○
政府委員(坂村
吉正君) それでは
農林漁業金融公庫法の一部を
改正する
法律案につきまして補足的な
説明を申し上げたいと思います。
まず第一点の資本金の増額に関して申し上げますと、昭和三十五
年度におきますところの公庫の貸付
予定計画額は、土地改良資金百七十三億六千万円、このうち三分五厘の資金が九十一億円ございます。自作農資金百三十億円、林業資金が四十三億八千万円、
漁業関係の資金が四十一億九千万円、共同利用施設が三十一億五千万円等総額で五百十七億円でありまして、これを前
年度の四百三十二億円に比較いたしますると、八十五億円の増加となっているのであります。増額いたしましたおもなものは土地改良資金が三十一億二千二百万円、このうち三分五厘資金が二十八億円でございます。それから自作農資金が三十億円、さらに三十五
年度から新たに貸付されることとなりました果樹園の造成資金が、五億円というようなものがおもなものであります。
三十五
年度におきまして総額五百十七億の貸付を行ないますための原資といたしましては、まず
政府からの出資金が七十七億円、これは前
年度と同じでございます。資金運用部等からの借入金が二百五十八億円、これは前
年度よりも四十三億円の増でございます。それから回収金が百五十四億円、これは前
年度に比べまして三十四億円の増、合計四百八十九億円となっております。出資金七十七億円のうち七十億円は産業投資特別
会計からの出資金でありますが、残りの七億円は国有林野特別
会計の剰余金のうち一般
会計に繰り入れられたものの一部を、さらに一般
会計から公庫に出資されるものであります。公庫の造林事業のための貸付の原資に充てられるものであります。以上の
通り政府が一般
会計及び産投
会計から七十七億円を出資することになっておりますので、現行資本金に関する公庫法第四条の
規定を
改正することといたしたのであります。
次に、第二点の貸付金の回収等業務の円滑化をはかりますための郵便振替貯金または農林中央金庫、もしくは銀行への預金について申し上げます。農林
漁業金融公庫は、三十三
年度以来着々支店の設置を行なって参りましたが、三十五
年度における三支店の新設を含めまして全国に八カ所の支店、これは札幌、仙台、京都、岡山、福岡と前記の三支店及び一営業部、これは東京でございますを持つに至りましたのであります。このような支店設置に伴ないまして、その貸付も従来の委託貸付から順次公庫支店を通ずる直接貸しに切りかえて参っているのであります。ところが、このようにして公庫が直接貸し付けた資金の回収方法は現行の公庫法によりますと、日銀またはその代理店、これは全国で五百五十店ほどでございまするが、この代理店を通じて回収するのほか方法がございませんので、著しく不便であるばかりでなく、借入者に対しましても非常な不便をおかけしているのであります。この点を考慮いたしまして、ほかの公庫の例にならいまして、新たに郵便振替貯金による返済の道を開くほか、同様の
趣旨から農林中金あるいは銀行に預金口座を設けまして、借入者がこれら農林中金または銀行の預金口座に払い込むことによりまして、公庫に返済する道を開くことといたしたのであります。
なお、この点に関しまして、本
法律案の附則第二項で、郵便振替貯金法の一部を
改正いたしまして、郵便振替貯金における公庫への償還金の取り扱いを公金並みの取り扱い、たとえば取り扱い料金についていえば、
金額の多少にかかわらず、一件当たり十五円というような扱いとすることといたしております。
最後に、第三点の土地改良資金の据置期間の延長について申し上げますと、現在据置期間は、公庫法上最長五年ときめられております。しかし、公庫の土地改良資金のうち、都道府県営の土地改良事業に対し、補助残融資として貸し付けられます資金につきましては、現在都道府県営土地改良事業の完成が、補助金の交付
状況などからして着工後
平均約七年かかっているにもかかわらず、その据置期間は五年ときめられています
関係上、まだ工事が完成しない前に公庫からの借入金を返済しなければならない事態も
発生することとなっているのであります。以上のような
実情から、据置期間はこれをさらに二年延長いたしまして七年とする必要があるのであります。
以上がこの
法律案の
改正案を提出いたしましたおもなる
内容でございます。