○亀田得治君 ただいまの
答弁では、あまりはっきりとした必要性がない、本来そんな間違ったことをやるやつはけしからぬのだと、そういう考え方に立っておるのであって、それは間違ったことをだれも認めているわけじゃないのでしてね、大部分のこれが、たといそういういたずらをするものがいても、被害が起こらぬようにとめれるという
制度を一方で作ろうとする以上は、やりその
制度でしっかり取っ組んでみる。これが大事じゃないか、こう私は申し上げているので、それで、ことに四十四条の二では、ただ通知だけじゃなしに
登記義務者が
登記官吏の方に間違いないということを言うてくることになっているわけでしょう。通知のしつぱなしじゃないのだ。だからそこまで明確な
手続を踏まそうとしておるわけですからね、私はこう罰則を設けることはもっと慎重であっていいと思うし、やむを得ず設けるとしても、もう少し内容的には慎車なものでなけりゃならぬと、こういうわけなんです。多少同じことを繰り返すようになるから、この
程度にしておいて、あとからこれは
一つ御相談を願いたいと思います。
もう
一つこの法案に関連して多少お聞きしておきたいと思いますが、それは、今度の
一元化の
作業をするについての法務局側の受け入れ態勢の問題です。これは相当他の
委員の方々からもすでにこまかい点について御
質疑があったようですから、重複は避けたいと思いますが、その前に、この法務局の
職員の待遇が、こういうめんどうなものが起こってくる以前に、もうすでに非常に悪い状態にあるのですね。こういう点を、民事局長として平素からどういうふうに考えておるのか、もっと具体的にいうと、これは、われわれは法務局の人から、ときには聞かされることですが、以前は
登記の
仕事は裁判所でしたね、それが、その後裁判所から分離して現在のようになった。裁判所にあるころは、裁判所の
職員の皆さんとやはり大体均衡をとった待遇というものが与えられておった。ところがそれが分離したわけですね。分離後は事実上だんだん待遇が下ってきているのですね。そういう点等が、ただ国の
制度の
変更によって、本来与えらるべきはずのものが与えられなかった。これはもう根本的な不満ですね。しかも
仕事の内容は、裁判所の
職員の方であれば、一方では例の裁判官がいて、裁判官と書記官の
仕事などが
法律上区別された点もあるわけですが、これはむずかしい問題もあるわけですけれ
ども、しかし書記官のほかに一応そういう裁判官というものがいて、何かむずかしい問題があれば、これは判事さんこれはどういうことですかくらいは聞いたりできる立場にある。ところが、これが分離された後の法務局の
職員というのは、
登記を扱うとか、こういったような問題、これは扱うその本人が責任をもって
処理していかなければならぬ問題なんですね。だからそういう
意味で責任なんかも非常に過重されているのですよ、実際は。そうして待遇がずっと開いてきている。これはもう根本的にみんな不満を持っているのですよ。そこへもってきて、この前にお聞きしたところによると、
昭和二十六、七年ごろには、大体一日の基準量は八件に対して七件というのだから、まあまあという
仕事の分量です。八件に対して一品七件だ一から、休み時間とか……。それから八件というのは、ずっと詰めてやる
計算ですからね。それから全国の職場をとってみて、どうしたって中にはあく時間というものができるわけですから、七件くらいで私はまあまあというとこだと思う。それがその後現在では三倍以上になっている。その点の改善がない。今度の
一元化に対しては、いろいろ御
質疑があったような
予算措置等をあなたの方じゃしている、こう言うわけですけれ
ども、ゆっくりしておるのに、それだけの
予算措置をして、それでこれで頼む、こういうのなら、これは多少
予算の不足とか、そういう問題は一方にはありますけれ
ども、そういうことは抜きにしても、多少感じが違う。ところが、全く飽和状態になっているのですよ。体力的にも精神的にも……。そういう状態をほったらかしておいて、そうしてここで国民の
権利義務に非常に重要な
関係のある、また
法律学者から見ても相当問題のある
仕事をここにぶち込んでくるわけだ。これは、私はあるべき姿じゃないと思うのですが、根本的な待遇なり件数の問題は、結局は増員ですね。人をふやさなければどうにもなりません。増員とそれからいろんな設備ですよ。機械設備。一々書くのを、ぱっと簡単に写せるようにするとか、そういったような 一ものの体制をほんとうに整えることをやらぬで、多少
予算をもってきたから、さあその上へこれを積んでやれという格好では、うまくないように思うのですが、それは局長はそういうことをどういうふうに心配されておるのか。根本的な問題から一ぺん、ちょうど関連してくるものですから、お聞かせを願いたいと思うのです。