○八木(一)委員 議論をいささかまた誘発されたので言いたいのですが、議論ばかりしても仕方がないから、ほかの問題に移りましょう。そこで申し上げたこと以外に、ほかのことを、言わぬことについて、少し論議がこっちへ移るように、誘発しようとしていられるらしい。そうじゃなしに、議論は幾らでもしますよ。
労働大臣はまだ時間が五時間もあるとおっしゃるなら、私は本格的に議論してもいいんですが、何かそっちがお急ぎのようだから問題にはいりますけれ
ども、
失業保険給付ですね、三カ月、六カ月、九カ月では
——基本的な問題については再就職までですが、これはあまりにも短い。これは延ばす必要があります。三、六、九という分け方もおかしいです。これは保険料を納めた
期間の性質に従って、
期間のあれによって、三カ月の方は季節
労働というような
関係が少しありますけれ
ども、保険料支払いの
期間に従って六、九と分けておりますけれ
ども、それは本則的にいけない精神だ。というのは保険料を納めた度合いに応じて
給付期間をきめるという精神、これはそういう
考え方を貫いているとほんとうの
社会保障はできない。
社会保障というものは
給付の必要のある人にいくという精神に移っていかなければならない。その前に六カ月しかもらえない要件の人はちょっとしか就職できてない人です。ちょっとしか就職できてない人は非常に気の毒な要件の人です。そういう人が職業を離れたというときに、ほかの人より
給付期間が短ければそれだけ
条件が悪くなる。
政府の方のお役人の
考えることは、職業を転々と歩いて、
失業保険をもらって遊んで歩いている、そういうようななまけ者を作ってはいけないというような、思い上がった、自分たちがエリートであるような
考え方でよく役人は
考える。国民の
生活というものはそんなものじゃない。ほんとうにもっと深刻なんです。エリート意識で、なまけ者を少し規制するというような、そういうような
考え方ではなしに、ほんとうに必要な人には同じように
給付がいくという
考え方に立っていただく必要があると思う。少なくとも六カ月
給付、九カ月
給付は
一緒にして、これを二年なり三年
——私
どもは再就職までと言いたい。そうしていただきたいと思う。ところがそれは一方
雇用政策が進んで、その方が一年以内に就職なさる、三カ月以内に就職なさる、これは喜ぶべきことです。別に
失業保険を長いこともらいたいという人はいない。幾ら
政府が上げてくれても、
石田さんがどんなに
政治力を発揮されても、八割
給付になったらいい、八割よりも、十割、全部
賃金をもらった方が
生活が楽ですから、だれも
失業保険にかじりついていようという人はいない。百万人に一人くらいですから、
原則的にはそんな人はいない。だから、
原則的には
失業保険の
給付をよくして、ほんとうに働いて
生活を立て直したいという人が、その
希望にそぐわないときに、
失業保険給付が今よりも
金額が多くなって、それで安心して
生活を
保障される
期間が多くなる、そうしてそういう立場に立って自分に一番適した、この
仕事なら打ち込める、そして
生活も立て直し、その
産業にも貢献したいと思う、その人が意欲に燃えて、追い詰められないで職業を選択できる、そのような
条件を作ってあげていただきたい。それがほんとうの意味で
雇用の質的な問題を改善する道である。そうでないと、やはり今は、ことしは就職はいいように見えるけれ
ども、相対的に今の時代はやはり
雇用主の方が
——とにかく卒業生は全部引っぱりだこということになっておりますけれ
ども、大学を卒業して非常にいい
条件で出るという人はそうですが、三十五になって
失業した、四十になって
失業したというような人にとっては、やはり非常に不利な
条件だ。そういうようなときに、そうでなしにほんとうにいい職業を選べるように、そしてその間
生活できるように
失業保険をよくしていただきたい。具体的に見て今の六割
給付はいけないので、たとえば私
どもはある示唆として申し上げるのですけれ
ども、全部八割にしていただけば一番いい。それができなければ、少なくとも
賃金の一万五千円くらいまではその底上げをして八割にするというような
考え方が前進されていいのではないか。
石田労働大臣の
政治力に大いに私
どもは期待をいたしておりますので、そのように少なくとも底上げを今度の
予算において実現する、そのような法律を出す。あるいは
期間を、どの
程度と言えないにしても、延長する。そうして
社会保障の精神に従ってその
期間を設定する、そのような
方向について最善の努力をする、そのようなお答えを願いたいと思います。