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説明員(滝本忠男君)
公務員の職務と責任の
程度を絶対的に
金額で表わすということは、これはもう事実上不可能なことでございます。従いまして職務と責任の
程度をどのように
給与額に対して
考えるかということにつきましては、民間の実情等勘案いたしまして、そこにおのずからこの高さを
考えるということにならざるを得ない。昔の官吏俸給令時代のように、民間の
給与と隔絶いたしまして、
公務員だけで絶対的なきめ方ができた時代は、これはいかようにも
考えられたかもしれませんが、現在は、
公務員の
給与は全体的に民間とバランスをとってきめる、こういうことに相なっておる次第でございます。従いまして前回も俸給表の作成につきまして、大体の作り方の
方針を御
説明申し上げたのでありまするが、もう少し詳しく申し上げてみまするならば、たとえば今回は、医療、
研究、行一というものが、これが、たとえば二等級あたりで三〇%あるいはそれを少し上回る
程度の
改善になっておるのでございますが、この
数字はおおむね三〇%くらいでよかろうとか、あるいは四〇%の方がさらにいい、あるいは二五%でもいいじゃないかというように、適当にきめたものではないのでございまして、われわれといたしましては、医療と
研究と行一の二等級を全体的に、おのおのの俸給表の二等級を全体的にまとめまして、民間との較差がどれくらいになるかということを試算をいたしてみたのでございまするが、その結果がおおむね三一%をちょっとこえる
程度の
数字になるのでございます。従いまして医療、
研究におきまする二等級の
改善率は、おおむねその
程度を
目標にいたす。教育では、この前に申し上げましたように、大学の教職員につきましては、これは結果的には民間よりは低いのでありまするけれ
ども、
公務員部内においては
研究職との交流という問題も非常に多いわけでございまするし、また
研究の根源でありまする大学の教職員の
給与を厚くしなければならぬということもございまするし、大体その
程度の
改善を教授の俸給に対してはいたす、こういうことをいたしたわけであります。現在一等級は教育一、すなわち大学の教職員だとか、それから
研究、医療一、お医者さんでありますとか、それから行一では、
御存じのように俸給の幅も
金額も同じに構成されております。ただいま申し上げましたように、三一%ということを出しまするにつきましては、医療、
研究、行政一というものをまとめて出した次第でありまするが、こういうところにおきましては、それぞれ交流もございまするし、また上級のポジションの方からの
金額のバランスということもございまするので、そういう
数字を行政一の俸給にも用いた、こういうことでございます。それから、六、七、八の等級につきましては、これをやはり行一だけでなしに、それぞれ俸給表の異なりまする対応等級で横にこれをまとめまして、民間との較差を見てみますると、おおむね一一%
程度の較差になる、こういうことでございまして、われわれは今回の俸給表の改正におきましては、六、七、八のところを大体その
程度の
改善率にいたすということをいたしたのであります。それで、この等級の平均俸給額というものを、これを大体指数曲線にする。これは、おおむねホワイト・カラーの昇給曲線というものは、
御存じのように指数曲線を形成するものでございまするが、われわれは各等級の平均俸給額というものが大体そういうものになるということを見当をつけまして、そして、昇給率等は各等級において現在と大体同
程度、あるいはちょっと上ぐらいになるというところで全体の俸給表を構成いたしたわけであります。従いまして、上位等級について、まあいろいろ御批判はございまするけれ
ども、われわれとしましてはそういう観点からいたしておるものでございます。