○諫山説明員 現在政府が売っております内地米に関しまして、一般の配給用にいたしておる米、それから飯米提供業者がやっております業務用の
価格、それから原材料用、いわゆる加工品に使う三本立の
価格を実施いたしておりますことは、御指摘の
通りでございます。この
価格の現状を申し上げますと、お手元に一般米の
昭和三十四
年度の決算のものを出しておるわけでございますが、政府が買ってそれを操作いたしまして売却するまでのコスト
価格を見ますと、ここにございますように、大体一万一千五百円
程度のものに一石
当たりなっております。それを、一般の配給用に対しましては、約六百円の政府負担をいたしまして、一万九百円前後というところで現在売っております。それから、業務用
価格に関しましては、ほぼコスト
価格というのを目標にいたしまして、一万一千五百円前後で売っている。それから、原材料用に関しましては、こればだいぶ長い歴史がございまして、御
承知のように、
昭和三十年の原材料用の
価格は一万三千八百円、それから漸次落として参りまして、おととしは一万二千八百八十円、去年は一万二千五百三十円という
価格になっておるわけでございますが、いずれもこのコスト
価格よりは大体千円ないし二千円高い
価格で
販売をいたしておるわけでございます。この根拠に関しましては、一般米については、御
承知のように、大体今のコストから片一方消費者
価格というものを生計費その他から見まして、コストを一ぱいに見ることは妥当でないという
考え方から安くいたしておりますが、業務用については、ほぼコスト
価格で、損得ないところで売って参りたい。それから、今御指摘になりました原材料用に関しましては、これは酒がその主たるものでございます。これに対しましては、先般も御説明申し上げましたように、私
どもといたしましては、酒は
一つの嗜好品であるというふうに
考えておるのが第一点でございます。そういう嗜好品に対しまして、一般の配給米をさいて売却をいたすわけでございますので、その面においてそれでは金高ではどれだけ高く売ればいいかという問題は、算出がなかなかしにくい問題でございますけれ
ども、一般の方でも相当財政的な負担もいたしておりますので、そういう一般配給あるいは飯用に供するところの米以外のものにつきましては、相当財政的な手助けをしていただくというような
考え方が中に入りまして、これは酒屋さんに対しましては酒税その他との関連もあると思います。そういうものを大蔵当局と相談をいたしまして、従来相当高い
価格で、大体コストより千円
程度高い
価格で売却をいたしておる、こういうのが実態でございます。
そういう意味で、それじゃその千円高くしたところの根拠はどこにあるのかという御
質問かと思いますけれ
ども、これは理論上コストがそれだけ高くなるというようなことは全然ございません。先ほ
ども申し上げましたように、財政的に、主食以外のものに売るというわけで、そこである
程度の負担をそういうところからしていただこう。それは、酒につきましては、酒税その他の関連において、原料米がどれだけ入るから、どれだけ酒税をとって、どれだけ酒屋が利ざやをとって成り立つということを片一方では計算をしてもらっておりますので、大蔵当局と話し合って、その一部の財政負担をしていただく
価格である、こういうふうに先般も申し上げたわけでございます。この
基礎というものは、一応いろいろな計算はありますが、それは今のところ、いろいろなものについて一番高い、一番コストのかかるような米を買った場合にはどのくらいになるかというのが
一つの目安になる。それを根拠にいたしまして、いやその
価格を引くことはならないということでがんばるような強い根拠はもちろんございません。一万三千八百円から順次下がって参りまして、一万二千五百円というのが現状でございまして、従来石
当たり二千円の負担をしていただいておりましたのが、最近は石
当たり千円
程度に下がってきておる。それの裏づけといたしましては
——裏づけにならぬかもしれませんが、一応コストその他のものも最高の米、買い得る場合におきまして一番高いような米を買った場合にはどういう形態になるかというような
価格を目安といたしまして、現在までのところ一万二千五百円という数字を
決定いたしておるわけであります。