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1960-03-29 第34回国会 参議院 農林水産委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年三月二十九日(火曜日)    午前十時四十一分開会   —————————————   委員異動 三月二十八日委員青田源太郎君、石谷 憲男君及び北村暢辞任につき、その 補欠として紅露みつ君、山本杉君及び 藤原道子君を議長において指名した。 本日委員山本杉君、紅露みつ君、藤原 道子君、山口重彦君及び北條雋八君辞 任につき、その補欠として石谷憲男 君、青田源太郎君、北村暢君、亀田得 治君及び小平芳平君を議長において指 名した。   ————————————— 出席者は左の通り。    委員長     堀本 宜実君    理事            櫻井 志郎君            仲原 善一君            大河原一次君            東   隆君            森 八三一君    委員            青田源太郎君            秋山俊一郎君            石谷 憲男君            植垣弥一郎君            岡村文四郎君            重政 庸徳君            高橋  衛君            田中 啓一君            藤野 繁雄君            亀田 得治君            北村  暢君            戸叶  武君            中田 吉雄君            棚橋 小虎君            千田  正君   政府委員    農林政務次官  大野 市郎君    農林省農地局長 伊東 正義君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   説明員    農林省農地局参    事官      正井 保之君    農林省農地局管    理部長     庄野五一郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○開拓融資保証法の一部を改正する法  律案内閣送付予備審査)   —————————————
  2. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします、  本日山口重彦君が辞任、その補欠として亀田得治君が選任されました。   —————————————
  3. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 開拓融資保証法の一部を改正する法律案(閣法第四十六号、予備審査)を議題といたします。  本法律案につきまして、去る二月二十三日に提案理由説明を聴取いたしました。まず補足説明を求めます。
  4. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 御説明のございました開拓融資保証法関係でございますが、先般、政務次官から提案理由説明がございましたので、若干補足させていただきます。  本制度でございますが、これは御承知のように開拓者に対します融資制度といたしましては、御承知開拓融資特別会計、これが一本の大きな柱になっておるのでございます。これは御承知のように入植者基本営農資金でございますとか、あるいは最近は開拓営農振興臨時措置法が制定されましてからは、振興資金というような形の融資をいたしております。これは、たとえば大家畜とか、あるいは農業施設でありますとか、あるいは大農機具というような生産手段の調達をいたします際の長期資金、こういうものにつきましては、政府特別会計融資をいたすことに相なっております。これが大きな一本の柱でございますが、これと関連いたしまして、短期中期資金肥料資金でございますとか、あるいは飼料の資金でございますとか、あるいは小家畜を購入する資金というような短期資金、大体一作々々で返していくというような、中期資金は例外でございますが、おもに短期資金につきましては、中金からこれを融資いたしまして、それを中央保証協会地方保証協会両方保証いたしまして、なるべく開拓者短期資金手当に支障ないようにという意味で、この開拓融資保証制度ができておるわけでございます。  これにつきまして、大体の仕組みは、地方協会がまず保証いたしまして、それを中央保証協会が再保証するというような格好になっております。基金の六倍までの保証ができるというような制度に相なっておるわけであります。従来は、中央保証協会とそれから地方保証協会出資関係でございますが、実は三十四年度までは中央保証協会の方の出資が常に地方保証協会出資よりも低かったというような現状でございまして、せっかく地方保証協会よけいな、たくさんの出資をしておりましても、中央保証協会出資がそれよりも下回っておりますと、その差額分だけにつきましては遊び金になってしまう、保証の機能を果たさないというような状態で実はございまして、三十四年度までは実は中央出資地方出資を追いかけていくというような状態でございました。大体五千万程度毎年政府出資いたしておりまして、三十四年度は八千万出資をして大体追いつく程度までの出資を三十四年にいたしたのでございますが、三十五年度の考え方としましては、それより一歩踏み出しまして、中央保証協会出資地方保証協会出資よりもよけいになるというような格好になります。実は数字で申し上げますと、現在の地方協会出資は四億九千八百万でございます。これに対しまして中央は四億九千五百万ということになっておりまして、現在でも三百万ばかり中央の方が少ないわけでございますが、これに地方協会もおそらく来年出資をするであろうという見込みを立てまして、それより先に一つ政府の方で出資をいたそうというようなことで、中央保証協会出資見込みを立てまして、大体一億程度ぐらいは出資するのじゃなかろうかということで、まず中央保証協会出資を一億よけい最初に出しまして、そうして地方協会出資をそこまでもっていこうというような考え方で一歩踏み出したわけでございます。中央保証協会の中で大部分を占めますのが政府の実は出資でございます。先ほど四億九千五百万が中央協会出資と申し上げましたが、そのうちで三億九千万政府出資でございます。この政府出資の三億九千万を今度は一億増資いたしまして四億九千万というふうにいたしまして、中央の方が地方協会一つリードして、地方協会出資をそこまで引っぱっていって、先ほど申しました開拓者短期資金手当保証の限度を一つ高めようじゃないかというのがこのたびの御審議をいただいております開拓融資保証法の一部改正の要旨でございます。  大体、この制度保証をいたしております大部分開拓者肥料代金でございます。次に大きいのがえさでございますが、大部分肥料代金手当をしますときの保証にこれが回っておるのが現状でございます。  簡単でございますが、補足説明をさせていただきました。
  5. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 本案について御質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 中田吉雄

    中田吉雄君 理事会等できめられました議事の進め方については別に異論はないのですが、これはまあ出ています他の法案との関連でやらねばなりませんし、開拓政策そのもの関連で見るとはたして一億しかで、てこ入れができるかどうかというような基本問題に触れるわけですが、開拓融資保証法の一部を改正する法律案参考資料というのを、若干内容を知るに足る資料をいただいたのは本日なんです。本日いただいておいてすぐ月末にこれを上げてしまえというのは、実際は一億だから大したことないのだから通しちゃえというような、少し事務当一局としては——実際これをきょういただいて、やれと言っても——ですから、政府提案理由にもありますように、十五万戸戦後入植していろいろ大きな移動もあり、過剰入植をどうするとか、いろいろあるのですから、そういう開拓政策の全貌を知るに足るような資料も至急、まああすごろでもいただきませんと、まあ一億のわかりきった法案だから大して審議せずに通すというようにもとれぬこともないわけです。そういう資料をいただいてやりたいと思いますので、ぜひ至急に一つ出していただきたい。
  7. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 御要望の点、至急取りそろえまして提出いたします。
  8. 櫻井志郎

    櫻井志郎君 ただいま資料をいただいたので、私も中身がまだよくわからぬのでありますが、従来、地方保証協会資金の方が多くて、中央保証協会の方が少なかった。従って、その差額遊び金のような形になる、こういうことが一つには中央保証協会資金を多くするために政府が一億円出資しようということであったと思うのでありますが、現在の資金で実際の運営上、それで足りるかどうかという点が一点。それからいま一つは、地方保証協会が今後資金を増加する傾向があるのかないのか。かりにあったとすれば、なぜそうなるのか。また、多くなった場合には、また、それを追っかけて中央の方が資金増額をはからなければならない。また、そのために政府出資金を増さねばならぬのか。また、そうだとすれば、それを追っかけてその必要のためにまた法律改正というものが出てくるのかどうか、そういう点について少し局長説明を聞きたい。
  9. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 後段の方から御説明いたしますが、実はこの法律改正は毎年やっております。法律ができましてから毎年やっておりまして、当初は約五千万程度出資が毎年あり、中途で三千万円くらいになり、昨年八千万、今年一億というようなことで、出資増額いたしておりまして、毎年法律改正をいたしております。これは先ほど御説明いたしましたように、この保証出資金では実は現在まだ足らぬのじゃないかという感じを私ども持っております。たとえば先ほど申しましたように……
  10. 櫻井志郎

    櫻井志郎君 現在持っているのは一億……。
  11. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) そうでございます。たとえば開拓者肥料を買っておりますが、化学肥料で四十億くらいのものは買っております。これに対しまして、この制度保証いたしておりますのは十四億から十五億くらいでございます。これは理由はいろいろございますが、この制度の利用できない人がほかの商人から買うという場合もございましょうし、また、この制度を通さぬで、総合農協から買うという場合もございますが、開拓者の側からすれば、この制度保証をしてもらって1保証料は取られませんので、この制度保証してもらって、短期資金手当していくということが、一番短期資金手当としては正当であり、望ましいということでございますので、開拓者の側からも、実は毎年自発的な増額がございます。三十四年度までは、実は政府の方がそれを追いかけたというような形でございまして、三十五年は当然またそういうことがあるだろうという前提で、一億の出資をしたわけでございますが、この一億を出します根拠としましては、大体一年間でそれくらいじゃなかろうかという過去の経験あるいは開拓者側増資計画両方からあんばいしてみまして、開拓者計画の約九割ぐらいのところが固いのじゃないかということで、押えて増資をしましたので、先生のおっしゃいましたように、また将来は開拓者の方でもっと出資をする、そしてこの保証制度を利用していくということになりますれば、政府の方もまた増資をするということで、法律改正になっていくだろうというふうに考えております。  それからもう一点の地方協会中央協会関係でございますが、従来は地方の方で非常にこの制度を利用したいという声が強くて、出資がどんどん出たにもかかわらず、政府は実は追っかけたと申しましたが、追いかけきれないような実情でございます。常に何千万円、昨年は八千万円でとんとんだったのでございますが、五、六千万ずつの穴が実はあいております。そうしますと、この六倍でございますから、五千万でありますと三億の保証ほんとう中央の方にもありますればできるのでございますが、差がありますと、その六倍だけは保証ができないというようなことで実は遊び金になっていたというのが現状でございます。
  12. 中田吉雄

    中田吉雄君 行政管理庁全国の十五万戸の開拓農家の中で営農不振に悩んでいるのが十万戸、こういうふうにして十万戸は不振入植者だというので、三十三年度監察してかなり総合的な勧告をしているわけなんです。十五万戸入植して十万戸も不振農家だという、これは非常に重要な問題です。ところが、今回予定されているのは、ほとんど金融関係ばかりで、あるいは改良普及員その他はあると思います。営農指導員、そういう点では非常に総合的でないように思うのですが、この問題どうですか。十五万戸入植して十万戸不振、その十万戸の監察をやっていろいろ勧告をしているわけですが、あまりにも大きい、ほとんどが不振入植者だということですが、今回はほとんど金融ばかりのようですが、どうなんですか。
  13. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 御承知のように開拓営農振興臨時措置法は三十二年に制定いたしまして振興計画を立てたわけでございますが、これを出した農家は大体九万四千戸ぐらいでございますから、先生のおっしゃいました十万ということとほとんど同じような数字となります。おそらく行政管理庁の数もそれが根拠になっていると思います。これにつきましては実はまあいろいろ過去の原因はございます。緊急開拓当時入った人が実は大部分でございますので、その当時は先生のおっしゃいましたような営農指導の問題、あるいはどういう形の農家を作ったらいいだろうかというようなことも、まあ、比較的等閑視されたと言っては語弊がありますが、当時の情勢として、何とかして食糧を増産させるということと、都会の失業者、引揚者その他を農村に入れようじゃないかというようなことでやりましたので、その当時としましては、私はそれで一つの大きな意義があったと思いますが、今になって参りますと、たとえば配分した農耕地面積が少ない、あるいは入っただけで建設工事がおくれている、あるいは最近のようになりまして非常に酪農というような問題が入って参りますと、ほんとうにこれを運び出す道路がないというような最近の経済情勢に適応して考えてみますと、相当過去にやりましたことがそれに適応しないところがだいぶございます。それで実は、先ほど申し上げましたような振興計画を作りまして、これに基づきまして一つ九万数千戸の人の営農振興をはかっていこうじゃないかということで今やっているわけでございます。この振興計画は大体、先生のおっしゃいました金融関係の部面と、もう一つ建設工事関係、それから先ほどおっしゃいました営農指導ということは、振興計画としては出て参りませんが、これを達成するには、どうしても必要な営農指導というふうなことが中心になっていくわけでございます。それで、今年度の対策といたしましては、先生指摘になりましたように、法律で出て参っておりますことは、確かに資金関係がほとんど中心でございます。ここにあります開拓融資保証法、それから災害を受けました場合の災害資金をどう考えていくかという問題、それから過去に借りました政府から負っておる債務につきまして、償還条件の緩和をしていくというようなことが、今度、法律でお願いしております中心でございますが、そのほかに実は予算面では、建設工事を伸ばしていこうというようなことで、たとえば不振開拓地区につきましては、建設工事を終わったものについては、開拓地改良というような、道路をつけますとか、あるいは飲料水を引くとかいうようなことも、昨年の倍ぐらいの実は予算は計上しております。それから建設工事につきましても、昨年よりは上回った建設工事費をつけまして、工事のおくれによります営農不振も一つ解消していこうじゃないかということは、これはまあ法律関係以外で予算的にそういう措置はいたしております。で、御審議お願いいたしておりますのは、ほとんど資金関係でございますが、一点、開拓者開拓営農振興臨時措置法の中で、審議会一つ設けまして、先生のおっしゃいましたような問題につきまして早急にもう一回、審議会関係各方面の方から御審議いただいて、それでは三十六年度からどうしていこうというふうなことも審議しまして、それに合わしてまたやっていきたいというふうな考え方を持っております。
  14. 中田吉雄

    中田吉雄君 ただいま述べられたように、終戦直後のああいう事態においては、まあ御指摘のような意義があったと思うのですが、十分再検討を要する段階だと思うのです。特に、行政管理庁指摘していますように、十五万戸のうち十万戸も不振入植者である。この問題で私は、やはりそういう点で、まあフロンティアを開くという意味であちこち、できるだけ国土を高度に利用するために開くことはけっこうですが、日本内地植民の仕方が非常に問題が——私も最近二、三見たのですが、入植地の選定が交通という問題よりも、土地のよし悪しというようなものを中心入植しているために、その入植地まで行くために五キロも六キロも、二十キロもあったりして、もうほとんど交通問題が死命を制するようになって——まあアメリカをずっと開拓した歴史を見ても、南米開拓を見ても、ずっと漸次戸口からやっていって、ぴょこんと交通網のないような、何十里、何百キロも奥地に開くというようなことはやらないのです。この点が私は日本開拓政策を非常に——もよりの所から二十キロぐらいあって、そういうやり方の開墾が私は非常に大きな問題で、これは北米でも南米でも開拓歴史を見たって、漸次ずっと開いていて、飛び飛びに交通網との関係なしに開くというような入植の仕方は比較的やっていないのです。私はそこに非常に——道路建設工事はやってもらえる、その維持管理補修等に奔命に疲れてどうにもならぬ。むしろ、そのいい土地が二十キロも離れて、よし、集団的にあっても、むしろ若干土質等は悪くても、もっと交通網という問題を中心に漸進的に戸口から開いていけば、集酪形態その他もよかったと思うのですが、その点が私非常に問題で、ですから農林省から出しておる農林時報を見ましても、全国開拓者連盟で最も強い要望というものは道路なんです。最も強い要望一つ道路、用水の建設工事を早急にやってくれ、これが第一の要請になっておるという点は、日本開墾入植政策の根本に触れる問題で、何十キロ離れた所に、たった十軒か二十軒の所に行くために、その道路も通れるように、しかも、火山灰等でちょっと雨が降れば泥棒になるものを維持管理して、農産物あるいは所要資材を運搬できるようにするというのは、けたはずれた経費が要ると思う。私は、ただいまのような、今回出されましたのに関連する金融の一連の法案も重要な対策ですが、そういう問題との関連でやらぬと、なかなか、毎国会、てこ入れされてみても問題じゃないかというふうに思うのですが、いかがですか。
  15. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) その点は私全然同感でございます。過去にやりました開拓では、先生おっしゃいましたようなことが非常に私多かったのじゃないかと思います。これは未墾地買収の仕方の問題も一つであろうと思います。たとえば奥地の問題、それから営農形態が最近特に酪農となりますと、特に道路等が必要でございますが、過去においては若干そういうものが欠けたところに入っておる。人を入れるということが中心で、そのあとでどうするのだということに若干欠ける点があったと思います。私は将来のやはり開拓につきましては、先生おっしゃいましたように、既存農家、これは開拓というものは既存農家対策だ、そこで、既存農家経営面積をふやしていくということで、地元増反といいますか、増反部分等につきましては、過去においてあまり力が入らなかったのでございますが、一つは、近所に地元増反をするということと、既存農家からあるいは間引くといいますか、既存農家の間引きということで入植が行なわれて、既存農家経営規模が大きくなっていくという見地から開拓をやっていくべきだというふうに考えておりまして、最近は、先生のおっしゃいましたように、新しい入植の場合には、極力そういう土地条件だけでなくて、やはりそのあと経済条件市場条件というものを考えて、そういう所に開拓をやっていったらどうかということで、新しい市町村地域開発というような場合には、従来はどっちかといいますと、国、県という、上からおろしてくるような開拓を考えたのでございますが、最近は市町村の方から、ぜひこういう所でやってくれというような、下からの要望のあるような所をやっていくというような形で、先生のおっしゃいましたようなことにならぬように、なるべく市場条件というものを考えた開拓をやっていくということにつきましては全然同感でございます。
  16. 中田吉雄

    中田吉雄君 ですから、この行政管理庁勧告を見ましても、建設工事の施行が十分でないから、せっかくの営農資金効果を上げていないということを指摘して、やはり営農資金効果的にするためには、建設工事の促進をやらなければいかぬ、こういうやはり勧告を三十三年にやっているのですが、われわれ少ない見聞ですが、見ても、やはりそれなしには肥料資金や、さっき言われたえさ資金としてやってみても、十分な効果を上げぬのではないかと思うので、その点を特に今後早急に一つ補強してもらいたいという点と、これは農林漁業の方でも質問したいと思うのですが、この開拓関係の貸付ですか、開拓ワクはいつも残ができて非常に回収不能というようなことで、開拓融資ワクをいつも残しておるし、さらにまた、業務方法ですか、でも期限を非常に短縮して、大体二年据え置き十五年というようなやつを七、八年に短縮して、設備資金ですから大体二年据え置き十五年償還というのが共同施設その他で、農林漁業なんですが、特に開拓については七、八年の短縮した形で適用するというようなことで一そう困難なのに、さらに条件が悪いというようなことも、これは行政管理庁でも指摘していますが、これはいかがですか。
  17. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 御指摘公庫資金は二つ出ております。先生おっしゃいました設備資金的な方法で十五億ということでやっております。もう一つは、自作農資金でございますが、この二つ出ておりますが、先生のおっしゃいましたように、片方の自作農資金につきましては、ほとんど消化しているという現状に対しまして、十五億の資金共同施設資金につきましては、実は十五億のワクというものを残しておりますことは確かでございます。いろいろこれは原因があると思うのでございますが、私の方の公庫資金開拓につきましては、これはこの資金がこういう形でいいのかということにつきましては、やはり政府で出しております設備資金的なものというものとのかね合いで、将来どっちかにしたのがいいのか、あるいは公庫資金条件をもっと別にしたのがいいのか、これにつきましては、もう少し別の見地から検討いたし、本年度お願いいたしておりますのは、政府資金償還条件とか、そういうことだけでございますが、公庫資金につきましては、今後の問題としましてどうしたらいいかということは公庫とも相談いたしまして、これは検討いたしたいというふうに考えております。
  18. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 ただいま提案されております一億円の政府出資額ということ、これは問題じゃございません。ふえなければいかぬと思いますが、一体、現状開拓者の様子を見ると、こんな小型のことではいけないので、根本的に考えてやることが親切であり、そうすることが罪を作らぬと思うのですが、現在の開拓者借金と、年額上げております収入と見合って、この借金が一体払えると思っているかどうかということをお聞きしたい。
  19. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 開拓者の全部の借金の問題でございますが、その中で大部分といいますか、一番大きな割合を占めるのは政府から出ている金でございます。私どもとしましては、今までの政府の方から貸しております債権の償還状況を見ておりますと、実はだんだん下がっておりまして、三十一、二年ごろまではよかったのでございますが、そのあとで実は急カーブを描いて下がっております。それでいろいろこれは原因がございます。ございますが、われわれの方としましては、これではそのままではいかぬじゃないかということで、実は後ほどまた別な機会に御審議願います、国から出しております債権につきましては、これは今のままでは無理だということで、御承知のように、振興計画を立てておりますので、この振興計画が達成可能なように、その間は一つ人によりましては債権の取り立てを猶予していくというようなことで御審議願いますが、五年据え置き償還期間十五年というような債権に借りかえをする、債務の条件の緩和をいたしまして、債権の条件を変更していくというような法案の御審議を願うことにしているのでありますが、私どもとしましては、やはりそういう措置をとりました上で、今やっております振興計画が達成できますように、さらにまた、積極資金振興資金も本年度は二十数億を貸し付けるというようなことも考え、さらに、今系統外等から相当高い金利で借りております金は、全部開拓者については、自作農資金に借りかえるというような手段を実は講じておる次第でございまして、そういうような手段を過去の借金については講じますとともに、振興資金という積極資金一つ出しまして、これはやはり黒字に転換して返してもらうんだという考え方で今法案の御審議を願っているわけでございます。ただ、先ほどから御質問でありますように、単にそういう金融の面だけでこの問題は解決できません。建設工事でございますとか、営農指導とか、そういうものと両々相待ちまして、何とか開拓者営農というものを黒字に転換していくということの転機をつかみたいということで今やっているわけでございます。
  20. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 お話はよくわかりますが、私が総じて見ますると、なかなか簡単なものではございませんので、開拓者というものは開拓精神というものがなくてはだめなもので、とうていこれはなし遂げられない。そこで、戦後はそういう精神もなしに、ただやむを得ぬから入っておるというのでこうなっているのでございましょうが、干拓も開拓も入っておりますが、現在のこの表を見ますると、九千二百四十七億という金を出して、一戸平均六十二万九千円というようなのがございますが、これは開拓が六千六百二十六億です。収入を見ますると、総収入が三百七十七億で一戸平均は二十五万六千円です。とてもこれは二十万や二十五万では借金を払うところまでいきません。そのときの生活がようようだろうと思うのです。ですから、非常に不親切だと思うのです。それだけの目がなかったか存じませんが、話は違いますが、開拓農協を見ますと、まことに残念なことには、十戸以下の農協が一千十あり、十戸から三十戸未満が千九百五十八、三十戸から百戸が八百八十、百戸以上は三百三十六しかないと書いてある。こんなものは協同組合じゃないんです。ですから、そんな協同組合はだれがやってもやれないんです。ですから、そういう指導がおくれていることで開拓者が非常に苦しんでおると思いますが、現在これらの要請をしても仕方がないから、思い切って極楽に行くようにしてやることが政府の責任であり、それがほんとうの道だと思うのですが、今のは非常に悪いんですが、少の計画をお立てになって、そうして往生をさせるようにして、今度は生まれ変わっていくようにしてやらぬと、このまま引っぱっておきますと、これは人間が違うからだめなんです。あきまへん。ですから、少し農林省の方でもお考えになって、そしてほんとうにこうせにゃだめだということをお考えにならなければ、役所の方の手数もかかります。まあ金融といっていろいろな金を出すといっても、そうその金はございません。各地に人がおって、いろいろやっておられる、その経費というものはおびただしいものなんです。これでは国が損をする。こういうことでは仕方がないので、早く末期の水を飲ませて、そして息を引き取らすというふうにしてやらぬことには私はだめだと思う。ですから一つ次官も十分この方面は御存じないでしょうが、開拓者というものは容易じゃない、こう借金があったんではとてもたまらない、何とかこうせにやならぬという方法を講じてもらわなければならぬと思うのですが、一つその点どうですか。
  21. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 今おっしゃいましたように、農協の問題でございますが、われわれもいろいろこれを考えております。実は三十五年度の予算をやりましたときにも、この農協の問題を考えましたのでございますが、まず入れものといいますか、農協の前に中身の問題じゃないか、開拓者個々の問題じゃないかということで、開拓者個々に対する対策を考えまして、実はこれも御審議願うとわかるのでございますが、今まで開拓農協を通して国の金を貸したというような形をとっておりましたが、今後は開拓農協じゃなくて、国と開拓者が直接結びつくような形——過去の借金も実は農協で経理がわからぬということが往々ございます。開拓者は払ったんだけれども、農協からは国に払われていないというようなこともたまたま例として出ておりますし、開拓者は元金のつもりで返しているんだが、組合全部で経理しておりますので、金利として返しておるというようなことになります。組合と開拓者との関係が非常に不明確なことも多いということがございますので、今度は国の債権につきましては、その関係は断ち切ろうということも実は考えたわけでございます。農協の一般論につきましては、先生のおっしゃいましたように、私どももこれが開拓農協として存在価値があるのかどうかと思われるものが実は多うございます。で、私の考えとしましてはこの開拓者個人のことに手をつけた次には、この農協を一体どういうふうにするんだ、開拓農協として総合農協並みにいける農協はそれでよろしゅうございますが、それ以外の農協につきましては、これは総合農協に吸収、合併をするとか、いろんな手段を講じまして、入れものの方も一つしっかりしたことをやらにゃいかぬ、次に打つ手はそういうことではなかろうかというふうに実はわれわれも考えております。
  22. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 これは今泣きごとを言ってもだめなんでして、もとが誤っておりますから、開拓者開拓者で農協を作ってやるなんていうこと、それ自体が実は無理なんです。ですから、今既存農協に取れといってもなかなか借金は取れません。これはすっぽりとはだかにしてしまう必要があると思います。ですから盛んに既存農協が取るべきだと言う者もございますが、けっこうと思ってやらにやならぬと思いましても、現在のままじゃ取れません。開拓者というものはそんな協同組合を作って、そこへ事務員に入る、こんな者は開拓者じゃないんです。ですから、今入っているのは、まあ地方で万才をやったとか、あるいは何をやったという者が入っております。それだから悪いことばかりして、いけません。だから私は北海道へ行って、十二年目に初めて協同組合へ入った。それまでは、自分のことができないのに入ってはだめだと思って入らなかったんです、開拓者精神で。開拓者開拓農協を作って、そこで事務をとるということは——役所がやれば別ですよ、それは。作ったことが無理ですから、この際きれいに借金をなくして、既存農協に引き取るということになると取ってくれると思うんです。現在のままではとても引き取ってはくれませんから、その方面に早く進めてもらうことが非常にいいことだと思う。私は今の一億ぐらいの融資のことを何も論じているわけではありませんけれども、根本を考えてもらわないと、みんなこうやっていることが罪を作る原因になるのでございますから、一つ役所の方でも罪を作ることをやめて、今度は一つ喜ばしいことにしてやろうということにならないとほんとうにかわいそうだ。ですから、もっと体験者の言うことを特に聞いてやらなければだめだ。結局、そういう道に進めるように御努力願います。
  23. 東隆

    ○東隆君 私は、開拓関係の問題を考えるときに、昔の明治時代からずっとこのような状態でもって開拓地の問題を考えると、だいぶ問題がむずかしくなると思いますが、たとえば、今の開拓者は、これはみんな文化施設になれた人が開拓地に入るのですから、これはもう昔の電気も何も知らなかった時代に入る者と非常に違っておるわけです。従って、どうしても開拓地には、今の時代における最も進んだものを、中に導入することのできるものは、この際どんどん中に入れてもらわないと問題にならぬと思う。たとえば道路の問題が先ほどありましたが、これはもとよりでありますが、ラジオにしても、テレビにしても、そういうようなものこそが中に入っていかなければ問題にならぬと思う。そういうようなものには非常に金がかかるようでありますけれども、しかし、そういうものが入らなければ、これは開拓地に進んでいくことはもう無理なんです。従って、そこに行く者はどういう人かというと、落後者が行くだけです。進んでそこに行って開拓をやろうというような心組みで行く者はそこに入るのじゃない、今の時代においては。だから、そういうような意味で環境の整備をこの際どうしてもやって、それを前提に置いて開拓ということは考えなければならぬ。これはこういうことが前提になろうと思う。  それからもう一つは、協同組合関係の問題でありますが、これは農業協同組合法によって開拓農業協同組合が作られるわけであります。それで、今の状態でありますと、既設の農業協同組合に加入しようとしない。これは私は農林省の農地局の方の指導の線が強いからそういう形になっておると思います。つまり、既設の農業協同組合は開拓農家に入ってもらっては困るという考え方、それからまた、開拓農業協同組合の連中は既設の農業協同組合に入ると、何か自分たちには非常に損なような考え方、こんなような考え方で、まさに磁石のプラス、マイナスの形で相反発でなくて、両方ともみんながプラスの形で反発をしておる。こんなような形が開拓地に私はあると思う。この際どっちかプラス、マイナスを反対にして、そうして既設の農業協同組合に十分に入るような、一緒になってやるような、そうして中でもって開拓農業協同組合に対してはそういう線をはっきり出すような形——今もお話がありましたように、開拓農業協同組合の構成員は非常に少ないのであります。それで、少ないけれども、しかし、相当散らばっておるということは事実であります。そういうような点で、やはりある程度、既設の農業協同組合に農事実行組合のような形でもって加入をする必要がある。昔北海道でもって、産業組合の初めのときに、勅令でもって実は産業組合の方が別途にできておりましたが、これは私は非常に開拓地には考えなければならぬ問題だろうと思う。開拓農家出資をすることができないのですから、その当時はどういうふうにして農業協同組合、当時の産業組合に出資をしたかというと、労力を提供したもので出資に振りかえております。組合員が労力を提供して協同組合の仕事をした場合にはそれが出資になるという形です。そういう形でもって協同組合を作り上げてきた。そうしてしかも、相当強力な無限責任のような形をとっておるわけであります。それから無限責任の形でもって農業協同組合が開拓地にできるとすると、それは小さいけれども、しかし、非常に強力な共同責任を持ったところのものができ上がってくるわけであります。私はそういうようなものを作ることができるならば、開拓農業協同組合というものに筋金を通すことができると思う。それを私は法その他の方法によって一つの精神的な面を獲得する方法だと、こういうふうに考えておりますが、しかし、そういうような方法をとれなければ、私はやはり農事実行組合のようなものを特殊にこしらえて、そのものは既設の農業協同組合に加盟することができる。そしてそれのいろいろな集まりをこしらえて、開拓者の連盟とかいろいろな形でもって、開拓者の意思を中央その他に反映することができるような団体を強力に盛り立てていく、こういう形をとれば私は今の団体関係の問題は相当進んでいくんじゃないかと、こう考えておりますが、こういう点、協同組合関係開拓農業協同組合との関係、そういうような点でどういうふうに今お考えになっておりますか。それを一つお伺いをいたします。
  24. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 御質問ありました今後の開拓の問題は、先生と私も考え方が一緒でございまして、落伍者が入ってくるという形はまずいので、やはりもう企業として開拓というものはやれるという人がやっていかぬと、私はまた過去における失敗を繰り返すというようなことになるのではないかというような考えで、たとえば、そういうところに入植する人についても、かなり金は持って入るように実は指導はしておるようなわけでございます。  それから環境の整備の問題、これもまことにその通りでございまして、まだ電気もつかぬ開拓農家が十五万のうち約四万ぐらい残っておるというような現状で、ラジオも聞けぬということは、まことに気の毒な状態でございますので、ことしも電気の問題とか、あるいは飲料水の問題等につきましては、まだ十分とはいえませんが去年の五割増しとか、あるいは三倍というような予算も計上しまして、生活環境の改善につきましては、今後も努力したいというような考え方をいたしております。  それから最後の組合の問題でございますが、実はわれわれまだこういうふうなことが一番いいじゃないかというような結論は実は持っておりません。ただ先生がおっしゃいましたようなことも一つの構想かとも考えられますが、われわれの方としましては、今のままの開拓農協では、これはやはり将来の問題としてはいかぬじゃないか、先ほど岡村先生もおっしゃいましたし、われわれも実はそう考えまして、今度はこれについてどう考えるかということは、開拓審議会ができますれば、私は一つの大きな議題としまして、そこでも一つ議論していただくというような考えでおります。まだどういうふうに持っていくということまでの実は検討はいたしておりません。
  25. 東隆

    ○東隆君 この融資保証関係のものは、これは短期資金あるいは中期資金と、こうなっておるのですが、私はこれこそもちろん会員である開拓農業協同組合あるいは農業協同組合、そういうようなものを対象にされて貸されるのですが、その場合に、先ほど、今度は協同組合を抜きにして、個々の農家に向かって融資をする指導をするとか、こういうお話でしたが、これは私は相当な指導人員をふやさんければできないし、いたずらに仕事を繁雑にして、そうして効果の上がらぬようなことになるのじゃないか。それよりも私はやはり組織を、農事実行組合のようなものでもいいから、そいつを強力なものにして、そうして中でもってちゃんとはっきりさせるという指導方針を確立して、そうしてやる方がいいと思うのですが、今のお話ですと、どうも協同組合はあまり信用ができないから、そこで、一つ個人を中心にしてやるようにする、こういうお話でしたが、これは私はやはり相当考えなければならぬものじゃないかと、こう思うのですが、そういう方針でおやりになるのですか。
  26. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 言葉が足りぬで失礼いたしましたが、先ほど申し上げましたのは、過去に貸しました政府資金と、それから将来貸します政府資金の実は関係でございまして、ここに御審議願っております開拓融資保証法関係は、これは中金が系統を通して貸していくという仕組みでございますので、それを保証協会保証するという形で、これにつきましては、ルートは従前通りでございまして、やはり組合が中金から借りて、組合が後者に貸すという形でございます。
  27. 東隆

    ○東隆君 そこで、今の後者の長期の資金ですね、こげついておる長期の資金、しかも、政府資金でもってこげついておるものを肩がわりする資金ですが、これは今のところ自作農創設維持資金よりも条件のいいものが出る可能性がございますか。
  28. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 今の御質問でございますが、自作農創設維持資金は、これはいわゆる系統外から高利で貸りているというような借金の肩がわりをしようというために、自作農資金を貸し出しております。それから政府資金で延滞になっておるもの等でございますが、実はこれにつきましては延滞になっておりますものを元本に加えまして、そうして従来三分六厘五毛で借りていたものは、同じ三分六厘五毛で、人によりましては、また新しく借りかえのような形でございますが、償還条件の緩和をしまして五年据え置き、十五年三分六厘五毛というような形にしまして、全部で二十年間延ばすというような借りかえ的な措置をいたそうと考えております。それから五分五厘で政府から出ておりますものにつきましては、やはり五分五厘の金利一本にまとめまして、これも延滞したものがあれば、元本に加えまして、これも従来の三年、九年、十二年、北海道につきましては五年、十五年、二十年というような形にしまして借りかえ的な措置を講じまして、条件の緩和をはかっていこうというようなやり方をいたしております。
  29. 東隆

    ○東隆君 これは実は先ほどお考えになっておった個人を中心にしたいろいろな償還計画あるいは更生計画、そういうようなものが組合員の個々の者ができるのですか。この指導は一体どういうような人がおやりになるのですか。
  30. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 御承知のように振興計画を作りましたのは、開拓営農振興臨時措置法に基づきましてあれは三十二年に制定になったのでございますが、三十四年の三月三十一日が提出期限になっておりまして、振興計画が実はできたわけでございます。これは県営農指導員というような人がこれを指導する。もちろん、開拓農協等もこれを手伝うことはもちろんでございますが、県等が中心になりましてこれを指導いたしまして、そうして知事が承認するという形をとったわけでございます。
  31. 東隆

    ○東隆君 新しい法律を用意されておるのでありますか、開拓者資金融通法による政府の貸付金の償還条件の緩和等に関する特別措置法案というのが出ている、これでもっておやりになるわけですか、今の。
  32. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) これは過去に振興計画を実は作っている人でございまして、ところが、営農がなかなかうまくいかぬ、振興計画、今のような政府償還していったのでは振興計画の達成ができぬというような人、これは政令で今後きめていきたいと思いますが、そういう人につきまして、償還条件の緩和をはかっていこうということでございます。特にまた振興計画を作るとかということはしなくて、従来の振興計画はそのままにしておきまして、その振興計画達成上困るからこういう償還条件に直してもらいたいということをやるわけでございますが、その場合には、私どもの方の事務局、県が中心になりまして、そのほかに開拓者の県連等ございますが、そういう人にも手伝いをしてもらうというような形でこの仕事を二年間にわたって進めていきたいというような考えでおります。
  33. 東隆

    ○東隆君 そうすると、これはよその方に出てはなはだ相済みませんけれども、二年間というと、既設のものであって、振興計画ができておるものに限るわけですね。そうすると、どういうことになるかというと、現在その線からはずれたものだのなんだの、いろいろなものができてくると思うのでありますが、そういうものにかえって手をつけることによって急速に開拓者として成功をする、こういうような面は、これは省かれるわけですね。
  34. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 今御質問の点は、私どもの方としましては、やはり中心開拓営農振興臨時措置法考え方中心でございまして、振興計画、要振興開拓者ということで振興計画を作った人を対象にしてやっていこうという考え方でございます。ただ例外としまして、まだはっきり大蔵省当局と話はついておりませんが、振興計画を作らなかった、当時は作る必要がなかった人でも、その後災害等でやはり営農が非常に不振であったというような人につきましては、ある程度そういう人も対象の中に入れていったらどうかというような考えで、今、大蔵省と交渉はいたしております。
  35. 東隆

    ○東隆君 その今お話しになった分と、それからもう一つ、これはまあ上中下というふうにかりに分けまして、下の部分に属するもので、先ほど岡村さんが言われたような極楽往生早く遂げさせた方がいいだろうというような、見ようによっては離農させた方がいいだろう、こういうようなものが三分の一あるのじゃないか、こういうふうに言われておるのですが、その分についてはこれはどういうお考えをお持ちですか。
  36. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 三分の一という数字につきましては、いろいろこれ議論があろうと思います。われわれ考えておりますのは、先ほど御質問がありました三分の二が要振興開拓者ということになっておりますが、あと残りました三分の一のものについて、及第生と言っちゃ語弊がありますが、開拓者によりまして、振興計画を作らぬで既存農家指導するような開拓者も実はございます。そういう及第生と、それから先生がおっしゃいましたような、これは何ともならぬじゃないかというのと両方がこれに含まれているのだろうというふうに考えております。それで先生のおっしゃったような開拓者の問題でございますが、これは実は三十五年は試験的でございますが、まあ間引きという言葉がどうかと思いますけれども、開拓地から外へ出てみたい、あるいは移民に行きたいとか、あるいはほんとうにもう離農をしたい、あるいはほかの開拓地へ入ってもう一回やりたいという人には、若干でございますが、補助金を出しまして、それに便宜をはかっていくというようなことをまあ試験的にやってみようということで、三十五年度の予算には実は予算要求をいたしたわけでございます。戸数が非常に少なくてどうもなんでございますが、三十五年度はそういう試験をしてみまして、おれはどうしてもだめだから離農する、離農しなければ何ともならぬというような人には、そういう補助金も出して離農してもらいたいというふうにやっていったらどうかと実は考えております。
  37. 大河原一次

    大河原一次君 一点だけお聞きしますが、先ほど中田委員の方からも御質問あったと思うのですが、十五万戸のうちに約十万戸に近い不振開拓農家があるということですが、これは非常に社会的に見ても大きな問題だと思うのですが、そこで、いろいろ政府が今日までとってこられました、開拓農民に対する対策等もとっておられますが、特にそのような不振開拓農民がたくさんあるという中には、第一に何が一番大きな不振の理由になっている、原因になっているかということを十分に究明する必要があろうと思うのですが、政府はしばしばこれは一般農家に対しても言っていることですが、農業基盤の拡充であるというようなこともいわれておりまするが、特に私は開拓農業の場合を見た場合に、そういう農業基盤というものが整備されていないということも一つ条件になっておるだろうと思うのですが、何よりも私は国家投資が絶対少ないということが大きな要因になっているのではないかと思うのですが、そこで、たとえば開拓農民の方々が一番懸案とされておることは、土壌の改良だと、条件からいって、当然土壌の改良ということが強く叫ばれているわけですが、一戸当たり、あるいは反当たり土壌の改良に対する国家投資等がこの資料では見えていないのですが、どの程度になっておりますか。わかりましたら、反当たりに対する土壌改良に対する国家投資がどの程度なされているかということを伺いたいのです。
  38. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 今ちょっと調べましてからお答えいたします。——予算上は一万一千円くらいの補助をいたしております。これは二分の一補助でございますので、事業費としてみますと、反当約二千円くらいの事業費を使いまして土壌を改良するというようなことをやっております。
  39. 大河原一次

    大河原一次君 別に潅漑排水ですか、こういう面に対しても、やはりそういう資料がございますか、反当幾らというような。
  40. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 今おっしゃいました御質問の土地改良的な道路の費用が反当どのくらいに当たるか、あるいは水がどのくらいということの御質問でございますが、実はちょっと資料がございませんので、調べましてまたの機会に御答弁いたします。
  41. 大河原一次

    大河原一次君 そこで、不振開拓農家の問題を考えたときに、特に全国的にそうだろうと思うのですが、特に不振な開拓農家の散在しておるのはやはり後進地域だと思うのです。従って、今後政府——まあ今後の開拓政策は、先ほどいろいろ東委員の方からも質問ありましたし、これに対する答弁もあったようですが、やはり今後の問題は今後の問題といたしまして、やはり既設の開拓農家に対する十分な政府のあたたかい政策というものが必要ではないかと思うのですが、今申し上げましたような、不振開拓農家が特に後進地域に存在しておるということを考えてみる必要があるのではないかと思うのです。そこで、政府としては、特に後進地域における開拓農家に対する対策等がありましたら、一つお聞きしたいと思うのですが。
  42. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 開拓者の中で不振な人が多いのは、先生のおっしゃいました後進地域といいますか、そういう方にあるということはこれは確かでございます。それで、私ども、予算的な面といたしましては、その他の地域の不振開拓者と後進地域につきましての不振開拓者に対しまして差等を設けまして実は対策を立てるということはいたしておりません。これは、同じ考え方で何とか黒字に転換するようにということでやっておりますが、実は、取り扱いといたしましては、たとえば住宅等については、そういう地帯におきましては木造のものよりもブロック建のもの等をいろいろ環境整備等では考えておるというようなことはいたしておりますが、不振開拓者自身につきましては差等は実は設けておりません。ただ、おっしゃいましたように、そういう地帯多いので、いろんな予算が重点的にそっちに使われておるということだけは確かでございます。
  43. 大河原一次

    大河原一次君 いま一つ。なぜ私がそういうことをお聞き申し上げたということになりますと、やはり今後の開拓政策の問題にもなるわけですが、やはり開拓農家がいわゆる営農の形をとって十分にやり得るかどうかということは大事な問題ですが、さらにこれと同時に、この開拓政策がりっぱに行なわれて、個々の開拓農民が営農としてやっていかれるということと同時に、そのことがやはり政府の考えておられる、いわば国土開発ですね、国土開発の一環としての農業開発に通ずるのではないか、むしろそういうところに中心を置いて、いわゆる国土開発の一環としての農業開発だということに基点を置いた上で、そして個々の開拓農業を開発していくということが、今後の農業政策、開拓政策として大事ではないかと、僕はそのように考えておるわけですが、その点に対する政府の御見解を伺いたいと思います。
  44. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 開拓の目的でございますが、先生おっしゃいましたように、国土の資源の高度利用をはかっていくということは、私は開拓の一本の大きな柱だと思っております。それからもう一つ申し上げましたことは、先ほども出ましたが、開拓既存農家対策としてやはりこれは考えていくべき問題である。その二本の柱で——国土の高度利用という問題と、開拓によってまた既存農家の振興もはかっていくという二つが大きな柱でなかろうかというふうに考えております。
  45. 森八三一

    ○森八三一君 二、三お伺いしますが、最初に、開拓農家全体の所要しておる、この対象になりまする短中期資金の総額はどれぐらいになりますか。先刻、肥料資金で四十億というようなお話がありましたが、対象は肥料資金だけではなくて、その他にもあるはずでありますので、一応、短中期資金の所要総額というのは一体幾らになるか、お見込みを……。
  46. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) おそらく、三十五年度の見通しでございますが、総額で申し上げますと、この保証制度で利用できますのは約三十億ぐらいじゃないかというふうに見ておりますが、経営資金の総額は約百四十億になりはしないか。百四十億ぐらいのうちに三十億ぐらいがこの制度でいけるというような形になろうかと思います。一番大きいのは肥料でございますが、三十五年度の必要総額は百四十億ぐらいというふうに踏んでおります。
  47. 森八三一

    ○森八三一君 そこで、その百四十億というものが開拓者全体の短中期資金の所要見込み総額で、そのうちで保証を要せずして、自己でまかないがつくような立場におる農家、それからこの制度によって信用を付与してやらなければ調達の困難であるというもの、さらに、自己でも調達はできませんし、この保証の対象にもなり得ないで脱落していくようなもの、この三つに内容は分かれると思いますね、その百四十億の区分の見込み、これは見込みですからしっかりしたものは出てくるはずはありませんが、どう考えておられるでしょうか。
  48. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 百四十億の中で、まかないができるという人は一これは三分の一足らずのものだろうというふうに考えております。それで、あとの三分の二の中で、全然この制度を利用できない、ほかの商業資本等から借りるという人もあるわけでございますが、そういう人の率がどのくらいかということは、今ちょっと資料がございませんので、どのくらいの率になりますか、後ほどもう少し検討してお答えさしていただきたいと思います。
  49. 森八三一

    ○森八三一君 その資料あとでおわかりになったらお願いいたしますが、この制度の対象になる開拓農家はいずれかの協同組合に組合員として参加をしておると思いますが、この制度の構成が、この説明によると、地方協会の構成が、開拓農業協同組合を都道府県です、が、その構成をしておるように見受けますが、この制度を利用し得る立場におる農家は全部開拓農協に構成されておるのかどうかということはいかがですか。
  50. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) この制度を利用する人はほとんど全部開拓農協に入っております。
  51. 森八三一

    ○森八三一君 私がお尋ねいたしますのは、開拓者が全部開拓農協に構成されておるのではないのじゃないか、一部は普通農協にも構成されておる開拓者が存在をしておりはせぬかと思うのです。そういたしますると、普通農協に構成されておる開拓者にして、この制度を利用することによって営農が完全にいく人は、この制度の恩典にはあずかれないということになるような気がいたしますが、そういうことにはならぬのかどうか。もしそういうことになるとすれば、国家的なこの制度というものが開拓農家には公平に及ばないというへんぱなことになるという心配を持つのですが、その辺はどうですか。
  52. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 開拓者が農協に入っております形は、先生がおっしゃいましたように、開拓農協だけに入っておるものと、それから総合農協だけに入っておるものと、それから開拓農協、総合農協両方に入っておるものがございます。この制度の対象にしてやっておりますのは、開拓農協に入っておる人を対象にしてやっておりまして、総合農協等につきましては、これは総合農協から金融を受けてやっておるというような形をとっておりまして、ほとんどこれは開拓農協に入っておる人、これを対象にしておるという形をとっております。
  53. 森八三一

    ○森八三一君 そこなんですが、開拓者という立場に立てば開拓農協に組織されておる人であろうと、総合農協に組織されておる人であろうと、同じような国家的な施策が及ばなければいかぬのではあるまいか。総合農協の組合員たる立場におるから、それで何らの信用付与がなくても十分やっていけるというふうに割り切ってしまうことは、少し無理があるような気がするのですがね。そういうことになりますると、自己の信用だけでは総合農協から要する資金というものを満足に供給してもらえない。もし、この制度が利用できれば総合農協でも満足な供給ができるというようなことになる。つまり、信用が付与されるかいなかによって、営農が完全にいくかどうかという差異を作るという存在があるのじゃないか、その辺をどうお考えになるのか。
  54. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 開拓農協の問題でございますが、開拓者が、先ほど申し上げましたように、両方へ実は入っているようなものもございます。私は、この制度から出てくる問題は、そういうやり方によって私はこれは救われていくだろうというふうに考えております。実は、総合農協に入っておる地域等の実例を見ますと、大体総合農協が、しいといいますか、経済的に力を持ったところでございまして、今の実情は開拓農協に入ってこの保証協会保証を得て借りる場合と、その制度を使わぬで、総合農協からの単独で借りているという場合と、両方ございますが、実情は、先生のおっしゃいましたように、この保証制度がないので、総合農協から金が借りられぬという開拓者は実は少ないのじゃないかというふうに私どもは見ております。
  55. 森八三一

    ○森八三一君 まあ実態は、今、局長のお話のようなことになっておるかとも思います。そしてまた、総合農協でありますれば、その開拓者自身の信用というものが十分でなくて、融資をすることに多少の不安がありましても、組合員中のごく一部の存在であるということですから、そこで、組合意識を発揚さして、そういうような方に対してもある程度無理をしても貸してあげるというようなこともあり得ると思うのです。思いますが、中には個人的な信用がないということのために拒否されるという場合も起きると思うのです。そこで、この地方協会の実体というものを充実せしめて参りまするために、必ずしも開拓農協というものだけを対象にしないで、開拓者が組合員たる存在としておるという農協でありますれば、開拓農協も、総合農協も、ひとしく地方協会の会員といいますか、そういうものに網羅していくことが、地方協会の内容を充実していくという点からも……。と申しますのは、地方協会に対して、それぞれ開拓農協が出資をしておるわけですから、開拓農協は開拓者だけで組織しておる場合が多い。といたしますると、資金的にも非常に困難になっておるのが実情なんですね。ですから、総合農協も会員に網羅していけば出資なんか非常にふえていく。それが開拓農協の方に非常な裨益をするというか、恩恵を与えるようなことになっていくような気もするのですがね。出資額に応じて比例して保証が行われるというのであれば、私の申し上げるようなことはなくなります。が、地方協会の運営というものは出資額に応じての保証ということではなくて、総合的に行なわれておると思うのですね。といたしますれば、比較的資力のある組合を会員に網羅していく。といって、開拓者が全然ないものを拾い上げるというわけにはこれはいきませんけれども、五百人の組合員を持つ総合農協で、そのうち二十人なり十五人なり開拓者が入っておるという場合も、その総合農協地方協会の会員たる資格がとれるということにすることがいいのじゃないか。そうすると、その十五人のうちに信用を付与してやれば営農資金が満足に調達ができるというような人についても、非常にスムーズにいくのじゃないかと、こういう感じを持ちますが、そんな点はどうなんでしょうか。
  56. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 開拓者が一人でも二人でも——一番小さい場合でございますが、そういうものも考えたらどうかという御意見でございますが、現在の仕組みは、開拓者が七割以上入っているところでないと困るというような実は仕組みになっております。
  57. 森八三一

    ○森八三一君 現在の仕組みがそうなっておりますことは、おそらく私の申し上げるように拡大していくと、その地方協会の運営がともすると力のある方に牛耳られる。そうして開拓者の非常に難儀をしておる人が運営の際に浮かんでこないというような政治的ないろいろな問題も起こるという危険があるからということであろうと思いますが、私はそういう点については、協会の運営をいたしますための役員とか、そういうものの選任についてはどういう資格がなければいかぬというような規定を作っておけば、そういう点は排除できるように思うのです。これは今すぐこの提案されておる法律に直接どうこうという議論をするわけではございませんけれども、国の施策として、あるいは地方自治体の施策として、開拓者に対する営農資金というものを満足に供給してその実をあげていこうということであれば、たとえ少数の存在でも、同様の恩恵が与えられるようにすべきではあるまいか。その場合に、今申し上げましたような総合農協でも、その組合員中に存在しておる開拓農家に対しては手を差し伸べるというふうにしてやったらどうか。その場合には、その総合農協が会員たる資格を獲得するようにしてやらなければならぬ。そういうことにいたしますることは、地方協会の内容を充実して参りまして、この制度の発展に相当の貢献をもたらすであろう、こう思うのです。しかし、それによって運営が開拓者の線から離れていくようなことがあっては大へんですから、それについては別に制限をするような、そういうことを排除するような規定を設けておけば、それは心配のないようなことになり得るのではないか、こう思いますので、そのことは今の問題ではありませんけれども、私は開拓者ほんとうに生々発展していけるように、しかも、それが全開拓者に公平に及ぶように考えるためには、考究していい問題のように思いますので、これは将来の問題として一つ御研究をいただきたいと思います。  それからここに増資計画というのが一応ございまして、三十四年の七月から三十五年の六月までの増資計画と、三十五年の七月から三十六年の三月までの増資計画、その合計額一億一千八十二万二千円ですか、この数字は何を根拠にして出てきたものか。今度一億の中央協会に対する政府出資をするということに逆につじつまを合わせていくという計算から出たのではあるまいと思いますが、どこからこれは出てきたのか。
  58. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) これは実は逆算というわけではございません。私の方で予算の要求をいたしますときに、中央保証協会を通じまして、地方で大体どのくらい増資ができますかという調査をいたしましてやったわけでございます。七月から六月までとありますのは、この中央保証協会の事業年度が七月から六月で一年間となっております。それからあとは三十五年度一ぱいの来年三月までということで地方協会に対しまして照会をいたしまして、その結果、出てきた数字を使ったわけでございます。
  59. 森八三一

    ○森八三一君 そこで、大体昭和三十四年の七月から三十五年の六月までというものはですね、ほとんど大半の期間が経過したのですが、五千六百七十二万一千円ですか、これの大体の最近における実績はおわかりでございましょうか。
  60. 伊東正義

    政府委員伊東正義君) 五千六百万に対しまして実績、これは一月の実績でございまして、最近のはございませんが、千六百万くらいになっております。大体今までの傾向を見ますと、実は政府償還もそうでございますが、三月に大部分が入るというようなのが実績でございます。もう少し新しいのを調べまして、またこの次の御審議のときに御報告申し上げたいと思います。
  61. 森八三一

    ○森八三一君 私がその数字を聞きましたのは、最後の締め上げにいって、一億一千万に対して三十二年、三十三年の平均の計画に対する出資の達成率が八八%そこで、九千七百万という数字が一応出てくるから、一億の増資をすれば、大体三十五年度における保証については支障なくいくであろう、こういうように結論されておりますね、そこで、もしこの八八%の達成率というものがもっと進んできておるようなことがございますと、一億の増資ではまた遊んでしまう部分ができるという危険を感じますのでお伺いをいたしましたが、一月末に千六百万程度というと、大体八八%ぐらいというのは、見込みとしてはまずまずというところを押えてあるように思いますので、一億が妥当であるかどうか、もっとふやすべきではないかというような感じを持ったのでお伺いをいたしましたが、それはけっこうでございます。
  62. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  63. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 速記を始めて。  ここでしばらく休憩いたしまして、午後一時半から再開をいたします。    午後零時十九分休憩    —————・—————    午後一時五十八分開会
  64. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 委員会を再開いたします。  委員異動について御報告をいたします。  北條雋八君が辞任、その補欠として小平芳平君が選任されました。   —————————————
  65. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 開拓融資保証法の一部を改正する法律案(閣法第四十六号、予備審査)を議題といたします。  午前に引き続き本案に対する質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  66. 北村暢

    北村暢君 お伺いしますがね、今度の出資金を一億増資するということになったようでございますが、先ほどの森委員の質問に対して、保証の限度額を増強するために増資する、こういうことのようでございますが、それが百四十億が対象であるというふうに御説明になったんですが、いただいた資料によりますと、この基金の対象になるのは営農振興資金ということで、三十四年度で、七千七百十五万円ですか、これが対象に出ておるように思うのですけれども、この点今年度の貸付予定額の百四十億全体に対して、この保証をすると、こういうことになるのですか、その点もう一度、さっきも説明なされたのですが、ちょっとわからなかったものですから教えていただきたい。
  67. 正井保之

    説明員(正井保之君) 中央保証協会に対する政府出資金をふやすことによりまして、来年度所要の経営資金に対して保証いたします予定の金額は三十億でございまして、百四十億ということでなしに三十億を予定しております。そのうちの九割程度肥料資金でございます。あと主として飼料、それから中小家畜その他農薬あるいは農業資材、そういったものになると思います。肥料等におきましては、前年度に比べて相当ふえますとともに、特にえさ関係は、かなり最近畜産が伸びておりますので、これを前年度に比べますと、約五割程度はふえるような形で、ただいまの予定といたしましては、一億四千万程度でございます。これは額としましては、比較的早く回転いたしますので、実際にはその五倍程度肥料の購入に役立つかと、かように考えております。
  68. 北村暢

    北村暢君 そうしますと、この三十億というのは、制度金融でなしに、一般の系統資金融資に対する保証ということになるんですか。
  69. 正井保之

    説明員(正井保之君) 御質問の通りでございまして、開拓者の必要とする資金のうち、長期にわたって償還すべき施設資金等につきましては、政府特別会計においてこれを供給する、短期の経営に要するための資金、これについては系統金融、中金から開拓者が取得する、これに対しまして信用を補完する意味におきまして保証する、こういうふうな建前になっております。御質問の通りでございまして、この制度の対象は短期の経営資金、それと、先ほどちょっと申し上げましたが、中小家畜につきましては、三年程度償還も可能でございますし、その需要も多いと思うのでございますので、特にこれを取り上げて対象にする、こういうふうになっております。
  70. 北村暢

    北村暢君 そうしますと、制度金融と、それから制度金融以外の融資の予定というのは、一体どのくらいの額ですか。
  71. 正井保之

    説明員(正井保之君) 制度金融の主たるものは、新しく入植する人、あるいは入植して三年以内の人に対する基本資金と申しておりますが、最も当初の操業の際に必要な資金、これとそれから御承知のように、現在開拓農家の七割近くの人が不振状態に陥っておりますが、この不振を解消するために、国会で一昨年三十二年に御審議願いました臨時振興法に基づきまして、計画を立てておりますが、この計画に基づきまして、振興に必要な、主として施設費でございますが、農機具でありますとか、あるいは家畜等でありますとか、そういうものに対する政府資金、それからどうしても個人負債等がございまして、幾ら営農に励んでも、せっかくの収入が個人負債のために流れていく、こういうものに対してこれを救済するための自作農資金、大体そういったもの、それからそのほかに林漁農業金融公庫からも、開拓者におきまして共同施設とか、あるいは農林大臣の指定されました施設等に必要な資金、こういうものでありまして、ごくあらましを申し上げますと、基本営農資金、あるいは振興対策のために必要な資金が約四十億予定されております。それから公庫資金が、先ほども局長から答弁がございましたが、十五億見当を予定しております。それから本制度によりまして、自作農資金でございますが、これもほぼその十五億見当を予定いたしております。そのほか経営資金として考えられております、私どもがこの保証制度によって裏づけをしようとしているのが三十億、大体私どもが直接計画的に開拓農家のために手当をしております資金は、以上のような状態になっております。
  72. 北村暢

    北村暢君 いろいろ開拓者に対する資金手当を考えているようでございますが、これが開拓者の負債との関係で、ただいまの手当は三十五年度に各種の制度金融開拓者資金災害経営資金営農改善資金公庫資金自作農資金、それから営農振興資金、いろいろとあるようですが、これの今申した内訳を聞きましたが、総額で一体どのくらいになるのか。それからそのほかの系統金融に、組合金融による融資手当、それは先ほどお伺いしました三十億、こういうことでそれが二戸当たりにするというと、融資は、内地、北海道、全国で一戸当たりどのくらいになるのか。それから三十四年度末における開拓者の負債の状況は、ここに資料がございますが、その負債、開拓者一戸当たりの負債の関係と、三十五年度の、ただいまいろいろ申されました融資関係ですね、これについてちょっと御説明願いたいのですが。というのは、開拓農家は非常に大きな負債を背負っておりますから、いろいろな融資の施策を講じても、負債のために実際には営農資金として借りたものが、その目的が達せないのではないかというような心配が出てくるので、そこら辺の負債の手当と、それから一般の営農、あるいは各種資金との関係が、三十五年度でどのように調整がとられているのか、この点を一つ説明願いたい。
  73. 正井保之

    説明員(正井保之君) 御質問の第一点でございますが、系統資金を活用するに際しての、この融資保証によっての裏づけ、これは先ほど申し上げましたように、三十億を一応予定しておりますが、そのほかの制度金融といたしましては、政府資金特別会計から出されるものが四十億、それから公庫資金で特に開拓者のために設けられておりますワクが十五億、それから自作農資金としまして個人負債の整理とか、あるいは災害等のために特に必要を生じた場合の借りかえ資金等に充てるために、自作農資金、これは十五億、それから直接制度金融といたしまして用意をいたしておりますのが七十億、こういうことに相なります。  この融資と、新たに融資されますものと、すでに開拓者が背負っております負債との関係でございますが、御案内の通り、せっかく開拓者も逐次装備が充実して参りまして、生産自体は逐年伸びておりますが、一方、すでに借りております資金償還期に入りまして、この償還のための経費というものが、せっかく伸びつつある開拓営農というものの進展を妨げておることは事実でございます。そこで、後ほどまた御審議を願います三つの法案関連いたしますが、私どもとしましては、開拓農家、特に振興対策を必要とする農家の場合、その償還条件を緩和するということで、特別法の用意をいたしておる。それによりますと、これは当該開拓者の所得と、それから生計費あるいは経営費、それと償還をしなければならない要償還額、こういうものを勘案いたしまして、償還を無理に強行いたしますと、ますます負債がふえる、あるいはせっかくの伸びつつあるものがとまってしまうというふうな、非常に無理を来たすものにつきましては、条件を緩和いたしましょうということでございます。その際には、従来、先ほども御質問がありましたけれども、とかく開拓者資金は種類が多くて、口数が多くて、事務的にも煩瑣であり、また開拓者の個個の農家にとりましても、自分の負債の状態が、実ははっきりしないというふうなこと等もありまして、非常に不合理な状態になっておりますので、これらをあわせますとともに、条件を緩和する、その内容は、困窮と申しますか、まずい程度によりまして五年の据え置き、十五年の償還というふうな形と、それから据え置き期限を置かないで十五年の償還というふうな緩和ということと、二段階に考え処理して参るというふうに考えておりまして、せっかくのこれからの前向きの投資が底抜けにならないように、すっぽ抜けないようにというふうなことは、実際の運用上十分考慮して参りたいと、かように考えております。
  74. 北村暢

    北村暢君 ただいまの負債のための借りかえ処置としての総額が、農家の負債のうち、まあ三分の二程度というのは不振開拓農家である、従って、十四万のうち約十万人近いものが不振開拓農家で負債をしょっておる、その負債の残高が三百五十二億ある。これは三十四年度末で、系統資金の負債の貸付残高が三百五十二億ある。もちろんこれは負債でありますから、このうち償還能力ある者ももちろんあるでしょうが、このほかにもその他の負債として、系統金融あるいは市中銀行その他の金融機関から借りてる負債、これはまあ相当高利のものでしょうが、約三十億から四十億ある。こういうような状態の中で、一体そういう借りかえ処置を要する開拓農家の負債の総額というのは一体どのくらいのものになっておるのか、またそれに対してただいまの特別法による借りかえ処置というものが万全にいくのかいかないのか、そのうちの何%しか救えないのか、そこら辺の事情をもう少し御説明願いたい。
  75. 正井保之

    説明員(正井保之君) 御質問の点でございますが、負債の総額、貸付残高の総額、これとまた不振の状態に陥っている開拓者の実情、こういう点からして、条件緩和をするのに該当する負債の額あるいは対象の農家の見当はどうであるかという御質問でございますが、この点につきましては、実はなお若干の大蔵省との折衝が残っておりまして、きちんとした基準が、まだ話し合いがついておりません。それで、ただいまの御質問でございますが、どの程度開拓農家条件緩和の対象になるかということにつきましては、実は私ども試算をいかにしております。その試算の概要は、現在開拓農家の生産額が大体三百五十億前後というふうに考えられておりますが、これの十四万戸にどういうふうに所得の階層が、粗収入の階層が分布されておるか。それから、いろいろと経営形態の異なった農家があるわけでありますが、これを、そのうち、粗収入のうちどの程度が所得として一体考えていいものであるか。これは経営形態によって、経営比率——粗収入のうち経営のために支出を要する経営費の率でございますが、こういったものから推定をしなければならない。そこで、所得階層別の開拓農家の分布を推定するわけでありますが、さらにそのうち、今度は農外所得がまたこれに加わるわけでありますが、これの推定が入ってくる。今度は支出の面でございますが、支出の最も大きなものは申すまでもなく家計費でございます。この家計費の関係で特に問題になるのが、どの程度の生計費を予定するのが妥当であるかという問題が一つございます。その次には家族構成、この分布がどういうふうに一体分布しておるであろうかということが一つあろうかと思います。さらに、このたくさんな負債、これを借りている状態がどんなふうに借りておるであろうか。これは全然借りていない、資金によっては借りていない農家もありますし、また相当に借りている農家もあるわけであります。そういう借入金の負債の金額による分布状況、こういうものがあろうかと思うのであります。こういうものをずっと組み合わせていきまして、そうして所得と支出と、このバランスのとれないもの、あるいは困難なもの、こういうものを条件緩和の対象にする。こういうことにまあなってくるわけでありまして、まことに申しわけないわけでございますけれども、実は開拓農家のうちどの程度条件緩和の対象として取り上げなきゃならないかということについての数字が、ただいま御披露申し上げる、お答え申し上げる段階にまで至っておらないような状態であります。ただ言えることは、非常にまあ低所得の階層の農家が多うございまして、たとえば二十万未満の所得の開拓農家、これが四万余りあったと思います。四万から五万あったと思います。この程度になりますと、やはりこれは生計を営みながら負債の償還をしていくということが非常にまあ困難ということでございまして、少なくともそういった人はこれは十分に緩和の対象にして参らなきゃなりませんということから考えまして、まあ非常にこれは荒っぽい推定になりますが、戸数としては半分以上の戸数の方、これはやはりそういった条件緩和の対象になるというふうに考えておるような次第でございます。
  76. 北村暢

    北村暢君 ただいまの答弁で、私はその問題は後ほどの法案で出てくるから、この問題詳しくお伺いしませんがね。ただいまのような答弁だと、やはりまだ心配は非常に残っている。それはせっかくやはりこの基金ができて、保証やって、短期営農資金というものを借りても、実際にその目的に使われるような形になっていかないのじゃないか。まあ非常に負債で苦しんでおるものですから目的外に使用せられる。従って、いろいろな開拓融資制度、あるいは今のように保証制度によります融資のための信用の増加のための制度、こういうようなものをやってもその目的を達しない場合が出てくるのじゃないか。そういうことを心配するから、そういう点をお伺いしたのですが、今の答弁ですというとまだはっきりいたしません。  そこで重ねてお伺いしますが、この制度によりまして、何といいますか、融資を受けられる、営農資金を受けられるというのは、先ほどの森委員の質問に対しても、まあ三分の一かその程度でなかろうかと、こういうようなことでございましたが、実際に金を借りたいというのは各開拓農家もみな同じだと思うのです。その場合に、やはり金を貸すということになれば、この償還というものをまず考えるから、信用程度においても比較的ある者、こういうことにならざるを得ない。従って、まあ今度のこの開拓融資保証法の目的である、せっかくの目的で、今答弁のありましたこの条件緩和をされるべきそういう負債を持った人というものが往々にしてこの融資の対象にならない場合が出てくるのじゃないか、こういうふうなことが心配される。従って、質問したいのは、この保証制度というのは、今申したような一番条件の悪い人に対して保証制度が確実に実施されるのかされないのか、従来の経験からいってどういうふうに実情はなっているのか、この点一つお伺いをいたしたいと思います。
  77. 正井保之

    説明員(正井保之君) 御質問の通り、何らかの措置をしなければ経営資金がなかなか獲得できないというふうな農家のためにこの制度はできておるわけでありまして、従いまして、できるだけそういった人たちが所要の資金を借りられるようにというふうな配慮をしなければならないことはお説の通りだと存じます。この制度自体もそういう意味合いでできて参ったのでございますから、まさにその通りでございますが、一面融資保証のこの建前は、開拓農家、国、県あるいは一部開拓者の団体からも出ておりますが、そういうふうなみんなの拠出した金でもって、まあ相互に保証し合うというふうな建前で、相互保証というふうな建前にこの制度は立っておると思うのです。そこで、やはりこの資金につきましては、借りたものは着実に返すという建前で、その相互保証のお互いのための制度、これをやはり盛り立てていかなければならぬというふうな性格のものであろうと思うわけであります。また一面、もしもこの保証によりまして借り入れた金が償還できない場合には、その金融機関に対して代位弁済しますという保証がありますから、金融も従って容易にできるという建前でございますので、基金はできるだけこれを維持しながら、ますます必要な資金全部がまかなえるように大きく発展していかなければならない。つまり、資金がだんだん減っていくということは、お互いにこれは努力して避けていかなければならぬ、こういうふうな性格のものであろうかと存じます。そこで、この建前といたしましても、運用上これによって借り入れた資金が実は延滞しておるとか、あるいは代位弁済に立ち至るというふうな場合には、その者に対してさらに新しく融資をするということについては制限的に扱わざるを得ないというふうな運用なり建前になっておる面があるわけであります。そこで先生の御質問のように、実はそういうふうにまずくなった人は、ほんとうに何とかめんどうを見てやらなければならない人ではないかということでございますが、この制度の建前との関係で、無制限にそれに応ずるというふうなことができないわけでありまして、むしろそういった状態に至る原因がもしも災害であるならば、これは履行延期というようなことをいたしまして、いわゆる延滞なり代位弁済の対象にしないというふうな措置を考えるわけであります。あるいは基本的にはいろいろと施設の整備が足らないとか、そういった問題があろうかと思いますから、そういった現在振興対策として建設工事なり施設の整備なりいたしておりますが、そういうことでむしろ基本的には条件を整えていくということを考えておるわけであります。そこで、こういった資金の延滞を来たした場合に、ただいま申しましたように、それがやむを得ない災害等の理由であれば、これは履行延期という措置を考える。そうでなくて延滞等の場合、あるいは代位弁済がありましても、その者の、さらに次の資金を借り入れて後の営農計画なり償還計画というものが適正であるというふうな場合には、これにもやはり貸していくという運用は、そういう道も用意いたしておりまして、従いまして機械的にもう全部だめだということではなしに、制度の建前上守らなければならない範囲の制限はつく、しかし、見込みがある者、あるいは履行延期の措置等のとれる者はやるというふうにいたしております。先ほども申しましたように、条件の悪い者は別途の対策をもって整備しながら進んで参るというふうに考えておるわけであります。
  78. 北村暢

    北村暢君 開拓者の中で、大体三分の一程度は、開拓が成功して、既存農家と同じくらいいける。それからあとの三分の一は、何とか政府で施策をとれば開拓者としてやっていける。あとの三分の一は、これはもう離農寸前にあって、何としてもこれは相当思い切った手段をとらないというと開拓農家として成り立たない。こういうような状況にあるのではないか、大まかに言うと。その場合、今私の聞いておるのは、この一番悪い離農寸前にあるような三分の一くらいの非常に極端な、不振の開拓農家というものには、おそらく保証協会といえども私は保証するような形で金を貸すような形にはならないのではないかというような感じがするのですよ、今申されたような建前からいって。借りたものは払わないでもいいというのではなくして、やはり保証しなければならないから、そういうような点からいくというと、この開拓農家の三分の一を占める非常に程度の悪い不振農家というものには、従来この保証制度によって融資が相当程度いっておるのか、いっていないのか、その点をお伺いしたかったのですよ。
  79. 正井保之

    説明員(正井保之君) 非常に実際的な問題でございまして、必ずしも正鵠を得ていないかと思いますが、融資保証の建前は、その資金を必要とする営農計画、当該年度の営農計画、そういったものが適正であり、また借り入れた資金を、当該年度の経営によって償還ができるというふうなめどさえあれば、これは一般的に、他の負債状況と、これは無関係じゃございませんけれども、一応は切り離して考えていけるのじゃないか。従いまして最初から、どうにもその資金を使うことによってなされる経営からはとても出てこないという場合は別でございますが、そうでなければ、この短期資金としまして、貸付の対象として差しつかえないし、また貸されるべきだろうというふうに考えるわけでございます。実際の場合に、どんなふうに具体的に、階層別に、そういった農家に対して、どの程度貸されておるかということにつきましては、ただいま資料がございませんので、的確には答えられないことを申しわけないと存じますが、建前としてはそういうものであり、そのように運営されているのじゃないかというふうに考えております。
  80. 北村暢

    北村暢君 その点おわかりにならないようですから、来年度予定の三十億というものが、一体どの程度資金手当をして、そういう開拓農家全体にどの程度に使われておるかということぐらいは、やはり押えておかないと、行政として非常にまずいのじゃないかと思うのですよ。そういうことが、私非常に心配なんで、先ほどから繰り返しお伺いしておるのは、いろいろな融資の道を講じても、十何年やってきて、なおかつ不振でどうにもならないという開拓農家があるのですから、それでお伺いしているのですよ。そういうところが、対策として、今後間引きなら間引きをやり、そういう開拓農家は整理してしまうのだ、間引きを今度やられるというのは六百戸ですか、試験的にやられるというのですが、六百戸の間引きをやったって、これは目薬ほどにもならないということははっきりしておる。間引きをやるという方針であれば、従って、約七千万円の予算で六百戸の間引きをやったから、これは開拓はいいなんというのは、これは試験的だとおっしゃっておったからいいと思うのですが、まさに試験的だと思いますが、そういうことで、三分の一の離農寸前にある開拓農家を整理してしまうというなら、またそれなりに話はわかるのですが、大部分のやはり借りかえ措置なり何なりで、何とかして不振開拓農家を盛り立てて、何とかかんとか一人前の農家に育てようという考えだというと、そこら辺までやはり徹底して行政的に配慮がなされてないというと、金は融資の対象でやってありますということは、それが三分の一の人が借りたのか借りないのかというような場合に、一体どの階層の人が借りておるのかわからないようでは、それは私は行政にならないと思う。ほんとう不振農家を救おうといったって、そこへせっかくワクはやってあるけれども、一向金はいっていないということになれば、これじゃ全然行政にならない、そういう点を私は先ほど来聞いている。従って、三分の一を占める既存農家と一致したような農家は、そう保護しなくたって——保護は必要でしょうけれども、程度の問題としては非常に違うのじゃないか、こういうふうに感ずるものですからお伺いしているのです。今後この点は十分注意していただく必要があるのじゃないか、こういうふうに思いますね。
  81. 仲原善一

    ○仲原善一君 保証協会地方中央と二つあるようでございますが、その運営の実態といいますか、財政的にどういう収入があって、どういう費目で支出をやって、どういう仕事をやっておられるか、その現状をお知らせ願いたいと思います。
  82. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) お答えいたします。中央保証協会の事業でございますが、今年度六月までが三十四年度の保「証協会の年度になるわけでございまして、三十四年七月一日から三十五年六月三十一日までが三十四年度の予算でございますが、本予算年度においては、運営基金としては、先ほど申しました一億増資しようという基金が積んであるわけでございまして、その基金の運用益で大体人件費それから事業費、そういう点をまかなっております。それで予算中央保証協会が三千五百七十五万円でございまして、そのうち人件費と事業費を合わせまして千五百万円こういうふうになっておりますが、なお地方協会の事業の事務費の補足というようなことで、中央保証協会から一千六百二十万円を、地方協会に交付金として交付いたしております。これによって地方協会保証業務を運営する、で、地方保証協会は自己の基金の運用益と、それから中央保証協会から参ります交付金、そういうものによって保証業務をやる、こういうことになっております。本来この基金は、いわゆる保証業務を目的とするものでございまして、保証業務に附帯する開拓者営農指導とか、そういった点を合わせてやっておりますが、大体保証業務を中心として運営いたしております。
  83. 仲原善一

    ○仲原善一君 基金の運用でございますが、これはどういうところに今預金かなんかしてあるわけなんですか、地方地方を通じてお話願いたいと思います。
  84. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) 中央の基金は四億九千五百万円現在ございます。これは一億政府出資をふやすわけでございます。現在農林債券、農林中央金庫の定期預金、そういったものに預金いたして運用いたしております。これは業務方法書で預金先、そういうものの利用先が決定されており、それによって農林債券と、農林中央金庫に預金いたしております。
  85. 仲原善一

    ○仲原善一君 地方はどうなっておりますか。
  86. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) 地方も同様と心得ております。
  87. 仲原善一

    ○仲原善一君 その基金は、代位弁済などの場合には、取りくずしていいことになっておりますか、それとも何か一定額は確保しておくことになっておりますか、その辺はどうなんですか。保証をやった場合に、払えない場合に代位弁済やるわけですが、そういうときの財源に、基金は取りくずして支払っていいのかどうか。
  88. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) 一応事業年度ごとに余裕金があれば、準備金として積み立てておりますので、準備金でまず代位弁済をやり、それで足らないときには基金を取りくずして代位弁済をやる、こういうことでございます。
  89. 仲原善一

    ○仲原善一君 地方の県庁などで実施する基金は、これは義務づけがありますか、それとも自由ですか。
  90. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) 義務づけではございませんが、われわれといたしましては、開拓者出資いたしますと同額以上を、県にお願いするように、指導でこれは確保するようにいたしております。
  91. 仲原善一

    ○仲原善一君 次に、利子の問題でありますが、いただいた資料によりますと、県の開拓連なり、あるいはこの開拓農協が、短期資金について年で七分六厘六毛、それから中期で八分五厘で利ざやを取ることになっておりますが、これはどういうことに使われるんでしょうか、利ざやの収入は。しかもこれは県の開拓連と、それから組合と協議してその割合をまたきめるということになっておりますが、その利ざやはどういう点にお使いになるのか。
  92. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) 短期資金は、大体貸付が一年以内でございますが、手形貸付で中金からの、金融機関からの貸し出し利息は二銭一厘でございますが、これが開拓農家の借り入れ率は二銭三厘になっておりますので、県開連あるいは開拓組合の利ざやというものは二厘でございます。その二厘につきましては、県開連と組合が協議の上、大体配分をきめるということになりますが、これにつきましては、保証業務につきまして開拓者からの保証の申し込みをとって、それを中金にまとめて提出して、中金といろいろその交渉をやり、あるいは中金から借りました金の償還等のために、開拓農協を通じて開拓者償還の督励をする、そういった保証業務に大体これが使われています。中期資金は、これは大体家畜とか、あるいは農機具等で三年以内、大体原則二年でございますが、三年以内で証書貸付になっております。年八分五厘で中金から出ますが、末端の貸付には九分以内ということになっております。原則として五分以内が県関連、あるいは組合利ざやがある。これもやはり長期と短期の間に分けてやっておりまして、同様に保証業務に必要な連絡なり、通知、通信その他の準備に使われる、こういうことでございます。
  93. 仲原善一

    ○仲原善一君 ただいまのお話で、保証業務の事務にお使いになるということですが、実際は保証を受ける組合員と受けない組合員があって、実際の使い方は組合全体のいろいろな経費に流用されたりすることがあるのじゃなかろうかということが、組合によってはあろうと思います。本来からいえば、これは利ざやの分は、結局金利を安くするために、それだけは取らぬことにして、組合運営のそういう費用というようなものは、全体の開拓農協の事務費というような形で、別途これは政府等でめんどうを見るというのが本筋じゃないかと思うのですけれども、利ざやは取らぬことにして、その分だけは実際の利用者の金利低下に充てるというようなことを考えますが、そういう点については、どういうふうにお考えでしょうか。
  94. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) われわれといたしましても、開拓者の借り入れまする資金についての利子は、できるだけ安いことを希望いたしておりまして、この利ざやにつきましても、県開連なりあるいは組合等に、できるだけ節減して開拓者の負担を軽くするように、こういう要望はいたしている次第でございます。なお、これについては中金等でもいろいろ交渉しまして、中金といたしましては、年八分五厘というものは相当低い金利だというふうにわれわれは承知いたしている次第でございますが、ただいま御指摘のように、組合といたしましても、いろいろ事務費が要るわけでございますが、政府でこれをある程度軽減の措置を講じたらどうか、こういう趣旨の御質問でございますが、われわれといたしましても、開拓組合の育成強化ということについては、かねてから非常に努力をいたしているわけでございまして、先般来からも御指摘がありましたように、組合員が非常に少ない、あるいは組合の開拓者の経営経済が非常に悪い、そういったことが原因しまして、大体弱小組合が多くて非常に貧弱だ、こういう点が開拓行政の一つの大きな問題でございます。その点につきましては、あらかじめ財務整理といったような形で、組合の財務の再建をはかるために、経理事務に堪能な人を県で委嘱しまして、開拓組合に平均三カ月でございますが、場合によりましては六カ月、あるいはいい組合では二月というようなことになりますが、大体平均三カ月程度の経理指導をやりまして、それは国の補助によるわけでございますが、補導員で経理指導をやり、組合の再建に資したい。そういう点で、できるだけ組合の育成強化の道を開いていこう、こういうような考えで努力いたしておりますし、なおまた試験的でございますが、三十五年度からは非常に弱小組合が分散しているといったところも、できるだけ統合をはかって、合同事務所等を試験的に作らして、その合同事務所に必要な経費を国から補助していく。そういったような配慮もやって、それがうまくいけば、そういった点をさらに強力に進めていって、将来の組合の育成強化をはかり、そして一本立ちができるようになったところで、あるいは開拓組合として一本立ちする、あるいは場所によっては総合農協と合併した方がいいところは合併する、そういったようないろんな方向にこれを持っていきたい。そういう基盤の整備をはかりたい、こういうことでございます。
  95. 仲原善一

    ○仲原善一君 次は、代位弁済についてお伺いいたしたいのですが、昨年の十二月末現在で、資料によって拝見しますと、代位弁済をやりました総額が二億三千万円でございますか、そのうちで回収したのが一億一千八百万円で、求償権の残高が一億一千三百万円ばかりまだあるというわけでございますが、これが最終的にはどうなるのですか。その代位弁済やったのが、もちろん求償権は発生しておりましょうけれども、それがどうしても支払えないという場合には、どういう措置を最終的にはおやりになるつもりなのですか。
  96. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) 大体これは、求償権になりまして、地方協会あるいは代位弁済いたしました中央保証協会から開拓組合あるいは開拓組合を通じまして開拓者から返済していただくということになるわけでございます。ただいまの回収率は、五割程度は大体回収が済んでおります。最近の状態ではこの政府資金の、三十五年度といたしましては政府資金の借りかえ措置条件緩和でございますが、新しい法律を御審議願わなければなりませんが、それによって政府資金を大幅に履行延期していく、あるいは旧債である個人の高利債を、大体三十五年度では五十一億程度全額で借りかえてしまう、あるいは短期の天災資金、こういういわゆる災害による経営資金が、改善資金に大体ことし一ぱいでは四十一億程度借りかえられる、そういうことになりますれば非常に負担が軽減されますので、開拓者といたしましても短期の経営資金はいずれにしてもこれは確保しないと、経営に支障を来たすということで、開拓者自身においても保証協会保証になっておる分を返そう、まず第一にこれから返していこう、こういった非常に強い意欲がございまして、この回収率は徐々に上っていくものとわれわれは楽観いたしておるわけでございますが、どうしてもこれが最終的に回収できないということになれば、それは本質的に消却せざるを得ないのじゃないか、こう思っております。
  97. 仲原善一

    ○仲原善一君 延滞利子の問題ですけれども、これはどのくらい取っておりますか。それからその帰属はどういうところになりすまか、延滞利子の帰属は。
  98. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) 代位弁済前のものは履行期を過ぎますと日歩四銭の延滞金になります。これは中金の収入になります。代位弁済後におきますものは、これは求償権を持っております地方協会または中央保証協会の収入になります。
  99. 仲原善一

    ○仲原善一君 最後に、償還の時期の問題でございますが、この中金から出ておる短期中期資金償還の時期ですね、これは従来は何か六月とか十二月とか画一的にやっていたように思いますけれども、現在はどうなっておりましょうか。
  100. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) 実際に借り受け契約を締結したときから何カ月ということになりますので、六月とか十二月末とか、そういうようには相なっておりません。
  101. 仲原善一

    ○仲原善一君 そういうことならいいのですが、実は農作物の収穫の出来秋ですね、そのときに償還できるように時期を改めてほしいという従来委員会の要望があったように記憶しておりますので、今のお話のように借り受けたときから一年とかあるいは二年ということであればいいと思いますけれども、従来は何か六月末とかそういう収穫日に関係のないときに納めるような格好であったように記憶しておりますので、その点をお伺いしたいと思うわけです。
  102. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) 今は先ほど御答弁申し上げましたように、借り受け契約を締結したときから約定期間ということになりますので、短期であれば大体六カ月、肥料資金等であれば年五回の回転でございますので大体二カ月ないし三カ月、そういうことになっております。画一的にやったのじゃないかという御質問でございますが、それは保証協会の前身であります信用基金で一時そういう制度がございましたけれども、ただいまでは先ほど申し上げましたような制度に切りかえて運営しておると存じますので、御心配の点はないと存じます。
  103. 北村暢

    北村暢君 ちょっとお伺いしたいのですが、このきょういただいた資料ですがね、この資料の8というところに、貸付累計額、それから償還累計額、こういう表がございまして、そのうちに代位弁済による求償権発生累計額、こういうことになって二億三千二百十万二千円ですか、これを代位弁済をやつて、回収をして、求償権の残高が一億一千三百十五万五千円、こういうことになっているようですが、そこへ今度は増資をするということなんですが、ここの状態を見ていくというと、代位弁済をやっているものが、昭和二十八年から三十四年までで二億三千万程度しか代位弁済をやっていない、こういうことが出ておるようです。これについて代位弁済をする額というものがこの保証協会資金状態からいって一体どのくらいまでが健全な経営であると、こういうふうに見ておられるのか。代位弁済が非常に多くなると、これはつぶれてしまうということになるわけですが、どの程度までに考えられるか。  それからもう一つは、この一億一千三百万円というものは求償権の残高ですが、これの回収見込みというものは、可能性というものはどの程度にあるのか。それから、現在保証額が十億四千九百万円になっておりますが、来年度の保証総額が三十億ということを予定しておるようでございますが、この三十四年の十二月現在で十億というものが三十五年度で三十億というと相当ふくれるわけなんですが、この数字関係、現在保証額十億と来年度の三億との関係、これを一つ説明願いたい、そういうことです。
  104. 正井保之

    説明員(正井保之君) 御質問の第一点でございますが、代位弁済の額がどの程度になるのが本制度の運用としては望ましいかということにつきましては、端的にこの程度ということは実は非常にお答えしにくいと存じます。もしも代位弁済が全然ないということになりますと、これは比較的安全な人のみに本制度が利用されたというふうなことじゃないかと思うのでございまして、むしろこういった制度による裏づけがほしい人、そういう人に資金が貸し出されるというふうなことがありますれば、そのうちの若干の人はこれは延滞になったり、あるいは場合によってはやむを得ず代位弁済によって求償権が発生するというふうな事態にならざるを得ないわけでありまして、全然ないのがいいというふうには一がいに申せないというふうに抽象的には考えております。ある程度の代位弁済による求償権の発生があって、かつそれが相当にスピーディにまた償還されていくというふうな状態であれば比較的いい運営じゃないかというふうに考えられるわけであります。  なお、ただいま残っております一億一千三百万円の求償権の残高の償還の見通しでございますが、先ほど管理部長から御説明申し上げましたように、従来の実績は五〇%を少し上回る程度に返されて参っておりまして、今後も従来の実績を上回るような償還の成績というものを期待いたしております。  それから現在の保証額が十億であるが、基金の増額に伴っての三十五年度の保証額三十億との関係はどうであるかという御質問でございますが、本制度による融資の経営資金保証は、先ほど申し上げましたように肥料が重点でございまして、肥料の時期と申しますと、やはり春から夏というふうなことになりまして、制度が活発に動き出すのはこれから先でございます。で、出来秋に償還ということになって保証の残高が動いて参るわけでありますが、そういう意味で、実は三十五年度の終わりころ、後半にかけてずっと伸びてくるということで、三十億の内訳のほぼ九割程度は、おそらくは肥料ということになるんじゃないかと予想しております。
  105. 東隆

    ○東隆君 今の北村君のお聞きになったものを、貸付期間別に分けるとどんなことになりますか。一年以上というものと、三年以内というのがありますね。これは一年以内というのが短期で、中期は三年以内というふうに考えるんじゃないんですか。どうなんですか、これは、この書き方は。一年以上三年以内を短期とするのですか。この5のところですね。
  106. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) 配付申し上げました資料の四ページ、「保証に係る借入資金の種類及び貸付条件」、貸付期間の一年以上というのは一年以内でございます。ミス・プリントでございます。
  107. 東隆

    ○東隆君 そこで私のお聞きしたいのは、この一年以内の金額と三年以内の金額はどのくらいの割合になっていますか、今までの貸付状況から見てですね。それから結局求償しなければならぬ残高は一体どちらに多いんですかな。そういう問題わかりませんか、その中身は。
  108. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) 大体、肥料、飼料というのが一年以内の短期資金でございまして、九割から九割五分程度短期資金になっております。中小家畜、農機具といったようなものが中期資金でございます、その比率が大体四分五厘から五分といったところでございます。短期肥料、飼料が九割五分くらいで、中期が大体五分程度、こういう比率になっております。まあそういう比率で運営いたしておりますので、やはりその延滞になっているのがどちらかと申しますと、短期の方の資金ウエートが高いので、そちらの方の分が多いんじゃないかと、こう推定いたしております。
  109. 東隆

    ○東隆君 私はその想定をすると、かえって中期で貸した分が残るんじゃないかと思うのですが、中身は同じようなものなんですが、8ところで見ますと、求償権の残高が現在の保証額のちょうど一割程度ということになっておりますわね。五ページです。その現在保証額というのが十億四千九百六十万になっておるわけですよ。そうして、求償権の残高が一億一千三百十五万ですからね。そこでざっとまあ一割程度のものが残っておるということになるでしょう、一応考え方によれば。そこで問題はまた、その短期中期関係で、私は、総額が短期の方が多いからと、こう言われますけれども、性格からいえば、私は中期のものに問題があるのじゃないかと、一年きりで払えないものを中期にしてあるのですからね。だから三年のものは代位弁済やつていないし、いろいろな形が出てくるのじゃないかと思うのですがね。そういうふうにこう理解する方が何だかわかりよいように思うのですけれども、その点はどうですか。
  110. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) その延滞の中の貸付種目といったものについて、的確な資料を今持ち合わしておりませんが、やはり延滞になるのは、災害を受けたとか、そういったようなことで予定した収入が上がらなかったと、そういった面が非常に多いわけでございます。まあそういう面からいたしますと、農家としての、開拓農家としての負債の返し方の圧力というものは、やはり肥料資金等が一番大きなウエートを占めておりますので、そういう面にやはり延滞分が起こっているのじゃないかと私らは考えておるわけでございます。御指摘のように、中期の中家畜等は、二年の償還期限で返しておりますので、まあこの制度も、初めは肥料等の短期資金から始まって、ここ最近にまあ中期資金も道を開く、こういうことになったわけでございまして、それほど一億一千八百万という中のウエートはやはり短期資金の方が多いのじゃないか、こう考えております。
  111. 東隆

    ○東隆君 実は、短期中期の金利を比べますと、私は、その中期の方がだいぶ高いんですな。九分以内になる。それから短期の方は八分三厘九毛、こうなりますから、どちらかというと短期の方が安いのです。それで、これは操作の関係その他からですから、これは逆にすべきじゃないかと思うのですが、中期の方をかえって安くして、そうして短期の方を少し高くした方がいいようにも考えるのですが、それから総体としての保証法ですから、保証関係なんかがあるから少し高くなっているということも理解をするのですが、この保証関係でもって、中期のやつは長い間保証するという関係で高くなるのですが。どういうわけですか。
  112. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) 保証をいたしますので、金利は一般の金利よりも安くしてあります、危険率が低いということで。保証料は取っておりませんので、保証関係で金利が高くなるということはございません。中期の方が率が悪いじゃないかと、こういうことになりますが、一年以内の手形貸付は、これはまあ手形金利ということで、一般の農手が二銭五厘でございますが、これは保証しておるというような関係もございまして、二銭三厘に下がっておるわけでございます。中期の方は一般金利、こういうことでございます。それで、差があると思いますけれども、われわれとしてもできるだけまあ安い方がいいということで、御指摘の点いろいろ検討したいと思います。
  113. 東隆

    ○東隆君 それから少し別になりますけれども、農林漁業金融公庫関係とですね、それから北海道に、この前の例の、北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法という法律ができて、そうしてこれは開拓農家にも実は流される資金で、金利は五分五厘なんです。ところが、この資金開拓農家にはなかなかいかないし、北海道の農家にもなかなか貸付ができないような仕組みになっておる資金です、見ようによっては。それで、私どもは、どうしてもその前提として負債整理をやらなければこの資金は入りませんぞと、こういう意見を述べておったわけですが、開拓農家というものは、これが実にシヴィアに響いてくるわけです。というのは、いただいておる資料から見ましても、粗収入が三十三年のなにを見ますと三百七十七億円です。開拓地における生産総額は一戸当たりは二十五万六千円、これが平均の額だと、こういうわけですね。経営面積その他から推していくと、北海道の方はこれよりも多少粗収入がいいかもしれません。ところが、この二十五万六千円では寒冷地の金融臨時措置法によるのはいかないわけですね、これには一戸当たり三十五万円以上の粗収入がなければ貸さないと、こういうふうになっておるのですから。そうすると、これはもう開拓農家は軒並みにこの資金が借りられない、こういう形が出てくるのです。そこで、先ほど午前中に私が質問した、三分の二について営農振興計画を立てて、そのものには随時資金を融通していくんだと、こういうお話で、残りの三分の一というのはどういうのかというと、きわめて経営のいいものと、それから安楽死をさせなければならぬようなものと、二つを含んでいるのだ、こういうことになったわけです。そこで、私はその上部に位する開拓農家ですね、これがそのマル寒資金を、北海道の寒地資金を借りられるかどうか、もし借りることができればこれは問題でないのです。だから、それが入っていくという条件と、この営農振興関係でもって計画を立てるものとの間に開きができる。これは非常に気の毒な状態のものは一番中堅のところがひどい目に会う。こういう問題が起きてくるので、そのかね合いは、これで計画的にお考えがつきますか。漏れるものができてくると思いますが、その漏れるものを救済することができますか。そういう点ですね。
  114. 正井保之

    説明員(正井保之君) ただいま寒冷地畑作振興資金開拓農家関係の御質問がございましたが、実は北海道の開拓農家二万七千戸ございますが、そのうちのほとんどが——約九割以上だったと思いますが、その程度が実は振興農家ということになりまして、臨時振興法に基づいて振興計画を立てている方々、非常に残念ではございますが、そういう状態でございまして、この開拓農家につきましては、御承知のように、あるいは建設工事の促進でありますとか、あるいは振興計画に基づく所要施設に伴う家畜ですとか、機械とか、そういうものの整備に伴う資金を融通するというふうなことになっておりまして、大体振興農家の資格を私ども考える際に、実は経営面積と粗収入、この関係を拾ったわけでございます。その際に、開拓営農振興臨時措置法の施行規則でございまして、配分農地面積、これが四町歩から六町歩未満の開拓者の場合には、三十五万を割ればこれは振興農家の一応資格がございますということになっておりますので、おおむね三十五万を北海道の場合に割っているような場合には振興農家ということになっているのじゃないかと思うのです。従いまして寒冷地の方の資金の対象にならない場合は、ほとんど開拓者の、私どもの方の振興の対象になるというのが、実情じゃないかと思いますが。
  115. 東隆

    ○東隆君 その振興農家になれば、今までの政府資金のものを借りかえをして、長期の延滞か何かできて、そうして一つの、何といいますか、開拓計画が立つわけですね。そこでその寒資金を入れる可能性ができてくるわけです。そこで問題は鶴資金の方は粗収入三十五万というので切ってしまったものですから、ですから、三十六、七万の収入があって、そうしてその人が今度はこっち側に、なにの方に入らないようになるおそれがあるのではないか。振興農家にみなほとんど全部入ってしまうのだと、こう言われるけれども、三十五万以上の粗収入があると省かれるおそれがあるのではないですか。
  116. 正井保之

    説明員(正井保之君) 基準を、先ほど申し上げましたように四町から六町の農地面積のもので三十五万を割るような場合には振興農家としての資格がある。あとは振興農家がそれぞれ営農改善計画を作りまして、そうして組合が組合として今度はまとめまして、それを当該開拓農業協同組合の振興計画ということで知事の承認を得た場合に、これはいろいろと私どもの方の振興対策のあるいは資金を貸すとかいろいろそういった対象として取り上げますということになっておりまして、従いましてまずそういう状態の場合は、個々の農家として資格がございますし、改善計画を作り、組合としてもまた振興計画をまとめておるはずでございまして、あるいは若干そういうふうに乗っかってこない場合があるかもしれませんが、そういう意味でほとんど振興農家としての施策の対象になっておるのではないか、かように考えたのです。
  117. 東隆

    ○東隆君 その大部分が振興農家の対象になるのだというお話でしたら、それは私はもう何とも振興計画は立たないという面はこれはいたし方がないけれども、振興計画が立つ農家は、これは全部合わせてみたらどうなんですか。その部分を全部を対象にする。三十五万なんということをやってみても、家族数だの何だのから考えても、三十五万の粗収入でもって北海道でもって生活が、普通の生活ができると思ったら、これは大きな間違いです。粗収入ですからね。これに狭義の生産費を差っ引いたら一体農業所得というものはどれだけになるのですか。その農業所得でもって、今は手一ぱいというか、負債を償還する財源なんというのはそこから出てこないのじゃないですか。だから、この形が、私は粗収入を百万もということは言いませんけれども、これはもう少し粗収入を、せめて五十万ぐらいのところまで上げなければ、こちらの方は問題にならぬ。三十五万で切られたら、これは大へんですね。家族数がちょっとでも多かったら問題にならぬ。その点は、金融公庫の貸すときの、マル寒のときの場合は、新たに経営計画を立てていくのに、生産の方面に金を貸すのですから、畑作振興の方は、それからこちらの方は、今までの負債だの何だのを計画的に償還して、そして経営の何というか、基盤を確立して、そしてその上に経営を進めていこうというのですから、その目標を三十五万のところに持ってきて、こことの関係できめるなんというのは、これは間違いです。
  118. 正井保之

    説明員(正井保之君) 私の説明が不十分でございまして、補足さしていただきます。実は三十五万というのは、耕地面積四町以上六町未満、六町以上八町未満の場合には、粗収入四十四万、八町をこえる場合には五十万ということで、実はさらに上の段階を設けまして、それ未満の人は、これは開拓農家として、これから特別の計画を立てていただき、また国としても特別の施策をして、そうしてそういう条件を整備して、計画的に振興対策を進めて参りましょう、こういうときにとっためどでございます。ただ三十五万ということのみで御説明したのは、実は誤りでございまして、十分でございませんでしたので、さらに上のところももちろん予定しておりまして、四十万ぐらいの人も、耕地面積が七町であれば、これは通常の状態じゃない、特に振興対策農家として取り上げて計画を立てて参りましょうというふうに、さらに上の基準のものを取り上げておるわけでございます。
  119. 東隆

    ○東隆君 そうすると、問題は、今度はマル寒資金の方ですが、これは三十五万円の粗収入がなければ貸さない、そういうことになっておりますが、私は、今の特別の資金を導入することによって、振興計画ができ、償還計画ができると、その農家に対しては、一定の経営を拡張しなければいかぬのですから、だから、それに対して開拓農家に対しては、特別に農資金を融通する。これは五分五厘の資金ですからね、資金としては非常に、自作農創設資金以外の資金としては非常に助かる資金です。その資金開拓農家にも少しぐらいは入ってもいいと思うのですが、これがほとんど拒否された形になっておるわけです。それの解決方法ございませんか。
  120. 正井保之

    説明員(正井保之君) 実はこれは振興局の方の所管で、寒冷地の畑作振興につきまして、措置がとられたのでございますが、実は私の局だけでも、特に私、ただいま御質問の点につきまして、的確なお答えができないのは残念でございますが、ただいま寒冷地資金の非常に貸付条件の有利な点のお話がございましたが、私どもの方で、振興農家にいたしております開拓者に貸し付ける、振興資金と申しておりますが、これは従来五分五厘、三年据え置きで九年償還ということにいたしておりましたが、寒冷地の畑作振興資金と均衡を保つために、北海道の場合は、この振興資金の五分五厘は元のままでございますが、据え置き五年、償還期間十五年、こういうことで実は歩調を合わしたというような措置を、この法案でもって後刻御審議を願うということで、貸付条件のバランスは保つようなふうに実は考えております。従いまして畑作振興資金と同様に、私どもの方から出ていく資金も同じような条件で貸付がなされるというふうに改正して参りたいというふうな措置を考えております。
  121. 東隆

    ○東隆君 そうすると、経営振興資金で出ないものは、畑作振興資金開拓農家にも出る、こういうふうに理解してようございますね。
  122. 正井保之

    説明員(正井保之君) 開拓の場合の振興資金は、実は前に、昨年の三月末日までに、各開拓農家から組合としてまとめ、知事の方へ出してから、そこで承認を受けております。従いまして私どもの振興資金の貸付は、大体知事によって承認されました計画に沿って、実施して参りたいというふうに考えておりますので、寒冷地畑作振興資金と、その方の事業計画と一致しておるかどうか、その点が問題であろうと思います。おそらくもし立てるとすれば、それに付加して、こういうふうな計画が具体的には立てられているのじゃないかと思いますが、その辺が実ははっきりいたしません、個々について見ないと。
  123. 東隆

    ○東隆君 実は私の心配しているのは、先ほど大部分だというお話だったけれども、振興計画を立てるのは三分の二だと、こう言われたものですから、そうすると三分の一残っている、しかも下層の者はどれくらいになっているか、それはわかりませんが、上層の部でもってはずされる者も、開拓農家ですから、経営拡張したりなんかする場合に、この程度資金が入っていかなければ、仕事が非常にやりずらいのでないか、こういうことを心配するものですから、ちょうどその法律が二つ出て、そうして間に入って出ないものができてくると、これは大へん気の毒だと、こう考えたものですから、そういう点が救われれば問題ないわけです。それで開拓者の団体の方からは、その資金は借りることができないから、何とか借りられるような方法を考えてもらいたいという要請があるわけです。
  124. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) 参事官からお答えいたしましたことを補足して申し上げますが、北海道の開拓者はただいまのところ二万八千五百七十戸ございます。そのうち振興計画承認済みが二万一千五百十五戸、こういうことになっております。それで昨年マル寒資金制度ができましたときに、政府から出しました振興対策資金の年限が、利率は同じですが、年限がマル寒は五年十五年で二十年、それから政府資金は三年九年で十二年、ただし政府資金の方は、営農転換資金として乳牛を含んだ資金になっているわけです。乳牛と、それからそれに必要な農舎あるいはサイロ、あるいは畑作の飼料畑に必要な種代、そういったようなセット融資政府資金はなっておりますが、鶴の方の公庫融資の方は乳牛が入っていないで畑作振興の方にウエートがいっている、そういうふうに承知しております。それでわれわれといたしまして、マル寒と政府資金の運営について、開拓者の方をどういうふうに組み合わせていくかということで、相当研究をいたしまして、やはり年限の長い方が有利じゃないかというようなこともありまして、マル寒の方に均霑し得るものは——やはりマル寒の方は公庫融資でございます。金融ベースということもございますし、先生が今御指摘のように、三十五万円というような点もございます。これは私の承知いたしておりますところでは、振興目標が粗収入が——所得が三十五万円以上になるような営農計画を立てた場合に貸している。所得が三十五万円以上じゃないと貸さない、そういった貸付の基準じゃなくて、貸し付けた後の営農振興の所得目標が三十五万以上になるような農家、そういうふうに私了解しておったわけでございますが、開拓者でなかなかそういかない面がある場合には、政府資金で貸していこうじゃないか、すなわちマル寒になれる場合にはマル寒で融資してもらって、ただし場合によっては政府から乳牛だけの融資ができるような道を開いたらどうか、そういうような組み合わせを考えておったわけでございますが、実は北海道につきましては信連を、マル寒は北海道の信連を通して融資するということになりまして、開拓者が農協に入っている者と、入っていない者とございまして、入っている者については問題がないわけでございますが、一般農協に、総合農協に入っていない開拓者について、なかなか手続が進まない、こういうふうに承知いたしております。その点について今鋭意折衝をいたしておるわけでございますが、大体マル寒を現在のところでは、四千戸程度希望しています。二重加入といいますか、総合農協に入っている二千戸程度は手続が順調に進んでおりますが、あとの二千戸程度総合農協に入っていない関係から信連でまだ停滞している、それの解決に公庫なり、道信連なりにお願いして折衝している、そういう段階でございます。
  125. 東隆

    ○東隆君 そうすると、ざっと開拓農家は七百戸ですわね、七百戸そこそこが振興計画のないところになりますね。
  126. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) 七千戸です。
  127. 東隆

    ○東隆君 七千戸ですか、振興計画がないのが。そうするとあなた何ですよ。大部分じゃないですよ。あなたの言われておるのは、私は七百くらいだと思って考えておりましたが、七千戸だったら二万八千戸ですから、大きく四分の一ですよ。四分の一ははずれるわけですか。四分の一はずれるのと、今の四千戸の中にどれだけダブれるかという問題ですよ。
  128. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) この営農振興とされておりますのは、参事官から説明がありましたように、一定の面積を押えまして、それまでに粗収入が達していないものを、営農振興計画を立てる資格ありとして、立てさしてそして認定したわけでございます。非常に営農不安定な者が振興計画を立てておるわけでございます。それの申し込みなり、あるいはそれから除外されている者は、大体営農が安定している。営農振興の基準が大体開拓二十年以上であるか、あるいは組合員の二分の一以上なければ振興組合になれないという制限もございます。開拓営農振興計画を立つべき者でも、振興計画が立てられなかった方もあると思います。相当部分ありますが、一応それを安定している農家とわれわれは考えておるわけでございます。そういうところはマル寒資金で当然やってもらってそうして改善計画を立てた農家については、政府資金でいくというのが建前でございます。政府資金ワクも少ないのでございますから、改善農家のアッパー・クラスの方は場合によってはマル寒で均霑し得るものはマル寒でいく。改善計画は立てないが一応安定しているという農家は、マル寒でやってもらいたい。そういう指導をやっております。
  129. 東隆

    ○東隆君 今のマル寒資金の方の四千戸というのは一年分ですか。開拓農家の方の振興計画のないのが七千戸だとすると、四千戸と七千戸だったら開拓農家全部ちょうだいしても、マル寒資金の方は既設農家の方には一つもいかないことになつちまうのですよ。そこの矛盾と、それから開拓農家でもってマル寒資金のこない分ですね、これは借金の方はこれは今までの何でもってやっていく。そして辛うじて経営を続けていくというのが、下の分の七千戸に入っていると思うのです。それには当然マル寒資金のような資金を供給することによって、経営を拡大していくべきである。そういう資金が別にないのですからね。いい農家だ、こういわれている農家でも、決してりっぱな農家じゃないのですから、開拓農家は。そこでその人たちは幸いにしてマル寒資金を借りる資格を条件を備えている。その備えているものは七千戸の中からXを引いた残りのものになるわけですけれども、その部分が今の四千戸だ、かちかちだというようなことになると、これは開拓農家は、マル寒資金の方はお前らの方にはまず出さない、こういうことになってしまうおそれが多分にある。農林省ではあっても局も違うし、扱い方がだいぶ違ってくるのではないか。それから開拓農家については、先ほど言った、信連系統を通さねば出ない、こういう条件もあるし、はなはだ開拓農家には酷な形が出てきはしませんか。北海道の関係ですから開拓地としての北海道という前提のもとに考えていくと少し矛盾を感じますが、何か調節する方法ございませんか。
  130. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) 今申し上げました改善計画を立てた農家は二万一千五百と、こう申したのですが、それについてこれは改善計画を一応立てて知事が承認しているわけです。マル寒の方もマル寒振興計画を立てて、やはり知事が承認する。それに公庫が貸していく、こういうことになるわけです。ただいま申しました四千戸というのは、改善計画を立てましたクラスの上級の部でございます。それで、それは今まで立てました改善計画を、マル寒の計画にちょっと手直しをやって借り入れる、こういう農家が大体四千戸、こういうことになっております。それから改善計画を立ててない七千戸の分でございますが、これは一般農家並みということで、その寒の手続をいたしますれば、その要件を備えれば、もちろん認定を受けてマル寒資金を借りられる、こういうことになっております。われわれといたしまして、ただいまのところ改善計画を立てた中において、どういうふうな調整をやるかということで、改善計画を立てました二万一千五百の中の上層部分は、マル寒で一つそれは大体やっていくのが四千戸。中層以下は政府資金で三年九年でございますが、三十五年から、先ほど参事官から御説明申し上げました通り、マル寒と同じ貸付条件に変更いたします、それで酪農転換資金として乳牛を入れた資金でまかなっていく、こういうふうな組み合わせになっております。
  131. 東隆

    ○東隆君 今のなにでもって話はわかったのですけれども、二万一千戸のうちで四千戸は寒資金が借りられるということですね。それならいいんです。私はそうではなくて、二万一千戸は振興計画でもって資金がくる、残りの七千戸というのはこれは一般農家並みでこれはまた寒資金の方に入ってくるのだ、そうするとダブるのは、二万一千戸のうちの四千戸がダブるということなんですね。
  132. 庄野五一郎

    説明員(庄野五一郎君) そういうことです。
  133. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 他に御発言もなければ、本案については、本日はこの程度にとどめます。  それでは、本日はこれにて散会をいたします。    午後三時四十二分散会