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1960-09-10 第35回国会 衆議院 文教委員会 第4号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十五年九月十日(土曜日) 午前十時四十二分
開議
出席委員
委員長
秋田
大助君
理事
臼井 莊一君
理事
加藤
精三
君
理事
高見
三郎
君
理事
栗原 俊夫君
理事
長谷川 保君 坂田
道太
君 田村 元君
灘尾
弘吉君 濱野 清吾君
勝間田清一
君 金丸 徳重君
西村
力弥
君 原 彪君 山崎
始男
君 鈴木 一君
委員外
の
出席者
公安調査庁長官
藤井五一郎君
公安調査庁次長
関 之君
文部政務次官
大坪
保雄君
文部事務官
(
大臣官房長
) 天城 勲君
文部事務官
(
初等中等教育
局長
)
内藤誉三郎
君
文部事務官
(
調査局長
) 田中 彰君
文部事務官
(
管理局長
) 福田 繁君 専 門 員 石井つとむ君 ――――――――――――― 本日の
会議
に付した案件
教育
に関する件 ――――◇―――――
秋田大助
1
○
秋田委員長
これより
会議
を開きます。
教育
に関し
調査
を進めます。質疑の通告がございますので、これを許します。
西村力弥
君。
西村力弥
2
○
西村
(力)
委員
きょうは
大臣
の
出席
を求めておったのでございますが、どういう御
都合
か御
出席
ありませんので、おいでになったときに、ゆっくり、しかも徹底的にいろいろな点についてただしてみたいと思うのでございます。きょうは、いないところであまりやりますと、
欠席裁判
のようなおそれもありますので、あまりやらぬことにいたします。 ただ私、新聞を拝見しまして、また参議院の九月一日の
文教委員会
の
会議録
を見まして、非常に問題だと思う点がありますので、その点について
お尋ね
をしたいと思うのです。その
速記録
を拝見しますと、
加瀬完
君の
質問
に対しまして、
大臣
は、あたかも
日教組
が破防法適用すれすれの
団体
である、こういうような
見解
を示しておるのですが、このことは
日教組
に対する批判としても、
大臣
の言としてはあまりに軽卒ではないか、こういう気持がするのであります。その点についてここに
速記録
もあるのではっきりしておりますが、
公安調査庁
の
見解
だけは一応聞いておかなければいかぬじゃないか、こう思って御
出席
を願ったわけです。昨日連絡しましたので、
速記録
をお読みになったと思うのでございますが、
公安調査庁
の方いらっしゃいますか、――
公安調査庁
が来てないとすれば……。
秋田大助
3
○
秋田委員長
それ以外の問題はありませんか。もう二、三分で来られるらしいが……。
西村力弥
4
○
西村
(力)
委員
それでは
初中局長
に伺います。過般、私当
委員会
から福井に視察に行きました。いろいろ地元の要望も聞いたり、また私
たち自身
もこの目で見て、いろいろ啓発されて参ったわけでありますが、
一つ
問題としては、
生徒増
に伴う
中学校
の
校舎増築
の
予算
、あるいは近くくるであろう
高等学校生徒
の
志望者増
、こういうものに対処して
学校建築
あるいは
学校
の
新設
について、第一点としては、何としてもそれを完全に収容し得られるだけの
予算措置
というものは
当局
において当然なさるべきである。それから第二点は、その年の増に対してその年の
予算
に計上するというようなことは、これはあまり感服できないやり方である。その二つについてどういう
方針
を持っておるか。それが
高等学校
まで含めますと、相当長期の
見通し
を立てなければならぬわけでありますが、これは
監理局
の関係かもしれませんが、その点についての具体的な
計画
の策定はどうなっておるか。そして私
ども
としましては、
高等学校
の
生徒
なんかは、やはりピーク時にあたっては相当思い切った
学校
の
新設
あるいは
校舎
の
増築
を行なって、そして
生徒
が減になったときには、
志望者全員
を
高等学校
に入れる、こういう展望を持ってやるべきじゃないか。
日本
の
子供たち
はまず幼稚園の初めから
入学試験
なんかに悩まされて、
中学校
三年、まず半ば
青年
になりかかってはおりますが、ああいう
工合
に
試験地獄
にさいなまされて、
ほんとう
に闊達な
青年
というものは生まれないのではないか。あまりにかわいそうじゃないかと私は思うのです。
試験地獄
、
就職地獄
で
人生大半
の喜びを失ったままにおとなになっていくということは、私
たち
はどうしても解消する
努力
をしなければならぬと思うのです。その点から、これはどこでも希望することでございましょうけれ
ども
、
一つ
これに対する
当局
の
構想
をお聞かせいただきたい。
加藤精三
5
○
加藤
(精)
委員
関連
。ただいまの
西村委員
の
質問
は、私まことに時宜を得た名
質問
だと存じます。つきましては、私もこれに
関連
して非常に重要なことを
お尋ね
したいと思うのでございますが、
政府
の国税の減税その他によりまして、
地方財政
にしわ寄せがくることのないように、新
政策充実
にあたりましては、
政府
の方で極力
努力
していただきたいのでございます。そしてそれが新
政策
の
地方財政
の分には十分調節するの覚悟があるかのごとき――十分に考慮するという言葉を使ってありますが、今は
地方財政
の
非常時
であるということを一般の人があまり認識していないので、もし
政府
がその点を、あまり陳情が十分でないからぴんとこないというようなことがありますと大問題になります。と申しますのは、本年七十万人の
中学生
の
急増
を見るわけでございますが、
明年度
は百万人、
明後年度
は四十万人、合計二百十万人、それから明後年の次の年から
中学生
が減る、
中学生
が減るのもいいけれ
ども
、今度また
高等学校
の
生徒
がぐんぐん増してくる。今でも
入学試験地獄
で、
高等学校
に入るための予備校というものが随所に行なわれるようになった。これは非常な悲惨なことでございますが、こういうことの
対策
につきまして、
地方財政
の
ワク
が、従来のような
地方財政計画
上の
ワク
だけではとても支弁することはできないのではないか。一見、
文教施設
の建設にあたりましては、まあ普通の人の
考え
では、半分は国費で半分は
地方費
、半分は
補助
で半分は
起債
というふうに
考え
やすいのでございますが、実際上はこの
補助率
が二分の一になっているのや三分の一になっているのやまちまちであり、同時に統合なんかは
中学
の場合は二分の一で小
学校
の場合は三分の一じゃないかと思いますが、そういうようなことで、いずれも同じ
義務教育施設
でありながら、その間に若干の差があるというようなこともございますし、それから
義務教育
というのは
国家
の各
地域
における均衡を維持すべきものであるのにかかわらず、どうも実質的には
文教施設
の
建造費
の
国庫補助
、
起債部分
というものはもう半分くらいの場合が相当ある、あるいは半分以下になる場合もある。
校舎
ばかりでなしに
校地
をも含めて
考え
、また
通学道路
その他の
設備
をあわせて
考え
る場合は、
学校
を作る
費用
というのは、
地方団体
の
負担
はずいぶん大きな
割合
になるのでございます。そういうようなことからいうと、単に
起債
の率を増したくらいの話ではとても完全に処理することはできないのでございまして、結局
地方財政計画
において
財源測定
をしますその
財源需要額
を上さなければどうにもならぬ。
財源需要額
を上せますのにも、従来の
所得税
、
法人税
、酒税は二八・五%になっておりますね。それくらいのものでは、新しい
教育施設費
の
経費
の
需要増
を加えたところの
基準財政需要額
である場合、
市町村
の
財源不足額
の総計から見て、とうてい足りないのです。それで
中学
の
整備
もしなければならぬ、
高等学校
の
整備
もしなければならぬというときは、まことに
地方財政
の超
非常時
でございます。 ただいま
市町村財政
ばかり申しましたけれ
ども
、
府県立
の
学校
、すなわち、
高等学校施設
、
定時制
を含めたこれの
政財需要
というものは大へんなものです。どうしても
財源不足
の
貧弱団体
におきましては、
府県立学校
も、また
市町村立学校
も、非常に
設備
が不十分にならざるを得ない。また
教育人件費
におきましては、ことに
府県立学校
の
教員
の
人件費
は、
全額府県負担
になるわけでありまして、これもまた非常に大きな
負担
であるわけであります。貧弱な
府県
におきましては、その
地域
の
高等学校
の
教育水準
がどうしても下がりやすい。富裕な県の
高等学校
を出なければ、よい
上級学校
に入学できないといったような
現象
が起きる。そういうようなことに対しまして、まことに
教育
の
機会均等
ということからおかしい
現象
が起こっておる。すなわち、どうしても東大その他慶応大学とか早稲田大学とか、比較的
学力
の充実した、そうして卒業後
就職
やなにかに
都合
のいいような
学校
に入ろうとすれば、
高等学校時代
から
東京
その他の
学校
に転学させる、はなはだしきに至っては、
中学時代
から転学させるというような、少し経済の
余裕
のある
地方
の
名望家等
はそういうことをどんどんやっておる。こういうことは、
教育
の
機会均等
ということを一枚看板にしてやって参りました
わが国
の
教育行政
から見て、ここまで乱れたのは初めてなんです。これは近来における
教育行政
の不面目の
一つ
だと僕は思っておる。これはひとしく私
たち文教常任委員
であった者も、顧みてこの
責任
を負わなければならぬ。と同時に、
文部当局
も
責任
を負わなければならぬ。明治の初年から家に
不学
の子なく村に
不学
の戸なしという
理想
を掲げて
学制発布
をしたこの輝かしい
わが国
の
教育行政
の歴史から見て、今日の現状はとうていがまんのできないものであります。それがとかく
大蔵省
に押えられがちになりまして、
十分教育
の
機会均等
の
理想
を掲げることができない。また
実践
することができない。そうして
高等学校教育
というものにネックがありまして、そのために貧弱なる
府県
からは英才が出ない、そうしてその
地方
に貢献し、
国家
に貢献するそういう人材が少なくしか出ないということは、これまた民心の上から非常な不満、憂いを招くと私は思うのであります。そういうことは、
国家財政
と
教育財政
の
調和
というような点で、非常に根本的な病根であると存ずるのであります。そういう非常な不合理に乗じまして、
高知
県におきましては
中学
三年の
父兄
なんかを相当指導したり扇動したりいたしまして、
教員組合
が
完全入学
というような旗を掲げまして、何でもかんでも、ある
程度
施設
が不十分であってもいいけれ
ども
、入りたい
生徒
は全部入学させるのだというような
方針
を唱導したりいたしておりますが、その結果を見れば、いわゆる
完全入学
を叫ぶ前にその
実態
を見れば、
高知
の
中学
を出た者の、
中学
三年のときの
進学予約制度
、この
制度
の適用の状況を見ましても、
進学予約
の
指定
の
生徒
は、十人のうち
上級学校
、
高等学校
以上に入学しようとしましても、実際合格する率は非常に低く、二、三〇%にすぎない。それくらい
学力
が低い。また
就職
のときにおきましても、いわゆる
完全入学
という旗やのぼりを立てて大騒ぎをしておる
高知
県が、四国四県のうちで最も
上級学校進学
、
就職等
において喜ばれないというふうなことは、これは非常に大きな問題であると思うのです。もっとまじめに
考え
まして、そして
政府
としてもこういうふうなところの
教員組合
がそうした空虚なるイデオロギー的な
宣伝
を上手にやることによって、他の
府県
の
教員組合
をリードしていこうというような問題に対しましては、
進学予約制度
の
指定
された
生徒
の八割以上も確実に上の
学校
に入学するというような、
山形
県のようなまじめな
実績
を上げている県の
実態
と、
高知
県のような
実態
とを比べ合わせてみまして、ことに
山形
県の
教育
につきましては
質問者西村力弥
氏が非常に力を入れてまじめに指導をしておられましょうが、
山形
県は
指定生徒
のうちの
上級学級入学率
も全国一だ。しかるに今
西村委員
が
宣伝
されました――
宣伝
というと非常に悪いのですけれ
ども
、いわゆる
完全入学
なるものをやっている
高知
県は、
山形
県の三分の一も入れないというような、具体的には非常な不結果を来たしているのであります。こういうところには何かいわゆる
宣伝
の
教育政策
と
実践
の
教育政策
、
日本社会党
の
政策
と自由民主党の
政策
との具体的な非常な差があるのじゃないだろうかというようなことを感じますが、その点につきましてもお
考え
をいただきたい。 以上のような
財政
と
教育財政
との
関連
の問題とか、それから
完全入学
についての
宣伝
の
教育政策
と
実践
の
教育政策
、
日本社会党
の
政策
と――
日本社会党
と言えるかどうですかね。
完全入学
の
政策
は
日教組
だけじゃないですかね。そういうものと、それからそういう軽っ調子な
政策
、自民党の重々しい
実践
の
教育政策
、それらに対する
内藤局長
の率直な御感想を承りたいものであります。
関連
質問
終わり。
内藤誉三郎
6
○
内藤説明員
ただいま
西村委員
からの
お尋ね
でございますが、
中学校
の
急増対策
につきましては、
昭和
三十六
年度
に百万人
生徒
がふえますので、その
対策
につきましては三十六
年度
予算
に必要な
経費
を計上しておるわけであります。
お話
のようにこういうものは一年前にやるのが建前でございますけれ
ども
、実は三十五
年度
に七十万人の
生徒
の
増加
がございましたので、できるだけ早い
機会
に三十六
年度
の
手当て
及び三十七
年度
の
手当て
をいたしまして、就学に
支障
のないように万全の
措置
をとりたい、かように
考え
ておるのであります。 それから
高等学校
の
急増対策
につきましては、ただいまいろいろ
検討
をいたしておりますが、
昭和
二十八
年度
に
中学校
の
卒業生
が出てきますので、これから三十八、九、四十、この三カ年間に約二百万人以上の
中学校
の
卒業生
が出てくる。そこでこの
子たち
に不安のないように、また両親に心配のないように、現在の
進学率
は保証していきたい。そこでこの保証する場合に、全日制が大体五割でございます。
定時制
、
通信教育
を含めて六割
程度
になっておりますので、この率はぜひ保証したい。それから同時に毎年景気の上昇によりまして
高等学校
の
収容力
は一%くらいずつ増大いたしております。そこで
昭和
四十五年には
所得倍増計画
の十カ年
計画
が一応終わるという想定をいたしまして、四十五年までには少なくとも七十%までの
進学率
を確保したい、こういう
考え方
を持ちまして
検討
をいたしておるわけでございます。 そこで
生徒
が
急増
した二百万人をどう処理するかという問題になろうかと思うのですが、その第一は、まず一割
程度
のすし詰めは、これは忍んでいただきたいと思うのです。現在五十人入れているところは五十五人くらいまでは入れていただきたい。一割の
増加
をいたしますと、大体二十五、六万の
生徒
が
公立学校
では収容できるわけであります。それから
既設
の
高等学校
に一割
程度
の
学級増加
をいたしたい。これで約二十五・六万が収容できるわけですが、この
機会
にできるだけ
既設
の場合には
工業学校
に
重点
を置いて
学級増加
をいたしていきたい。約五十数万はこれで解決するわけですが、その
残り
は
新設
で充てたいと
考え
ております。
新設
は先ほど申しましたように、あまり乱増いたしますと
地方財政
も実は困るし、いろいろな弊害もございますので、大体四十五年にどの
程度
まで全
日制高等学校
が伸びるかと、過去の
実績等
を
検討
いたしまして、大体一
学年
で五万くらいを、三
学年
で十五万くらいを
新設
で処理したい、こういう
考え方
で、この
程度
の
新設
でございますれば、平
年度
化した場合に
生徒
ががらあきになるというようなことはないという
見通し
を立てております。
公立学校
で大体六十五万から七十万以内を消化いたしたい。それから現在の
公私立
の
割合
は、
私立
が三で
公立
が七くらいになっておりますので、三十万前後のものは
私立
の
学校
で消化していただきたい。こういうことで百万
程度
の
子供たち
は三カ年間に収容いたしたいという大体の
計画
を立てておるのでございまして、
新設
の場合には
工業
に
重点
を置いて、六割
程度
を
工業
に、
普通過程
を四割くらいにいたしまして、
技術者要請
にもこたえたい。こういう基本的な
考え方
を持っておるわけであります。 そこで、それの
財政
の問題で、特に
加藤委員
から
地方財政
と
教育財政
との
調和
の
お話
がございました。現在
補助率
がまちまちになっておりますことも事実でございますが、これはいろいろ経過がございましたので、
義務教育
の場合でも三分の一のものもあれば二分の一のものもある。
原則
としては
義務教育
は二分の一、非
義務教育
は大体三分の一というのでございましたが、この
原則
についてもさらに
検討
しなければならぬではなかろうかと実は
考え
ております。 次に
工業高等学校等
につきましては、三分の一ではとても
工業学校
の
新設
ができない、こういう事情もございますので、
補助率
の
検討
、引き上げも
考え
なければならぬし、またそれに見合うところの
地方財政計画
についても
検討
をしなければならぬと思う。もちろん
補助率
のほかに、
地方財政
としては
起債
を
考え
なければならぬと思うのです。この場合
臨時費
は
起債
でまかなうといたしましても、
経常費
はどうしても
交付税
の
単位費用
で考慮しなければならぬと思いますので、
交付税
の中の
教育費
を十分確保したい。
高等学校
の
経常費
はなんと申しましても
人件費
が一番大きいのでございますので、実は
高等学校
の
定数基準
の法律も用意いたしまして、その
定数基準
にきめたものだけは
交付税
で確実に保障するような道を開いて、先般の
国会
に提案いたしましたけれ
ども
、不幸にして成立を見なかったのでございます。
人件費
は
地方財政
の中で優先的に確保し、
残り
の
経常費
につきましては、これは額も少ないことでございますが、
交付税
の
単位費用
を十分
検討
いたしまして、
単位費用
の
改善
をはかって
地方財政
に
支障
のないように取り計らいたいと
考え
ておるわけであります。 それから
西村委員
からも
力藤委員
からも
お話
がございました
高等学校
の
全員入学
のことでございますが、私
ども
は
高等学校
は
義務教育
に準ずる
教育
と
考え
ておりますので、できるだけ
希望者
を入れたいというのが趣旨でございます。この場合に、今日
高等学校
の
入学希望者
が百十数万ございますけれ
ども
、現実に
進学
をいたしておりますのが百五、六万でございまして、九五、六%は
進学
をいたしておるのが実情でございます。ですから落ちているのはほんの数万でございますけれ
ども
、
有名校
に集中するために非常な
試験地獄
の問題が、一方において
高等学校
においても起きておる。
お話
のように
中学校
から
東京
に来て
進学
しておる。
父兄
にも非常な迷惑をかけておるわけであります。この場合、
義務教育
の段階において
学力
の相違が非常にあるわけです。これが
加藤先生
から
お話
しのように
山形
の場合には非常に
進学
がよくて、
高知
の場合には
進学
が悪い。こういう点なんでございまして、やはり
施設
の
整備
、
教員定数
の
整備
をはかり、
教育内容
の改定もいたしましたので、できるだけ今後
すし結め学級
を解消して、
教員定数
の充足をはかり、また
教育施設設備
の
改善充実
をはかるとともに、
教員
の資質の
向上
もはかっていきたい。できますれば、やはり全国的な
標準テスト
のようなものをいたしまして、全体の
学力
の
水準
を
向上
していきたい。一方においてできるだけ
全員希望者
を入れるということで、
義務教育
の
水準
を上げると同時に、
高等学校
もそれに準ずるような
措置
をとっていきたい。将来、
所得倍増計画
の終わる四十五年ごろには
高等学校
の
進学率
もおそらく七〇%をこえるのではなかろうかと思うのであります。だんだん
義務教育
に準じた
措置
を講じていきたい。同時に
学力
の
向上
につきましては、今後一そう
努力
をいたして全国的な
機会均等
を実現したいと
考え
ておるのでございます。
西村力弥
7
○
西村
(力)
委員
前段の
中学生
の増に伴う
校舎増築
、そういう
予算
は本
年度
もまた
明年度
の増に対する
予算要求
しかしない、こういうことでありましたが、それではやはりいつまでたっても仕事はうまくいかぬし、
子供たち
も悪い
環境
で勉強しなければならぬということになる。今ふえている
子供たち
は
戦争
の終結に伴って多数生まれました
子供たち
です。そういう点は
戦争犠牲者
といっちゃ何ですが、そういう
戦争
というものの結果生まれた諸君でありまして、そんな
工合
に悪い
環境
にいつまでも放置しておくというようなことはあまり好ましいことではないのではないか。その点は
明年度分
と
明後年度分
とを含めた
予算措置
を明年はやる、こういう決意、
考え
はないのですか。それをやれないというのはおかしいと思う。
内藤誉三郎
8
○
内藤説明員
詳細なことは
監理局長
がお答えすると思っていますが、
文部省
としてはもちろん三十七
年度
分も考慮しておる、こう
考え
ておりますが、全部対象になっているかどうか、私この点若干疑問に思います。もちろんある
程度
は三十七
年度
分も考慮しているわけでございます。
加藤精三
9
○
加藤
(精)
委員
関連
して一言だけ……。池田新内閣の新
政策
の中に、
昭和
三十五年、三十六年、三十七年の
生徒急増対策
は三十六
年度
中にこれを完了するという文章が明記されているのであります。その
方針
でいかれると思いますが、
大坪政務次官
にその点につきましてお答えをお願いしたい。
大坪保雄
10
○
大坪説明員
三十七
年度
に
措置
すべきことを三十六
年度
の
予算
に全部計上しているかどうか、私はただいま
十分記憶
はございませんが、大体そういう含みをもって、ぎりぎり三十六
年度
需要分
を三十六
年度
に、三十七
年度
需要分
を三十七
年度
にというようにしないで、幾分の
余裕
を持ってやるということで
計画
を立てております。三十六
年度
分については、もし
国会
で御承認が得られますならば、
大蔵省
と交渉して
補正予算等
によってでも事前の
措置
を講ずるようにしようということで運んでおりますから、大体お説のような
方針
をもってやっておるということだけ、私にはお答えさせていただきたい。
西村力弥
11
○
西村
(力)
委員
この点は
監理局長
が来てから詳しく聞かしてもらいたいと思います。 二番目の
高等学校
のことにつきましては、今から相当の
構想
を持っておるということで、けっこうでありますが、ただ
加藤委員
の言われるところを聞いておりますと、いかにも
完全入学
は人的にむだがあるというような意見であるように聞いたのですが、
文部省
としては
完全入学
というものを実現する、こういう基本的な態度である。しからばいつこれを実現するか、こういうような
構想
を持つべきであると思うのであります。今の
お話
におきましてはまだ決定的なことが出ていないように思うのであります。私
たち
は、
高等学校
は
義務教育
に準ずる、しかも年々進んでいる
日本
の情勢からいって、当然
希望者
は全員入り得る、こういう条件を
整備
しなければならぬと思っておるわけであります。その点について、
高知
県で
全員入学
をやった結果、
入学率
が悪いといっておりますが、
週刊新潮
が手に入りましたので見てみますと、前には陸士とか海兵なんかにたくさん入った、このごろは
防衛大学
に入学する者が少ない、だから
学力
が低下しているのだ、こういうような
言い方
をしておりますが、こういう
言い方
はちょんまげをつけて言うべきことで、今言うべきことでない。しかも
入学率
と
学力
は比例するのだというところに問題がある。これは相当疑問じゃないか。また現在の
入学率
がいい悪いということも、
ほんとう
に人間を育成するという立場からいいますと、今の
学校
の
入学試験
に対処する勉強の仕方、これは相当疑問があると思っております。ひどいのになりますと、女子の
高等学校
で夜まで
補習教育
をやっている。オールナイトというか
ナイトショー
というか、ああいうように夜までやっているようなことになりますと、これはおそろしいことじゃないかと思う。そんなことは決して学問の常道じゃないと思うのです。でありますから
入学率
が
イコール学力
だというような
考え方
は払拭すべきじゃないか。これは
内藤
さんの
見解
はどうか。ここには伊藤という
調査課長
の言われたように書いておりますが、この点、
高等学校
の
全員入学
を確立するのだ、そのためにはこうするのだということを、もっとはっきり伺いたい。それから
学力
と
入学率
は
イコール
であるかどうかという問題についてお答え願いたい。
加藤精三
12
○
加藤
(精)
委員
ちょっと
関連
して。
西村委員
は横暴にも、私が
高知
県の
完全入学
を批判したことについて、
人的資源
が重複してむだになるからいかぬとか何とかいうような理屈をつけて
加藤精三
は非難しているというようなことを申しておられますけれ
ども
、そんなことではないのです。
日本教員組合
が
教員組合
の
宣伝
の
教育政策
をいかにも誇らしげに言うことの手段として、
高知
の
完全入学
を悪用した、私はそう
考え
ておる。迷惑をこうむったものは、
高知
県下の児童であり、
生徒
である、私はそう固く信じておる。それから
西村委員
が特に代議士になる前から力を入れられました、
西村委員
の御郷土の
山形
県の
教育
が能率が非常に上がって、そうして業績が上がっているということを僕が称賛したのに対して、この
進学
予定の
生徒
に
指定
された栄誉あるその
生徒
の
上級学校
入学率
、これがいいと言っても当てにならぬ、あるいはそれは試験のやり方で――あるいは承りますと、いかにも曲解すれば、
高知
県の方の
学力
が、
西村委員
が代議士になる前から一生懸命
努力
されて
水準
を上げた
山形
県の
教育
よりも
学力
程度
が低い、
教育
効果が上がってないとでも言うかのごときお言葉を承ったことは、
西村委員
の御郷里の
山形
県のために非常に残念だと私は思う。 それからなんか士官
学校
と
防衛大学
と比較して、その
入学率
がその県の
生徒
の
学力
に比例しないとかいうようなことは、論理学で言えば比喩の誤謬です。そんなものは何ら今の第一の問題と
関連
しないことです。そのことを私は訂正して
西村委員
の御
質問
に答えていただきたい。
内藤誉三郎
13
○
内藤説明員
高等学校
が
義務教育
に準ずる
教育
でございますので、できるだけ
希望者
を入れたい、こういう趣旨には賛成でございます。ただ
地方財政
という問題もございますし、一挙に
希望者
があるから全員入れるというわけにも参らぬと思うのです。ただそういう
努力
は私
ども
も現在しております。百十数万の
希望者
に対してすでに百五、六万、九五、六%のものが
進学
しておる
実態
を見ていただきますれば、御趣旨の点は貫ぬかれておるのではなかろうか。今後もできるだけ
高等学校
の
進学率
を上げて、
昭和
四十五年までには七割
程度
まで
進学率
を引き上げるように
計画
を進めておるわけでございます。 それから第二番目の
標準テスト
と
入学試験
との
関連
、あるいはそれがどういうふうな関係にあるか、こういうような
お尋ね
でございますが、
文部省
で行なっておりますところの
標準テスト
は、これはあくまでも
標準テスト
でございまして、大学の
進学率
とはある
程度
関連
があろうと私は思う。しかし必ずしも
イコール
ではない、こういう趣旨でございまして、この点は誤解のないようにしていただきたい。ただ今日の試験
制度
にもいろいろ弊害がありますので、
入学試験
の選抜方法につきましては、特に大学の問題につきまして、中央
教育
審議会にも今諮問をしている最中であります。いずれこの結果も出ると思いますので、
入学試験
の
改善
を行なうと同時に、
学力
の
水準
を上げるようにいろいろな
努力
をしていきたいと思っております。
西村力弥
14
○
西村
(力)
委員
私の
考え
ておることは、今
希望者
の九五%
程度
は
高等学校教育
を受けている、あと五%のところが不幸にして希望が達せられないという現状だという
お話
ですが、これはますます
生徒増
に伴ってひどくなるのじゃないか。それを解消する。その期間においては、その
程度
のことはやむを得ないじゃないか、しかしそれを越えたあとにおいては
全員入学
は可能である、こういう
工合
にやはり
構想
を立ててやらなければならないじゃないか。そのときに
学校
が余るなんていいますけれ
ども
、現在の
学校
の規模というものは、それは
高等学校
という名にふさわしくない状態にあることは間違いない。
生徒
だって五十何人にするなんて言っていますけれ
ども
、そんなままにいつまでも放置すべきではないので、特別教室だってこれはふんだんにあってしかるべきだ。決して僕はそれで教室、
校舎
、そういうものが余ってしまうということはあり得ないと思うのです。ですから、そういう
構想
をもって、今からあわてない
考え
ではっきりした
対策
を立ててもらわなければならぬと思う。そういう点について
一つ
御希望をしっかりと申し上げます。
考え方
においては、大体において皆さん方も同じだと思いますが、ただそれを実現する御
努力
は、これはぜひ
戦争
の跡始末という意味においても誠意をもって貫いていただかなければならぬのではないかと思っているわけなんであります。 次に継続して福井県を視察した場合の問題についてお伺いしますが、先ほど
加藤委員
からもありましたし、
局長
からもありましたけれ
ども
、
高等学校
の
新設
あるいは
増築
に対する
国家
の
補助
ですか、助力というか、これも
義務教育
並みにぜひやってもらわなければならぬのではないか。それとともに積雪寒冷地帯に対する
学校建築
の場合の補正というものがありますが、それに湿潤度ですか、こういうものを一枚加えていただきたい。これは現実にモルタル張りの
校舎
なんか見ますと、そういう湿気の多いところは非常に持ちが悪い。でありますので、そういう点をやはり水湿、寒冷度に応じた補正と同様の補正の
考え方
を打ち立てていただかなければならぬのではないか、この点をお伺いしたい。
福田繁
15
○福田説明員 ただいまの御
質問
でございますが、現在の
公立
文教施設
五カ年
計画
におきましては、たとえば屋体等を例にとりますと、屋体は当初積雪寒冷地帯から優先的に実行するということで
負担
事業が始まったのでありますけれ
ども
、実際に全国的に見ますと、湿潤多雨地帯にも屋体は必要であるというような関係で、現在屋体につきましては、そういう
負担
事業を実施いたしておりますけれ
ども
、一般的に
校舎
につきましてはそこまでまだいっておりません。従って、この湿潤補正というような問題は、将来の問題として私
ども
としては研究いたしたいと
考え
ております。 それから先ほどの
高等学校
の
急増対策
につきましての問題でございますが、将来三十八年以降におきまして
高等学校
の
生徒
の
急増
に備えて何らかの
措置
を講じませんと、相当の
増加
する
高等学校
の
生徒
の収容ができませんので、私
ども
は現在の
考え方
といたしましては、
公立
の場合におきましては、富裕
府県
はともかくといたしましても、一般の県は相当
施設
、
設備
の
整備
ということに困難を来たす場合が多いと思います。従って
公立
高等学校
につきましては、一応
施設
の二分の一
補助
、それから特に産業
教育
関係の課程につきましては、必要な
施設
についても
補助
を行ない、また従来のように
設備
についても
補助
を行なう、こういうようなことを
考え
ておるわけであります。ただこれは
公立
でございますが、
私立
につきましても何らかの
措置
をいたしませんと、
私立
学校
の場合においては特に困難を来たすと思います。従って一般の
施設
につきましてはこれは従来から私学振興会の融資ということが建前でございますので、できる限り有利な融資を行ないまして
施設
の
整備
を行ないたい。
設備
あるいはまた先ほど申しました
公立
と同様に産業
教育
関係の課程につきましては
補助
をもって
措置
をしたい、こういうような
考え
で現在は進んでおるわけであります。
西村力弥
16
○
西村
(力)
委員
次に
中学校
の――小
学校
もそうですが、給食
設備
なんかあちこち見せてもらいましたが、何かのその土地の状況によって
生徒
がうんとふえる。こういうような場合に
既設
の給食
施設
ではとてもとてもやり切れぬというところがある。ところがそれを拡充し、
整備
する場合においては何ら国としての手は加えられないので、これは楽でないという
お話
もありました。こういう点は体育
局長
の管轄だと思うのですが、そういう点についてはお
考え
はないでしょうか。これは次官にでも答弁してもらうよりほかないのですがね。
大坪保雄
17
○
大坪説明員
ちょっとこまかいことのようで、私もよくあなたの御満足のいくようなお答えはできぬかと思います。一応関係
局長
から
一つ
御答弁させていただくことを御了承願います。
内藤誉三郎
18
○
内藤説明員
給食
施設
につきまして現在のところ
学校
給食の拡充を急いでおりますので、新しく給食を始めるというところに
重点
を置いてやっておりますので、すでに
既設
で給食
施設
のあるところは、多少
生徒
がふえましても国の方でそこまではまだ手が届かない、こういうような状況でございますので、いずれ小
学校
にできるだけ広く普及いたしました後にこの問題も
検討
させていただきたいと思います。
西村力弥
19
○
西村
(力)
委員
あまりこまかい話ばかりになりますので、ただ一応私が見てきたところの希望だけを申し上げたいと思います。福井大学に行ってみました。私は遺憾ながらこれが大学かとその
設備
の状況を見まして
ほんとう
に思いました。そんなことで科学の振興なんといってもおかしなものではないか。そしてまたそういう無理を重ねておりますので、学生も非常に危険な状態です。電気関係の実験室なんか足の踏みどころがないようにいろいろ相当のボルテージを持った線が張られておりまして、そして選抜された人が実験して、多数はその周辺で見るなんという、こういうのが大学
教育
となると、これは何といっていいか非常に私はさびしい気持がいたしたわけです。そういう学問の相当高度の研究をする大学が、科学
教育
振興の段階においては一等やはり充実されなければならないのではないか。そういう周辺の人々に対する
教育
の役割もそうやって十分果たし得るようにしていかなければならない、こう思います。 あるいは文化財保護の関係なんかでもあちこち見せてもらいましたが、あるところでは非常に大事な写経、三十何巻かありましたが、それが全然書庫もなく戦々きょうきょうとしてある一室に保管をしている、こういうようなところもありましたが、ああいう大事な文化財については、これはもう少し
考え
てやるべきじゃないか。そのほか多々ございましたが、これは折に触れてやることにいたしまして、視察関係はそのくらいにしたいと思います。 それでは最初に戻りまして、
調査
庁の長官おいででありますので、実はきのうも
公安調査庁
の方に連絡申し上げたのですが、過般九月一日に参議院の
文教委員会
において、荒木文部
大臣
が、加瀬
委員
の
質問
に答えまして、あたかも
日教組
が破防法すれすれの
団体
であるかのごとき発言をしております。このことは新聞にも出ましたが、ちょっとゆるがせにできないことじゃないかと、こう思うわけです。こういう点について
公安調査庁
の何ものにも左右されない
見解
をここに述べてもらいたいと思う。こういうことが新聞に載せられて一般に知れわたるというようなことは、これは
政策
的、政略的には好む連中もおるかもしれぬけれ
ども
、
日本
全体の公正な立場に立ってこういう発言がそのまま黙って見のがされておるということは許されないことではないかと思う。
公安調査庁
の
見解
を
一つ
聞かしていただきたいと思う。
加藤精三
20
○
加藤
(精)
委員
関連
。私は
日本教員組合
というものは破防法すれすれの
団体
ではないか、そう
考え
るものでございます。現に私の目で見て、
教員組合
の教科課程講習会に対する妨害のごときは、実に言語を絶するものがありまして、このわれわれの平和な民主主義の
日本
の
国家
におきまして、かかる不法が平然として横行するに至っては、
国家
のために深憂にたえないものだと
考え
るものであります。ある県におきましてはこの講習会を妨害するために、私の目で見たのでございますが、講習会の開始時間前に、その県の
日教組
並びに近県の
日教組
が続々と詰めかけて、講習会場を包囲する態勢を作ったのでございます。しかもこれに
日教組
本部の相当な指導者が、
宣伝
車をかって、良質の音声を出すところのスピーカーでアジっておるのであります。警察官をあるいは洗たくデモにかけていじめたり、あるいは講習会場のへいに石を投げたり、まことにこれらは破防法すれすれの
団体
でなければできないような行為だと
考え
るのであります。またある県の会場におきましては、第一日目は県教組の書記長が来られなかったので、非常に微温的なピケでございましたが、第二日目は県教組の書記長が――これは毎回の教組大会あるいは教研集会等の事前に共産党がグループ
会議
をやりますが、この
会議
にも明らかに
出席
しておる書記長でありますが、彼が来ますと、がぜん力を得まして、その
地域
の共産党の市
会議
員、
日本社会党
の県
会議
員、市
会議
員等が率先してこれを迎えまして、そうしてその日は特に強力な圧迫を加えるのです。警察署長がスピーカーをみずからとって、盛んに非合法な妨害をやらないように叫んでも、そんなことはうわのそらでございまして、ついに警察
当局
もやむを得ずしてそのピケに対して突破口を開き、そこを入ろうとする女の
教員
を、県
会議
員が自分の腕力、実力をもって阻止しているというような、実にひどい状況でございます。私
たち
の
考え
によれば、
日本教員組合
というのは、まさに文部
大臣
が言うごとく、破防法すれすれの
団体
であるということを、この数年間研究の結果、われわれはそういう信念を抱いておるものでございますから、そういう点もお
考え
いただきまして、われらの衆議院文教常任
委員会
全部がそうしたことに反対している、そうした
見解
に反対しているものでないということをお
考え
いただきまして、あわせて御
見解
を承りたいのであります。
長谷川保
21
○長谷川(保)
委員
ちょっと議事進行について。今
加藤委員
の
関連
質問
なるものは、
関連
質問
の対象でなく、
西村委員
の
質問
に対する
当局
の答弁に対して、何らかの影響を与えようとする意図のものであります。こういうことは不届きであると思う。だから、
加藤委員
が
質問
したければ、別個に
質問
すればいい。こういうようなことは、非常に遺憾だと思う。今の発言は、明らかに
当局
の答弁に対して何らかの影響を与えようとする、
関連
質問
に名をかりた発言であって、非常に遺憾だと思う。どうか
委員長
は、
委員
の
質問
に対してはその十分な自由を認めて、また
当局
の答弁に対しては、公正な答弁ができるように運営をしてもらいたい。
秋田大助
22
○
秋田委員長
承知いたしました。
藤井五一郎
23
○藤井説明員 お答えいたします。今の御
質問
の趣旨は、順序は違うかもしれませんが、先般荒木文部
大臣
が
日教組
は破防法すれすれの
団体
だということをおっしゃったが、これに対する
公安調査庁
の
見解
いかん、それからまた、要するに
日教組
は破防法に抵触するのではないか、こういう御
質問
だと思うのであります。その点についてお答えいたします。 破防法上の破壊的
団体
である要件は同法に厳格に定められておりまして、今日のところでは
日教組
において破防法に触れる疑いのある活動は、わが庁としては認められぬと思っております。従いまして、この
団体
については
調査
しておりません。それ以上この席で破防法との関係を申し上げることは、私としては差し控えたいと思います。 なお、荒木
大臣
から破防法すれすれのというお言葉があったようでございますが、文部
大臣
がどういう意味でこういう言葉を使われたか、その真意を伺わなければ、これに対してこの席でお答えするわけには参りませんが、ただ一言申し述べておきたいことは、今日までわが庁の
調査
によりますと、約三千余人の
日本
共産党員が
日教組
内におりまして、これが中央、
地方
の相当の組合の要職を占めて、共産党の指導のもとに運動を展開しておるという濃厚な疑いがあるのであります。従いまして、このような共産党の浸透という点から見ると、この党員数が示すがごとく、深く警戒を要するところであって、あるいは文部
大臣
もこの点を心配されてそういうことが出たのではないかと想像いたす次第でございます。
西村力弥
24
○
西村
(力)
委員
私の求める答弁は、あなたの方で
日教組
を破防法適用すれすれの
団体
として認定しているかいないか、これだけであります。あとのところは、あなたの立場からつけたりとして申されたのだろうと思うのですが、しかしあとの言葉でも、私
たち
は軽々しくあなたの言葉をそのまま容認するということはできないのではないか。共産党員が何人おるか、
調査
するのは御随意でしょう。しかし、あたかも共産党員がおることによって、その
団体
が破防法適用の可能性というか、すれすれであるというがごとき印象を与える答弁はよろしくないと思う。共産党は非合法
団体
じゃないでしょう。党員が幾らいようと、何しようと、そんなことは――それはあなたの方で内々に
調査
されることは自由でしょうけれ
ども
、こういう席において、共産党員が何人おるから、それが指導的立場を相当持っておるから、共産党の指導を受けておる、これがために
日教組
がいかにも破防法すれすれの
団体
に近いような、そういう意味において文部
大臣
の発言というものが容認されるがごとき御答弁というものは、われわれはあってはならないことだ、こういう
工合
に思うのです。あなた方の職務というものは、われわれは好みませんけれ
ども
、非常にデリケートな重大な仕事をしておるはずです。それなりに、発言なりあるいは
調査
の方法なり、すべて最も厳正な方向というものが常に堅持されなければならないと思うのです。ところが今の発言を見ますと、いかにもそれとなく印象づけようとする、あるいは
加藤委員
の発言に対する
一つ
のお答え的な心情も動いておるわけです。こういう御答弁でありますので、私
たち
はそういう御答弁というものをあなた方がやられることは少し軽率だといいますか、だんだんとあなた方の仕事というものが、そういう
工合
に共産党を非合法化するような方向に公然化しつつあるというような
工合
にも感じとしては受け取れるわけです。とにかく非合法
団体
、破防法すれすれの
団体
とか適用の
団体
としては
考え
ていない、そういう明言がございましたので、この
程度
ではっきりして、その点は打ち切りたいと思います。 次に、来
年度
の
予算要求
項目の中に
学校
調査
のことが
計画
されておると新聞で報じておりますが、この件は
調査
の項目それ自体にも相当問題がありますが、基本的にこの
調査
を絶対に必要とする理由は何か、こういうことは私
たち
としては非常に明瞭を欠くのです。個々の
学校
なりあるいは直接に管理しておる県
教育
委員会
とか、そういうところにおいては相当の
調査
資料を持つということはぜひ必要でしょう。臨時の配置やすべてそうでありますが、
文部省
で一々の
学校
の
環境
条件というものを
調査
させて、カードを備えさせて、そうしてやらないと
文部省
の行政がスムーズにいかないんだというような、こういうような
考え方
の基本に、私は非常な疑問を持つのです。その件についてどのような絶対的な必要性があって、こういう
考え方
を持たれたのか、まずそれをお聞かせ願いたい。
田中彰
25
○田中説明員 ただいまの
学校
の
調査
に関する御
質問
でございますが、実はわれわれの
考え
ておりますのは、全国の小
学校
、
中学校
につきまして、その
学校
の属しております
地域
社会、社会的な、経済的な、あるいは
教育
的な、その他の文化的ないろいろな条件を
調査
をいたしますのが一点、さらに個々の
学校
について、
施設
、
設備
の状況、
教員
の充足状況等を
調査
するのが第二点でございます。この二つの
調査
項目から成り立っておるのでございますが、この
調査
のねらいとするところはどこにあるかと申しますと、従来
文部省
においても、いろいろな
調査
をやります場合に、悉皆
調査
のできるものはこれは別でございますが、それのできない場合、すなわちサンプル
調査
をいたします場合に、従来は主として
学校
の規模によってサンプリングをしておるのでございます。
学校
の規模と申しますと、学級数が何学級から何学級までといったような幾つかの規模別に
学校
を分けまして、すなわち学級数に従って児童
生徒
数の大小ということになりますが、
学校
の規模別によるサンプリングをやっておるのでございます。そこでこのサンプリング
調査
の科学的な精密度と申しますか、これを高度に悉皆
調査
をいたしました場合とのギャップのなるべく少ない、精密度を加えるという意味から、先ほど申し上げました小
中学校
についてのいろいろな文化的な諸条件というものを
調査
いたしまして、その
調査
の結果を幾つかの類型に分ける、類型に分けましてサンプリングをいたします場合の基礎的な資料にしたい、こういうことで来
年度
の
学校
の
調査
を
考え
ておるわけでございます。
西村力弥
26
○
西村
(力)
委員
それは学問的に博士号をとるために
調査
するというのならば話はわかりますけれ
ども
、
文部省
が一々の
学校
の
教員
の配置の状況とか、
校舎
の状況とかいうことは、これは
府県
ごとの類型でこれで十分に国の施策というものは
考え
られるのじゃないか。一々の個々の
学校
の条件を
一つ
ずつ
検討
しないでは国の施策が当を得るわけにいかぬというのは、これはあまりに煩瑣に過ぎるじゃないか、そういうまことにごていねいなようでありますけれ
ども
、私
たち
としてはこれは官僚的だ、こういう評価をしたい、こう思うのです。官僚的というのは官僚的にでんとやって、このデスクの上で官僚の権限に基づく行政をやることが官僚的であると思うのです。またそういう
工合
に必要以上のそういうことをやることもやはり官僚的だと、私
たち
はそう
考え
ております。そういう点から言いまして、どうもこれをやる目的、必要性というものについて私が理解できないであるわけなんです。実際にこの
調査
をなさって、いかなる場合にこれを引き出して
調査
されるか、指紋カードなんかは、それは犯罪の発生事実だけ
調査
するでしょうけれ
ども
、こういうものを
整備
していつカード式にこれを抽出してそうして利用されるのか、一々の
学校
についてあの
学校
はどうだった、こうだったということをされるのかどうか、こういうことについて疑問なんですが、それはどうなんですか。
田中彰
27
○田中説明員 都道
府県
単位の類型によってこの目的を達するのじゃないか、何も個々の
学校
の
調査
は必要ないじゃないかという御指摘であったと存じますが、実はいろいろな要素、先ほど申し上げました社会的な経済的な
教育
的な文化的な、さような諸条件を総合的に
調査
をいたします。並びに当該
学校
の
教育
の諸条件も
調査
いたします。この両者をかみ合わせまして、
学校
を幾つかの類型に分けようというのでございます。都道
府県
単位でございますと、あまりに
地域
が広大に過ぎ、また同じ県内でありましても、類型の異なった
学校
があるということは十分予想されるのでございます。従いまして、われわれとしましては、個々の
学校
を
調査
いたしまして、それを一定の方式によって幾つかの類型に分ける。類型に分けましてそのサンプリングをいたします場合に、その類型の中から、
学校
を抽出いたしますれば、サンプリング
調査
というものが精密度を加えるのじゃないかということでありまして、それ以外に何らの他意があるものじゃございません。
西村力弥
28
○
西村
(力)
委員
大体お
考え
のほどはぼんやりですがわかって参りましたが、しかし
文部省
のなすべき文教行政の必要資料としての項目の中に、たとえばその
学校
内の公務員の政党所属、そういうものが文教
制度
とどういう関係があるのかというようなこと、あるいは生活条件とか、あるいは文化の普及
程度
とか、これは
学校
教育
で実際に子供を
教育
する場合には、これは
学校
で必要ですから、どこでもやっておるでしょう。しかし
文部省
の行政としてそういうことは必要あるのかどうかということになると、私
たち
はその
調査
項目の中に相当疑義を持たざるを得ないわけなんです。公務員の政党所属というようなことは、その
学校
のサンプル分類の場合にどういう意味を持つものか、これはどうも私はわからぬですな。まあ
父兄
の生活状況は、ずっとあそこは一般的に
父兄
が楽でないから、それじゃあそこの
学校
に経済とか何かよけいにやろうとか何とかいうならありがたいことですが、そんなことはないだろうと思うし、それはとにかくとして、政党所属の政治的条件ですね、党派別分布状態、こういうようなことはどういう意味を持つものか、
調査局長
はどういう
工合
に
考え
られておるか。
田中彰
29
○田中説明員 公務員の党派的な分布状況を
調査
するという
お話
でございますが、われわれ、公務員の党派的な分布状況まで調べるということは
考え
ておりません。
西村力弥
30
○
西村
(力)
委員
その点はそれでは新聞記事は誤まり伝えられた、こう思って、了解いたしましょう。これが現実に行なわれておれば、これは文部行政の中に、
調査
自体に政治的色彩が相当濃厚になりつつある、そういう
工合
に思っておったんですがね、まあこれでよろしいのですが、ただ私はここで
委員長
に申し上げたいのですが、本日
大臣
所用のために出られないということなんだが、あと
監理局長
も来てない。たとい休会中の審査でも、もっと誠意を持って
政府
当局
は私
たち
の審議に応じていただかなければならぬ。
委員長
これは
責任
を持ってやらなければならぬ。それから先ほど長谷川
委員
からも
お話
がありましたが、
関連
質問
については同県のよしみをもって私は黙っておりましたけれ
ども
、やはり審議の規律というものはあってしかるべきではないか。 以上だけ最後に申し上げて私の
質問
を終わります。
秋田大助
31
○
秋田委員長
次会は来たる十月十日午前十時より開会いたすこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三分散会