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1960-08-31 第35回国会 衆議院 運輸委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年八月三十一日(水曜日)     午前十時四十二分開議  出席委員    委員長 永田 亮一君    理事 生田 宏一君 理事 川野 芳滿君    理事 木村 俊夫君 理事 關谷 勝利君    理事 井岡 大治君 理事 久保 三郎君    理事 土井 直作君       赤澤 正道君    秋山 利恭君       荒舩清十郎君    塚原 俊郎君       原 健三郎君    福家 俊一君       淺沼稻次郎君    島口重次郎君       内海  清君    菊川 君子君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 南  好雄君  委員外出席者         運輸事務官         (大臣官房長) 辻  章男君         気象庁長官   和達 清夫君         専  門  員 志鎌 一之君     ————————————— 八月三十一日  委員赤澤正道君、竹内俊吉君及び福家俊一君辞  任につき、その補欠として堤康次郎君、大久保  留次郎君及び千葉三郎君が議長指名委員に  選任された。 同日  委員大久保留次郎君、千葉三郎君及び堤康次郎  君辞任につき、その補欠として竹内俊吉君、福  家俊一君及び赤澤正道君が議長指名委員に  選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  台風第十六号による運輸施設被害状況等に関  する件      ————◇—————
  2. 永田亮一

    永田委員長 これより会議を開きます。  陸運、海運日本国有鉄道の経営、港湾海上保安及び気象に関する件について調査を行ないます。  この際、先般の台風第十六号による運輸施設被害状況について、辻官房長より説明を聴取いたします。辻官房長
  3. 辻章男

    辻説明員 お手元に一枚刷りの資料を配付いたしましたが、台風第十六号に関する被害運輸省関係につきまして、簡単にこの資料によりまして御説明を申し上げたいと思います。  この資料は、八月三十日の午後四時現在の調べでございます。  まず第一に国鉄関係でございます が、これは不通個所は三線区、四カ所でありまして、山陰線保津峡—亀岡間、それから並河—亀岡間が不通に なっておりますが、開通予定は九月三日の予定でございます。それからなお福知山線では、生瀬—武田尾間が、浸水、落石、土砂崩壊のために不通になっておりますが、本日の十七時には開通見込みでございます。それから紀勢線は、徳和—多気間が、橋梁傾斜のために不通になっておりますが、三十一日の八時には開通予定でございます。なお、一時不通になりました が、東海道、山陽、土讃線等は二十四ヵ所の被害がございましたけれども、すでに開通いたしております。  それから私鉄関係でございますが、神戸電鉄が状況不明でございますが、なお不通でございます。それから北丹鉄道福知山—下天津間が冠水のために不通に相なっております。それから京阪神急行は京都のそばの桂—西院橋脚沈下のために不通に相なっております。  それから船舶関係でございますが、いろいろ小型船が多いのでございますけれども、大体四十五隻で約五百トンという程度被害にとどまっております。それから海上保安庁航路標識関係でございますが、灯浮標が二基流失いたしまして、一基が移動いたしておりす。それから霧信号が一基休止いたしております。それからなお灯台、導灯、灯標合わせまして十五基がなお消灯中でございます。近く復旧の見込みでございますが、現在は消灯いたしております。  それから港湾関係でありますが、ここにございますように、石川県、広島県、徳島県、香川県、高知県、大分 県、この県下にわたりまして総額一億三千万円、概数その程度被害がございまして、一番大きいのが高知県の約八千万円というところでございます。  はなはだ簡単でございますが、とりあえず三十日の午後四時現在の状況を御説明申し上、げました。
  4. 永田亮一

    永田委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。關谷勝利君。
  5. 關谷勝利

    關谷委員 和達気象庁長官にお尋ねをしたいのですが、この間からの台風で、十四号あたりも反転をしたということでございますが、あの進路等も当初気象庁が発表いたしておりましたのとだいぶ違っておるようでありましたし、その後の台風情報あたりにおきましても、進路予測というものがだいぶ誤っておるようでありますが、これはいろいろな関係もあるとは私たちも思います。たとえば南方定点観測が廃止されて以来南方状況がわからないというようなことも、一つ原因であろうと思いますけれども、その後もいろいろな手段を講じてやっておられるというのでありますが、あの南方定点観測がなければどうしてもやれないのか、またこれにかわる方法がどこかにあるのか、八丈島とかどこかそういうようなところに何かの施設をすればいいというのか、そういうようなところを台風進路等を確実に予報するための方法としてどういうふうなことを考えておるのか、この点を承っておきたいと思います。
  6. 和達清夫

    和達説明員 本年の台風は、御承知のように小型のものが多く、例年と少し様子が変わっておりまして、進路予測が非常に困難でありましたために、そのうちの幾つかは、その進路予測が十分でなかったと存じております。しかし、全体を見ますと、昔の台風進路予想よりははるかに進んでおると存ずるのであります。ただ現在における要求が、ますます精密を要求される時代でありますので、私どもは最大の努力を払って、さらに確実なる気象予測いたしたいと存じております。南方定点観測お話がございましたが、南方定点、すなわち土佐沖にありますところの定点観測は、例年五月から十月にかけて行なっております。この定点観測を続行するにあたっては、観測船運営に当たられる海上保安庁が困難を克服され、多大の努力をされております。観測員気象庁から派遣いたしまして、現在その使命を達していると私は存じております。  なお、洋上の台風のことでありますので、観測資料不足であるということは申すまでもございません。近年発達いたしましたレーダー技術をもちまして、できるだけその不足をカバーするように努力いたしております。そのうちでも、島におきまするレーダーの威力は非常に高く評価されるべきものと存じ、たとえば八丈島とか鳥島とかいうところにもできるだけ据え付けたいと計画いたしております。なおレーダーは据え付ける場所の関係及び日進月歩の技術を取り入れるためにそれらを十分にきわめまして、最も有方妥当な器械の設備をしたいと思っております。
  7. 關谷勝利

    關谷委員 施設が不十分であるためというようなことが原因であるというふうなことはよくわかっておりますので、今いろいろな計画をしておられるそうでありますが、予算要求等の際にはそういうふうなことを全部さらけ出して、こういうふうなものがなければこういうふうなことができないんだということを、よく説明をしておいていただきたいと思います。気象庁の今までの予算要求というものが一番下手で、あなたの答弁も一番下手なんです。そこで、こちらが質問をして水を向けたときには、そういう施設がなければやれませんということをはっきり言った方がよい。それを何かもじゃもじゃ言っておる。あなたの答弁がそういうような答弁だと、まだそこまで必要でないんじゃないかということを誤解されるおそれがありますので、はっきり言って下さい、その点を御注意申し上げておきます。  それから、質問はこれで終わりますが、これは大臣にお願いですが、実は交通部会でも以前から問題になっておりましたし、財政部会でも取り上げまして問題になっておりますのが国家共有船の問題です。端的に申しますと、その中でも第一次から第四次までに計画造船として作られて、日本経済復興のために多大の貢献をいたしたのでありますが、その一次から四次までの計画造船国家共有船といわれておりまして、これが何といいますか運命の船ともいわれておるくらいでありまして、このくらい不幸な目にあっておる船はないのであります。大臣もすでにお聞き及びかとも存じますが、これは戦後経済復興のためにはなければならないので、国の要請によりましてこれが船舶公団というか、国と船主等共有で作った船であります。最初はこれは徴用はしないのだ、日本再建のために必要欠くべからざるものであるから徴用はしないのだ。なお運賃物価庁の許可を得た運賃、すなわち若松—阪神間あたりを一例にとって申します、千二百十五円くらいまで払うというふうな約束で、自営ができるということで作った船であります。竣工いたしましたところが、これは百トン以上の鋼船だから自営を許さぬのだ、運営会に引き渡せということで、これがまた徴用せられたのであります。しかもその運賃といいますものが、最初千二百十五円と言ったやつが六百二十円しかもらえなかったということで、そこいらでも大きな食い違いがありますが、GHQで押えられたままで、非常に不遇な目を見たということでありまして、その後船舶公団が解消いたしまして買い取りを強要せられたりいろいろしたのでありますが、買い取りのできなかったものは大蔵省の方へ国の普通財産として引き継がれましたために——特殊財産とすればよかったのでありましょうが、それが普通財産として引き継がれましたために、非常に苦労をいたしております。しかも固定資産税は国の持ち分が七割、船主が三割持たなければならぬ。保険料も全部持たなければならぬ、修繕費も持たなければならぬ、こういうふうなことで、三割で全部のものを負担してきたというふうなことであります。後に買い取りができなかったものは債権化せよというふうなことで、期限がきたものは債権化せられまして、それは金利が五分五厘のものは八分につり上げられ、延滞日歩は四銭というふうなことであります。まことに情けも何もないやり方で、大蔵省は、これはやむを得ぬと思いまするが、債権管理法によってやっておる。そのためにF型あたりを持っております船主は、すでに倒れたものが十社であります。しかもこういうふうな階級は政治力も何もありませんので、黙ってそのまま見ておった大手筋あたりに保護を受けておって、それで助けられて買い取ったものもあり、いろいろ資産があって買い取ったものもありますけれども、この船だけでやったというものは全部これは倒産をしておるのであります。この間も大蔵省あたりが非常にきつい取り立てをいたしましたために、取り立てられたあげくに直ちに倒産をしたという東大汽船というふうなものがあるのでありますが、ほうっておきますとこれからも全部倒れてしまいます。戦後、国の要請によって経済復興に協力しながら、その損失をずっとかぶって参りまして、そのためにつぶれるというふうなまことに哀れな状態でありますので、交通部会といたしましては、これの救済をしなければならぬというために、利息の減免ができ、支払いも特に情勢によってはこれは延期しろ、延ばすことができるのだというふうなことで法律改正をやって、特例を設けてこれを救済しようというふうなことを財政部会へ向けて要望いたしております。そうして財政部会も取り上げまして、昨日決議いたしましたのは、これは事務的には解決がつかないのだから、南大臣水田大臣との問で話し合って解決してもらおう、そうして法律改正まで持っていってもらおう、なおこの両大臣話し合いが終わるまでは取り立てば延期するというふうなこと、これを財政部会の方からも両大臣に申し入れをする、こういうふうなことになっておりますので、この点につきましては大臣がぜひ御努力を願いたいと思います。池田総理大臣は情味のある、情けのある政治をしよう、こういうふうなことであります。その方針に従って南大臣もそうであろうと思いますが、南大臣の一番先に着手をいたしました、人情味のある、情けのある政治の第一歩をこれで踏み出していただきたい、こういうふうに考えますので、ぜひ一つ大臣の御尽力をお願い申し上げたいと思います。
  8. 南好雄

    南国務大臣 關谷委員お話ありました船舶公団の解消後におきます共有船の跡始末問題につきましては、私就任の際事務当局からも一応の話を聞いたのであります。ただそれが事務的には非常にうまくいってないようなお話も承っておったので、その後大蔵大臣とも話をしておるのであります。ただいま承りますと、財政部会の方でも特別の御配慮がしていただけるようなお言葉を承りましたので、大蔵大臣との交渉においても、その点が強く出るような、問題の解決がさまでむずかしいことでもないように考えられます。ところが何を言いましても、長い間かかってなかなか解決できなかった問題でありますので、しょせんは法律改正でもやって特別に扱うというような処置をやらなければ、根本的の解決が困難だろう。しかしそうは申しましても、できるだけ管財局長海運局長と事務的に話をさせまして、詰めるものは詰めて最後の結論を、一つ大蔵大臣と私は話し合いをしに参ろうと思います。総理にも場合によってはよくお話し申し上げ、事実私どもやっていけないものをやれというのは無理でありますから、やれるようにしてやるように、できるだけ一つ尽力させていただきたいと考えております。
  9. 關谷勝利

    關谷委員 御参考までに申し上げておきますが、財政部会ではすでに三回この問題で開きまして、一回、二回と満場一致で、これは救済すべきものだ、無理であるというふうなことを認めまして債権管理法特例を設ける、こういうふうなところで意見が一致しております。それからなお大蔵省管財局がそういうふうなことを財政部会できめておるのにもかかわりませず、やはり第一線の出先の財務局あたりを督励いたしまして、無理な取り立てをいたしておりますために、現実に倒れたものもできたというふうな状態でありますので、財政部会は全部一致してこれに協力をするという建前をとっておって、法律改正もやろう、こういうところまでいっております。ただし管財局は非常に頑迷であります。きのうあたりもずいぶん言うておいたのでありますが、これを海運局長管財局長との間の交渉にまかせましても、なかなか行き詰まって解決できません。事務的の交渉ではなかなかできない。財政部会満場一致で決定いたしておりましても、それに対してもなお反抗するような態度をとっておる管財局であります。頑迷この上もない、情けも容赦もあるものではありません。まるで冷血動物のようなものの言い方をするところでありますので、これは事務的にばとうてい進まぬと思いますので、大臣同士の折衝で政治的に折衝していただくことが非常に急がれておるというふうな状態でありますから、この点御参考までに申し上げておきます。
  10. 永田亮一

    永田委員長 他に御発言はありませんか。——次会は明九月一日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午前十一時一分散会