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1960-09-02 第35回国会 参議院 決算委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年九月二日(金曜日)    午前十一時二十七分開会   —————————————   委員の異動 八月十二日委員小山邦太郎辞任につ き、その補欠として近藤鶴代君を議長 において指名した。 本日委員伊藤顕道君、戸叶武君及び鳥 畠徳次郎辞任につき、その補欠とし て近藤信一君、森中守義君及び小山邦 太郎君を議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     佐藤 芳男君    理事            岡村文四郎君            谷口 慶吉君            矢嶋 三義君    委員            上原 正吉君            川上 為治君            小山邦太郎君            増原 恵吉君            谷村 貞治君            相澤 重明君            北村  暢君            小柳  勇君            近藤 信一君            武内 五郎君            島   清君   国務大臣    大 蔵 大 臣 水田三喜男君    文 部 大 臣 荒木萬壽夫君    厚 生 大 臣 中山 マサ君    農 林 大 臣 南條 徳男君    運 輸 大 臣 南  好雄君    郵 政 大 臣 鈴木 善幸君   建 設 大 臣 橋本登美三郎君    自 治 大 臣 山崎  巖君    国 務 大 臣 江崎 真澄君    国 務 大 臣 高橋進太郎君         —————    会計検査院長  山田 義見君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    内閣官房長官  大平 正芳君    調達庁次長   真子 伝次君    大蔵省主計局法    規課長     上林 英男君    大蔵省管財局長 山下 武利君    文部省中等教育    局長      内藤譽三郎君    文部省管理局長 福田  繁君    農林政務次官  宇田 國榮君    運輸省航空局長 今井 栄文君    日本国有鉄道副    総裁      吾孫子 豊君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十三年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和三十三年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和三十三年度国税収納金整理資金  受払計算書内閣提出) ○昭和三十三年度政府関係機関決算書  (内閣提出) ○昭和三十三年度国有財産増減及び現  在額総計算書内閣提出) ○昭和三十三年度国有財産無償貸付状  況総計算書内閣提出) ○昭和三十三年度物品増減及び現在額  総計算書内閣提出)   —————————————
  2. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) これより決算委員会開会いたします。  委員の変更について報告いたします。本日、伊藤顕道君、戸叶武君が委員辞任され、その補欠として近藤信一君、森中守義君が選任されました。   —————————————
  3. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) 昨日の委員長理事打合会において決定いたしたことを申し上げます。本日及び明三日の委員会運営並びに十月の委員会開会日程について協議いたしました結果、本日は午前、午後質疑を行ない、明三日は午前九時三十分に委員会開会いたし、おそくとも一時三十分までに終了する。質疑通告者発言の順序は、本日は矢嶋君、相澤君、北村君の順に行なうこととし、三日は小柳君とする。質疑はでき得る限り大臣に行なうこととし、その後事務当局に対して行なう。関連質問については、委員会の進行の状況を勘案して委員長において適宜処理する。十月における決算委員会は、臨時国会召集日前々日開会する。  以上のごとく意見が一致いたしました。さよう取り計らうことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) 御異議ないと認めます。   —————————————
  5. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) それではこれより昭和三十三年度決算及び昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算書ほか二件を一括して議題といたします。  本日は総括質疑でございます。質疑通告がございます。順次発言を許します。
  6. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 先ほどの委員長理事打合会で問題になりました総理大臣出席でありますが、申すまでもなく総括質問の第一日でございますので、総理大臣出席をぜひ要請いたしたいと思います。私の党においても質問者はいずれも総理要求いたしておりますし、特に池田総理は、昭和三十三年度予算執行をした岸内閣の閣僚でもあったわけでもありますので、その責任の立場においてもぜひ出席をということを要求しておったわけでありますが、本日お見えにならない理由はどういうところにあるのか、委員長から御説明いただきたい。
  7. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) お答えを申し上げます。前回の当委員会におきまして、それぞれ質疑を行なわれる方々から、大臣出席要求していただきたいということでありましたので、これを申し入れました。その後質疑者の方から御要求がございました十数名の大臣の外に、その他政府関係機関の長を要求されたのでございます。大臣におかれましては、大体において御了承に相なりまして、本日は閣議の都合で相当時間が経過をいたしましたけれども、出席されることに相なりましたことはこれを多とするのであります。なお、総理大臣におかれましては、再三私の方から要求をいたしたのでありますが、昨日も午後四時から総理官邸に出向きまして要請を続けた次第でございますが、ついに本日も明日も出席をいたすことができないということに相なりましたことは、きわめて遺憾でございますが、なお前例を調べますと、休会中における委員会出席は、ほとんど総理に対しましては前例がきわめて乏しいのでございます。なお最近内閣委員会等におきまして御要求になりましたけれども、これまた出席されていないのでございます。しかしながら、本委員会運営の面におきましては、委員長といたしまして遺憾に存ずる次第でございます。
  8. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 かつての決算委員会総理出席されたことはないという前例は問題にならないと思います。で、申すまでもなく、決算審議決算審議するとともに、自後の年度における予算によりよき影響を与えるのが責務でありますから、しかも昭和三十三年度本日が総括の第一日である、十二月の下旬までにはこの審議調査を完了しなければならぬ、十二月の下旬、年末には昭和三十四年度検査報告が出て参るわけですからね。その意味においても決算審議が非常に時間的にも追われているわけです。ことに総選挙があるとするならばその間が空白になって審議の機会がないわけです。従って閉会中にもかかわらず本日、明日精力的に審議しよう、かように委員長理事打合会ではきめたわけでありまして、総理初め関係大臣皆様方は、御多忙ではありましょうれけども、お約束の時間に的確に出て、この決算審議十分委員会としては行なわれるように配慮してもらわなければならぬと思います。時間が迫っておりますから審議に入りたいと思いますけれども、委員会として何らか内閣に対して注意を喚起する必要があると思う。委員長におかれても腹案があると思うのでございますが、委員長において御善処願いたい。
  9. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) 了承いたしました。決算総括質問に際して総理出席されないことは審議に支障があり、決算委員会の権威のため遺憾であります。この点について内閣に対して深く注意を喚起するものでございます。
  10. 相澤重明

    相澤重明君 ちょっと関連。先ほど委員長がきのうの理事委員長打合会で二日、三日の議事日程をきめた。きょうは十時から、翌三日は九時半からということであるが、はたして内閣官房長官はそういうスケジュールを了解しているのかどうか、官房長官に御答弁願いたい。
  11. 大平正芳

    説明員大平正芳君) 了承をいたしております。きのう午後委員長にお目にかかりましたときに、本日は定例閣議に当たりますので、できるだけ早く閣議を済ませた上で出席いたすように手配いたしますからということをお答え申し上げました。そのように努力いたした次第でございます。
  12. 小柳勇

    小柳勇君 ただいま委員長の御答弁は、委員長が警告を発せられましたけれども、私は本委員会決議として、委員長、ただいまのお気持を各位に諮られまして、委員会決議としておきめ願いたいと思います。
  13. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) 先ほど理事の方とも御相談をいたしまして、ただいま私が発言いたしました程度にいたすことといたした次第でございますから、どうぞ御了承願いたいと思います。
  14. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ただいまの委員長内閣に対する発言は、当然委員長として執行されなければならんことですから、その点は執行されますね。
  15. 佐藤芳男

    ○百委員長佐藤芳男君) 了承いたしました。
  16. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 内容に入る前に、会計検査院が国の決算検査、この小冊子を作成するにあたって横書きの形態をとり、例年より新構想を盛られている点には一応敬意を表します。  それから大蔵省主計局が初めて、昭和三十三年度決算説明、という相当詳細な資料を国会に出された、このことも決算審議を非常に充実ならしめる意味においてけっこうな考えであり、これに対してもまず敬意を表しておく次第であります。  ここで質問に入りますが、官房長官総理大臣にかわって御答弁していただくものと思いますから、そのつもりでお伺いいたします。  まずこの昭和三十三年度予算は次のような情勢下編成されているわけです。すなわち昭和三十一年において非常に経済伸び暑気がよかった。そうして三十一年の十二月に石橋内閣が成立をいたし、現池田総理大蔵大臣となり一千億施策、一千億減税という拡大好調の昭和三十二年度予算編成された。そうしてこの三十二年の予算執行する段階に、一萬田大蔵大臣とかわって三十二年の六月に金融総合調整を行なってそこを切り抜けましたけれども非常に苦しかった。そうしてそういう状況下に第一次岸内閣の一萬田大蔵大臣予算編成の作業をやられて、昭和三十三年四月一日から執行されるに至り、現在の池田総理は三十三年の六月から第二次岸内閣国務大臣としてこの予算執行責任を持たれた方であります。従ってぜひとも総理大臣出席を要望したわけですが、おいでにならないので、まず官房長官一つ伺いますが、この決算報告を受け取った内閣としてはどういう感想を持たれておられるか。また昭和三十三年の予算案国会に提案された場合の重点施策というものは、この予算執行面においていかような実績、成果をもたらされたと、かように現内閣はお考えになっておられるか。要点だけでよろしゅうございますから、まず簡単にそれだけ承って次の質問に入って参りたいと思います。
  17. 大平正芳

    説明員大平正芳君) 三十三年度経済運営の中心は、三十二年年初来の著しい国際収支悪化の経験に顧みまして、内需を規制して輸出の振興をはかり、また若干行き過ぎた傾きのある経済各般調整を進めて、将来の安定的成長の基礎を固めるということにあったと思います。三十三年度予算もこの考え方の一環といたしまして、いやしくも財政面から国民経済を不用意に刺激することのないように、健全性を堅持することを基本としまして、財源の一部を保留して経済基盤強化資金を設け、減税も比較的小範囲にとどめる等、慎重な配意のもとに編成されたものでございます。このような予算編成の態度は、金融政策と相待ちまして、三十三年度を通じ経済各般調整を順調に進展せしめ、所期の効果を達成させることを可能にしたと考えております。すなわち、調整過程に伴う若干の経済活動の停滞は見られましたものの、これを通じ企業は経営の合理化近代化に努め、企業基盤充実等国際収支面での改善も顕著になって参りまして、年度間五億四千六百万ドルの黒字を得ることができたのであります。このように調整過程を終えて発展基盤を培ったわが国経済は、御承知のように、三十四年度以降、急速な成長発展をとげて今日に至ったものと考えております。
  18. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 検査報告についてはどういう見解を持たれておりますか。
  19. 大平正芳

    説明員大平正芳君) 会計検査院指摘批難事項件数が、前年度に比べて百四十六件の減少を見ておりますものの、なお三百五十五件の多きに達していることはまことに遺憾でございます。不当な経理がなお跡を絶たないということは、制度の問題もあり、職員綱紀の弛緩、順法精神の欠如によることもその原因の一半でございますと同時に、手続その他に関する制度の不備に起因するものも少なくないと考えております。従いまして、この事態に対処する立法的行政的配慮につきまして、その万全を期することは当然でありますが、なお、切実なる国民の要望にこたえまして、有意義な施策を実施に移す任にあります政府職員は、重大な責任について十分にその自覚を高めるよう、筋の通った施策推進に今後一段の努力を続けて参りたい所存でございます。
  20. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 まず官房長官答弁を足掛りに若干伺って参りますが、まず、会計検査院から指摘された件数が三百五十五件で十二億円、しかもこれは施行率はわずかに八%である。ここに一つの問題があり、さらにこの報告を見ますと不正行為が非常にふえた。不正行為が三十件、一億一千万円、非常にふえた。特に工事施行及び物件調達、これは例年指摘されているところであるが、工事施行及び物件調達が、防衛庁関係並び国鉄関係に特に多いという表現で指摘されている。さらには改善の跡はあるけれども、公共事業関係補助金運用はまだまだいけない。こういう指摘がなされ、さらに農林省においては、特に補助金の問題と農業共済再保険に関するものが特に指摘されて、件数で五倍であり金額で四倍、こういう数字になり、郵政省においては不正行為が急に増加したということが特筆大書して指摘されております。こういう一般情勢について、ただいまの答弁、一応私はその言葉は了承されるところでありますが、もう少し、月並みな答弁だけでなくて、実際の予算執行行政運用面において画期的な決意方策をもってしなければ、百年河清を待つことに相なると思うのです。これについての方策並びに決意をさらに官房長官からお答えいただくとともに、本件に関する所管国務大臣としての大蔵大臣に伺いますが、あなたの方から出された報告書並び決算書計算書、これを見ますと、予算流用、こういうものは大蔵省も関与をしてやられておるわけですがね、私は少しルーズになっておると思うのです。たとえばきょうは総括でありますから具体的なものは後日あげますけれども、防衛庁のごときはその最たるものだと思う。油の購入費人件費流用してみたり、それから衣服費とか航空機購入費流用したり、あるいは開発研究費にさらに油の購入費流用する。全くこの決算書を見ますと、予算編成のときの積み上げが科学的でない、目がつんでいないという感じを非常に濃くいたします。あるいは文部省の——これは防衛庁にもありますが、国家公務員共済組合負担金、これを文部省において勤評関係流用したというようなのがあるわけなんですが、具体的な問題にはきょうは触れませんけれども、かように予算流用というものが非常にルーズになっておる。かように私は思います。また予備費支出についても問題点がある。一つをあげれば、たとえば岸前総理外遊旅費予備費使用、こういうような使用の仕方に、いずれ分科会になった場合にやりますが、問題があります。そこで、私はこれらに対する大蔵大臣の所見とあわせて、そもそもこの防衛庁予算編成項目、これはこのままではいけないと思うのです。予算審議段階においてもそういうことが感ぜられますが、決算書を見ればいよいよ明確です。項と目の設定の仕方を再検討しなければ、防衛庁のようなこういう大きく膨張した庁の予算執行は正確を期しがたい、かように思いますが、これに対する見解も承っておきたい。  もう一つ関連して大蔵大臣に伺うのですが、繰越金が依然として多い。特に繰越金指摘防衛庁が最たるものである。さらに建設省等指摘されております。特に防衛庁繰越金繰り越し総額の約半数を占めているわけですね。これについても予算編成のときにきめのこまかい積み上げをしないからだと思うのです。私はここに持っている数字を参考に申し上げますが、防衛庁が一番ひどいからこれを例にあげますが、もちろん改善のあとは見えますよ。見えますけれども非常にこういう点ルーズだと思うのです。たとえば数字をあげますと昭和二十八年、このごろは実に繰越金は二百五十七億だったのですね、防衛庁だけで。二十九年になって約二百三十四億、三十年に二百二十八億、三十一年、これは防衛三カ年計画のスタートの前年でありますが、二百三十六億というものが繰り越されている。そうして三十二年が七十四億七千万、本三十三年には七十五億三千万というものが繰り越されている。これは農林省建設省、あるいは防衛庁にもあるわけなんですが、特に防衛庁半数以上を占めている。これはさっき言った予算編成の前の項目、これらの設定にも私は関連があると思うのです。従って、先ほど御質問申し上げました点に官房長、それから大蔵大臣からは、流用予備費支出繰越金、それから防衛庁の方は予算編成の際の項目設定の仕方、これらの点についてお答え願いたい。この決算書を詳細に調べますと、そういう点指摘せざるを得ないので伺ったわけであります。
  21. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 御指摘の点はごもっともだと存じます。予算流用が項の目的とか目の性質の制限範囲内で、実情に応じて認めるということになっていますが、この予算編成後の事情の変化から、経費の効率的な使用という考えから流用を認めることもやむを得ない。相当今までやっておりますが、しかしこれはできるだけ避けるということが必要でございますので、今後そういう方針でやっていきたいと思います。先ほど防衛庁のお話がございましたが、防衛庁項目というものは防衛庁行政目的が単純であるというところから、各省と比べて項の分類が多くなく、単純になっているというようなことから、いろいろ御指摘のような問題も起こっておると思いますが、この点も今後十分気をつけたいと思っています。
  22. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 防衛庁にはきわめて繰越金が多いではないか、こういう御意見についてでございまするが、全く御指摘通りでございます。そこで、数年前から、繰越額を皆無にするということはできないまでも、だんだん減らしていくことを目標といたしまして、予算面において実行可能であり、確実な経費を計上することに特に留意をして参りました。また製作期間等の長期を要するものは、国庫債務負担行為として計上いたしまするとともに、執行面におきましては中央調達物品促進審議会施設促進協議会、こういったものを設けまして予算執行強化をはかり、推進をはかって参ったわけであります。矢嶋議員すでに御承知通り、この防衛予算編成にあたりまして非常に困難を生じますることは、米側から供与をせられる装備等が相当あるわけでございまして、冒頭予算計上の際に不確定要素というものが比較的多いわけです。また兵器等輸入に待つものが相当数量を占めるわけでして、この輸入の時期等において多少ずれを生ずる、こういった現実的な悩みもあるわけでございます。ところが、さっき御指摘昭和三十一年二百三十六億、その以前ずっと相当な額になっておりましたものが、昭和三十三年度におきましては約その三分の一の七十五億程度にまでだんだん減らしてくることができたわけでございますが、なおかつ御指摘のように十分努力をいたしまして、こういった金額を極力少なくして参りたい、かように考えております。
  23. 大平正芳

    説明員大平正芳君) 問題は先ほども申し上げましたが、綱紀の粛正をはかるということと、責任体制を確立して参るということが根本だと思うのでございまして、台閣に列する者から姿勢を正しくいたしまして、こういった不正がないように深甚な配慮を加えていきたいと思います。  なお、決算関連とかあるいは予算項目の立て方、使用上の制限等会計財政技術士の問題につきましては、大蔵省十分注意を喚起いたしまして善処をいたしたいと思います。
  24. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 防衛庁の発足当時の項目のまま膨張した現在やっているところに無理がある。この点は注意を喚起しておきますから十分検討していただきたい。  そこで質問を進めますが、各大臣にまたがりますので関係大臣はよくお聞きをいただいて御答弁願いたいと思います。  先ほど防衛庁官房長官から御説明ありましたように、三十三年度予算編成の際には、三十一年末から急激に悪化をした国際収支を立て直す、輸出の伸張に努力をする、経済基盤強化基金を設けてその基盤を培う、いろいろの柱を立てて予算が組まれたわけです。その点については、外貨受取超過一億五千万ドル、当初目途としたのは……結果として五億四千万ドルの受取超過があった、三十一年末以来国際収支悪化しておったにかかわらず、三十三年末に外貨準備高が九億七千四百万ドルまで到達した。このことは世界の情勢も幸いしたでしょうし、また施策を要する点もあったでしょうし、国民協力もあってその点は私認めます。そこで、これを前提として承りたい点は、東南アジア開発協力基金五十億を経済基盤強化基金の中に見込んで、輸出入銀行にこれを持っていったわけですね。これはその後私はねむっていると思う。これは大きな一つの蹉鉄を来たした点だと思うのですが、これについては原因をどう考え、今後いかようにしようとしているのか、それが一つ。  それからすし詰め学級解消圧縮学級解消父兄負担軽減というのは大きな予算編成の柱になっていたわけですが、どの程度圧縮できて負担軽減金額にしてどのくらいできたのか、これを私は明示してもらいたいと思う。これは当初の公約と相当私はずれていると考えるわけです。  次は、大蔵大臣厚生大臣に参りますが、先ほど申し上げましたように、三十三年の中ごろから経済は持ち直して、経済成長率は二・七%まで参りました。外貨準備高は先刻申し上げましたように九億七千四百万ドルまでいったわけです。これを基盤として三十四年度経済成長は一六%になり、外貨準備高は現在十億ドルまで参っております。ところがこの報告書を見ますと、そういう情勢にかかわらず生活保護実人員というものは、三十三会計年度の始まった当時に比べますと、三十三会計年度の終った三十四年三月には約五%ふえております。こういう点から私は低所得階層への施策社会保障政策というものを強力に推し進めなくちゃならぬという結果が、この決算報告書を見た場合に、数字から出て参ると思うのです。これについて今後の社会保障政策、低所得階層を対象とする施策について、どういう決意構想を持っているかということについて私は厚生大臣に承りたいと思う。  大蔵大臣にもその点承りますが、と同時に、税金の問題でありますが、御承知のごとく、昭和九年から十一年ごろは国民税負担国民所得の一二・九%であります。そうして昭和三十四年は一九・九%であったわけですね。本年度は御承知のごとく二〇・五%になっています。その間における税の動きを見ますと、昭和三十三年度において一萬田大蔵大臣は平年度において三百七十三億円の減税をやっております。この決算書において……。そうして二・七%経済は成長し外貨準備高は伸びた。これを足がかりに昭和三十四年度予算が組まれてこれが執行された結果、昭和三十四年度の後半期において昭和三十五年度予算を組むときに、二千百五十四億の自然増収を見たわけですね。しかも経済成長率は一六%であったにもかかわらず、昭和三十五年度減税をやらなかった。これは非常に批判された。これは数字的にはっきり出てくる問題です。しかもなお本年度千三百億円の自然増があるというわけでしょう。こういう要素昭和九—十一年ごろの国民税負担率の一二・九%、これと考える場合に、あなた方もときどきいわれておりますが、税の負担率を二〇%以下に下げたい、これはごもっともだと思う。そういう立場から本年度減税というものはなさなければならない、国民努力に対して報いなければならない、またできる、こういうことに相なると私は思うのです。それで大蔵大臣にお答え願いたい点は、減税か社会保障か、こういう言葉がいわれておりますが、私は昭和三十二、三十三、三十四年、この動きを見て、この決算の動きからこれからの施策考える場合に、減税か社会保障かでなくて減税も社会保障も私はやらなければならぬと思う。しかもそれは即座にやらなくちゃならぬという数字が明確に出て参っていると思う。  それともう一本の公共投資の拡大ということをいわれているわけですが、現在経済は順調に向上のカーブをとっているし、これを維持するにあたって公共投資も強めて参りたい。これは一応わかるところです。しかしきょうの新聞を見ますと、昨日もあなた方議論をされて、経済成長率一〇%でやったらどうか、こういうふうに総理発言をされたということがきょう報ぜられております。で、承りたいことは、大蔵大臣昭和三十三年の決算、それからその後の動きから、現時点を考えた場合に、減税と社会保障と公共投資をどういうふうにウエートを持っていくお考えなのか。私見を申して答弁を承ることにすれば、減税も社会保障もことしからでもやっていかなければならない、特に減税臨時国会からでも提案してやっていかなければならぬ。それから公共投資の拡大については池田さんは私が冒頭に申しましたように、昭和三十一年十二月に石橋内閣大蔵大臣となって、そうしてちょうど石橋内閣が解散をぶつ前ですから一千億施策、一千億減税という拡大予算を組んだわけです。それは公式の面もありました。しかしまずい面も出てきたわけです。かかるがゆえに、昭和三十三年に苦しくなって、一萬田大蔵大臣にかわって、総合金融調整というものをやってしりぬぐいをして参った。そうしてここに出ているような数字が出て参ったわけです。だから公共投資の拡大、経済成長率の見積りという点は、それは一〇%、あるいは一一%、九%、数が多いほど勇ましうございましょう。しかしよほど慎重でなければならない。もしそれをするならば、それ以上にさっき私が厚生大臣に伺った低所得階層に対する施策社会保障政策というものを強力に推し進めないと国民の所得差というものはだんだん開いて参る。だから今の施策の中心というものはこの所得差を縮めるという角度から考えるということが、非常に私は重要ではないかとかように思うものです。何がゆえにこういう私は質問をしたかというと、三十三年度予算案の提案理由を見ると、そうして検査報告、主計局から出されたもの、検査院から出されたものをずっと読んだ場合、そういう質問をせざるを得ないという感じを持ちましたので、関係大臣に簡にして要を尽した明快な答弁一つ願いたいと思います。
  25. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 経済を拡大して国民所得をふやして、そうして国民の生活向上をはかるという拡大政策をやるための条件としては、まず第一がやはり減税であります。この税制によって経済の拡大計画も進んだり、はばまれたりする非常に大きな影響を持つものでございますので、自己資金の充実とか企業体質の改善とかいろいろな角度から考えて、拡大計画と税制の改正というものは切っても切れない関係にございますので、私どもは税制改革はそういう面からもやりたいと同時に、国民所得の最近のふえ方、経済の伸び方から見まして、国民負担を税収との均衡から見ますと、御指摘のように国民負担というものが上がっているという方向にございますので、これを一定比率に押さえ、そうして比率以上に出る税負担国民に還元するという見地からも減税はやらなければならぬと考えておりますので、来年からは相当の減税をやりたいということで今検討をしている最中でございます。同時に経済を拡大するためには、やはり民間投資の増大に比例して国の公共投資がこれに伴わなければ、均衡のとれた成長発展ができないということは当然でございますので、そういう意味からも拡大計画に対応して国の公共投資はやらなければならないと私どもは思って、この問題も来年度予算でどう実現するかを今検討中でございます。  同時に一方低所得者層に対する対策というものは、国民所得増大の過程、経済成長政策の過程においてこれはあわせて考え施策しなければならぬ問題でございますので、社会保障の拡大ということも私どもはこれはもう必要な条件だと考えて、来年度からこの問題について特別な配慮をしたい、こういう考えで今この問題も検討中でございますので、御指摘になられたような問題は私どもは来年度予算編成において十分考え、その施策強化していくつもりでおります。
  26. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 他の大臣が答える前に大蔵大臣に重ねて伺いますが、私はピントを合わせて伺います。本年度減税をやるべきです。私はやれると思う。それから国民税負担は、やはりこれを論ずる場合は数字が出てこなければならない、三〇%を限度とすべきである。必ず三〇%以下に押えなければならないと思うのです。そういうふうに努力していただきたい願望も含めて本年度必ず実施するということと、その二〇%以下ということについてのお答えを承りたい。
  27. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 三〇%ということは、大体私どもが諮問をしておりました税制調査会の中間的意見として出されたものでございまして、その根拠を私どもも検討した結果、大体やはり妥当な比率ではないかと考えておりますので、この税制調査会の意見を尊重して、その前後に常に国民負担を抑えていきたいと考えておりますので、そうしますというと、今後国民所得が毎年多くなる、それに伴って税も税収入も多くなるのですが、国民所得の伸び方と税収入の伸び方を見ますと、税制が累進課税となっております関係から、国民所得の伸び方よりも常に税の方が多く伸びるという関係になっておりますために、一定の比率に大体押えようとしたら、これは私どもが経済の拡大計画をとっている限り、減税というものはこれは間を置いてやるべきものではない、これは毎年やらなければいかぬということになろうと思いますので、近く政府の新政策も決定することと思いますが、まだきまってはおりませんが、その中に減税というものは毎年するということを私ははっきりさせたいと思っておりますが、そういう考えで今後やっていきたいと思っております。
  28. 中山マサ

    国務大臣(中山マサ君) 被保護世帯はその月によりまして幾分出入りがあるようでございますけれども、一年を通じて見ますれば、被保護世帯の人員数は三十二年度よりも若干減少しておりまして、百六十四万人から百六十一万人ということになっておるようでございますが、今後懸命の努力を払いまして、必要な人々がこういう国の恩恵を得られるように努力をしていきたいと考えております。
  29. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ただいまの厚生大臣答弁に対して私は重ねて質問をいたしますが、あなたの数字をもってしても百六十四万人というわけですね。私は百六十七万人の今数字を持っているわけです。この数字昭和三十三会計年度の始まる当時よりふえております。四万から五万ふえております。それと経済の成長の実態とこの景気動向と考えた場合に、日本の低所得階層に対する施策を強力に進めなければならない、これを強力に進めなければ間接侵略が起こって参ります。その危険が私はあると思う。そういう点で飛躍的なものがなされなければならないと思うのです。そういう立場で来ているわけです。  そこで具体的に、たとえば低所得階層に対する具体的の問題として、生活扶助基準を二六%以上引き上げたい、こういう厚相の所見が公表されているわけですが、私は非常にけっこうなことだと思うのです。これに対する大臣決意はどの程度なのか、大蔵大臣を前にして一つお答えを願いたい。
  30. 中山マサ

    国務大臣(中山マサ君) 野党の先生からけっこうであるというお激励のお言葉を賜わりまして、私ども満足に存ずる次第でございますが、どうぞ一つ今後ともそういうふうに野党から支持していただきますれば、私どもの省の仕事もまことにやりやすいという感じがいたします。私どももそこまでは何とかというがんばりをいたしておる次第であります。
  31. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それで、中山さんは池田内閣の看板閣僚になっているわけですよ。あなたがほんとうに腰を上げたら池田内閣通りますよ。だから大蔵大臣を前にしてぜひそれをやりたい、やってもらわなければ困ると、そういう私は決意を承りたいために御出席願っているわけで、もうちょっと、野党から応援していただいてけっこうですというようなごあいさつではなくて、厚生大臣中山さんとして決意のほどを承りたい。
  32. 中山マサ

    国務大臣(中山マサ君) ただいま申し上げましたのは私の外交辞令でございまして、私自身といたしましては固い決意を持っておるのでございます。総理も腹から社会福祉をやりたいというお言葉をおっしゃっていらっしゃるのでございまするから、間違いはないと、こう考えます。
  33. 荒木萬壽夫

    国務大臣荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。すし詰め学級解消の件についてでございますが、大体目標は五十人以下に押えたい、こういう目標でございますけれども、遺憾ながら現在は小学校が五十六人、中学校が五十四人という状況でございます。これはむろん好ましいことではございませんから、今後さらに努力をいたしまして、五十人以上を収容する学級に対しましては、極力五十人ないしそれ以下にしますように努力をいたしたいと思います。来年度予算におきましても、そういう考え方のもとに要望もいたしたい考えでございます。  次に、父兄負担が非常に多い、本来国で負担すべきにかかわらず、父兄負担にいわば転嫁されていることはもちろん望ましいことではございません。従来も毎年三十億ないし四十億円くらいの教育費の増額が行なわれてきておりますけれども、やはり父兄負担軽減という面から見ますると、必ずしも好転した実績はお話のように遺憾ながら見えないと申し上ぐべきだと存じますが、しかしいずれにしましてもそういうことが許さるべきものではございませんから、今後逐次、一挙にこれが解消できればそれが望ましいことではございますが、実際問題としましては一挙に解消も困難でございますので、幸い先国会で地方財政法の改正等もしていただきましたので、その趣旨に沿いまして極力父兄負担軽減に努めて参りたいと存じております。
  34. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 文部大臣答弁に対してさらに伺います。私はそういう一般論的な答弁では満足いたしません。この予算編成するときの約束としては、ちゃんと速記にも載っているのですが、すし詰め学級の解消について数字が示されています。その通り行なわれていない。特に昭和三十五年現在の予算編成にあたって、小学校は前進したけれども中学校は一学級五十四人というのはストップじゃないですか。すし詰め学級解消五カ年計画というのは崩れたじゃないか、当初の三十三年の予算編成の当時、だから三十三年の予算執行を見ますとその通り行なわれていない。だからさっきのあなたの答弁からするならば、これを参考に来年度予算を組むにあたって、小学校の五十六人を何人にするつもりか、中学校の五十四人を何人にするつもりか。そうして昭和三十三年から企画したところのすし詰め学級の解消計画をレールに乗せようとしているか、この点を数字を入れて明確にお答えを願いたい。  それからもう一つは、父兄負担軽減といっているが、一体負担軽減は幾ら軽減される数字を持っているか。それから現時点において、全父兄負担はどの程度という数字を持っておられるか。これなくては反省もなければ新たな施策も行なわれないわけです。その数字を実際……。  そこで具体的な問題を一つ承ります。これらを解決するにあたっては、たとえば事務官とか養護教員にかわるところの養護婦とか、あるいは図書館法に基ずく司書、こういう人件費というものはほとんど税外負担のPTAになっているのですよ。教育公務員でもなければ一般地方公務員でもない。公負担になっていないのですよ。こういうところに問題がある。こういう点を解決していかなければ、父兄負担軽減なんか一般的なことをいったってできないわけなんですよ、一つ一つつぶしていかなければ。そういう点について予算執行した結果としてどういう反省を持ち、これから将来についてどういう構想施策を持っているかと承っているので、ピントを合わしてお答え願いたい。
  35. 荒木萬壽夫

    国務大臣荒木萬壽夫君) すし詰め学級解消につきましての基本的な考え方としましては、誠意をもって今お答え申し上げたような意味合いにおいての努力をいたすことを御了承いただきたいと存じますが、具体的な数字はまことに恐縮でございますが、政府委員からお答え申すことをお許しいただきたいと思います。  それからなお父兄負担の問題でございますが、約二百億円くらい父兄に負担さしている、こういうふうに承知いたしております。さっきも申し上げました通り、このことが望ましい姿でないことは当然でございますから、今後漸を追いまして全努力を傾けたいと申し上げたことはさっきお答え申した通りでございます。これまた現在と今後に対して、具体的にどういう数字を念頭に置いて努力しようとしているのかという点につきましては、恐れ入りますが政府委員からお答えすることをお許しいただきとうございます。
  36. 内藤譽三郎

    説明員内藤譽三郎君) すし詰め学級解消につきましては、五カ年計画をもちまして三十八年度までに小中とも五十人以下にする、こうことで計画を進めたわけでございまして、三十五年度で中学校が五十四人にとどまりましたのは、これは文部省の当初計画を若干変更いたしましたわけでありまして、三十八年までには予定通り五十人にすることで努力いたしたいと思っております。計画通り実施したい。今日まですし詰め学級の五十人以上のもので解消された分は、当初十四万学級ございましたが、すでに八万二千に、約半分くらいは解消されている実情でございます。  それから父兄負担軽減につきまして、ただいまお尋ねの人件費等が、特に養護婦あるいは事務職員等が都道府県の負担でも、あるいは市町村の負担でもないというお話がございましたが、これは定数法がございますのですみやかに定数を充足いたしまして、一方において県費負担に切りかえる、同時に市町村その他の市町村職員につきましてはPTAで負担させないように、こういうまあ法律の改正に基づき政令の改正をいたしましたので、人件費はPTA等に転嫁しないように、それから学校の維持運営管理に要する経費、これもPTAに負担を転嫁しないように、こういうことにいたしまして、これは三十六年から実施する予定でございまして、本年度これに伴う経費として地方財政計画で四十二億を計上したわけであります。
  37. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大蔵大臣に伺いますが、さっきの文部省側の答弁の骨子というものは了承されるものと思いますが、念のためそれを伺います。  それからさっきあなたに伺いました東南アジア開発協力基金五十億円、これは昭和三十三年の予算の大きな柱だったのですが、これは一体どうなったのか。その原因と今後の対策。  それから先ほどのあなたとのやりとりに関係がありますが、先般公定歩合を一厘下げました。ところがこれに関連して市銀も下げておりますが、政府関係金融機関が利率を下げようという動きがありますが、私その必要があると思います。この点について大蔵大臣としてはどういう見解を持ち、いかように対処されようとされておるのか。これは今後のわが国経済の動きとも関係がありますので、お答えいただきたい。
  38. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 東南アジア経済協力基金ですが、あれ以後国際経済の実情に応じまして、海外経済協力基金にたな上げ資金を出資することにしまして、そのための法案を先の通常国会に提出いたしましたが、これが通過しませんでただいま継続審議になっておりますので、この法案が通過いたしましたら海外経済協力基金にあの金を繰り入れて、東南アジア開発の資金に活用したいと考えております。  それからすし詰め学級の問題でございますが、これはもう御承知通り来年、中学生徒が非常にふえる年でございますので、これに対処するためには予算を相当に考えなければならぬと私どもも考えておりますので、これは十分配意するつもりでおります。  それから金利は御承知のように、公定歩合の引き下げに伴って市中の標準金利も下がっておる、こういう情勢でございますので、政府関係機関の金利につきましてもこれは今非常に金利体系が不均衡になっておりますので、一面その不均衡を直すということもやると同時に、特に中小企業関係の金融機関の金利は下げたい、そのための措置を今後とるつもりで今いろいろ検討しておるところでございます。
  39. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次に、昭和三十三年度から防衛三カ年計画というのがスタートしたわけなんです。この決算書を見ますと、さっき防衛庁長官の一応ごあいさつがあったのですが、非常に指摘が多いわけですね、特に防衛庁に盗難紛失による供与物品の亡失事項が特に著しい、こういうように指摘されている。あるいは繰越金にしろ、燃えないガソリンを買ったものもあります。ずいぶん問題点があるわけですが、一体防衛三カ年計画のスタートを昭和三十三年から切ったのですが、今どういう状況にあるのか。これは他の大臣にも質問関連して参りますからよく聞いておいていただきたい。  そこで、この三カ年計画のあとを受けて最近陸海空の自衛隊の施設設備が老朽化したので——主としてMSA援助ですが、この更新をはかる、かようなことが言われているわけです。これを四年計画、五年計画にするとしましても約一兆円ぐらい要すると私は見ているわけです。そういう更新計画をやることが戦争の抑止力となり得るかどうか、これは私は大きな疑問を持っている。ことに私は大蔵大臣に伺いたいのですが、この防衛庁の更新計画等が問題に出てくれば、まず私は一、二例を上げますならば、国民の生命を預かっている国立病院の設備の更新計画など立てるべきだと思うのです。民間の病院あるいは公共企業体関係の病院の方がよほどりっぱですよ。国立病院の設備なんというものは、国民の生命を預かれるような設備ではありません。最近鉄の肺が問題になっておりますが、ここらあたりは準備してしかるべきです。今度アメリカが貸してくれたのは、安保条約を承認したおかげだとあなた方閣議で言われたとか、おもしろい記事が出ておりましたが、まさかほんとうだとは思いませんが、こういう点あたりはやるべきです。これは厚生大臣見解、文部大臣見解も聞きたい。  また運輸大臣もおられるようですが、この海上保安庁は御承知のごとく、飛行機二機、ヘリコプター八機しか持っていないわけです。これで一体海上の秩序が守れるのか、海難救助、そういう活動ができるのかどうか、考えたら明確だと思う。私は今までやかましく言って参りましたが、ようやく警察庁は東京と大阪にヘリコプターを持ったが、各管区警察にはヘリコプター一機ないじゃないですか。そういうような国政の実情下において、ここにこれから約一兆億もかかるところの防衛庁の老朽化したというところの更新計画を、来年度あたりからスタートするということは、昭和三十三年度決算執行結果、繰越金が多いとか、それから不経済事項、それから是正事項というものがかなり指摘されて、一番件数としては多いのです、内容的には。そういう状況下においてそういう施策がこれから行なわれていいのかどうか、私は大きな疑問を持っております。従って、これらの点について大蔵大臣、それから所管の文部大臣厚生大臣、運輸大臣答弁を求めておきたいと思います。
  40. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) さっき御指摘防衛庁の物品忘失、損傷等が意外に多い、これは会計検査院の方からもきっとお話があると思いますが、八億四千万円という数字が実は八十四万円の誤植である、こういった事務的な手違いがあったのでこの点お含みいただきたいと思います。  そこで一昨日会計検査院の院長が私を訪問されましたが、矢嶋委員の……委員会出席しておりまして留守でして、まことに申しわけないという遺憾の意を表しておられるわけでして、この点は一つ御了解を願っておきたいと思います。
  41. 中山マサ

    国務大臣(中山マサ君) 毎年十億円の整備費を使っておりまして、来年度は二十三億要求いたしております。これは国立病院でございますが、これまでの第二次基幹病院計画が来年で完了し、引き続き第三次計画に移ろうといたしております。何といたしましても厚生省というところは非常に幅の広い省でございまして、いろいろの方面に予算を配分して参らなければなりませんので、こういうふうにエスカレーター式に逐次上っていこうというふうにいたしておりますので、どうぞ御了解を願いたいと思います。
  42. 南好雄

    国務大臣(南好雄君) 矢嶋さんの御質問のうちに航空機は十機というお話がございましたが、本年度末においては十二機を持っております。それで大体の見当は今の点で考えて参りますと三十機ほしいと、こういう考えを持っております。でこんどの予算には航空機はグラマン・アルバトロス一機、ビーチ・クラフト一機の増機をただいま大蔵省にお願いをしておる次第でございます。
  43. 荒木萬壽夫

    国務大臣荒木萬壽夫君) はなはだ申しわけございませんが、矢嶋委員の先刻の御質問と私の所管とどういう関係があるか、はなはだどうもわかりませんで恐縮ですが、もう一度お教えを願いたいと思います。
  44. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 決算からこの予算に影響を与えなければならぬのですから、国立大学の設備というものは、東京大学もそうですが、地方の大学へ行きましたら、科学技術の振興といいますが、約七〇%くらいは明治三十五年か四十年ごろ購入した機械なんです。大であっても最近の新しいのは三〇%くらいしか入っていない。だから世の中が科学技術の振興というならば、そういう更新計画を持ってやらなければならぬのに、防衛庁の施設、設備、装備の老朽化更新計画が、対米信義上というような立場から進められるというのでは、日本の政治はゆがんで参るわけです。そういう立場から私は伺っているわけです。昭和三十円年の決算を見ても、更新計画は若干努力していますが進んでおりません。国立病院においてしかりです。そういう点についても運輸省の保安庁関係においてもしかり、だから私はそういう点を指摘して承っておきたいというのです。
  45. 荒木萬壽夫

    国務大臣荒木萬壽夫君) 大学における研究施設ないしは付属病院も含めてでございますが、非常に研究設備が陳腐化しておる。さらに日進月歩の勢いにあります科学技術の進歩発展のテンポに及び得ていない。そういう角度から科学技術振興の飛躍的な要請がございますのみならず、それにブレーンを提供する場の学校施設という点から考えまして、人的にも物的にも大いに力こぶを入れてやらなければ、今から所得倍増計画にもひびが入りはしないか。そういうことも考え合わせまして、三十六年度予算を第一年度としての計画的な設備更新ないしは研究費の充実、あるいはまた大学教授諸公の給与改善等もあわせまして要望に沿いたいと思っております。
  46. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 計画を持っていなければならぬということをいっている。一方で防衛庁の方としては三カ年計画というのをやろうとする。そうなれば国立病院にしても運輸省にしても、あなたの方にしても国政の変転を考えて、それに匹敵するような計画を持って国の方向を、国政という立場でやっていかなければ、日本の政治はゆがめられるという見解から私は承っている。  最終的に水田大蔵大臣に伺いたい。
  47. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 大蔵省としましては、今各省の予算の概算要求がほぼ出そろったところでございますので、これから各省の説明を聞いて予算査定に入っていくという段階でございます。従って、その過程において防衛庁のただいま御指摘になりましたような新規計画というようなものも、全体の財政需要と十分ににらみ合わせまてし、経済成長国民福祉の問題を阻害しないように均衡をとった配慮をしよう、そういう観点からこの計画も私たち検討したいと思っております。
  48. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そこで会計検査院長並びに建設大臣、農林大臣を代表にして答えていただきたいと思うのですが、この報告を見ますと、八%の検査施行率というのはすでに数年にわたって動いていません。大体八%程度検査施行しております。ところが事業量というものは非常にふえておるわけです。この八%の検査率で十分なのかどうか。一面会計検査院の定員を見ますと、過去五カ年くらい定員が全然動いてないですね。私見をもってするならばこの検査院の定員を動かして、そうして施行率をもう少し上げなければ、僕は十分使命を達し得ないのじゃないかと思っているのですが、この点について会計検査院。それからこの本年度報告書を見て非常に著しい点が幾つかあるのですが、そのうちの一つとして、補助金等の使途についていろいろ問題があるが、早期検査、中間検査と申しますか、会計検査院では早期検査という活字を使っておりますが、早期検査によって非常に成果をあげた。中間において検査して見つけてそこですぐ是正させる。こういうことが報告書にあるわけですが、そうなりますと、早期に中間にやりまた完結をやるとすると、定員がよけい必要なのではないか。一ぺん早期にやればもう終結のときにはやらないでもけっこうなのであるかどうか。また建設、農林がこういう指摘事項を一番多くされているわけですが、業務の運営施行という面から早期検査を歓迎するかしないか、どういう考えでおられるか。私は早期検査制度はさらに充実していったらいいじゃないかというような私見を持っているわけですが、検査院長、それから建設、農林の各大臣にお伺いいたしたい。
  49. 山田義見

    会計検査院長(山田義見君) 会計検査院検査の度といいますか、それが八%で十分かどうかということは従来もその程度で済んでおりますし、ではこれを一〇%にしたらいいか、どれくらいにしたらいいかということは的確に申し上げることはできません。ただこの際言い得ることは、数年前は災害等の関係、あるいはまた国の会計が非常に乱れておりまして、そのために手数を非常に多く要したのであります。最近は幸い政府の御努力によりまして、会計の間違いというものが非常に減っております。これは検査報告をごらんになりましてもおわかりになります通りでありますからして、まあ従来やっておった程度で十分とはいえないけれども、ではどれだけ必要であるかといわれるとすぐお答えもできませんし、この程度でよかろうということで、予算の増加要求等は差し控えておるようなわけであります。  また早期検査は数年前に非常な大きな災害がありまして、査定する農林省建設省におきまして査定の時間がありませんために、申請通り一応否定を加えたということがありまして、乱費に陥るおそれがあるということで、今までやっておらなかった査定検査、当時はまだ会計行為が済んでいないのにそれをやるのがいいかどうかといういろいろ疑問がありましたのですが、すでに政府が債務を負担した以上は会計検査の対象になるというので、その際踏み切りまして早期検査を実行したわけであります。その早期検査の結果は今数字は持ちませんけれども、その年は百億近いと思いますが、だけの査定の減を来たしたのでありまして非常に意義があったと思うのであります。しかしその後原省におきまして農林省建設省、運輸省等におきまして、初めの査定を非常に厳重におやりになる。また補助を受ける府県、市町村等におきましてもまじめな申請をするということのために、だんだん査定の間違いが少なくなりまして、これは検査報告数字を御比較になるとわかると思いますが、早期検査による不当事項の金額件数等は毎年格段の減少を来たしております。われわれの意見としましては、とにかく早期検査というものは従来もやっていなかったし、二重の手数になる点もあるからして、でき得るならばこれをやめてもいいではないかと一時は思ったくらいであります。しかし昨年名古屋方面にああいう災害がありまして、相当予算もふえておりますからしてまた元へ返っては大へんだというので、これはこのまませっかく始めた制度であるからして、その後もこれを続けてやろうということにいたしております。しかし原省におきまして、今申します通り非常に努力されておられますからして、最初のような早期検査の成績、と言いますと語弊がありまするが、検査によって不当行為等が増加するということはなかろうと考えております。
  50. 橋本登美三郎

    国務大臣橋本登美三郎君) 矢嶋議員の御質問にお答え申し上げます。補助金等の適正かつ効果的な運用につきましては、適正化法施行以来厳正な運用を確保するため、補助金等交付規則を制定し、通牒その他の処置によりまして交付決定の促進及び補助内容、補助条件等の明確化に努力して参っておりますが、昭和三十三年度決算におきましても、会計検査院より指摘を受けましたような事例が若干発生いたしておりますことはまことに遺憾であります。今後とも工事の監督並びに検修につきましては一そうの指導をいたしてゆきたいと考えておりますが、ただ先ほど検査院長からお話がありましたように、三十三年度指摘されました件数は、二重査定三件、疎漏工事二件、出来高不足二件、工事費地元負担金等の問題一件、合計八件になっております。  先ほど来院長からお話がありましたように、早期検査の問題ですが、いろいろ建前としては議論がありましょうが、とにかく早期検査が行なわれましてから統計上に表われました数字は、いわゆる効果を表わしておるとわれわれも考えております。数字で申し上げますと、昭和二十九年には二百十四件、三十年には八十五件、三十一年には二十六件、三十二年には十二件、三十三年には八件、こういう非常な減少率を示しておるということは、一面において早期検査の効果も十分に表われておることと考えております。ただ建前としてどういう問題であるかは別問題になりますが、その効果なるものは相当に上がっておりまして、ことに国会できめられました補助金適正化の法律等の協力によって、これらの効果が十分に上がって参っておるような次第であります。
  51. 宇田國榮

    説明員(宇田國榮君) 農林大臣が今所用でございますが、政務次官からお答えしてようございますか。
  52. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 けっこうです。
  53. 宇田國榮

    説明員(宇田國榮君) 農林省の関係の事業について適正に行なうよう、農林省としても事後監査を努力してきておる次第であります。事業の性質から……
  54. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 中間検査にしぼって答弁して下さい。
  55. 宇田國榮

    説明員(宇田國榮君) 早期検査に対しては、早期検査を願うように努力しておるような次第であります。
  56. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 政務次官にもう一つ伺いますが、非常にあなたのところで強調されて指摘されている点は、補助金の件もあるが、農業共済再保険に関して、件数で五倍、金額で四倍指摘されて、この制度そのものに農民に魅力がなくなったので検討を要するんじゃないかと、会計検査院としてはずいぶん思い切った若干政策的なものを加味した報告指摘されているんですがね、農林省としては全件数三百五十五のうち七十八件指摘されているんですが、この農業共済再保険についてはどういうふうに考えておられるか、この指摘をどういうふうに受けておられるか、簡単にお答え願いたいと思います。
  57. 宇田國榮

    説明員(宇田國榮君) 現行の農業共済制度について、これを抜本的に改正をする必要があることは御承知通りでありまして、政府はすでに各方面の関係者をもって制度改正のための協議会を設けて検討を続けておりますので、この問題はきわめて重大なる問題であり、農政上の根本問題になるのでありますので、検討をすみやかに行ないまして、結論をまだ見ておりませんけれども、でき得る限りすみやかに結論に到達するよう協議会に要請いたしておりますので、農業災害補償法の改正案を作成して次期国会に提出したいという考え方を持っておる次第であります。
  58. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次はまず官房長官からお答えいただき、あと厚生大臣、それから郵政大臣、運輸大臣、文部大臣、それから建設大臣、これだけの方の御答弁をいただきたい。それは会計検査院が、予算が成立してこの予算執行が正しく執行されたかという、そういう立場からだけ検査されるわけですね。しかし国民に奉仕するという立場からいうならば、これが効率的であり能率的であり成果をあげるためには、やはりスピードが伴わなくちゃならぬと思うのです。サービスが伴わなければならぬと思う。これは金の使い方は正しくてもマンマンデーでは意味をなさないと思うのです。行管長官に最後にお答えいただきますが、従って私は行管の行政監察のこの結果と会計検査院検査報告というものは、車の両輪のごとくいって初めて国民の期待に沿い得るものだと思うのです。この点について池田内閣としてはいかように善処されようとされるか。その見解を承わるとともに、各大臣については次の指摘、これを行管から指摘されているわけですが、どういうふうに受け取り、またどういう対策を講じつつあるのかを承わりたい。  厚生省については低所得者に対する貸付金制度等に関して、非常に行政がマンマンデーで非能率であるということが指摘されている。母子福祉資金や世帯更生資金、医療貸付資金、これらについても貸し付けの限度が高いとか低いとかその問題はありましょうが、それ以上に、申請してから貸し付けがあるまで百五十日ぐらいかかる。こういうことが指摘されているわけです。こういうことを是正しなければ私は国民の期待には沿い得ないと思うのです。  それから郵政大臣には、電電公社、これにはずいぶんと問題がある。その内容は言いませんが、指摘されていることは、大蔵省と公社との間に立って郵政大臣は職務を十分果していない。こういう報告をされているわけですね。それから運輸省については、最近幾らか改善されましたけれども、許可承認というものが非常に非能率である。  それからこれは政府関係機関でありますが、中小企業金融公庫等は小口融資が非常に必要であるにかかわらず、これらはまま子扱いにされて能率をあげていないのみならず、申請してから貸し付けがきまるまでは大体百四十日かかると指摘がされている。  それから文部省においては先ほど出ましたが、いろいろありますけれども、現在の科学技術の施設の老朽化というものが強く指摘されると同時に例の大臣も関心を持っている育英資金、あれは大体長期滞納金が十五億円あるというのですね。今のまま放置しておいたならば育英資金の回転ができなくなるであろうということが指摘されておる。国の一兆五、六千億円の予算額に比べればわずかな金でありますけれども、これらをきわめて能率的に回転をよくすることによって学資に比較的乏しい青少年に希望をもたせることができるわけでありますし、こういう行政予算執行と車の両輪のごとくなっていかなければ国民の期待に沿い得ないと思う。この点について内閣の代表として官房長官どういう御見解、また各省庁の長はこれをいかように、こういうような決意をもって対処されようとしているのか。行管長官を含んで、要点をしぼってお答えいただきたいと思う。
  59. 大平正芳

    説明員大平正芳君) 会計検査院検査報告行政管理庁の監察との間には、おのおの役割りが違っていると思うのでございますが、私どもは組閣早早国民の側から見た行政の能率向上、サービスの改善ということに特に意を用いまして、行政管理庁にお願いいたしまして事務の能率化、サービスの改善、事務の機械化、その他につきまして特段の御検討と早急な成案をお願いいたしているわけでございます。その状況につきましては行政管理庁長官からお聞き取りを願いたいと思います。
  60. 中山マサ

    国務大臣(中山マサ君) 母子福祉資金の借り入れの申し込みから、いよいよそれが手取りになるまで長期かかるじゃないかという御質問でございますが、なるほど各都道府県につきましてはその貸しまする資金の多少、資金の種類別需要の構成比の差、事務処理体系の脆弱等によりまして、その適正を欠いている面がないとも申し上げかねまするので、当省といたしましては、本貸付の制度が母子福祉の基幹政策でございまするのにかんがみまして、再三再四都道府県に注意をいたしております。予算規模の充実、弾力性のある予算、経理の執行を迅速かつ的確なるものにしたいと考えておりますのでございまするが、審議会にかけてこれを決定する仕組になっておりまするが、その時間が相当かかるじゃないかというお話もございまするので、急を要する場合を私どもは考えまして、知事の権限で福祉事務所長に委託することをただいま検討中でございます。
  61. 鈴木善幸

    国務大臣(鈴木善幸君) ただいま御指摘がございましたように、行政管理庁の方から第五次行政監察の結果に基きまして、郵政省に対しまして主として電電公社の予算調整につきましての勧告をいただいているわけであります。御承知のように公社の予算調整にあたりましては、郵政大臣は主として電気通信行政上の立場から必要な調整を行なっておりまするし、大蔵大臣は国家財政全般の立場から必要な調整をいたしているわけであります。しかるところ過去におきまして、この国家財政の立場からの調整ということが、重点的に取り上げられておりました関係から、郵政大臣のこの予算調整についての立場が非常に消極的であるというような御指摘をいただきましたことは、ただいま御注意伺った通りでございまして、今後は郵政省といたしましてはあくまでも国家財政全般の立場も考慮しつつ、電気通信行政の立場から必要なる予算調整をいたして参りたいと考えております。
  62. 南好雄

    国務大臣(南好雄君) 矢嶋先生の御質問は手続の簡素化等、なるべく処理をすみやかにというような趣旨を盛った、いわゆる許認可事項の民主化の問題についての御質問のように拝承いたしました。運輸省におきましては許認可をたくさんかかえておりまする局は、海運局、鉄道監督局及び自動車局でありまして、許認可の対象事項は海運局におきましては、三十三年度だと思いますが六十四件、鉄道監督局におきましては七十二件、自動車局においては六十一件であります。許認可をなるべく早くやるということにつきましては、三十四年の七月に行政運営改善に関する閣議決定がございますので、その閣議決定の方針に従って事務処理の簡易迅速化をはかっておる次第であります。この方法といたしましては、法令に基づかないで許認可類似の行為を行なっていないか、ということも検討したのでありますが、これは一件もございません。かつ法令に基づく許認可事項であって、法の目的を確保するために最小限に必要を満たすものだけが、現に行なわれていることを確認したのでございます。そういう意味合いで、現在やっておりまする許認可事項の整理はこの際は行なわない。許認可の事務の最も多い自動車局においては、許認可事務の処理基準というものを昭和三十五年の五月に自動車局長の通達をもって定めまして、標準処理期間を設けて事務処理の促進にあたっておるような次第であります。  なお、許認可事項の申請書類を簡易標準化することにつきましても、常に研究努力を重ねているような次第であります。また、許認可事項のうち一部事案については、申請後一定の期間をおいて、自動的に、返事をしない場合には当然許認可があったようにする方法をただいま考究しているような次第であります。
  63. 荒木萬壽夫

    国務大臣荒木萬壽夫君) 行政管理庁から文部省に対して勧告がされましたのは、第一は育英事業についてであります。第二は大学における科学技術教育についてであります。  第一の、育英事業のことにつきましては、もっと育英事業の成果を上げるように、次第によっては日本育英会法の整備も必要であろうし、育英会の本部、支部の相互関係をもっと明確にしたらどうだ、そうして実績を上げるようにという趣旨のようでございます。もちろん、この行政管理庁の御指示はきわめて剴切なものでありまして、その線に沿って努力をいたします。実は、このことにつきましては、中央教育審議会にもすでに諮問されまして、育英奨学制度をもっと効率的に、制度それ自身の改善をしたらどうだという、その問題に関しましての諮問をいたしまして、その答申も出ているようでございますから、それを参考としながら効果を上げるように努力をいたしたいと思います。ことに、先刻も御質問がございました科学技術面における人材の要望がきわめて旺盛でございますから、そういう線に沿った角度から、三十六年度以降については特にその量も質も向上、充実させるという角度からの努力をいたしたいと思います。それにつきましても、行政管理庁の勧告の趣旨に沿った改善が当然必要であろうと考えて善処したいと存じます。  大学に関する、特に科学技術教育についての勧告は、研究職員の充実をはかり、教官組織の抜本的な検討を行ない、第二は教官研究費、学生経費等の基準的な経費についてその増額をはからねばならぬということでございます。また老朽設備等を近代化しろということが内容となっておりますが、これにつきましては先刻のお尋ねに対しまして一応お答えを申し上げましたが、さらにその線に沿ってぜひ今後も努力を続けていきたいと存じます。またこれに関しまして、大学と産業界との連係を強化したらどうだという勧告が入っておりますが、従来ある程度このことは行なわれております。また今後も推進すべき意味が多分にあると思いますが、同時に経済界からのひもつきになるおそれはないか、という懸念も一部には言われております。さようなことも十分に考慮に入れまして、効果をあげるように善処いたします。
  64. 高橋進太郎

    国務大臣高橋進太郎君) 矢嶋委員の御質問にお答えいたしますが、会計検査院と行管との関係、並びに行管の職責等につきましては、ただいま官房長官からお話の通りでございまして、おのおのその職責に応じて行政運営の万全を期し、これの監査をやっておるわけでございます。特に新内閣になりましてから、末端行政の民主化と申しますかあるいは円滑化と申しますか、そういう点に主点を置き、かつまた行政官庁の能率化ということを大きく総理からも指示せられておりまして、これが具体案につきまして今各省とも十分話をし合い、同町にまた行政審渡会にも諮問等をいたしまして、そして今の矢嶋議員の御趣旨のような線に沿うて、行政運営の民主化並びに円滑化並びに行政官庁の能率化、こういう点に行管の業務の主点を置きまして一そうの努力をいたしたい、こう考えておる次第でございます。
  65. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大臣の御出席がおくれましたので私の持ち時間がずれましたが、もう二、三点でありますからしばらくがまんしていただきたいと思います。  ただいまの問題は、行政監察が適正であり、その結果を各省庁が受ける場合にこれまた適当であったならば、これはひいては会計検査院に影響してくることなんです。そのことが国民へのサービスと非常に関係がありますので、私は伺ったわけなんです。そこで、道路関係は明日小柳委員から質疑することになっておりますから、私は内容に触れませんが、建設大臣大蔵大臣に簡単にお答えしておいていただきたい点は、三十三年から道路事業五カ年計画というのがスタートして、道路整備特別会計が設けられたわけなんですね。大蔵省が出された資料によりますと、国道地方道合わせて一六・四%という数字が出ている、進捗率。こういうことで三十三年から特別会計を設けた。そして五カ年計画を推進するということが達成されるのかどうか。この点が建設大臣。  それから大蔵大臣に承りたい点は、昭和三十三年には書類を見ますと特別会計四十一本、政府関係機関が十二本ということになっておるわけです。ところが最近新施策とともに、いろいろ新設するやに伝えられているわけなんですが、私はきょうは理由は申しませんが、特別会計にいたしましても政府関係機関にいたしましても、昭和三十三年の四十一、十二からさらに現在はふえておりますが、これ以上ふやすということはよほど私は慎重にしなければならぬのじゃないかという見解を持っている。この点について大蔵大臣の所見を承っておきたい。
  66. 橋本登美三郎

    国務大臣橋本登美三郎君) 道路整備五カ年計画の三十五年度末における進捗状況を申し上げます。一般道路事業は五二・五%、有料道路事業は三〇・九%ということになりまして、これを合計しますと四七・三%という予定になります。一般道路事業は大体国費がおもなる財源でありますから、揮発油税の収入見込額によって実施しておりますから、ほぼ予定通りに大体毎年計画が進められておりまして、三十五年度も先ほど申しましたような進捗率になることは間違いないと思います。ただ有料道路事業は、名神高速道路及び首都高速道路の事業が若干予定よりおくれております。これは事情は土地の収得がいろいろ問題がありまして、多少下回っておりまするが、まあ計画通り大体においてできるものと考えております。ただ最近自動車交通の増加により現行の道路整備五カ年計画ではとうてい間に合わない。こういうことからして今後の新しい交通情勢に備え、また経済成長等にかんがみまして、三十六年度以降に新たな構想のもとに新計画を目下検討中であります。以上であります。
  67. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) ただいま建設大臣から言われましたように、五カ年計画の進行状況はそう高い進行度でないと私どもは思っております。で、これは理由は建設大臣が申されましたように、高速道路、特に都市周辺の計画事業が土地の問題そのほかで非常におくれているという事情はございますが、全体としては計画通り進行していると思います。しかし自動車の最近の状態から見ましても、全国的に、特に都市周辺の事情から見て、もう少し拡大した計画を立て直す必要がありはせぬかということで、建設省方面はこの問題を研究されて、今度の予算請求の中にそういう新規計画に基づいたものを提出しているようでございます。私どもも今後実情に応じた計画に変更することは別に異論ございませんので、十分検討するつもりでおります。
  68. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 特別会計と政府関係機関のあの数をふやすことについて、それについて伺いたい。
  69. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 政府関係機関は三十三年、三十四年はおのおの十二でございます。三十五年度に十三になっております。一つふえております。特別会計は三十三年度が四十一、三十四年度が四十、三十五年度は三十九というふうに減っておりますが、これも実情による問題でございまして、私どもとしましては、できるだけやはり行政の簡素化というようなことから考えましても、特別会計の数は今のところあんまりふやしたくない、できるだけ減らしたいと考えております。
  70. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次に承りたいのは、国有財産の問題ですがね。国有財産の現在額は二兆三千百二十九億円と報告されております。これは三十二年から国有財産の台帳作成調査を、年次計画をもって進められているのですが、これ順調にいっているのかどうか。三十三年度検査報告を見ますと無償貸付財産が非常にふえております。八十六億六千四百万円と無償貸付財産がふえておる、この理由。それから管理及び処分不当なものとして四件が指摘されております。申すまでもなく、国有財政は国民の尊い財産でありますから、この管理とそれから効率的な運用については十分配慮してもらわなくちゃならぬと思うのです。その立場から御答弁いただきたい。それと同時に国有財産白書というりっぱなものを出されておりますが、その中を拝見いたしますと在日米軍についてこういう報告が出されておる。在日米軍に提供された財産は昭和三十二年の七月現在で約千二百億円、三十三年三月で八百八十五億円、こういう数字を上げて積極的に返還を求めらるべきだ、そうして社会経済発展のために活用しなければならない、こういうことを財産白書に書かれております。ごもっともだと思う。現時点において在日米軍に提供されておる財産というものは、金額にして大ざっぱにどのくらいと数字をつかんでおられるか。内閣としてはこの財産白書にありますように、積極的に返還を求めるべく努力をしておるかどうか、今後も努力するつもりかどうか、この点については官房長官のお答えをいただきたいと思います。
  71. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) その点私あまり詳しく存じませんので、管財局長から説明させていただきます。
  72. 山下武利

    説明員(山下武利君) ただいまお話のありました普通財産の調査の実情でございますが、大蔵省といたしましては三十二年度から計画を立てまして、実態不明の財産の調査を実行いたしております。その計画は、台帳に載っておりますものの中で実態不明の財産というのが相当あるわけであります。その中で特に経済的な価値が高くて、どうしても早く実態をつかんでおかなければならないというものを、土地につきまして約六万一千件、建物につきまして約五千件というものを選定いたしまして、三十二年から当初は三カ年の計画をもってやっておりましたが、予算の関係で四カ年計画に変更いたしました。その実績でございますが、四カ年計画といたしましては順調に進んでおります。ちょうど三十五年度、本年度で四カ年終わるわけでありますが、ほぼ完全に今申し上げました数字の調査は終わるという結論になっております。  それから駐留軍に提供いたしておりますところの財産は、現在のところ、これは三十五年度当初の数字でございますが、土地につきまして約六千三百万坪、建物が百四十九万坪、立木竹その他工作物、動産等を入れまして、金額にして約千億円程度のものになっておるわけでございます。この中で連合国軍があまり使用していないというふうに認められますものにつきましては、調達庁とも十分に御連絡をいたしまして、できるだけ早い機会にこれを返還を受けまして、国ないし民間に有用な施設として利用したいと、こういうような計画で今進んでおるわけであります。
  73. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 官房長官内閣の方針を……。
  74. 大平正芳

    説明員大平正芳君) 仰せのように在日米軍に提供いたしております国有財産は漸減いたしておりますが、今後もこれを状況に応じ必要最少限度にとどめるように配意いたしたいと思います。
  75. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 特にその点は努力を要請いたしておきます。あと二点。  次の質問は、運輸大臣と国鉄副総裁おいでになっておるはずですから、お二人に御答弁をいただきます。  それは昭和三十三年度の純利益金が国鉄は百一億円余、かように報告がなされております。で、昭和三十二年度に運賃値上げをした結果がここに出てきておると思うのです。その後五カ年計画を立てられたわけですが、その進行率は現状としてはどうなのか。ごく簡単にお答え願うとともに、これらの国鉄の経理を検討した場合にぜひとも伺いたい点は、よく問題になります新線建設の問題、でこれは鉄道建設審議会の議を通じて行われるわけでありますが、この鉄道建設審議会のあり方についてはとかくの批判があることは皆さん御承知だと思うのです。本年度において国鉄は約五十億円の赤字だということが予見されております。そうして一部では選挙が終ったなら、あとで国鉄運賃、短期券の運賃を二割程度上げるのではないかと言われておりますが、私はこの新線建設、特に赤字線の新たにレールを敷くことについては十分検討しなくてはならぬ。むしろ赤字の地方のローカル線はこのバス時代にバスに切りかえた方がいいのではないか、そういう場合も私はあり得ると思う。レールを敷いておるがゆえに納付金等多額を出す。そういうことでますます赤字の原因になるというケースもあることを私も具体的に知っております。  で、国鉄副総裁にお答え願いたい点は、最近とかくの批判のあるところの建設審議会に対してはある程度抵抗する必要があると思うのです。もちろん審議会の委員に総裁は入っておるはずですが、それ以外に国鉄として抵抗すべきだと思うのです。もうすでにこれは赤字になるということは了承の上で、鉄道審議会が政治的に運用されるわけですが、それに盲従して赤字になっては、そうして国民負担をかけてくるというやり方は私は非常に批判の余地があると思うのです。  そこで、運輸大臣には、あなたとしてはこういう鉄道赤字新線の建設、これらについてはどういう見解を持たれるか。同時に今うわさされているところの運賃の二割引き上げを行なう、こういう問題についてあなたは許可方針を持たれるのであるかどうか。これは多くの国民に関心があり、また批判のあるところだと思うのですから、その点についてお二人からお答えおき願いたいと思います。
  76. 南好雄

    国務大臣(南好雄君) 矢嶋先生の御質問は、第一点は国鉄五カ年計画は現在どんな状況になっておるか、こういった点にあったように思いますが、私簡単に申し上げて、なお詳しいことは副総裁から申し上げたいと思います。
  77. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 簡単でいいです。
  78. 南好雄

    国務大臣(南好雄君) 昭和三十五年度は五カ年計画の四年目でございます。三十五年度予算を含めましてその進捗状況を見ますと、総額に対して六七%になる見込みであります。計画発足後金融引き締めあるいは景気の下降の影響により、資金が十分に確保できませんという点や、また計画策定当初に予定しなかった仲裁裁定による人件費の増加、資材の値上がり等のための工事単価の増加によりまして、経費の膨脹がございましたために、工事資金に充当すべき自己資本の不足を生じまして、こういうような状態になったわけであります。しかしながら反面全体的に見ますと、老朽施設の取りかえによる輸送力の増強、サービスの改善などにより大きな効果をもたらしたことは私もお認め願えると思います。三十五年度末におきまする項目別の進捗状態は新線建設八四%、通勤輸送六一%、幹線輸送四五%、韓線電化が四二%、電車化が七〇%、ディーゼル化が四八%、車両増強が五四%、取りかえ及び諸経費が一一二%、総経費が七二%、大体平均六七%になって参ります。  第二点は、この新線建設にからみまして、鉄道建設審議会のあり方についての御質問であったと思いますが、戦争後わが国の経済復興と人口問題を対象といたしまして、国土の有効利用と資源の開発が絶対必要である、このためにはどうしても交通網を整備しなければならぬ、とりわけ鉄道の拡充がどうしても必要だということで、国会における決議が第七回、第八回、衆議院だけにおきましても第十四回の決議がございます。一方また国民の強い要望もありまして、二十六年度に鉄道敷設法の改正がございまして、国鉄の新線建設に関しては、運輸大臣の諮問機関として鉄道建設審議会が設置されて、そうして審議会の議を経て新線建設にかかっているようなわけであります。で、御承知通り審議会は与野党の有力な議員、また次官、国会の同意を得て任命された各界代表者並びに学識経験者をあわせて、二十七名の委員をもって構成されております。審議はわが国の経済の発達及び文化の向上に資することを目途として、しごく合理的に行なわれていると考えております。最近の審議会においても新線建設は、地方の開発促進、経済発展、あるいは国民の福祉増進等の見地からぜひとも必要であるという建議がなされているのでございまして、審議会の建議の趣旨に沿い、かつ各界の強い要望と国鉄の公共性にかんがみまして、今後は他の交通機関による場合との比較検討を十分行ない、国民経済上鉄道を有利とするものについて、国鉄の財政状態を考慮して建設することになっております。そういうつけでございまして、今後やはり鉄道新線建設につきまして、他の交通機関との利害の考慮その他を勘案して、適当に審議会の議を経て十分勘案考究していきたいと考えております。  それからなおそういうようなことをやって参りますと、運賃値上げが起きるのじゃないかという御質問でございますが、目下のところ運賃はなるべく値上げをしないという方針の下において、しからば鉄道の公共性ということとどう勘案しなければならぬかというので、三十六年度予算につきましても大蔵省当局に対して、運賃値上げをしない場合における鉄道の公共性ということからくる一般会計との調整一般会計にどの程度負担していただけるかということを勘案いたしまして、実際具体的な概算要求をやっております。ただいろいろの観点がございますので、大蔵省においてこういう問題で国鉄の公共性を認めていただけないとすると、やはり運賃というものにはね返りがあるのじゃないか。この点を心配しつつ、国民生活に非常に大きな影響があるから、運賃の値上げはやりたくないということの考えから、ぜひとも一つ大蔵大臣にもこういう問題についての特別の御理解を仰ぎたいというので、しばしばお願い申し上げているような現状でございます。
  79. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 副総裁、簡単に答えて下さい。
  80. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) 現在の五カ年計画の進捗状況につきましては、ただいま運輸大臣からお答えがございました通りでございますが、この現在の五カ年計画は大体三つの柱があったわけでございまして、一つは老朽、荒廃施設を取りかえるということ、もう一つは輸送力を増強するということ、もう一つは輸送の近代化合理化をはかる、こういう三本の柱でスタートしたわけでございますが、現在までの資金投入のパーセンテージは、大臣からも御答弁のありました通り六七%程度でございまして、ただ中身を見ますと、その中で老朽、荒廃施設の取りかえということと新線建設の関係は予定よりも進捗率は高くなっております。しかし輸送力の増強でございますとか、あるいは電化、ディーゼル化というような近代化の面は残念ながらだいぶ当初の計画よりおくれております。それで私どもといたしましては、このままでは鉄道の輸送力というものがわが国経済発展の隘路にもなりかねない、そういう状況が目の前に見えておりますので、今後なお一そう輸送力の増強ということを中心に努力をいたして参りたい、そのよう考えております。  それから新線建設のことにつきましては、ただいま大臣から詳細な御答弁がございましたのですが、現在着工いたしております線区並びに本年度から着工する予定になっております線区を合わせますと三十六線区ございますが、これらの三十六線区の工事を完成いたしますためにはおおむね千五百億ほどの資金が必要でございます。かりに年に百億ずつ投入していくといたしまして、十五カ年元本だけでかかるわけでございますが、ただいまのような借入金でそれをやっておりますというと、昭和四十年には元本の償還と利子の負担だけで百億にもなる、こういうことでございますので、従来もしばしば建設審議会におかれましても、新線建設については政府の出資、あるいは少なくとも利子の補給等の助成方法を講ずべきであるというような御決議もいただいておりますので、私どもといたしましては、国民経済発展のための新線建設は、これは当然国鉄がやらなければならぬとも思いますが、そのための資金調達等につきましては、政府御当局の特段の御配慮をお願いいたしたい、そのように考えております。
  81. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これは最後です。ただいまの問題は、これは国鉄専門の同僚二人もおりますから、もうきょうはこれ以上聞きませんが、ただ最後に出ました資金調達、それから利子補給、こういう点について、今の建設審議会のああいう状況でいくならば、配慮してもらわなければ国鉄としてはやっていけないというこの主張、要望は私はごもっともだと思うのです。大蔵大臣が今おられて聞かれたわけですから、古い問題でしかも新しい問題ですが、問題点だと思います。  おそくなりましたから最後の質問で終わりますが、官房長官と文部大臣に御答弁いただくわけですがね。直接この決算審議とそれほどの関係ないわけですが、しかし私たちは審議権と調査権を持っておりますし、この委員会開くこと自体が国力の増強であり、民生安定であり、政治の向上を口約とするわけですから、そういう立場から、当面私ぜひとも聞いておきたい点がありますから、お二人にお答え願いたい。  官房長官、その二つは、私は、岸さんが内閣総理大臣の場合に、あの南平台の自宅のお隣を公邸に使われることについて僕は異論を言ったものですよ、総理大臣が変わった場合はどうするのかということで。鳩山内閣当時に公邸の整理ということを言われたわけですが、決算書を見ますと、当時は三十五と出ているわけですがね。適当な管理をされていると思うのですが、当面池田さんが総理になられたわけですが、あの公邸をどういうように扱われるのか、僕は公邸なんというものは、そう、その場その場、行き当たりばったりではならないと思うのですよ。やはり計画的なものがなくちゃならないと思うのです。そういう点で一つ。  それから官房長官にもう一点は、総理がおいでになればぜひ伺いたいと思うのですが、おいでにならないから、あなたからお答えいただきたいのですがね。池田さんが総裁にきまって、首班に指名されるまで二十一日間、与党さんの家庭の事情でもたもたして、日本の政治は空白だったわけですね。これは社会党のわれわれが力が十分でないのも一つ原因だと思うのですが、国民に対してはまことにぶざまなことだと思う。その一つ原因として、派閥があげられているわけですが、私伺いたい点は、まあ自由民主党さん、与党さんが一年間に十七億円収入があるのは、どういうところから金が入るかということを私は思うわけですが、これはともかくとして、総理が同志の会として宏池会ですね、これが政治資金規正法で届けられて、三十四年度に一億三千九百万円という総計が出ておるようですね。政治をやっていくにあたっては政党というものが必要だ。自由民主党という政党はこれは当然だと思う。ところがその中の同志が何人か集まってお茶を飲むとか御飯を一緒に食べるのはけっこうだと思いますが、そのうちの何人かはきまったグループを作って、法に基づいて届出をして、そして政治資金を仰ぐという、こういう姿は、それは正当であって、勝手にやるからいいんだというけれども、そのことが国民にはね返ってくる。池田内閣が成立するときの二十一日の空白はこういうところに原因がある。これに対して僕は、総理になられた池田さんがどういう御見解を持っておられるかということが関心事なんですよ。あなたは池田さんから最も信頼されている腹心の一人ですが、これは相通じていると思います。総理がおいでにならないかわりにおいでになったということですから、あえて私はお伺いしておきたいと思います。  それから文部大臣に一点ですが、文部大臣から決算に関していろいろ伺いまして、私の納得できる御答弁もありましたが、またどうも的確なお答えをいただけなかった点もあります。しかし、今後まあ文教の推進のために努力していただけることだと思いますが、私はぜひここにおいでになった国務大臣としての荒木文部大臣にお聞きしたいのは、もう法理論とか理屈のやりとりはしません。率直に伺いたいのですが、私は一昨日、参議院の文教委員会で文教委員の諸君とあなたとのやりとりをずっと傍聴いたしました。結論的にはこれは総理がおいでになれば総理に伺いたいのですが、おいでにならないからあなたに伺うのですが、願望も含めて伺うのですが、団体とか個人とか、交渉権とか何とかそういうことでなくて、日本の文教を進めて参る予算場を、法律的に最もよく使用していく、そして国民の期待に沿うような政治行政をやるという立場からいくならば、いろいろ何はあっても、とにかく意見が違うならば違うといえばいいのであって、文部大臣が法的に認められた日教組の団体の方と会わないと突っぱっていることは、私は、池田内閣の荒木さんとして、どこかちぐはぐなところがあると思う。願望を含めてということは、意見の相違はとにかくとして会うべきであるし、会っていただきたい。これは今後予算使用をよくする意味においても、またよりよき文教予算を組む上においても、また文教を進展させて、国民の期待に沿う意味からいっても、あなたの長い答弁は要りませんが、ともかく会うことだと思うのですよ。私はこれは若干意見も加えましたが、注意を喚起するとともに、要望を含めてあなたの答弁を承っておきたいと思います。
  82. 大平正芳

    説明員大平正芳君) 南平台の公邸は、前内閣退陳とともに、借り上げておったのでございますが、お返しいたしまして、現在は公邸ございません。池田内閣になりまして公邸をどうするかという問題は、ただいまの私邸でどうしてもやり切れないというような事情のない限りは、公邸を置かないつもりであります。  それから宏池会の問題でございますが、これは池田勇人個人に対する後援をしようという団体でございまして、自民党の派閥とは関係ございません。
  83. 荒木萬壽夫

    国務大臣荒木萬壽夫君) 日教組の代表と会うか会わないかということで、数日来御質問いただいておったことを、矢嶋委員も傍聴席でお聞き取りいただいたことは私も知っております。今非常に何というか、情味あふるる趣を持って、お気持を持っておっしゃった意味も十分わかります。ただ私が申し上げておるのは、文書をもって団体交渉をするということでおいでになるものですから、それはお会いすべきじゃない、このことを申し上げておるだけでございます。もし教育現場教職員としてのベテランであるはずですから、その個人の立場でのうんちくを傾けてしろうと大臣を誤りなからしめる体のアドバイスをしていただくということならば、お会いしないということをいまだかつて申し上げたことはないのでございますから、あまり演出効果第一主義でなしに、さらっと通りすがりにでもアドバイスしてやろうというお気持でやっていただいたらどうだろう、こう思っておるわけでございます。
  84. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あと二、三分で終わりますから。  私は速記録を出して天下に公表したら日本の識者から非常に私は不安を受けると思うのですよ。日本の国会でこの程度のことを問題にしているのか、またやりとりしているのかということですね。で、私はその内容を申しませんが、ともかく五十万という先生の団体だし、それから、学校からずっと、やっぱり批判があっても、組織があって役員を出して、そうしてああいうふうな執行部を構成しているわけです。小林という委員長は、僕は、人間的に非常にりっぱな人で、決して口角あわを飛ばしてけんかする人じゃないと思うのですよ。だから、日教組だから会わぬということでなくて、今言ったような形で、ともかく意見が合わぬのは、君たちとは意見が違うということを言えばいいんだから、会って話し会いをされるようにしていただきたい。非常に大臣はまじめな人だものですから、だから、まあまじめなのは悪い面だけじゃない。あなたをよく知っている。例をあげれば石田さん、同じ閣僚で例をあげれば。よく言えばこの時代、情勢即応のセンスを持っている。悪く言えば悪賢さというのを持っている。ああいう石田さんのような、ちょっと文部大臣も何されて、ぜひ私はうまくやっていただきたいと思う。これは御要望でありますから、期待に沿っていただけると思うのですが、どうぞ、よろしゅうございますか。
  85. 荒木萬壽夫

    国務大臣荒木萬壽夫君) 御好意ある御忠言としてありがたく拝聴さしていただきます。
  86. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) 午前の質疑はこの程度にとどめまして、休憩をいたします。午後二時三十分から委員会を再開いたします。    午後一時四十五分休憩    —————・—————    午後二時四十二分開会
  87. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) これより委員会を再開いたします。  午前に引き続き総括質疑を行ないます。
  88. 相澤重明

    相澤重明君 私のきょうの質問通告をしておきましたのは、池田総理を中心に大蔵大臣あるいは防衛庁長官等、関係の大臣が中心でありましたが、それと関連する大臣は、運輸大臣厚生大臣、建設大臣、郵政大臣等は抜けておりましたが、それは午前中におりましたので、委員長の方で適宜取り計らっていただきたいと思います。  そこでまず最初に大蔵大臣にお尋ねをいたしたいのは、前国会から私どもこの決算委員会で常に主張しておりましたのは、国民の生存権について政府はどう考えるか。その第一は、文明の発達に従って非常に危険物、爆発物等の事故が多い。これに対するところの処理としては、関係法規きわめて不備であるということで、当然法体系の確立を考えなければならぬが、同時に、社会福祉を進める政府の立場においては、それだけの予算というものを考えなければならぬではないか。そこでその一番基本になる憲法における国民の生活を守るためにも、国家賠償法の制定というものはどうなのか。こういう点は、私どもがさきに、昨年の暮れに本会議で私の質問を初めとして、各委員会でも行なわれました。横浜市金沢区における東洋化工の爆発あるいは京浜第二国道における子安台の自動車の事故、横須賀市における坂本町の火薬の爆発、こういう問題で、本会議、委員会を通じて、またこの委員会も通じまして、常に政府に強い意見を申し上げておったところであります。当時政府としては、これらの対策について、内閣官房において、自治庁なり、あるいは運輸省なり、通産省なり、関係の省においてこれらの対策委員会を設置をして、そして十分な検討を進めるということになっておったわけです。従ってそれらのことについて、他面において法律改正あるいはそういう対策を進めるとともに、当然予算の裏づけというものがなくてはならぬ、こう考えておったわけでありますが、一体大蔵省としては、そういうような国民の生存権に対する問題として、たとえば今回行なわれる国民年金法の実施の問題、あるいは先に実施をされたところの老齢者あるいは母子あるいは障害者の一連の年金政策に対する問題と合わせて、一体社会保障とどういう考え方で進めるのか、国民の生存権に対する国家賠償というものをどうあなたは考えておるのか、こういう点について大蔵大臣のお考え一つ承っておきたいと思うのです。
  89. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) 今まで国会でその問題に対していろいろ御審議があったそうでございまして、その後これに対してどういう処置を今まで考えておったかという経過に関しましては、ただいま私詳しく存じておりませんので、政府委員にまず御答弁さしたいと思います。
  90. 上林英男

    説明員(上林英男君) この問題につきましては、前の当委員会におきまして、官房長官からも、国家賠償法の適用につきましては、国家賠償法は、従来の憲法のもとにおきましては、公権力の行使によりまする国家賠償責任はない、かつまた公共的な営造物の瑕疵で生じまする損害賠償責任につきましても、判例その他分かれておりましたところでございますが、新憲法の制定に伴いまして、こういう責任を明確にいたしますために設けられましたものでございます。従いまして、ただいま相澤先生のお話がございましたような問題につきましては、国家の公権力によります損害賠償の問題でも、あるいは公共的営造物の瑕疵に基づきます賠償責任の問題でもございませんので、国家賠償法の適用がございません。しかしながら、今御指摘のありましたような、いろいろな問題が起こっておりますので、官房長官からもいろいろ御答弁申し上げまして、通産省といたしましては、まずこういう種類の災害につきましては、その予防に重点を置いて考えることによりまして、それによって効果をあげ得るということで、前の国会に火薬取締法の改正の提案をいたしまして、その予防の取り締まりを相当強化する、これによって事故の発生を防いで参りたいというふうに提案をいたしまして、可決いただきまして、目下いろいろと準備を進めているところでございます。  そのほかに、まずさらにこういう問題につきましては、民間の賠償責任保険の制度を活用するというようなこと、あるいは火薬の製造、その他業といたしまする人たちが集まりまして、若干の共済的な基金を積み立てまして、これによってそういう事故が起こりましたときの見舞金なり、そういうようなものを出していくというようなことも研究したいということで、通産省のいろいろな指導のもとに、準備が進められております。で、保険の問題につきましては、現在制度といたしましては、火薬工場で爆発が起こりました施設の保険につきましては、制度としてあるわけでございますが、さらに進めまして、運送途中、ちょうど第二京浜のトラック事故のようなものを包含いたしますようなものができるかどうかということを、ただいま保険会社の方で研究をいたしておりまして、目下火薬業界と、ことに保険料の問題が、うまくいくかどうかという基本にもなりますので、保険料をどうするかというような点も打ち合わせているようでございます。こういうものがまとまりまして、大蔵省に申請されるようになりまする場合には、十分研究をいたしたいというふうに考えております。なお、あとで申しました共済基金的な積立金の問題につきましては、通産省の指導のもとに幾つかのグループに分かれまして、準備が、研究が進められて参っております。あわせまして、ただいま申しました保険の帰趨を考えまして進められるものというふうに考えております。
  91. 相澤重明

    相澤重明君 今の答弁では不十分でありますから、これから項を追ってそういう問題について質問をしてみたいと思うのです。  最初に、本日の私の特に重点になりますのは、日米安全保障条約のもとに米軍に提供をしておる基地並びにそのために飛行を行なっておる米軍軍用機の飛行等の問題について、特に内閣官房長官、それに防衛庁長官を中心に一つお答えをいただきたいと思うのです。  現在最も米軍の飛行の問題で困難をきわめておるのは、その地域周辺に住んでおる住民の人たちです。今私が厚木の基地の問題を一つ例にとってみたいと思うのでありますが、この場合に御承知のようにほとんどが今はジェット機であります。そこでこの爆音の悩みというものは全くもう耐えられない状態になっておるわけです。そこで爆音を少なくとも小さくする方途というようなものをお話しになったことがあるのか。あるいはまた飛行時間についての一定の制限を加えるようなことをお話しになったことがあるのかどうか、こういうような点については、もちろん日米合同委員会等の問題にもなろうと思うのでありますが、少なくとも新安保条約を批准をして、池田内閣があとを継いだものとしては、これが一番大きな問題であろうと思うのです。そこで池田総理も非常に低姿勢で、国民の前にはとにかくもうできるだけ与野党激突のないように、しかも国民の生活権利は守るのだという、こういうような非常に好ましいスタートをしておるのでありますが、現実には厚木の基地周辺の人たちの苦労というものは並み大ていではない。そこで基本的にそういう問題について今まで幾つかの問題点を出されておりますが、まず池田総理はどういうことをお話しになっておったか、また今日まで進められてきたか、それを官房長官からお答えいただき、そうして防衛庁長官からも関連の問題ですから、一つお答えをいただきたいと思います。
  92. 大平正芳

    説明員大平正芳君) 厚木等、米軍の飛行場に関連しまして、その周辺に住まわれる方々がジェット機の騒音等で非常に御迷惑をこうむっておられる状況はよく承知いたしております。この対策に関しましては、米軍に対して、深夜または早朝の飛行を制限していただくように、またジェットエンジンテストには消音装置を設けていただく等の措置を交渉していただいております。一方政府としましては、学校、病院等に対する防音工事を鋭意実施いたしますとともに、一般家屋につきましても、特に騒音が激しく、危険のおそれのある場所に所在するものにつきましては、集団移転を行なうことも考慮いたしております。
  93. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 御質問の御趣旨全くごもっともで、私も自分の選挙区ではありませんが、ごく近いところに小牧飛行場というジェットの飛行場を持っておりまして、この騒音の問題については、私自身も相澤委員と同じように非常な深い関心を払って参った一人でございます。  そこですでに相澤委員御存じの通り、政府におきましてもこれら騒音防止のためには、学校には騒音防止施設を施すとか、あるいは病院等にも騒音防止の施設を施すというようなことできておりますが、とうていこれだけでは皆さん納得を得るに至っておりません。そこで私先般も消音器——音を消す器ですね、このテストが、ようやく完成をして、いよいよ軌道に乗せるという話を聞きましたので、急遽岐阜の川崎重工の工場に飛びまして、その消音器なるものを見て参りました。まあ幸いにして相当な効果をあげるもののように思っております。これは四輪が下についた、ちょうど速記の机二個を合わせて上へ積み上げたような大きさのもので、相当じゃまになるというような見解もあるようでありますが、もう何をおいても始動のときには、これをつけることによって善後措置をとらなければいかぬぞということで、きびしく部内にも申しておるような次第でございまして、部内自身におきましてもこの問題については真剣に取り組んで、こういった問題を解決したい。  なお調達庁の長官が明後日欧州方面に、NATO諸国の基地その他の補償の問題等々を中心にして視察に出かけます。御存じの通りアメリカは非常に広大な領土を持っておりまするから、この騒音の問題等は、ちょっと日本の場合には比較になりません。そこでこの視察の重要なる任務の一つとして、領土の狭い欧州諸国では、このジェットの時代に騒音防止対策についてどういうことを現実にやっておるのか、ぜひ十分一つ視察をして、それがまたわれわれに稗益するところは、直ちに実行に移すつもりで見てきてもらいたい、こういう相談もしておるような次第でございまして、今後にかけまして十分騒音防止の点については努力をして参りたいと考えております。
  94. 相澤重明

    相澤重明君 まあ江崎君、大へんけっこうな御答弁をいただいたのでありますが、ぜひそう今後とも努力してもらいたいと思うのですが、そこでまあ、まず最初に、内閣官房として、官房長官今日まで厚木の基地について、騒音についてどんなふうになっておるということを具体的に調査されたことがありますか。
  95. 大平正芳

    説明員大平正芳君) 政府委員からお答えいたします。
  96. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) お答え申し上げます。厚木基地の周辺におきまする学校、病院等に対するまず防音工事の進捗状況を申し上げますれば、学校につきましては、これまでに防音工事の実施済のものが二十二校ございまして、本年度におきましては新規に一校を防音工事いたす予定でございます。なお追加工事といたしまして二校を予定いたしております。病院につきましては、本年度から着工するものが三施設でございます。また明年度以降におきましては、施行済の学校についてもいろいろと工夫を加えまして、追加工事をいたしますことはもちろん、未施設の学校につきましても、病院につきましても、だんだんと予算の許す範囲内で、でき得る限り新しい防音工事をやっていきたい、こういうように考えておる次第でございます。なお将来は学校、病院のほかに図書館とかあるいは保育所というような、こういう公共施設につきましても考慮を加えていきたい、こういうふうに考えております。  なお、騒音対策といたしましては、住民の密集しておる人家等につきましては、そして被害のひどい所につきましては、集団移転等、家屋の移転ということも考えておりまして、実際の実情をいろいろ調査いたしまして、移転の範囲とか実施の方法など、地元の方々の協力を得まして調査し、その上で、本年度中に相当数実施する予定でございます。また、明年度におきましても追加して行なうと、こういう考えを持っております。  なお、地元におきましては、飛行制限とか騒音軽減というようなことについていろいろ陳情が参っておりまして、ごもっともと思われる点が多々ございますので、軍に対しては、集団住宅地の上空をなるべく飛ばないようにするとか、あるいは、今申し上げました、飛行の激しい、どうしても住宅地の上空を飛ばなければならぬというようなところについては、今申しましたような集団移転を実施する。それから飛行時間につきましても、現在厚木では、夜の十時から朝七時までは飛行しないと、こういうふうに話し合いができておりますが、地元としては、午前八時以前午後八時以降の飛行禁止を求めておりますので、これらの点について、なお軍と折衝中でございます。土曜、日曜の飛行禁止という要望もございますが、これらの点につきましても軍と折衝中でございます。  なお、今も大臣からお話しになりましたように、爆音を軽減する消音装置ということについては、いろいろ技術的な関係もあり、また外国の方ではどうしておるかというようなことを調べたりして、何とかこれに対しても対策を講じなければいかぬということを考えて、いろいろ調査中であります。なお、実際の爆音のために、農業上いろいろな、あるいは畜産上被害を受けるといった具体的の被害については、それぞれその損失を補償するように措置を講じておる次第でございます。
  97. 相澤重明

    相澤重明君 次長は今総体的なことを答弁をされたが、一つそれをこまかく説明をしてもらいたいのだが、一体爆音等のそういう工事をやるとか、あるいは補償をすると、ただ言うだけではこれは意味がない。当然これは法律に基づいてそれぞれの取り扱いをするのでありますが、法律の及ばない範囲もある。そういう点は、あとでずっと関係の法律であなたに説明を求めますが、まず第一に、最初に、こういう爆音を予防するとか、あるいはそれをできるだけ被害を少なくするための方途を講じたいというのだが、そういう調査機関というものを作って調査をされたのか、それとも、ただ調達庁が現地に行って、そしてその現地に出張された担当者だけが考えたことをもって、政府に報告をされてやろうとしておるのか、一体その調査をする機関というものはどういうふうに構成されておるのか、そういう点について先に一つお答えをいただきたい。
  98. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) お答え申し上げます。ただいままでのところは、主として調達庁自身が調査に当たり、または関係市町村に頼んで調査するとかいうような方途を講じておりますが、特別な調査機関といったようなものは持っておりません。
  99. 相澤重明

    相澤重明君 今の次長が言うような、単に出張をした担当官の調査、あるいはそれによる主観的な問題だけでは、決して基本的な問題を解決することにはならぬ。そこで、一体政府として、調達庁としては、公正な立場で科学的な調査をする必要があるだろうと思う。そういうことを庁内で話をし、政府にそういうことを建言したことがあるのかないのか。ただ調達庁なり、出先の市町村長に頼んだというだけであっては、そんなものは一つも権威がない。そういうことをやったことがあるのか、それとも、政府がそういうここは必要がないと言って、調達庁だけにすべてをまかしたのか。
  100. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) 従来の行き方は、ただいま申し上げました通りでございますが、将来は、各種の被害に関しまして総合的な調査を実施し、その上で、周辺の環境の整備とか、あるいは民生の安定策、そういったことについて適切な対策を樹立するようにいたしたいと、今いろいろと検討中でございます。
  101. 相澤重明

    相澤重明君 それでは一つ具体的に、あなたの方で爆音の調査をされた結果というものがあると思う。従って、一日のうちに一体どのくらい爆音というものは厚木基地のためにその周辺の人たちが受けておるか、そういうような資料を一つ提出してほしい。持っておったらお答えをいただきたい。調査をしたというならあるだろう。
  102. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは相澤さん御存じだと思いまするが、調達庁でもやっておりますし、それから私どもの方の防衛庁でも、空幕、それからまた経理局等が中心になって、相当な調査の結論的なものを持っております。後刻書面にいたしましてお届けいたしたいと思いますから、御了承願います。
  103. 相澤重明

    相澤重明君 実は政府でもやってくれたと思うのだけれども、私どももこういうふうに全部調査したのがあるわけなんです。これによると、委員長にも見てもらいたいが、全然あいたところがないわけです。調査をしてみると、六十分間のうちでも、一分間隔で調べても、一つもあきがない。一時間のうちにとにかく六十五回も七回も飛行しておる。実際われわれが現地で調査をすれば、こういうことが出てくるわけです。ところが、調達庁が調査をしたといっても、そういうデータというものを政府に出さなければ、これは意味がないわけです。今江崎君が言うように、防衛庁としても非常に努力をされておると思うのだが、しかしその根本になるのは、こういう科学的な調査をして、そうして政府としての方針をまとめなければ、何も意味がない。そこで、私はあとで調査をした資料を提出してもらうが、やはり根本的には、さっき防衛庁長官が言うように、丸山君が行って帰ってきたら、やはりそういう基本的なものを——どの程度農作物に与えるか、人畜に与えるかというようなことを科学的に資料をとらなければならぬ。こういうような科学的な資料というものをとるのを今まで実はあまりやっていない。特に、調達庁の次長から先ほど御答弁をいただいたのですが、私の聞く範囲では、どうもあまり現地に行って、そうして最も被害の多いような地域を実は調査をされておらないように思うのです。私も実は自分の選挙区ですから、よく知っておるわけなんです。それで、現地に行ってみると、全くこういう話ができない。この点は、文部大臣がいたら、あとでほんとうに文部大臣によく話してやろうと思っているのですがね。子供の作文を見ると、今まで子供は、雨が降る日がいやだというのが——普通の人もそうであります。ところがこの厚木基地、大和の人たちは雨の降る日がよろしいと子供は言っておる、なぜよろしいかというと、雨の降る日は飛行機があまり飛ばない、全くあわれじゃないですか。いたいけな子供のその心を傷つける気持というものはどんなひどいものかということがこの中に出てくる。ところが調達庁あたりが調べに、市役所に行くなり、あるいはその出先き県庁の機関と話をして、なるほど爆音はひどいなというだけでは、これは一つも調査資料にはならぬ。やはりその住宅地なり学校なり病院なりにおいでになって、そうして科学的な調査をしたものでなければ、これは政府の機関としての権威というものは何もないわけです。この私の行ったところの住宅の奥さんなんかはまことにお気の毒にこの爆音のために、コースの近所にあるものですから、神経をおかされておる、顔面にもそれが出ておる。こういうようなことまで言われておる。遂にこの夏あたりはあまり爆音が激しいので疎開をせざるを得ない。この間ちょうど私が行ったときには、そういう疎開をすれば金もかかるのに疎開して、今度は子供も学校へ行かなければならぬので、帰ってこなければならぬというようなことで疎開先からお帰りになったが、これらの費用は莫大なものだ。何も事好んで自分が爆音のために苦しむ必要はないわけなんで、国民の生存権の問題なんですね。そういうことを考えてみると、やはり科学的な調査というものを政府がやはり責任を持ってやらなければならぬと思うのです。  そこで官房長官、あなたはきょう池田総理大臣いないので、まとめ役として、そういうような先ほど防衛庁長官も、丸山長官が帰ってくれば、外国の例も参考にしてやりたいと、こう言っておるのだが、あなたは政府機関としてそうして科学的なこれらの爆音等の問題、騒音等について調査をする機関を待つというお考えになるかどうか、この点一つあなたの責任ある答弁を求めておきたいと思います。いかがですか。
  104. 大平正芳

    説明員大平正芳君) 科学的な総合的な調査をやらなければならぬということは仰せの通りに存じます。ただこのために特別の政府機関を置くかどうかという問題につきましては、御趣旨を十分お聞きいたしまして、とくと考慮してみたいと思います。
  105. 相澤重明

    相澤重明君 これはまあ今の答弁では大体やるつもりだろうが、私もそれはそれとして善処を望んでおきます。そこで防衛庁長百は岐阜の先ほどのお話も出しましたが、一度厚木の、やはりこの厚木基地というのはなかなか解除をしないでしょう。現実に、日米新安保条約を締結した政府の立場では、直ちに返すということはなかなかできないでしょう、まあ私は反対なんだけれども。そこでこれは私がこの参議院の決算委員会で、あとの質問いかんによっては、決算委員会としても調査をしなければならぬと私ども思うのですよ。政府も一度一つ、特に官房長官あたりは総理大臣にいろいろとお話しする機会が多いのだから、一つ身をもって体験されることを私は望んでおきたいと思う。これはやはりそういうほんとうに中に入って見なければできるものじゃないのですよ。それでそういう中から大蔵大臣がなるほどこれは大へんなことだから、一つ政府としても何とか資金対策を考えなければならぬだろう、こういうことが出てくると思う。自分が知らないで、ただ事務官の諸君の話を聞いただけではこれはなかなかぴんとこない。そういう意味一つ一度現地へ行ってもらいたい。場合によれば私も先導をつかまつりますよ。そこでこの騒音のいかに激しいかということについては、すでに学校についても病院についても防音装置をする、こういうことを先ほども調達庁の次官が言われておりましたが、一体この防音装置をするというのは、調達庁としては、この基地を中心に何キロをお考えになっておるか。周辺どの程度のことを防音装置をすればよろしいと、あなたはこうお考えになっておるのか、その水準を一つお示しいただきたい。
  106. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) 先ほどの私の答弁の不足の分を補足させていただきますが、騒音の測量ということは、学校につきましては、騒音度を調査して、その調査したものがございますので、後刻先生に差し上げたいと思います。  なお防音装置をいたしまする区域は、飛行場を中心として大体五キロメートル範囲内のものを実施いたしております。しかしながら、財政の、予算の都合がございますので、なかなか一度にできませんから、計画的になるべく騒音度の激しい所から逐次範囲を広げて、コースもふやして実施いたしている現状でございます。
  107. 相澤重明

    相澤重明君 政府のいう予算が足りないということを言われましたら、それで終わりだと思う。予算がないからできないというと、それで終わりです、話が。しかし一体国民の立場に立った場合に、予算がないからといってお前は住んでおれということは言えない。それをいわゆる政策を講じていくというのが政府の立場、そこで大体五キロ以内に防音装置を作る、あるいは病院等にもそういうふうに努力していきたいということですが、文部大臣ちょっとおそく来たからあれですが、わかりますかね。荒木さん、先ほど厚木基地の大和市周辺のことについて、ジェット機による防音装置の問題を、特に調達庁の次長が今答えて、学校等については防音装置を施し、さらに今後もできておらないところは追加していく、こういう御説明をいただいたわけですが、あなたは文部大臣として、この基地の周辺におけるこの防音装置について、どの程度のことを施されておるか、実情を御存じですか。もしあれでしたら内藤初等中等教育局長から、初中局長も地元であるから、よく大臣と話して答弁してもらいたい。
  108. 荒木萬壽夫

    国務大臣荒木萬壽夫君) 調達庁におきましては、今まで一応の騒音防止をやってもらいつつありますが、学校そのものを本建築にすることによって、さらに騒音防止の効果をあげたいという考えでいるわけでございます。なおこれに対しましては、承りますと、本建築で冬はいいけれども夏は一体どうするのだ、窓を開けなければ暑くてしょうがないし、従って夏でも騒音防止の効果をあげるためには冷房装置もしなければいかないじゃないかというようなお話のあることを聞いておりますが、これは言うべくして実行はなかなか容易でないと存じます。だんだんとそういうふうなことを考慮さるべきであろう。いずれにいたしましても、文部省だけといたしましては、委員会と申しますか関係の人を網羅しまして十分検討を加えていくべきものではないか、そういう考えでおるわけでございます。
  109. 相澤重明

    相澤重明君 文部大臣も今回の入閣であるから、全部が全部というわけにいかないけれども、あなたに私は七、八年前に高邁な理想を民主党の政調会のときに話を聞いたこともありますが、とにかく現実の問題として、コンクリートで防音装置ができる、そういうことを研究されるのもけっこうです。しかし現実には子供の教育を休ませるわけにはこれはいかないわけです。現在全く航空路の下における学校においては防音装置を行なっておってもすでにそれが役立たない。そして今文部大臣の言うように夏になれば暑くてたまらないし、冬になれば換気装置が悪くてそれは困る。こういうようなことで、事実、教育というものが非常に混乱をしておるし、現場の教師も実に涙ぐましい努力をしておるわけです。そこで、そういう予算というものが一体現在の場合に早急にできないものかどうか、これは一つ文部大臣の、まあ、あなたの所管としての立場で、こういう気の毒な教育に対して、少なくとも三十六年度予算の中でも追加をするということを言っておるのだから、三十六年度あたりくらいには全部完成するという気持があるかないか。  それから水田大蔵大臣には一つそれと関連をして私はやはり聞いておかなければいけないと思うのですが、予算外の国庫負担でF104Jの予算というものは、三十五年度予算に組まれておると思うのですが、そういうのをさらに増大をする見込みというものはないのか、もしあるとすれば、今度はこの教育予算というものがいかにやろうと思っても予算がふえない。一方においてF104Jの国庫負担というものが増額をするような形がもし起きるとすれば、午前中の矢嶋委員質問のようにそう両方うまい工合にはなかなかいかない。そういう点についての財政の大元締の、予算外国庫負担額をどうするのか、増加する見込みがあるのかないのか、こういう点についても大蔵大臣一つお尋ねしておきたいと思う。だからその大蔵大臣答弁によっては、荒木文部大臣はそう言うけれども、一体やれるのかやれないのか、こういうことにも関連してくるわけです。しかし所得倍増とかなんとか言って、税金があがるからやっていけますよと言えば別ですが、これはある程度数字をあげていただきたい。そういう点一つ大蔵大臣にもお答えいただきたいと思います。
  110. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) きょう午前中に申しましたように、防衛庁予算請求もようやくきのう大蔵省に来たということでございますが、これから私どもとしては検討して、そういう問題もきめたいと思っておりますが、今御指摘のような問題は、それとは離れて必要な予算というものは私どもやはり考えたいと思っております。
  111. 荒木萬壽夫

    国務大臣荒木萬壽夫君) これは御指摘通り騒音の中で学童が授業を受けましても頭に入らないだろうと思いますから、極力騒音防止設備は万全の措置を講ずる方向にあらゆる努力をしなければ申しわけないと思います。問題は大蔵大臣がお認め下さいませんと、やろうと思ってもできませんから、その辺を一つこの際お願いしておきたいと思います。
  112. 相澤重明

    相澤重明君 それは大いにけっこうなことです。文部大臣が一生懸命やると言うんだから、大蔵大臣もそばで聞いておるから、それはもうそういうふうにやってもらう。  そこで、文部大臣にいま一つ教育上の問題で、いわゆる公立の学校についてはその通りだと思うのです。そこで、しかし文部省としては私立でもそういう教育上の問題については、当然監督官庁としての立場でそういう施設というものをすべきである、こうお考えだと思うのです。従って、私立の学校、幼稚園、保育園等について、あなたの方の所管として、あなたはどういう措置を講じられようとするのか、あるいは指示をされておるのか、こういう点について一つお答えをいただきたいと思う。
  113. 荒木萬壽夫

    国務大臣荒木萬壽夫君) 学校教育の場としまして公私両面あるわけですけれども、学童の立場から見れば、公立も私立もないわけですから、公立については、先ほど来申し上げるような措置を講ずるとして、私立の方には、御承知の私立学校振興会、これに対しまして資金を提供して、それを財源として措置するというやり方でやっておるようでありますが、三十六年度以降はもっとこれを大幅に資金を潤沢にして、今御指摘のようなことにも支障なきようにしたい、かように考えております。
  114. 相澤重明

    相澤重明君 そうしますと、今の文部大臣の御答弁では、私学についてはこれらの協会等について十分資金的な援助を、いわゆる資金融資等のことも含んで、できるだけそういう防音装置等も施せるように、教育が行なえるようにしていきたい、こういう御答弁なんですね。  それでは一つ私は法律的にお尋をしておきたいと思うのです。まず第一に、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊等の行為による特別損失の補償に関する法律施行令も出ております。それから、この日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊等の行為による特別損失の補償に関する法律、これが基本でありますけれども、この中に記載をされておる該当の事項と、記載をされておらない事項とあるわけです。そこで記載されておらないものについては、今の言うような形によるものか、それとも政府はやはり、これはこのときの立法条件と、現時点における、航空機の騒音が非常に大きくなった現時点における法適用の問題と比較をされて、これを改正する努力をされるのか、あるいは範囲の拡大というものをアメリカとお話し合いをされていくつもりなのか、この点についての法律並びに施行令に関する考え方を官房長官から先に一つ答弁いただいて、そうして防衛庁長官や文部大臣にも関連してお答えを一ついただきたいと思う。
  115. 大平正芳

    説明員大平正芳君) 所管大臣の方に一つお願いします。
  116. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これはやはり現実に即して合わせていくということでなくちゃいかぬと思っております。だんだん飛行機の性能が高くなりまするに従って騒音というものもやはり大きくなる、今の段階では。従ってそれは現実に即した方向で調和させていく、こういうつもりであります。
  117. 荒木萬壽夫

    国務大臣荒木萬壽夫君) 今お示しの法律のもとにおける学校の対象は、公、私立両方だと承知いたします。従って私立の方について特に悩みが大きかろうと思うのでございますが、調達庁あたりで当然この法律に基づき、もしくは今の防衛庁からの、江崎大臣からのお話の線に沿っていくにいたしましても、まだ足りない部分があろうかと思います。その点は先刻申し上げましたように、私立学校振興の立場からの資金を融通、援助することによって万全を期したい、考え方はさように思っております。
  118. 相澤重明

    相澤重明君 私はこの今の、日本とアメリカ合衆国軍との間におけるいわゆる特損法あるいは施行令等の問題からくれば、やはり防衛庁長官の言ったように、現時点に合わせてこれを適用させるというのが、これがやはり現在の政府なり、あるいはまた国会のとるべき道だと私は思うのですよ。そこで若干文部大臣のその御答弁、まあ悪かないですよ、あなたの言うことは悪かないけれども、しかし足りないように思う。それは、この法律の適用ということを考えれば、これは本来が個人でなくて国の政策のもとにこういうことが行なわれる。従って当然この法律の適用を、公であろうと私であろうと行なうという、その答弁の筋は正しいし、そうすれば国の予算の中でこれは行なうべきものである。ただ単に私立だからということで私学校法人に対する融資等によって借金をもしふやさせる、あるいはそのための利子のために経営が非常に苦しくなる、こういうようなことはとるべきでなくて、国がこの法律に基づいて措置をとる、これが助成金になるかどうかわかりません。これはまあ法律の解釈の問題だと思いますから、そういう点を私はとるべきであろうと思うのだが、一つあなたの、私の今申し上げたようなことであなたも解釈をされておるかどうか、この点一つお答えをいただきたいと思います。
  119. 荒木萬壽夫

    国務大臣荒木萬壽夫君) お説の通りだと心得ます。ただ関連しまして、私立学校なるがゆえに当然その対象というか、国費で全部をまかないきれない部分がもしありました場合は、補完的な措置として以上申し上げたようなことをやりたい、こういう意味でございます。
  120. 相澤重明

    相澤重明君 内藤初中局長、今この厚木基地の、先ほどの調達庁がいうところの、周辺五キロ以内にどのぐらいのそういう学校法人なり、あるいは保育園なり、そういうものが今存在をし、そうしてまたこの防音装置等ができないで困っておるのは現在どのぐらいあるかということを把握されておりますか、答弁をしてもらいたい。
  121. 内藤譽三郎

    説明員内藤譽三郎君) 所管が監理局長の所管でございますので、監理局長からお答えいたします。
  122. 福田繁

    説明員(福田繁君) 先ほど調達庁からお答えがありましたように、現在までに大体二十二校の防音工事を実施いたしております。あと新規の学校といたしまして約十三校の防音工事が未実施であります。だんだん爆音被害の程度が進んでおりますので、従来やっておりました防音工事に、さらに改良実施しなければならぬというようなものも今後出てくると思います。そういったものを合わせますと、相当の校数に上るのではないかと思いますが、未実施の分は現在のところ十三校でございます。
  123. 相澤重明

    相澤重明君 この未実施の十三校というのは、幼稚園あるいは保育園というものもあなたの方では考えているのですか、それともそれは全然別に考えておる、いわゆる中学校、小学校というようなものだけに限定をされておるのか、その点いかがですか。
  124. 福田繁

    説明員(福田繁君) 十三校と申し上げましたのは幼稚園を含んでおりません。
  125. 相澤重明

    相澤重明君 そうすると先ほど来の文部大臣のお考えでは、公立にしろ私立にせよ、事教育の問題については非常な関心を持たれておる御発言であったはずなんです。今の監理局長の御答弁によると、今政府、いわゆる文部省当局が考えておる、この防音装置の未実施のものは十三校というのは、これは単に学校だけである、いわゆる幼稚園とか保育園等については考えておらない、こういうふうに私が理解をしてよろしいですか。
  126. 福田繁

    説明員(福田繁君) ただいま申し上げましたのは学校について申し上げたのでございますが、先ほど大臣の御答弁にございましたように、学校教育法による学校でございますので、幼稚園をそのほかに十校ばかり予定いたしております。先ほど申し上げました十三校の中にはそれは入っておりませんけれども、幼稚園を合わせますと二十三校ということになります。
  127. 相澤重明

    相澤重明君 そうすると私立が、たとえば鶴間幼稚園とか、みどり幼稚園とかという、たくさんの幼稚園がありますね。そういう現在大和に作られておる、この基地の周辺に作られておる幼稚園、保育園等はお考えになっておると、こう理解をしてよろしいですね。
  128. 福田繁

    説明員(福田繁君) 私立の幼稚園も当然に入ってくると思います。
  129. 相澤重明

    相澤重明君 それでは、そのことについては早急に一つ、どういうふうに実施をするか、これは今すぐにそれの答弁を求めても無理だと思います。そこで、文部大臣によく一つ御相談をされて、後刻その実施をする方向について一つ資料を提出していただきたいと思います。これは先ほど調達庁からの三十六年度の中で追加をすべきもの、あるいは今まで防音装置を施してもなお追加をして直さなければならない、こういうものとをあわせて一つ御提出を願いたいと思うのであります。  その次にお尋ねをしたいと思うのでありますが、ちょうど危険物、爆発物等の問題で、特に駐留軍の問題をお話し申し上げたのですが、文部大臣一つお伺いをしておきたいのは、相模原市に東海大学というのを設置をするということが認可をされているのではないかと思うのですが、それはそういうふうになっておりますかどうか、いかがでしょうか。
  130. 荒木萬壽夫

    国務大臣荒木萬壽夫君) 近畿大学に認可をしたことは記憶しておりますが、東海大学につきましてはちょっと私はつまびらかでございませんので、懸案中ではなかろうかと存じます。いずれ確めまして、要すればお答えをいたしますが、ただいまちょっとはっきりしたことを申し上げられないで恐縮でございます。
  131. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、その大学に研究室として原子炉設置の問題があるようであります。これは非常に地域住民が心配をしているわけなんです。そこで、なぜ心配をしているかというと、今の厚木基地の最も中心になるわけです。航空路の中心になる。そういうようなことからいって、もし一たん事故ができたときにはどうするのか。文部省というのは、ただ設立認可の申請があれば、条文上支障がなければこれに認可をするのか、こういう問題で非常に心配をするわけです。この点について、もし、今のような御答弁ではおわかりにならぬと思いますから、後刻これは調べて、そうしてもしそういうような認可がされておって、文部省は認可をする方針なのかどうか原子炉についても……。こういう点についても御答弁をいただきたいのですが、私としてはこれは一つ慎重を期してもらいたい。とういことは、私は決して研究用の原子炉について反対する者ではないのだけれども、最も警戒しなければならぬ地域にそういうものを置かなければならないかどうか。適当な地域というものが得られないものかどうか。こういう点は、これは少くとも大学を認可するについては、文部大臣の権限であるということから考えれば、この点については慎重な配慮がほしいと思う。従って、このことについては後刻調査をされて御回答をいただきたいと思うのです。  そこで、続けまして建設大臣に。厚木基地は、先ほども冒頭に申し上げたように、日米安保条約の中では、一番重要な基地の拠点になっておる。そこで、今学校の問題等についてはお話しいたしました。住宅については、これはどういう一体基準あるいは建設省の団地設定等、住宅、団地等の問題について指導をされているのか。これは個人の固有の権利でありますから、個人の所有物については簡単にものを割り切るということはできないでありましょう。しかし、これらの基地を中心としたその周辺のものについては、これは政府としても考えなければならぬ問題だと思う。そこで団地造成、住宅建設についてどういう建設省のお考えを持っているか、この際承っておきたいと思うのです。
  132. 橋本登美三郎

    国務大臣橋本登美三郎君) 宅地の問題につきましては、宅地建物取引業法というものがあります。この法律によってその宅地がいわゆる不利益なものは不利益なものとして買取人に言わなければならない。あるいはうそを言ってはいけない、こういう取引法があるわけであります。もしこの取引法に対して違反をした場合は、業務の停止なりあるいは登録あるいは営業停止、こういうような処罰があるわけであります。これは新しい宅地の他人に分譲に関する件ですが、現実に家に住んでおる場合は、今のところは、法律は制限はありませんが、ただ航空法では建物の制限があります。これは飛行機の方に都合のいい制限です。将来こういう問題が出て参りますれば、そういう点が、はたして制限を与えるかどうかということは、個人の権限を侵すということになりますから、かなり慎重を要すると思います。  なお建設省の関係のいわゆる住宅公団なり、こういうところでやる集団的な住宅につきましては、こういう地区を避ける。そうしてできるだけこういう地区を避けて、居住者のいわゆる安住するようなところを探して、そういうところに集団的なものをやっていく、こういう基本的方針でやって参っておるわけであります。  ただ先ほど五キロといいましても、影響は十キロも二十キロもありましょうからして、その点の問題がありまするが、少なくとも周辺地、近いところに集団的なものを住宅公団としてはやらないように、こういう監督をいたしております。
  133. 相澤重明

    相澤重明君 住宅公団には、そういう希望あるいは行政上の指導をするということでありますが、地方自治団体にはどうですか。
  134. 橋本登美三郎

    国務大臣橋本登美三郎君) 地方自治団体に対しましては、一応これは非公式といいましょうか、そういう意味合いで話し合いでいきますが、たとえば建設省が第一種、第二種公営住宅、こういうものを各都道府県をして建設せしめることになっております。こういう場合には、できるだけそういう地区を避けるようにというような希望は申し上げてもいいのですが、まだ都道府県のいろいろの事情からして、必ずしもその通りに行なわれておらない場合があろうかと思います。的確な資料を持っておりませんが、原則としては、ぜひそうしてほしい、こう考えております。
  135. 相澤重明

    相澤重明君 現に大和の基地周辺にについて、地方自治体が作った家に住もうと思って、せっかく当選した人が行ってみて、あまりにも爆音が激しいので、これはとんでもないということで契約をやめた人もある。あるいはせっかく買った家を捨てなければならぬという人もある。  こういう点については、やはり建設省としての何らかの措置というものが必要ではないか。特に爆音下における航路下における付近のものについては、今後どう、いわゆる固有の権利のものを、宅地なら宅地を造成するというようなものに対して、これを制限をするかということは、非常に重要な問題だと思う。  これはしかしなぜ起きるかといえば、基地があることによって、これは起きる。基地がなくなれば、別に起きないことなんです。従ってこれは単に個人の問題だけというわけには私はいかんと思います。こういう問題で現にそういう団地造成あるいは住宅建設についての抜本的な一つ対策というものを講じてもらいたい、こう私どもは思うわけです。  そこで今、はしなくも建設大臣からお答えのある中に、航空の問題が出ましたので、運輸省に一つお尋ねをしておきたいと思うのです。運輸大臣がいないので、航空局長に、まず現在の民航——民間航空のいわゆる飛行航路についての問題、いわゆる航空法三十七条、航空路の指定について、現在どういうふうに考えておられるか。これを改正をする意思があるかないか。その次に航空法百二十六条、外国航空機の航行について、この場合のいわゆる特に日米安保条約下における問題がありますので、百二十六条に対する考え方というものはどうするか、この点について、御答弁をいただきたいと思うのです。
  136. 今井栄文

    説明員(今井栄文君) お答え申し上げます。まず第一に、現在の航空路の指定につきまして、今後改正する意図があるかどうかという点でございますが、現在、航空路につきましては航空局におきまして、各般の状況、気象その他の状況等を十分調査いたしまして設定している状況でございまして、航空路そのものの今後の設定の方針について、これを改正するという意図は現在は持っておりません。  それからなお、百二十六条の外国航空機の航行についての規定でございますが、現在、外国航空機の航行につきましては、国際民間航空条約の締約国の外国航空機につきましては、これがいわゆる百二十九条の規定で認められました外国のいわゆる定期航空事業に従事する航空機、日本に入ってきておりますパン・アメリカンとかあるいはまたノースウエストあるいはスイスエヤというような外国の定期航空に従事する事業の航空機、あるいはまた外国の航空機で定期ではございませんが、有償の貨物または旅客を輸送するために入ってくる、不定期に入って参ります航空機、これは百三十条の二項で許可を与えておりますが、こういうふうな定期、不定期の有償運送に従事する航空機、それからまた外国の国または公共団体等に所属する航空機というようなものは、それぞれ許可制度が別個にございまして、従いまして運輸大臣の許可がなければ、日本の国内に入れないという規定になっておりますが、現在、日本の国内に許可なく入れるものは、民間航空条約の締約国の航空機でありまして、不定期に、つまり定期ではなく不定期に、しかも物あるいは人を有償で運ばないというふうなものだけが、航空路を航行して入ってくるものについてだけ、許可なしで認めているわけでございます。  米軍の航空機につきましては、先生が御指摘になりましたように、現在、行政協定に基づく特例法によりまして適用を除外いたしておりますから、従いまして米軍の航空機につきましては許可なく入ってこられる、こういうふうなことになっております。
  137. 相澤重明

    相澤重明君 航空局長が、今、航空法第三十七条の航空路の指定について改正をする考え方は当面持たない、こういう答弁でありますが、しからば重工業地帯等において爆発物を所有する上空を飛行した場合に、不幸にして事故が起きた場合の一体損害等の補償等を含んで、こういう問題についての予防的な措置はどうするのか、こういう点をお考えになったことがあるかどうか。  今非常に民間についても、先日、私どもは日航のジェット機に試乗してみたのです。しかしこれは非常に速度が速い。そうすると一たん間違えばその起きる事故というものは実に大きい。特に重工業地帯において、もしそうした事故が起きたならばこれはたいへんなことではないか。先ほど私が冒頭に申し上げた京浜第二国道の自動車接触事故や、あるいは横浜の東洋化工の爆発事故、横須賀坂本の火薬庫爆発事故とは比較にならぬ大きな事故になると思う。  そういう場合のことを、運輸省としてはこの航空路指定について、そういうことをお考えになったことがないのか、あるいは今改正する考えはないということは、今の形のままにしておいて事故が起きないと考えて、そういう改正をする必要がないと、こういうふりに思っているのかどうか。もし、そうでなくして、そういうことも検討してみたことがあるのかどうか、この点についてお答えをいただきたいと思うのが第一点。  それから第二の問題は、先ほど外国の民間航空機については、これはいわゆる協定できめられた通り、航空法の定めるところである、また同時に、日本安全保障条約から出る行政協定によってきめられたものも、その通りだと私は思う。  しかし、先日、私ども神奈川県民が一番心配したU2機については一体どうか、黒いジェット機は、どこに一体この航空法の中に規定をされているか。いわゆる除外例を認めるにしても、あの航空法の中をみても、このU2機については、何らの拘束力がないじゃないか、法律条文として、どこに拘束力があるのか、航空法上に、そういう拘束力があるか。あるいは行政協定の中に、その条文があるというならお示しをいただきたいと思う。  この二つのお答えをいただきたいと思う。
  138. 今井栄文

    説明員(今井栄文君) まず第一の問題でございますが、先生の御質問は、危険物の上空を通る航空路につきまして、どういうふうに考えるかという点でございますが、従来私どもが航空路を指定いたします場合には、その上空を航空機が通過することが特に危険であるというふうな空域につきましては、航空路をその上を通さないように規定いたしております。  たとえば一つの例でございますが、青森県の東海岸にあります米軍の演習地域の上を航空路を設定いたしませんで、これを西寄りに航空路を変えて函館の上空の方に出て、札幌の方に行くというような形にいたしまして、それからまた特に危険な空域につきましては、航空の時間的、あるいはそれ以外の航行の制限を課するというふうなことによって、安全を確保するというふうな措置をとっております。  ただいま御質問のございました重工業地帯というふうなことになりますと、重工業地帯を全然避けて航空機を飛ばすというようなことが非常に困難でありますのと、これは諸外国においても、そうでございますが、そういった工業地帯の上に航空路を全然設定していないというケースもございませんし、今のところ、私どもは一応工場地帯の上空に航空路があるということだけで、非常に下の方が危険である、あるいは上空を飛ぶ航空機が危険であるというふうには、実は今のところ考えておりません。特に航空路を設定することにより飛ぶ飛行機が危険である、あるいは下の方が危険であるという空域についてのみ、航空路の指定を改正し、あるいは航行を制限するというような措置をとっているのであります。  それからU2機の国内に入ることについての拘束力を、今何らかの法規が持っているかどうかということの御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、行政協定に基づく特例法によりまして、航空法に関する限りは、米軍の軍用機は入国についての適用の除外例を持っておりますので、私どもの現在の法体制のもとにおいては、航空法の体制のもとにおきましては、ある特定の特殊な飛行機というふうなことを識別することもできませんし、この点は、私どもとしても今のところ方法がないというふうに考えております。
  139. 相澤重明

    相澤重明君 今の青森、北海道の問題についてはこれはまあそれでよかろう。  しかし羽田空港については、国際空港と言われる羽田空港については非常に問題のあるところです。北は羽田空港から見れば、あの高いエッフェル塔にまねたものが非常にこれからの視界にじゃまになるのではないかということも一つあるし、それから南については、川崎、鶴見の京浜重工業地帯、御承知のように川崎、鶴見の地帯は、工場から吐く油煙で、煤煙で太陽が見えない。これはここにおる、国会におる皆さんは、まことに恵まれた存在なんです。これは各大臣も、一度川崎の重工業地帯に行ってもらいたいと思う。昼間でも太陽を見ることができない。だから今、川崎や鶴見の人の言うには、われらに太陽を与えよと言っている、こういうような地域の中で、しかもこの林立するタンク群、いわゆる気圧、あるいは石油、ガソリン、こういうふうな中に、もし一旦その上を飛んで事故が起きたらどうする、これは日本の心臓部を突き刺すと同じように、航空機の事故によって非常な大きな国損をすることになる。こういう場合に、単にそれを抑える法律、航空路を指定する運輸省が、それは危険がないなんという考えを持っているなんというのではお粗末しごくだ、そういうようなことであっては、これからのこういう危険物をいかにして処理をするかということについては、私はむずかしい問題だと思う。  そこでもっと抜本的にそういう問題を考える必要があるのではないか。私をして言わしむるならば、いわゆる空港というものは、もっと都心地から離れるというのが、これは国際的にどこのいわゆる空港でもとられていることなんです。住宅地に近いとか、工場に近いところに空港を置くなんというのは非常に政府のやり方としてはよくないことだと私は思う。しかし今さら全部を変えるというわけにもいくまいが、少なくともそういう基本的理念に立って、狭いなら狭いなりに、そういう事故の起きた場合を予想しつつ事故を未然に防ぐことを考えていくべきだと思う。これが航路設定にあたっての運輸省の考えでなければならぬ、これが一つ。  それから二つ目の行政協定によるアメリカ軍のものである、駐留軍のものである、こうお話になって、駐留軍のものであれば、これは何ら拘束することもできないし、今のところは、日本としてもやむを得ないものがある、こうあなたは御答弁されておるが、U2機は、あれはアメリカ軍のものですか、あなたの解釈されているのは、U2機はアメリカ軍のものですか。
  140. 今井栄文

    説明員(今井栄文君) 第一の点について、まずお答え申し上げたいと思いますが、先生のおっしゃいました点は、まことにごもっともでありまして、私どもも今後特に京浜地帯における航空機の離着陸につきましては、御趣旨を体して万全の、でき得る限りの措置を講じていきたいと思います。なお現在私どもとして、この京浜の重工業地帯と羽田空港の関係につきまして、今御質問のございました航空機の安全離着陸の問題につきましては、航空機の離着陸につきまして、航空機自体の上昇の経路につきまして、できるだけ安全なパターンを組むということが、まずできるだけとられている措置でございます。  それから、なお先般の国会で御承認を得ました航空法の全面改正によりまして、今般ようやく飛行場周辺における高層建築物等物件制限強化されまして、従来より相当幅の広い、かつまた、質的にも、従来より深い物件制限が行なわれることになりました。従って羽田飛行場に近接する工場等の煙突その他につきましても、相当強度な規制、航空機が離着陸するのに十分堪え得る程度の高さに制限するというふうな措置が、法の改正によりまして可能となっております。これを十分活用していきたいと思います。  それからもう一つ、工場地帯等から吐かれる煙、あるいはそれによって生ずる煙霧というようなものによって、航空機の視野が妨害されるという点につきましては、現在、羽田におきましては、わが国唯一の、初めての非常に高度な着陸誘導施設を整備いたしております。これは近くでき上がるはずでございますが、これは縦の電波とそれから横の電波とを同時に発射いたしまして、その電波の接点に飛行機が乗って降りてくれば、相当の濃度の煙霧の中でも飛行場に近接し得る。もちろん、最終的に着陸する場合には、滑走路に近づきますれば、操縦士は、当然滑走路を視認するということになりますが、今言いました設備ができ上がれば、ある程度のそういう煙霧、あるいはまた天候の思いときの、非常に雲が低いというふうな場合でも、安全に着陸し得るというふうな措置が今講ぜられつつあります。これは近く完成する予定でございます。しかし、先ほど申し上げましたように、御趣旨を体してなお一つ、こういう点について十分検討してみたいと思います。  なお、U2機の問題でございますが、私も実は詳しく存じませんが、これは一応、米国宇宙局に所属する航空機になっておりますが、こちらへ参ります場合には、米軍の所管になる飛行機であるというふうに聞いております。
  141. 相澤重明

    相澤重明君 局長が一人で、そんな勝手な解釈をして答弁されたら、これは政府があとで迷惑をしますよ。だから以後慎んでもらいたい。そういうことを言うと、あとで政府が困るから……。今までも、何回も衆参両院で、政府に対する質問が行なわれておって、その点ははっきりしているのだ。勝手に変えられるものじゃないのだ。それはそれでよろしい。そこで、防衛庁長官、一つ、やはりあなたと官房長官が一番いいのだ、この問題は。  そこで、今の厚木基地で、米軍の飛行機が飛ぶ航路ですね、航空路、これは一体どの程度まで、その幅というものをお考えになっているのか。航空路設定にあたって、今の、これは日本の航空機のことは運輸省がやっておりますから……。しかし、米軍のものについては、一体どの程度までが、空も全部アメリカに貸したのだ、こういうことになるのか。それとも、やはり基地に対する一つの航路というものをおのずから設定をする、こういうふうに考えておるのか。その点はどうですか。これは非常にむずかしいかもしれぬけれども、きわめて重要な問題なんですね。そこで、一つ防衛庁長官と官房長官にお答えがいただきたいと思うのです。
  142. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは、日米安全保障条約に基づいて駐留を許しておるわけでございまするから、やはり、日本の安全に寄与をする範囲内においての行動というものは、自然、許しているわけでございます。
  143. 大平正芳

    説明員大平正芳君) 防衛庁長官のお答えになった通りであります。
  144. 相澤重明

    相澤重明君 官房長官も、それより仕方がないでしょうが……。  そこで、防衛庁長官、事実は、日米安保条約というものから来れば、いろいろな解釈も成り立つだろう。しかし、日本の空全部が、これはもうアメリカに自由に使われる、これであってはならぬはずですね。ですからアメリカ軍が飛ぶ場合でも、日本のやはり国の方針というものがあって、その場合には、十分話し合いもするし、また条約、協定の中でも、そういうことは結んであるはずなんですね。  そこで、私がこれからお尋ねしようと思うことは、この航空路指定によって、あるいはこの航路のとり方によって非常に大きな影響を受けるもの、先ほども申し上げた爆音の問題があるわけです。あるいは農林省の所管としては農民の耕作物についてあるのです。これは率直な話が、ジェット機が低空——農作物すれすれに飛ぶ場合がある。そうすると稲にしても陸稲にしても露が、あるいは水をある程度含んでおらなければ実りが悪いわけですね。ところが、飛行機がすれすれに飛ぶと水を全部はじいてしまう。これはいわゆる農作物について雨が必要だということは、原因がそこにあるわけです、豊作であるかないかに。ことしも豊作だということを言っておるが、この豊作というのは自然の原理、あるいはそれに、もしそれが足りない場合には、早魃の場合には、水を注ぐということが必要になってくる。ところが、せっかく与えられた水を飛行をすることによってなくしてしまって、それだけの農作物に被害を与える、こういうことが現実の問題として起きておるわけです。  これらに対して、一体、調達庁なり防衛庁としてはどういう算定をし、あるいは農林省は、その補助を行なおうとしておるのか。  それからいま一つは、いわゆる離着陸のコースについて、この場合、滑走する場合と、今度離着する場合に回わる場合がありますね。その周辺の下における住宅地の人たちのいわゆる要望というものは、集団移転をしたい。これは先ほど調達庁が言った通りです。  そこで、そういうものについて、調達庁は若干の集団移転ということについて考えておるようでありますが、現在まで一体どのくらいの予算で、いつそれを実施するのか。それから何戸分くらいになるのか。こういうことについて、一つ両方でお答えをいただきたいと思うのです。
  145. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) 飛行機の航空の仕方によって、すなわち米軍の行為によって農業に被害を与えるという事実がはっきりすれば、特償法に基づいて成規の補償をいたすはずであります。また実際に、今までにも実施いたしておるところでございますが、厚木周辺の集団移転については、現在のところ、目途としては五十戸を目途といたしておりますが、これはいろいろ一軒一軒金額がどのくらいになるか十分調査してみないとわかりませんので、あるいは目標だけのものが移転できないかもしれないと思っております。しかし目途としては、それくらい年度中に片づけたい、こういう考えを持っております。
  146. 相澤重明

    相澤重明君 今年度中に五十戸くらいは、集団移転を何とかしたいと、こういう御答弁のようですが、この五十戸分というのは、一番最初、一つ移転をしてほしい、こういう陳情のあったものから取り上げるのか。それともあなたの方で、この地区は一番先にやったほうがよろしい。こういって調達庁が調べたもので、その五十戸分を移転をさせようという考え方なのか、その点はいかがですか。
  147. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) 一番やはり騒音の激しいところで、地元として実際住んでいる方々が、もうとてもやかましくてたまらぬから動かしてくれという希望がありまして、われわれの話し合いのついたものから逐次やっていく、こういう考えでおります。
  148. 相澤重明

    相澤重明君 話し合いのついたものといったって、もちろん話し合いがつかなければ動くことなんかできないだろうけれども、少なくとも住民の要望というものは、もう二年も三年も前からあるわけですね、これは。そうでしょう。  そこで今日はもう二千世帯以上の人が、あるいはもう三千世帯かもしれない。そういう人たちが、とてもこれではやりきれぬ。爆音を小さくしてもらうとか、あるいはそうした被害をなくするということでなくては、この付近に住めない。先日あなたの方で、ジェット機から油を流されて非常に住民が迷惑をしたということを聞いておりますか、空から油が降ってくるのですよ、汚水が。そういうようなことを調査したことがあるか。ないだろう。そういうことがなくてどこに一体被害があったかなんてことはわかりやせぬじゃないか。そういうことを調べてだね、そういう空から汚水を、あるいは油を流されて、ひどい人は呼吸器まで犯されているのだ。医者にかかってるんだ、皆、そういうようなことまで、やはり考えてやらぬと、これは調達庁が、まあ一番ひどい人からといったところで、調達庁の好みだけでは、これはだめなんです。大和では現在町の人が、みずからが自治会等を作って、そうして対策委員会等も作って市と一緒になって、あるいは県に、調達庁に、あるいは防衛庁に、そういう政府に陳情しておるわけなんですよ。そういったことをもっと真剣に考えておらないからこそ、そういうようなおざなりの答弁になってしまう。  もっとそういうことを真剣に調査をされて、そうして、なるほどこの住民の言うことはもっともであるから、それでは、まず最初から出されたところから調査をして、そういうふうに早くするとか、あるいは今言った該当の地区でそれぞれの対策委員会初め、市が持っておる団体のそういう人たちと十分相談をされて、そういうふうにやろうとするのか。その点はどっちをとるか。あるいは今までの考え方としては、先ほどの答弁のような形で今後進むのか、その点をいま一度、答弁をしてもらいたい。
  149. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) 私のお答えが、どうも意を尽していないかもしれませんが、十分調達庁を中心として調査いたしますが、もちろん地元のいろいろな関係機関の協力を得まして、十分話し合いをつけて、騒音の激しいところから実行する、移転問題は片づけるべきものは片づける、こういうようにいたしたいと思います。  それから飛行機から油が落ちて被害を受けた、こういう点については、私の方はまだ聞いておりませんが、急いで調査いたしまして善処いたしたいと思います。
  150. 相澤重明

    相澤重明君 それでは、次長だから、そういう点は長官もいない留守で御苦労だけれども、これは至急に調査をして、そうしてこれらの対策委員会の人たちがおるのだから、行けば対策委員会があるのだから、そういう人たちとよく相談をされて、そうしてすみやかなる被害の補償、あるいは移転、そういうものについて善処されるように私は要望しておきます。  そこで、文部大臣にいま一度お尋ねしておきたいと思うんですが、いろいろどうしても防音装置をやってみたけれども、どうも航路の下では、あまりにも騒音が多過ぎる、こういうような場合には学校を移転をする考えはありませんか。いがでしょうか。
  151. 荒木萬壽夫

    国務大臣荒木萬壽夫君) 今までも数校お説のような意味合いで移転をした実績もあるようでございます。どうしても手がなければこれは移転をするほかにございませんから、今後も、そういうこともあわせ考慮して参りたいと思います。
  152. 相澤重明

    相澤重明君 それでは、その点もなお一つ調査をされて、住民の希望に沿うようにしていただきたいと思うわけです。  そこで、私の申し上げたのは、市長初め関係の自治会、あるいは対策委員会等が作られておりますから、そういう点も一つ防衛庁並びに調達庁で積極的に話し合ってもらいたい、こういうことを一つ確約できますか、防衛庁長官。
  153. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは全く大へんな問題でございまするから、十分一つ、われわれの方としても誠意を尽くして御相談に乗っていきたいと思っております。
  154. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) 騒音のために、どうしても成果が上がらない、非常に能率を阻害する、そこにおられないというような事例もありましたので、これまでに全国で約三校ほど移転をしたものもございます。問題の学校につきましては今後十分調査をいたしまして検討を加えたい、こう存じます。
  155. 相澤重明

    相澤重明君 それから防衛庁長官にいま一つ、米軍基地の解除の問題で聞いておきたいのですが、横浜市の港北区に田奈という弾薬庫があったわけです。これは防衛庁で非常に努力をされて接収解除されたという話も開くのですが、これは解除されたのかされないのか、一つお答えいただきたい。
  156. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 田奈の弾薬庫の問題につきましては、修理をするということで、中に貯蔵しておりました弾薬は池子の方に大体移したそうでございます。ところがその修理にあたりましては、予算の関係とか設計の関係で、まだ修理ということに移っておりますん。従いまして、ほんとうにこれが必要ないのであるというならば返還を願いたいということで、目下折衝をいたしておりますが、向こうはまだ予算、設計、その他の相談中であって、結論に至っていないからというわけで返事を留保しておる、こちらから申せば交渉中である、こういう段階でございます。
  157. 相澤重明

    相澤重明君 これは神奈川県知事からも、強い要請があるし、事実七千トンに及ぶ弾薬が全部池子に納まった、現実には必要がないわけです。ですから、これは一つぜひ防衛庁長官にもやはり解除してもらう、一番最初お話になった必要でないものは、この際返してもらう。現実に私が神奈川県の一つ例を取ってみますというと、非常にたくさんの地域が、まだ防衛庁の知っておる通りに接収をされておるわけです。土地についても八月一日現在で二千八百五十万平方メートル、それから建物で百八十四万平方メートル、ほとんど今の大和市の一つぐらいが、まだ米軍に提供されておる。ですから、かなり私は必要がなくなったところがあると思うのです。田奈の弾薬庫も、その一つです。これは厚生省が子供天国を作りたい、こういうことで予算も、この国会で次に提出をしていきたいというようなことでありますから、一つ防衛庁もその気になって、これを解除して、京浜間で非常に因っておる子供の天国を作ることは、まことにけっこうだと思うのです。だからそういうときには、厚生省なりあるいは文部省なりと協力して、一つやってほしいと思う、この点いかがですか。
  158. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは御趣旨の線に沿って、目下こっちでは交渉いたしておりますが、ただ向こうに、まだ結論に至らないので、もう暫く待ってくれと、こういうことです。のみならず厚生省におきましてもあの土地に対して最終決定に至っておらないのでありまして、そういった点を十分調整をして、御期待に沿うようにいたしたいと思っております。
  159. 相澤重明

    相澤重明君 次に、いま一つお尋ねしたいのは、同じく横浜港北区に岸根というところがある。この岸根に将校宿舎を作る、あるいは婦人の宿舎、当時非常に大森なり神奈川なりあるいは横浜港に、多勢の軍人がおった、そういう方々を一個所に集めるという意味で、多額の費用を出して作ったわけですが、現在ほとんどこれにはおらぬわけなんです。事務当局で長官、今何人くらいおるということをお聞きになっておりますか。
  160. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) この問題も、いろいろ議論の対象になっておる問題でございまして、大体よく承知をいたしております。それは国連麾下に建物が入りまして、そうして朝鮮その他から帰って参ります米軍人があれを使っておる。そこで常時千何百名というものがおるわけじゃありませんが、多いときは一ぱい、いないときは比較的少ない、こういうふうに承知いたしております。
  161. 相澤重明

    相澤重明君 これは長官も、まあ大体話を聞かれた程度だと思うのですが、実は非常に少ないんですよ。それで先ほど、昨年の本会議で私が金沢の東洋化工の爆発で御質問いたした際にも、今の池田総理大臣が通産大臣のときに、全く監督官が少なくて困ったものだ、こういう話をされて、そのときの被害として、付近における大学、工場が非常な被害を受けておる。その大学も困っておるというので、できればああいうりっぱな建物ですから、これを大半に、日本の教育に使わせてもらったら非常にいいと思うのです。あまり用もないのですから、十分他のところとも話し合ってみて、合同委員会で話せば、そうむずかしい問題でないと私は思う。近いうちに行なわれるようですから、一つ委員会にかけて、どうか——岸根も、もう必要がなくなったようだから、この際日本にお返しを願って、——しかし日本政府なり、地元民として喜ばれる方に持っていこう、それには、まず子供の教育にいけば、こんなにいいことはないじゃないかということで、大学にでも使うように、一つ防衛庁長官の方から、積極的にお進めを願いたいと思います。  この点長官どうですか。
  162. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 相澤さんの御熱心な御質問でございまするから、十分努力はいたします。努力はいたしますが、まあ私卒直にほんとうのことを申し上げた方がいいと思いまするので申し上げまするが、今の段階では、どうも返却の見通しは薄いようであります——さっきの田奈の問題と比較いたしますと。田奈の方が、まだ明るみがあるが、岸根の方は、ちょっと見込みが薄い、これははっきり申し上げておいた方がいいかと思います。
  163. 相澤重明

    相澤重明君 次に——農林大臣厚生大臣の問題はあとにしますが、しかし官房長官で答えられる範囲内で答えて下さい。厚木の、先ほど学校のことは文部大臣からもお話を聞きましたから、病院のことです。この病院の想者さんか、爆音のために非常にやはり困っている。病院に対する防音装置——騒音のために精神的に異状をきたして、病院に入ったらなお悪くなったというのかある。病院が治療するところでなくなって、悪くなったら困る。そこで官房長官、病院に対する、そういう施設の補強あるいは防音装置等について、調達庁と相談をしてやっていただけませんか。  この点、どうですか。
  164. 大平正芳

    説明員大平正芳君) 御指摘の騒音の度合いによりまして、やるべきものはやりたいと思います。
  165. 相澤重明

    相澤重明君 官房長官は何をいっているか、そんな答弁があるか。そんなやるべきものは、なんという表現じゃ……。もっと真剣に答弁せよ。
  166. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) こちらの所は、ちょっと無理かと思いまするので、私からお答えさせていただきます。  病院につきましては、本年度から五カ所厚木周辺に施工するということもやっております。来年度におきましても、相当な予算一つ計上するように努力いたしたいと思いますから、どうぞ御協力願います。
  167. 相澤重明

    相澤重明君 防衛庁長官大へんよろしい。  それでは、あと大蔵大臣と自治省大臣。前回ですね、私どもが心配をしました東洋化工とか、京浜国道とか、坂本町の爆発とか、そのほかに最近になって、ことしの七月十九日に横浜中区の山下町新井回漕店の倉庫におけるアメリカの輸出もののいわゆる火薬類の火事があった。それから八月四日に新潟県の巻町形部川原小泉加工場において同じくそういう問題が起きている。さらに八月の二十四日には東京江戸川の東京油脂工業江戸川工場において、そういう問題が起きた。しかもこれは死者まで出している。こういうような問題について、先ほどもちょっと触れられましたが、前の通産大臣である今の総理大臣は、これは監督官が実際たった三人しかおらなかった。これは通産省としても考えなければならぬし、それから都道府県に対しても、これの管理監督について、自治省としては大いに指示をしていきたい。それから政府自体の中では、関係の各省と打ち合わせをして、先ほどの調達庁の次長が言ったような、いろいろな規制措置をしていきたい。その中には、たとえば公安委員会で、この火薬の輸送については、火の車であるという火の字を書いて危険だということを知らせる。こういうことまでして、とにかく政府もこの被害防止については全力をあげよりというのが、今まで御答弁いただいたことです。  しかし不幸にしてここに続けざまに、こういう火薬の工場における、あるいは横浜港の倉庫における輸出品が、そういう爆発事故なり、それの未遂が起こっている。こういうことについては、これはその間に監督というものが不十分ではないのか、これをどういうふうにして政府は是正をしていこうとするのか。  それから二つ目には、特に火薬等の危険物の処理については、私ども社会党としては、きわめて重要な問題として、衆参両院の本会議で何回も政府にお話しているわけです。従って政府も、そのつど何とかお互いにやろうじゃないか、直そうじゃないか、こう言っておりますが、現在の場合に、この危険物のある周辺の住宅、あるいは学校、病院、こういうものについて移転をさせようとするのか、あるいはそういう住宅や学校や病院等は置いて危険物を除去しようとするのか、一体どっちに一重点をおくのか、こういう点の方針がおきまりになっておったら、特に地方自治体に対する行政上の指導の立場としては、自治省が一番大きな役割を持つ立場にあるので、そこで山崎国務大臣から、そういう点について、今まで政府の中で話されたこと、これからやろうとすること、今私が質問したようなことを、どういうふうにお考えになっているか、一つ答弁願いたいと思います。
  168. 山崎巖

    国務大臣(山崎巖君) ただいま御質問のございました火薬に関しまする事故について数字をちょっと申し上げますが、三十三年度と三十四年度に比べますと、件数としては、少し減っております。ただ爆発事故が非常に規模が大きうございまして、従ってその被害は、むしろ三十四年の方がふえているわけであります。数字はあとでまた資料として提出してもけっこうですが……。そこで警察としましては、これは自治省の関係で、あわせて国家公委員会の関係になりますから、両方あわせて申し上げますが、御承知のように、今警察の方の取締まりとしては、現行法では盗難防止という立場だけしか取締まりができない。  そこでこの通常国会で御審議を願いました火薬類の取締法の改正案が、まだ実は準備中でございまして、これが実施されますと、相当警察も立ち入ってできる。そうかといって、ただ、あれだけの事故が起こっておりますのに、黙っているわけにもいきませんので、今のところは行政指導でできるだけ警察も立ち入っていたしております。たとえば運搬のような場合は、もよりの警察へ通知してもらいまして、そうして場所なり時間なり、そういうものも各所へ連絡して未然に防ぐ。交通運搬の関係で三件ばかり、実は今年に入ってから事故が起こっておりますけれども、これは幸い爆発まで至らないで、未然に防止したような事例もあるわけであります。火薬数の取締法がいよいよ施行になりますと、警察は、さらにもう少し強力に指導ができることに相なるわけでございます。  ただいまの最後のお尋ねの、火薬類工場周辺の住宅の問題でございますが、これは警察としてこれを移す方がいいとか、あるいは火薬工場を移転する方がいいとか、そこまで立ち入るわけにはいかぬと思います。思いますけれども、これは関係各省とよく連絡をしまして、方針をきめていきたい、かように考えております。
  169. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、まあ今までもお話し申し上げて、もうおわかりの通り、きわめて危険物、爆発物については、問題の範囲が広いし、なかなか法律としても、どこまで適用されるかということは非常に問題点があるところだと思うのです。  そこで冒頭に私は返って、それぞれの法律で規制のできない、適用のできないものがあるそれがすなわち生存権に対する文明国家としての一番大きな社会保障なり、あるいは国家賠償法の私は力点を置かなければならないところだと思うのです。そこで、きょうはまあ総理大臣がおれば、その点はおそらく池田さんは、これは研究をして直そうということを言うだろうと私は思っておったのですが、先ほど法規課長答弁をしたものですから、いや前にはそういうお話もあったけれども、現在は改正する意思はありません、なんという答弁をしているわけです。ああいうことでは、名目的な社会保険を充実するとか、国民年金を充実するといったところで、救済のできない層がたくさんできてしまう。ですから、私は現時点に沿ったやはり法律改正というものは、私は必要なときにはやっていくのだということが、なくてはならないと思うのです。特に地方自治団体に、そういう要素をたくさん持っておる監督官庁である自治省としては、非常に頭の痛い点だと思うのです。先ほど申し上げたこの横須賀の坂本町の前田火薬店の爆発なんかでは、実際付近の人は恨み骨髄に徹していますよ。しかしどこにも要求のしようがない。実際どうしようもない。それから京浜第二国道のあの二百何十世帯という人たちが、なくなった家庭や、あるいは病院に入った人たちが、見舞金を——近所の人たちや県や市の人たちが出した見舞金ですよ。あるいは会社が一部出した見舞金によって、その場を救われただけであって、実際に根本的な解決は何もできない。現在まだ病院に入っておる人もあるわけです。こういうようなことを考えますと、これは、やはり国家の社会福祉の問題として、社会保障の問題として、やはり考えていかなければならぬ。  そうすると、この確かに国家公務員の直接のいわゆる権利を侵したものということにはならぬでしょう現在の国家賠償法の条文の解釈から。といって、しかしこれを住民の立場、国民の立場からいけば、自分の犯したことでなくて、あるいはどうしても避けられない天災でなくて、そしてある程度の規制をすれば、未然に防げたかも知れないある程度の人々、そういう層の救済ということを考えたら、ある程度立ち直れるかもしれない。こういうようなものを含んだものが、これは国の行政として、あるいは政治として、あたたかい住民に対して手を差し延べていく必要が私はあるのではないか。こう思うと、この明治憲法から、いわゆる民法から発展をして、戦後ここに国家賠償法というものは作られてきたけれども、この国家賠償法とのものも、もう私は現在の文明社会の中では変えていく必要がある。もっと通用されるように、実情に沿うように変えていく必要があるだろう。こう私は思うのです。この私の主張は、いつまでたったって、これはなかなか変えません、私は昨年来これをやっているのだから。法体系についても実体論についても、この前も、法務省とやりましたが、私は、それぞれの体系論については、やはり私も一つ見解を持っておる。持っておるが、国家賠償法というのは、そういう法体系の問題だけでは規定のできないものである。  こういう点を考えますから、政府におかれては、国家賠償法について特段の一つ御検討を私はいただきたいと思うのだが、特に爆発物の一番大きな問題を控えておる防衛庁長官、それから地方自治団体の監督にある自治省、そうして政府の、そういう議題を整理あるいは閣議の議事進行をはかる官房長官——官房長官もずいぶん苦労をしているのだけれども、そういうことを苦労して始めてりっぱな官房長官になれる、そこでそういう点を一つ率直に御答弁いただきたいと思う。順次、一つ発言をいただきます。
  170. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 御趣旨ごもっともでございますから、十分留意をいたします。
  171. 水田三喜男

    国務大臣水田三喜男君) こちらも十分研究いたします。
  172. 山崎巖

    国務大臣(山崎巖君) 火薬類の取り締まりの制度についても、今までずいぶん不十分な点があったと思います。そこで本年の通常国会において改正をしていただいたわけでありますが、なお不十分の点がございますれば、さらに将来も検討を続けて参りたいと思います。  賠償につきましては、ただいま大蔵大臣からお話の通りに、政府としても十分検討いたしたいと思います。
  173. 大平正芳

    説明員大平正芳君) 将来の政策についての問題として、とくと考慮したいと思います。
  174. 相澤重明

    相澤重明君 私はあと、最後二つで簡単ですから、もう終わります。  そこで、これは防衛庁長官と官房長官の問題ですが、駐留軍に働いておる職員にこの危険手当を支給することについて、現在はどういうふうになっておるかということをお聞きになっておるかどうか、その点、最初に一つお尋ねしておきたいと思うのですが、おわかりになりますか。
  175. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 一通り聞いてはおりまするが、こういうことは詳細に一つ説明員から答弁をさしたいと思います。
  176. 真子伝次

    説明員(真子伝次君) 私も詳しくここに手元に資料を持っておりませんが、危険手当を出すものもあります。しかし職種とか、そういったものについて、ここに資料を持っておりませんから、ここでお答えいたしかねますけれども。
  177. 相澤重明

    相澤重明君 それでは、私の方から一つお話ししましょう。厚木の駐留軍の要員の人たちが、昭和三十三年の八月二十六日、これはちょっと防衛庁長官、書いておいてもらいたいのですが、特殊作業手当について付属協定に基づいて、これは妥結をしておるわけなんです。その第一は、「手当の支給適用範囲は百デシベル以上の作業場、」aとして「ジェット騒音下の作業に従事する者、」その中の1として、「極度の騒音による百デシベル以上の場所で作業するエンジン・テスト、調整、オーバー・ホール等の作業者には二〇%の手当を支給する、」2「支給時間は労働に従事している時間内とする、」右の付属協定に対する軍側の解釈は出ておるわけです。これは協定をしたやつですよ。協定をしたのだけれども、その後、軍側の解釈として、「支給範囲については百デシベル以上の騒音のする室内作業者、」こういって、せっかく団体交渉でまとまったものを解釈を狭めてきたわけですよ。ところがこれは防衛庁なり、あるいは日本の駐留軍要員の皆さんは、このきめた当時のことは室内外を問わずこの騒音、いわゆる危険手当というもので調印をしているわけだ。そこについて、この調印についての適用が、いまだに支給されておらない、こういうように私どもは聞いておるのだけれども、一体これが支給開始できないのかどうか。しかも三十三年——ことしはもう三十五年ですからね、そういうようなことが、なぜ拒否をされるのか、こういう点は、非常に働く者の権利を喪失するものですから、これは一つ防衛庁長官がさっそく調べて、そして支給のできるように措置をとってもらいたいと思う。  こういう点についてあなたの御答弁一ついただきたいと思います。
  178. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは調達庁に命じまして、至急調査いたします。
  179. 相澤重明

    相澤重明君 それから、もうこれは少し議論になるかと思いますが、あとは例の横須賀基地における黒い潜水艦ですね、これについて、グレイバック号については米軍側のいろいろな見解は出ておりますが、しかし日本政府としては、一体どういうお考えをとっているのか。  これはすでに日本には昭和二十八年にも来たことがあるというようなことも、すでに国際的には知れわたっていることなんですね。しかもこれがまあ危険であるとか危険でないとか、あるいは決してこれの協定に違反するとかしないとか、いろいろな議論をいたしておりますが、私も実は国際的ないろいろ文書を調べてみた。ところがどうもあいまいもこたるものですね。しかもこの日米安保条約がしかれた画後における問題点でありまして、これはせっかく政府の答弁が、今まで岸内閣における答弁の事前協議というような問題がほごにされるような危険性を多分に持つ性格のものではないか、こういうようなことも、いろいろ文献なり私もいろいろ調べてみた。時間がかかるから私は申し上げませんが、そういうようなことで、今後こういう問題について、政府としてはどう措置をするのか一つ……、もうすでにこれはいろいろ衆参両院の外務委員会なり内閣委員会で討議されたことでありますが、これは決算委員会で、特に私は地元として重大なる関心を持っているので、この際防衛庁長官にも一つお答えを願っておきたいと思います。
  180. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) グレイバックの問題につきましては、もう相澤さんも十分御存じだと思いますが、結論的に言いますと、今度は核弾頭はもちろん持っていない。これは非常に世間騒がせな問題になりましたので、ただ向こうの通告だけでなしに、こちらからも照会をいたしまして、十分調査をいたしたわけであります。何ら危険な物は所持しないという確答に接しておりまするので、どうぞもう、もっとも外に出て参りましたが、御安心を願って大丈夫だと思います。
  181. 相澤重明

    相澤重明君 まあ江崎さんの言うことだから、それは信頼してもいいですが、今後はどうでしょう。たとえばあれはもう潜ってこられるものですから、御承知のように、別に海の上をくれば、あれは何だかおかしい船が入ってきたぞということで、また騒ぐわけです。下からくるものはわからないのですね。そういうような場合に、やはり日本政府には話がありますか。それとも話を求めようとしますか。その点いかがですか。
  182. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) これは、核弾頭を持っておれば、当然事前協議の対象になるわけでありまして、先方から協議があるわけでございます。
  183. 相澤重明

    相澤重明君 核弾頭が日本の国内にないと、あなたはお考えですか。それとも、これは積み込むことはできるのだと、装置はしてあるのだから、あれは積み込むことはできるのだ、アメリカから、あるいはその前進基地から積んできた場合、今のあなたのお話になるでしょう。しかし向こうからは積んで来なくても、もしこれを核装備をする、日本にきてするという場合だったら、これは持ってこないのだから、事前のいわゆる協議の対象にならぬ、日本で積んだ場合には、事前協議の対象にならぬ、こういうことになりますか。  つまりこの核装備をするかしないかということは、そこにただ入ってくるときになかったというだけで断定をするわけには、ちょっと参らぬと思うのですが、その点は防衛庁長官は、日本にはないのだから、からの船で来た場合には、事前協議の対象にならないのだ、こういう理解のし方をしておると理解をしていいのですか。
  184. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) その通りです。しかし核弾頭を持っておるような物騒なことがあれば、むろん退去していただきます。
  185. 相澤重明

    相澤重明君 そうすると、米軍では日本の国内に核弾頭は持っておらないと、こういうあなたの断定をした考えで、いわゆる積載をしてこない場合には、事前協議の対象ではない、こういうお話でございます。だから積んでこない場合のお話は、ややいいとして、日本の国内に核弾頭がないと断定をしていいでしょうか。  私は一番心配するのは、先ほど運輸省の一局長がうっかりしゃべったことですが、ああいうU2機のようなものは、全然わからぬものがある。しかしソ連の一発のロケットによって打ち落されて国内問題になって、政府も努力したでしょうし、国民も非常な努力をした。これが、U2機が国外に退去したということだと思う。だからU2機のことだけで、私は例をとるわけではありません。決してそれだけの狭い範囲のものではありません。もっと広範な気持でおだやかに考えているはずですが、しかし核弾頭が絶対にないと言えるでしょうか、その点は、どうでしょうか。
  186. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 核弾頭の持ち込みは、厳重にわれわれの方で拒否いたしておりますので、さようなものはないと確信をいたします。
  187. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 関連して……。後日のために防衛庁長官に答弁していただきたいと思います。核兵器持ち込みについて事前協議をするということですが、その事前協議というものは、核兵器持ち込みを百パーセントいかなる核兵器といえども、たとえ戦術用の小型核兵器といえども、すなわちいかなる核兵器といえども打ち込みを百パーセント阻止するという意味において事前に協議を持つのか、あるいはときと場合によっては、あるいはその核兵器の性能によっては、たまにはこちらがOKと言う場合もあり得るというようなケースも入れて事前協議をするというのか、いずれかということが一つ。  それから今のグレイバックに関連して、レギュラス一型、二型が問題になっているが、普通弾頭と核弾頭両方装置できるものは、事前協議の対象にならないか。核弾頭専用のものは、事前協議の対象になるという、併用のものは対象にならないで、専用のものが対象になるというのは、どういう見解のもとに、そういう取りきめをしたのか。それ以上、もうきょう聞きませんから、念のために、それだけ答弁しておいて下さい。
  188. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 第一点は、もちろん核弾頭、大小にかかわらず日本の領土内に入れることは拒否する、この建前において変わりございません。  それから第二点は、専用のものは、これはもう議論の余地はございません。それから両用のものについては、従来とも核弾頭、核装備をしておらぬということならば、これは問題にしないという方針をとってきております。
  189. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 指摘だけしておきます、指摘だけ……。ここは本題でないから、指摘だけしておきますが、今私、第一問として二つの場合をあげていずれかということを聞いた。それに対して、あなたは前者をとって百パーセント阻止するのだ、拒否するのだ、それが前提の事前協議、そういうものであったならば、専用は事前協議の対象になるが、両用のものは事前協議の対象にならぬ……。おかしいですよ、矛盾しますよ。それは平時においては問題にならないので、あなたの問題は、有事の場合を予想されて、われわれの方も考えておるわけです。だから、専用のものはなんだが、併用のものはいいというのはおかしいですよ。  そういうことを、いずれあなたと議論することを申し上げておいて、私は関連質問だから、あえてこれから時間を費やして討論はしません。
  190. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) わかりました。これは専用のものについては、これはもう核の持ち込みは拒否する、これはもう御存じの通りでございます。両用の場合は持っていないということがはっきりしておれば、これは問題にならぬわけでございまして、どうぞ御了承を願います。
  191. 相澤重明

    相澤重明君 それでは、もう持ち時間が終わってしまいましたので終わりますが、先ほど防衛庁長官も、非常に誠意を持って御答弁されておりますので、特に爆発物あるいは米軍の飛行による騒音等の問題については、十分住民の補償も考えなければならぬと思います。  そこで先ほど御確認をいただきましたが、政府としては、今後とも大和の市の方々あるいは住民の方々と、十分一つ御相談をされて、そして善後措置を講じる、その補償の責めに任ずるように努力をしていただきたい。このことを一つ長官に再度御確認を願って、私の質問を終わりたいと思います。
  192. 江崎真澄

    国務大臣江崎真澄君) 十分調査をいたします。
  193. 佐藤芳男

    委員長佐藤芳男君) 本日の質疑は、以上で終了いたしました。  なお明三日は、午前九時三十分より開会して質疑を行ないます。委員各位並びに関係大臣は、できる限り時間の厳守をお願いいたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後四時五十二分散会