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鈴木強君 三月の十七日の日に、私がさっき申し上げましたように、当時の
植竹郵政大臣が、
カラーテレビについて、ヨーロッパ、アメリカを回られてきた
結論として、
NTSC方式というものが
標準方式としてはよろしい、こういう判断をされた。その行く前には、われわれの
質問に答えて、砂糖も甘いか辛いか、よくなめてみなければわからぬという話もありまして、砂糖をなめに行ったわけです。一カ月ぐらい回ってきて、なめてきたその砂糖がいいからきめたというので、何か形式的なことだけであって、本質的な問題に対する解明がなされておらなかった。だから少なくとも三月十七日現在における
委員会では、与野党含めてきわめて
慎重論ですね。もっと慎重にやってもらいたい、
大臣はそれを受けて慎重にやります、こういう答弁をしたのです。にもかかわらずその翌日に
聴聞会に
省令を
諮問するというようなことで、そういうやり方をした
経過があるのです。私は、きょうもこういう
委員会ですから、あまり基本的なことは言わなかったのですが、少なくとも
大臣は、昨日も新聞記者に会見をされて、十日に本
放送を
実施をされるというような御所見を発表されておる段階ですから、私は、こういう問題のあったことだけに、むしろ
大臣から発言を求めて、今までのいきさつぐらいは十分にここに報告をされて、疑義の点はただしていただくというような態度に出ることを
期待しておった。ところがそういうこともなかったので、私が
質問を展開するということできわめて遺憾なんです。ですから、そういう
経過をたどってみますと、政府と与党の間になるほどそれは
意見が一致しなければならぬということもあるでしょうし、いろいろのそういうこともあるでしょう。しかもまた、与党の諸君も、これは当時各界、業界もそうでした。
放送を担当の
人たちも、相当広範に
参考人を呼んで聞いてみると、
積極論というものはきわめて少ない。消極論というか時期尚早論というものがかなり支配的であった。そういうこともありますから、われわれは国民を代表する国会の立場におるわけですから、そういう客観情勢とにらみ合わせて
慎重論を唱えてきたわけですから、その辺が必ずしも私は、
大臣のおっしゃるように、今日の段階においてきれいに割り切って政府に賛成していると思わぬですよ。ですから、山田
委員もおっしゃったように、
池田内閣にかわったのですから、われわれある
程度、十数
年間電波行政に携わってきた者から見たって、これは事務当局の諸君にもよく聞いてみて下さい。
電波監理局のいろいろ
意見があると思うのです。純粋に技術的に考えてもいろいろな問題があるのに、白黒と
カラーをどう併用していくかという問題については、
電電公社には迷惑をかけないと言うのですが、かりに十億、二十億の金がかかるとしても、現に電電が、あなたも言っておるように、来年は五十万にもふやすと言っておるのですから、七十二億のはした金を外国から借りてこなければできない、その上に十五億の金を出してくれますか。来年の
予算で二年
計画だか何だかしりませんが、そういうことを実際に政府がやってくれる保証があればある
程度はわかりますが、一方には、本来マイクロは電話の即時に使われるのが使命である。もちろん
テレビにも使われなければならないでしょうが、それをどうやっていくか。その辺をほんとうに深く理解していただかないと、われわれから見ると、電電の
仕事だって大へんなことだし、政府の財政措置だって八十億じゃないですか。そんなでたらめな
予算措置をしておって電話をふやそうたってそんなに簡単にいかぬと思いますね。私は、新内閣のもとに、あなたは新進気鋭で馬力もあるし、勉強もされておるようだから、少なくとも
委員会のわれわれの空気も聞いてもらえれば、そうそう前にきまっておったからというので、やみくもに九月の十日にやらなければならぬということにはならないと思うのですよ。もう少し慎重に考えてもらいたいと思いますね。これは私の要望です。