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1960-06-01 第34回国会 参議院 本会議 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年六月一日(水曜日)    午前十一時九分開議     —————————————  議事日程 第二十九号   昭和三十五年六月一日    午前十時開議  第一 運輸省設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第二 航空法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第三 薬事法案内閣提出)  第四 薬剤師法案内閣提出)  第五 医療金融公庫法案内閣提出衆議院送付)  第六 公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)     —————————————
  2. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ─────・─────
  3. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。  村上国務大臣から、津波による災害報告について発言を求められております。この際、発言を許します。村上国務大臣。    〔国務大臣村上勇登壇拍手
  4. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 政府を代表いたしまして、去る五月二十四日、本邦太平洋沿岸各地に発生いたしました津波災害につき、その状況を御報告申し上げます。  まず、このたびの津波による多数の犠牲者被災者方々に対し、つつしんで哀悼の意を表しますとともに、心から御見舞申し上げます。  今次災害の原因をなしました津波は、史上最大級のものといわれるチリ沖の大地震によるものでありましてその規模も全く予測を越えたものであり、ために、北海道並び青森岩手宮城の諸県を初め、広く本邦太平洋沿岸各地に大なる被害を生じたものであります。被害状況は、現在までに判明いたしましたところによりますと、次の通りであります。まず、人的被害につきましては、死者百十四名、行方不明二十五名、負傷者八百七十二名、罹災世帯三万一千八日七十世帯罹災者十六万六百三十八石に達しております。次に、建物の被管は、全壊一千五百七十三棟、流失一千二百五十九棟、半壊二千百九十一棟、床上浸水一万九千八百三十五棟に及んでおります。  農林水産関係につきましては、漁船、漁港、養殖関係等、特に水産関係に甚大な被害を受け、公共土木施設につきましても、海岸港湾等相当被害を受けております。ただいままでに報告のありました被害額は、農林水産関係約百五十六億円、公共土木施設関係約五十五億円であります。  今回の災害に対し、被害の著しい市町村においては災害救助法が適用され、その数は十県三十四市町村にわたっております。これを県別に申しますと、宮城県十一、岩手県六、三重県六、和歌山県四がおもなものであります。  政府といたしましては、このような被害に対処するため、直ちに緊急関係事務次官会議を開き、災害状況把握に努めるとともに、対策を協議いたしましたが、さらに二十五日に内閣津波災害対策本部を設け、災害救助及び復旧対策の推進に万全を期しております。  また、関係各省庁におきましても、即日係官を現地に派遣し、災害状況把握現地における応急措置に当たらせ、さらに厚生、農林運輸建設大臣を、政府を代表して著しい被害を受けた地方に派遣いたしました次第であります。  現地におきましては、災害発生にあたり警察を中心として直ちに避難救護措置をとりましたが、さらに被災者に対する応急救助措置といたしまして現地に食糧・衣料等を急送いたしますとともに、医療対策防疫対策についても万全を期しており、また、自衛隊関係部隊約六千九百名及び艦船航空機等出動させるとともに、海上保安庁非常配備につき、それぞれ救助復旧等措置を講じておる次第であります。なお、著しい被害を受けた地方公共団体に対しましては、すでにつなぎ融資の手配を講じております。  以上、現在までに判明した災害状況並びに応急措置について御報告いたしましたが、政府といたしましては、さらに被災地における復旧資材復興資金の確保、住宅復興促進等、民生のすみやかな安定をはかりますとともに、公共土木施設農林水産関係施設等の早急な復旧に努め、災害対策に万全を期する所存であります。  以上をもちまして私の災害報告を終わります。(拍手
  5. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。高橋進太郎君。    〔高橋進太郎登壇拍手
  6. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 私は、参議院自由民主党を代表いたしまして、ただいま政府より御報告のありました、去る五月二十四日未明、東北各県、北海道三重和歌山県等、表日本太平洋沿岸来襲いたしました津波による災害に関し、これが対策について、総理初め関係所管大臣にその所見を伺わんとするものでございますが、まず、今回の津波によりまして一瞬にして肉親を失い、家屋家財を流失し、農地漁船、漁具、水産施設、商店の商品等生活手段を喪失せられた人々に対しまして、参議院自由民主党の名において、心から深甚なる御同情を申し上げるものであります。(拍手)  ただいま御報告にもありました通り、今回の津波は、太平洋反対側より一万八千キロの大海原を横断して、約二十二時間、時速七百五十キロ、ジェット機並みの速度で来襲したもので、東北北海道沿岸には最も大きな被害を与えておるのであります。その波の高さも、昭和八年の三陸津波よりもはるかに高く、七メートルないし四メートルとなっておるのでございます。  そこで総理にお伺いいたしたいのでございますが、現地におきましては、今回の津波舶来津波と称しております。これは、従来の津波地震等何らかの前ぶれを伴っておりましたが、今回は文字通り寝耳に水という言葉通り一瞬に来襲し、津波警報来襲発令されたような状況で、全く罹災民着のみ着のままで避難し、家財その他、何ら持ち出すいとまもなく、命からがら逃げ出し、従って、先ほどの御報告にもございました通り死者が百数十人を数えるというありさまでございます。農林大臣も、従来の災害に比し、今回の被害は個人的な被害が多いので、特別にあたたかい措置を講ぜねばならないと現地で言っておられましたが、政府はこの災害特殊性にかんがみて伊勢湾台風の例にならい、かつ、その特殊性をも十分考慮して特別なる立法をせられるかどうかという点についての御所存を承りたいのでございます。災害の直後、一部には、年度の初めでもあり、予備金をもって措置せられるならば足りるかのごとき所論があったのであります。しかしながら、先ほど申し上げました通り、今回の災害は零細なる農漁民あるいは零細なる商工業者生活に深刻なる打撃を与えておるのでございまして、たとえば罹災市町村または罹災者に対する租税の減免であるとか、高額補助への改定であるとかあるいはもろもろの融資条件の緩和であるとか、どうしても従来の法制では救えない部分があるのでございまして、これはどうしても特別立法措置を講じなければならないのでございます。しかるに、罹災地におきましては、現下の政情にかんがみ、その点を非常に異口同音に心配しておるのでございますが、政府は今回の災害に対して、今国会においてこれらの罹災実態に沿うような立法措置を講じて、その災害に万全の措置を講じていただけるかどうか。その点につきまして総理の御所見を承りたいと存ずるのであります。  次に建設大臣にお伺いいたしたい。今回の災害を親しく視察せられ、御報告がございましたが、従来の他の地域災害の場合と比較いたしまして、公共事業に対する被害が少ないのでございます。しかし、これは公共事業に対する被害がないのではなくて、今回の災害地方はおおむね僻地未開発土地でございまして、公共事業自体に恵まれない地方であります。公共事業自体が及んでいない地帯であって、今なお連絡が不十分で、被害実態さえもっかめないという所もございますが、たとえば東北地方三陸一帯ごときは、陸上の離島とも言うべきで、地続きにこれを連絡する道路もなく、辛うじて海路によっておりまするが、今回の津波で船による交通を失い、その連絡も絶えておる状況でございます。建設大臣はこのたびの災害を機会に、これら地方実態を十分把握せられてあるいは道路建設、防波堤の築堤等公共事業の振興に意をいたされて、これら地方民の天災に対する不安を根本的に除去していただきたいと思うのでございまするが、その所見をお伺いいたします。特にお伺いいたしたいのは、住宅の問題でございます。ごらんごとく、壊滅した家屋を前にして、着のみ着のままで避難いたしました罹災民は、施すに手がなく、従って、従来の住宅融資方法では、これが解決方途がつかないのであります。少なくとも罹災家屋建設ワクを大幅に増額するとともに、公営住宅等零細罹災者に対する住宅対策につきましては思い切った施策が必要であり、あるいは住宅建設融資条件等も、従来のような融資条件ではとうていまかなえないのでございまして、これは今回の罹災実情に沿うように対策を立てる必要があると考えておりまするが、これに対する建設大臣の御意見をお伺いしたいと思うのであります。  次に農林大臣にお伺いいたします。大臣現地を視察せられまして、従って、惨状が意外に深刻であることを痛感せられ、あたたかい言葉を与えられましたことに対して、地方民は感謝しておりまするが、農林大臣ごらんになられた通り、今回は、たとえば水産関係におきましても、ミトン以下の漁船が五千隻以上も被害をこうむり、養殖事業特に零細なるノリカキあるいは真珠養殖等施設に甚大なる打撃を与え、かつ零細水産加工事業者等、いずれも明日よりの生業に不安を抱き、ぼう然としておるというのが現状でございます。従って、これら農漁業水産業者に対し、立ち直りの対策を立てることが急務であると考えるのであり、しかも従来の助成方法ではとうてい解決のできない問題を含んでおるのでございまするが、農林大臣は、これに対する対策として立法措置並びに行政措置としていかなる方途を考えておられるか、御所見をお伺いしたいと存ずるのであります。  次に運輸大臣にお伺いいたします。今回の津波は、地震を伴わない不慮の津波であって、これが警報発令は、津波来襲発令をせられておりますが、所によりましては、従来の経験に徴して、津波来襲を予知いたしまして、一時間前に警報を発しているのでございます。たとえば宮城県のある町村におきましては、同じような人口五、六千程度の町でございまするが、一方におきましては、そういうように一時間前に警報を発しておりますので、同じような被害状況があるけれども、人命にはほとんどその被害はございません。ところが、片方の町におきましては発令がおぐれましたために、五十数名の死者を出しているというような工合でございます。従って、これらにかんがみまして、気象関係、特に予報気象に関しまして、総合的かつ実際的にこれを整備いたしまするならば、将来これらの被害に対しまして、これを未然に防げるのではなかろうかと思うのでございまするが、運輸大臣は、この気象特に予報気象の整備に関してどう考てておられるか。また、今後の対策はどうであるか。お伺いいたしたいと思うのであります。なお、被災地港湾には、今なお多数の船舶が沈没し、船舶の航行が不能の状況にありまして、これが掃海はとうてい地方団体が単独ではやれないという状況でございますが、これが措置についてお伺いいたしたいと存じます。なお、今回の罹災地は、先ほども申し上げました通り、まことに公共事業といっても少ないところのいわゆる未開発地域でございましてしかも零細者が多いので、従って、たとえば鉄道建設ごときも、これを繰り上げ施行いたしまして、明るい希望をこれら地方民に与えるとともに、就労態勢の一助にもする必要があると考えられますが、その所見についてお伺いいたしたいと存じます。  次に労働大臣にお伺いいたします。これら罹災者は零細なる半農半漁の人々が多数でございます。従って、手近に就労の職場がなく、かつ生産手段を失っている状況でございますから、どうしてもこれが就労態勢を整備し、かつ就労日数ごときも、従来の月間二十日程度の基準ではとうてい救うことができないと存ずるのでございますが、これが対策につきましてお伺いいたしたいと存ずるのであります。  なお、防衛庁長官にお伺いいたします。今回の災害にあたりまして、自衛隊活動は、全く地方民の感謝の的になっております。先ほども申し上げました通り、今回の災害は、一瞬のできごとであり、しかも罹災地は全町村、全部落に及び、町村吏員全員罹災し、消防機関地方機関活動が停止するというような状況でございました。従って、自衛隊がいち早く出動して、救助のことはもちろん、橋をかけたり、道路建設飲用水運搬等のほか、糞尿の始末、清掃事業防疫対策等災害地における万般の救護作業を、しかも不眠不休で敢行せられたのであります。これを見ましても、自衛隊は全く非常時における国民機動隊の役目を果たしております。今後も自衛隊のこの機能を充実いたし、かつ整備して、国民の要望にこたえられたいと存ずるのでございまするが、長官のこの点についての所見をお伺いいたしたいと存じます。  最後に、私は自治庁長官並びに大蔵大臣にお伺いいたします。  今まで申し上げましたように、今回の罹災地は、未開発地方であり、一町村部落皆滅したような状態で、従って地方町村が自力で災害対策に当たるということはきわめて困難でございますとともに、その租税負担者が皆滅しておる状況でございまするので、地方財政については、個々の町村実態をよく把握いたしましてあるいは補助率引き上げ起債ワク拡大特別交付金増額等罹災町村実態に即するような対策が必要であると存じまするが、これらに対する財政上の措置につきまして自治庁長官はいかに考えておられるか。この点をお伺いいたしたいと存じます。  以上各大臣にそれぞれこれらの対策についてお尋ねいたしましたが、何を申し上げましても、これらの裏打ちになるものは財政的な問題でございます。今回の災害重大性並び深刻性、その特殊性にかんがみまして、思い切った財政的な裏づけが必要であると存じますが、この点に対する大蔵大臣所見をお伺いいたしまして、私の各省大臣に対する質問を終わりたいと存ずるものであります。(拍手)    〔国務大臣岸信介登壇拍手
  7. 岸信介

    国務大臣岸信介君) お答えをいたします。  私は、まず政府を代表いたしまして、今回の災害によって犠牲者となられた方々に対しまして、心から哀悼の意を表しますとともに、被害を受けられました方々に対して衷心から御同情を申し上げます。  御質問は、今回の災害の特質にかんがみて特別の立法を必要とすると考えるが、政府はどう考えておるのかという御質問であります。言うまでもなく、今回の被害につきましては、政府としてはさっそく各省関係大臣現地に派遣いたしましてその実情把握し、これに対して最も必要な措置を強力に迅速に実行するという考えのもとに措置して参っておりますが、しかしながら、さらにこの実情を考えますというと、これに対処するためには、特別の立法を必要とする部面があると考えます。従って、それらの問題に関しましては、政府において十分検討をいたしておりまして、成案を得て御審議を願うようにいたしたい、かように考えております。(拍手)    〔国務大臣村上勇登壇拍手
  8. 村上勇

    国務大臣村上勇君) お答えいたします。  御指摘のように、陸地方の今回の災害を受けました海岸は、原始海岸相当にありますために、公共土木事業としては比較的その額が上がっておりません。しかしながら、私どもは今回のこの災害を契機といたしまして、十一分これに関連して改良復旧をする必要があろうかと思いますので、背後地等一の関係考慮いたしまして、今後かようなことを繰り返さないように、抜本的な災害対策を講ずる必要があろうと思います。従って目下研究いたしておりますが、なお、政府部内にこれの十分な対策協議会等を設けて抜本的な対策を講じたいと、かように思っておる次第であります。  なお、住宅につきましては、御承知のように公営住宅による緊急な罹災者の収容が必要であろうと思います。これにつきましては約一千戸分の用意がいたしてありますし、また住宅金融公庫による融資につきましては十億円の用意がいたしてありますので、この貸付をすみやかに行ないまして、これらの住宅問題を解決いたしたいと思っております。ただいま総理からお答えのありましたように、特別立法につきましても、この住宅等につきましては、零細漁民被害でありますから、公営住宅の家賃の軽減をはかる必要があろうと思います。これらにつきましては、伊勢湾等特別立法を適用することによって何とかこの救済の道を講じて参りたい、かように思っておる次第であります。(拍手)    〔国務大臣福田赳夫登壇拍手
  9. 福田赳夫

    国務大臣福田赳夫君) ただいま高橋さんからお話のように、今回の被害はきわめて甚大でございます。私も二十六日に出発いたしまして、宮城岩手の両県のおもな被害地を視察いたしました。今回の被害は、私の見るところによりますると、公共土木被害もさることながら、これも相当被害を受けておりますが、しかしながら、個人的な災害が多いのであります。ことに私の所管しておりまする水産業者に請する被害が予想以上でございまし、船は沈没、破損をする。あるいは果北三陸カキ生産におきまして全国の半分を占めます。これが全部なくなっておるというような状態である。またノリ重要生産地でございまするが、これも全滅をしておると、こういうような惨たんたる状態であります。また三重県、和歌山県等におきましても相当被害がある。ことに真珠養殖につきまして、養殖施設が重大な被害を受けておるというような状態でございます。で、漁船復旧、また養殖施設等につきましては、財政上また金融上、特別の援助をしなければならぬというふうに考えておるのでございまして、これらにつきましては、いずれも立法を要すると、かように考えておる次第でございます。  なお、御質問にはございませんでしたが、個所によりましては、農地相当流され、荒らされておる。これに対しましても特別の対策を必要とする、かように考えておる次第でございます。早急に立案いたしまして御審議をわずらわしたい、かように存じておる次第でございます。(拍手)    〔国務大臣楢橋渡登壇拍手
  10. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) ただいま高橋さんの御質問になりました気象庁の今度とりました処置は、確かに手落ちがあるのでありまして、予報についてもっと敏速にやらなかった点は、私も現地に参りまして痛切に実は感じたのであります。従いまして、災害が起こりましてすぐ和達長官を呼びましたが、和達長官は有名な地球物理学者でありまするけれどもチリの向こうから、一万何千キロのところから、ああいう大きな被害を受けるということは、全く自分も学問的に研究が足らなかったということを認めておりまして、日本津波に対する予報は、大体日本近海地震中心として研究しておったというところに大きな手抜かりがあったわけであります。なお国際的な協力体制ができておらなかったという点も認めておりますので、先般気象庁の幹部を呼びまして、太平洋におけるこういう地震津波に対する研究、並びに国際的な協定に基づく一つ協力体制、同時に気象庁内部における機構等欠陥等をつぶさに検討いたしまして学者的な考え方と実際に気象庁が持っておりまする予防措置という行政面の点とがやや食い違っておる点がありますから、こういう点にメズを入れまして万全の策を講じたいと実は思っておるような次第でございます。  なお、第二に御質問のありました沈船の問題でございますが、私も現地を見まして、至るところ港に船が沈んでおりますが、その船は港湾管理者の手によって引き上げ所有権者に命ずることができますけれども一つの船を引き上げるのに七百万も八百万もかかる。しかも保険は御存じのように地震津波による事故は免責事項になっておりますので保険金がとれない。そういう場合には航路が全部ふさがれますので、港湾局長並びに港湾管理者、私ども海上保安庁等とも協議いたしまして、こういう場合にはやはり国によって引き上げ工事をやらなければならないということで、そういうことに万全の措置を講じたいと思っておる次第でございます。  なおまた、今、福田農林大臣が申し上げましたように、非常に零細な漁民特にノリをやっておる人たちはほとんど壊滅状態でありますので、失業をいたしますから、失業対策として、ちょうど三陸地方気仙沼線というのが建設線として着工することになっておりますので、それに使ったらどうかというお話がありましたが、実は本年から着手はいたしますけれども、これはまだ設計あるいは工事についての段取りをきめ、土地買収をする段階でありまして、直ちに労働力を動員する態勢はできてはおりませんけれども現状をつぶさに見ましてどうしてもあそこに対する失業対策を考えたならば、この点も十分に考慮に入れて、一つ吸収策方法を考究してみろどいうことで、帰りまして国鉄と打ち合わせましたような次第でありまして、できるだけ御趣旨に沿うようにいたしたいと、こういうふうに思う次第でございます。(拍手)    〔国務大臣松野頼三君登壇拍手
  11. 松野頼三

    国務大臣松野頼三君) 罹災地就労対策につきましては、今日まで各地から千二百名の増加要求が出ております。従って、亡れを中心に、今後も各地要求に応じまして十失対事業増加及び就労ワク拡大ということにつきましては十分万全の措置をとるように準備をいたしております。(拍手)    〔国務大臣赤城宗徳登壇拍手
  12. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 自衛隊といたしましては……。昨年の伊勢湾台風による災害等にもかんがみまして、次のようなことをいたしておるわけでございます。  陸上自衛隊に対しましては、地区ごとにそれぞれ各種の想定を設けて災害派遣計画を作成せしめ、災害教育の科目を設定して教育を行なうとともに、各部隊の幕僚に対しまして、災害対策に必要な集合教育を実施し、さらに巡回教育等によって、救難通信、輸送、復旧等訓練をするように命じておったわけであります。たまたま本年の東北地方チリ津波等につきましては、知っておったわけではありませんが、津波が来たときにどういう対策をするかという訓練を実はしておったところに津波が来ましてそういうことでありましたので、幸いに果敢迅速に出動ができたわけでございます。この方針に従いまして、お話のように、一そうこの訓練等に努力をいたしたいと思います。  第二に、出動等につきましては、各部隊等において、迅速果敢に出動ができるような方法を一そう講じたいと思います。それから、お話にありましたように、自治体が一時機能を喪失するというような形があります。こういう場合におきましても、自治体首脳者と一そう緊密な連絡をとりまして、自治体をバツクして国民の期待に沿うように一そういたしたい、こう考えております。(拍手)    〔国務大臣石原幹市郎登壇拍手
  13. 石原幹市郎

    国務大臣石原幹市郎君) 今回の罹災市町村財政援護につきましては、従来の事例に徴しまして万全を期して参りたいと思うのでありますが、まず第一に普通交付税の繰り上げ交付でございます。都道府県市町村には、明六月二日に六月概算分交付するのでございまするが、その際に合わせまして罹災市町村に対しましては九月以降の交付分のうち約三億円を繰り上げ交付するという予定にしております。これらの市町村は、全国で、北海道青森岩手宮城三重和歌山、徳島、高知、宮崎、鹿児島、これら十県のうち、災害救助法を適用いたしました市町村約三十市町村に九月分の繰り上げ交付をしようと考てております。  それから今後の特別交付税等配分にあたりましては、十分に今回の災害事情等考慮に入れまして配分額をきめていきたい。起債につきましては、災害復旧に要する資金としての地方債につきましては、公共災害復旧事業費が確定いたしましたならば、直ちにそれに即応するような地方債の額を決定していきたい。それからまた、歳入欠格であるとか、あるいは災害対策費等につきまするいわゆる歳入欠陥債、災害対策債、特例債でございます。これもいろいろの事例の判明と相待ちまして検討をしていきたいと考尺ております。  それから税の減免の問題でございまするが、地方税の減免につきましては、昭和二十八年十二月に災害に伴う地方税の減免措置についての基準が示されておりまするので、この基準によりまして措置するよう指導して参りたい、かように考えておる次第であります。(拍手)    〔国務大臣佐藤榮作君登壇拍手
  14. 佐藤榮作

    国務大臣(佐藤榮作君) 今回の災害につきましてのいわゆる公共土木災害だとか農林水産施設被害のありましたものは、五月三十日十時現在までに私ども報告が届きましたのは、総額として六十三億になっております。従いまして、予算的な措置といたしましては、ただいまの予備費でとりあえずまかない得るのじゃないか、かように実は考えております。  先ほどお話がありましたように、今回の災害で非常に問題になりますのは、漁船であるとか、あるいは養殖施設であるとか等、個人あるいは団体等一の施設の損害がまことに甚大でございます。これらにつきましては、融資方法によりまして、従前からあります天災融資法だとか、あるいは農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置法による補助であるとか、あるいは農林漁業金融公庫による融資であるとか、あるいは公営住宅の補助、あるいは住宅公庫の融資等の現行制度の活用によりまして、早急に対処して参る考えでございます。しかし、なお現在、被害実情につきましては、関係各省におきまして調査中でございまして、できるだけすみやかに調査を終了いたしまして、しかる上でその結果によりましてさらに対策等を検討して参りたい。そのうちには先ほど来お尋ねのありました特別立法等の措置を要することも当然考えられるのではないか、かように実は考えておるのであります。いずれにいたしましても、迅速かつ十分の措置をとることが必要であろう、かように考えております。  また、災害被害者に対しては、ただいま地方税についても処置のお話がございましたが、国税につきましても、被害者の実情に応じまして減免あるいは徴収猶予等の制度が認められておりますので、今回の災害被害につきましても、その実情に即してこの処置をとるように、すでに地方国税局に対しまして指令を出して、万全を期しておる次第であります。(拍手
  15. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これにて質疑の通告者の発言は終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。      ─────・─────
  16. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) この際、日程の順序を変更して、   日程第二、航空法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長の報告を求めます。運輸委員長平島敏夫君。    〔平島敏夫君登壇拍手
  18. 平島敏夫

    ○平島敏夫君 ただいま議題となりました航空法の一部を改正する法律案運輸委員会における審議の経過並びに結果について御報告いたします。  本改正案は、政府の説明によりますと、最近のわが国民間航空の飛躍的な発展、特にジェット機等、大型高速機の就航にあたり、その実態に即し航空の安全と航空輸送の秩序を確保するため、所要の改正を行なわんとするものであります。  改正のおもなる点について申し上げますと、第一点は、航行の安全を確保するための物件制限の範囲拡大と航空障害燈設置基準の改正であります。改正の第二点は、航空交通管制の整備についてであります。改正の第三点は職権の委任についてでありますが、運輸大臣は政令で定める飛行場についての管制業務を防衛庁長官に委任することができる旨の規定を設けたことであります。改正の第四点は、新たに利用運送事業についての免許制を実施するほか、航空機及び装備品の整備、または改造に関する検査制度の合理化をはかることであります。  以上が改正案の大要であります。  なお、当委員会の審議に際しては、特に、本年三月十六日の名古屋空港における事故に対し、委員を現地に派遣し、本案審議の参考に資するほか、熱心な質疑が行なわれました。そのおもなる点は、航空交通の現状及び名古屋空港の事故との関連において、管制施設の整備及びその適正化、管制官の責任体制とその処遇の改善についてであります。次は、自衛隊と民間航空との共同使用の飛行場における運営上の諸問題、防衛庁長官に委任する管制業務、高層気象観測における米国機の使用等、航空行政全般にわたり質疑が行なわれましたが、その詳細は速記録に譲りたいと思います。  討論に入りましたところ、中村順造委員より日本社会党を代表して、附帯決議案を付し、その趣旨について政府の誠意ある努力を要望し賛成するとの発言がありました。附帯決議案の骨子は、  一、自衛隊との共同使用の飛行場ついては、これを分離する方針を確立し、その実現に努めること。  一、航空交通の現状に即するよう管制諸施設の整備拡充をはかること。  一、航空交通管制官の責任体制を確立するとともに、その待遇改善に努めること。  以上であります。  かくて討論を終わり、採決に入りましたところ、本法律案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと五月十七日決定いたしました。  次に、中村委員提出の附帯決議案を採決いたしましたところ、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  19. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕
  20. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案は全会一致をもって可決せられました。  本日はこれにて延会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。  次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十五分散会 ○本日の会議に付した案件  一、津波による災害に関する村上国務大臣報告  一、日程第二 航空法の一部を改正する法律案