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説明員(
小岩井康朔君) 最近
炭鉱災害は非常に大きい
災害を起こしております。これらの
災害の中で御承知のように、ただいま出ました三井の山野、三菱の新入、東中鶴、豊州、江口いずれもガス爆発、坑内出水であります。問題は古洞であります。いずれも古洞の
関係から水が出たり、ガスが出たりして爆発を起こしている。
災害の種類としましては爆発と出水でありますけれ
ども、いずれもこれらの大
災害というものは古洞に
関係いたしているのでございます。そこで東中鶴
炭鉱、江口と続いてやりましたときに、これはもう古洞の状況というものを、どうしてもできる限り把握しなければいかぬということで、補正予算をいただきまして、古洞の
調査に入っているわけであります。しかし、私
どももこの古洞の
調査はなかなか簡単にいかない。もう掘ってしまった
あとで捨てておりますから、現状において完全に把握するということは非常にむずかしい。しかし、むずかしいからもうやらないという態度ではいかぬ。むずかしいけれ
ども何とかこれは把握しなければならぬというので、いろいろ図面なり、ボーリングなりで究明することにいたしているのでありますが、いかんせん現在までの予算は僅少な
関係でほんとうのボーリングによる状況
調査というものができていないのであります。大体図面の
調査ではなかなか本格的な古洞の把握というものができていないわけであります。最近は特にもう
炭鉱の坑内が古くなるし、第一鉱区自体が非常に錯綜してわからない。特に豊州
炭鉱の近辺ですと三重、四重という接点になっておりまして、非常に鉱区が込み人ってきておる。そこで私
どもの保安の観点からだけ見ておりましても、なかなか迅速な効果が上がらない。最近、特に今までは
災害の内容もかなり毎年減少して参りまして、保安法の施行当初十八万件ぐらい死亡、重傷、軽傷の
災害件数としてありましたものが、現在では約六万数千件というふうに、大体大きく見まして三分の一くらいに減少いたしておるのであります。しかし、これはもう決して三分の一になったからこれで安心だという気持ではございません。さらにさらにこれを減少さしていかなければならぬという気持でやっておりましたけれ
ども、最近の情勢はどうも大手も中小も少しふえるような方向に向かっておるのではないか。もちろん、大手は十二月一ぱいではおそらく昨年よりも減っておる数字が出ると思いますけれ
ども、どうも少し先を見ますと、大手も中小もまたふえていくのではないかという気持がいたしておるわけであります。そこで、特に今後の問題は古洞の問題あるいは鉱区の問題こういった少し関連の問題が非常に私
どもの方の
政府筋の気持で強くなっておる。そこで省内でも特に石炭局、鉱山局、私の方といわゆる資源三局でいろいろの
法律——保安法を中心にしました鉱業法あるいは合理化法あるいは臨鉱法——そういった関連が非常にひしめき合ってきておりますので、こういった各
法律の
実施の途上遭遇いたしましたいろいろの問題について三局が十分に
一つ連絡をとってやっていこう、こういうために省内に
災害防止対策の連絡協議会というものを設置しまして、すでにもう会合に入っておるわけであります。大体、月三回くらい以上を目標に随時発生して参ります重要な問題について省内の資源三局の、連絡調整をはかっていくというつもりでおります。
災害の
あとのこまかい
一つ一つの処理としましては、いずれも手落ちのありました場合には
関係省を送致いたしておりまして、跡始末をつけておりますが、ごく最近の
災害を大ざっぱに見まして、ほとんど大半の問題が古洞問題にぶつかっておる。それから、ごく最近、北海道で起こりました明治の本岐の問題は、これは坑内全部を請負でやっておったというような
関係で、これも
炭鉱の燃料革命が
一つの合理化の一問題として従来になかった非常に広範囲な、二千数百メートルに及ぶ
炭鉱の坑道全部が請負者によって行なわれておった、こういうような
関係もございますので、こういった請負の保安の問題、請負と鉱業権者との保安の
関係、こういったものにつきましても、今後新たな問題として十分早急に検討してみたい、かように
考えております。