○永野護君
アフリカの経済開発の問題に関連しまして、この前
大臣の御出席がなかったので、海外経済
協力基金法案の条項についてちょっと質問いたします。
この前申し上げたのですが、第三章の第二十条に、この基金を使い得る事業とは、「東南
アジア等の
地域の産業の開発に寄与し」とあって、もう
一つ条件がある。「かつ、本邦との経済交流を促進するため緊要と認められる事業」という、この
二つの条件が並べられておるのでありますが、私がこのときに聞きましたのは、やはり
アフリカの事業というものを頭に置いて私はお聞きしたのであります。現に考えられていることで、
アフリカの原料を使って事業を興して、その商品をヨーロッパに持ち込むというような計画があるのですが、それは、
考え方によると、「本邦との経済交流を促進するため緊要と認められる事業」という中には入らないように思うのです、
アフリカの原料をもってヨーロッパで市場を求めてやるということは。それで、この前伺いましたときには、担当
局長の御答弁は、非常な広い意味で、このあとの「本邦との経済交流」というのは広い意味だから、そういうようなものは含むのだということですが、それで、これを今の当事者はそういうふうにお考えになっておっても、この条項がこのまま生きてしまって、将来立法の今のような趣旨でおやりになる方がおられなくなると、厳格に考えるとそれは入らない。「本邦との経済交流を促進するため緊要」というものではないと、すらっと読むとそういうふうに出てきますので、あとでたとえば
アフリカでそういうような
仕事をするときに、これは入るのか入らぬのかという、非常に疑問が起きますから、私は、
大臣から、今
事務当局が言われたような立法の趣意であるということを、これは広く解するんだと、私は、実は「かつ」以下の文句は要らぬのじゃないか、その
地域の産業を開発して、その結果
日本の貿易振興にはね返ってくればいいのではないかと思うのであります。しかし、これもすでに成文ができておりますから、そうすると、
二つの条件にかなった事業でなければ金は出せぬということになる。そういうふうに解釈せられる危険が非常に多い。でありますから、一応の
事務当局の
説明は、これは非常に広く解するんだ、私は、そんなに広く解するならば、「かつ」以下の文句は要らぬのじゃないか、しかしこの「かつ」以下の文句、つまり条件が
二つあるのだと、この金を出すのには、
日本との経済交流に緊急だというと、
アフリカの原材料でヨーロッパで売ったのでは、
日本との経済交流には、実は緊急欠くべからざる事業とは言えない。それも含むのだというふうに解するならば、むしろこの条文は要らないのではないか、その現地の産業を開発すれば、おのずから
日本の産業にいい影響を及ぼすのは当然です。しかし、これをお取りなさいとは言いませんけれ
ども、それなら、立法の趣意を非常に広く解して、
日本人が現地に行って産業さえ盛んになればそういう金を出してやるんだということを、
大臣の責任において記録に残しておけば、そういう誤解が起こらないで済むのではないか。「本邦との経済交流」というと、何か
日本と貿易でもすぐやる
仕事でないと金が出せないというように読まれる危険がありますから、その点を
大臣から聞いておきたい。そうしてこれを記録に残しておいてもらいたい。