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1960-07-22 第35回国会 参議院 商工委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年七月二十二日(金曜日)    午後三時三十八分開会   —————————————   委員異動 七月十九日委員佐藤芳男君及び成瀬幡 治君辞任につき、その補欠として小林 英三君及び阿具根登君を議長において 指名した。 七月二十一日委員川上為治君辞任につ き、その補欠として河野謙三君を議長 において指名した。 本日委員河野謙三君及び高橋進太郎辞任につき、その補欠として川上為治 君及び剱木亨弘君を議長において指名 した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山本 利壽君    理事            川上 為治君            古池 信三君            栗山 良夫君            牛田  寛君    委員            赤間 文三君            井川 伊平君            岸田 幸雄君            小林 英三君            斎藤  昇君            阿具根 登君            阿部 竹松君            近藤 信一君   国務大臣    通商産業大臣  石井光次郎君    国 務 大 臣 荒木萬壽夫君    国 務 大 臣 迫水 久常君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   説明員    通商産業省重工    業局長     佐藤  滋君   —————————————   本日の会議に付した案件理事補欠互選の件 ○継続調査要求に関する件 ○自転車競技法の一部を改正する法律  の一部を改正する法律案(第三十四  回国会内閣提出衆議院送付) ○小型自動車競走法の一部を改正する  法律の一部を改正する法律案(第三  十四回国会内閣提出衆議院送付) ○委員派遣に関する件   —————————————
  2. 山本利壽

    委員長山本利壽君) これより商工委員会を開会いたします。  最初に委員異動について報告いたします。  昨二十一日、川上為治君が委員辞任され、その補欠として、河野謙三君が委員に選任されました。また、本日、河野謙三君及び高橋進太郎君が委員辞任され、その補欠として、川上為治君及び剱木亨弘君が委員に選任されました。   —————————————
  3. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 議事に入ります前に、石井通商産業大臣荒木科学技術庁長官迫水経済企画庁長官から、それぞれ発言を求められておりますので、これを許します。
  4. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) ただいま御紹介を受けました石井光次郎でございます。  今度、はからずも通商産業大臣を拝命いたしました。通商産業の行政にこれから専念して参るつもりでございます。皆さん方の御援助によりまして、滞りなく仕事が運びますようにお願い申す次第でございます。何分ともよろしくお願いいたします。(拍手
  5. 荒木萬壽夫

    国務大臣荒木萬壽夫君) 荒木萬壽夫でございます。お許しを得まして一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。  ほんとうに文字通り、はからずも科学技術庁長官をお受けいたしまして、事柄の重大なのにもかかわらず、微力その任にたえ得るやをあやぶんでおるような次第でございます。科学技術の重要なことは、皆さん方に私から蛇足を添える必要のないほど重大なものでありますだけに、未熟者ほんとうにまあ心配でたまらぬのでありますが、ことに文部と兼務ということでございますので、機会あるごとに兼務では科学技術振興できないというおしかりを受けておりますが、兼務ということに相なりました今日においては、ただ微力にむち打って、極力不都合がないように努めるほかには考えようもないわけであります。それにつきましても、皆さん方を初め、御関係の方々の御叱正、御支援をかたじけのういたしまして、せめて大過なくがんばって参りたいと、かように存じておるような次第であります。どうぞよろしくお順い申し上げます。(拍手
  6. 迫水久常

    国務大臣迫水久常君) 池田内閣の成立に伴いまして、経済企画庁長官を拝命し、はなはだ未熟でございますが、できるだけ勉強をいたしますから、どうぞよろしく御指導をお願いいたします。(拍手)   —————————————
  7. 山本利壽

    委員長山本利壽君) それではまず理事補欠互選の件を議題といたします。  先刻御報告いたしました通り理事川上為治君が一たん委員辞任されましたため、理事に欠員を生じましたので、その補欠を互選いたしたいと存じますが、先例により成規手続を省略し、委員長指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 御異議ないものと認めます。それでは理事川上為治君を指名いたします。   —————————————
  9. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。  先に議長の承認を求めました経済の自立と発展に関する調査についてでありますが、今期国会閉会後も引き続いて調査を行なうため、本院規則第五十三条により継続調査要求書議長に提出することとし、要求書の作成及び手続等委員長に御一任願っておきたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。   —————————————
  11. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 次に、本日自転車競技法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び小型自動車競走法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案衆議院より送付され、本委員会に付託されましたので、これより両案を一括議題として審査に入ります。  まず、政府より提案理由説明を聴取いたします。
  12. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) ただいま議題となりました自転車競技法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明申し上げます。  本案は、自転車等機械関係事業振興をはかるため日本自転車振興会が、競輪施行者から売上金の一部の交付を受けてこれらの事業振興に関する事業を行なうという現行制度を、さしあたりさらに一年間存続させることを内容とするものでございます。  現行制度は、昭和三十三年の第二十六国会において成立した改正法律に基づいて定められたもので、その際この資金交付及び支出方法に関する制度については、今後さらに検討を加える必要があるという見地から、施行の日から三年を経過する日、すなわち昭和三十五年十月一日以後においては、別に法律で定めるところによるものとされたものでございます。  従いまして、それまでの間に、この制度を今後いかにするかについての御提案をいたす必要があるのでありますが、たまたま競輪等公営競技につきましては、最近における諸般の情勢にかんがみまして、公営競技自体について根本的に検討を加えるべき段階にきていると考えられますので、政府といたしましても、別途総理府設置法の一部を改正する法律案を御提案いたしましたように、総理府公営競技調査会を設けて、競馬競輪小型自動車競走及びモーターボート競走に関する現行制度検討を加え、関係諸問題を調査擁護する予定となっております。そこで、自転車等機械関係事業振興に関する制度を今後どうするかにつきましては、この公営競技調査会結論等を待って、競輪制度自体について根本的に検討を加えた上で、御提案をいたす際に、その一環としてその中に織り込みたい所存でありますので、この際は、とりあえず現行制度をさらに一年間だけ延長いたす法律案を提出いたしまして、御審議いただくことにいたした次第でございます。  何とぞ慎重に御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願いいたす次第でございます。  また、もう一つ議題となりました小型自動車競走法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案につきまして提案理由を御説明申し上げます。  本案は、先に提案いたしました自転車競技法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案と同様に、小型自動車等機械関係事業振興に関する制度をさしあたりさらに一年間存続させることを内容とするものであります。  本案につきましても、自転車競技法の場合と同様に、今後この制度をどうするかにつきましては、小型自動車競走制度自体について根本的に検討を加えた上で御提案をいたす際に、その一環としてその中に織り込みたい所存でありますので、この際は、とりあえず現行制度をさらに一年間だけ延長いたす法律案を提出いたしまして、御審議いただくことにいたした次第でございます。  何とぞ慎重に御審議の上すみやかに御賛成あらんことをお願いする次第でございます。
  13. 山本利壽

    委員長山本利壽君) これより両案について質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  14. 近藤信一

    近藤信一君 ただいま提案説明がございました自転車競技法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、この改正案に対する私は基本的な問題で通産大臣に若干の質問をいたします。  まず問題といたしまして、私ども競輪存廃について大臣所信を承りたいと思うのです。それはなぜかと申しますならば、競輪廃止という問題が各地方自治体においても、それぞれ決議されたところもございますし、大体競輪社会悪ということが非常に叫ばれまして、順次その廃止方向へ各地方も進んできておるのではないかと思うのです。大臣も御承知ように、競輪によるところの弊害というものは非常に大きいものがあるわけなんです。この競輪によるいろいろな犯罪も行なわれておる。さらに一家心中等もよく新聞等でも見受けられるわけなんです。これは昨年から今年にかけまして、約一年ちょっと新聞に出たのだけでも約三十件ほどあるわけなんです。殺人だとか強盗だとか心中、こういう事件が一年で新聞に出ただけで三十件ほどもあるわけなんで、まだこれの表面に出ないいろいろな家庭的な問題もたくさんあるのじゃないか。こういうことを考えてみますると、やはり競輪の及ぼす影響というものは非常に大きな影響を私は及ぼしておると思うのです。競輪廃止したらどうか、こういうような世論は国民の中から相当きびしく盛り上がっておるわけでございます。さらに競輪審議会が昨年設けられまして、これの存廃意見を聞いたらどうか。こういうふうなこともございまして、競輪審議会におきましては、そのようなことで、昨年の委員会でも私どもしばしば申し上げたわけでございまするけれども、いわゆる競輪審議会委員の選出の方法にもこれはおかしいものがある。というのは、やはりあの審議会に参加しておる人たちは、存廃ということが問題でなくして、運営というふうなことに重点が置かれておる。こういうようなことから、これは諮問する前に廃止なんていうことは問題にならぬということがおおよそ予想されておったわけでございますけれども、やはりあの審議会の結果は、存廃をどうのこうのというのじゃなくして、運営をどうするか。こういうようなことで何か自粛してどうとかこうとか、こういうふうなことを言われておるわけなんで、そういう点から考えますと、やはり私どもは根本的な問題としては、やはり地方からも競輪廃止という問題等も非常に盛り上がっておるやさきでございまするから、この競輪存廃について、新たに今度通商産業大臣に就任されました石井通産大臣に、私はこの競輪存廃についての基本的な考えについて所信をお伺いしたいのであります。
  15. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) この競輪存廃の問題は、私先ごろまで党の、自由民主党の総務会長をしておりましたが、相当論議の種になったので、両論いろいろ戦わされまして、今お話しのように、競輪審議会で話のあったときにも賛成の人もあれば反対の人もあったというようなことを聞いておるのです。弊害の面から見ますると、今おっしゃったように、いろいろ社会悪がその中に醸成されたということは、これはそんなことはないという問題でなくて、いろいろその通りあったと思うのです。また一方から見ますると、長い間やってきたうちに、何かこれが大衆的な楽しみの一つのものというふうにだんだん進んできた形も、これはいなめないものだと思うのです。またこれから上がった利益というものが、御承知よう機械発達やら、あるいは地方財政援助したというようなこと、地方財政も戦後の苦しいときから立ち直って、だんだん今日に及ぶと、こういうものの援助を受けなくてもいいというようなところも出てき、そのほかのいろんな情勢からおやめになったところもあることも事実でございますが、そういうよう論議がいろいろ戦わされますので、この際、自転車だけでなくほかのものもあわせて、内閣公営競技審議会を置いて、そうしてこの高いところから広く物を見て、そうしてどういう方向に進むか。やめるなら、あるものはやめる、あるものは存続するということになるかも知れませんが、やめるならどういうふうにしてやめるかというようなことについても検討してもらいまして、それを土台として通商産業省としては最後の案を来年の一月までには何としても作り上げようというよう心持で、私どもは党におったときもそう思っておりましたが、今日においても同じよう考えをもっているわけでございます。
  16. 近藤信一

    近藤信一君 従来競輪存置理由とされておりますのは、主として地方財政の歳入の問題、さらに機械工業振興費の問題、こういうことがそのおもなる理由として存置意見が述べられているわけでございます。しかし今度新内閣池田さんは、所得倍増論ども言っておられるわけですから、何もその社会悪を作るよう競輪に財源を求める、こういうことでなくて、やはり健全な財政というものが確立されるのじゃないかと私は考えるのであります。そういう意味からいきましても、私は少なくとも競輪廃止ということが、まず池田内閣において率先この点は叫ばれて私はいいものじゃないかと、こういうふうに考えるのですが、今、大臣の御意見からいけば、直ちにというわけにはいかない。やはり競輪だけでなくて、競輪、それから小型モーター・ボート、競馬、または小型自動車、こういうふうな一切のものの存廃について考えていきたい。あるいはまあ審議会を作ってというお考えであるそうでございますが、しかし私はこの審議会というものが、その存廃についてほんとう審議されるかどうか、こういうことを考えた場合に、やはり競輪審議会委員運営を前提としていろいろと考えているように、新して設置法考えられるという問題は、やはりそうした競技存置するという方向考えられるのじゃないかという危険性があるわけなんです。こういう点について大臣はどのよう考えておられますか。
  17. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 私はこの問題は今までもずっと考えてきた、話し合ってきた問題は、これを存置するということのために理由をつけて審議会だとか、何とか設けて、そうしてそこにあまりむずかしい結論を出してもらわぬようにして、ずるずると存置する、こういうようなことがあってはならないので、これはいろいろな問題がこれに伏在しておるのだから、ほんとうにフェアな立場で、そうしてこれが全体的に見ていいかどうか。今お話よう地方財政問題等、あるいは機械発達というよう問題等にも、これは寄与してきた面も非常に多いのでございますが、これから先もそういうものに頼らなくちゃならぬかどうかというようなものも、これは自由な立場検討してもらって、そうして答えを出してもらう。それを土台としてやっていこうと思うのです。存置する方法に誘導するよう心持ちで公営競技審議会ですか、調査会ですか、そういうものを設ける気持はないのでございます。
  18. 近藤信一

    近藤信一君 大体この法律案時限法で、今年の九月一杯で切れるわけなんです。そこでもうこの三年間、これはたしか昭和三十二年だったと思うのですが、三年間延期されて、この九月三十一日で切れるわけになっている。さらに今度の改正では、これを一年延期して云々ということになっていると思うのですが、私は三年間の間で、なぜこういうよう存廃についての具体的なことが論議されなかったか。また、ここで一年延ばしてみたところで、この一年間に、はたして存廃の問題が真剣に政府において討議されるかどうか、この点が私は非常に心配だと思う。まあ新大臣として石井通産大臣を私は信用はしておりますけれども、この一年のうちに廃止方向に努力をしてもらいたい、こういうふうに私は考えるのです。  そこで、この一年延期して、一年後にまた、さらにこれが存置されてというふうなことになりますると、これは、こうした社会悪のギャンブルの法律案が、いつまでも続くというふうなことになれば、やはり私は、将来非常に心配じゃないかと思うのですが、この点、いかがですか。
  19. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) この問題を一年間延ばすのは、その間に公営競技調査会答申をなるべく早く出してもらって、そうして、その間にその成案を得て、皆さん方の方にお諮り申すという心持でこれを取り上げているわけでございます。一年たってまた一年、もう時間がないから、また一年と、そういうふうな、だらだらとするようなことは、今あなたのお話ように、三年を一年延ばす、私は、この期間中に、どちらかの答申というものを必ず得て、それを土台として法律案を提出するということをお約束していいと思います。
  20. 近藤信一

    近藤信一君 それは、前の池田通商産業大臣のときに、競輪の問題で、どうも九月に法律が切れるのだから、問題をやるなら、もっと早くこの委員会に出して、そうして真剣にこの問題を討論しようじゃないか、そういうことを栗山理事からも要請しておったわけなんです。  ところが、これがどさくさまぎれに衆議院の方で審議がされて、そういうことでこれまた、きょう、ぎりぎり一ぱいにきて、時間も非常にない。こういうことでは、ほんとうに私ども真剣にこの問題と取っ組んで、いろいろ考えてみようと思っても、時間がないから何もできない、こういうことでは私は困ると思う。やはり将来、この問題については、新任されました石井通産大臣が真剣に一つ、この問題と取っ組んでいただきたい、かように希望いたしまして、時間の都合もございますから、私の質疑は終わります。
  21. 栗山良夫

    栗山良夫君 ちょっと関連。ただいま近藤委員の御質問で大要はわかりましたが、当時の池田通商産業大臣のお考えと、石井大臣のお考えとの間にギャップがあっては好ましくないと思いますので、その点を一点ただしておきたいと思います。  石井大臣としましては、ただいままでの御答弁によりますというと、公営競技調査会なるものを設けて、そうして競輪問題は白紙で一応考えてみたい、こういうふうにおっしゃったように思いますが、そういうことでございましょうか。
  22. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) 公営競技調査会に出す場合においては、色をつけないで自由に討議してもらう、こういうふうに思っております。
  23. 栗山良夫

    栗山良夫君 公営競技調査会の方で白紙立場で、存廃いずれの意見にもこだわらないで調査をせられ、結論を求められるということは、私はそれでよかろうと思いますが、そのお考えが、通商産業大臣のお考えと全く同じであってはちょっと工合が悪い点があるのではないかと思うのです。  たとえば、ただいまあなたのお言葉の中に、補助金捻出の要否というようなことを検討するものではないということをおっしゃったのでありますが、私の聞き間違いかもしれません。あるいは存置のために理由づけするような、そういう気持はないということをおっしゃいましたが、問題は、自転車競技法がそもそもできたときから、ずっと経過をたどってみますと、この上がりの金で、いろいろ公共的に使おうという考えが出てきたのはあとのことでありまして、自転車競技法そのものが、社会福祉貢献するのかしないのかという根本の問題を大いに検討しなければならないということになった。特に、当時池田通商産業大臣石原自治庁長官も、この委員会で種々検討した結果、大よその結論として出ているのは、地方自治に対して競輪の上げた資金貢献をさせなければならぬという、その必要度というものは、非常に現実に軽減してきているということが明らかになっているということが第一点。それから、通商産業省として、産業振興のために、この自転車競技によって上げられた資金を充当しなければやっていけない、そういう絶対的なものではない。産業振興のためには、これに依存しなくても、他にやはり十分こなし得るくらいの余裕があるのだ、こういうことが明らかにされております。  従ってただいまの石井大臣答弁の中で、公営競技調査会がもし設けられれば、そこでいろいろ御議論があろうと思いますが、石井大臣としましては、やはり自治省とも十分御連絡をとっていただいて、補助金捻出という問題については、それほどこだわる必要はないのだということを、やはり関係閣僚としても自信を持ってお進めをいただきたいし、また閣議等の席上においても、そういう問題が案件になりましたときには、所管大臣として、この点は十分に主張をしていただきたい。従来の当委員会における調査では、そういうことになっております。石井大臣になりましてから、そのお考えが、もし変わられるということであれば、それを伺っておかなければなりませんし、従来の方針で当委員会に臨むということであれば、それをお伺いしておかなければならないということが第一点であります。  それから、特に参議院の商工委員会は、自転車競技法の問題については、ずっと長年の間にわたって、格別の関心を持って調査研究を進めておりますので、公営競技調査会結論が出てしまってから、当委員会に法案として付託されるというようなことのないように、今後、やはり当委員会といたしましては、自転車競技法の問題は熱心に調査をして、よりよい結論が出るように協力したいと思っておりますから、そういう機会を、十分に政府側としても配慮せられるように要請をいたしておきたい、こう考えるわけであります。
  24. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) さっきもちょっと申し上げましたように、地方財政貢献してきたということ、それが、あちらこちらで、これを廃止する、もう地方財政が、これによって助けてもらう必要がなくなったというようなこと、そういう所が、いろいろな社会悪の問題ともあわせて考えて、やめられる所が出てきただろうということをいろいろ申しましたが、この前後の、今日までの中央、地方財政の状況から見まして、だんだん競輪の収益に頼るという所は少なくなってきているのは事実だろうと思います。しかし、まだこれが抜けると、ちょっと困るなというような、あった方がずいぶん助かるというよう心持の所も、もちろんまだ残っているに違いないのであります。大体の傾向からすれば、あなたのおっしゃったように、私はだんだん軽減していけるということは言えると思います。  それから機械の改善の問題も、これでずいぶんいろいろな予算の上で支出面が窮屈な場合に、これによって助けられたことも事実だと思いますが、これも国の財政が、だんだん伸びていく場合において、その重要の度は減りつつあるということは言えると思います。これらのものもあわせ、それからこれだけの問題でなくして、さっき申すように、これは大衆娯楽としてどうだと、そういうよう大衆娯楽というような面でいうならば、今の社会悪のもとになるようなベッティングを、どういうふうにするかという、いろいろな問題が出てくるだろうと思いますが、大体のことは、おっしゃる通り方向に向いていると、私、その通り同じよう考えております。  それから、公営競技調査会答えが出るのを待たんでも、その間に、いろいろそれらの空気を知りながら、案をこしらえるのにも、皆さんに相談しながらやれということは了承いたします。
  25. 牛田寛

    牛田寛君 ただいま、いろいろと競輪その他の公営競技の問題について、その功罪が論議されておりますけれども、今まで地方財政の問題であるとか、あるいは産業振興の面で、ある程度の貢献があった、これはまあ事実と思いますけれども、私はこの問題については、むしろ社会悪の面、国民大衆に対してどのような害毒を流すかという点が中心に取り上げられなければならないと思っております。その点について、ただ主観的な討議ではなしに、もう少し客観的な事実をつかむだけの根拠を持った一つ調査というものが、幅広くなされていかなければならないと考えておるのでございます。  それで、一点だけお伺いしたいのでございますが、公営競技調査会というものを設けられるということでございますけれども公営競技調査会が、どのような形で調査をなさるのか、少し具体的に承っておきたいと思います。
  26. 佐藤滋

    説明員佐藤滋君) これはまだ、どういう形で調査をして、どういうふうに結論を出されるのか、これはでき上ってから、内閣総理府の方で、今大臣答弁にありましたように、フェアな人物を選ばれて、それからその方々の討議の結果きまるものと思いますので、私の方から答弁は申し上げかねます。
  27. 牛田寛

    牛田寛君 先ほどもお話があったようですが、一年、暫定的に延長なさるんです。その間に調査会ができまして、調査なさるというわけですが、どのよう方向で、どのよう調査なさるか、かいもく現在においては方針がきまっておらないという状態でありますと、先ほどもお話があったように、また一年延長するというように、ずるずる延長されるおそれがあるのじゃないか。私はこの際、基本的態度をもう少し明確にしていただけないものかと、こういうふうに考えるわけでございます。  で、繰り返して申し上げるわけですが、この調査会の性格ですが、これが単に今までの競輪審議会ような、いろいろの立場の方が委員になられて、それぞれの立場で主観的に討議なされるということにとどまるならば、これは結論が出ない。もう少し幅の広い調査、たとえばこれは世論調査をするとか、あるいはもう少し具体的な、競輪の害毒がどのように実際に現れているかというようなことについて、幅の広い徹底的な調査に努力していただきたい、こういうふうに考えるわけでありますが、事実私は競輪の害毒について、庶民の生活に非常に害毒を及ぼしている。もちろん競輪が健全娯楽であるという性格を持たないとは言いませんけれども競輪の本質よりも、むしろ社会環境、社会環境と競輪との関係において、非常に害毒が激しくなるかならないかということは分かれると思います。で、現在の社会状態、特に一般の大衆の生活が非常に逼迫しているというような状態であっては、このような娯楽というものは害毒を流します。英国のような安定した社会であるならば、これはある程度害毒というものは少くなくなるというよう考えておるのでありまして、その点について、もう少し綿密な、組織的な強力な調査の上に立った一つの判断というものが必要だと思います。私個人としましては、現在の競輪の害毒というものは、これは社会悪というものを作っている、これは早急に廃止されなければならないと考えておりますが、この調査方向について、一つ大臣のお考えを承っておきたいと思います。
  28. 石井光次郎

    国務大臣石井光次郎君) この公営競技調査会でやっていただくのに、まあ地方財政援助の度合いだとか、あるいは機械改善の度合いだとかいう、それだけで、これが決定されるべきものではないということは、これは当然であります。根本は、なぜやめようかという、やめた方がいいじゃないかという声の大部分は、この社会悪の面が、あまりに激しいのではないかということで言っておられる、その通りだと思います。大体これをもう少し、何とか改めるなら改めて存続しようという意見が出ているのは、これは一般大衆の娯楽になっているじゃないかというような面から見られたので、今おっしゃられたように、いろいろな角度角度から出たような議論が出ておると思います。その角度々々の議論になりまする材料を、できるだけ広く今後集めまして、今おっしゃったように客観的に各方面から研究していく、そうして高いところから批判をし、そうして結論を出していただくというように、資料をできるだけそろえて提出もして、その会がうまくいくように、いいかげんな結論で、そこで寄り合って感じだけで結論を出していただくのでなくて、いろいろな資料を提供いたしたいと、こういうふうに考えます。
  29. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 他に御質疑はございませんか。——他に御質疑がなければ、両案の質疑は終局したものと認め、これより両案を一括して討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言がなければ、討論は終局したものと秘め、これより採決に入ります。まず、自転車競技法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は、挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  30. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。  次に、小型自動車競走法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方は、挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  31. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。  なお、ただいま可決すべきものと決しました二案について、議長に提出する報告書の作成等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いにいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 御異議ないもりと認めます。よって、さように決定いたしました。   —————————————
  33. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 次に、委員派遣に関する件についてお諮りいたします。  今期国会閉会中、経済の自立と発展に関する調査一環として産業事情等について調査のため委員派遣を行なうこととし、その人選、期日等については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 御異議ないものと認めます。よって、さように決定いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時十九分散会