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木村禧八郎君 それはまあそういうことで、見積もりがだんだん正確になってきたとおっしゃいますけれ
ども、しかし、本年度の当初
予算の当初見積もりと、それから今度この補正の見積もりを出されましたね。当初
予算に比べて大体三千六百三十億の自然増になるわけでしょう。出初、あれが二千億の自然増収だったでしょう。二千億でしょう。三十四年度に比べてですよ、自然増が二千億だった。それを今度加えれば三千六百億でしょう、結局ね。そうしますと、非常に大きな狂いが出ているのですよ。
で、そういいますけれ
ども、最初これは、僕は最近読んでみたんですが、三月十五日の参議院の
予算委員会で慶応大学の高木教授が、その限界
租税函数とそれから国税の所得弾力性、両方から推定して三千八百億という数字を出しましたよ。三千六百億、大体近いのですよ、これに。それで、この点についてわれわれ
質問したわけですよ。どうも高木さん、あまり過大に見積もりをやっているんじゃないか。多くの人がそうだったのですよ、率直な話。これははなはだ、われわれも
委員会で、どうも
政府の見積もりは少な過ぎるけれ
ども、高木さんの三千八行億は少し多過ぎるのじゃないかというふうに、われわれも聞きました。それで、
政府の見積もりの基礎をいろいろ伺ったのですが、非常に各税目について個個にこまかく当たって見たものなのですという
お話がありましたが、しかし、やはり高木さんが計算された限界
租税函数とかあるいは所得弾力性からやった大局的な見積もりが当たっているのですよ。従って、われわれもやはりそういう自然増収の算定の仕方について教えられるところがあったわけなんですよ。結果から見てそうなっておるのです。もっとも限界
租税函数なんかはいろいろ景気変動によってずいぶん違いますから、これを今後に伸ばすというわけにはもちろんいきませんけれ
ども、やっぱり参考にする必要はあるんじゃないですか。これは高木さんにシャッポをぬがなければなりませんよ、
大蔵省は。大体当たっているんですから。
で、私はこの千六百三十億も少し過小だと思う。結局、高木さんの言われた三千八百億になると思う。これが大体に当たっていると思う。で、自然増収見積もりが非常にむずかしゅうございます、困難でございますと言いますが、一学者は大体において推定をしておるんでありますから、むずかしいむずかしいというだけで、まあ、で、仕方がございません、狂いました。それで
予算と決算と、これを比較してみますと、差が縮まっていますから、大体正確になってきていると言いますけれ
ども、しかし、三十五年度に関する限り、最初二千億と言ったものが三千六百億になり、しかもまだ私はふえると思うんですけれ
ども、何かそこにこの自然増収の見積もりについて、推定できるのに、高木さんは大体近く推定しているのですから、それにもかかわらず、
政府のやり方が非常に大きく狂ったということについては、やはり算定の仕方に欠陥があるんじゃないか、何か反省してみる必要があるんじゃないですか、やり方について。そういうことについて率直にわれわれもこれから研究しなければなりませんし、御
意見を伺っておきたいのです。