるところはその方法でやるというふうに措置いたしております。雪寒事業改良区間の総延長は約二万二千キロございますが、現在の段階で実施いたしております総延長は、雪寒事業による部分が約一万キロ、その他のものを合わせまして一万二千九百七十九キロというものを除雪いたしておりますが、これも今度の雪の場合は短時間に非常に大きな雪が降りましたため、その除雪延長の中に入っておる区間の中でも除雪機械の方が間に合わない。一駅当たり実際に持っておりますのは約二十台ないし三十台のブルドーザーあるいはグレーダーでございますので、ああいうふうな雪に対しましては総動員いたしましても除雪の時期的なおくれを来たすというふうな結果になっております。その点につきましては、一、二項の両方合わせまして今後のこういう問題に対応できますように対処いたしたいと思って一おります。  第三項のなだれ防止の問題につきましても、これも流雪溝の場合と同じような条件でございますので、なだれ防止の中のなだれの設備に対しましては雪寒事業実施いたします場合と、もう一つ改良工事実施いたします場合と両方の処置が講ぜられるようになっておりますので、その地区の改良事業に従いまして、すでに使える部分につきましては雪寒事業で一部実施せられまして、未改良部分につきましては改良の時期に応じまして同時に施行できるように措置いたしております。  以上でございます。
  24. 細田吉藏

    ○細田(吉)委員 建設省の方に今の問題に関連いたしましてお尋ねをいたしたいのであります。  私は過般新潟、山形両県下を雪害の視察に回ったのでございますが、私が参りました際でも新潟県はバスが一〇%も動いておらない、こういう実情でございます。また路線のトラックは平常時の六%くらいしか動いておらない。また区域のトラック等につきましても、新潟では一月の累計で保有車両の一二%しか動いておらない、こういう新潟陸運局からの報告でございます。山形県、秋田県は若干その率が高いようであります。私どもはバスで参りましたが、雪のうんと積もりました暮れから一月の初めは全部ストップでございまして、今申し上げた数字は、私どもが参りました一月の末くらいでなおかつこのような状況でございます。他の山形あたりでバスがまだ四十数%しか動いておらない、こういう実情でございました。そこで私、非常に心配しなければならぬと思いますことは、今回のいわゆる所得倍増計画の中で、全体の旅客なり貨物なりの動きの中で鉄道の伸びる率は低く見まして、道路へうんとロードをかけるような計画になっておるわけであります。これは御承知通りだと思います。そこで今後二兆一千億でいろいろ道路の整備をするわけでありますけれども、幾ら整備をいたしましても、たとえば新潟でも山形でも秋田でも県外の輸送はほとんどとまる。これがしかも本年の異常な雪害だけでなしに常時とまるような状況にあるということは、私非常に重大な問題ではなかろうかと思うのであります。そうしますと輸送計画というものについて、常時降雪雪害のあるような地域についてどう考えるかということは私は非常に重大な問題をはらんでおると思います。先ほど高橋先生からもお話がございましたが、鉄道強化ももちろんやらなければいかぬと思いますけれども、雪が降って自動車が手をあげたらどんどん荷物は鉄道に来る。そのときに鉄道にうんとロードがかかるということで、これは現在の輸送の実情で非常に困っておるわけであります。青森、秋田、山形、新潟それから北陸三県いずれも自動車が通えないために鉄道にうんとかかってくる。鉄道輸送力が不足いたしまして必ずしも円滑にいっておらない。これはことしだけの問題でなくて、将来の問題として非常に大きな問題だと思う。そこで問題は、常時雪害のあるような地帯の輸送というものを一体どう考えておるか。徹底的な除雪なり、冬季でも少なくとも一級国道、一級国道は常時使えるという態勢にするような配慮がなければ、根本的に考え直さなければいかぬ、こういう感じがいたすのでありまして、運輸委員会として非常に重大な問題だと思います。今後の冬季の道路輸送をどういうふうに考えるか。今日は課長だけしかおいでになっておらないようでありますが、建設省として、ないしは政府全体としてどう考えるかということの基本的な態度をきめる必要があると思います。先ほど機械の補充金の話が出ましたが、そんな程度の考え方ではいかぬのじゃないか。当てにならない交通路を当てにするというところに非常に大きな不測の迷惑がかかるのではなかろうかと思いますので、そういう点に対する考え方を伺わせていただきたい。
  25. 谷藤正三

    ○谷藤説明員 局長が建設委員会に出席しておりますので、かわりまして私から御答弁いたします。  ただいまの状況で東北あるいは北陸につきましては除雪の準備が非常に悪い。これは事実でありまして、整備の方の点も非常におくれております。実際の現在やっております大臣指定の直轄管理をいたします路線は、内地で三百五十キロ、北海道で一級が二百十四キロ、二級が百二十四キロ、合計いたしまして六百八十八キロであります。従いまして現在の東北の中で申し上げますと、福井県では福井市を中心といたしました部分、あるいは石川県の中では金沢を中心にしました部分と、東北に入りましてから山形から新庄まで、それから青森の一部分、それから四号国道に参りまして、岩手と宮城につきましては岩手まで、それだけが大臣の直轄管理をいたす区間でございまして、ほかの新潟の方には大臣が直轄管理をいたす区間はございません。直轄管理区間につきましては、毎日無線を配置しましたパトロール・カーが、日に二回ずつ運行をいたしております。除雪につきましても、普通の修繕につぎたしても同様に、昼夜兼行で交通確保に努めておるのであります。従いまして指定区間の部分につきましては、この前のような大雪がございましたときでも、一日ないし一日半くらいで交通を確保いしております。ところが県知事の方で管理をいたしますほかの一級国道並びに二級国道につきましては、先ほども申し上げましたような関係で、除雪機械が間に合わないというふうな問題がありまして、その除雪の時間が非常に延びておるというのが現況であります。今度の五カ年計画によりまして、一級国道は昭和四十年には概成いたすことになっております。概成いたしますと、当然一級国道については建設大臣の直轄管理に入って参りますので、そのときになりますと、除雪につきましても全面的に実施いたすことになる予定でございます。これはほかの国でもやっておることでございますので、道路の除雪が不可能であるということは私らは考えておりませんので、今の状態でいきますと絶対に確保できるという自信を持っております。現在のところは各県境の部分につきましては、東北、北陸の県境部分は全部未改良区間に入っておりますために、大臣の指定区間に入っておりません。従って県境については交通が確保できないというような状況を呈しておることはまことに遺憾でございますが、できるだけ早く整備をいたしまして、そういう指定区間に入る区間をふやすように努めていきたいと思っております。  以上でございます。
  26. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 次に中小企業庁の方にお伺いいたしますが、この雪害によりまして崩壊した中小企業者の工場の復旧工事費に対しまして、国からの何らか親心の御抱負がないかということ、あるいは特別低利融資の道はないものだろうかということだけをお聞きいたします。
  27. 川島一郎

    ○川島説明員 ただいまの、特に今回の雪害に対しまして低利融資を適用するかどうかという点でございますが、従来からのいきさつによりまして、全体といたしまして、例の台風その他の災害に対しましたと同様の低利融資をやるという方針がきまりますれば、それに応じまして、中小企業庁としても善処するというふうに考えております。
  28. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 雪害によって学校が崩壊したのであります。私の地元で、鉄道線路のすぐわきにございます学校の体育館が崩壊いたしました。この問題でございますが、こうした場合に公立学校施設災害復旧費国庫負担法の適用があるかないか。もっと一歩を進めさせていただいて、なるべく早く何とかしていただきたいということでございます。もう二、三時間あの崩壊がおくれますと、あの体育館を利用しなければならぬ場面がございまして、えらいことになったのでございますが、幸いにいたしまして時間をそれたために傷害がなかったのであります。非常にしあわせなことで、不幸中の幸いでこざいましたけれども、あと生徒も非常に困っております。早急に何とか目安をつけてもらわなければならぬということでございます。お考えを承りたい。
  29. 井内慶次郎

    ○井内説明員 先般の雪害で公立学校の受けました被害は、八県で約五百校に及んでおるように報告を受けておりますが、この雪害につきましては、ただいまお尋ねがございましたように、公立学校施設災害復旧費国庫負担法を適用いたしまして、三分の二の負担率の負担を行ないたい、かように考えております。ただし各地方とも積雪が非常に多うございまして、ただいまのところ約五百校のうち三十校弱から申請が出て参っておるような状況でございます。  ただいま具体的に御指摘のございました新潟市の屋体の問題につきましては、被災後直ちに市当局の方からも詳細な報告を承っております。この扱いにつきましては、文部省といたしましても、できるだけすみやかにその復旧に着手いたしたいと考えておりますが、先ほど申し上げましたように、申請の出方がまだ全部整いません関係もございますし、立会調査の日程がございますので、ただいまのところいつ現地調査等を行なうというようなところまで日程がきまっておりませんで、まことに恐縮でありますが、できるだけ早く復旧に着手いたしたい。なおこれが復旧に要します財源の措置につきましては、ただいま大蔵省と話し中でございますが、三十六年度の予備費で措置するようになるのではないか、かように考えております。
  30. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 次に厚生省関係でありますが、豪雪地帯におきましては、一般生活費のほかに、今のような除雪、雪囲い、こうしたものの特別経費の累増を来たすのでございますから、まずこれらの経費を、現行の生活保護の基準額に追加算入していただくことができぬかというような問題で、もう一つは、社会福祉施設の運営費の中に、ただいま申しましたようなこうした豪雪地帯に対する特別経費を算入するということはできないかということでございます。この二点についてお伺いいたします。
  31. 三浦直男

    ○三浦説明員 寒冷地帯の保護基準の中に、特別にそういう必要経費を認める必要はないかというような御質問でございますが、現行におきまして、特に積雪寒冷地帯ということではございませんが、寒冷地帯の冬季の特殊事情を考えまして、現在冬季加算という形で十一月から三月までの特別の経費を設けてございますが、今御質問のような趣旨につきましては、今後十分検討をいたして参りたいというふうに考えております。
  32. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 最後に、自治省の松島財政課長にお尋ねいたします。あなたのよく御存じのように、積雪寒冷地がいかに地域差的な感情を持ち、何とかその是正をはかってもらいたいという希望のあることは、あなたが寒冷地の総務部長をしておられた御経験を持っておりますだけに、よくわかることと思うのであります。こうした寒冷地に即しました財政制度の改善をはかるというような御決意について、お聞きしたいのであります。
  33. 松島五郎

    ○松島説明員 ただいまお尋ねのございました寒冷地帯の地方財政の問題でございますが、地方交付税の配分にあたりましても、御承知のように、寒冷補正というような通常の算定方法では捕捉されません経費を算定するために、かさ上げする方法を講じております。なお、このやり方は過去においてもやってきたところでございますし、また将来にわたってもなお検討を続けて、できるだけ実態に即するような方向に持っていかなければならない、そう考えておる次第であります。  なお、今後の雪害に伴います対策につきましては、ただいま各省の方々から申されましたように、それぞれ各省の行政の分野で御措置があるものと考えておりますが、私どもといたしましても、地方団体全体の経費増高の面につきましては、特別交付税の配分にあたりまして十分考慮して参りたい、かように存ずる次第でございます。
  34. 高橋清一郎

    高橋(清)委員 最後に希望だけ付言して終わりますが、このようにいたしまして、今回の東北地帯、並びに北陸地方におきましては、年々積雪寒冷というものがもたらしまする地域差というものに悩まされておるのであります。以前から降雪対策の急務が叫ばれてきたのでありまするけれども、はからずも今回の事件を契機といたしまして、より一そう、災害による農業生産の低下、地方産業の停滞を初めといたしまして、広く住民生活の後進性を解消いたしまして、これらの関係住民の福祉増進を願う声がにわかに高まってきたのであります。各省に一々来ていただいて御迷惑でしたのでありますが、よく事情を御勘案賜わりまして、各省におきましてもあとう限りの親心の御発揮をお願いいたしまして、私の質疑を終わります。
  35. 三池信

    三池委員長 久保三郎君。
  36. 久保三郎

    ○久保委員 時間もありませんし、私の方は実態調査を最近いたしますので、その際それに基づいてしかる後御質疑申し上げますが、さしあたり運輸省、国鉄建設省にお伺いしたいと思うのですが、その他の方々は、私の質問には今日、用がございませんから……。  まず第一に、建設省国道課長でありますか、お尋ねを申し上げたいのですが、先ほど細田委員質問に答えられたことは、どうも建設大臣直轄の方はうまくいっているので、あとの分については僕は知らぬとは言わなかったが、これはどうも各県でやっているので思うように参りません、こう言われるのですが、そういうことを聞いているんじゃないのだと私らは思うのです。国道であるというから、もちろんあなたは国道課長でありますから、その国道以外のことについては所管外でありましょうが、少なくとも国道と名のつくもの、これには責任を負われたと思うのであります。この部面でお尋ねをしたいのであります。  今度の雪害に対して、防雪というか、そういうものに対して、先ほどの御説明では、自分の所管しているところは大よそ一日に一回くらいは通した、こうおっしゃるが、こういうことでは、先ほど細田委員からお話があった通りであります。これに対してどういう方法をやったのか。私はまだ現地を見ておりませんが……。それから、これに対してもう少し詳細に対策をどう考えているか、建設省あるいは国道課として。この点をまず第一に御説明をいただきたい。
  37. 谷藤正三

    ○谷藤説明員 私の言葉に非常に誤解がありましたようでございますが、国道に関しましても、あるいはほかの地方道に関しましても、建設省といたしまして、交通確保に対しては責任がないということではございません。これはただ道路法に基づきまして管理者が違います。違いまして、同時にまた、それに対する装備の配分が違うということを申し上げたつもりでございます。直轄の管理の道路につきましては、装備も相当持っております関係上、確保に対しましても、できるだけ整備の終わりました道路につきましては、除雪の方も順調に終わっておる。すぐというわけにはいきませんでしたが、とにかく比較的順調に仕事が進みました。ただし二級国道以下の、知事が管理している道路につきましては、県としましても全力を尽くして努力しておりましたけれども、持っております装備が大体二十台ないし三十台しか持っておりませんために、結局あれだけの大雪に対しましては、その装備がフルに動きましても除雪の時間が非常におくれたこういう事実を申し上げたわけでございます。最初に、高橋先生の場合に申し上げましたように、雪寒法に基づきまして、建設省といたしましても、毎年除雪あるいは防雪機械というものにつきましては補助を出しております。その補助によりまして、各県知事が管理する道路につきまして除雪を行なっておるわけでございます。決して、建設省が無責任なことで知らないというふうに申し上げたつもりはございませんので、その点誤解のないようにお願いいたします。
  38. 久保三郎

    ○久保委員 誤解はしていないので、ただそういうふうに言ったのではないでしょうがということでありますから、誤解のないように……。(笑声)  ただ、お聞きしたいのは、これは時間もありませんので、国道課長、おそれ入りますが、道路に対しまして、先ほど細田委員指摘された通り被害地においても全体的に——これはあなたの所管ではないかもしれませんが、私道もありましょうし、県道もありましょう。だけれども建設省として、バスが、先ほど御指摘のような、一月の末になってもなお四割ぐらいしか動いていないというようなこと、これはゆゆしき問題だと思うのです。これに対してどういう対策をとられるのか。これについては一つ、ここで御答弁はいただけないと思うから、これは本委員長を通して、文書でもって、対策をどう考えられているか、御説明をしていただきたい。これは要望をしておきます。  それから次に、これは国鉄でございますが、先ほど高橋委員からお話がありましたけれども、たとえばこの気象関係に対して非常に関心が薄かったというか、年末年始の輸送というものと天びんをかけて、早くいえば輸送に焦点を向け過ぎて、気象庁発表の積雪というか豪雪警報というものに対して、何というか、非常に軽く見たといっては語弊がありますが、これを一枚下に見て強行してきたのではないか。そこに、今度の何万人かの人間が四日も五日も立ち往生ということがあったり、さらに、これの回復に対しても非常な混乱が出てきた原因があるのではないかと思うのですが、これはどうでしょう。
  39. 柴田元良

    柴田説明員 ただいまの先生の御質問にお答えいたします。  気象関係につきまして甘く見たのではないか、こういうお話でございますが、実は気象発令とこれに対する判断、これは冬になりますと特に杞憂されますものは気象の発表でございます。ただ、今日の気象の発表の方式から申しますと、大雪が降る、もしくは風雪が強まる、その他二、三種類ございますけれども、それにつけ加えて、海岸地帯には何センチ程度降る、山沿いには何センチ降る、おおむねこういう形式の発表でございます。こういった発表は例年繰り返されるわけでございまして、今回の気象の、たとえば大雪になりました二十九日、三十日から三十一日にかけましての気象の発令の状況に対しての判断も、おおむね、私どもはそういう従来の発表、それに積雪の量が少し多いというふうな程度の御発表と考えております。これに対して、現実に私どもが雪について、それではどこを一番たよりにするかと申しますと、各地に配属されております、われわれの言葉で申し上げますと線路班、こういったところの日々の積雪の測定、こういうものを判断の資料にいたしながら、気象庁と絶えず連絡をとってやっておるわけでございます。雪について一番密接にデータをつかんでおりますのは、線路関係者でございます。こういった判断から、今回のあの大雪が予測できなかったかという点につきましては、これはほとんど予測することは私どもとしてはできなかったのじゃないか、こういうふうに考えておる次第でございます。たまたま年末の強行輸送という問題と気象との関係、この判断は非常にむずかしい問題でございまして、先ほど副総裁から御答弁がございましたけれども、当時支社対策本部を設けまして、あるいは本社におきましてもそういう判断を幹部もいたしまして、しかし、結果的には当時の輸送の要請の強さから、ある程度列車を出さざるを得なかった、結果的にああいう混乱になった次第でございますけれども、この辺の判断につきましては非常に苦慮いたしましたことは事実でございます。また雪に対する判断につきましても、特に現地としましては過去のいろいろな資料も判断しながら対処する準備をいたしましたことは事実でございます。
  40. 久保三郎

    ○久保委員 御苦労のほどはわからないわけではないのでありますが、結局結果論からいけば、列車豪雪にもかかわらず新潟管内に特に集中していってしまった、そこで膠着してしまったというような事実を見れば、なるほど線路班から積み上げて各鉄道管理局そして支社、ここまでは一応予測されたのではなかろうか。ところが、支社間におけるところのいわゆる運転計画というか、そういうものに対して、ここで反省すべき必要がありはしないか。たとえば東鉄は送り出す一方、これは輸送重点。ところが受ける方の新潟豪雪に対する防御、実はその間の調整がうまくいかなくて、途中で立ち往生した、こういうことも言い得るのではなかろうか。こういうことのコントロールというか統制というか、そういうものが欠けているのではなかろうか、こういうふうに思うのです。もちろん年末でありますから、送り出すたくさんの人間あるいは荷物をかかえて、一刻も早くはき出したいというのは人情です。ところが全般をコントロールするものが、この間の雪害対策一つの穴だと思う。本社において雪害対策本部を作ったのは幾日でしたか、三十日か三十一日じゃないですか。そうでしょう。そこに問題がある。雪は幾日から降ったか、二十六日から豪雪の予報があったでしょう。しかも気象庁から配付された資料を見ても、気象庁は万全を期したという。二十七日の十時には新潟には大雪が降るという警報を出しておる。だから今の対策、いわゆる支社間の問題について一つ反省されるのが当然だと思うがどうかというということをお答え願いたい。  同時に、各鉄道管理局ごとに対策本部を作られたようであります。これはある新聞紙の報道するところによれば、金沢鉄道管理局の対策本部は三十日の夜八時にはだれも人がいなかったという。それから一日の日にもいない。これは権威ある新聞が書いている。私は現地に行って調査しませんからわかりませんが、だとすれば今の集中管理方式がどこへしわ寄せになったかというと、気象庁のきょう配付になった資料の一番先に何と書いてあるか、「駅長は悲しからずや」という。その結果が現場の駅長がてんてこ舞いで情報もとれない、乗客からはつるし上げられる、混乱を来たす、一手に引き受けてこれをやっている、こういう管理方式欠点があるという。これは鉄道経営全体にも同じような問題がある。三十日に雪害対策本部を作りながら、その晩の八時には本部には人がいないという。ところが、コントロールするところのオーソリティというか権威はこの者が持っている。現地末端の駅長は持っていない。しかも情報網は、いわゆるディスパッチャー、司令電話にしても、さっきの答弁では、列車の運行を指図するだけであって、情報を伝えるところのあれはないという。これでどうしてうまくいくはずがありますか。これが第二点。  第三点は、先ほど施設局長お話では、各線路班が積雪をはかっていると同時に、除雪するところの人夫の対策を立てておきながら、実態はどうであったかというと、所要の人間が集まらぬ、とうとう最後には金を少しよけい上げて、やっとこすっとこ集めたというのが実態ではないか。この辺に問題がある。  さらにもう一つは、送り出されたところの乗客に対するたき出し、作業員に対する問題も先ほど御指摘があったが、これに対する対策が何らない。早急に手配するところがない。ないところで、こういうことが起きたから、必要以上に長時間乗客、荷物を滞留させた。さらにその後の混乱も出てきている。こういうことだと思う。  こういう問題についてはどう考えられるのか。これに対する反省と検討がなければ、金を使おうが機構を改めようが、何もならない。これに対して副総裁の御答弁を願いたい。
  41. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 ただいま御指摘のございました、豪雪地帯支社なり管理局と、旅客あるいは貸物の送り出しの方の地帯の支社、管理局等との間の情報の交換、連絡について不十分な点がなかったか、また、それぞれ雪害対策本部というようなものを作っておったようだけれども、実際には人がいなかったというようなお言葉がございましたが、本社がはっきり雪害対策本部という看板をかけましたのは、確かにお言葉の通り三十日であったと思います。しかし連絡はそれぞれの立場でとってはおったのでございますけれども、この点は、今から考えますと、いろいろ不十分な点もあったと思われます。そういう意味では、私どももこの点については十分反省をし、今後再び同じような失敗を繰り返さないように、なお一そう努力をいたしたいと考えておる次第でございます。  それから除雪のため必要な人夫の動員その他について、これはたまたま年末年始という時期に際会したということも相当影響したと思うのでございますが、それらの手配について万全ではなかった点も、おっしゃる通り、いろいろ欠陥もございましたので、今後とも一そう地元の関係各機関等とも連絡を強化いたしまして、十分な協力が得られますように、これもなお一そう努力いたしたいと思っております。  また旅客に対するたき出しその他の手配において、これも今回の未曾有の豪雪のために設備その他非常に不十分な中間駅、ふだんあまり旅客の乗降もないような寒村の駅のようなところにも列車をとめざるを得ないようなことになりましたために、行き届かない点がございましたことについては申しわけなかったと思っておりますが、これらの点につきましても、今後十分に対策を考えていきたいと思っております。
  42. 久保三郎

    ○久保委員 これは、できてからの対策と、できる前の対策と二つあるでしょうが、たとえば旅客列車が長時間、中間駅あるいは中間駅でなくても途中で停留しなければならぬというような場合、特に問題が多いと思うのでありますが、副総裁にお尋ねしたいのは、この経験にかんがみて——何千人も何万人もの人間を停車場の構内に置いて水も補給しなければならぬ、食事も上げなければならぬということは国鉄だけではできないのでありますから、関係市町村というか、自治体と協力関係の体制を常日ごろ確立しておくという必要があるし、またその期間になれば、そういう準備体制を整えておくことは、単に滞留する旅客に対する援護というか、そういう問題だけでなくて、国鉄を円滑に運行する、たとえば除雪人夫のかり出しというようなこともやはり考えてやるべきだと思う。そういうことは今やっておられますか。
  43. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 御指摘の点はまことにお言葉通りでございまして、今までの地元関係各機関等に対する連絡では、やってはおりましたけれども、まだ足らなかった点があると思われますので、あの雪害の以後におきまして、さらにこれらとの連絡の強化ということに努力をいたしております。
  44. 久保三郎

    ○久保委員 これは調査の結果あとで発表していただきたいのですが、先ほど指摘しました金沢鉄道管理局の対策本部が三十日夜の八時からいなくなった。いないという事実はゆゆしき問題だ。これは一つどこへ行ったか調べてほしい。
  45. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 当時、本社の雪害対策本部と金沢の対策本部との間で連絡は絶えず行なっておりましたので、金沢との連絡がつかなかったというようなことは聞いてはおりませんけれども、ただいま御指摘のような事実があったかどうか、その点はよく取り調べてみたいと思います。
  46. 久保三郎

    ○久保委員 それからもう一つ除雪というか雪害対策の問題で、たとえば先ほどお話がありました除雪車改良というか、そういう研究は、聞くところによれば、新潟支社の中でやっているそうですが、そうですが。
  47. 柴田元良

    柴田説明員 そういった機械の改造につきましての研究は主として本社研究所が中心になってやっておりますが、現地の試作をいたします工場が新潟にございますので、新潟におきましても現地試験その他をいたしております。
  48. 久保三郎

    ○久保委員 これもある報道機関のことでありますから、私は調査しておりませんが、研究とは名ばかりで、実は経費節減の方が主体だ、こういうふうな指摘がありますので、これはいかなる研究とどういう予算をつけてあるのか、御答弁できますればお尋ねします。なければ、あとでけっこうです。
  49. 柴田元良

    柴田説明員 こういった機械の研究につきましては、毎年私ども部内で技術研究課題と申しまして、いろいろな研究を含めまして約六億ないし七億という経費を使いながらいたしておりますが、この一環の中に除雪機械化という問題を過去において引き続き取り上げております。そういった研究でございます。
  50. 久保三郎

    ○久保委員 新潟支社にまかせておく部面については、できましたら書面でお願いします。  最後に二つほどお尋ねしますが、除雪車の出動がおそかったというような評もあるわけです。早目にこれを出動させればそんな被害はなかったものをというような指摘もあるわけですが、当局の見解はどうですか。
  51. 柴田元良

    柴田説明員 除雪車にもいろいろな種類がございますが、一番最初に活動いたしますラッセル車につきましては、私ども運転の実績を見ましても、二十六日ないし七日以降、雪に入りましては引き続き活躍いたしております。先生の御指摘の問題はおそらくロータリー・タイプの出動がおくれたのではないかということだと思いますが、事実ロータリー車の問題につきましては先ほど御説明申し上げましたように、動力が蒸気であるというような問題もございますし、今後十分迅速な出動ができますように改造をいたすよう考えておる次第であります。
  52. 久保三郎

    ○久保委員 それでは副総裁に最後に一つだけお尋ねしますが、今度の雪害にかんがみまして、従来国鉄当局が考えられておるところの貨物の集約駅の問題であります。今までの御方針だと、小さい駅はみんな貨物扱いをやめるということに相なるわけでありますが、今度のこの経験にかんがみてそういうことはちょっとどうかと思うのでありますが、これはどういうふうにお考えになりますか。
  53. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 現在の国鉄の貨物駅の設備というのは、再々申し上げますように、補助交通機関が荷馬車であった時代に、荷馬車に合わして作ったようなところが大部分でございます。補助交通機関がトラックに変わった今日においては当然機械化し、近代化もしなければならないと思っております。そういう意味で今後貨物駅を集約いたしまして、中心になる駅の荷役設備その他を近代化するということは、なお力を入れて続けていきたいというふうに考えております。
  54. 久保三郎

    ○久保委員 それは一般的な今までの御方針ということでありましょうが、私のお尋ねしておるのは、こういうふうな雪害地区ではそう停車場を減らしたのでは、ものの用に立たなくなるだろうから、その方針を修正する考えはないかどうか、こういう意味です。
  55. 吾孫子豊

    吾孫子説明員 一般的な方針につきましてはただいま申し上げた通りでございますが、それぞれの地方の特殊事情ということにつきましては、この集約の方針を進めていく際に十分考慮に入れて考えていきたいと思っております。
  56. 久保三郎

    ○久保委員 これで終わります。
  57. 三池信

    三池委員長 建設省谷藤国道課長に申し上げます。先ほど久保委員から質疑のありました件については、その御回答は文書をもって委員長あてに御提出下さるようにお願いいたします。  次会は来たる十四日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時九分散会