○藤原道子君 私はどうも納得いかないので、
医療の根本についての
厚生省のお考えをまず聞きたいと思う。私は今の相模原の例が出たので、とくと研究していきます、こう言っていらっしゃいますけれ
ども、答えは明らかに出ていると思うのです。あそこでは、あの保育箱ですか、あれは非常に古くて、修理しなければいけないと業者から申し出があったのに、それをしていなかった。
看護婦さんが十五分おきに回ることになっていたといっても、回れないような陣容が、私はわざわいしたと思う。そこで伺いたいのは、
医療に対して厚生当局はどういうようにお考えになっていらっしゃるかということです。問題は、
看護婦さんの定員にしても、何も法的根拠があって四対一にきめたわけじゃない。あの当時は、
看護婦が足りなかった。だから四人に対してまあ一人ぐらいでいいだろう。そのときには、正規の
看護婦が患者四人に一人ということであった。ところが、今は人手がないとか、あるいは特別会計制度等がわざわいしたのかどうか知りませんけれ
ども、四・四・二でもってやっているのですね。正規の
看護婦は十人のうち四人なんですね。そうして準
看護婦、それから補助要員として、全然看護の経験のない人が
看護婦の定員の中に入っているということ、だから夜中に行ってごらんなさい。
坂本先生は、中山
厚生大臣のだんな様が入院したからおわかりでしょうとおっしゃるけれ
ども、そういう名士が入ったときは特別にやるのです。夜中に、八十ベッドに
看護婦二人、九十に一人、こういうのが今の
病院のあり方ですよ。五十人からの患者を正規の
看護婦一人でどうしてやっていける。私な
どもしばしば入院してお世話になりますが、とても不安でいられないのですよ。そういうことは
厚生省でわかっているはずなんです。そういうことでずっとくれば、
看護婦の定員で、無理をしているということは明らかになる。そこで、これに対してどういう今後の対策を持っておいでになるか。これを私はまず第一に伺いたいと思います。
それからもうからない
病院はどんどん整理していく、こういう傾向が出ているのです。公的
医療機関のあり方として、もうからない
病院をやめていくと、こういうふうなことがはたして許されていいものかどうか。もうからないところこそ、国が費用を注いで、その地元の国民に対する
責任を果たさなきゃならない。この例はたくさんあります。埴生の問題のときだって、だんだん患者が減ったから
病院を閉鎖をする。減ったのではないのですよ。ストップするのですよ。
病院を出ていきたくない者は強制命令で退院を強要しております。さらに最近は、和歌山の
国立病院で、これは廃止しようとしているでしょう。それに対しても、患者が入院を申し出ても、
厚生省の方針がやめる方針だから、患者の入院をとめているのです。例を出せとおっしゃるならば、幾らでも出します。それから最近になっては、患者に対して命令退所を強要いたしております。これで一体
厚生省が
医療行政に対してどういう考えを持っていらっしゃるか。私
どもはとてもたまらない気持です。この三十日には和歌山
病院を廃止することについて、あるいは労組の代表とか、あるいは患者代表、それに
厚生省からはおえら方が行って会議をお持ちになるということも聞いております。それに対しては上部団体は入れない。こういうことで、何でもかんでも力でもって、権力でもって、廃止しようときめた以上はどこまでも廃止するのだ、こういうやり方なんです。これではたして公的
医療機関としてのやり方が許されることでございましょうか。私は、もうからないところほど国が
責任を持って
医療を担当していくと、これでなきゃならないと思いますが、これはどういうわけなんでございますか。私は、こういうところに独立会計制で、それでもうかったところ、黒字のところには整備費が出る、赤字のところは廃止していく、これじゃ問題だと思うのです。それで、医者に来る人がないからやむを得ざることだという、いつも逃げ口をおっしゃるけれ
ども、医者が来ない原因はどこにあるのでしょうか。医者が来ないなら、医者が来るようにするのが私は国の
責任だと思う。何でも最後は低
賃金というのですか、
労働強化ということですか、医者も
看護婦も、今の俸給でへんぴなところへ行きたくないのはあたりまえだ。行けるような対策を立てないで医者が来ないからやれない、患者が少ないからやれない、こういうやり方が露骨に現われておりますので、これらに対して今後のあなた方のお考えをまず聞かしていただきたい。私は
日赤病院に関しても幾つも
資料を持っておりますが、きょうは
委員長が時間がない時間がないと騒いでおりますから、いずれこの問題は、これからあとじっくりと
検討していきたいと思います。
まず、国の
医療のあり方についての御決意のほどを伺いたい。
看護婦の定員が足りないのはわかりきっているのだから、これをどういう方法で解消しておいでになる方針であるか。
それかららいの
療養所なんか特にひどい。医者が半分もいないところがたくさんあります。保健所に医者のいない保健所がたくさんございます。こういうことに対して、看板だけ掲げれば中身がどうであろうとも
責任は果たしているのだ、こういうあり方に見えますが、保健所の医者をどうして埋めるのか、
看護婦の過重
労働の問題をどう解消していくのか、公的
医療機関としてのあり方、これに対してのお考えを伺いたいと思います。