○栗山良夫君 私は、ただいま案件になっておりまする
海外経済協力基金法案に対しまして賛成をいたしたいと思います。ただ、賛成はいたしますが、すでに当
委員会及び外務
委員会との連合
委員会において、同僚議員諸君から不
法案の内容について、各方町から御意見が出、また
政府の応答を通じまして、問題の輪郭が明らかになっておりまするように、この
法案の運用を誤りますというと、いろいろと複雑微妙な好ましくない現象を招来するおそれがありますので、従いまして附帯決議を付したいと、こう
考えるのであります。ます附帯決議の案文を朗読いたします。
政府は、海外
経済協力基金が、よくその目的とする処に従い、投融資の還元を誤まらず、債権の保全に遺憾なきを期し、いやしくも
資金が放慢に流れ、ひいては当事国間の親善を害するが如き事態の生ぜざるよう本法の趣旨の具現のため適切な業務運営につき指導すべきである。
この附帯決議は、ただいま読み上げました
通りに、非常に抽象的な表現でありまするが、私
どもの
意図しておりますところは、もっと具体的にこまかく表現をしたいのであります。しかし、申すまでもなく
東南アジアを中心といたしまする諸外国との
関係でありまして、国際
関係がありますので、各議員諸君の御意見を尊重いたしまして、そしてこの程度の表現にとどめたのでありまするから、従って、どうか
委員会における審議の内容を十二分に熟読翫味せられて、そうしてあやまちのない運用をしていただきたいと思います。で、特にもう、そういうことでありますから、多くを申し上げる必要はございませんが、この
法案の審議の過程で一番明白になりましたことは、後進国の
経済協力について商業べースと申しますか、金融ベースと申しますか、そういうものに乗らない案件を処理するのを目的としてれられるわけであります。従いまして、そういうベースに乗らないということは、
一つ間違いますというと、いろいろな間違いを起こすわけであります。最初からそういう目的のためにこさえられたものでありますから、気のゆるみというものが、当寺者の問に生ずるおそれがたくさんあるわけでございます。もちろん私は、ただいま世界の大勢は主権がだんだんと
国民に移っておりますし、まだ移っていないところも、漸次移る傾向を持っております。そうして各国とも民主体制というものにどんどんと
前進をしておるわけでありますから、従いまして、純粋な
意味で後進国の産業
開発を通じて相手国の
経済方を増強さし、その増強された力とわが国の
経済力とが交易をして、相ともに繁栄への道をたどる、そういう
一つの理想に燃えていると私は思います。また事実その
通りてあってほしいと思うわけです。従いまして、そういう非常に戦争前にありました大東亜共栄圏などという思想は完全にかなぐり捨てて、そうして新しい民主体制のもとに
日本が踏み切っていこうというときでありまするから、これに便乗して特定の個人、法人の人人が、これに
関係をする際に、いやしくも不正、不当の行為によって利益をねらうというようなことがありましては、これは断じて計さるべきものではありません。従って、一たん出ました場合には、
日本の国際信用を失墜することは、これは言うまでもありませんが、そういうものは、何としても未然に防がなければなりません。これは
一つ、後進国の
経済開発に
日本が
協力をするという誠意に対して、私
どもは
協力する反面、こういう不幸な出来事が絶対起きないように、
政府は十二分の注意をもって善処せられたいと思います。そして具体的には
法案の中にありまするいずれ後日決定せられるでありましょう、
政府が認可を与えられるでありましょう業務方法書の内容において、こまかく規定をせられ、そして運営は寛でありましょうとも、その筋道はあくまでもきびしく進んでいく。こういう一賞した
態度で進んでいくように
要望をいたしまして、本
法案に賛成をいたしますが、何とぞ決議案に対しまして同僚議員諸君の御賛成をお願いいたしたいと思います。