○
説明員(熊崎正夫君) お手元に
資料を差し上げてございますので、
資料に従いまして簡単に
説明さしていただきます。
三十五
年度補正予算要求額という一枚刷りの紙がございます。総額で百七億になってございますが、第一の生活保護費三十七億何がしの
金額の内訳は
備考に出ております二番目を除きまして、五つの項目が
備考に出てございますが二番目を除きまして、大体例年補正で埋め合わせをいたしております医務費の増額分でございます。一番目の期末一時扶助につきましては、いわゆる生活困窮者の年越しのためのもち代ということで、東京における標準五人世帯で五百円分を計上いたしておるわけでございます。それから五番目の保護
施設給与
改善費六千百万円というのがございますが、これはすぐあとに出て参ります児童保護費の方の
備考の三番目に出ております
施設事務費給与
改善分二億九千六百万円、この
金額と同じような
中身でございまして、国家公務員の給与ベース改訂が補正において行なわれる。それに見合うものとして保護
施設、あるいは児童収容
施設、保育所といったところで勤務しております職員の給与がきわめて現在低いことは、先生方御
承知の
通りだろうと思いますが、その改訂を地方公務員並みに一一・九%上げるという
金額が
施設給与
改善費の
中身になっておるわけでございます。
それから次に移ります。児童保護費の補正
要求額の内訳は、三十四
年度の
精算不足額が一億三千二百万といいますのは、措置人員が非常にふえて参りまして、過
年度分の不足が出て参つりましたので、それを
要求いたしておるわけであります。二番目の期末一時扶助は先ほど全話保護費の中で申しました
通りのいわゆるもち代という
関係の
経費でございます。
次に移ります。精神衛生費補助一億七千九百万円、これは例年
補正予算で
要求をいたしております
事務費の増分でございます。それから精神衛生
相談所の給与
改善分といいますのは、これは地方公共団体の職員の
給与改訂分でございますので、国家公務員の給与べース改訂に伴う分でございます。
次の
国民健康保険助成費五十二億、
相当多顧に計上されておりますが、これは内訳四つに分かれてございます。療養給付費の補助分は、例年は過
年度分の、三十四
年度、前
年度分の不足額を計上いたしておりましたが、本
年度の
補正予算におきましては、当該
年度の不足見込額も新たに計土しょうということで、例年の補正の
要求とその点が違っております。
それから
事務費の
補助金につきましては、過
年度分の不足と、それから本
年度分の被
保険者の増額分は療養給付費の前欄と同じような
中身でございますが、
最後の三番目の給与
改善分は百円を百四円といいますのは、これは例年
国民健康保険の
事務費は一人百円という単価になっておりますが、その内訳は各市町村の職員の人件費になってございますので、その人件費がベース・アップされるということで計算をいたしましたところ、四円二十七銭八厘という端数が出ましたので、この分を
要求いたしたわけであります。
財政調整交付金におきましてば、これの法定に基づきます五分分を計上いたしております。
その他千二百五十二万円、国保の保健婦の
補助金あたりの給与単価の改訂分でございます。
次に移ります。在日朝鮮人帰還援護費一億五百八十四万円、これは従前より引き続きまして一月から三月分をお願いいたしました分は、これは改訂が従来の三十五
年度の当初
予算におきましては協定のきめますのは十一月になっておりますので、十一月分しか計上いたしておりませんでしたが、十一月の残り分と十二月分は予備費でもって措置をいたしております、従いまして、一月から三月分までは補正で計上すると、合わせまして協定の改定によりまして二百名のスピード・アップの増が三月一日から実施されることになりましたので、その分を合わせて計上いたしておるわけでございます。
次に
国民年金市町村交付金一億二千三百九十一万円分はっ、これは上、の方にあります
国民健康保険事務費補助金の分と似たようなものでございまして、拠出制の
国民年金並びに
福祉年金分の
給与改訂に伴う分だということで、地方公務員の
給与改訂分を計算いたしましたところこういうことになりました。
その他のところでまとめてございますのは、補助職員あるいは本省職員の人件費のベースのアップをまとめて計上いたしております。
次に、
昭和三十六
年度厚生、省
関係重要施策ということで、お手元に来
年度の
予算の主要項目につきまして
説明さしていただきたいと思います。いろいろと厚生省
関係の
予算、出ておりましたが、おもな項目につきまして概略まとめてみた次第でございます。便宜上、各局別に項目をまとめてみましたんで、大体
備考を読んでいただけるとおわかりと存じますが、なお、後刻御質問がありますればお答え申し上げます。
公衆衛生局におきましては、保険所の
強化費、前
年度予算額はカッコの中に入ってございます。保険所の
強化費につきましては、職員の数を五百人ふやしたい。現在二万一千名程度でございますが、これを五百人ふやしますと同時に、単価を非常に低く押えられておりますので、単価を上つげていただくというような
要求になっております。その他、
施設の
整備関係につきましては、例年の
要求と変わってございません。
それから二番目の重要疾病対策費、
中身で分けてございますが、(一)と(二)の結核、精神対策につきましては、厚生省の来
年度の最も主婆なる重要政策として計上されております政策でございまして、結核対策につきましては、従来の命令入所患者の入院
医療費を、これまでは結核の特別
推進地区につきましては三分の二の
国庫負担、その他の地区につきましては二分の一という
考え方を根本的に改めまして、全額公費で、しかも国が八割、生活保護の医療扶助と同じような高額の
国庫負担をやるという対策に切りかえたいという
要求でございます。
相当準備期間が必要と考えまして、十月から実施ということで六カ月分の
予算計上に相なっております。精神衛生対策におきましても同じような
考え方をとりまして、関庫負担は結核対策と同じでございます。現在はこれは二分の一の
国庫補助になっております。件数は(一)の結核対策におきましては現在一万一千人の件数になっておりますが、来年は大幅に七万八千人まで持っていきたい。それから精神衛生対策の方は、現在は一万一千件程度でございますが、来年は三万八千件分ぐらいにしたい、こういうことでございます。
次の小児麻痺対策につきましては、これはすでに御
承知のように、本
年度の予備費でもって来年の一月から定期予防接種に準ずる措置をとりたいということで、約二億の予備費の計七をいたしておりまして、それを来
年度平年化していくというための
経費でございます。
成人病対策につきましては、従来の
予算要求とそうさして変わってございませんので、
説明を省略さしていただきます。
次は環境衛生部、清掃
施設等
整備対策の
強化といいますのは、これは十カ年計画、
昭和三十六
年度を初
年度として
昭和四十五年までに十カ年計画で下本道終末処理
施設を
整備したいという
関係の
経費でございます。あわせてこの中に入っておりますのは、清掃
関係の
施設につきましては、従来四分の一の
国庫補助を計上いたしておりましたが、現在下水道終末処理
施設については
国庫補助が三分の一になっておりますので、その三分の一に合わせて清掃
施設については三分の一の
予算、
要求をいたしております。
それから二番目の水洗便所の普及対策といいますのは、これは現在大都市、中都市まで水洗便所の普及のために
貸付金を個々の世帯に出しておるのでございますが、それを国として、この際積極的に取り上げて、水洗便所の普及
促進をはかりたいという
関係の
経費でございます。
それから三番目の水道
施設の
整備対策につきましては、従来の
要求とさして変わってございません。
金額はふえております。
四番目の水道用水
公団につきましては、先生方御
承知のように、水資源をどういうふうに取り扱っていくかという各省共同で出しております
公団の分でございます。
環境衛生研究所は、現在のところ、環境衛生に関する研究体制が全然できておりませんので、これだけ生活環境の問題がやかましくなっておるときに、この際独立の研究機四を作りたいということでございます。
それから次に医務局。僻地医療対策につきましては、従来の政策をそのまま伸ばしていくということであります。大体今まで百六十カ所でき上がっておりまして、残りの七十七カ所を二ヵ年託種でやるという計画になっております。それと同時に、医者を
確保した場合でも、やはり診療車を出したり、あるいは診療の船を出してやりたいという
経費が入っております。
それから二番目の医療機関の
整備と機能
強化といいますのは、これは従来の
要求とあまり変わっておりません。その機能
強化の中の
医療金融公庫出
資金といいますのが、前年出
資金十億、借入金二十億ということで発足いたしましたが、すでに十月現在におきまして八十数億も申し込みを受け付けておりますので、来年は出
資金四十億、それから借入金は六十億そのうち、五十八億と書いておりますが、二億分はことしの償還分を回したいということで、結局来
年度の総
資金量としては百億の運転
資金をもってその需要に当たりたい、こういう
考え方でございます。
次の国立総合ガンセンターの
設置といいますのは、ことし四百万で、築地の海軍病院の跡を、
調査費をいただきまして
委員会の結論が出ましたので、いよいよ来
年度は十七億円をもって築地の海軍病院の跡の病院をガンセンターとして発足をさしたい。できましたならば、三十七
年度の一月から開院をいたしたいという
関係の
経費でございます。
四番目の東陶アジア諸国に対する、医療協力
関係は、五億五千
要求いたしておりますが、この
中身は、たとえばビルマにおいて総合病院を建てるとか、あるいはカンボジァア等におきまして医療品のセンター、つまりわが国の医薬品、底薬機械の
宣伝をかねた総合センターを作りたいという
関係の
経費で、あるいは現地の方々をわが国に招待をいたしまして、そこでいろいろ医者や薬剤師さんの教育をするという
関係の
経費がこの中に含まれております。
薬務局に移ります。麻薬対策の
強化ということで、これは従来麻薬
関係の仕事につきましては、特に取り締まり機構だけを
整備いたしておったのでございますが、来
年度以降におきまして、積極的に中毒対策を
一つやっていきたいということで、中毒者を収容する
施設あるいは
相談室を設けるというような
経費がこの中に含まれておりますとともに、中央、地方におきまして、麻薬対策
推進委員会というふうな
委員会を作りまして、積極的に麻薬禍の撲滅をはかりたいという
関係の
経費になっております。
次、社会局に移ります。低所得階層対策につきましては、従来の
要求とさして変わってございません。世帯更生
資金の増額がございますのは、
備考をごらんになっていただけるとおわかりと思いますので、
説明を略します。
授産
事業につきましては、これは従来家庭授産ということは授産
事業の範疇の中に入れておらなかったんでございますが、授産所を拠点にいたしまして、授産所に通えない家庭の主婦の方方あたりが、授産所から品物を持ってきて、そこで仕事をしておったものにつきましても、授産所を通じて
賃金を払っていくというふうな
考え方をしたいということでございます。
それから三番目の生活保護基準の改訂等というふうに
金額が出てございますが、この主要な
中身は、御
承知の生活扶助基準を二六%程度引き上げるというふうな
関係の
経費の大口の分と、その他医療扶助の増高の分が計上されております。
それから四番目の
施設職員の処遇
改善の分は、これは先ほど
補正予算の
説明のときにちょっと触れましたが、現在の社会
事業関係の
施設の職員は、非常に給与べースが低いということで、このたびの補正で一一・九%の引き土げは見ていただきましたのでございますが、来年はさらに一五%ふやしていただきたいという
要求になっております。
それから次の精神薄弱者
福祉対策の
強化、これは前回の通常国会におきまして、精神薄弱者
福祉法というものを制定いたしました。それに伴います各般の施策を三カ年計画でやりたいということで計上されております。
次に同和対策の
強化促進、これは同和対策正要綱に基づく年次計画をそのまま採用いたしております。その主要な
中身は、
国庫補助率の二分の一を三分の二に引き上げるということになっております。
次に、不良環境地区の生活環境の
改善といいますのは、同和部落を除きまして、都市においてはスラム対策、北海道においてはスラムにかわるアイヌ対策というものを
強化しようということで、
中身は先生方御
承知の同和対策の
中身と同じようになっております。
次に、老齢者
福祉施策の
拡充強化といいますのは、養老
施設の需要が最近になって非常に高まっておりますし、あわせていわゆる中産階級を主体にいたしました老人世帯の方々に対しましては、養老
施設以外に何らかの
施設を作る必要がございますので、大体月額六千円程度納めれば老人
ホームに入れるという、いわゆる
経費老人
ホームの新設拡張を積極的にはかりたいということでございます。
次に、児童局では、幼少人口の健康管理及び母子保健対策が計上されておりますが、これは新生児並びに三才児の健康診断をこの際一斉にやりたいという
経費が、主要な
中身になっております。
次の非行少年対策その他の児童健全育成対策
関係は、これは十四才以下の非行少年につきましては、厚生省の専管でございまして、現在ほとんど行なわれておらないという経緯にかんがみまして、来
年度以降大々的に問題の非行少年対策をやろうという
考え方でございます。
二番目の非行対策協力
委員といいますのは、民生
委員、児童
委員にかわる非行少年対策
関係の協力
委員に民間の方を任命してその対策にあてたい、こういうことでございます。
それから次に、要保護児童対策につきましては、(一)から(五)までおおむねこれまでの
要求通りの
金額でございます。ただ二番目の児童保護措置費は、
相当な高額の
金額になってございますが、これは生活保護費の方の二六%の基準のアップ等に伴いまして、収容児童等の食糧費も値上げをする必要があるし、あわせて先ほど社会局の
施設の
指導職員の
待遇改善のときに申し上げましたように、一五%の職員の給与
待遇改善を行ないたいという脚係の
経費でございます。
それから五番目の特別保育対策のところで、変わった対策としまして、僻地保育所を設けるというふうになってございますが、これは現在農村等では季節保育所を大いに利用していただいておるのでございますが、この保育所も、児童の数が少ないために作れないというような僻地に、新たな恒久的な保育所を作ろう、むろん建物は、お寺や学校等を利用するということで、必要といたしませんが、保母さんの人件費補助その他が、この中に計上されているわけであります。大体七百七十カ所ぐらい
要求をいたしております。
次の母子
福祉対策も、従来の
要求とさして変わっておりませんが、ことしから始めました母子
福祉センターにつきましては、非常に御要望も強い
関係上、ことしはわずか二カ所でございましたが、来年は十カ所
要求をいたしております。
次の児童扶養
手当の創設といいますのは、これはいわゆる生別母子世帯をいかにしてその
福祉の向上をはかっていくかという新たな対策でございまして、大体百九万人分くらいを予定いたしまして、この案では、第一番目の子供につきましては六百円、第二番目、三番目の子供について四百円、それ以降は二百円という
中身に相なっております。
次は保険局に移ります。
国民健康保険の
改善といいますのは、
中身を
備考で二つに大きく分けてございますが、第一の結核及び精神病対策につきましては、これはいわゆる命令入所患者、いわゆる感染源の対象になっております命令入所患者につきましては、結核予防法、精神衛生法によって国が八割、地方二割で全額
国庫負担を行なう、最初に申し上げました対策でございます。それ以外の結核、精神患者につきましては、これは国保の方で給付率を五制から七割に上げます。しかし、その二割上げました分につきましては、保険料の瞬き上げとかあるいは
保険者負担にせずに、特殊対策としてその二割分は全額国で負担をするという対策になっておるのでありまして、この分が十六億五千八百万でございます。全体の二十八億のうちから十六億の分が、この第一の対策でございます。それでこれも六カ月
予算を計上いたしておるわけであります。
それから二番目の、その他の疾病につきましては、これに五カ年計画でもって初
年度一別分を三カ月、すなわち来
年度におきましては三カ月
予算を計上いたしております。七割まで一律持っていこう、この
関係の
経費は十一億七千百万ございます。
次、
事務費の増額分、これは百三十五円まで持っていきたいと思っております。現在三十五
年度予算におきましては一人頭百円、このたびの補正でこれが百四円二十七銭になっておりますが、それを百三十五円まで持っていきたいという
経費でございます。
次の分べん給付の
改善分の二十三億円は、これは
一般会計支出は伴いません。特別会計の中でやるということで、健康保険におきましては、被
保険者につきましては、現在の四千円の分べん費を七千円まで引き上げる、それから被扶養者につきましては、千円を二千円に引き上げる。従来六カ月間、毎月二百円ずつ
手当を出しておりました分を新児
手当というからの名前でございますが、一律に出産のつど二十円出そうという対策が、この中に入っております。
次に、年金局の
福祉年金制度の
関係でございますが、木支給年金の支給といいますのは、御
承知のように、
福祉年金がもらえるときになっておりまして、その前になくなってしまったという方々に、当然もらえるべきお金であったということでこれを支給していくということでございます。大体対象は十八万人くらいに相なると思います。
それから第二の母子
福祉年金の支給制限の
改善分は、これは下の注に出ておりますように、世帯数にしまして三万五千人分くらいを予定しております。これは
予算としましては八カ月分計上いたしております。
三番目の準母子に対する
福祉資金の創設分、これは一万五千世帯分くらいになります。同じく八ヵ月分でございます。
四番目の所得制限の緩和分は、これは
中身は二十三万人、八カ月分をやはり計上いたしております。
次、拠出制
国民年金の
改善ということで死亡一特金制度の
改善分十九億を
要求いたしておりますが、これはいわゆる掛け捨てを防止するということで本日の新聞にも出ておりますが、その分の保険財政に対します
一般会計からの支出十九億円でございます。
次の事務態勢の
確立三十八億といいますのは、先ほど補正のときにも申し上げました市町村の拠出年金交付に伴います市町村交付金、拠出年金の事務に伴います市町村の交付金、前
年度十六億計上されておりますが、この分が実は前
年度は八カ月分になっておりまして、それを十二カ月分ふやしたというのが三十八億のうちに十二億入っております。十六億プラス十二億で二十八億でございます。残りの十億といいますのは、各市町村に
国民年金の印紙の売りさばき手数料として四%を還元するという分が十億に相なっております。
次、
最後でございますが、国立公園部、第一につきましては従来の計画と変わっておりません。第二番目がいわゆる
国民休暇村の造成ということでございまして、健全なリクリエーション・センターを、国立公園の中の厚生省
所管であります集団
施設地域といいますか、国有財産の土地の上に
国民宿舎なりあるいはその他の遊び場所を作っていきたい、その
運営に当たるために、
事業団を作って
国民休暇村と称して、ここの
施設をその
事業団に
運営さしていくという
関係の
経費でございます。
以上、全体の厚生省
予算の総計は二千七百七十二億でございまして、ただいま私が
説明しました項目はその中の主要なものでございます。前
年度予算に比べまして大体千百億の増、こういうことになっておる次第でございます。以上簡単でございますが、
説明を終わります。