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田中(彰)
委員 ちょっと関連して
畜産局長に
お尋ねしますが、この牧場を軽種馬協会とか中央競馬会に一応公共的なものだから払い下げをするからやれというような意向があるようですが、われわれの聞いたり、あるいはまた想像したりするところでは、これをそういうところに払い下げになっても、彼らがこれを国家が経営している以上に決して経営なんかできない。だから払い下げておいて、半年かそこらやってみて、そしてどうもこれはうまくいかぬから、これをボスどもの幹部連が分けて、おれはここを借りる、お前はそこをやれ、お前ここをやれというふうにして、ほとんど分け借り、それが最上で、最低なら、仕方がないからということで分け取りしてしまって、ちょうど牧場なんかも今買おうと思ってもなかなかまとまったものはないから、そういうような意図で運動しているんだ、こういう工合に、私はただうわさだけでなしに、相当のところから聞いている。それからまた、局長は割合はっきりしておられるようだけれども、日本の競馬界は、小笠原八十美さんがおられた時分からそうなんだが、私はほとんで博労の取引だと思う。たとえば馬をどこから買う。日本の馬ではいけないから、外国から自分の金を出して買ってきて馬の改良をしようという場合、農林省は
許可する。通産省も為替で
許可する。これは表面のことであって、やはりこういう場合も、軽種馬協会とか中央競馬会の
意見を聞いて、その
意見に従ってやっている。だから農林省というものは、中央競馬会とか、あるいは軽種馬協会に使われているのだ。その意向を聞いてやっているのだ。馬を今貿易の自由化で外国から買おうと思えば、通産省は為替を
許可する。しかし、私が十頭買いたいといった場合、あなたの方で
許可できない。その場合は、競馬協会に伺ってどうだ、今馬を入れられたのでは、馬の値段がちょっと下がるので困るとか、あすこだけ入れられたら困るというと、さようでございますかといってその意向を含んで、それに対して
許可とか却下ということをやっている。だから、こんなものを払い下げされるよりも、むしろ――この間なんかも藤井というこういうものの輸出入商が、東南アジアから馬を十万頭注文を受けたが、そのうちの千頭しかやれなかった。馬がなかった。東南アジアには農耕馬はこれから非常にいくし、
向こうでも日本の馬を買いたいが、ちょっと値段が高いとかいろいろなことでうまくいかないから、むしろああいうものは払い下げをなさらぬで、農耕馬とか――乳牛は片一方でやっておるから、食肉の牛とか綿羊などをもっとふやして、そうしてむしろこういうようなものにして、かえって大きくされて、どうしても国家で
一つくらいは、やはり経済から離れた
ほんとうの研究機関、
ほんとうにいいものを作っていただきたい。私は、この軽種馬協会とか中央競馬会なんかへ政府は援助され
る必要は何らないと思う。私は競馬馬を持っておりますが、こんなものは馬の改良にもならぬし、半分ぜいたくなものです。金のない人にはできない。労働者にやれといったってできない。そういうぜいたくなことをやっているんだから、もうこれは自分の金でやらせればいい。農林省がこれと組んで、
財産を払い下げてまで便宜を与える必要は少しもない。こんなものは百姓をやりたいという農民に分けてやればいい。団体なんかにやっても、やってみると、うまくいかない、そこでお前幾ら取れ、お前幾らというふうにみんなボスが取ってしまう今競馬会のボス連中は、牧場の買い物がない。民間から買えば高いので、
一つああいう建物のついたいいものを何とかうまく取ってやろうということで、そこでねらうのが
国有財産です。こういうように私は
考えておる。もう少しやはり局長、あなたの方から――たとい軽種馬協会は河野さんが監督しておろうが、池田さんが監督しておろうが、あなたの方が役所なんですから、あなたの方でこういうものを御監督になって、軽種馬協会だろうが、中央競馬会だろうが、こうだからこうしろ、ああだからああしろと御監督にならなければならないのに、あなたの方から
向こうに行って、これを
許可しようと思うが、どうだろうと
向こうの様子を聞いて
許可しておるのは、あべこべだと思う。今農家では二男、三男は耕地がなくて、一町歩、半町歩を争っておる。だから、むしろ払い下げになるとすれば、そういうものを一人当たり七町歩なら七町歩、五町歩なら五町歩、農民に分けてやるということならわれわれは大賛成だが、あんな競馬会のボス連中は困っていないのだから、むしろあんな者からは税金をよけい取ってやる。私も今競馬馬を持っておりますから、税金をうんと取られてもいい。もっと税金を取ってやればいい。あんな者に頭を下げる必要はない。この点から見て、私はあんな払い下げは絶対に反対だ。そこであるいはまたこういうことをお
考えになってみたらどうか。全国の二男、三男あるいは農業をやる青年が、研究するところがないから、私らの北海道の牧場に預けたり、あるいは牧場で
一つところに置けないから、農家の一軒々々に預けたけたり、あるいは新制の高等農業学校に預けたりしておるが、あれを道場にされて、幸いに建物があるから、あそこで綿羊を飼う、乳牛を飼う、役牛を飼う、馬もけっこうです。そういう道場にされて、国家で五千万、七千万かかってもいいから、金を出して、そういうものにすればいいと思う。ここに社会党の人もおられるが、あそこに働いてああいう生きものを
管理しておる人に、東京あたりから行って、やれ八時間勤務だの、給料を上げないとうまく
管理はできないのというようなことを言って、労働組合の攻勢――どんな外国に行ったって、生きものにはそういうことはない。これは日本だけにあるのだから、そういうものについては、あなた方の方でいろいろ経営される上において、そういう問題を出して協議されるのはけっこうだ。あれを競馬会のボスなんかに払い下げするのは、局長さん、みっともない。おやめになった方がいい。私にくれるといっても、私は要らない。私はいい馬を持っておるから、うんと税金をとってもらっていい。そういうことに対して私は賛成しているのです。だから、あれをお払い下げになるのじゃなくて、もしおやりになるなら、青年男女の道場にして――ちょうどいいでしょう。夏なんか行って、あそこを道場になさる。さもなければ、農耕馬をふやして、そういうものの研究をなさるとか、あるいはまたこれは経営上いけないからおやめになるとか、あそこに勤める人がやりたくなければ、百姓に三町、五町と分けてやる。二千何百町もあるのだから、そういうことをやられたらいい。そういうことなら何だけれども、それ以外はいけないと思う。それからあなたの方でおやりになるとしても、農林省の設置法の三十三条という
法律を改正されて、これを
普通財産にして、それを今度まただれに払い下げする、これに払い下げするということになる。そんな中央競馬会なんかにやるなら、われわれだって払い下げにかかるというようなものが出てくるから、そんなめんどうなことをなさるより、局長さん、あれを拡充されて、もう少し何か青年男女の訓練所とか、北海道は牛の肉がまずいとかいうことになるから、そういうものをうまくするような種畜場を作るとかなんとか、拡充されてやられるなら何だけれども、あんなボスが、自分は牧場がないから、それを利用してうまく分け取りしようなんという、そんな作戦に、局長なら頭がいい方だから、そういうものを御存じだからお引っかかりにならないようにやっていただきたい。政務次官も、もと決算
委員なんかでだいぶやられた方だから、そこはちゃんとわかっている。ボスなんかに払い下げはしない。それなら青年に分けてやったらいい。競馬をやるようなものは金があるから、もっと税金を納めて、それでやるというふうにやられた方がいい。私は、そういう払い下げをやられるようだったら、政治生命をかけて戦うから、どうぞそういうつもりでいてもらいたい。