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1960-10-14 第35回国会 参議院 運輸委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年十月十四日(金曜日)    午前十時三十一分開会   —————————————   委員の異動 十月十日委員佐野廣辞任につき、そ の補欠として泉山三六君を議長におい て指名した。 本日委員泉山三六君及び鳥畠徳次郎辞任につき、その補欠として佐野廣君 及び大谷贇雄君議長において指名し た。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     三木與吉郎君    理事            江藤  智君            小酒井義男君    委員            大谷 贇雄君            金丸 冨夫君            佐野  廣君            谷口 慶吉君            平島 敏夫君            相澤 重明君            大倉 精一君            重盛 壽治君            中村 順造君            白木義一郎君            加賀山之雄君   国務大臣    運 輸 大 臣 南  好雄君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    運輸大臣官房会    計課長     原山 亮三君    運輸省海運局長 朝田 静夫君    運輸省自動車局    長       国友 弘康君    海上保安庁長官 林   坦君    気象庁長官   和達 清夫君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査  (運輸省所管昭和三十六年度重要施  策に関する件)   —————————————
  2. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) これより委員会を開会いたします。  まず運輸事情等に関する調査を議題といたします。本日は、特にただいまお手元に配付いたしております昭和三十六年度の重要施策について説明を聞き、質疑を行ないたいと存じます。
  3. 原山亮三

    説明員原山亮三君) 昭和三十六年度の運輸省所管一般会計概算要求につきまして、お手元の資料に基づきまして御説明申し上げます。  三十六年度の運輸省要求額は、運輸省所管におきまして六百二十一億四十四百十五万九千円でございまして、他省所管分が百十億五千九百六十三万四千円で、総計七百三十二億三百七十九万三千円でございます。運輸省所管分行政部費におきまして三百三十九億四千九十八万円で、行政部費一般が二百七十五億八百二十三力八千円、補助金におきまして四十億三千二百七十四万二千円、出費が二十四億、公共事業費におきましては、港湾関係が二百五十七億二千九百三十六万二千円、空港事業におきまして二十四億四千九百二十一万七千円、鉱害復旧事業におきましては二千四百六十万円となっております。  他省所管の分におきまして、行政部費で「その他」となっておりますが、これは行政部費一般の誤りでございまして、行政部費一般におきまして四十億八千七百八十八万八千円、公共事業費におきまして六十九億七千百七十四万六千円と相なっておりまして、港湾事業の部門におきましては六十億九千五百九十一万一千円、空港事業におきまして八億七千五百八十三万五千円と相なっております。  次に、二枚目でございますが、二枚目以降は各部局別重要事項でございまして、官房関係では、科学技術研究補助費で二億八百万円、海運関係におきましては、重要事項合計で、中ほどにございますが、四十一億四千七百二十二万六千円でございまして、その計の上のカッコ書きの二百六十七億七千万円は財政投融資関係でございます。  船舶関係におきましては、重要事項合計が四千九百十三万六千円でございます。船員関係におきましては、重要事項合計は一億七千百五十三万八千円と相なっております。その次の港湾関係では重要事項合計が二百五十七億八千三百五十二万円八千円、財政投融資関係で百十七億一千万円でございます。  鉄道関係におきましては、一般会計り部分が五億七千九百三万八千円、財政投融資関係で千九百三十三億七千九百万円と相なっております。自動車関係におきましては、重要事項合計は、一般会計で三億六千三百五十六万五千円、財政投融資で十億七千万でございます。それから航空関係におきましては、一般会計で三十七億三千四百四十一万七千円、財政投融資関係で二十億でございます。観光関係は、一般会計で四億二千九百六十万六千円、財政投融資関係で七十億でございます。  海上保安庁関係は四十億二千二百五十六万六千円でございます。海難審判庁関係は五千五百十一万三千円でございます。気象関係では二十二億百万八千円でございます。運輸技術研究所関係が一億六千八百八十八万四千円、航海訓練関係が二億七千五百四十四万一千円でございます。  重要事項合計が四百二十一億八千九百六万六千円、財政投融資関係が二千四百十九億二千九百万円と相なっております。その次の「その他」は、各局関係重要事項以外の合計でございまして、その関係が百九十九億五千五百九万三千円と相なっております。  以上が重要事項別の額及びその他の額でございます。
  4. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) ただいまの説明に対しまして、御質疑のある方は順次御発言を願います。
  5. 江藤智

    江藤智君 きわめて簡単でけっこうですが、他行所管ですね。これは外務官関係科学技術庁関係とあるでしょうが、他省関係についてごく簡単に項目でいいですから……。
  6. 原山亮三

    説明員原山亮三君) 他者所管行政部費一般でございますが、これは主こして営繕関係でございますので、建設省所管に相なっております。それから港湾関係空港事業関係は、北海道関係とか離島航路関係でございまして、総理府の関係が主でございます。
  7. 大倉精一

    大倉精一君 これだけではわからない。内容説明して下さい、重点的に何がふえたということを。
  8. 原山亮三

    説明員原山亮三君) 各局別重要事項内容について御説明申し上げます。  海運関係では外航船舶建造融資利子補給でございますが、これは本年度の引き続きでございますが、来年度の十五億四千五百二十五万九千円は、三十六年度以降は金利五分との差額を補給したいという考え方でございます。それから海運の第二番目の、外航船に対する開発銀行融資利子引き下げでございますが、これは現行の金利を三分に引き下げようということで、それが三十九億七千万に該当するわけでございますが、これは予算要求額としては入っておらないのでございまして、開銀金利引き下げ相当額が三十九億になるという意味でございます。それから第三番の昭和三十六年度造船所要資金及び主機換装でございますが、これも開発銀行からの融資希望額でございまして、財政資金によりまして外航船舶二十五万総トンを建造したいという金額でございます。それから主機換装部分がこの中に十億入ってございます。戦時標準船処理対策でございますが、これは戦時標準船船舶安全法上非常に危険であるということで、それの代船建造促進するために、四千五百総トン未満のものについては、旅客船公団を改組して、それに出資する部分と、それから財政融資との関係でございます。五番目の三国間輸送助成は、昨年度に引き続いて三国間の輸送促進して、海運発展と外貨の獲得をはかりたいという意味で、趣旨は昨年度と同じ趣旨のものでございます。六番目の太平洋客船株式会社出資でございますが、これは太平洋客船航路におきますわが国の航権維持のために特殊会社を作りまして、これに対して出資したいという意味のものでございます。次の移住船運航補助とございますが、昨年に引き続いて移住船に対する運航補助をしたいというものでございます。その次の国内旅客船公団出資は、現在の旅客船公団一般管理費が不足しておる部分を増加したいというのと、それから現在の金利に対する引き下げ部分等を入れまして出資額を増額したいという趣旨のものでございます。九番目の離島航路整備補助は、ずっと引き続いてやっております分と同様の趣旨のものを補助したいというものでございます。  船舶関係部分につきましては主として事務経費でございますが、一番額の大きい三千四十九万四千円の額でございますが、これは主として現在の船舶検査要員が不足しておりますので、その人員増強したいという趣旨のものでございます。船舶関係ではこれが一番大きいものでございます。  それから、船員関係といたしましては、一番目の船員雇用厚生対策が一番大きいものでございまして、これは船員に対します厚生対策強化をはかりますために、国内船員厚生施設整備する保安管理者及び公益法人に対しまして、その整備費補助するために必要な経費でございます。それから、あわせて戦標船解撤に伴います失業船員雇用促進をはかるために、職業訓練を行ないまして、その受講者に対しまして資金を貸し付けるために必要な経費でございます。  それから、その次の港湾関係の方でございますが、一番目の新長期港湾整備計画事業推進港湾及び海岸防災事業推進でございますが、これは国民所得倍増計画に基づきます貿易量の伸張なり、工業生産の拡大及び国土開発発展に対応して、港湾関係で新長期港湾整備計画を作りまして、その初年度といたしまして、主要外国貿易港湾なり、鉄鉱石石油等重要原材料取り扱い港湾及び所得地域較差是正を目的とする地方開発のための港湾整備を強力に推進するために必要な経費でございます。それから、臨海工業地帯開発促進でございますが、これは臨海工業地帯開発促進のために公団を設立して、これを促進する意味でございまして、百億の出資要求でございます。  次に鉄道関係でございますが、第一番目の国鉄輸送力増強は、これは全額財政資金融資希望額でございまして、千五百六十八億円となっております。それから二番目が日本国有鉄道新線建設に対しまする利子補給要求でございまして、三億八百万、それ以外に百億の財政資金融資希望しているわけでございます。それから四番目の踏切保安施設整備でございますが、これは踏切整備のために特別法を作りまして、それに対しまして、民間の貧弱な施設に対しまして踏切整備する場合における補助を与えるという趣旨のものでございます。それから五番目の地方鉄道、軌道の整備は、これはずっと続いてやっております補助金でございまして、趣旨は昨年度と同様でございます。六番目の都市高速鉄道建設助成でございますが、これは都市交通におきまする地下鉄建設整備のために、金利負担が非常に大きいので、六分をこえる額に対しまして補助金を与えたいという趣旨のものでありまして、これが一億九千三百六十一万円、上のカッコ書きの二百六十四億七千九百万は東京大阪名古屋等地下鉄建設等のための財政融資希望額でございます。その次の大都市私鉄整備でございますが、これは東京大阪等大都市私鉄が都心に乗り入れる場合の建設費開銀からの融資希望額でございます。  それから次に、自動車関係でございますが、二番目のバスターミナル及びトラックターミナル建設促進でございますが、これはターミナル特殊法人を設立いたしまして、これに対する出資二億と財政資金融資は五億五千万の希望でございます。それからこの中で六番目の自動車検査公団の設立でございますが、自動車の増加に対応いたしまして、現在の車両検査施設及び人員の不足がございますので、公団を設立いたしまして、これによって施設及び人員増強をはかるという趣旨のものでございます。  次に航空関係でございますが、国際航空事業助成、これは前年度からの引き続きの日航に対する補助でございまして、日航に対しまする出資額が六億五千万、それから二十億が財政資金融資希望額でございます。それから一番目の中で、国際空港整備額といたしまして、東京国際空港整備費といたしまして十七億五千三百万がございます。これは羽田の航空交通量の増大に伴いますのと、ジェット化のために、滑走路の新設なりターミナル周辺整備、エプロンの整備等の費用でございます。次に三番目の航空交通管制業務整備強化がございますが、二億九千八百万でございますが、現在の航空交通管制センターが非常に地下の、環境の悪い所でございますので、それを移転するための経費が主として入ってございます。  次に、観光関係でございますが、日本観光協会補助、これは昨年に引き続きまして三億二千三十三万八千円の要求でございます。それから二番目の観光施設整備、これはホテル等の外客の施設整備のために開銀資金融資希望額でございます。三番目のユースホステル整備は、昨年に引き続きましてユースホステルを青少年の対策といたしまして増強いたしたい経費でございます。  次に海上保安庁関係でございますが、海難救助体制海上治安体制強化二十五億でございますが、この内訳巡視船艇整備が十六億七百万でございまして、航空機及び航空基地整備増強が三億九千九百万、通信施設整備が三億一千四百万、整備体制充実強化が一億、三千四百万、海上保安組織強化が六千七百万で、これは、鹿児島に第十海上保安管区を設置するために必要な経費であります。  次に、気象関係でございますが、台風対策の四億四千四百二十一万九千でございますが、その内訳は、レーダー観測網整備が二億八千二百万でございまして、これは、函館、広島、新潟、仙台の四カ所にレーダーを増備したいという経費でございます。海岸防災対策が四千三世五十万、防災気象官増強が千五百万、台風研究強化が一億というふうな内訳でございます。それから地震津波対策が八千九百万でございます。それから農業気象業務整備の一億三千七百万でございますが、これは特に東北地方の青森、岩手、山形の三県につきまして、農業気象観測施設増強する経費でございます。四番目の水理水害対策気象業務整備でございますが、庄川、由良川等の大河川、それから北海道網走等の管内を対象としまして、無線ロボット雨量計等観測施設及び通信施設整備のための経費でございます。それから航空気業務整備でございますが、函館釧路等の十二カ所の飛行場に航空分室を作りまして、そういう航空気象関係増強をはかりたいという経費でございます。次に、六番目の通信施設整備でございますが、これは、無線模写放送整備のための経費が二億一千五百万、国際通信網整備に三千七百三十三万、気象官署間の連絡の強化に一億九千六百万、情報伝達施設整備に一千五百万というふうな内訳でございます。次に、七番目の気象庁庁舎等の新営でございますが、気象官署建物が非常に老朽化した建物が多うございますので、これの新営のために要する経費でございます。気象庁関係のおもなるものは以上の通りでございます。  航海訓練関係の一億一千二百万の進徳丸の代船建造というのがございますが、これは非常に老朽化した船でございますので、これを代船を建造したいための経費でございます。  以上が重要事項のおもなる概要であります。
  9. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  10. 大倉精一

    大倉精一君 初めに希望として、今のような説明一つ備考のほうにあらかじめ書いておいてもらいたいと思うですね。  そこで、二、三お伺いするんですけれども自動車関係トラックターミナル構想は、庁内で統一した見解ができたのですか。
  11. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) ちょっと自動車関係は得って下さいませんか。今来ておりません。
  12. 大倉精一

    大倉精一君 じゃ、いいです。
  13. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  14. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記を始めて。
  15. 大倉精一

    大倉精一君 海運関係で先般新聞でちょっと拝見したんですけれども総理のほうから運輸大臣のほうに対して、中小海運業者整理統合という指示があったようでありますが、そういうような指示に対して、今具体的な作業なり、あるいはまた方策が進んでおるようであったら説明を願いたいと思う。
  16. 朝田静夫

    説明員朝田静夫君) ただいまのお話は、総理運輸大臣に対して、海運企業整理統合ということを言われましたのは、新内閣の新政策について、運輸関係重要政策を御説明になったときの話が新聞の記事として出たことだと思うのでございます。これは、私もその場に立ち会って拝聴しておったのでございますが、総理企業整理統合をやれという御趣旨ではなかったのでございまして、そういうことはどうなっておるかという程度の気持でお話しになっておったのでございますが、まあそれはともかくといたしまして、海運企業整理統合という問題について、昨年以来海運対策を各方面から論議されまして、特に自由民主党、社会党も含めて、海運対策が出た場合にもこの問題について言及をされておるのでございまして、問題は、私ども考え方といたしまして、整備統合という問題につきましては、行政の上から見まして、それが政府のほうからこうすべきである、あるいは具体的にA社B社と合併統合しろとかというようなことにつきましては、むしろ弊害がある。企業の自由なみずからの意思でもって整備統合をやって参るということについては、これは好ましい方向でございますけれども政府なり役所のほうからそういったことについてプレッシャーをかけてやるということについては、またやれる時代でもございませんし、やるべきでない。むしろ弊害が生ずるというふうに私どもは考えておるのでございます。従って、企業のみずからの意思で、そういった合理化の線に沿った企業整備統合というものは好ましい方向でございますので、ただいま各企業から提出を求めておりますところの企業強化計画という点につきましても、私どもは、そういう問題が企業の側から意欲的に出て参ることを期待いたしておるのでございます。従ってそういう方向に向けて行政を誘導するということは考えられますが、企業強化計画においてそういったものが出て参ることを期待して実はおるのでございまして、またそれが、それぞれの具体的な問題にタッチしないで、行政全般として持っていく一つの限界ではなかろうか、こういうふうに考えておるのでございます。
  17. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、行政面としても、やはり海運事業整理統合という点については、企業側から自発的にやるというのが好ましいことであるから、指導方針としてはそういう方針で指導していく、これに対して必要な施策をしていく、こういうことなんですか。
  18. 朝田静夫

    説明員朝田静夫君) まあ個々の企業の実情なり条件というようなものが違いますけれども、そういう方向に向いて参りますことは、国際競争力の上からいっても強化されることでもございますし、企業自体も、またその合理化の線に沿って基盤が強化されるということであるならば、私どもは歓迎すべきであるというふうに考えておるのでございます。従ってこの問題につきましては、積極的にこうすべきであるというような措置をすることはむしろ弊害があるということで、すべて企業のみずからの自由な意思にまかせる、こういう考えでおるのでございます。
  19. 大倉精一

    大倉精一君 そういう面についての今度の予算ですね、何か関係のある数字があるのですか、その中には。
  20. 朝田静夫

    説明員朝田静夫君) 予算といたしましてはそういうものは考えておりません。直接関係のあるものについては要求をいたしておりません。
  21. 中村順造

    中村順造君 この前、夏でしたか、調査に出た際に、李ラインの問題で、いろいろ拿捕されるとかいう問題もありまして、現地で質問したのですが、巡視艇整備力ですがね、こういうものの強化ということが現地では非常に望まれておったわけですがね。予算の面では今巡視船艇整備というふうな説明があったのですが、これはどうなっていますか、この中に入っているわけですか。
  22. 林坦

    説明員林坦君) 巡視船整備力の問題でございますが、問題は質的な問題あるいは最的な問題、両面があるわけでございます。問題は、私どもの方では巡視船警備力をふやしますため、従来持っております私どもの方の巡視船は、八十九隻のうち二十四隻というものが古い船です。それから巡視艇が二百八隻のうち六十五隻というものが在来船で、相当もう老朽化がはなはだしく、きわめてまあ安定性運航能率が劣っておるという面がございます。従いまして、もちろん絶対数をふやすこともあわせて考えておりますとともに、早急にやはり代船建造をいたしまして、これらの船を新しい船に直す必要がある、かように考えて、来年度も実はそういった点で予算要求をいたしております。特に李ラインというふうに限定はしておりませんけれども、従来そういうとうてい李ライン方面などには回せなかったような船がこうして回りますと、もちろんあの方面に従事することもできるようになります。従いまして、臨機にその方面体制強化できると、かように考えております。
  23. 中村順造

    中村順造君 量的、質的だというお話ですが、私の聞いた範囲では、少なくとも李ラインだけですが、私の申し上げているのは。量的に今の現有勢力よりか、もう少し具体的に申し上げますと、大体二隻程度ふやしていただいたらもう少し状態がよくなると、密入国だとか、いろんな問題がありますが、それらの面も含めて、主として第七管区ですか、この方面には、私は行ったのですが、現実の問題として、今長官の言われた質を向上させれば、当然そういうような面に使われる面が出てくる、こういうことですが、現有勢力の量的な面を向こうが言っておられたのですが、将来の問題として、結局質が向上すれば向こうに回されるということになれば、そういうような私が言っているような面はずっと内容がよくなるのですか。
  24. 林坦

    説明員林坦君) 私どもも実は量的に現実にふやしたいのでございます。ただ実はもう廃棄しなければならぬような悪い船をたくさん残しまして、そういうものをさらにふやすといいましても、なかなか実際問題として困りますので、むしろいい船を作って、代船建造もとにかく質を改善するという面に重点を置いて考えております。しかし来年度としまして、もちろん増強としましても、別途考えなければならない緊急に迫られておるものがやはりございますものですから、李ライン方面としましては、質の改善によって来年度は相当補いをつけていきたい、かように考えておりますが、もちろんそれらが完成するまでは、現在もう二隻ほど用船しながら補いをつけてほかに回すといったようなことで現在のところ処理しておる。来年度以降としましては、増強及び代船建造両面をうまく活用いたしまして、必要に応じて船を増配するということを考えております。かように考えております。
  25. 中村順造

    中村順造君 内容は少しわかったですが、この民間船を何か新しく雇ってということもこの前新聞に出ておりましたが、夏当時行きましたときに、私は申し上げているのは、季ライン中心にして話をしておって、それでこれは予算でありますから、大体去年の予算から、実行予算から見ますと、大体六倍程度になっておりますが、そこで実際に、これは要求なんですが、削減というようなことも考えられるし、現実問題としてこのまま通るかどうかということがまた多少の疑問があると思うのです。そういう場合に、問題の第七管区のいわゆる李ライン中心にした一つウエートの問題もありますが、そういう場合に、たとえば若干の削減を受けた場合にでも、そういう面はウエートを置いて考えられておるかどうか、その点を一つ
  26. 林坦

    説明員林坦君) もちろんウエートを置いて考えております。
  27. 大倉精一

    大倉精一君 自動車関係バスターミナルトラックターミナル建設促進というものがありますけれどもバスターミナルは、この前も委員会でどうも構想がはっきりしなかったようですが、これははっきりしたのですか。
  28. 国友弘康

    説明員国友弘康君) 最近の大都市の、ことに東京等におきまする交通事情を考えますと、自動車が非常に激増して参りまして、交通量がふえて非常に混雑をし、時間もかかるというふうな状況に立ち至って参りまして、大都市におきまする交通規制というものが、ぜひされなければならない、われわれとしましても、いたさなければならない状況になってきておると思うのでありますが、そういう観点からも、トラック等につきましては、オリンピックを視察に行って帰った人たちも申しておりますのは、ヨーロッパの諸都市においては、たとえば昼間あたりではトラックの通行制限をしておるというような報告もありますので、それらを考えあわせ、それらに対処しますために、まず最初に東京を取り上げて、東京の環状線より外の、東京の都心地区の入口にトラックターミナルを設置しまして、ここに中小の路線業者その他取扱業者を入れまして、荷物を取り扱わせるというような考え方をとらなければいけないのではないかと考えまして、現在、自動車ターミナル整備計画を立てておりますが、東京におきましては、まず、名古屋方面、仙台方面、高崎方面、甲府方面のそれぞれの口に、その方面のトラックの荷物を受けまするトラックターミナルを四カ所ほど作る。その第一着手として三十六年度には、トラックのターミナルにつきましては、東海道方面を受けまするターミナルを羽田付近の、これはまあ埋立地を予想しておるのでありますが、羽田付近に設置するという計画で、予算要求といたしましては、これは建設費十一億円ほどかかりまするが、政府融資でまかなっていくということで、資金運用部資金融資要求しております。そのほか、大阪、名古屋、福岡、札幌、広島、仙台等におきましても、大阪あたりでは、東と西の荷物を受けまするターミナル大阪市の周辺地区にニカ所置く必要があるのではないか、名古屋あたりもニカ所というような計画で、全体的に申しますと、バスターミナルトラックターミナルを含めまして、昭和三十六年度以降五カ年間に、主要都市に所要資金三百三十四億円でバスターミナル及びトラックターミナル建設するが、そのうちの百四十七億一千万円は財政投融資でまかなってもらいたいという計画を立てまして、省内においても討議していただいて、昭和三十六年度分の予算要求をいたしておる状況でございます。
  29. 大倉精一

    大倉精一君 そうしますと、トラックターミナルというものは、結局、集荷は全部ターミナルでやって、そこから路線業者が積み出す、言うならばトラックの貨物駅を作る、こういう工合に考えていいのですか。
  30. 国友弘康

    説明員国友弘康君) 現在、比較的大きなトラック事業者は、自分の専用のトラックターミナルを持っております。これらに関しましては、現在は、それらのトラックターミナルについては、それを利用させるという方法でございますが、中小のトラック事業者につきましては、おのおので建てるわけにいきませんので、それらを集結しまして、もちろん取扱事業者も一緒に、その区画区画を借り受けるという形にいたしまして、そして、大体路線貨物等においては、東海道方面なら東海道方面から参りましたものを、そこのターミナルで一応受けておろす。そして、そこには荷物を扱う者はもちろん、事務員もおりまして、そこから営業所なり事業所なり、あるいは直接荷主のところへ配達するというような事務を、そのトラックターミナルにおいてやらせる。そこに中小のトラック事業者及び取扱業者を集結して扱わせる。  そうして、都内におきましては大型のトラックを入れることを少なくしたい、こういう考え方であります。
  31. 大倉精一

    大倉精一君 そうすると、まず第一、そこのトラックターミナルに収容する業者というのは、指定するのですか、それとも自由なのですか。あるいは小さな業者でも、自分みずからそういうターミナルを作ろうということになれば、これは自由であるわけですか。
  32. 国友弘康

    説明員国友弘康君) これは小さな事業者でも、それに相応したターミナルを適当な場所に作りたいという場合には、それはもちろん許されるわけであります。この、今計画しますターミナルにつきましては、やはり申込を受けつけて、もちろん使用料をとるわけでありますけれども、その申し込まれたものの中から適当なものが、その場所を借りることができるということになると思います。  ところで、われわれの考えでは、その申込のうちの相当部分あるいは大部分を入れたいと思いますが、場所的にも制約されます場合にはセーブされるかもしれません。その大きなトラックターミナルに対しましては、申込によってその部分部分を貸し与える、こういう形になると思います。そのほか今申し上げましたように自分の自己の資金において専用ターミナルなり、あるいは協同の一般ターミナルを作ることは決して禁止されておりません。しかし一般ターミナル等については、免許制になっておりますので、免許申請をして、適当と思われるときには免許される、こういう形になると思います。
  33. 大倉精一

    大倉精一君 これは相当検討を要する問題だと思うのですけれども、そうなれば、たとえば都内に対して貨物自動車の乗り入れの制限なり、何なりというものを法令なり何なりで作らぬと工合が悪いということになりやせぬかと思います。  ですから、たとえばある台数を予定して作ったターミナルに、利用者がさっぱりないということになれば、これはまた問題になるだろうと思います。さらにまた郊外の方でもって荷物をおろして積みかえて、また都心に小さな車で持っていく、これも非常に費用がかかると思います。  ですから、これは相当検討を要すると思うのですが、どうですか。そういう構想でやって固まっていくというお考えがあるのですか、これはちょっとさらに検討を要すると思うのですが。
  34. 国友弘康

    説明員国友弘康君) このトラックターミナルについては、確かに先生のおっしゃいますように非常に検討しなければならぬ点が多いのであります。われわれとしても鋭意検討しておりますが、それと同時に、実は私どもとしてはトラック、ことに大型トラックについて、都心地区を運転させないというようなことを、われわれの方で進めるという気持はないのであります。しかしまあ社会的情勢が、その方向にどうしてもいくであろうということも考えられるわけであります。それらに対する対処策を考えておかなければいけないと思うわけでありまして、これは情勢が進むにつれまして、やはりそういう郊外地区におけるトラックターミナルを設置し、及びそういうところに荷扱いをさせるようにならざるを得ないと、まあそういう情勢になってくると私は判断しておるのです。  ですから、そういう受け入れの態勢をもう作り始めなければいけない、こういう気持を持っておるわけであります。
  35. 大倉精一

    大倉精一君 あまり時間がないから、これはまたあとでするのですが、ただ最後に、トラックターミナルの免許申請は、今まで出ておりますか。仙台がなんか、幾つかあると聞いておりますが……。
  36. 国友弘康

    説明員国友弘康君) 免許申請の数は、私今数字を持っておりませんので、はっきり申し上げかねるのでありますが、仙台のトラックターミナルに対しましては、用地等につきましても準備をいたしまして、仙台トラックターミナル株式会社として来年は発足をしたい計画でおります。従いまして、私どもといたしましては、仙台のトラックターミナルに対しまして五千万円を開銀融資として来年度融資してもらいたいという要求をしておりまして、仙台のトラックターミナルは来年あたりは竣工すると思っておりますが、そのほかにも数件計画があると思います。  ただ免許申請として具体的に出て参りましたのが、何件ありますかは、はっきり記憶しておりません。
  37. 大倉精一

    大倉精一君 それからもう一つお尋ねしたいのですが、この自動車関係の三番、四番ですね、自動車輸送態勢の確立が三千五百万円、それから事故防止が一千九百万円ですが、内容は、どんなようなことを考えておられるのですか。
  38. 国友弘康

    説明員国友弘康君) 自動車輸送態勢の確立でございますが、これは、大体項目を主体にして申し上げますと、自動車輸送統計調査を本年四月から実施いたしまして、相当成果を上げていると確信しております。従来のわれわれが全体調査から推計しておりました数字よりは、もっと正確な数字が出て参っておりますが、これらをもっと強化していい統計をとりたいというものであります。  それから次に、タクシーの免許業務が非常にふえておりまして、ことに最近の情勢といたしましても、全国的にも、もっとこれを増強すべきであるということを思っておりますので、これらに対処するための行政措置であります。  で、その二つの項目に対しましては、自動車輸送統計について二千八百万円、それから増員七十一人、それからタクシーの免許業務処理に対しまして百三十万円、増員四十七人というのを要求しております。そのほかに高速自動車国道の経済調査を進めていきますために、東京—神戸間の高速自動車国道建設線の基本計画及び整備計画の策定のための調査と、それからさらに東京—青森、神戸—下関、門司—鹿児島におきまする予定線決定のための輸送実績調査というのを計画しておるのでございます。  それから四番目の自動車輸送秩序の確立と事故防止に対しましては、自動車輸送秩序の確立といたしまして千百六十万円を要求いたしておりますが、これは白タク、それからもぐりトラック等の道路運送法の違反行為を徹底的に取り締まりますために要求するものでありまして、白タクにつきましては、主要都市に班を編成して機動的に取り締まりを行ない、さらにトラック及び貸し切りバス等につきましては、全国の自動車交通に関しまする主要関門に定期的に人員を配置しまして定期監査を行なうという経費を計上しております。で、増員は四十八人要求しております。  それからさらに二番目に、自動車運送事業監査の充実強化のために三百八十六万円、それから増員五十八人を要求いたしております。  それから自動車事故の防止対策といたしまして、運転者の実態調査をトラック、バス、ハイタクの全事業についてやりまして、それで、いろいろな現在申されております事故防止の問題点を改善したい。それから分解整備事業者の監査を実施して、最近自家用車の激増等により、また自動車の高速化によりまして、やはり整備というものを厳重にしていかなければなりませんので、まあ、そういう監査をやりまして、車両の安全性の確保をはかる。それから重大事故の調査及び監査をいたしまして、まあこれらに関しましても増員を五十名ほど要求いたしておりますが、また最近バス等におきましても非常に大きな死傷事故が出ておりますので、これらの原因を探求いたしまして事故の再発防止をはかる、こういう計画を立てているのでございます。
  39. 大倉精一

    大倉精一君 一番はどうですか。充実強化といって、非常に表現は、充実強化というのですが、たった六十六万円ですが、これはどういうものなのですか、内容は。
  40. 国友弘康

    説明員国友弘康君) この実は自動車行政充実強化という名前には、六十六万円ではふさわしくないのでございますが、私ども考えておりますのは、まず増員の関係がございますが、これは増員は、あとで申し上げたいと思いますが、この中には入れておりません。各項目に割り振ってございますので六十六万円の中には、もちろん入っておらないわけでありまして、六十六万円は、まず自動車行政機構の整備といたしまして陸運事務所を、現在のような中途半端なものでは全く困りますので、まあ事務の能率化、責任体制の確立というような見地から、陸運事務所を運輸省の直轄の地方支分部局にしたいという考え方で現在交渉を進めているわけでございますが、これは予算等につきましては、運輸省で全部配慮しておりますので、扱っておりますので、直轄化されましても、予算関係では全然異同がないわけでございます。  で、この六十六万円と申しますのは自動車審議会が、本年の八月から発足いたしたわけでありますが、この自動車審議会で自動車行政の根本方策を検討し、審議していただくことになっておりますが、来年度、これは本年度限り、昭和三十六年の三月三十一日までの期限を限った審議会でございますけれども、発足が四カ月ほどおくれましたので、来年度におきましても、自動車審議会の設置の経費要求して、来年度一ぱいで全部の結論を得てしまいたい、こういうふうに考えて六十六万円百要求しておるわけでございます。  あと、項目といたしましてはそれだけでありますが、増員の関係を、先ほど関係のところで少し触れて申し上げたわけでありますが、全体的に申し上げますと、六の方にございます自動車検査公団を設立するという関係で、三百八十七名の公団への組織がえという項目がありますので、三百八十七名は公団へ組織がえいたしますが、その他の項目で新規増員要求を四百五十七名いたしております。そこで、形式的には差し引き七十名の増員要求をいたすという形で、全体的には、各項目について、それぞれ要求をして、全部で新規増員要求四百五十七名。これをもちまして、昨年は——昨年と言いますか、昭和三十五年度は九十一名の増員をいただいたわけでございますが、これでは足りませんので、新規の増員要求によって、自動車行政の充実をはかっていきたいと考えておるのでございます。
  41. 相澤重明

    ○相澤重明君 関連。今の自動車局長の御答弁ですと、陸運事務所の所属がえについては費用を要しない、こういの印象を受けたのですが、そういうことですか。いま一度はっきり……。
  42. 国友弘康

    説明員国友弘康君) 陸運事務所の所管の中で、たとえば自動車検査とか、登録もそうでありますが、施設を要します自動車検査等につきましては、これは例年予算要求をいたしまして、相当額を認められて参っておりまするし、本年につきましても要求をいたすのでありますが、ただ、今申し上げましたのは、陸運事務所を直轄化するということだけに関しましては、現在陸運事務所は都道府県に所属いたしておりますが、予算関係におきましては全部運輸省の項目に入っておるわけでありまして、それが運輸省の直轄化によりまして運輸省に戻るわけでありまして、その直轄化の件に関しまする限りにおいては、全然予算を要しない。  ただ、指揮命令系統は都道府県知事の指揮命令を現在受けているという状況になっておりますのを、陸運局長の下部機構にする。それだけで済むわけであります。
  43. 相澤重明

    ○相澤重明君 陸運事務所の経費という具体的な内容になれば、いろいろ私も意見があるわけですが、きょうは説明を聞く、こういうことで、今の自動車局長の答弁で、一応そういうことに聞いておきますが……。  そこで自動車局長に運輸省としての基本的な考え方を、いま一度御相談願えるかどうか、一つ聞いておきたいのだが、陸運事務所で扱う自動車登録税、ナンバープレートの取り扱い手数料、こういうものは大蔵省の方に納入されておると思うのですが、公団設立をすると、そういう点の関係がどうなるのか。  それからいま一つは、基本的にこれは運輸省の方に戻入ができないものかどうか。大蔵省とそういう政治的な折衝を行なったことがあるのか、ないのか。こういう点を、私は前からこのことは申し上げておるのですが、そういう点について、どういうふうに自動車局長は運輸省の中で相談をされておるのか。あるいはまたお考えを持っておるのか。一つこの際、お聞かせを願いたいと思うのです。
  44. 国友弘康

    説明員国友弘康君) 陸運事務所は、先ほども申し上げましたような関係で、どうしても運輸省に直轄化したいということで、現在関係官庁と折衝いたしておるのでございますが、それに関連いたしまして、自動車検査公団というような特殊機関を作りたいという計画をもちまして予算要求しておるのでありますが、この登録なり車検なりの手数料と申しますものは、現在は、収入印紙を張りまして、それによって国庫に現金が直ちに入るような形で納入されております。これは国庫に金が収納される一番簡易な方法なものですから、そこで収入印紙を張って処理をしておるわけでありますが、公団等の特殊機関が設立されました場合には、これはもうもちろん公団の手数料収入として入るわけでありまして、その手数料収入が、そのまま予算に従いまして支出することができるということになると考えております。  そこで、そういう手数料収入を運輸省の方に直接入れるというような関係を考えてみますと、まあ特別会計を設置して、その特別会計へ手数料で現場現場で現金収入として入れる、こういう形があると思うのでありますが、しかし、これは何と申しますか、特別会計の設定ということはなかなかむずかしい点と、やはりこれでは徹底した措置というものもできませんので、やはりわれわれとしては、現在特殊機関を設置して、収支相償うような予算を組んでやりたい。それからさらに、特殊機関を作りました場合には、その公団債のごとき債券で将来の収入を引き当てにしまして、先に施設増強もできる、そういうような形で現在特殊機関を設置して、施設増強し、使用者に対しまするサービスの向上をはかっていきたいと考えておるのであります。
  45. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうしますと、今の御説明で、ややわかってきたのですが、公団の設立をして、公団が取り扱った場合の手数料は収入として仕事をすることができるということにすると、将来は今の取り扱い手数料等は、増額をされるということにお考え願っておるのですが、この点いかがですか。
  46. 国友弘康

    説明員国友弘康君) 手数料の増額ということにつきましては、これは非常に大きな問題でありますので、まあわれわれとしては、手数料をできるだけ上げないような措置を考えていきたいと思っておりますので、この公団が設立されましても、手数料等については、増額をするというようなことはしない予算を組んでおります。  それと同時に、さらに公団ができました場合でも、手数料をどうしても上げなければならない——まあいろいろな諸経費の膨張のために上げなければならないというような場合もあるかと思いますが、これはやはり運輸大臣の認可にかけて、自由に手数料を上げるとか何とかいうことはさせない建前をとるべきだと思っております。
  47. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから先ほどの大倉さんの質問の際にお答えになった三十六年度の人員要求ですが、四百五十七人を要求して公団に三百八十七人転出し、純増というのは七十人である、こういう御説明ですが、これで昨年度よりも実人員が減っておるということは、局長自身もお話になっておるのですが、今の陸運局の行政というものが、そのまま一体行なわれるかどうかという点、非常に私は疑問を持っておるのですが、なぜこういう少ない人員を査定しなければならなかったのか。また、現在こればかりの人員で、七十人くらいの純増で、実際に仕事がやっていかれるのかどうか。  私は、昨年一年、自動車局長が非常に努力して、徹夜までして、しかも陸運局の諸君が病気まで冒しても作業を熱心にやられておる、こういう実情を知っておるだけに、何か、あまりに政府考え方というものが、役人をふやすと、どうも風当たりが強い、こういうことだけに頭が向いてしまって、実際の作業に対する、むしろ国民の奉仕に対する精神が欠けておるのじゃないか、こういう皮肉を言えば言えると思うのだが、一体自動車局長は、どういうことでこの七十人という数字を出したのか、いま一度そこを御説明いただきたいと思います。
  48. 国友弘康

    説明員国友弘康君) 私どもといたしましては、従来要求いたしましても、否定されまして、実際に増員になりました者は非常に僅少でありまして、ことしの昭和三十五年度におきましても、非常に努力し、国会の諸先生方にも御尽力願いまして、九十名増員を得たという状況でありまして、私どもとしては、要求は大いにしたいのでありますが、しかしそれにも、ある程度限度があることでもありまして、われわれとしては、項目ごとに必要人員を計上したわけでありますが、今相澤先生のおっしゃいました増員七十名というのは、決して七十名ではないので、公団への組みかえによりまして三百八十七名を出します。その要員は、主として技術関係の要員であります。それで、新規の増員要求としまして、たとえばタクシー免許処理業務に四十七名の増員要求をする、自動車輸送統計調査に定員七十一名、常勤二十三名の増員要求をするというふうにあげておりますものを集計いたしますと四百五十七名でありまして、実際には、これらは事務官がふえることになると思います。それで、実際に新規増員を現在要求しておりますのは、四百五十七名を要求しておるという状況でありまして、ただその場合に、公団への組みかえの減があるから、差引の増員要求は七十人であるけれども、実質的な増員要求は四百五十七名であります。  これにつきまして、昭和三十五年度の陸運事務所の予算人員は、千四百三十七名であります。この四百五十七名の中には、陸運局と陸運事務所と両方ございますけれども、四百五十七名の増員要求というのは過小であるとは言えないと思っておるのであります。
  49. 相澤重明

    ○相澤重明君 僕は、議論はいずれあとでしますが、今の御説明を聞いておると、自動車行政に対する依然として従来からの方針を踏襲をするにすぎない、新味というものは少しも盛られておらない。  たとえば、今の車体検査を行なう場合でも、日本の車体検査を行なう場合には、まず検査を受けるのだからということで、その前に全部整備するわけだね、そうでしょう。そこらの修理場へ行って整備をして、そしてよく直してから検査を受けに来る。そこでまた、これがいいとか悪いとかいう判断を受ける。ところが、アメリカあたりは、そうではないので、まず自動車行政については、そこに先に持っていって、この車はどこが悪いから、ここを直しなさいということを官庁から指示をされるわけです。全く日本と逆ですよ。そういう点を見れば、国民のサービスということに対しては、全く従来のおざなりを踏襲をするという自動車行政のあり方のように私は思える。  そこで、この現在の車検を受けに行っても、なかなか機械化も進んでおらぬし、それからまた、今の公団を設立したからといっても、そういう考え方で行く場合には、自動車のふえる率と比較してみて、私はまだ物足りない点があると思う。しかし、それは議論になるといかぬし、またあなたの方のこまかい説明を、いずれ聞かなければならぬと思うけれども運輸省でも、各国の調査をされて資料を持っておるわけでありますから、いま少し、この自動車行政に対する新味を盛ったものを、三十六年度あたりからは私はやってもらいたいと思う。そうして、オリンピックを迎える時期には、少なくとも自動車事故というものを、あまり海外から見て、日本はお粗末だと言われたくない。こういうことは、私はそろそろ三十六年度あたりから、本格的に取り組んでよいのではないかとこう思うので、そういう点の意見を申し上げるわけではありませんが、実はお聞きをしておきたかったわけです。  そういう点、どうも七十人というのは過小ではないという御答弁については、若干私は、自動車行政上、従来の方針を踏襲するだけではないかと、こういう気持がするのですが、新味を盛ったものが、あるのかどうか、ちょっとお聞かせいただきたい。
  50. 国友弘康

    説明員国友弘康君) 七十名に関しましては、実は差引増員七十名であるということを申し上げましたけれども、これは新規増員要求四百五十七名というふうに御了解願うべきでありまして、七十名というのは、ただ計算上差引しただけでありまして、四百五十七名が増員要求であります点は、お認めを願いたいと思うのであります。  それから、実は自動車行政に関しましては、いろいろ問題点もありまして、解決を要する問題が非常に多いわけでありますが、現在あらゆる面に関しまして、自動車審議会に諮問いたしまして、現在輸送部会と保安部会とを作りまして、審議を進めていただいておりまして、一週間に一回くらいは開いていただいておるのでありますが、これによりまして、自動車の検査制度等につきましても、保安部会で現在各国の資料等も提出いたしまして検討を受けておるのでありますが、公団が設立されました暁には、この三十六年度以降五年間で車検能力を現在の二倍半にしたいという計画で進めておるわけでありまして、これが実現いたしますれば、相当車検施設の充実ということはなされ得ると思っておる次第でございます。  そのほか陸運事務所の直轄化の問題とか、ターミナルの問題とか、現在鋭意新しい解決点に向かって進みたいと考えて努力いたしておりますので、御了承願いたいと思います。
  51. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから、予算説明だけ受けるというのが、きょうの趣旨らしいですが、一つだけ今の時点に立っての問題をちょっとお許しいただきたいと思う。  個人タクシーの免許については、いつごろ免許ができるのか、非常に長い間待ちこがれておる人たちに対する運輸省一つ考えをお知らせいただきたいと思う。
  52. 国友弘康

    説明員国友弘康君) 個人タクシーの免許も、需給調整をいたしております地区においては、一般の免許と同時に実施をいたしております。従いまして、たとえば東京におきましては、この七月に最終的な二千八百両の増車措置をいたしましたので、今後は、現在諮問しております結果の答申がありましてからまた審査を始める、という形になると思います。大阪、京都、神戸等におきましても、個人タクシーと法人の新規免許と、既存業者への増車措置とを同時に実施いたしまして、その他の地区、たとえば神奈川県とかそのほか需給調整地区に入っておらない地域におきましては、これは随時審査をいたしておるわけでありまして、神奈川県等におきましては、ちょっと今確実な時期を私覚えておらないのでありますが、できるだけ早い機会に個人免許等についても、現在も審査しておりますので、手がつけられることと考えております。
  53. 相澤重明

    ○相澤重明君 それからさっきの戦標船関係については説明ありましたか……。いま一度大へん恐縮ですが。
  54. 朝田静夫

    説明員朝田静夫君) 戦時標準船の問題は、御承知の通り船舶安全法の上からいいましても、また戦時中建造されましてこのかた十五年もたっておりますので、しかもまあ御承知のような今年初めに弥彦丸事件というようなものが起こりました関係から、船舶局の方で検査基準を強化するということになりまして、十二月から逐次検査期日が到来いたしますものにつきまして、相当の補修をするかあるいはスクラップしていくか、という道しか残されていない現状でありますので、それに対しまして私どもの方といたしましては、それに対する裏付けの政策がなければなりませんので、ここに予算概算要求として提出いたしておりますのは、代替建造を促進いたします方法としまして、四千五百トン以上のものを新造いたします場合は、開発銀行融資でやっていただく、四千五百トン未満のものを新造いたします場合におきましては、旅客船公団を改組いたしまして公団と共有の方式でもって代替建造を行なっていくことが、最も現実に即する適切な方策だと、こういうふうに考えておるので、この予算要求しておる次第であります。大体七十万トンばかり戦標船としての対象船腹がございますが、そのまま相当の経費をかけまして補修をいたしまして継続して使用するもの、それからまだ態度がきまらないというようなものもございます。スクラップをするということで、はっきりと企業側の意見を調査いたしましたところが、スクラップするというものもあります。そういうものの数量を見てみますと、大体スクラップしなければならぬというものは、三十八万トンから四十万トンに上るものと考えられます。そこで二年間にわたりまして、旅客船公団を改組いたしまして、公団と共有方式で代替建造を行なって参ります場合に、四千五百トン未満のものについては、大体一年間十万トン、従って二年間で二十万トン建造しようという対策を立てたのでございます。そこで現在の旅客船公団を改組いたしまするのですが、それに対しまして公団の持ち分を七割といたしまして船主の持ち分を三割ということで、共有で現在旅客船の計画的な代替建造をやっておるのと同じやり力でやっていこう、しかもこういった中小船主、内航船主が非常に多い状態でございますので、これに対して担保力が不足をしておる、金融べースになかなか乗らない、資金調達は困難であるというようなことを考えてみますと、やはり公団の共有方式というものによって対処していくことが望ましい、というふうに考えるのでございます。そこで使用料に含まれますところの金利は六分五厘ということにいたしまして、そういたしますと資金運用部資金を借り入れましても、コストが六分五厘かかりますので、貸し倒れ準備金等を見てみますと、現在の旅客船公団は御承知の通り七分でございます。五厘貸し倒れ準備金を加えておりますので、六分五厘プラス五厘で七分になっておりますが、これはどうしても六分五厘という船主負担にいたしませんと、そういったさっき申しましたような実情でございますので、なかなか採算もとりにくいというようなことで、六分のコストにいたしまして、貸し倒れ準備金五厘で、船主負担を六分五厘にいたしますと、その金利引き下け分というものを一般会計からの出資という形で公団の増資をしなければなりません。従ってそういったものと事務費とを合わせまして、八億というものを公団一般会計から出資するという要求になっておるのでございます。そのほか十万トンの建造をいたします場合に、出資金のみではもちろん不足いたしますので、財政資金の四十四億五千万円というものを借入金でまかなっていくという考え方をいたしておるのでございます。
  55. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうすると、戦時標準船処理対策として、四十四億五千万円のうち八億円を政府が、利子の引き当てとして出資するということですか、今の説明は。そうしますと、旅客船公団との共有方式、これは非常に進んだことで、いいと思うのですが、この太平洋客船株式会社、仮称、これはどういうことですか。
  56. 朝田静夫

    説明員朝田静夫君) ただいまのお話で、四十四億五千万円のうち八億を出資するということではございません。これは外ワクになっております。一般会計から八億出資し、そのほかに四十四億五千万円というものを借入金でまかなうということでございます。  第二の御質問の、太平洋客船株式会社につきましては、これは御承知のように、昨年、一昨年、ここ三、四年間、こういうものの要求を出しておるのでありますが、太平洋におきますところの旅客の海上輸送の航権というものの回復をはかるということ、及び国際収支の上からみましても、また広い意味の観光の総合政策からいいましても、客船をどうしても必要とする。外船の客船がどんどん太平洋に向かって投入されておりますので、航空機の発達も一方において非常に著しいものがございますけれども、なお私どもの試算によりますと、三割海上の旅客輸送ということにいたしましても、どうしても日本で客船を置かねばならぬのじゃないかということで、ここ数年間要求をいたしておるのでございますが、一方におきましてオリンピック東京開催ということもございまするし、今日この機を逸しますと永久に太平洋の客船航路というものから日本海運が回復し得ない、長きにわたって回復し得ないという状態になるということを考えておりますので、こういう太平洋客船株式会社、仮称、ということにしまして、この会社が客船を保有いたしますと同時に運営もする、昨年は公団を作りましてこれに保有をさせるだけで、その運航民間海運会社に委託運航をするという考えでおったのでございますけれども、今度はなかなかその辺の責任の分担もややこしい問題も起こって参りますし、また一般的にも非常に理解しにくいというような問題もございますので、すっきりとまあ日本航空のような、日航方式のようなアイデアでもって太平洋客船株式会社をこしらえて、しかも民間出資もそこに入れていく、政府出資及び財政資金でもって船の建造に当たっていく、こういう考えでおるのでございます。
  57. 相澤重明

    ○相澤重明君 それからこの中にちょっと見当たらぬのですが、政府としては見本市船の問題についてはもう全然計画をしない、こういうことですかな。従来は特に今の池田総理大臣は非常に強い希望を持っておったはずなんでありますが、私も中南米を初め、東南アジアの問題について考えた場合に、見本市船というものは必要ではないかという気持を持っておったのですが、この中には項目を見ても見当たらぬようなんで、これはどういうことになっておりますか。
  58. 朝田静夫

    説明員朝田静夫君) かねがね見本市船の拡充強化というような点について、相澤先生から御意見も承っておるのでございますが、これは通産省で考えておるのでありまして、その設計その他につきまして運輸省の船舶局がある程度協力をいたしまして、そこで見本市船というものが特別にでき上がりまして、それをどういうふうに運営するかというふうな問題もありまするが、今度は私どもの聞いております範囲におきましては、通産省がそういうことを一つ計画をして予算に盛り込もうということであります。まあその間、一年間見本市船の運航についてフルに運航できないような場合、移民船に使えばというような意見もございますが、運営の問題はともかくといたしましてそういった意味で船舶局で設計、構造その他についても十分アドバイスしたり協力しておるということでございます。
  59. 相澤重明

    ○相澤重明君 そうかな。それは池田さんが通産大臣のときにどうも運輸省がはっきりしない、こういうことで、これじゃ困るからそれじゃわしの方で一つやろうじゃないかということで、見本市船の問題についてむしろ僕らに協力を求められたことがあったわけです。今池田さんも総理大臣になったのだから船のことはやっぱり船の専門家にまかしたらいいのであって、荷物は荷物として、通産行政の中でこれはやればいいんで、やはり所管はその海運に関する問題については運輸大臣の所管、こういうふうにむしろ今こそ割り切る時期じゃないか、そうすれば池田さんも総理大臣になったのだから、別に通産省でなければいけないというなわ張り争いはしないと私は思う。今のそのあなたの話では通産省が計画をして、そうして運輸省は協力をする、こういうような御説明ですね、これはちょっと少し見当が違いやせぬかと私は思うのだけれども、幸いちょうどいい、運輸大臣出て来たから運輸大臣、見本市船というのはどういうふうに基本的にあなた考えておるか、一つ聞かしてもらいたい。国の重要な外貨獲得の問題だよ。
  60. 南好雄

    ○国務大臣(南好雄君) 私は突然途中に飛び込んだので話のいきさつがどうなっておるか存じませんですが、見本市船による見本市だろうと思うのであります。これは貿易振興政策ということで通産省が考えまして、私たちも党におりましたときにそういうことを考えたことで、それが実ったのでありますが、船にいろいろな品物を載せて各地を回って日本の品物を見せてやる、あくまで主体は通産省が寄港地におけるいろいろの市況とかそういうものを判断いたしまして、どういう品物が向くというようなことの主導権はやはり何と申しましても通産省が持っておる、私たちの方はただ全面的には協力はするが、たまたま船による見本市、船で回って行くという程度なんであって、見本市の内容はやはり貿易振興として通産大臣が持つのが至当のように考えられますが……。
  61. 相澤重明

    ○相澤重明君 いや、大臣のそういう一般的な商売をするときのことを僕は言っているのではなくて、船の建造とか船の管理とか、こういうことになればこれはやはり運輸省としての主体的な条件があるのではないか。しかしそれを航海をして見本市を開く場合にはこれは通産省の仕事である。これは私ははっきりしている。この前もあなたの方の自民党の交通部会でもいろいろ御相談願ったと思うのですが、池田さんが通産大臣のときに、私ら運輸委員の中に、特に私は見本市船を作れと、こういう強い意見を出した。それについて運輸省と通産省の意見が十分一致しなかった。それでついに建造についてもなかなかできなくて民間船を借り上げる、こういうような形で進んできたのだけれども、やはりそろそろ池田さんも総理大臣になったのだし、何も通産省が計画を作ることまで、あるいは管理についてもどうこうということもなわ張り争いはあるまい。だからこの際は一つこの海運のことに関しては、これは運輸省の所管事項として建設的なそういう国の政策として出していい。そうして貿易の問題については外貨獲得の重要な問題であるから、これは通産省にそういう見本市のことはやらせなさい、こういう区分した考え方というものを根本的に持ってもいい時期ではないかと、こういう点をお伺いしておるわけなんです。だから運輸大臣お話のように、見本市をやるのだから、すべて通産省に船の作ることから管理、検査からそういうことまで一切含めるという考えなのかどうか、そこがはっきりしなかった。
  62. 南好雄

    ○国務大臣(南好雄君) ようやく御質問の趣旨がおぼろげにわかったのですが、今の見本市を船舶を利用してやるというのは、方法が船を使っているというだけで、極端なことを申せば大型のバスを、もしこれを利用する場合も、外国に行く場合には大型のバスでは行けませんから、これはそういうことはないでしょうが、向こうに着いてオーストラリアならオーストラリアの国内を大型のバスを使ってやるという場合も出てくるだろうと思うのであります。要するにどういう品物を持っていくかということのイニシアチブを持っている、やはり通産省の方が適当だ。ただそういうものをやるについて使用する運搬にどういうものを使うかということになりますれば、各省所管に従って船の方は私らの方でできるだけ協力する、これも御承知でありましょうが、何もあれを持っておらぬので最近こういう話も聞いておるのであります。どうも民間船をチャーターしてやっても、民間船は普通の特定せざる貨物を運送するようにできておりますので、見本船のような芸のこまかいいろいろのことが、そういうものを改造くらいしたのでは目的を達せられない。従って見本市をあれは貿易振興会が、ジェトロがもし中心になってやっておりますならば、ジェトロで見本市に使えるような専用船を持ちたいというような考え方も、先般の、あれは最高輸出会議の席上で、雑貨その他の小委員会委員の中からそういう御意見も出ておりました。ただそれは希望であって、通産省の方でそういう予算を——これはどうせ自分の金でやるならば船舶の建造そのものについては運輸大臣は私は許可いたしますけれども、もし国がやるということになれば、大蔵省はどう言うか。そういうものがそういう船を持つことは不穏当だということであれば予算を認められない。こういうことになってくるのでありますが、結局そういう話も出ておるのであって、私らの立場では、船舶の行政を持っておる運輸大臣としては、できるだけそういう希望がある場合には、その希望の実現に一番妥当な方法を自分の所管に従って協力して実現させてやる。こういう協力方法を百パーセントにやっておるというのが実情であります。
  63. 相澤重明

    ○相澤重明君 運輸大臣は非常に人がいいし、ざっくばらんにお話しになったから、そういう形ならば今度は実現するだろうと思うのですが、ただ私は、行政上の統一という言葉を実はすべて根本に考えておるわけなんです。あまり各省で出先がばらばらで、もう何でも自分のところでみな、やりたいということで、人の省の仕事まで取ってしまうということは、行政上の紊乱であって非常に困る問題です。行政はなるべく統一するのが私はよろしいと思うのです。そういう意味で私は意見はあるが、きょうは予算説明を受けておるところですが、もし通産省が、いずれにしても日本の国際貿易促進の外貨獲得の重要な問題ですから、そういう意味で通産省が積極的にやるならば協力するのはけっこうだと思うのですが、できるならば、私は政府一つなんだから運輸関係ということでやるべきじゃないかと、こういう意見を申し上げたのです。  それから、ジェトロの問題については意見がありますからこれは別にしまして、運輸大臣どうでしょう、見本市船を、たとえば通産省でやるような場合、今北朝鮮の貿易ということも非常に進んでおるようですが、そういうような見本市船をお考えになったこと、御相談になったことございますか。
  64. 南好雄

    ○国務大臣(南好雄君) 北朝鮮の問題につきましては、私今までは協議を受けたことはないのであります。
  65. 相澤重明

    ○相澤重明君 わかりました。それではいま一つ、これは予算とあまり関係がないかもしれないが、お聞きしておきます。  この間南極観測で何か隊員が一人行方不明になったとかどうしたとかということを新聞で見たのだけれども、あれはどういうことでしょうか。運輸関係の非常に重要な問題だと思うので、事人命に関する問題ですから、一つその経過報告をちょっとしてもらいたいのですが、
  66. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 私は南極観測統合本部の一人でありますので、統合本部が発表いたしましたのでございますから、私が、多少正確を欠くかもわかりませんけれども、存じておる範囲で申し上げます。  十月七日と思いましたが、ベルギーの飛行機が測量をしながら昭和基地に参ったのであります。その隊員六名が昭和基地から二百メートル離れた所にテントを張って暴風のおさまるのを待っておったのであります。そのとき隊員の二人が食事のために昭和基地に参る途中で非常に激しい暴風雪のために一人が行方が見えなくなったのであります。そのために昭和基地はその捜索の依頼を受けて三班の人を出して捜索いたしました。これは結局その行方不明になったベルギーの隊員は発見できまして、それはよろしかったのでございますが、そのときとときを同じくして一人の福島という隊員が犬にえさをやるために外へ出たのでありますが、その人が行方不明になったのでございます。その福島隊員は今日までもう三日以上たっておりますが、いまだに捜索を続けておっても発見できないのでありますので、非常に憂慮すべき状態になっておるのでございます。
  67. 相澤重明

    ○相澤重明君 非常に暴風雨が激しかったというのだけれども、どのくらいの風速だったのですか。
  68. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 私の知っておる範囲では毎秒三十三メートルで、視界が非常に悪く一メートルくらいしか見えなかったと思います。
  69. 相澤重明

    ○相澤重明君 この観測船の問題については、いつも運輸省で出港あるいは帰港については歓送、歓迎をされるわけですね。その行なうこと自体は文部省の所管かもしれぬけれども、船そのものあるいは隊員については、そういう統合本部で御選定されて出された重要な人たちであります。たとえ一人の人命といえども尊重しなければならぬ重要な問題だと私は思う。  そこで犬にえさをやりに行った、まあしかし三尺か一間かわからぬが、とにかくよく視界がわからなくてどこへ行ったかわからぬと言うのだけれども、どうもまさか氷の中にもぐちゃったわけじゃないだろうと思うのだけれども、そういう点を現地とは毎日連絡はとっておるのですか、どういうことなんですか。
  70. 和達清夫

    説明員和達清夫君) 現地とは緊急のときには三時間置きに通信しておりまして、ただいまでは十時間置きにいたしておると思っております。
  71. 相澤重明

    ○相澤重明君 とにかくこれは御家族の方も非常に心配をされておると思うし、それに研究そのものに非常に大きな影響を与えますから士気の阻喪にもなると思う。特に運輸大臣は、そういう点一つ閣議の中でも十分御相談を願って、やはり一人の犠牲も早くなくなるように、今後のことも含んで一つ善処されたいと思う。今とにかく現地のことですから、遠いことですからわかりませんけれども、犬にえさをくれに行ってそれでどこへ行ったかわからないというのも、ちょっと内地におる者としてはどうもはっきり印象的にわからぬわけですよね。そういう点を特に私は希望しておきます。これはきょうの予算の問題じゃないけれども、事人命の問題ですから、私は特別に、大臣御出席だったので御要望申し上げておきます。もしお答えがあったらお答えいただきたい。
  72. 南好雄

    ○国務大臣(南好雄君) 昨日の臨時閣議だったと思いますが、あとでただ文部大臣から今和達君の言うた程度の報告を私たちも聞いたのであります。何でも二十メートルぐらい犬小屋が離れておる程度であって、普通の常識ではそんな所に行くのに行方不明になるということは想像できないのだけれども昭和基地は御承知の通り南極基地であって、何か非常にひどいそうでありまして、全然一メートル、三尺三寸ですが見えなくなる。で、そういう危険なときには、まあほんとうは十分決意しなければならないのでありましょうが、毎日やっておることでもあり、普通の装備で出かけたというので今一生懸命探しておる。何しろもう三班の人が出てそうして協力して探しておるその途中に並行的に起きた問題でもありますので、十五人がベルギーの人を探しに三班の人間を編成して出ておる、一方また一人が、おそらく地球物理学をやっておる方だそうでありますので犬のいわゆる飼養係で私はないと思うのであります、かわりをやったのではないかと、私のこれは想像でありますが、そのことで見えなくなるというので隊長以下あげて一生懸命探しておるが、現地の実情に通じない者ではほとんど常識で判断できないように、二十メートルというと七十尺でございますが、ほんのちょっとで普通の状態なら声をかけても聞こえるような所だそうであります。そういう所でああいう痛ましい悲惨事が起きて、お言葉のようにこういう国家的の仕事でございますので万全の注意はおそらく隊長以下払っておったろうと思うのでございますが、たまたま問題がベルギーから国境を越えて南極探検についての協力を求められておりますので、日本人の性質といたしましてはおそらく非常に欣然としてこれに従事し協力をしたのだろうと思います。若干基地における行動に手薄な状態ができておる。そこへもってきてそういう猛烈な自然環境のもとにおきまする、これは偶発的な事故発生なんでありまして、お言葉のようにこれが仕事の妨げになったり、将来のこういう国家的な仕事の障害にならないように十分原因を探求いたしまして、政府全体としての責任だろうと思いますけれども、万全の措置をとりたいものだと、こういう文部大臣の発言であり、私たちも同様にこれは了解を与えたような次第でございます。
  73. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記とめて。    〔速記中止
  74. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記つけて。
  75. 白木義一郎

    白木義一郎君 ちょっと、海運関係のことで、移住船運航補助のことについて御説明願いたい。内容の概要でけっこうです。
  76. 朝田静夫

    説明員朝田静夫君) 移住船運航費は御承知のように本年度七千七百八十一万六千円の成立を見たのでございますが、来年度の予算概算要求といたしまして一億一千四百万円として出しておりますのは、現在御承知の通り移住船は五隻ございますが、それが全部で十二航海いたしまして、運賃収入が移住部門だけでございますが、六億九百万円運航経費が七億二千四百万円でございまして、差し引き一億一千四百万円の欠損が出るのでございます。それに対する国の移住計画、移住政策に対処いたしまして、まあ運賃等の関係もございますので、それに対する補助金として要求をいたしておるのでございます。
  77. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十六分散会