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奧野政府委員 阪上さんのお話を伺っておりますと、何か別な考え方を
政府は秘めておってこういう
法案を出しておるのじゃないだろうかという疑いを持っておられるように思われるのであります。私
たちの言うことを一応率直に考えて判断をしていただきたいという希望を最初に申し上げておきたいと思います。もし特別な
法律案を用意いたしませんと、自動的に大きな金額が特別
交付税にそのまま流れていってしまうわけであります。特別
交付税として配分するということになります。御
指摘になりましたように
地方財政平衡
交付金制度の
もとにおきましてはこういう事態は生じないのであります。いかに
国税に
増収がありましょうとも、その大体は国庫のものでありまして、
地方団体のものになってこないわけであります。
地方交付金制度にいたしておりますから、
総額計算としてはこういううまみが出て参る、こういうことが言えると思うのであります。また国は国の
財政状況で国の
予算に幾ばくの歳入を計上するかということをきめていくことになります。
地方の
財政状況から考えて国の
予算に計上する額をきめていくわけのものではございません。その場合に、個々の
地方団体の
財政状況がどらであろうと、国の
予算が組まれた時期々々に必ず
地方団体に配分しなければならないのだ、これでは私は
地方財政が困ってしまうのじゃないかと思う。かりに三月になって
予算が組まれようと、三月中にどういう配分計画が立とうと立つまいと、とにかく配ってしまわなければならないのだということになると、
地方財政は迷惑することになると思います。やはり国がいつ
予算に計上するかという時期、その場合に、同時に
地方団体にどのような計画でどのような時期に配分するかということも別個にあわせて十分慎重に検討した上で結論を出さなければならないのじゃないか、こう私
たちは考えているわけであります。その場合に、私
たちは、特別
交付税を増額いたしまして従来のような
方向でただ配ってしまうというとこだけよりも、もう少し将来にわたる
地方財政の
状況を考えまして、どういうところに重点を置いて
地方財政は
算定していくか、合理的な方法を慎重に考えていくべきじゃなかろうか、こういう気持を持っているのであります。同時に、ことし
交付税でやってしまえばそれでよろしいのだということではなくて、将来にわたる個々の
団体の
基準財政需要額を確保していかなければならないのじゃないか。その場合にも、合理的な配分計画の
もとに個々の
団体の
基準財政需要額を確保していかなければならないのじゃないか。こういう考え方を持っておるわけであります。また同時に、
地方交付税法の
改正をすることも
一つの考え方であります。もし
地方交付税法の
改正をするということになりますならば、
給与に関する
部分について三十五
年度相当単位費用を上げる、三十六
年度以降はそれよりもより以上に上げる、こういうことになるだけだと思うのであります。私どもは、三十六
年度以降の問題は単に
給与関係の
経費を増額するだけでは困るではないか、こう思っておるわけでございまして、やはり
地方の
行政水準をある
程度引き上げていきたい。
給与だけでなしに、ほかの
単位費用も三十六
年度以降にわたって引き上げなければならない。そういう考えに立ちますと、
地方交付税法を
改正してしまいますよりは、三十五
年度の
特例法を制定しておいて、同時に三十六
年度以降におきましては、今
年度から来
年度に送ります百十七億円も来
年度に増加する
財源に加えて、
単位費用をどういう
部分についてどの
程度引き上げていくかということをしさいに検討して結論を出したい、こういう考え方を持っておるわけであります。また先例を考えましても、先例も、大体において先ほど申し上げましたように大きな金額は送っておるわけであります。
年度末に、無計画という言葉は悪いわけでございますが、ただ特別
交付税で配分していくよりは、
単位費用の
改定、
法律改正という格好で
国会において十分に御
審議いただいた上で結論を出した方が、将来にわたって安定した
地方財源の保障になっていくのじゃないだろうか、私
たちはこういうような考え方を持っておるわけであります。