○堀本宜実君 各県が生乳を
供給することを
計画しておりまするものを中止することによってこうむる
影響は、
生産者に
影響を持つのであります。これは余裕がありました場合にこれを
加工しなければなりません。
学校給食というものを予定
通り、既定
計画通りやるためには
加工に向けなければならない。
ところが、
加工というものの設備が各府県均等にできておるわけではございません。大乳
業者にとりましては、若干余剰の乳が入って参りましても
加工することができるのでありますが、中小企業等につきましては余乳のあるだけを直ちに
加工に回すだけの設備がないのであります。従いまして、今度それを余乳としてはかしまする場合には、必ず
生産者の
生産費に対しまして、買入
価格に大へんな悪
影響を持つわけであります。でありますから、予定の
計画が若干全国的に伸びが悪くなったということでこの
計画を変更するということは、
酪農振興の上から重大な
影響を及ぼすのだということを、これは大蔵省も文部省も
農林省も
一つ考えてほしい、こういうことを私は申し上げておきたいと思うのであります。そこで、
酪農振興をそれがために阻害する原因となるのであります。単に大蔵省は、ただいま
需給調整のために
学校給食をやるのだ、だから
外国から乳製品を
輸入しなければならない。
需給調整の予定の
計画が遂行されないから、そういう事態になったから、
学校給食をまず、
調整のために置かれておる給食をやめるのだ、こういうことに原因があると私は思うのでありますが、なるほどその点は私もよくわかっております。
需要供給といいますか、それを安定さすために
学校給食を始めたということはよくわかっておりまするし、またそういうことなのでありますが、
学校給食というのはすでに長い間これをやって参りまして、学校におきましても、また父兄の側も、これを
供給する乳
業者あるいは酪農家にとりましても、これはもうすでに血となり肉となって、直ちに九月、十月のものを八月末にそういう
計画を出して、途中で急に態度を変更したり、あるいは削減したり、あるいは十一月の配給をいまだに決定しない、十一月の
計画をいまだに決定することができない。きょうは二十一日でありますが、それがまだ十一月の実施
計画すら立てることができないということは、私は大へんなことだと思う。で、これが及ぼす
影響は、単に若干のものを
輸入したというような現象だけで、
需給調整というものが、わが国には牛乳が
不足したからもう
学校給食はやめるんだなんという簡単なものではないと私は思っておる。すでにもうこれは恒久化したような形になってきておる。これをやめまするために酪農業に及ぼす
影響も大きいのでありますが、
学校給食自体の問題、これにも大へんな
影響を及ぼすのであります。私はそういうような
考え方に立ちますと、むしろ
農林省が行ないまする、これは今後の
酪農振興の問題になります基本的な問題になると思いまするが、私が聞き及びまする
ところによりますると、
相当の予定で生産が進まなければならないものが、最近牛を売り離す者が
相当ふえておる。従いまして予定
通りにならないので、農林白書に言われておりますように、十年後には四倍の
需要が見込まれるという、しかも米や麦その他から
考えましても、農業の将来というものは
需要が伸びるものを最大に取り上げて、それを援助しなければならない、これは農政の
立場としては当然
考えなければならぬはずなんです。それが、一番伸びなければならぬ
需要の旺盛になりまするもの自体が予定
通りいかないどころじゃない、まだ減っていこうかというような趨勢をたどっているということを一体どう
考えられますか。豚がちょっと値がよければ直ちに豚を入れて値をたたく。あるいはなるほど大蔵省は全国全体を
一つにごらんになると思いますが、牛乳なんというものの製品は大へん腐りよい足の早いものでございまして、遠方の
加工業者にこれを送るわけに参りません。
学校給食というものがその土地でそのなまのまま扱われるという
ところに
一つの妙味があって
需給調整をしておる。国全体の
需給調整の
立場と地方における個別的な
需給調整の
立場とはおのずから別なものでなければならぬと私は思う。国全体の
立場で足りないからとて、その個々の県が
計画を立てて学校と契約をして、学校の方ではその乳をもらえるものとしての
計画を立てておるものが、国全体の
立場という一点だけでこれを中止するということは、私は理論に合わない、こういうふうに思うのでございます。従いまして
農林省においては酪農の基本的な
立場に立って
政策の再検討をする要が私はあると思う。しかし、値がよければ直ちにたたこうとするその
考え方自体が、この酪農なり
畜産のすべてが伸びない原因になってくるのだと私は思っておる。まだほかにもいろいろ原因がございますが、きょうは
学校給食のことについての話でありますからそれにしぼって、
酪農振興につきましてはいずれ日をあらためて私は
意見を申し上げ、また
計画を聞きたいと思っております。
そこで十一月の問題に触れます。九月、十月は大へん削減したのだが、十一月の問題については、予定
通りの既定
計画通り二十九県に対しては割当をする意思かどうか。これを伺いたいと思います。