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石山委員 こうするああするということをおっしゃっておりますが、私は
人事院の
勧告を慎重に熱意をもって尊重するとおっしゃる
言葉にすがっているわけなのです。ですからあれこれの中に
公務員の
給与なんか入っては困りますよ。あれこれやっているうちになくなるのでは——あれこれはそれ以外の、たとえば防衛費は今年度増額分が百二十五億でしたか百二十億、それを四百億以上に上げるというのです。このあれこれならわかりますよ。四百億は少し多いのではないか。あれこれするうちに百二十億で押えるというならわかるけれども、
人事院の
勧告まであれこれの中に入れてしまって、消えさすような形をとるというのは穏やかでない。しかもこれは
給与担当大臣に私は特にお聞き願いたいと思いますが、これは
新聞等の解説でもついておるのですが、近来にない
公務員の
給与改訂なのです。これは先ほど浅井さんがおいでになりまして、いろいろなことを言われました。一部
手直しも
ベース・
アップだ、確かに一部
手直しも
ベース・
アップです。しかし
手直しは
手直しで、及ぶところと及ばないところがあるわけです。ですから
ベース全般から見れば、確かに上がっていますけれども、全然恩典を受けない方があったということが、今までの
経緯でございます。それからこれはおそらくあなたに
総理府の方からそれぞれお話をしているだろうと思いますけれども、
勧告をされても、
政府はああでもないこうでもないと言って、
勧告を受けなかった方が多かったのです。ですから、今までの
勧告は非常にそういう点では不幸な目にあってきておりました。石田労働
大臣がこの前の労働
大臣の場合でした。権利義務をはっきりしようというので、あのときは
勧告をそのまま受けました。そのまま受けたが、どういうことをやったかというと、それはやみ
給与を返せということをやった。そして三年も前に支給したのも合算させました。そしてあのとき国鉄は七、八百円あったけれども、今までお前
たちはやみ
給与を取っておったというので、百何ぼしか
給与を上げないということもあった。これが権利義務のお話です。今度は貸借がございません。私は今度いざとなったら、石田労働
大臣もここのところへ呼んで、労働行政上からして、彼が今度の
人事院勧告にどういうふうな態度を見せるかということを
ほんとうは聞きたい。けれども、まだその段階でないのですから、関係のある
皆さんにお話を申し上げているのですが、
高橋国務大臣、特に私はそういう
経緯があって、
公務員は
ほんとうにいろいろなことを言われているようでございますけれども、
給与の面では非常に恵まれない
立場でここ数年過ごしてきたということです。こういうふうな場合に、権利義務だけのお話で問題を片づけようとしても、これはやはりいかぬことだと思う。
人事院勧告が行なわれた。これは救済機関みたいなことになっておりますけれども、
政府の機関でございましょう。厳然としてあって、そこから妥当な
数字を——私は浅井総裁に冒頭にお聞きいたしました。大蔵
大臣、これは政治意図が含まれているのか。ちっとも含まれていない、全くの科学的な
操作でございます、正確な
数字でございますというふうに、浅井総裁は何べんも発言しているわけです。ですからこれは
ほんとうに
民間と官公との
給与の
立場がこの
通り開いているのだ、今年の四月において開いている、しかも過去においてはそれを補うようなことは何もなかったのですから、かりにもし今回あれこれの中に入れてしまって、変な減らし方をすれば、
ほんとうに私は困る、恵まれないことになるし、それから
皆さんの方から権利義務だけのお話をされるのでは、秋田の方言で言うと片一丁なことになってしまいます。そうでなくて、池田さんが
ほんとうに新しい政治をおやりになるとするならば、ここら辺で、おれ
たちだって何も
経営者だけを見ているのではないのだ、君
たちも見ているのだ、見ている証拠として——さっき申し上げたように、これはちっとも完璧なものではないのですよ。非常に不備、欠点を持っているのです。しかも
職階給で、
皆さんが考えている課長以上にうんとやるという案ですから、
人事院が
政府代表になったような
格好で
体系は作っているのです。それさえもいやなどというのでは、これはあなた
たちのいい
意味の手足になる子分どもにほうびをやらないということに通ずるのです。そこら辺も十分に考えてやったのか。次官に対して三二%上げようというこれです。いわゆる上に厚くして下に薄い、これさえもやれないというならば、私はあえて社会党づらをするのではないけれども、池田
内閣望みなし、修正資本主義などとおっしゃっているけれども、修正などなさる含みはない、こういうふうなことをまたこの
委員会でやり始めなければならないのですから、お互いそんなことにならないように、
勧告だけは十分に
一つ生かしていただくように御努力を願いたい。
きょうは初めでございますから、
委員長、約束の
通り十二時前に私は終わります。