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国務大臣(
中山マサ君) 今の
お話でございますが、生活保護
階層の
対策を引き上げるということは党も懸命になっていらっしゃいますし、私もそのつもりでございます。憲法でいうところの、いわゆる
福祉国家的な今のことはむろん私
どもが何と申しましょうか、最終目的として
考えております。これはあれができましたときに、私はあの敗戦の直後、あれが直ちにその
通り実現できるとは私はお作りになった方もお
考えになっていないのじゃなかろうか、徐々にそれに向かって進むというのがわれわれの理想であると
考えられているのじゃなかろうかということは私の私見でございますが
考えておりますが、その方向に向かっていく。しかし、何と申しましても、これは働いている
方々の税金によってまかなっていることでございまするから、このボーダー・ライン層というものがございまして、それに落ちてない人
たちは、あまりこれを上げていきますと、どこでほんとうに線を引いていいかわからなくなっちゃうのじゃないかと思うのであります。懸命になって、このグループに入らないで、歯をくいしばってがんばっている人のことも
考えて、やっぱりバランスのとれたものにしていかなければなりませんから、手放しで、いわゆる保障を受けている人
たちだけのことを
考えていくということもむずかしいのでございますから、その間の調整をとっていくということが、私は私
どもの使命ではなかろうかと思います。早くそういう人
たちに十分のことをしてあげて、その人
たちが抜け切っていただいて、どんどんラインの上に上っていただければ、これは私
どもの
希望するところでございまするから、その方向に向かっていこうと思っていますることを、どうぞ
一つ御
承知おきを願いたいと思うのでございます。何と申しましても、この限られたる
国民の税金において、これを税金を上げますれば、またあなた方にたたかれたることでございますから、税金を上げないで、できるだけ減税をやりつつ、幾分か減税をやりつついかなければなりませんので、なかなかこれはむずかしい問題でなかろうかと思うのでございます。それで、できるだけのことをしたい。それで今出て参りました二六%というような数も出ておりますしいたします。この間の調整に私
どもはこれから苦慮していくところでございまするが、これくらいのパンツしかないじゃないか、おふろもこれくらいしか入れないじゃないか、それは十分なことをしてあげられるならば、したいというのが親心でございます。だれでも自分の子供に対して、子供の要求
通りしてやりたいというのは、いかなる親も私は同じであろうと思いまするけれ
ども、持っている財布の重みのかげんで、子供の要求
通りいかれないというのが、われわれ母親がなめてきたこれは実感でございます。そういうわけでございまするから、九千万の
国民をかかえておりまして、その人
たちに納得のいく線を出すということは、私
どもの使命ではございませんでしょうか。いわゆる
国民年金というものは
保険では
考えるな、保障で
考えろともおっしゃっていらっしゃいますが、保障で
考えている線は、
福祉年金の方でこれは出ておると思います。お粗末ではございますが。しかし、やっぱりこの大勢の人を相手にいたしますと、私は
国民年金というものは、一種の
拠出制のものは
保険的の
考えを加味していかざるを得ないというのが、私は
建前ではなかろうかと思っておるような次第でございまするが、できるだけ今の保障という面は
福祉の方でこれは
充実させなければならないと
考えております。先ほ
どもこういうものを拒否する運動が始まっていると聞いておりますが、どうぞそういう運動をなさらないでいただきたいのであります。いかなる
施策も、初めは私はお粗末のものであると思います。いかなる大山の巨木といえ
ども、初めから巨木ではないのでございます。初めは地殻を割って出たかわいい二葉なんです。それが年を経て巨木になるのでございますから、どうか
一つ、あまり早く結論に飛び込まないでいただきたい、育てていくという気持を
政府は持っておりますし、
皆様方もお持ちいただきたいということを私は
お願いいたしたいのでございます。
この船員の
保険の通算の問題でございますが、これはそこまで参りましたこと、まことに喜ばしいことに存じます。これもやはり
話し合いでそこまで参りました。今日
池田内閣がこの世に出ましてから、三池炭鉱の問題あるいは富士の問題も
話し合いでもって解決ができるようになって参りましたが、この線でお互いに話の広場において問題を解決していくように
努力したいと私
ども考えております。