○阿
具根登君 言われることはそうですけれども、やっておられることは、私の言っているようなことをやっておられるわけなんです。たとえば、三十八年までに一千二百円
石炭の
コストを下げなさい。そうしなければ
重油との価格上の競合で負けますよ。そのためには十一万人の人がやめなさい、これで今血みどろになってやっているわけです。ところが三十八年になって、
あと三年たって千二百円で
重油と太刀打ちできるかどうか、これは言うまでもなく絶対太刀打ちできないでしょう。三十八
年度になってもまだ二千円からの値開きがあるわけなんです。そうすると、それなら今の炭鉱は、
あと十五万人しか残っておらない炭鉱就労者をやはり十何万もお切りになりますか、もう事実上炭鉱は要らないということになるわけです。それでは、それなら
外国から麦をたくさん安く入れて、そうしてこれは、毎年赤字会計その他で叫ばれているけれども、しかし
日本の麦の値段と価格を合わして売っているではありませんか。失業者を出していやだ、自分たちがさんざん使った
あとの
労働者を、いやだというのに、失業対策だ、就業対策だといって金をかけて、そうして無理な仕事をさせるよりも、それだけの金があったなら、そういう金をなぜ
石炭対策に使わないか。私はこういうふうに思うわけですがね。そうすとる一方ではそういうことをやっているでしょう。
極端な例を申し上げましょうか。この前も申し上げましたような極端な例を申し上げますると、北海道で子供の小児麻痺にワクチンを入れていますね。これは私が言うのが間違っておったら一つ御指摘願いたいと思うのですがね。私が調べたのでは、ワクチンは三回打たなければならない。それに一回が六百円から千五百円かかる。そうすると千五百円と見た場合に、四千五百円注射を打たなければいかぬわけです。これはまあ皆さんから見れば四千五百円くらい、かわいいわが子のためだからいいじゃないかというかもしれませんけれども、そんな余裕のないところの子供が多いわけです。ところがこれがどうして、どのくらいで入ってきているかと見てみますと、アメリカや
ソ連から入ってくるのは、一回分が五十四円で入ってきているわけです。一回分の
数字をお間違いなく。そうしてそれに関税が二〇%かかって六十五円になった。さらにこれが国の検定がございまして、七円五十銭かかる。七十二円五十銭の品物を、それが六百円から千五百円、今ほとんど千五百円です。一回の注射が七十二円五十銭のものが、なぜ千五百円になっているか、調べてみますと、
日本でワクチンを作るために一生懸命奨励している。それが
日本で一回分作るためには三百五十円かかる。三百五十円かかるから、だからこれを育成するために、この七十二円五十銭のワクチンを医者に渡すときには、四百円で厚生省が渡しているわけです。だから医者が今度は診察料とか注射代とか取れば六百円になる。それでも数量が足らぬから、これが今度は
需要供給の
関係で千五百円にもなっている。実際は七十二円五十銭。そういう、もうほんとうに
国民が泣くようなことでも企業を興すために、あるいはそれと
バランスをとるために、七十二円のものを四百円もでやっている
政策をやっている
政府じゃないですか。極端な例です。これは私は反対ですけれども、そういうことをやっている。それなのに
石炭に対してどうしてそういうことをするか。三十八年以降千二百円の
コストダウンでやっていけるかというと、それはやっていけない。三十八年以降は一体どうなさるか、そういう点一つお尋ねいたします。