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国務大臣(赤城
宗徳君)
本土作戦をするという構想は驚くべきことだ、こういうことでありますが、私が再々申し上げておりまするように、
日本のこの自衛隊の維持強化という点も、戦争の抑制力として、戦争を起こさない、あるいは局地的な紛争が起きたときには、これを小さいうちになくしていくという方針でいっておるのだということは、再々申し上げておる
通りであります。ただ御
指摘が、
日本へ上陸した場合にはどうだこうだ、こういうことでありますから、そういう場合には捨てておくわけに参りません、こういうことを言ったのでありますから、その点は誤解のないようにお願いいたします。
第二次防衛
計画の構想はどうかということであります。これは国防会議の議を経ておりませんから、今的確に申し上げることはできませんけれども、防衛庁長官としてどういう考えかということであります。三自衛隊、陸、海、航空、の三自衛隊が個々ばらばらであってはいけないと思います。しかし、これを一体化する、一つにまとめるということもこれは考えられませんが、この三自衛隊の連絡協調を一そう強化していくということが、一つの
考え方としてとられるべきだと思います。
それからもう一つは、装備等でありますが、装備等も近代化していかなければならぬと思います。いつまでも古いものでやっていくというわけには参りませんので、科学の進歩に伴って近代化していく。それから財政等の点、その他の点から考えましても、この装備その他につきましても、これは効率化といいますか、効率化をはからなければならぬ、こういうのが基本的に考えられることだと思います。
三自衛隊についてどういうふうに考えるか、こういうことでありますが、陸上自衛隊につきましては、第一次
計画の最終年度におきましては、兵員におきましては十七万一千五百人ですか、こういうふうな兵員に相なりますが、また第一次
計画の最終は十八万を大きく上回らない程度の陸上の兵員を必要とする、こういうふうに考えられておったのでありますが、第二次
計画の最終年におきましても、私は、兵力量につきましては、陸上自衛隊では十八万を大きく上回ることはない、こういう目標でいくべきだと、こういうふうに思っています。それから建設部隊を増強して、国の行政活動、民生協力の一環たらしめる、こういうのも考えなくちゃならぬということで、先ほどから御
質問も相当ありましたが、民生に協力するという面から、災害に対処するというような増強方面も考えておるわけであります。それから、編成等につきましては、管区隊及び混成団の編成を、
日本の国土とか地形等に適合したものに改編する。でありまするから、一管区隊の人員が一律的に何人というようなことではなくて、やはりその差はあってもよろしい、こういうふうに考えております。
海上自衛隊につきましては、再々申し上げておりまするように、まだ非常におくれております。海峽に対して封鎖されることを防ぐとか、あるいはまた輸送に対しての遮断を防ぐとか、あるいはまた潜航艇、潜水艦に対しての哨戒等をする、あるいはまた掃海をする、こういうようなことで質量ともに相当程度の増強を考えなければならないと思います。第一次
計画におきましては、トン数におきましては十二万四千トンということでありましたが、第二次
計画の最終年には十五、六万トンくらいのものを必要とするというふうに考えております。ことにこの艦艇におきましては、老朽化したものが相当ありますので、漸次これを更新していく必要もあると考えております。
航空自衛隊等につきましては、今の戦闘機等を、これは第一次
計画の最終年度として考えられ、本
予算におきましても債務負担行為として御
審議を願っておるわけでありますが、こういうのを増強していく必要があります。
それから三自衛隊共通の問題といたしましては、航空等につきましては人の乗る有人機が、この無人機といいますか誘導兵器にかわる傾向が非常にありまするし、これがまた防空上非常に効率的でありますので、戦闘機等を全部なくするというわけには参りませんけれども、そういうものにかえていくべきだ。でありまするから、航空機等におきましても、ことしの
予算においても御
審議を願っておりますが、サイドワインダーというような誘導兵器を入れるということ、あるいはまた船につきましては地対空のターターというような、警備艦及びそれに装備するものを必要とするというような、あるいはまた陸の地対空のものといたしましては、ナイキ・アジャックスというようなものを装備していきたい。しかしこれはいずれも核弾頭をつけるというようなことではございません。そういうような構想を持っております。
しかし繰り返して申し上げますように、こういう構想のもとにいろいろ検討いたしておりますが、まだ国防会議の議も経ておりません。財政的な
予算との見通しというような検討も尽きておりませんので、その点をお含みおき願いまして、申し上げた私の構想を御了承願いたいと思います。