○一松定吉君 各大臣の御
答弁で十分の満足をいたしませんけれ
ども、一つそれは必ず実現をせられまして、ほんとうにわが国を世界有数の観光国といたしまして、外人を誘致し、外貨の獲得をやって、そうして国民の収入をふやし、一面には国民が喜んでこれらの土地を利用して生活の安定や健康の保持に努めることができるようにということに一つ十分に御尽力あらんことを特に私はお願いしておきまして、観光国策に対する
質問はこれで終わります。
次には、治水問題につきまして少しく
政府に伺います。
政府は三十五年度から向こう十ヵ年の治山治水特別会計を設けまして、前期五カ年の間の治水事業費が四千億円、治山事業費が五百五十億円、また後期五カ年間に五千二百億円の治水事業費、七百五十億円の治山事業費を計上しておりまするが、昨年の大水害にかんがみまして、私はこれは当然の処置であると考えるのであります。また、大蔵省なり建設大臣がこういう予算の成立に御尽力に相なったことは私は満足をいたしておりまするが、この際一つ確かめておきたいことは、去る
昭和二十八年の北九州を初め各地に発生いたしました大水害のときに、二度とこういうような水害は繰り返すことのないようにとの考えから、
昭和二十八年八月二十六日に
政府部内に治山治水対策協議会というものを設置されまして、そうして緒方副
総理が会長となり、
関係閣僚及び学識経験者を会員といたしまして、建設、農林の当局者もこれに
関係をし、根本的に水害を根絶しようという
趣旨で調査研究の結果でき上がったものが同年十月十六日に
政府から公表いたしましたいわゆる「治山治水基本対策要綱」であります。このことは、国会の
速記録でも明らかになっておりますし、またその際に、国会ではせっかくこういうりっぱな政策のまとまりができたのだから、この治山治水の基本対策を、これを裏づけるところの資金計画をしなければならぬ、そうでなければこの計画は画餅に帰するからということを論じた者もあり、また
政府は何分にも莫大な経費を必要とするのであるから、この点は今後の研究にゆだねるという
答弁があったことも、この国会の会議録に明記せられていることは皆さん御承知の
通りであります。そうして二十九年度以後も治水予算はむろんこの基本対策を満たすに足らないわずかな予算ではありましたけれ
ども、歴代の建設大臣がこの基本対策を基礎にして治水の予算を計上したことは、これは
速記録に明らかに認められます。つきましては、明年度から治水の特別会計に計上される多額の治水費は、これに
昭和二十九年度以降三十四年度までに支出した災害復旧費を除きました治水費を加算すると、治山治水基本対策要綱で決定された治水費の大部分を満たすことになりまして、長年の懸案でありました治山治水基本対策要綱に基づく治水事業が今度は軌道に乗って来年度からはこれを発足することができるという
解釈が至当だと私は思われて非常に喜んでおりますが、この私の
見解は建設大臣におかれましても同様のお考えで、必ずこれを一つこの基本対策要綱に基づいて実施するというかたき御決心をお持ちになっておりますかどうですか、この点を一つ承ってみたいのであります。