○永末英一君 関連して。ただいまいろいろ
国会を
正常化するというような点で
日本社会党の方から御意見がございました。私
どもは、今回の
臨時国会というのが、実質的にはこの前の
通常国会のいわば延長された形で出ておると思うのです。ところが、前回の
通常国会は御承知の
通り、五十日にわたっていわゆる変則的な
議事運営が行なわれた。その原因は
参議院にあらずして
衆議院にあったことは、これはだれでも知っております。しかしながら、
参議院はその
衆議院におけるそれらの変則的な事情をいわば五十日の期間でいろいろな形で追認して参ったことも事実です。もし、
参議院が、
衆議院にどんなことがあろうとも、それを認めるのであれば、別にこのアベ・シエースという古い人の話を持ち出さなくても、一体、日本の
国会が二院制をとっておることは無意味であるし、不必要である。
参議院が今国民から期待を受けているのは、
国会運営、議会制民主主義に対して
参議院がこれをどう見ていくかということに対する、いわば言い古した言葉でありますが、
議院の中での、あるいは
国会での良識というものを問われていると思う。
衆議院の方は解散ということが目前に迫っております。従って、
議事運営や、あるいは議案の
審議等にあたっても党を中心にした考え方が相当出てくると思う。しかし、
参議院には解散がございません。われわれはそれぞれの党に所属しておる者もあり、所属していない者もありますけれ
ども、やはりそういう観点に立った場合、
衆議院の議事の進め方と違った観点から国民の期待にこたえなければならぬと思っております。そこで、
通常国会の最終の日にあたり、
通常国会をあのままの形で終わらすのは、われわれが
国会を正常に
運営していくためにはとらないところであると私
どもは考え、そして首班指名を契機として
正常化すべしという主張もいたしましたが、それはその
通りにならなかった。従って、今度の
国会は、首班指名もさることながら、一体、国民に不信の念を与えたところの議会制民主主義というものを、
参議院側からこれをどのように解決するような
態度を見せるかということについて、実は国民が大きな期待を示しておったと思うのです。ところが、残念ながら今回の
臨時国会におきましても、
参議院が院全体としてこれに対してどういう考えを持っておったかは、実は結局のところ明白にならない。私
どもは、もちろん今まで
議事運営等が
理事会等を中心として行なわれておる、あるいはまた各党の
代表者の会談において実質的な
議事運営が行なわれておる
慣例は知っております。しかし、われわれが議会制民主主義をはっきりと打ち出していこうとするならば、やはり法規典例に根拠がある本院における
委員会、そしてまた本院における本
会議によってのみ、国民は初めてその内容を知るのであって、それに至るまでのいろいろな交渉等々は、院内事務の面から見れば
慣例かもしれないけれ
ども、あるいはそれはマスコミによって国民に知らせる面は一部ありとしても、それはあくまでも正式のものではありません。
そこで議運の
委員長さんと
議長さんにお伺いしたいのですが、いつの日か
参議院がこれらの点について、われわれが今まで五十日、五十五日行なってきたことについて、一向に意見を明らかにせずしてこのままずるずるべったりに
通常国会を迎えても、国民に対して申しわけが立つとお考えかどうか。まずこれをお伺いしたい。