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1960-03-03 第34回国会 参議院 農林水産委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年三月三日(木曜日)    午前十時四十四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     堀本 宜実君    理事            櫻井 志郎君            仲原 善一君            東   隆君            森 八三一君    委員            青田源太郎君            秋山俊一郎君            石谷 憲男君            植垣弥一郎君            岡村文四郎君            重政 庸徳君            高橋  衛君            田中 啓一君            田中 茂穂君           小笠原二三男君            北村  暢君            戸叶  武君            中田 吉雄君            棚橋 小虎君            千田  正君            北條 雋八君   政府委員    農林省農林経済    局長      坂村 吉正君    水産庁次長   高橋 泰彦君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   説明員    農林省農林経済    局金融課長   太田 康二君    農林省農林経済    局農業協同組合    部長      酒折 武弘君    農林省振興局参    事官      橘  武夫君    農林省振興局農    産課長     石川  里君    食糧庁総務部長 岡崎 三郎君    水産庁漁政部長 林田悠紀夫君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○農林水産政策に関する調査ビール  麦に関する件) ○漁船損害補償法の一部を改正する法  律案内閣送付予備審査) ○農林漁業金融公庫法の一部を改正す  る法律案内閣送付予備審査)   —————————————
  2. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  ビール麦に関する件を議題といたします。去る二月十九日当委員会委員有志によって行なわれました茨城県におけるビール麦生産及び取引事情に関する現地調査について、仲原委員から発言を求められておりますので、これを許します。
  3. 仲原善一

    仲原善一君 先般本委員会有志委員によって行なわれましたビール麦問題現地調査報告を申し上げたいと存じます。今回の調査は、昭和三十四年九月二丁三日、茨城県の農協大会において、系統農協によるビール麦共販一元化決議がなされ、その実行をめぐって、ビール麦取引について紛糾が起さていることが伝えられておりましたので、その事情を明らかにするために行なわれたもので、調査に参加された委員は、青田委員戸叶委員清澤委員東委員森委員委員外として竹内議員、それから私であります。  調査は二月十九日、茨城県七浦市の農協会館において、ビール麦生産及び取引事情について、県当局及び地元関係者の参集を求め、懇談形式で実情や説明を聞くことによって行なわれたのであります。すなわち第一席と第二席とを設け、農林省食糧事務所県庁県農業会議等代表は両席に出席し、その他第一席には県経済農協連県農協中央会農業協同組合県農青連及び農業者等が、また第二席には県麦耕連郡麦耕連農業協同組合及び農業者等出席いたしました。  県当局説明及び資料によりますと、茨城県はビール麦主要生産地でありまして、昭和三十三年産は、生産農家戸数三万一千七百七戸、作付面積五千六百四十六ヘクタール、生産数量二十六万四千六百俵、昭和三十四年産は、生産農家戸数三万四千八百八十一戸、作付面積六千三百三十二ヘクタール、生産数量三十八万二百俵となっており、そのうちビール会社に売り渡されたものは、昭和三十三年産は二十四万四千八百八十九俵、昭和三十四年産は二十六万四千七百六十一俵であり、その残りの多くは大粒大麦として政府に売り渡されております。会社に売り渡されたものの価格は、昭和三十四年産のものは俵込み一等二千二百四十四円、二等二千二百十四円、三等二千百七十四円であり、三等のビール麦が九五%程度であります。  次に、ビール会社耕作農民との関係についてみますと、県ビール麦耕作組合連合会指導あっせんにより、ビール会社農業協同組合一定数量ビール麦について売買契約を結び、ビール会社農産物検査法規格合格した三等品以上のものにつき、天候その他不可抗的原因により収穫量契約俵数に満たない場合のほかは、豊凶等による一割までの増減を認めて買い上げております。  県は昨年の九月二十三日の農協大会決議以来、農協系統組織麦耕連との間に立って、ビール麦対策小委員会を設けて円満な話し合いによる両者の一体化をはかり、両者契約合戦をしないという線で局面の打開に努力してきたとのことであります。昭和三十五年産契約状況は、県経済農協連及び全販連の系統を通じて売買を予定されているものが二十三万五千百二十俵、県麦耕連を通じて会社契約しているものが約十七万俵であり、この中には二重契約のものも含まれているようであるとのことでありました。次に、各代表意見あるいは要望のおもなものを要約いたしますと、第一席におきましては、農協系統組織による共販の目標は、麦耕連とせり合うことではなく、ビール会社耕作者が対等に話し合いのできる条件を作ることであり、会社との売買契約末端農業協同組合で行なっている現状であるから、系統組織指導あっせんを行なう方が耕作農民に有利であると述べられ、ビール麦検査については、国の行なう検査規格昭和三十三年の五月の二十三日に改正があり、昭和三十四年産麦からふるい目が二・二ミリから二・五ミリに引き上げられたのであるが、大粒になると肥料及び品種等にも影響を来たし、農業経営上にも問題を生じ、反収も減るなど非常に不利益をこうむるので、買い入れ価格の引き上げについて強い要望があり、ビール会社買い入れの対象とならなかった麦は多く政府大粒大麦として売り渡され、その価格は、昭和三十四年産一等千八百六十一円、二等千八百三十六円、三等千八百六円であり、会社買い上げ価格相当開きがあるので、政府買い上げになったものについて、残麦問題としてのその処理等に深い関心が示されました。  また、第二席においては、まずビール麦耕作組合の性格について説明を聞いたのでありますが、これは法人格を持たない団体であり、県及び郡に連合会を有し、末端ビール麦耕作組合として独立しているところもありますが、ほとんどは農業協同組合が兼ねております。また、茨城県においては、かねては農業協同組合中央会が県の麦耕連を兼ねておったのであります。昭和二十九年から麦耕連が独立したいきさつもありその業務については、ビール麦生産及び出荷指導あっせんを行なっているとのことであります。共販問題について、麦耕連としては、今まで茨城県のビール麦生産改良に専門的に努力してきたものであり、現在きわめて順調に生産も伸びており、また共販にあくまで反対するものではないが、現在県経済農協連再建整備団体である関係もあり、ビール麦専門機関である麦耕連で取り扱う方が耕作農民に都合がよいと考えるなどが述べられました。  以上、その事情を聞いて帰京いたした次第でありまして、はなはだ簡単でありますが、御報告申し上げる次第であります。  なお、補足的な問題もありましょうから、御一緒に行っていただきました各位にそれぞれまた問題があれば補足していただきたいと、かように考えます。
  4. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) ただいまの仲原委員の御発言に対し御質疑のある方は順次御発言を願います。  なお、本件について農林省当局の御出席酒折農業協同組合部長橘振興局参事官石川農産課長岡崎食糧庁総務部長でございます。
  5. 戸叶武

    ○戸叶武君 このビール麦の問題は、昨年の十一月の三十日に全国農民連盟及び茨城県の農政連がビール会社四社と、その四社が構成するビール酒造組合独占禁止法の違反行為ありとして公正取引委員会に提訴したのをきっかけに爆発したのですが、これは数年来くすぶっていた問題でありまして、私の栃木県はビール麦生産高では日本一でありまして昭和三十五年度の契約栽培全国買い上げ総数二百二十八万二千俵のうち、五十八万七千俵を産出しておりますから、全国生産の四分の一を占めておるわけであります。その次が茨城県で、その茨城県におきましてこの問題が起きたというのは、問題はビール麦耕作者としての生産農民利益を擁護すべきものが現在の麦耕連というものにない。麦耕連指導あっせんして単位農協と、それからビール会社との間に入って、そうして契約を作っておるのでありますが、その契約書なるものは単位農協でやっておる。してみまするとその契約書の中に非常に問題が伏在していると思うのですが、こういうようなやり方は今までの慣習によって作られたものと思いますけれども監督官庁としての農林省におきましては、生産農民立場を守ってやる指導農協その他において十分なされていなかったのに、こういうふうに爆発するまで問題があいまいに取り扱われていたということは、農林省自身としても責任があると思いますが、このビール麦問題が今日にまで至って紛争してきた経過に対して、それから問題点に対して農林省はどういうふうに考えておるか承りたいのです。
  6. 酒折武弘

    説明員酒折武弘君) この問題につきましては、現在の段階農林省は実は公式上はタッチしておりません。これは要するに取引の問題でございまして、いろいろ複雑な関係がございますので、できるだけ当事者同士話し合いをして円満に解決するようにしてもらいたいと、こういう趣旨でございます。
  7. 戸叶武

    ○戸叶武君 農林省が直接今のところタッチしているのはビール麦検査の問題でありますが、ビール麦検査というのは、農民から聞きますと、七月初めの下見検査に次いで、出荷時の国営検査及び出庫の際の検収検査と、三つもの検査が行なわれておるので、農民相当の手間をこれに取られておる。もっと国営検査に一元化すべきではないかという意向を持っておりますが、この出荷時の国営検査の前におけるところの下見検査というのはいろいろな慣習からこれもできたのだと思いますが、どういう見解のもとに下見検査を行なっておるか、その経費の出どころはどういうことになっておるか、そういうことを農林省に伺いたい。
  8. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) お答え申し上げます。私どもの方でやっております検査は、ただいまお話通り、いわゆる正式のものといたしましては、これは農産物検査法による検査でございます。ただ、その場合に一度にその場所合格、不合格あるいは学級をきめるということになりますると、あるいはかえってその場所検査を受けられます農民に御迷惑がかかることもあるわけでございます。でございますから、事前指導ということで農民利益ということを頭に置きまして少量のサンプル事前に持ってきて集まっていただきまして、麦耕連との立ち会いで事前指導という意味での下見検査と申しますか、本来の意味検査ではございません。事前指導でございます。それによりまして、持ってきましたサンプルによりまして、もう少し調製をよくしたらどうかとか、あるいはこれじゃちょっと等外に落ちるとか、だからもう少し何とか調製しろというようなことの指導をしておるわけでございます。
  9. 戸叶武

    ○戸叶武君 その正式なものは農作物検査であるが、農民利益というのを考えて事前指導をやるいわゆる下見だといっておりますが、他の農作物においてもこのような慣例がありますか。
  10. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) ほかの農産物につきましてはあまり例はございません。と申しますのは、御承知のようにビール麦というのはいわゆる特殊の用途に充てられます特殊の何と申しますか、種類の麦でございまするから、それに合格するといなとは非常に農家にとって大きな利益影響があるわけでございます。でございますから特別な指導を必要とするという意味で、下見指導をしておるわけでございます。
  11. 戸叶武

    ○戸叶武君 それに要する旅費なり、あるいは費用というものは国家が負担をしておるのですか。
  12. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) それに要しまする旅費は、これは当然業務旅費としまして、指導のための業務旅費ということで私ども検査課に対しまして支出をいたしております。
  13. 戸叶武

    ○戸叶武君 茨城県で調べた範囲においては、ほとんど旅費は出さない。どういうふうにやっておるかというと、その下見の際において紙袋に二合入れてくる麦を売り飛ばしてそれでもって飲食の費用に使われておるのが事実のようなんで、これはあとからその問題は追及しますが、それでは予算面において明らかにこの麦耕連に頼まれた下見検査に必要とする費用というものを出しておると思いますが、その資料を、農林省にありましたらいただきたいのであります。ありますか。
  14. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) ただいまの御質問意味がちょっとわかりかねるのでございますが、私どもの方ではいわゆる業務旅費として一括してそれぞれの事務所に割り当てておりますので、その費用はそれぞれの事務所または寺所、出張所の業務費用によって使われるわけでございますので、特にこれは、たとえばビール麦指導に使うというようなやり方はいたしておらないのじゃないかと、こう思うのでございます。
  15. 戸叶武

    ○戸叶武君 それは業務旅費の中からそれが使われているのだというお答えですね。
  16. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) そうでございます。
  17. 戸叶武

    ○戸叶武君 この問題はまたあとで追及しますが、ビール会社注文によるものだと思いますが、農林省によるところの検査規格というものが変更されまして政令規定が二・二ミリから二・五ミリに引き上げられる、ふるいの網目が大きくなった、このことはビール会社にとっては自分の注文に応じたことであるから利益であるけれども農民にとってはこれがために検査規格外にはずされる麦が多くなったので損害を受けております。こういう影響というものを考えた上で、こういう検査規格を変えたのかどうか。それからこれによる被害というものに対してはどういう配慮を農林省は今まで行なったか、その点を承りたい。
  18. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) ただいまのお話ビール麦整粒のふるい目の基準を二・五ミリに引き上げた場合にこれが農家に及ぼす影響というものを十分考えてやったかどうかという、こういう御質問かと思いまするが、私どもの方ではこの二・五ミリに引き上げました理由といたしましては、すでにいわゆる栽培ビール麦用途特殊性からいたしまして、その栽培の面におきまして、すでに近ごろにおきましては、その品種が早生、中生からだんだんに粒の大きい晩生種に転換が行なわれておるという事実、またこの三十一年、三十二年産ビール麦検査の場合に調べてみましたところが、大体においてそのころはまだ二・二ミリ以上ということでふるい分けておったのでございますが、その内容を調べてみますると一番麦といういわゆる二・五ミリ以上のものがこれが大部分、もう九割以上を占めておる。一等、二等、三等それぞれにつきましてほとんど九割以上を占めておるというような事実、そういう事実、それからさらにまた、いわゆる需要者側ビール工場の方のまた要望もございます。そこで、いろいろその辺の事情をまず考えまして、そこでやはり検査規格といたしましては、二・五ミリをもってふるい分けるということが、今後のいわゆる商品の取り扱いとしては正しいのじゃなかろうかという観点から改正したわけでございますが、ただ、その場合に私どもは、やはりただいま申し上げたような事情で、それほど大きいいわゆる不利益ということには農家にはならないのじゃなかろうか、もうすでに現実栽培面がそうなっておりますし、また、現実に出て参っております出回り品もそういうようなことになっておりまするので、そういうことも考えましたが、なおまた、そういうこともございますので、いわゆる生産者側ビール大麦耕作組合あるいはその連合会等意見もお聞きいたしましてそこで改正いたしましたという次第でございます。
  19. 戸叶武

    ○戸叶武君 耕作者麦耕連というものを一緒にして見ているのじゃないかと思いますが、先ほどのお話を聞くと、需要者側ビール工場の要請というものをもとにしてこれはきめたようで、事実上生産農民に聞くと、生産農民の人は、これによって相当の犠牲を受けているということを異口同音に言っております。政府側の今の発言だと、九割以上は変わってしまったのだから差しつかえないというが、これによって事実上規格外ビール麦というものが非常に出てきたのは事実でありまして、こういう規格変更を行なうような場合においては、私は一気にやれるものじゃなくて、相当の期間の段階が必要である、そのプロセスに応じて生産農民被害をなくさせるという立場というものが必要だと思うのですが、生産農民意向というものは、生産農民代表機関麦耕連を見て、それの意見を聞いたのですか、いつどこでそういう正式な方法をとったか、それを承りたい。
  20. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) ただいまの御質問ビール大麦耕作組合あるいはその連合会生産者代表として、私どもの方で相談したかということでございまするが、それは代表というふうに私ども考えまして、それと相談したわけでございます。なおまた、その期日とか場所とか、そういうことにつきましては、今実は私存じておりませんので、また立ち帰りまして、調べてからお答えを申し上げたい、こう思います。
  21. 戸叶武

    ○戸叶武君 そのように、今まで麦耕連というものが事実上はビール会社の方の御用機関的な役割りをしておって、経済行為が行われない。指導あっせんという名のもとにおける任意団体であるにかかわらず、農林省はこれはわかっているはずだ。それを生産者代表機関のように錯覚して、そうしてそれを相手に問題を進めていったというところに今日の紛争の原因があるのですが、これに関連して、問題はこの検査でもってビール麦としてはずれたものが、政府の方の検査とすると、大麦検査におきましては、これが二等にも三等にも入るという形になっており、しかも、その規格外の麦というものが、農協倉庫等をいろいろ調べて参りますと、一番最初に大量に売れてしまうというと、その残麦といいますか、規格外の麦といいますか、下見検査その他においてはたたかれてしまって、そうしてビール会社には表面納められないものが、今度は規格外品として、ビール麦としてならば一俵について四百円前後の加算金がつけられるのに、今度は一般大麦よりわずか百円程度高値で買いたたかれてどこかへ持っていかれるということは、農林省においてもそれぞれ私は重要な問題だから調査が行き届いていると思いますが、そういう資料は持っておりますか。そういう大体の報告は受けておりますか。そういう事実をどういうふうにして把握しておりますか、それを承りたい。
  22. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) 昨年度の大体の数字は私心得ております。
  23. 戸叶武

    ○戸叶武君 それを承りたい。
  24. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) これは三十四年産麦についてでございますが、関係食糧事務所において調査させた一応の推定ということでございます、これによりますると、ただいまお話のありました、いわゆる契約外数量ということになりまするが、私ども普通残麦と言っておりますのは、いわゆる契約栽培数量以上のビール大麦で、かつ検査合格したもの、検査合格したのではあるけれども、それが契約数量以上になっておるために、ビール会社が引き取る義務がないものを残麦と、こう称しておるのでございまするが、しかし、ここではそうじゃなくて、むしろビール大麦として生産された二条麦、これがいわゆる契約数量以上にどのくらいあったかということでございますが、これが三十四年産麦につきましては二十七万九千俵ばかりあったという報告を受けております。で、そのうちビール会社買い上げましたものが十一万八千俵でございますが、その中を二つに分けまして、その残麦のうちでビール会社買い入れた十一万八千俵の中でいわゆる検査合格した麦、それが六万三千俵あったということになっております。それ以外の検査合格しなかった麦が五万五千俵でございます。その六万三千俵が大体ほとんど検査合格しまして、かつ契約外数量の全部になると、大体そのように私ども承知いたしております。
  25. 戸叶武

    ○戸叶武君 これはビール会社だけでなくって、ウイスキーその他の洋酒を作る方にも買われているといいますが、そういう数量はいかほどになっております。
  26. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) 私どもの方では、そこまでは実はただいま調査いたしておりません。
  27. 戸叶武

    ○戸叶武君 ビール会社買い上げには一割の増減があるということですが、契約栽培のものでも、検査合格したものでも買わない場合があるというが、その数量はどのくらいですか。
  28. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) 三十四年産について申し上げますると、検査合格したビール大麦数量は二百十四万俵でございまするそれに対しまして契約数量は二百六万俵でございます。従いまして、その差が大体八万俵ばかりあるわけでございまするが、そのうちさっき申し上げました全体の残麦のうちで、ビール会社がいわゆるビール大麦加算をつけて、つまり検査合格したものの中から買ったものが六万三千俵、その間に一万俵ちょっとばかり多少開きがあるようでございまするが、大体そのような数字でございます。
  29. 戸叶武

    ○戸叶武君 一般生産農民及び農協倉庫等を扱う人々の話だと、そういうものでなくって、この検査合格しないところの規格外大麦というものが。一般大麦より百円程度高値でたたかれておる。四百円もらえるところを百円程度にたたかれて、その出ていくものが相当大量に上るといわれているのですが、その行く先に対しては、農林省としてはつかむことはできませんか。
  30. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) さっき申し上げましたように、いわゆるビール大麦として生産されて、検査には合格しなかったという数字が、大体二十一万俵程度になるわけでございます。そのうち、ビール会社がいわゆる政府買い入れ価格よりも百円上げの値段で買いましたのが五万五千俵ございましてその残りの十六万俵余りが、大体いわゆる検査合格せず、かつビール会社でも買わなかったという数字になっております。その中で約七、八〇%が、いわゆる普通の麦として政府に売られておった。二、三〇%が農家自家消費に供せられたのではなかろうかと、こういう推定もしているわけであります。
  31. 戸叶武

    ○戸叶武君 政府買い上げられたその七〇%のビール大麦の行方はどうなっておりますか。
  32. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) それは普通のいわゆる食用として、それぞれいわゆる精麦工場に払い下げているということでございます。
  33. 戸叶武

    ○戸叶武君 そこいらに農民疑惑が、何か脱税のやみルートに乗っているのじゃないかという疑惑が非常に農民に持たれているのです。これは政府の不信用にも関することであって、今すぐに政府で、このことに対して吐き出すかどうかわかりませんが、こういう暗い影が宿っているということだけを指摘しておきます。  それから先ほどは検査の問題でもってこれは特殊なものであるから、ビール会社が買うものだから、向こうの注文に応じたような検査はやむを得ないという考え方を前提としておりまするようで、しかも、この品種が、短稈種から長稈種に改められたということからして、一般麦でもって今まで八俵ないし十俵とれるところが追肥を禁じられて、倒伏するからというので、そうして六俵程度収穫に抑えられて、農民としては三割からの収穫減を来たしているという事実を訴えているのです。そういう点においてビール麦は四百円近く高く買われているということだけを、会社側は宣伝しております。が、元と違ってこの規格変更に伴って、農民は前にはビール麦を作ると割に合ったが、このごろは割に合わなくなったという嘆きを持っているのですが、こういうことに対して、農林省としてはどういう対策を持っておいでですか。
  34. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) ただいまお話通りビール大麦規格の改正によりまして、品質は向上しているわけでございますから、その需要者のビール会社といたしましては、同じ需給条件のもとにおきますならば、それは当然加算額を引き上げるというのが通常であろうと私どもは考えております。そこで、実際問題といたしましては、これは政府買い上げビール会社に払い下げるというような形体じゃなくて、全然自由の契約にまかしてあるわけでございますので、私どもといたしましては、そういう事情生産者と需要者の両当事者によくお話を伝えまして、そうしてこういったような品質が上がったのだから、普通の条件ならば上げるのが通常じゃないかということを双方にお話ししまして、そこで、双方に十分に話し合って価格をきめてほしいということで注意を促している次第でございます。
  35. 戸叶武

    ○戸叶武君 その注意をいつ公式に行ないましたか。
  36. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) 実はずっと前のことは私存じませんが、最近におきましては、昨年のやはりこのビール麦の問題が起こりました直後に、私どもいわゆるビール会社、それから麦耕連の方、それから全販の方にもそのことを伝えて考慮を促しております。
  37. 戸叶武

    ○戸叶武君 火事が終わってから半鐘たたいているような始末で、これはこの規格が変わったときに当然そういう影響というものはあるということはわからなくちゃならないので、今あなたは政府の方の事業ならば、当然その際に加算額を引き上げるということはわかっている、わかっていながら生産農民立場を擁護しなければならない役割を持っている政府機関が、これはビール会社との自由契約だからという形において、いかんともすることができないというのは、監督官庁としてきわめて怠慢、しかもそのあなたたちが生産者代表機関とみなす麦耕連がこの問題に対して、がっちりと生産農民利益を擁護して、ビール会社と戦っているのなら別だけれども、いつでもビール会社の言うなりに引きずられているというところに、生産農民利益をも代表せず、それから政府ですらもそういうふうな配慮を持っているのに、そういう配慮もしていないという事実がここに明らかなのでありますが、そういう点においても、政府の今までの生産者立場を擁護していくというのに対しては、非常に怠慢な面があると思うのです。そこで、問題の中心点になっているのは、このビール会社生産者の作っているところの総合農協の単協との契約でありますが、これは必ずしも対等な立場で結ばれているとは思わないのです。ビール酒造組合なり四社のカルテル組織に対抗するのには、やはり生産者としての立場を守るならば、単協が個別的に会社側売買契約を結ぶというのでなくて、単協なり、あるいは県経済連なり全販連なり、こういう系統農協をバツクとして共販体制を確立して、この契約をやらなければ個々に分断せられて、しかも、個々の単協の上に麦耕連というものがあるが、この麦耕連という性格はあとで掘り下げますけれども、こういう形において契約というものが非常に不利な契約がなされている。その契約書も私は方々から探して幾種類か持ってきておりますが、麦耕連の方に言うのは、これは契約栽培だとしきりに言っております。文句は前の方に契約栽培という文句が使われておりますが、契約栽培というのは、原則的にタバコ耕作のごとく、契約によって栽培されだとすると、ビール大麦会社側で全部買い上げ、また災害等による損害は補償するところの義務があると思うのですが、農林省としてはどういう見解をお持ちですか。
  38. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) 契約の内容でございますが、実はこれは私の所管と申しますよりか協同組合の方、私どももそこまで実は——この契約の内容は存じておりますが、食糧庁といたしましては、もっぱら検査の上だけの問題に実は限っておるわけであります。
  39. 酒折武弘

    説明員酒折武弘君) 契約内容の適否の問題でございますけれども、これは専売品等の契約とは若干違う場合もあり得るということはいえるのではなかろうかという感じが私いたしておりますが、それ以上のことはちょっと現在申し上げられないかと思います。
  40. 戸叶武

    ○戸叶武君 私がタバコの例を引いたので、そういうふうにすぐ錯覚したのだと思いますが、専売のものであるとないとを問わず、契約栽培というものは、原則的にその契約したものを耕作者から買い、その損害会社側で補償する義務があるんじゃないかということを承っているのです。
  41. 酒折武弘

    説明員酒折武弘君) 普通の契約の場合には、契約数量は幾ら幾ら、それに対して五%なり一〇%なりの増減の範囲内においては、これはお互いの了解のもとに買い入れいたしますというのが普通の形態じゃなかろうかと思いますが、それ以上、かりに一〇%ときめた場合に一五%の増産があれば、その上積みの五%部分は必ずしも買手側においては義務がないというふうな契約が普通じゃなかろうかと思っております。
  42. 戸叶武

    ○戸叶武君 この契約の実態を見ると、ビール麦契約の実態は契約栽培の美名のもとに会社ではその必要とする買い入れ数量を麦耕運を通じて耕作者に押しつけている売買契約にすぎないのです。で、この契約栽培売買契約か、単なる売買契約かこの契約書をめぐって今すぐには返事できないでしょう。農林省は十分これを検討しておかなければ、公取においても問題になるのだから、知らぬ存ぜぬではだめだと思います。しかも、その契約の過程というものは、形式は総合農協の単協と契約しているように見せかけているが、事実上はほとんど白紙委任状で、県段階麦耕連契約しているのが事実です。麦耕連任意団体であります。しかも、指導あっせんという名で隠れておりますが、指導あっせんの名に隠れて、売買契約の主体が事実上においては麦耕連がなっているのが実情でございますが、こういう経済行為麦耕連にさせておいても農林省は監督する義務がないかどうかを承りたい。
  43. 酒折武弘

    説明員酒折武弘君) 契約の態様としていろいろの場合がありまして、現実の場合におきまして麦耕連がある程度あっせん的業務をやっているということ、これ自体はどうも役所の立場において法律上いけないとかというふうなことは言いにくい事柄じゃないかと思っております。
  44. 戸叶武

    ○戸叶武君 それではもっと具体的に掘り下げて承りましょう。麦耕連はみずからの任務を、ビール麦耕作の生産及び販売の指導機関とするとすら主張しております。しかも、実態はビール会社の下請的な御用機関化しているのが実情であります。具体的に栃木県麦耕連昭和三十五年度予算書を見ると、収入合計一千三百五十万円のうち、その大部分を占める九百三十万円が、ビール会社より一俵につき十七円の指導費名目のリベートでこれを受け取っております。実収入はこれよりも多くて、実情一千万円に上るという数字をも私は大体握っております。この会社からの指導費の名目のもとにおけるリベート、これは当然生産者としての農民に還元さるべき性質のものであるが、任意団体としての麦耕連というものが生産農民に対して正式な承認を求めないで、こういうものを自分が押えてしまって勝手に使ってもよろしいものかどうかを農林省に承りたい。
  45. 酒折武弘

    説明員酒折武弘君) 麦耕連の経費の支弁方法なり、あるいは運営方法については、いろいろの立場でいろいろの批判があろうかと思います。また、それを麦耕連会社から受け取った経費は農民に還元すべきであるというふうな、いろいろな考え方があるかと思いますけれども、私たち役所の立場からは、適否の問題はあるとしても、不合法であるというようなことでもってそれはいけないとは言えないんじゃないかと思っております。
  46. 戸叶武

    ○戸叶武君 これはますますおかしくなってきますが、私たちは農協法違反及び事業者団体法違反の疑いがあるという見解を持っておりまして、これはまた後ほど公取やなんかの報告を聞いてから突っ込むことにいたしますが、農協法の第四十二条の二に「組合の行う事業と実質的に競争関係にある事業を営み、又はこれに従事する者は、当該組合の理事、監事、参事又は会計主任になってはならない。」という役員の競業の禁止の規定があります。ところが、栃木県等におきましては、農協中央会の会長坪山徳弥氏が県の麦耕連の会長をも兼務し、また麦耕連と競争関係に立たなければならないところの県経済連の監事も兼ねておるのであります。こういうふうにして、農協法はあっても、農協法を守るべきところの農協指導機関の中央会の会長がこういうことをやっておって、農協法というものはあってなきがごとしでありますが、それを監督しておる農林省はどういう見解を持っておられますか。
  47. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ちょっと関連して。その場合、ただいま戸叶議員の申しましたように、中央会の会長であり、経済連の監事であり、また麦耕運の下部組織の方では、単位農協の組合長をやって、しかも、それにわれわれの承ったのでは、単協の信用部から前渡金のようなものを実際信用部の金で支払ったり、そういうことをやっており、しかも、農協大会決議をして、系統機関で一本化するというような農協法の精神を実際生かすような決定をしたりしておるのに、どうして四十二条の二にこれが違反しないか。そういう離反性を持つことをどうしてやり得るか、こういう問題なんです。
  48. 酒折武弘

    説明員酒折武弘君) 四十二条の二のこの競業禁止の規定でございますが、これは組合の役員に関する規定でございまして、そこで、具体的な栃木県の場合の問題につきましては、中央会の会長は、法律解釈上組合の役員ではない、つまり中央会はこの農協法の組合ではないという解釈をとっておるわけでございます。そういう意味におきまして中央会の役員と麦耕連の役員を兼ねておることは、この規定には触れない。法律解釈上では触れない。それから経済連の監事については問題がございます。これは法律したしか競業の禁止の規定がございますから問題になると思いますが、なお、これにつきましては、この四十二条の二の規定が実質的に競合関係にあることを条件としておるわけでございまして、そういう意味で、現在われわれ、自主的な意味におきまして、競業関係に立って、そうして組合事業に障害を与えることになるかどうかということについて検討中でございます。
  49. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 中央会の会長の問題はしばらく御指摘のようでおくとしても下部組織のなにがあって、それが全県的に積み上がって麦耕連があり、単協の組合、そういうものが実際やっておって、しかも販売事業をやり、そうしてビール会社から入ってくることを予想して、単協の信用部から金の支払いをやっておるというようなものもあり、しかも、全販を中心とする全国大会あるいは県の農協大会等でもそういう決議をしてやろうというようなんですから、これは一つぜひそういう点検討していただきたいと思います。
  50. 酒折武弘

    説明員酒折武弘君) 現在検討中でございまして、至急この結論を出したいと思っております。
  51. 東隆

    ○東隆君 今、中央会が関係がないと、こういう解釈をされますが、私は指導機関としての農協の中央会の会長は望ましくないと、こういう考え方は出ると思うのですが、農林省はどうですか。
  52. 酒折武弘

    説明員酒折武弘君) 先ほどもお答えは、法律上の規定に触れないと申し上げたわけでございまして、別途指導上の問題としては、やはりこの趣旨に沿いまして、適切な指導をする必要が当然あると思います。
  53. 戸叶武

    ○戸叶武君 法律上の規定に触れないというその条項を明らかにして下さい。
  54. 酒折武弘

    説明員酒折武弘君) 条項と申しまして、ここにあります四十二条の二の「組合の行う」という、この組合という言葉が、中央会はこれに該当しないんだ、こういう解釈でございます。
  55. 戸叶武

    ○戸叶武君 中央会というのは指導機関です。農協の全体の精神の中心です。その会長がこの農協組合法に対して何ら制約を受けないというべらぼうなことで農協法の精神というものは貫けますか。
  56. 酒折武弘

    説明員酒折武弘君) 従いまして、先ほど申しあげましたように、法律の解釈上は中央会をここに入れることは無理だと思われますけれども指導上の面におきましては、そういう趣旨に沿ってやっていきたいと思います。
  57. 戸叶武

    ○戸叶武君 法律上の解釈といってそういう詭弁的な逃げ方をするのじゃなくて、農協運動というものは、本来からすれば自主的な運動です。農協組合運動の精神に離反するような行為を農協指導機関の長たるものが行なうようなことで、農協運動というのは成り立たないということをはっきりわからなくちゃならない。君ら官製団体のように思っているから、そういう間違った三百代言的な言辞を弄するのだ。大体麦耕連というものが、いろいろな指導をやっているといいますけれども農協やなにかの下部を調べて見ると、単協団体においては、各組合は原則としてビール麦耕作部を確立して、営農指導員の指導のもとに、ビール麦栽培契約の合理化をはかっている。また各部落のビール麦耕作者をもって耕作班を結成してビール麦契約栽培に関する諸事業の実践団体ともなっておりまして、この契約班は展示圃の設置、種子の更新、優秀技術の導入、ビール麦の商品価値の向上、そういうものをはかって、この共販体制にまで推進しているのです。この上に屋上屋のように実際麦耕連というものが存在して、一種の二重組織みたいになっているのでありますが、こういう米とか麦とか、麦だって小麦の方は製粉の、粉の方に持っていかれます。それからビールは特殊だ、ビールの方ヘビール麦を持っていかれておりますけれども、この米や麦の問題が、農協が一番中心となって活動しなければならない部門の問題が、こういうふうな形において、何か特殊農協的な形態によって、たとえばビール会社の意のままにコントロールされるような形において分断されていってしまっては、今後における農協活動というものに非常な支障が起きる。今までのいろいろな農協法の改正やなにかのきっかけで便宜的に麦耕連というものができたといういろんないきさつも私どもは承知しておりますが、生産農民の目ざめというものは、生産者利益を守るためには、どうしてもまとまった力でこのビール会社に対抗して、そして自分たちの生産力を高めるなり、あるいは価格の決定なり、あるいは販売の流通機構の改革なりをしなければならないという今段階に来ているのです。こういう段階に来たときにその方向づけに対して、農林省が確たる一つの実態の把握、それから指導の方向というものも把握してないのは残念と思いますが、この流通機構の問題というものは、福田農林大臣の今までの主張によると、流通機構の改善というものに農政の重点が置かれているのです。そのことを大臣がくどくど言いながら、現実の具体的問題における流通機構の矛盾を是正していこうという問題が起きたときに、そのことに対してあなたたちは当然確たる一つの対案を持っていると思いますが、方向づけだけでもそれを承りたい。
  58. 酒折武弘

    説明員酒折武弘君) 今度の問題は、まさに農協といたしましては、大きな一つの試練であると私も思っておるわけでありますけれども、従いまして、また内面的にはいろいろ農協関係者と相談もし、ある程度指導的なこともやっておるわけであります。先ほど申しましたように、現実の事態を円満に処理するためには、ます当事者同士話し合いをするということが一番いいのじゃないかということで、現在当事者の首脳部間において話し合いが進んでおるわけでございます。農林省といたしましては、表面に立ってやるというまだ時期ではないと考えております。
  59. 戸叶武

    ○戸叶武君 農林省のこのぐうたらな態度に期待できないので、生産農民は、全農連並びに茨城農青連が中心となってビール麦取引に関し、ビール会社側の独禁法違反行為について公正取引委員会に提訴しましたが、その内容は、ビール四社で構成するビール酒造組合ビール麦購入方法は、共同して価格数量を決定し、私的独占または不当な取引制限の禁止に当たる行為をなし、独禁法第三条の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律に違反した行為があるという点を指摘しております。  農作物検査法によるビール麦合格数量は、全国三十一都道府県で、昭和三十四年産が二百十万俵で、金額にして四十六億四千九百万円に達しているということでありますが、その需要の九五%はビール四社で購入しているのが事実でありまして、こういう独占形態をとっているところのビール四社のこの独占的企業というものが生産者の方には圧力を加えて、ビール麦系統農協共販からは買わない、ビール麦麦耕連からのみ買うというようなことをおっかぶせて、そして生産農民の目ざめによって、各県段階全国段階においても系統共販の方へ持っていこうという流れが圧倒的に強いのにもかかわらず、ビール会社は立ちはだかって、この独禁法違反と思われるような言動を随所において行なっているのです。先ほどあなたは、これは国家でやっているのでなくて自由経済のもとにおける会社でやっておるのだからいかんともすることができないということを言っておりますが、こういう行き過ぎと思われる行為に対しても、公取に訴えて、そしてこのことを明らかにしなければ農民利益というものは守れないものなのか。この段階に至るまで農林省というものはいつでもおっぱなしておくのか。今でもこれに対してどう対処しているか、そのことを承りたい。
  60. 酒折武弘

    説明員酒折武弘君) これは、先ほども申しましたように、非常に各地域についていろいろ問題を起こしておりまして、また各人の意見によって、団体内部においてもある程度意見の分かれておる点もありましてそういった点やはり調整を要するわけでございますので、まず、団体といたしまして、内部の意見調整をやるということと同時に、また、ビール会社側とその意見調整に基づいてどういうふうに結論を出すかということの相談をやるということが当面最も急を要する問題であるというわけで、それについて団体指導していきたいと思います。
  61. 戸叶武

    ○戸叶武君 今、生産農民は十分に目ざめきったとは言えませんが、この問題を中心としていろいろな目ざめが起きております。そして、農協運動から起きてきた呼び声に応じて系統共販体制に加わろうとしても、ビール会社のこのような圧力が加わり、はっきりとしたところは系統農協を通じて自分たちの契約も行なおうという態勢を作っているし、麦耕連のボスから押えられているところは従来の方式でしようとするものもあるし、迷っている者はどっちに入れたんかわからないから両方に申し入れているようなところもあって、混乱を来たしております。両者間でいろいろ話し合いも行なわれると思うのでありますが、このビールの問題は、ビール麦の問題だけでないと思うのです。今後において、MSA協定以後において、麦というものが、あなた方御承知のように、アメリカその他の外国からの麦の方が多くなってしまったんです。麦を作るのじゃ割りに合わぬということで、岡作地帯の農民というものはどんなに苦しんでいるかわからない。ビール麦にすがりタバコにすがりみんな、タバコもたたかれ減産を強要され、ビール麦ビール会社の独占の圧力に屈して、今度はビート糖の問題も起きております。いろいろな換金作物の方へ農民が自分たちの生活を守るためにあえいで行きつつあるときに、この生産農民の苦悩というものをだれも理解せずに、独占資本の思うままにこれを押しつぶしていくというような現実、これは澱粉の問題、いろいろな問題、今度大立の問題も起きるでしょう。いろいろな問題があるのです。この問題は、今後の貿易自由化の原則は認むるにしても、日本の立ちおくれている農業というものがどういう被害を受けなければならないかという現実の問題に対して具体的回答が必要な段階に来ているのです。このビール麦の問題は、ビール麦の問題だけじゃない。今までのような矛盾きわまるタバコ耕作組合の問題に対しても、このビート糖を耕作するところの農民の場合においても、大豆の耕作者の場合においても関連があるので、このいろいろな団体の内部の話し合いだけにまかせるという性質のものよりは、私はもっと深刻な問題になっていると思うので、農林省としては、この問題に対して、公取でも取り上げて問題になっておるような問題です、この問題に対処するだけの小委員会なり対策委員会なり持たれていると思うのですが、自民党においてもビール麦委員会が作られました。社会党においても作っております。政府も——役人というのは、のろまさかげんにおいて天下一品といわれているが、幾らかはそのくらいなことは何らか対処する心がまえぐらいあるのだろうと思いますが、その芽くらいどこかにありますか。芽もつぶれていますか。それを聞かせていただきたい。
  62. 酒折武弘

    説明員酒折武弘君) 現在農林省の内部におきましては、特にそういう委員会というようなものを持っておりませんですが、ただ、農協部、それから生産担当の振興局、あるいはまた食糧庁とはよく連係をとりながらこの問題を処理していきたいと思います。
  63. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 規格外の麦が二十一万俵ぐらいあって、五万五千俵ぐらいをビール会社が買って、そのあと残りの七、八割を、十六万俵の七、八割を政府が買うということですが、これが実際はビール会社にいろいろな形で流れてそしてそれが醸造されて、酒税の脱税をやられているじゃないか、必要以上に規格を厳重にして、そうして麦耕連から買う量を制限して、そしてあとで、やみなり、あるいは政府機関を通じて普通の食糧としてだれかを代行して買わしている。そうして醸造に回していくんじゃないかというのがわれわれの調査なんですが、一体この政府麦の売り渡し状況はどうですか。
  64. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) これは、ほかの大麦と同じように、普通のルートで精麦工場へ売却しておるのでございまして、私どもは、ただいまお話のように、さてそれから先どうなっているかということについては、実は資料がないのでございます。それでただいまお話の、どうも私どもやっぱりそれがやみでビール会社に行っているんじゃなかろうかということを言われましてもちょっと今のところ何とも申しかねるのでございます。
  65. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これは普通の大麦用途はどうなんです。味とかそういう売れ行きの特殊な状況ですね。なかなか政府は麦は弱っておられるようでありますが、これは滞貨は残っておりますか、政府倉庫に。
  66. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) ビール大麦を食糧にいたしました場合に、もちろん格外のものでございますが、地元ではこれはうまいんだと、こう称しております。ただ一般的にはあまりやはり粒が大き過ぎて麦が目立ってどうもうまくないと、こういう声も聞いております。だから総体としてどうということはちょっと言えませんので、地域によって嗜好が違うというように私聞いております。
  67. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 政府の倉庫にある麦は処分されるの因るでしょうね。このビール麦買い上げられたやつが、十六万俵の七、八割買われているわけです。その売れ行きですねそれはどうですか。
  68. 岡崎三郎

    説明員岡崎三郎君) 私どもの方では、特に、いわゆる二条大麦でございますね、いわゆるビール会社で引き取らなかったもので、さっきお話の十六万一千俵の七、八割、十二、三万俵買い上げているんじゃないかという、これも推定でございまして、そしてそのものだけを特別に目をつけて売れ行きがどうかというようなこと、実は調べたことがないんでございまして……。
  69. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これはどうもおかしい。よく調べていただきたい。これは技術的な問題ですが、栃木や茨城のようなビール麦栽培地帯で、大麦ビール麦と、一反当たりの平均的な収支はどっちが有利ですか。
  70. 橘武夫

    説明員(橘武夫君) これは農林省といたしましては、今の経済収支の問題は統計調査部で調査しております農業生産調査で一応推定ができるものが農林省としての資料になるわけでございますが、これは私三十二年、三十三年までわかっているかと思いますが、ちょっと三十三年の数字を持っておりませんので、三十二年の、今手元にございます数字で申し上げますと、大麦の場合には、これは全国平均でございますが、反当の家族労働報酬と申しますか手取りが、大麦につきましては反当たり四千二百五十六円でございます。それに対しましてビール麦の場合には、やはり反当たりの家族労働報酬が七千十二円というふうになっております。年によってこの数字にはいろいろ動きがございますのですが、やはり概観すれば、ビール麦の方が収益としては一応有利な作物であるというふうに考えられます。
  71. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 反収はどうなんですか。
  72. 橘武夫

    説明員(橘武夫君) 反収は大麦の場合が三百十四キロということになっております。ビール麦の場合ですと、それよりも少し少なくて、はっきりした数字覚えておりませんが、二百七十キロくらいになるかと思います。
  73. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そうしますと、加算金の妙味なんですか。
  74. 橘武夫

    説明員(橘武夫君) そういう価格の問題と、それからそれに要しますいろいろな労力なり生産費の問題から差額が生じるわけでございます。
  75. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 大麦は三百十四キロでビール麦は二百七十キロで、反収は少ないのですが、そうしてこんなに七千十二円と四千二百五十六円では、そう労力が、あるいは肥料……、加算金だけのように思うのですが、いかがですか、その点。
  76. 橘武夫

    説明員(橘武夫君) 今おっしゃいましたように加算金価格が違うということが一番主要な原因だと思います。それ以外にいろいろなこまかい仕分けをした場合に、どれが原因になっておりますか、ちょっとここにそういうこまかい、その生産費の内訳を作りました資料を持ち合わせておりません。もしあれでしたら後ほど調べてお差し上げいたしたいと思います。
  77. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 もう一点だけ。長稈種は追肥をやると倒伏する、それで追肥を禁じて多収穫を抑えておるというのは、これは蛋白質の関係で、ビールが濁ったりするからですか、どうなんですか。
  78. 石川里

    説明員石川里君) 長稈種は文字通り稈が長いので、肥料をやり過ぎますと倒伏しやすくなる、そういうことだろうと思います。ビールが濁るということにつきましてはまだ伺っておりません。
  79. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 それはやはり私はビールが澄んでおるということが非常に必要だと思います。精麦をきつくしたり、それは蛋白質の性質とか、窒素をたくさんやったり何かあると思うのです。そういういろいろな制約もあり、しかも、二十一万俵もたたかれてしまうということになると、やはり妙味もだんだん少なくなってきて、ほかの委員が言われたような、いわゆる共販体制でも強力にしてバツク・アップせぬと非常に問題があるのじゃないかと思うのですが、大麦、小麦、ビール麦等の販売上の特殊性ですね、それ一つ何か印刷物にして出していただきたいと思います。
  80. 戸叶武

    ○戸叶武君 このビール麦共販体制が系統農協からぐっと出てきたときに、農協指導機関としての中央会の会長が麦耕連の会長をしておって、栃木県で言うならば、県の農協段階でその問題が問題になるということがわかるや、病気と称して会長が出てこない。それからこの問題に対していろいろな交渉をやっても病気と称してどっかへ逃げていく、それでビール会社は年じゅう相談に来ておる、こんな活動をやって農協運動の指導ができますか。法律解釈は別です。こういうようなボス組織のもとに農協というものが指導されておるというなら農協中央会というのはない方がいいです。農民を毒するもの、それを監督できないような農協法はあってなきがごとし、こういうような形でもっていくならば、ほんとうに日本の農協運動というのは危機が来ると思うのです。どこの国でも農協運動が近代的な形において前進しているのは共販体制が主です。デンマークでも、ドイツでもどこでも行ってごらんなさい。日本の農協のような古ぼけたただ米の倉敷料と、それから手数料だけで息をついているような農協ではやっていけないのです。特に米穀地帯でない岡作地帯においては、麦の問題において明確な線が出ないときにおいては、農協というのは成り立たない。農協を破壊させるためにとにかく農林省は、こういうあいまいな態度をとっていくのか、今の農協というものがいまだに腹からの自主性を確立していないで、農協運動の何たるかという理念に立たないでそうしてやっていくから、こういう問題が起きてもいつまでたっても問題の解決に手がつかないのですが、言葉の上における流通機構の改革というのじゃなくて、農協運動の近代的な意味における把握というものは共販体制の確立です。それを中心にして生産コストを引き下げるなり、価格の問題なり農民利益を擁護するなり、この農協の近代化というのは推進しておるのは列国の例で明らかなんです。こういう農協運動の質的極換の時代にあたって、古ぼけた法律の三百代言的な解釈と、それからあらゆるボス的な勢力におそれおののいて明確な線を出せないような不始末さでは日本の農協運動というものの前進ははばまれます。これに対して、私はこれは栃木県だけの問題ではなくて今までのありきたりだから仕方がないが、昔の戦時中の農業会のようなものがこびりついておる。こびりついておるから、日本の農協運動における一番のガンは、教育活動がないのです。理念活動がない。理念と実践の統一がないのです。しかも、具体的な問題にぶつかって、この矛盾を感じて生産農民の今の窮状を打開するための運動がほうはいとして起きた。起きたときに、その中央の機関であるところの会長が、依然として古いボスがここに鎮座ましまして農協運動のこの流れに逆行するような一つの阻害物になっておる、こういう事実に対してすらこれに手をあげることができないというのなら、われわれは一つの運動を通じてこれを破砕していくより仕方がないのです。また、公取に提訴の問題をめぐって国会においても今後いろいろの事例をあげてそうして論議していかなければ、生産農民がボスの手に権力を握られていて目隠しさいている。ここに日本の農民の立ちおくれている悲劇が内在している。その目隠しを取って農民の眼を開き生産農民利益を擁護しようという愛情が農林省にないのだとするとこれは大問題になりますが、こういう問題に対して、あなたのような解釈だと、中央会の会長というものは何でもやっていいことになるが、中央会の会長以外にどういう職務を兼務しているか、全部調べ上げてもらいたい。これは農協問題全体にメスを入れなければならないときである。今の農協の経済活動の不振、それから農協運動の体制というものが確たるものができない以上は、これは農協運動というものはほんとうに病膏肓に入ってきたと思うのです。また農協法というものはあってなきがごときものになると思うが、至急調査を行なって資料を国会に出してもらいたい、このことを私は注文します。  それから大臣が出て来ておらぬ。この問題は一つやはり大臣にあらためて私たちは……。食糧庁長官も出てこない。大臣も出てこない。私は人がいいから遠慮しているのだけれども、この問題は農協のあり方全体に一つのメスが入れられていかなければならない問題ですから、資料は十分整えてもらいたい。
  81. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 他に御発言もなければ、本件についてはこの程度にいたします。   午後は一時から再開することにいたします。  休憩をいたします。    午後零時四分休憩    —————・—————    午後一時三十五分開会
  82. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 午前に引き続き委員会を再開いたします。  漁船損害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願  います。
  83. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 この漁船損害補償法は最初漁船保険法として出発しまして、昭和二十七年でありましたか、損害補償法と改正されて参ったのでありますが、これが制定されてから本年でたしか二十三、四年になっておると思います。その間だんだんと保険の加入者も増加しますし、この保険によって漁業経済は著しく改善されておるようであります。と申しますのは、保険に加入するために金融が非常に便利がよくなった。特に小型漁船につきましては、従来、何とも救済の道がなかったのが、この保険法あるいは損害補償法によって、無動力船から大きな船まで保険に加入することができる。大きな船については、民間保険会社も保険をとっておりましたけれども、小型漁船は今もって保険会社はとりません。そこで、この政府の再保険制度による損害補償法ができましてから、これらの小型漁船がどんどん加入することになりまして、金融の面につきましても、これを担保として金を借りるということになりまして、建造も非常に楽になりましたが、しかし、現在の状態から見ますというと、大型漁船は非常に加入率がいいので、八〇何%も入っております、百トン以上の船になりますと。五十トン以上も大かたそうなっておるのじゃないかと私は想像しますが、二十トン未満、特に五トン、十トンという船になりますと、非常に加入率が悪いのであります。そこで、今回の改正にもなったのでありますけれども、改正いたしましても、小型船に対する国の補助は相当大きくなっておりますが、しかし、保険料率というものは従来から見て大して変わっていない。そこで、これらの五トン未満の漁船の加入率が在籍船に対してどれぐらいの率になっておるかということと、今われわれが最も関心を持ちますものは、これらの小型漁船にできるだけ多く保険に入ってもらいたい。で、ちょっと風が吹いたり何かしますと、すぐに小型漁船が港の中でもいたんでおる。全損、分損非常に多いのでありますが、調べてみると、保険に入っていないものが大部分である。この間の伊勢湾台風におきましても、保険に入っておるものは非常に少なかった。従って、これが救済のためには、政府相当の金を出して助成しなけりゃならぬということになっておるのでありますが、この無動力船及び五トン未満の漁船の加入率——保険をかけておる率がどれくらいあるか、この加入の率について、これは資料にもあるようでありますけれども、一応階層別に一つ説明していただくことと、そうして、これらの小型漁船を一そう今後加入促進せしむる方策として政府はどういう方策を考えておるか、どういう方策をとればいいか、その二点を一つお伺いいたします。
  84. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) ただいまの御指摘の加入率の問題でございますが、御指摘のように、小型漁船については必ずしも十分な加入率を見ておらないわけでございますが、まず、その前に概括的に数字を申し上げますと、動力船につきましては、二十トン未満のものの加入率が四二%でございます。それから二十トンから百トン未満の階層では七八・二%、それから百トン以上千トン未満におきましては六八・八%、で、それらを通計いたしますと四三・七%というふうに相なります。御指摘のように無動力船を特に考えて参りますと、無動力船は一二・二%というような状況でございまして、加入率は必ずしも平均に比較してかなり低い点にありまして、その動力船と無動力船を合計いたしますと二五・八%ということになっておるのでございます。これをなお前の年の実績に比較いたしますと、二三・九%が本年の実績でございますから、若干加入率の伸びは見ておりますが、それにもかかわりませず、小型船につきましては十分な加入率とは言い得ないのは、はなはだ遺憾に存じておるところでございます。従いまして、今般の改正にあたりましても、特に小型漁船の加入率の悪い点にかんがみまして料率、それからいろいろな国庫負担の問題、それから制度といたしましては、義務加入制度の検討と、新たに集団加入制度を創設するというような一連の考え方によりまして、現在の小型漁船の加入率の悪い点を是正して参りたいというのが今次の改正の大きな趣旨でございます。
  85. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 改正の趣旨はわかりますが、今後これを加入せしめるについて何かはかに別途の方法を考えておるか。この法を改正しただけでこれで加入促進ができるという考えであるか。さらにこの法律の運用によって、どういう方法をとって、この小型漁船の加入を促進せしめようとするのかという点をお伺いしたい。
  86. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 先ほど次長から御答弁申し上げましたように、無動力船、それから小型の動力船の加入を促進いたしますためには、できるだけ国庫負担を多くして、料率を引き下げて加入者の自己負担を減らすということが、その促進になるわけでありますが、やはり保険の性質上からいたしまして、国庫負担をあくまでも多くするということはいたしかねまして、御承知のように五トン未満の動力船並びに無動力船につきましては、従来五〇%の国庫負担でありましたのを六〇%に引き上げた次第であります。それから異常の危険率につきまして一〇〇%国庫負担するということによりまして、これはやはり小型船は危険率が多いわけでありますから、小型船の加入を促進せしむる方策としてこれを採用しておる次第でございます。そのほかに集団加入制度とか、あるいは協同組合の地区を、広い地区は小さい地区に区切って、義務加入や、あるいは集団加入ができるだけ可能になるような方をとって小型船の加入を促進するということにいたしておる次第でございます。それで、今後なお小型船を加入促進させていきますためには、やはり指導が十分行なわれ、また単位協同組合が十分この漁船保険の仕事にタッチできるようにしていくということが必要であると存じております。それで漁船保険の中央会に対しまして補助をいたしまして、この加入の促進の仕事も指導を行なっていく、あるいはエンジンの修理とか、その他の技術を普及いたしまして、できるだけこういうことを通じまして漁船保険のあり方を漁民に知らしめて、小型船の加入を、沿岸漁業者の加入を促進していきたいというふうなことを考えておる次第でございます。それで漁業協同組合に対しまする事務費補助金は、ことしは増額を見なかったわけでありまするが、今後十分そういう点にも考慮をいたしまして、小型船の加入を促進することに努めていきたいと存じております。
  87. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 次に、今度改正されました純保険料率の改正の問題でありますが、ただいまも御説明ありましたように、異常災害部分に対する危険率というものは全額国で見るという制度になっておるようでありますが、この異常災害というのは、地方によりまして異常災害の多いところ、あるいは異常災害の非常に少ないところと、こう地方別に見ますというと相当の格差があるのでありますが、この異常災害の部分の危険率というものを、説明によりますと組合ごとに算定をしていくというふうになっておるのでありますが、この異常災害部分の危険率を国が負担するということは、その組合地区ごとにそれだけを国が負担する、そうして純保険料というものを、これを除いた保険料というものを加えたいわゆる保険料金になるわけでありますが、これはそうすると、組合別にことごとく同じ階層の船であって、たとえば十トンなら十トンの漁船は、甲の組合では保険料が二円五十銭、それから乙の組合では二円八十銭、また丙の組合ではあるいは三円というふうに、組合によってすべて違うことになるのでありますか。一応船の階層別ではどの組合もその異常災害部分は全部ひっかけて二円五十銭なら二円五十銭、二円八十銭なら二円八十銭と画一的に料率がきまるのでありますか、その点を御説明願います。
  88. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) ただいまの御質問でございますが、今回の百十七条によりまして、やはり異常危険率というふうな「台風その他の異常な天然現象に係る部分」の危険率はその地域によりましておのおの違っておりまして、台風等の地域性を考慮するということが必要でございまするので、各組合ごとに違えるというふうにいたしておる次第でございます。しかし、それにつきましては、国庫負担をするということによりまして、その組合の負担を特に台風等の多い地域について考慮していくというふうな方法をとった次第でございます。
  89. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 もう少しその点を説明してもらいたい。従って、台風の非常に多い常習地帯ともいわれるところの組合と他の地方の同じ階層の船、すなわち、かりに十トンなら十トンという船をとった場合に、そうすると、常習地帯のところは保険料が非常に安くて、そしてその他のものは相当高いと、こういうことになるのですか。
  90. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) この再保険料率は異常危険部分と、それから普通損害保険にかかる危険率と、両方の合計で再保険料率をきめるということにいたしておりまして、異常危険率につきましては、仰せのように国庫負担を全面的にいたしまするので、台風の被害の多いところがならされていくというふうなことになるわけでございます。それで、特にそこが安いんだということにはならないわけでありまして、危険が多い場合には、保険料率が高くあるべきところが国庫負担をいたしまするので平均化されるというふうなことになるわけであります。それから、それに今度は平均化された普通損害保険にかかる危険率を基礎として算定されるトン数区分ごとの全組合平均の通常の危険率を基礎として定めまするいわゆる通常危険率によりまする保険料率、これを加えまして全国平均の各組合ごとの再保険料率をきめるということになるわけでございます。
  91. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 そうしますと、異常災害部分に対する危険率は国が全部負担するから、この保険に加入する人の、いわゆる船主の負担というものは普通災害による部分だけの保険率を負担すればいい。従って、災害の多いところも少ないところも保険料率には、料金は変わらない、こういう説明ですね。
  92. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 全然変わらないということにはならないわけでありまするが、いわゆる通常危険率によりますると保険料率が変わりまするので、負担は変わっていくということになるわけであります。
  93. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 今度の改正によりまして、本来この危険率に見合う保険料率をきめるということで、これはまことに合理的でありますが、そうした結果、結局、ある程度小型のものが高目になる。そこで、大型の分の国庫補助を引き下げて小型分に埋め合わせたというような格好になっておるのでありますが、これは従来大型船に——大型と言っちゃおかしいのですけれども、比較的大型、小型船に対応する百トン未満の船ですが、それらのものが国庫負担が少なくなってくる。本来はこれらの船は危険率が非常に少ないので、むしろぐっと下がらなければならぬのでありますが、それを割合に下がる率を少なくしている。しかし、現在よりは下がっておるようでありますけれども、本来ならば、もっと下がらなければならぬやつを下げないで、小型船に埋め合わしたというのはどういう考えですか。
  94. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 仰せの通り、大型船の保険料率を小型船の方に転嫁をしておるということをいたしておる次第でございまするが、これはやはり今後の保険の方向といたしまして、できるだけ小型船の加入を促進していきまして沿岸漁業の振興に資したいというふうな考え方を持っておる次第であります。従いまして、小型船の加入促進のためには国庫負担をうんと多くするというふうなことがいいのでありまするが、五トン未満を六〇%の国庫負担ということで、従来より一〇%国庫負担率を多くいたしまして、六〇%以上の国庫負担を行なうということはなかなかできかねる次第でございます。従って、一方におきましては危険率に見合った保険料率を作るわけでありまするので、小型船の保険料率は高くならざるを得ない。それで、それを救済するために国庫負担率を六〇%に引き上げたのでありまするが、なおそれでも十分ではな。そうして一方におきましては、大型の方の危険率は低いわけでありまするから、保険料をもっと引き下げてもいいわけでありまするが、やはりこの際大型船にもある程度小型船のことを考えて持ってもらったらどうだろうかというふうなことで、あまり大型船の料率を引き下げてもどうかというふうな考え方も一方にございまして、ある程度大型船に小型船の分を持ってもらおうというふうな考え方から、大型船の料率に小型船の料率の高くなるのを救うために転嫁をしたというふうなことになった次第でございます。
  95. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 その考え方はわかるのでありますけれども、本来、危険率に見合った料金を、保険料を定めるという根本の方針からいくと少しおかしいのですね、それは。小型船につきましては危険率に見合ったところの保険料率をきめていった。ところが、大型船についてはそうじゃなしに、その一部分を小型船に譲るということになると、その根本方針からいくと少しはずれておるように思う。これは私は追及いたしません。そういうようになって一種の相互扶助というような精神から出ておるので、大型のものが従来より高くなるということになればこれは問題でありますが、従来より安くなったということで、私はこれは一応追及はしませんけれども、本来の精神からいくと、これははずれておる。これは危険率の低いものはどんどん下げていくべきである。そうして高いものは困るから補助するということでありますけれども、今、補助の限界一ぱいに来ておる。これ以上補助することができない。従って比較的楽な方にこれをかつがせようという精神は、精神としてはそう悪いとは思いませんが、趣旨からいくと少しおかしい。これは後日さらに検討していく余裕を残しておく必要があると思う、この法律についてではなくて今後制度を考える上において。それから次にこういうふうな料率改訂をいたしましたために、小型船に対する本来の保険料率はずっと高くなってきた。そこで義務加入であるとか、あるいは集団加入によるものはこれに対して国庫の補助が小型船に対しては六〇%、あるいは三〇%の助成があるから、ある程度安くなるが、それのない単独の任意加入のものは相当の高い料率になるのですが、これはもうやむを得ないとするわけですか。
  96. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 決してやむを得ないというふうにするわけではないのでございますが、義務加入で三分の二以上の多数のものが入ろうということで、すべての船が入るということになりましたならば、義務加入制度によりまして国庫負担をしていく。それからそのほかに新たに集団加入制度というのを設けまして、そこの在籍船で二十トン未満の船が半分入ろうということになりましたならば、義務加入の国庫負担の半分の国庫負担を行なうという制度を新たに設けまして、そういうことでこれを救っていきたい。それからまた、従来この加入区が非常に大きくて、義務加入とか、あるいは集団加入がなかなか成立しにくいというふうなところは、その実情に応じて府県知事が地区を指定しまして入りやすいようにしていくというふうなことによって、できるだけ国庫負担ができるような方向に持っていきたい、こういうふうな考え方を持っておるわけでございます。それで現在義務加入はどの程度入っておるかと申しますると、九万八千隻くらいの加入の隻数の中で、九万三千隻くらいは義務加入に入っておる次第でございまして、今回の集団加入制度を別個に設けるというふうなことによりまして、なお、この義務加入とか、あるいは集団加入の国庫負担を伴う隻数がふえるということを期待しておりまして、これはまあ全船義務加入が成立するような状態にできるだけ今後とも努力をして参りたいというふうに存じておる次第でございます。
  97. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 そうしますと、集団加入及び義務加入という二つの制度によって、大体それから漏れるものはきわめて少ない、こういうふうなお考えですね。
  98. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) ただいま漁政部長から御説明がありましたが、先生の御質問のように絶対にないかと言われますと、若干残るとは思いますがしかし、ただいまの状況とそれからこのたびの制度改正を進めることになりますれば、実際問題としては大部分解決できるものというふうに確信して、その方向に努力をいたしたいというふうに考えておる次第であります。
  99. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 現在日本の在籍船数は、小さいのから千トンまでのものを合わせて三十七万八千隻ということであります。そうして今保険に加入しておるものは約十万というと、三分の一に満たない加入船隻ですね。そうするとまだ三分の二以上のものが保険に加入しないのでございます。そのうちにはもちろん無動力船のごく小さいものもあって、これは何としてもはいれないようなものもありましょうけれども、そのほかにも小型船がまだ相当あるのです。これらのものを何とかしてこの保険に加入せしめるという方法をとらなければならぬと思いますし、また政府も組合も努力はいたしておると思うのですが、保険というのは、ただ入るわけにいきません、保険料を払うので。ところで、そういう従来災害なり危険がほとんどないという内海であるとか、あるいは湖沼であるとか、地域的には従来損害は非常に少ないというものが入らないだろうと思うのです。それからもう一つは、経済的に保険料は安いけれども、まあ相当負担せなければならぬからよう入らないというのが従来の状態だろうと思いますが、水産庁としては、この三分の二の未加入船というものを、三分の二以上でありますか、未加入船というものが今後こういう制度の改正によってどのくらい入ってくる見込みですか。どのくらい伸びてくるというお見込みですか。大体大かた限界に来ておるのじゃないかという見方もあるのですが、この点いかがですか。
  100. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 御指摘のように料率の問題が従来ございまして、ことに災害の少ない地帯では比較的高かったために加入意欲が阻害されたということも事実問題としてあったように伺っております。従いまして、今次の料率の改正につきましては、そこら辺も画一的にすることがなく、地区別に詳細に検討いたしまして、低めてしかるべきところは妥当な線にまで料率を引き下げまして加入を促進いたしたいというふうに考えているわけでございます。  それから第二点は、いかに料率が低くても、ごく零細な漁船、ことに無動力漁船は、実際問題として漁船保険に入る能力が問題ではないかという御指摘でございますが、私どもは、全くその点については、いろいろやってみても、そういったような御指摘の壁にぶつかることは事実でございます。しかしながら、ここでやはりできないということだけで私ども引っ込んではならないのでありまして、やはり何らかの工夫、特に実際問題としていろいろお世話いただく単位漁業協同組合のいろいろな指導力それから組合としての経営能力等の充実がなければなかなかむずかしかろうというふうに考えているわけでございます。その点も後日御審議願いまする、漁業協同組合の振興に関する法律の改正の御審議もお願いしているわけですが、やはり要点は沿岸漁業の振興と申しますか、そのにない手でございまする漁業協同組合がやはり漁船保険の問題につきましてもはっきりした力がないと、いかに制度だけを整備いたしましても、実際問題としては乗ってこない面がありまするので、その面も私どもは何とかいたしたいというふうに考えているわけでございます。  なお、御質問の加入の伸びの見通しにつきましては、漁政部長から説明を聞いていただきたいと思います。
  101. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 加入の伸びでございますが、今私たちとしましては五カ年計画くらいを立てておりまして、やはり無動力船についてはあまり伸びが期待できないのでございます。五カ年では、今のところは一一・九%程度の加入率が一二・二%くらいにいくんじゃないだろうかということを考えております。それから動力船では、五トン未満におきましては、これは相当の伸びを期待しておりまして現在四八・八%でありますが、六一・二%程度まで伸びていくであろうという予測で計画をいたしております。それから二十トン未満の動力船につきましては、現在六八・七%が七七・九%程度伸びるであろうと予測しております。それから五十トン未満につきましては、七四%が七五・二形程度伸びる、それから百トン未満につきましては、八七・九%が八九・九%程度に伸びるであろう、それから百トン以上につきましては、現在六五・一%でありまするが、伸びましても六五・二、三%程度であろうというふうに考えております。
  102. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 この数字で見ますと、動力船で十九トン未満の船が十五万五千三百何艘あるわけですね、このうちで保険に入っている分は、この率が四二%となっておりますが、六八%というものは入っておらぬわけですね。これらの船が最も危険率も多いし、入る必要もある船なんです。これをもう少し何とかして吸収するような方法にしなければ、この漁船保険のほんとうのありがたみは少ないと思うのですよ。普通の大型船になれば民間の会社がとるのですが、会社のとらない船をここで救済しようというのでありますから、これらの二十トン未満の漁船をもっと吸収するような方法を考えなければならない。しかし、この改正によりまして、小型船の保険料率というものは、従来より決して安くなってないと私は見ておる。ということは、危険率に見合った保険料をきめた。異常災害部分というものは国庫が全部見るけれども、それでも相当高くなっている。そこへもってきて、大型船から少しカバーしているというようなことで、だいぶ助けてはおりますけれども、実際の保険料というものは、従来の保険料から見るとそんなに安くなってない。そこで、料率が下がったら伸びるという点は非常にむずかしいのじゃないか。ことにまた、義務加入であるならば六〇%の国庫負担がありますけれども、集団加入ならばその半分の三〇%しかないのでありますから、相当私は従来よりも、これらの船は従来入ってなかったからいいんですが、義務加入から見ると、だいぶ高いものになるということで、その伸びは非常に懸念されるわけです。従って、これをいかにして、私ども自体としましても、なるべくよけい入らせようということが、この損害補償法の一番の眼目であろうと考えますので、この点については十分今後も努力をしていただきたいと思うわけであります。  次に、満期保険制度というのがございますが、これは前回損害補償法ということに改正されましたときに初めてできたものでありまして、人間でいえば一種の養老保険みたいなもので、期間内に事故なしに満期になった場合には、積み立てた金は取れるというのでありますが、どうもこれに対する魅力が乏しい。これに加入するものが非常に少ないので、もう今すでにこれが伸びていかないという状態にあるのでありますが、これは初めは非常に期待されたのでありますけれども、何分にも自分たちが積み立てた金なのであってこれはいわゆる貯金なんですね。そこで貯金ならば、定期預金にすれば六分の利息がつくけれども、これには六分の利息はつかない。だからして、もしそういう意味であるならば、これは割引債券買った方が得だと、あるいは定期預金した方が得だという勘定になるのです。ただ、そこに危険の場合の保険というものがあるから、保険と加味してこれに入るのでありますけれども、もし途中で損傷を受けた場合には、満期保険で積み立てた金は取れないといったような非常に妙なところがあって、これは伸びない。従って、制度調査会の答申によっても、これは廃した方がいいんじゃないかという強い意見が出ているのですが、私どもは、まあまあ一つ、まだできてから間もないのであるから、今後これについて検討して、もう少し有利なように運営したら利用できるのじゃないかと。ただこれは預金であるから定期預金にしたらいいとか、あるいは割引債券を買ったらいいということは理屈でありますけれども、実際はなかなか買わないので、まかり違えば船が満期になったときにも、代船建造の資金に困るといったようなことになるのでありますから、これは何とか存続させたいと思うのでありますが、今のような魅力がない制度では、これはもう早晩批判の的になるのですが、政府としてはこれをどういうふうに見ておりますか。
  103. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) この満期保険の問題についてでございますが、この満期保険を作りました趣旨その他は、非常に当時漁民側にも歓迎され、これはいい制度である、特に事故がなく過ごしても、漁船が古くなりまして新しい船を建造する場合にも建造資金の一部にもなることでございまするので、この制度を何とか伸ばしたい、また伸ばすべきであろうというのが、当時のこの制度創定の趣旨だったように考えているわけでございますが、しかし、ただいま秋山委員の御指摘のように、この制度は伸びておらないわけでございます。しかも、これも御指摘のように、漁船損害補償制度に関する調査会の御意見も、かなり技術的に、制度的に欠陥もあるようであるということが指摘され、場合によったらやめてもいいじゃないかというような趣旨の御答申をいただいたわけでございます。しかしながら、私どもとしては、そのような若干の欠陥が指摘を受けたことは、決してそれは間違った指摘だとは思わないのでございまするが、しかしながら、これを今、にわかに廃止するということにつきましては、漁業者の方々のその後における要望もありますし、私どもの考えも、今、におかにこれをやめるということもいかがかと思いまするので、当分の間現状のままにいたしまして、もう少し気長に、その後における問題を検討して参りたい、このように考えているわけでございます。しかしながら、これは御指摘のように、漁協の系統貯蓄との競合というような基本的な問題もございますので、その点も勘案しながら、この制度の目的を十分に生かすためには、どうしたらいいかということを、引き続き検討して参りたいというふうに考えている次第でございます。
  104. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 しばらく存続したいという御意向は私も賛成であります。ただ存続してみたところで、このままではこれからあまり伸びない。今もう少し気長に検討すると言われたのですが、問題は、この積立金に対する利息をもっと高くするということなんです。少なくとも定期預金以上のものにしなければ、よそへ預けた方が得なんですから、こんなところへ預けたってばかばかしいということが一点と、もう一点は、損害のあった場合でも、積み立てた部分のある程度返還する、支払う、全額支払えとは言わぬまでも、その何割かというものを、保険金はもちろん払うが、そのほかに積み立てた部分の何がしかも、五割というか、六割というかも払い戻すということになると、非常に魅力が出てくる。そこまで政府が踏み切るならば、これは役に立つ、ところが、今のような状態じゃ、金利はごく安いわ、損があったときには積み立てたものはふいになってしまうわということでは、魅力は出てこない、そこに大いに検討を加えて、そこへ踏み切る腹があれば、これはもっと私は活用されると思うのですが、そういう点について、もっと真剣になってこれを考えておきませんと、これはもう盲腸みたいなもので、役にも何にも立たぬというようなことで、期限が来たものはどんどんおりていくということになりはせぬかと思う。せっかく制度として生まれた以上は、これを育成していくような方法を検討してもらいたいということを要望しておきます。  それから次に、私ばかりが質問するようですが、特殊保険、これはいわゆる拿捕保険という、主として李承晩ラインあるいは北洋方面において拿捕されたという場合に対する保険でありますが、これが最近拿捕保険と俗称しております特殊保険と、それから乗組船員の給与保険、いわゆる抑留者に対する給与保険、この二つがあるのですが、とかく危険区域に出入する漁船は、当然この保険にかかって行くべきであるということは政府指導しておりますし、関係者もみなそう心得ておりますけれども、危険区域に入らないで、危険区域の外でやっている分がときどきつかまるのです。それだからして、自分は危険なところは入らないからそれにかかる必要はない。従って、かけない者がたまたまつかまっている。今度の第五八幡丸もその例です。そのほか小型船もたくさんあるのです。そういうことでまことに気の毒な状態であるので、そういう者に対しては政府はある種の見舞金といいますか、金を出しておりますが、なおまた、その保険に入るにしましても、普通保険にかかった上に、この特殊保険に入らなければならぬということで、保険金がダブっておって、なかなか経済上苦しい。そこで、昨年でしたか、特例を設けまして、この特殊保険等につきましては、保険金の半額を政府が見ようということになって、これは非常に助かっておるわけであります。本来ならば全額見てもらいたいというくらいに考えておるのでありますが、まず半額を見るということによって非常に軽減されておる。ところが、それが近く期限が切れるのです。本年の五月ごろじゃなかったかと思うのですが、この期間が切れることになるのですが、政府はこれを継続する御意思がありますか、どうですか。
  105. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 御質問の点は継続いたします。
  106. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 ぜひ継続してもらうようにお願いいたします。それから、まだいろいろあると思いますけれども、最後にこれについていろいろ政令で定めるという点がございます。で、その政令ができておるのかどうか知りませんが、この政令の内容につきまして、一つ資料として御提出を願いたい。いろいろ出てくるようでありますが、それらのものを一つ次回までに政令の内容等について、よくわかるように提出をしてもらいたいと思います。きょうは私の質問、この程度にいたします。
  107. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 政令の内容につきましては、農林省内部におきましては成案を見ておりまして、まだ大蔵省の折衝とか、あるいはその他、他の官庁との折衝は済んでおりませんが、農林省の内部でできておりますもので御了承をお願いしたいと存じます。
  108. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 できたら出してもらえますか。
  109. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 農林省内部のものを出したいと思います。
  110. 東隆

    ○東隆君 この再保険特別会計の例年の何といいますか、次年度の繰り越しの損益で、毎年大きくなったから、従って、今度は非常に保険に加入する率の低い小型船の方面に条件をよくしてそっちの方をふやしていく、こういうお話ですが、この漁船の特別会計の数字がどんなふうになっていますか。この年次別に繰越損益なんかを……。
  111. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 詳細な説明は漁政部長からいたしますが、まず概略御説明いたします。この普通保険勘定の単年度の収支バランスを見ますと、昭和二十四年以降、二十六、二十八、二十九年の三カ年を除いては、おおむね黒字となっておりまして、特に三十年以降、比較的保険事故の少なかったためだというふうに考えておりますが、三十三年度末の黒字の累計は約九・五億ぐらいに達しておるわけでございます。また三十四年度の決算見込みでは約二・五億の黒字が追加計上される見込みでございまして、今次の改正後の三十五年度には、順調に推移するといたしますれば、約九千万円の黒字が出るというような見込みでございます。なお表は三十五年度以降は普通保険勘定の積立金の一部を引き当てとした再保険料率の安全割り増しの係数の引き下げをはかったために、約八千万円の再保険料が収入減となるわけでありますが、一方積立金の運用収益の一部の千七百万というものを小型船の事故防止事業対策補助金というようにいたしまして還元する措置を講じたことなどによりまして、従来よりも支出増となりますために、再保険金の支払いが順調に推移いたしましたとしても、従来のような多額の利益を生ずることはなくなるであろうというふうに考えられますが、従いまして、制度改正後は、単年度の収支バランスでときに赤字も出ることもありましょうし、または事故いかんによっては黒字となるということがありましても、長期にわたって観察いたしますれば、従来のようなテンポでの利益が累積されていくということはないのではないかというふうに一応推定しておるような次第でございます。
  112. 東隆

    ○東隆君 私のところにある資料を見ますと、三十二年度で約六億五千四百四十三億、それから三十三年度は九億五千、三十四年度の見込みは十二億ぐらいになるようになっておるんですが、次年度繰り越し損益ですね。そこで、この答申のなにを見ますと、保険振興基金の創設という答申がありますね、それでこの点について、今度の改正にはお考えがないようですが、なぜ答申通りお考えにならなかったか、その点を……。
  113. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) 御指摘のように三十四年度の決算見込みでは約十億をこす黒字が見込まれたわけでございまするので、その基金の考え方と申しますか、これを基金というふうに考えまして、それを基礎としていろいろな有益な仕事をして参りたいという考えもあったわけでございまするが、しかしながら、検討の結果、その黒字に見合う額を別途小型船事故防止の事業対策費として別に一般会計に繰り入れることによりましてちょうど基金が動くと同じような効果をねらった方が現状としてはいいであろうというような考え方でこの予算を組み立てたわけでございまするが、なお御指摘のように基金の問題ということも将来の問題としては検討して参りたいというふうに考えておる次第でございます。
  114. 東隆

    ○東隆君 伊勢湾台風その他非常に災害が多かった関係で、ことしの保険の損失補償関係のバランスで、何でも千七百万ですか、何か不足をしておるような、そんなようなことを聞くのですが、それはどうなっておりますか。
  115. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 先ほど次長から答弁いたしましたように、三十四年度の普通保険勘定では、最初二億五千万円程度の黒字が出るということを予想しておったのでございます。ところが、三十四年度は伊勢湾台風その他の被害が非常に多くなりまして黒字がきわめて減って参りまして、今のところは、まあ千万円か二千万円くらいの黒字にとどまるんじゃないかということを考えております。
  116. 東隆

    ○東隆君 その一般会計の方に繰り入れたのは、三十五年度のどこの方に繰り入れておられるんですか、予算の中に。
  117. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 再保険特別会計というのがございましてそれの歳出のところの漁船保険振興費というのを作りましてそれに千七百二十九万四千円を繰り入れています。
  118. 東隆

    ○東隆君 それでは次に伺いますが、今度の関係政府の負担をする額は、例年普通の割合で計算をすると、四億三千万くらいになると思うのですね、これは五〇%の国庫負担で。ところが、今度の改正その他でもって、かりに四〇ないし六〇%という計算をしますと、四億一千万円に金額がなりますね。そうすると、今回の改正によって政府は国庫負担を減して、そうして先ほど秋山さんが言われた大型船の方の負担の方を小型の方にもっていってやる、こういう形が出てくるように考えるんですが、その辺はどういうお考えですか。
  119. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 先生の今のお話は少し誤解があるんじゃないかと存じまするが、三十五年度の普通損害保険の国庫負担額は、義務加入とそれから異常の危険負担、それから集団加入を入れまして四億二千三百二万五千円を負担するということにしております。それで前年度の国庫負担は三億七千八百五十六万八千円ということになっておりまして、それに三十二年度の国庫負担の未済分がありましたので、それを補正予算で三十四年度中につけ加えまして、三十四年度が四億五千四百八十一万二千円ということになっておりますが、三十四年度の単年度の国庫負担は三億七千八百五十六万八千円ということでございまするから、四億二千三百二万五千円との差額、五千万円程度がふえておるということになるわけであります。
  120. 東隆

    ○東隆君 それからこの何といいますか、保険料率をきめる要件を出されておりますね、三つの要件を。危険の漁船のトン数だとか、あるいは船質、操業海域、それからいろんなことをいわれて、そして何か三段階かなにかきめられているようですね。料率の決定をするときの条件といいますか、それは一体農林大臣は、おきめになるのですが、おきめになるときの基本は何でおきめになるのですか。
  121. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 先ほどの御質問は普通損害保険の保険料率の点じゃないかと存じまするが、それは三つの要素から構成されるということを考えているわけであります。それでまず危険区分ごとに定められるということが一つと、それから危険率を基礎として定めるということが一つと、普通損害保険の純保険料率が再保険料率を、当該組合の再保険料率を下がらないように定めるということの三つの要素から構成されることになっております。それで考え方といたしましては、従来小型の方の保険料率は危険率に見合わないで安い。大型の方は高いということになっておったわけであります。ところが、そういうことになりますると、この保険は九割が再保険で、一割は保険組合の負担ということになりまするので、この小型の保険料が安いということになりますると、小型が多いところの保険組合はきわめて困難に遭遇することになりまして、従って、小型船の加入にも差しつかえるというふうなことになってくるわけであります。従って、やはり危険率に見合ったところの純保険料をまず作成するということが必要になって参りまして、危険率に見合って、たとえば小型の危険が多い場合は、そこは保険料は高くなるというふうなことになってくるわけであります。その高くなってくるのを国庫負担を上げることによって防いでいこうということが今回の趣旨であります。それでこの純保険料のほかに、再保険料というのがあるわけでありまするが、従来は純保険料はそのまま再保険料率になっておったわけでありますが、純保険料率はやはりそういうふうに危険に見合って考えて、再保険料率は全国の危険を分散する、全国ベースにおいて考えるという点で、そこにやはり違いを持たせなければいかぬ。まず保険組合で危険を分散して、全国で危険を分散するというふうな二段がま、えできめていこうということにいたしたわけであります。
  122. 東隆

    ○東隆君 そうすると再保険料率というのが最低ということになるわけですね。その危険率ですね、危険率の最低が再保険料のなにに一致しなければならないですね。これはぶっかけたものですけれども、額にするとそういうことになるわけですね。
  123. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 再保険の危険率は全国平均の危険率というふうにお考え願いまして純保険料の危険率は、その組合の危険率ということになるわけでありまして、仰せのように、再保険料率の危険率は、全国平均を考えておりますから、大数法則の上からいきましたら、全国平均の方が安いということになるわけであります。
  124. 東隆

    ○東隆君 わかりました。そこで、その危険区分、それから危険率、それから再保険料率云々のこの三つなんですが、これは、何か法文を新しくこしらえられるのですか。それとも、政令か何かでその範囲をきめられるのですか。
  125. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 百十三条の四という法文が出ておるのですが、それによってきめておる次第であります。今度の改正の条文です。
  126. 東隆

    ○東隆君 次は、自己負担の減少を計画通りにした場合に、国庫負担を百分の六十、これは無動力漁船の場合百分の六十ですね。それから五トン未満の動力漁船百分の六十、それから五十、四十五、四十と、こういうふうにはっきり先におあげになっておるようですね。きめられておるようですが、しかし、これはこうじゃなくて、逆に計算ができるのじゃないですか。危険の度合いによって、起きた場合に計算をしかけたら。私の方で計算すると、百分の六十のところは、無動力漁船は百分の七十五くらいになるし、五トン未満の動力漁船は百分の六十八、それから五トンから二十トン未満は六十六、二十トン以上五十トン未満は三十九、それから五十トン以上百トン未満は三十四、こんなふうに、全体のワクを一定にしても、かえって小さなものに負担がたくさんいくような形になって、そして事実上、先ほどお話があったように、大型船が当然保険料を払って、そしてしかも、それに相当したものでなくて犠牲をかけられる。こういう面があると思う。だから問題は、国が当然支払わなければならぬ部分を、大型船の方に払わなければならぬ部分を削ってしまって、そしてただ国庫でもって払う小さな方だけをきめていく、こんなふうな形が出ておりませんか。
  127. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) ちょっと御質問の趣旨がよくわかりかねるのでございますが、国庫負担率は、従来一律に五〇%にしておったわけであります。それで今回は、無動力船と五トン未満を六〇%、それから二十トン未満を五〇%、五〇トン未満を四五%、百トン未満を四〇%というふうに六〇%から四〇%まで小さい方に重くしまして段階的に国庫負担を変えたわけであります。これは、先ほど申しましたように、小型の方の保険料が、危険率に見合って考えますると、高くなりまするので、それを国庫負担で救助しようということから、一律の五〇%の適用をやめて、六〇——四〇というふうに段階的にかける。そのほかに一〇〇%異常危険については、一〇〇%国が持つということで、小型の方について重く国庫負担をするということに変えたわけでございまして、仰せのような趣旨でそういう負担にいたしたわけでございます。
  128. 東隆

    ○東隆君 しかし、五十トン以上百トン未満になると、この国庫負担の分は減ってくる、率は。たとえば五十トンまでとかというふうに減ってくるじゃないですか。だから問題は、国庫負担の分をかりにあらかじめきめてしまうと——五十トン以上百トン未満のやつを百分の四十と、こう決定をするのですね。そうすると、大型船の方は、自己負担分で保険をかける部分が多くなるのですからね。だから、結局もう少しやりようによっては、国庫負担分を小型の方面に持ってこなければならぬのじゃないですか、理屈から言いますと。
  129. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) この料率を危険率に見合って算定して参りますると、大型の方が非常に安くなってきているわけなんです。それで、国庫負担をそのままにしておきましては、大型の方が安くなり過ぎる、と言っては語弊がありまするが、小型と大型を比較いたしまして、やはりこの保険の性質上、小型をできるだけ優遇して小型の加入の促進をはかるのが沿岸漁業振興になるというふうな見地から、大型の方が保険料そのままでは安くなり過ぎまするので、国庫負担の率を、従来五〇%でありましたのを四〇%に減らしまして、そして一〇%分を今度は小型の方に回すというふうな操作を行なったわけであります。
  130. 東隆

    ○東隆君 私の方で計算をしてみたんですがね。そうすると、改正の百分の六十というのは、ずっと無動力漁船で百分の七十五くらいいくようになるのですよ。それから五トン以上二十トン未満は六十六、それから二十トン以上五十トン未満、そういうようになると三十九になりますか。それから五十トン以上百トン未満は三十四、これくらいになりますると、三十五年度に国庫負担は四億七千七百万円くらいになる。というのは、先ほど言ったように、五十トン以上百トン未満のものには国庫の出す筋合いのものがないわけですね。入っていない分がある。そこで、そういうようなものを全部国庫で、その分で計算をしたものをこっちの小型の方に持ってくると、率が今言ったような率になってくるわけです。そうすると、総額で国庫が四億七千七百万円出すことになって、計算からいくと、約六千万円ほど国庫がよけい出すことによって、百分の七十五を国庫が負担する、そうすると小型の漁船、それから無動力漁船、そういうものの加入率が非常によくなるわけですね。だからそういう計算をやれるんじゃないですか。
  131. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 仰せの点は、小型の方の国庫負担率をもっとふやしたらいいじゃないかということであると存じますが、この点につきましては、私たちもできるだけ小型の方の国庫負担率をふやしたいということで大蔵省とも折衝いたしまして努力をいたしましたのですが、やはり六十以上の国庫負担をするということは、とうてい現在のいろいろな保険の方から考えて、これは強制加入の保険でもありませんのでできないということで、結局六十に押えられた次第でありまして、その点はできるだけ国庫負担をふやしていくと、そして小さい漁船の加入を助けるということでありたいわけでありまするが、これが今回においては限度ということになったので、御了承をお願いいたします。
  132. 東隆

    ○東隆君 了承するしないの問題でなくてこの漁船保険と、こういうけれども、しかし、漁船損害補償法という形をとって、そして小さな漁船をこの際入れる、加入させると、こういうような形をとっておるので、農業の方面でいったら例の農業災害補償法の中の一部に非常に似た形になっておるわけです、船というものについて考えたときに。そこで、相当国が大きく負担をするのが当然であって、そいつを六十でもって切るんだ、これは今度は五十だったのを六十にしたんだからそれでいいんだと、こういう計算でなくて、総体のものを考えてみたときに、率の上げ方をもう少し上げて、そして大型の方を削れば同じ額が行くのですから、削ってそしてそちらの方に振り向ければそういうような計算ができる。で、漁船損害補償法という基本的なものの考え方から普通の経済ベースに乗っておれば、保険のものの考え方でいく必要はないと思うのです。それから任意加入だと、こう言われるけれども、小さな漁船の方は義務加入の形をとっていかなきゃ本物にならぬと思います。沿岸の漁業協同組合で、やはりその区域内の三分の二の者が入ったときには、ほかの者みんな義務的に入れるんだ、ここまであなたは言ってるんだから、そうするとやはり小さな船を相当持っている者に手厚くしてやると、こういうことを考えると、六十でもって、水産庁の方でもって大蔵省にかぶとを脱いだような形になる。しかし、かぶとを脱ぐ必要はないので、この辺もう少しがんばる必要があるんじゃないか、こういう意見なんです。
  133. 高橋泰彦

    政府委員高橋泰彦君) ただいまの沿岸漁業の状況並びに漁村のいろいろな状況を拝見いたしますと、御指摘まことにごもっともでございまして、私どもも御趣旨は全くその通りだというふうに考えるのでございまするが、従いまして、このたびの改正も、その方向に少なくとも向かって進めるような改正でありたいということを念願にして立案した次第でございますが、なお、御指摘の点は、その趣旨を体しまして今後ともなおよりよきものにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
  134. 東隆

    ○東隆君 この間の分割払いの問題ですね、それからもう一つは、例の何といいますか、分割払いの場合に、お話があった営利会社の保険をさらに受けるという基礎、それからこの場合には船価の百分の三十以下に入ってはならないという何か規定がありますね。
  135. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) あります。
  136. 東隆

    ○東隆君 そうすると、百分の七十まだ残っているわけですね。その分も営利保険にかけるのですか、ダブってかけるのですか、どういうふうになるのですか、その営利会社が入るときには。
  137. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 百分の三十と申します率は、保険にかけて国庫負担をするという場合に、船価の百分の三十以上かけないと国庫負担にしないということにしておるわけです。大体今の法律は、平均しますと五十ないし六十というふうな程度でありまして、それでいろいろ会社との関係がありますが、それ以上の部分をこえておるというようなものもありまするし、あるいはまた、こっちは一千トン未満の船をこの損害補償制度の対象にいたしておりますので、それよりも大きい船につきましては、一般会社の保険にかけておるというふうにいろいろ場合があるわけでございます、
  138. 東隆

    ○東隆君 私は二つの保険にかけるということは、そこにいろいろ金融関係の問題だのなんだのあると思うのですよ。大きな会社所有の船だのなんだのに関する限り、そういうような道が開かれて、そうして業態組合とそれから地域組合はダブってはならない。組合の方だけは非常に厳重にしておいて、会社の方にかけたのは会社損害の評価をやるのでしょうし、それから保険の場合には、船を漁業協同組合の保険の方に回してみたり、いろいろなことをやるだろうと思うのです、事故の発生したときには。そういうふうな場合に、評価の上においても非常に狂いが来ると思うのですが、そんな調整なんかこれはなかなかできそうにもないのですが、そういうようなときにはどういうふうにしておやりになるのですか。
  139. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 今のお話は、実は保険組合があまり大きな金額を保険にかけられる、たとえば一億もかけられるというふうな場合には、その船がやられた場合には非常に困難を来たすというふうなことがありまして、大体まあ三千万円ぐらいを限度というふうに押えておるのが多いわけでございます。それで、船価三千万円以上になっておる、それ以上の保険をかけたいというふうな場合には、三千万円をこちらの保険にかけまして、それ以上のものを会社にかけるというふうなことになっておるのが普通でございます。そうして保険料は大体そちらの保険組合の方が安いのが通例でございまして、もちろん会社の方は、これはいい業者ばかりを対象にして保険をやるというふうなことから、割合勉強する、あるいはまた集団割引とかいいまして、実績以上に加入しましたならば、三割引きくらい保険料を引くとか、いろいろそういうふうなことをやりまして、保険組合の場合より安い場合もありますが、大体におきましては保険組合の方が安いということになっておりまして、そういうふうな状況になっております。
  140. 東隆

    ○東隆君 その評価の場合にトラブルが起きませんか、両方入っておるということは。
  141. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 先ほど申しましたように、まず保険にかける場合には、千トン未満の船でしたら保険組合の船にかける。しかし、その保険金額が高いというふうな場合には、ほかにかけるというふうなことで、評価はその船主とあるいは組合なり会社が双務的に考えるわけでありまして、その間にトラブルが起きておるというふうなことは聞いたことはございません。
  142. 東隆

    ○東隆君 この漁船損害補償法によってのもう一つのいい点は、これは漁船保険に加入することによって新しい船を建造することができると思うのです。それは現物はまだできないけれども、こしらえるということを条件にして加入する。そういうことを条件にしてやるときには八割方の保険ができるのですから金融の対象になると思うのですが、その場合に、昔ですと例の農業動産信用法という法律、今でも生きているはずですが、これを活用すると、少なくとも船の価格の、建造費の八割に相当する額を保険でやれるのですから、だから、それに相当する部会を借りることができるのじゃないか。それに自己資金を二割加えて、そうして船を作るということができると思うのですが、そういうことをおやりになっておるところがありますか。
  143. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) この保険は、漁船について保険料を払い込んだときに保険契約が成立するということになっておりましてまだできていたい漁船について保険は成立しないわけでありまして、従って、そういう作用はいたしておりません。
  144. 東隆

    ○東隆君 農業の場合ですと、たとえば水田に稲を作る、そうして稲が結局農業災害補償法のなにに入っておるのですから、そこで保証されておるわけです。そこで、それを対象にして肥料代を借りるとかなんとかすることができるわけです。将来、生産をされるということを前提に置いてやれるわけです。ところが、この場合には保険に入るという条件が整えば、私は資金を融通するときの、少なくともこれは現物担保にはならぬかもしれませんけれども、保険証書が担保になって金融が円滑にいくことになる。だから、その道を開かないでその漁船保険なりでやってみても、これは半分の効果しかないと思う。新たに船をこしらえるという場合に、その場合に少なくとも金融を受けられるようなために保険に入る。それは家を作る場合に、やはり保険に入れるということにして金を引き出してこなければこれは家は担保になりません。だからそういうふうな火災保険のような場合なんかを一応考えてくると これは金融の対象にして、そうして船を作らせるということができるような道を開かなければいかぬと思うのですが、それには差があるのです。多少の差があるのですけれども、そういう道は開かれませんか。
  145. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 漁船に対して金融をします場合には、その漁船が保険に入るということが絶対の要件のように現在なっておると思います。それで、そういうふうな農林公庫から金を貸す場合にしましても、あるいは農林中金が貸す場合にしましても、普通銀行でもそうですが、どこか保険に入れるということを前提にいたしております。従って、その限りにおいて保険というものは金融をつけるための条件のようになるわけであります。先生の今おっしゃいましたのは、たとえば農業手形のような場合は、肥料を買うとか、あるいは農薬を買うとかいう場合に農業保険が将来の担保ということに考えられて借りられるということになるわけでありまして、漁業におきましては、中小漁業融資保証法の改正法案を今回提出いたしておりますが、そういうふうな別個の制度を設けまして、それの保証によって金を貸していく、特に運転資金を重点的に考えて貸していくというふうな別の制度を持っておりまして、船がまだない間に船にかけるということは、これはやはり漁船保険でありまするから、船ができてからかけるというのが、実際船がなくて保険にかけておっていろいろ問題が起こっても困りまするので、いいんじゃないかというふうに存ずる次第であります。
  146. 東隆

    ○東隆君 昭和の初めの例の経済恐慌のときに農業動産信用法という法律ができて、そうしてこれは農業保険の対象を保険にかけることによって動産を担保にして資金の融通をする場合に、船のような場合には、あらかじめそういうことが認められたのじゃないかと思うのですがね、その法律で。あれは本来は動産なんですから質入れをしなければならない。ところが、質入れをしないで使いながら担保に供するのだ、農業機械だとか、その他のものですね、だから今の場合には許されて、そうして船を建造する資金の融通を受けられるためにもこの保険というのが条件になるのだろうと思うのですがね、その農業動産信用法の場合は。だから解釈のしようをもう少し広げて農業動産信用法との関連において漁船を一つ考えてもらいたい。新しい船を建造する場合に、保険をつける船を担保に入れるということを条件にしたなら融通を受けられる。しかも、そいつに自己資金二割ぐらい出せばりっぱな船ができる、こういうことになれば多少の時間のズレはあるのですよ。時間のズレがあるのだけれども、それを農業動産信用法でカバーしているように私は思うのですがね。
  147. 林田悠紀夫

    説明員林田悠紀夫君) 先ほどちょっと申し落としたのでありまするが、満期保険の場合にはそういうふうな作用をしている次第であります。なお、先生の仰せられる点につきましては、今後十分検討さしていただきたいと思います。
  148. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 他に御質疑もなければ、本日はこの程度にとどめます。
  149. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  150. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 この前、坂村局長の御説明の中に据置期間の延長については五年を七年にしたい。それは、県営の土地改良事業はおおむね七カ年で完了するから、工事完了効果発生という段階において償還に入る、こういう、つまり、五年を七年にすることは理論的な必要性から来ておるのだ、こういう御説明だった。そこで私は、その七カ年でおおむね完了するということについては疑義はあるのだということは一応申し残しておいたのですが、資料を見ますと、七カ年で完成という線は出ない。内地については残事業だけでいいましても約八年ですか、北海道については六年余り、平均いたしまして七年七カ月ですか七・七分という、そういう資料が今出ております。ところが、これだけまでになるために、過去において何年間やったかということが裏につ隠れておる。現在工事中の地区数が、きょう坂村さんから出た資料は少し数字が違うようであります。これは三十五年度、内地で二十地区、北海道で五地区一応認めようという三十五年度の予定を出したものになるのではないかと思いますが、とにかく現在工事をやっておる地区の総事業費は、内地で八百三十九億五千万、北海道では七十三億八千万、合計いたしまして九百十三億二千九百九十万、こういう資料が別途農地局から出ております。従いまして、これだけの、現在着工しておる地区の事業全体を完成するものとすれば、平均して十一年強かかっておる、こういうことが一方においていえるわけであります。それからいま一つは、現在、とにかく内地で約三百地区、北海道で三十何地区ありますが、昭和三十年度以降の毎年度の新規採択地区が平均いたしまして二十七地区、つまり昭和三十年度から三十四年度まで採択した地区が百三十七地区、そういたしますと、現在ある三百数十地区のうち、二百地区前後くらいは昭和三十年以前からやっておる地区だ、そういうものを入れて、平均して今後なお七年強かかる。ですから、理論的に、七カ年据え置きということが理論的根拠があるのだ、こういう御説明をなさると、私に言わせれば、それは全く腰だめだ、理論的根拠がない。理論的根拠を言うなら、十一年の据置期間を置く、あるいは十年程度の据置期間を置くとかいうことなら理論的根拠はあるけれども、現状よりはいささか前進なんだ、そういう腰だめ的改正案だ、こういう御説明だとすると意味はわかるのですが、章々と理論的根拠に基づいて五年を七年に延ばすのだ、こういう説明をこの間なさったのですが、これには私は計数的にいいまして、どうもそれは、あなたの御説明納得できない。どういうふうにお考えでしょうか。
  151. 坂村吉正

    政府委員(坂村吉正君) 土地改良の貸付の据置期間を延長いたします問題につきましては、あるいは言葉の問題かもしれませんが、私も理論的な根拠でもって七年にぜひするのだというような答弁はしていないつもりでございます。三十五年以降の都道府県営事業の残事業量を見ますと、おおむね七年ということで完了することになりまするので七年という押え方をいたしましたのでございまして、これはいろいろ補助金との関係もございまして、据置期間を非常に延ばすことは、補助金をつけることを妨げる、一面からいいますと、そういう面もあるわけでございます。従いまして、県営の土地改良事業というものは、できるだけ早くこれは完了するという方向で、補助金も十分そういう考え方に重点を置いて一つまあ取っていくというような考え方でいかなければいかぬと思うのでございまして、その両方を見合いまして、一応押えどころとしては、三十五年度におきまするところの残事業量がおおむね七年でありまするから、大体七年というところで押えてやっていった方がよかろうか、こういう考え方でございます。
  152. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 だいぶ御説明、趣旨弁明のニュアンスが変ってきたようであります。もちろん、私も現状を理論的に押えて、理論的にはこれだけの据置期間を置かなければならないという言い方をすれば、あなたから言われるまでもなく、一面においてその現状で満足するとでもいいましょうか、現状を確認し、それに理論づけすることでいいんだ、そういう言い方にも通ずるし、あるいは農業基盤整備費の拡大という点に妨げになるであろうというようなことは、私はもちろんわかっております。ただ先般の説明からいいますと、こういう必要性がある、だからその必要性を満たすために七年だ、こういう言い方で押されますと、理論的に私は撞着するものがあるのです。それからいま一つは、今後採択されていくであろうものが、必ず七年で完成できる、過去のものは過去に出発したもの、そして過去に出発した地元負担の借り入れ分はこれはしようがないのだ、残っておる分は、これはこれでいける、と同時に、今後新しく着工する分も、七年でいけるのだという強大な意欲をここに盛り上げてきているんだとすれば、それは一方において意味があると思うのです。ただ先般の説明を、きょうのような御説明に訂正せられれば私はこれ以上追及するのに少しちゅうちょはするのでありまするけれども現実とは合っていないという点を確認した上でないと、どうも先般のあなたの御説明からいうと、残事業という感覚と、地区が着工から完成するまでに何年かかるのだというそういう感覚と混同された上に立っておる。はなはだ失礼だけれども、そういう答えが出たと思うのです。ですから、きょうのように言い直されれば、その点は少しまたニュアンスが違って参りますし、それから今後の着工分についてはどういうふうに考えるか、こういう点が一つあると思うのです。その点はいかがですか。
  153. 坂村吉正

    政府委員(坂村吉正君) この前、どういうふうな御説明を申し上げましたか、私も正確には覚えておりませんけれども、一応まあきょう申し上げましたような考え方で、補助金もできるだけ取って、そして早期完遂を期するのだという考え方と、それから融資の方におきましても、そういうような意味で、両方から見てこれは考えていって、そうして適当なところで押えて、それで実行していっているというようなことじゃないかというふうに考えておるのでございまして、御了承いただきたいと思います。
  154. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 これはまあものの見方になりますが、農業基盤整備費を拡大していくのだ、そういう意欲的な、展開の場を残しておくために、ここで七年という期間を打ち出す、こう見れば一つの見方であります。一方において、現状の県営の補助態勢に見合うような据置期間の設定をやっておいてそうして一方において、予算措置がそういうふうに拡大強化された段階において法律改正をやって、据置期間の縮小をやっていくということでもいいのではないか。あるいは、現実に即応しておるという形からいけば、その方がより現実的だというふうにも言えると思うのですが、いかがでしょうか。
  155. 坂村吉正

    政府委員(坂村吉正君) まあこういう問題は、先ほどから申し上げまするように、その補助金の面とそれから融資の面と両方を考えて、それから将来あまり窮屈にならぬように考えていかなければならぬと思うのでございまして、そこで一応の目安といたしましては、三十五年度の残事業で押えてみますると、おおむね七年で大体完了する。三十五年度程度の予算を大体基礎にいたしましておおむね七年で完了するというようなことに現在のところまあ数字としては出ますので、従いまして、まあその半分現実に即し、半分理想を持ってそうしてやっていくというような考え方でいったらどうだろうかというような感じがいたしております。
  156. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 坂村局長は、盛んにまあ県営補助事業の拡大という意欲的な点をねらって中庸的な措置をとったのだ、こういうふうに言っておられますが、意欲的な考え方も織り込んでおられるのだという見方からすれば、一方においては、三十五年度以降の既着工地区の残事業だけはここに計上されておるようでありますけれども、三十五年度に新しく採択しようとするものの、内地でいえば約二十地区、北海道でいえば約五地区、それの事業費というものを加算しては、計算してはおられない。理屈を言えばですよ。これは残っておるものだけで言っておられるのであって、三十五年度新しくとるものは、少なくとも大蔵省が現在了解しておるものでも、事業費にして五十億程度は認めましょう、そういうことは言っておる。で、そういうものは少なくとも直ちに三十五年度にすべり込む。そうすれば、三十五年度以降の残事業費という見方からするなら、現在残っておる内地北海道合計、幾らでしたか、ここで言いますと、六百二十五億ぐらいになりますか、それになお少なくとも五十億というものが加算されたもので計算されなければならぬ。理屈を言えばそういうことになります。ですから、そういう理屈でいかれるなら、少なくとも七年か八年という計算は出るのです。あなたのおっしゃるような理論でいくなら、七年ではなしに八年というものが少なくとも出るのだということになりますが、いかがでしよう。
  157. 坂村吉正

    政府委員(坂村吉正君) ただいま資料として差し上げました昭和三十五年度の残事業費六百二十四億というこの残事業費は、実は昭和三十五年度の新規着工分の金額も入れてございます。そうして、三十五年度新規着工の分につきましても、これはできるだけ七年で完成するように、一つ今後の予算等についての努力をする、こういうつもりでこれはまあ考えておるのでございまして、現実に、だから補助金等もそういう工合についてくるというような結果が現われますれば、これは完全にまあ七年でやっていける。しかし、これはまだ結果を見るまでには、七年としておきましても、七年あるのでございまするから、ですから、その間予算の実行状況等を見て、どうしてもだめなら、またそのときに実情に応じて考えるということもあり得るのじゃないかというふうに考えます。一応現在の計算はそういう計算で考えておりますので御了解願います。
  158. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) この機会に、経済局で提出いたしておりまする農林金融に関しまする資料説明を一応いたしたいと存じます。説明を求めます。
  159. 太田康二

    説明員(太田康二君) それでは、先般の当委員会におきまして御要求のありました資料ができましたので、お配りいたしました資料につきまして簡単に御説明申し上げたいと思います。  大体各先生方からおっしゃられた資料要求をこれで満たしておるかと思うのでありますが、第一表から第四表までで現在の貸付の側から見た金融の状況を御説明申し上げ、五表、六表で、今度借り入れの側から見た状況、以下個別の問題を第十一表まで書いておるわけでございます。  第一表は、現在の各種の制度金融一般の表でございまして、制度の名称、その根拠、制度の内容の目的、融資の対象になっております資金の種類と、その資金源が財政資金か系統資金あるいは民間の一般資金か、それから利率、償還期限等の貸付条件、それからわれわれが現在手元に持っております資料でわかります最も長期間の融資残高を並べたわけでございます。  これでちょっと申しわけなかったのでありますが、水産関係の中小漁業融資保証制度を落としております。一応農林関係ということで落としてしまったのですが、そのほかに中小融資保証制度があるということをこの機会にあらためてお断わりいたしておきます。これも、県に保証基金がございまして、借入資金に対する債務保証をし、中央でさらに特別会計で再保険をする、こういう形の制度でございます。  それから第二表は、現在、農林中央金庫が制度金融に基づきまして貸し出しておる貸出残高を示したものでございます。で、第一表で述べました制度金融に基づきまして、現在、昭和三十四年の十二月末残高でとらえてみますと、中金の段階で信連、単協等に貸し出している金が百二十九億三千五百万ということになっております。この時期におきます農林中金の所属団体の総貸し出しが四百八十九億六千二百万円ということでございますので、中金が所属団体に貸し出しておりますうちの二六・四%が制度金融に基づくものであるということを御了解いただきたいと思うのであります。  注に書いておきましたが、信連段階におきましては、さらにこの制度金融に基づきまして貸し出している金額が、三十四年の九月末現在で、員内貸し出しの四二・五%が制度金融に基づく貸し出しである、こういうことになっておる次第でございます。  それから第三表は、現在非常に伸びております農業共済資金の責任準備金の農村の還元状況でございますが、御承知のように、この金は大部分が、九〇%以上が県の共済連から農信連に預金になっておるわけでございまして、預金を見返りとしまして信連を経由して貸し付けられておりますものが、ここに書いてありますように四十九億一千九百万、それから共済連が直接財産運用として貸付を認めております。それに基づきます貸付金額が五億四千二百万、これは三十四年八月三十一日現在の数字でございます。  それから第四表は、いわゆる系統金融の各段階におきます貸付残高の数字でございまして単協、信連、農林中金という三段階制に基づく系統金融の貸出残高、そのうちの員内貸し出しがどの程度のウエートを占めておるかということをお示ししたものでございます。単協の段階におきましては九七%が員内貸し出し、これは本年の十二月末の数字で申し上げておるわけですが、信連の段階におきましては、過去におきましては員内貸し出しが圧倒的なウエートを占めておったわけですが、最近の金融繁忙で若干コールなんかが非常に有利に運用されるというようなことから、三十三年の九月以降信連にもコール運用を認めまして、若干員内貸し出しもふえておるというようなことで、十二月末現在で見ますと、まあ過去は八〇%以上であったわけですが、十二月末では六一%というふうな数字になっております。  それから中金の段階におきましては、先ほど申し上げました員内貸し出しは四百八十九億でございまして総貸し出しの二四・六%、ここらあたりが非常に問題になるところでございまして、末端が充実するに従いまして自己完結をするというような関係から、中金が全国的な調整を行なう機能がだいぶ薄らいできているというようなことがこれによっておわかりかと思うのであります。  それから第五表は、逆に先ほど申し上げましたように、農家の借り入れの側から見て、どういう金をどういうところから借りておるかという指標を農林省の統計調査部でやっております資金動態調査から見たものでございます。これを見ていただきますとおわかりになりますように、まあやはり圧倒的に農協からの借り入れが多いのでございまして、しかもその傾向は漸次農協からの借り入れのウエートが上がっているということが言えるわけでございます。三十四年九月末で見ますと、四五・五%を農協からの借り入れに依存しておる。ただ、なお個人からの借り入れも二三・九%というようにかなりあるわけでございますので、農協の貸し出しをさらにこの面で個人貸しから農協貸しに変えるという努力を今後しなければいかぬのじゃないか、かように考える次第でございます。それから長期低利資金もかなり出ている、こういう状況でございます。  次の第六表は、ただいま御説明申し上げました五表の長期低利資金と農協からの借入資金をそれぞれ細目に分かってお示ししたものでございまして、同じ時点をとりまして、さらにその個別の金額とパーセンテージをそこにお示ししたわけでございます。これも見ていただきますと、たとえば財政資金による長期低利資金でございますと、農林漁業金融公庫からの自作農維持創設資金が非常に伸びているというようなことが御了解いただけるかと思うのでございます。  それから次の第七表は、先ほど櫻井先生からの御質問のありました昭和三十五年度の都道府県営土地改良事業の残年量調書ということで、新規事業も入れまして、現在の都道府県営事業の残事業費が内地、北海道を含めまして六百二十四億九千百万円、それに対しまする事業費が八十一億ということで、事業費を分母で残事業費を割りまして残年量を出したわけでございまして、この平均七・七年をもとにいたしまして、公庫法で現在五年とあります据置期間を都道府県営事業につきましては七年ということに法律改正をいたしまして御審議をいただいておるわけでございます。  それから第八表は、農林公庫年度別原価歩合表でございます。これを見ていただきますと、三十三年度以降資金運用利回りが漸次低下しております。これは御承知のように、自作農維持創設資金とか、非補助小団地土地改良助成基金による非補助小団地土地改良事業というような、五分ものの、平均の運用利回りよりもはるかに少ない事業が非常にふえておりますので、金利は低下の一途をたどっている。逆に資金原価の方で見ますと、この間も北村先生からも御質問がありましたように、出資金と借入金が逆転して、借入金が非常にふえておりますので、借入金の利息が漸次ふえております。従いまして、資金原価は事務費と委託費につきましてはかなり節減はいたしておるわけでございますが、総体的に見ますと資金原価が上がりまして、従って公庫の滞貸償却引き当ての率が非常に下がってきている、公庫の経理内容が悪化しているということがこれによってうかがえるのではないかと思っております。  それから第九表は、農林漁業金融公庫がどういうところから幾らの金利の金を借りているかということに対するお答えの表でございまして、総額で三十四年度会計末で千十八億四千二百万、その内訳は資金運用部資金からの借入金が六分ものが九十九億、これは特別会計の時代に、特別会計が資金運用部から借りたのが、大体特別会計は六分ということになっていましたので、六分で借りた次第でございます。それから現在のやつは六分五厘、それ以後のやつは六分五厘ということで五百三十三億、それから産業投資特別会計からの借入金というのがまだ若干残っておりまして、十九億七千八百万、それから余剰農産物の資金が七千三百万、それから簡易生命保険とか、郵便年金借入金が三百六十五億、合計千十八億、こういう数字になっております。それから次が十表で、農林公庫の業種別の貸付金の延滞状況表でございまして、六カ月以上の延滞分を元金と利息と分けまして、貸付金残高に対する比率を三十四年十一月末現在でとったものでございます。現在元金と延滞利息を加えた元利合計で六カ月以上延滞のものが三十五億でございまして、総貸し出し千六百二十三億五千五百万に対する比率は一・五八%ということに相なっております。まあ業種によりまして林業とか漁業、共同利用施設あるいは主務大臣指定施設、奄美群島復興資金というようなものが比較的平均を上回るような延滞が出ている、こういう状況でございます。  第十一表は、農林公庫の業種別の貸付条件の一覧表でございまして、相田こまかく分かれて、これだけの事業に対してここに書いてありますような、利率、据置期間、償還期限ということで現在融資を行なっている、こういうことでございます。  はなはだ簡単でございますが、先般の委員会で御要求のありました資料につきまして御説明申し上げた次第でございます。
  160. 東隆

    ○東隆君 農林漁業金融公庫法改正に関する関係資料の二枚目の年度別・業種別貸付決定実績というのがありますが、これで見ますと、最後の方の寒冷地農業振興関係は、これは三十三年を比較しますとだんだん減っていっているのじゃないですか、金額が。これは三十三年度から始まって、そしてこれと三十五年度の計画を比べますとだいぶ減っているようですね、寒冷地振興費は。そうじゃないのですか。  その次のページ、三十五年度貸付予定計画対前年対比のところで、寒冷地農業振興が、三十三年度が、これが八億ですか、これが三十四年度では十二億ですね。それからその次の自作農維持創設が、これが百三十億に今度なったのですが、この百三十億の中身は私は北海道の負債整理の中身だと、こう聞いておりますが、これはどういうようなことになりますか、中身は。
  161. 太田康二

    説明員(太田康二君) 寒冷地の関係につきまして私からお答え申し上げます。  寒冷地の事業につきましては、御承知のように三十三年度は要綱に基づいてやっておったわけでございまして、当初御承知のように金利は七分というようなことで、地域指定等にも相当手間取りまして相当大きな計画を持っていたわけですが、三十三年度の実行は三千七百万にとどまったわけでございます。それから、三十四年度はその計画に従いまして大体十二億程度出るのではないかということで計画いたしたわけでございますが、その後、御承知の通り、昨年法律ができまして新しく法律に基づく地域指定等をやらなければいけないというような義務が起きまして、実際に実行して参る段階相当手間を取ったわけでございます。しかし、非常に緻密に計画に基づいてやっておる仕事でございますので、現在のテンポはあまり十分出ておりませんが、実際の軌道に乗りますれば大体計画通り金が流れるのではないか、かように考えております。ただ、相当多額の金額を貸すというような関係で、たとえば農地を担保に取る、その場合の農地の登記が先々代の登記であるというようなことで、実際の事務上もそうした面で事務の進捗がはばまれたというようなことも聞いておりますが、先ほど申し上げましたように、今後におきましては軌道に乗って順調な資金の貸付ができると、かように考えております。
  162. 坂村吉正

    政府委員(坂村吉正君) 自作農維持創設資金の問題につきましては、去年に比べまして大幅に資金の貸付ワクをふやしたわけでございまするが、その中で北海道の分はどうかという御質問でございますけれども、これは、北海道につきましては、負債整理というような問題も一応今年は暫定的にでも取り上げまして、そして三十五年度から自作農維持創設資金の運用によって負債整理の問題を手をつけていこう、こういうようなつもりで考えておるのでございますので、できる限りそういう実行も可能なような範囲で考えたいと思っておりますが、現在それをどういう配分をするかという問題につきましては、まだ検討中でございますので申し上げる段階ではございません。
  163. 東隆

    ○東隆君 実はこの寒冷地農業振興の金は指定をし、その他をやっていっても、実のところは非常に金を借り得る能力のある者でなければいけないという形になっておるわけですね、このやり方は。そこで、どうしても負債の整理を進行しなければほんとうの意味をなさない、こういうので、実は自作農維持創設資金をやはり流すことによって一応の計画を立てて、そして更生計画ができて初めて寒冷地農業振興の金が出ていく、それがほんとうのきき目になるわけですね。それで、今の状態ですと、この寒冷地農業振興の金を借りる能力のある者は中農以上の、経営がプラスになっておる者でなければ借りられない、こういうことになるわけですね。だから、いい薬があるけれども薬を買うことができない、こういう形になるわけですね、これは寒冷地農業振興は。そこでどうしても自作農維持創設資金を流すことによって、償還計画とそれから更生計画がちゃんとできて、そうしてそこに初めてこの寒冷地農業の振興の資金が融通されることによって効果を発揮するわけだ。だから、法律やあるいはやり方については、実は逆の形になっておるわけですね。そこで自作農創設資金でもって負債整理の金を流すということが、われわれの要求しておる負債整理の形ができませんものでしたから、それによって今回はやると、こういうことになるのですから、自作農維持創設資金は、これは早急に一つ流してもらわないと、寒冷地農業の振興が、実際に流していただきたいところに流せない、こういうことになろうと思う。しかもこれの基本的な調査をやるのが改良普及員にまかされておる。当時のいろいろの審議の過程で、一体だれが計画を立て、だれが資金のいろいろな書類だのなんだのをこしらえるのかと言ったら、そのときは、改良普及員がそれに当たるのだ、こういうようなことを言っておるわけでするしかも両方ともそういうような形をとられることになっておりますので、これはぜひ一つ自作農維持創設資金をすみやかに流すようにワクを一つ早くお示しを願いたいと、こう思うわけです。今のお話では中身はまだなかなかわかりそうにない。これはあたりまえの話ですけれども、それで計画を立てられ、三十億をふやされたときにはやはり予定があったろうと思うのですが、それをまずお漏らしを願えれば幸いだと思うわけです。
  164. 坂村吉正

    政府委員(坂村吉正君) 御質問の御趣旨は、いろいろ北海道の事情等もよくわかりますので、御趣旨に沿うように一つできるだけ努力をいたしたいと思います。
  165. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 今、東君のお話だが、ほんとうの話、早くせいということは困難だろうと思うのは、負債整理の金に充当するつもりで自作農創設資金を出すお見込みか、これは別途に自作農維持資金というおつもりで出すのか、どっちですか。
  166. 坂村吉正

    政府委員(坂村吉正君) 自創資金は今までも本来の自創資金の目的のために配分をいたしておりますもの、それから災害のときに、またその災害のために配分をいたしておるものもございまするし、それから三十四年度におきましては、北海道については特に負債整理の目的で五億というものを特別に配分をいたしておるわけでございます。そういうような意味からいたしまして、三十五年度におきましても、いわゆる一般の自創資金というようなものに加えまして負債整理のためにというようなことで特別のワクを配分をするように考えたらどうかというように考えておる次第であります。
  167. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 お話はそれでもいいと思うのですが、問題は金利の関係、それから償還年限でございますが、東君は言われたけれども、何も北海道に限ったことではない。問題は現在の自創資金の金利では困るということですから、そういう方法も考えてもらえるようになっておるようですが、しかし、よう聞くと、なに北海道に限ったことでない、本州にもそういう困った者がおるのだ、それはそうかもしれませんが、北海道と銘打たずに、日本全体の負債整理というのであるのか、北海道なら北海道で別に銘を打って調査をおやりになっておるのか、方向くらいは知っておらぬとしようがないと思うのです。今までは、渡部次官がおりますが、調査は十分にやってそれからやらなければだめなんだ、ですから、今のところは自創資金を五億なら五億出してまかなっておいて、三十六年度からやらなければだめなんで、こううたっておられますが、今のところ北海道もだめだとはいえないし、まあ自創資金がいくらしいということを言っておっても必ずしもこれは違うのですから、しかし、こんなことはできるか、できぬとかいうお見通しくらいはつくだろうと思うのです三二分五厘で二十五年ということはできるのかどうか、これはどうなんですか。
  168. 坂村吉正

    政府委員(坂村吉正君) 負債整理の問題は、根本的には三十五年度の予算要求をいたしております実態調査をしまして、そうしてそれによってどういう措置を講じたらいいか、あるいは金融措置を講じまする場合にも、どんな条件にしたらいいかという問題を十分きわめた上で対策を考えなければいかぬというふうに実は考えておりまして、三十五年度はとりあえずその自創資金の運用によって負債整理の目的を達するようにしよう、こういうようなことでございまするので、とりあえずつなぎの暫定措置でございますので、別に自創資金の貸付条件等につきましては変更する考え方は持っていないわけでございます。
  169. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 経済局がどうせその任に当たられると思うのですが、私の希望は、ただ負債整理の金を貸してやるというのじゃなくて、北海道全体の畑地農家の整理をしてやるというのでないといかぬと思うのです。特に一番困っておるのは開拓農家でございますが、私は開拓農家の大整理を行なってそうして農林省もしっかり考えて、腹を据えてやってもらわぬと、いつまでたっても泣き言ばかり言っていたのでは商売になりませんから、この点も一つお考えいただきたいと思うのです。負債整理の金にいたしましても、ほんとうにその農家のふところが、私の見た目では、大体総農家のうちの三〇%はこなくてもけっこうだ。それから三〇%はまずまずいける。それから三〇%は貸したらどうにかなる、一〇%は貸してもだめだと思うのです。ですから、そんなものには貸せない、それは貸してもだめなんですから……。そういうふうなものがほんとうに更生する形になるようにお考え願っておきたいと思うのです。まだたくさんありますが、よろしくお願いいたします。
  170. 北村暢

    ○北村暢君 きょういただいた資料について簡単に質問だけをしておきます。第二表の農林中金の制度金融による貸出残高が出ておるのですが、これの種数別の大体この金利はどのくらいか。それからその次の表の共済資金の農村還元状況の、これも貸出金利の信連を経由するものが幾らの金利か、それから直接貸しは幾らかということです。それからもう一つは、単協、信連、中金の貸付残高の推移について出ておりますが、これも一般の貸付の場合の場所によって違うでしょうけれども、大体単協、信連、中金の金利はどの程度か、それだけお伺いしたい。
  171. 太田康二

    説明員(太田康二君) 制度金融に基づきます農林中金の貸出金利の問題でございますが、私の方でお示しいたしました第一表の金利は末端の金利を考えておりまして、中金が現在各制度ごとにやっております金利につきましては、農業手形の場合は二銭一厘、それから開拓融資保証協会の保証貸付は、所属団体の貸付でございまして、大体二銭四厘、開拓保証貸し出しは大体二銭四厘という金利になっております。それから開拓営農の改善資金は、信連に貸します場合には二銭二厘ということでございます。それから有畜農家も二銭二厘、それから漁業信用基金協会の保証貸付は、信連に貸します場合は八分五厘、その他の場合には、これは年利でございますが、九分ということでございます。それから災害資金も、先ほど申し上げましたように、信連に貸します場合には二銭二厘、その他が二銭四厘、こういう金利になっております。  それから次に、共済の事業の信連経由の貸付でございますが、利率は各業種によりまして相当違っております。しかもこれにつきましては、県が利子補給等の措置を講じている事例もございますので、ちょっと申し上げますと、土地改良は、たとえば単協に貸す場合には五分三厘から八分五厘、農業者に貸す場合には三分八厘から九分二厘、共同利用施設は、農協の場合は五分三厘から八分五厘、農業者に貸す場合には三分八厘から九分五厘、農機具につきましては、農協に貸す場合は五分三厘から八分五厘、農業者に貸す場合には三分八厘から九分三厘、畜産関係は、農協の場合は五分五厘から九分、農業者に貸す場合には六分から九分三厘、生活改善が単協に貸す場合は五分三厘から九分七厘、農業者に貸す場合には三分八厘から九分七厘、農協の事業資金が八分四厘から八分八厘、その他が五分三厘から八分三厘、農業者に貸す場合が三分八厘から九分三厘、七分五厘以下のものについてはほとんど利子補給をつけているということがそういった安い金利になっているわけでございます。  それから直接貸付の場合には、平均で申し上げますと、組合に貸し付ける場合には七分から八分八厘、農業者に貸す場合は七分三厘から九分五厘、こういうふうに各種の金利があるわけでございます。それから末端の単協、貸代金の単協から申し上げますと、実はこれは非常に分布しておりまして、表であとでお示ししたいと思いますが、非常に分かれておりまして、日歩二銭以下のものが三・四%とか、いろいろ分かれておりますから、またあとで一表にいたしましてお示しいたすようにいたしたいと思います。
  172. 北村暢

    ○北村暢君 それから最後に十一表のところに、公庫資金のいろいろな貸付条件の一覧表がありますが、これに今度の融資であります果樹の条件が載っていないように思うのですけれども、今度の果樹のやつはどういう条件になっておりますか。
  173. 坂村吉正

    政府委員(坂村吉正君) 条項は今政府の部内で検討中でございまして、まだきまっておりません。
  174. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 他に御質疑もなければ、本日はこの程度にとどめます。  本日はこれをもって散会いたします。    午後四時一分散会