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1960-02-12 第34回国会 参議院 農林水産委員会 第5号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十五年二月十二日(金曜日) 午後一時五十四分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
堀本
宜実君
理事
櫻井 志郎君 仲原 善一君
大河原一次
君 東 隆君 森 八三一君
委員
青田源太郎
君
秋山俊一郎
君 石谷 憲男君
植垣弥一郎
君
岡村文四郎
君 重政
庸徳
君 高橋 衛君
田中
啓一君
田中
茂穂君 藤野 繁雄君
清澤
俊英君 千田 正君
政府委員
農林省畜産局長
安田善一郎
君
農林省蚕糸局長
大沢
融君
事務局側
常任委員会専門
員
安楽城敏男
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 ○
農林水産政策
に関する
調査
(
昭和
三十五
年度
農林省関係予算
に 関する件)
—————————————
堀本宜実
1
○
委員長
(
堀本
宜実君) ただいまから
農林水産委員会
を開会いたします。 この際、
ビール麦事情
の
現地調査
について申し
上げ
ます。 かねて問題となっておりまするビール麦共販問題に関連して、先日
有志委員
によって
ビール麦事情
の
現地調査
についてお話し合いがあり、その手配を
委員長
に申し出がありましたので、
委員長
及び
理事打ち合わせ
をいたし、お手元にお配りしておきました要領によってとり行ないたいと存じますから、
有志
の方は御参加を
お願い
申し
上げ
ます。
—————————————
堀本宜実
2
○
委員長
(
堀本
宜実君)
昭和
三十五
年度
農林省関係予算
に関する件を議題といたします。 昨日に続いて本日は
蚕糸局
及び
畜産局関係
の
予算
並びに
主要施策
について
説明
を聴取いたします。なお、
説明
は一件につき二十分以内に願うこととし、また御質疑は、以上の
説明
の終わった後に
お願い
をいたします。
大沢融
3
○
政府委員
(
大沢融
君) 横に長い
資料
をお配りしてあるはずであります。三十五
年度
の
蚕糸局関係
の
予算
の御
説明
を申し
上げ
ます。 三十四
年度
の
予算
に比べまして、私の方の局の
関係
は、
一つ
は、一昨年の
生糸
の多量の
買い入れ
がありましたために、本
年度
二十億の
繰り入れ
を
特別会計
にしているというようなこと、あるいは
蚕繭事業団
が生まれまして、十億の出資をしていること、あるいは
桑園整理
に四億近くの支出をしていること、あるいはまた
製糸設備処理
が昨年の十月をもって一応の完了を見たことというようなことから、三十八億ばかりの、三十四
年度
の
予算
に比べまして三十五
年度
は大幅に減りまして、四億七千万
程度
のものになっております。そこで、このお配りいたしました横書きの
資料
に従って御
説明
を申し
上げ
ますと、
一般会計
は
蚕糸行政事務処理
に必要な
経費
、これは御
説明
申し
上げ
るまでもなく、
本省事務費
でございますが、第二番目の
国用生糸検査
の
整備
に必要な
経費
、これは現
在国用生糸
につきましては、
財団法人生糸協会
の所属の
国用生糸
の
検査所
と、県が設置いたしました
検査所
と二
通り
あるのでありますが、
財団法人生糸協会
でやっておりますものは、
機械設備等
、当初発足のときのものでありましたので、精度を高めるということで
検査用
の
機械器具
の
改善
をはかるということで百三万円の
補助金
を
計上
いたしました。 それから三番目の
生糸
の
需要増進
に必要な
経費
でございますが、これは従来から
生糸
の
需要増進
、あるいはそのための
調査
、あるいは
宣伝
というような
事業
は個々の企業がもちろんしておるわけでありますが、
日本絹業協会
というところに統一的に行われるものがあるわけで、これに対しましては、従来からも国から
補助
をいたしておったのでありますが、三十五
年度
におきましては、従来この
日本絹業協会
の
事務所
がニューヨークだけであったのに加えまして、
ヨーロッパ
への
生糸
の
輸出
の割合が伸びる、あるいはまた
中共関係
の糸との競合の問題があるというようなことで、
ヨーロッパ
の
生糸
についてのウエートが上がって参りましたので、来
年度
は、
年度
途中からでございますけれども、
宣伝
をし、あるいは
調査活動
をするというための
事務所
を
ヨーロッパ
はフランスのパリへ設けるということを予定しております。 それから次の
ページ
の四番の
蚕糸業
の
指導監督
に必要な
経費
とございますが、これは
繭検定
についての
経費
でございます。一番の
繭調査試験委託費
、これは現行の
繭検定
の検査
方法
なり、あるいは格づけ
方法
なりを能率的に、あるいは簡素化する、あるいはまた
自動操糸機
が
普及
して参りましたので、それに合わせたような
検定
をやるというようなことのための
試験
の
費用
でございます。それから次の
繭検定所補助金
は、これは二つに分かれておりますが、
一つ
は、
繭検定
の
実施機関
であります県の
繭検定所
これにつきまして新設あるいは増設あるいは
改設
をするというような場合には、それに対する
補助
を従来からしておったわけでありますが、例年と同じように二分の一の
補助
を五百万円ほど続けるということが
一つ
それから新たに、摘要のところの2にございますが、
繭検定所
の
経費
が
産繭量
の少ない県ではふつり合いに大きいというようなこともございますので、そうした県では
隣接
の他県に
繭検定
の仕事を頼むというようなことが見られて参りましたので、そうした
方法
で
経費
の節減をはかるというために、
産繭量
の少ない県では
検定業務
の一部を
隣接
県に委託するために、あるいはまた支所なり出張所を本所に合併するというようなことで
繭検定所
の
合理化
を促進するというために、そういうことをやる県に対しての
補助金
を特別に組みました。昨年の六百万円が千五百万円になっておりますのはそういうことからでございます。 それから、その次の
ページ
に参りまして、
養蚕振興対策
に必要な
経費
、その初めに、
蚕品種調査委託費
、それから(2)に、
蚕品種抵抗力調査委託費
とございますが、(2)の
調査委託費
は非常に
金額
が少ないのでございますが、これは過去の
品種
の作柄不安定というようなことが、
養蚕
を簡易化して
コスト
を下げるということの
障害
になっているというようなことも見られますので、
蚕品種指定制度
の運用上、従来の
品種性状調査
に加えまして、さらに、
不良環境
で
抵抗力
の
調査
をする、そうして
蚕品種指定
のときの
資料
を得るということで、
蚕品種
の作柄不安定のための、強い
蚕品種
を作っていくということのために、
費用
はわずかでございますが、新たに
計上
した
費用
でございます。それから(3)の
年間
条
桑育
、これは本年から始めた
事業
でございますが、さらに来年も引き続きやりまして、
年間
条
桑育
を
中心
にした
コスト切り下げ
ということに努力をいたしていくつもりでございます。それから(4)の
集団桑園模範施設設置費補助金
、これは御
承知
のように、これからの
蚕糸業
を大いに発展さしていくというためには、繭の単価での
コスト
の
切り下げ
、
合理化
ということが非常に大事になってくるのでありますが、それの
一つ
といたしまして、
共同化
の
方向
べ向かおうという
一つ
の意欲的な
予算
でございます。
特定市町村
内の
平坦部
の
散在桑園
をまとめて林地あるいは原野に一まとめにして、それを
桑園
の
共同管理
、さらに全
令共同飼育
というようなことをやっていこうということでございます。こういった気運が数県において見られますので、そういう大いにやりましょうという県について助成をいたしまして、将来の
共同化
の
方向
についての推進をやりたいという
予算
でございます。 それから、その次の
ページ
の6の
蚕糸
の
技術改良
に必要な
経費
、これは(1)は
都府県蚕業試験場
への
補助金
、ここに書いてございますように、
桑園改良
、
蚕品種
の
改良
、
施肥改善合理化
あるいは
桑品種選抜適応現地試験
といったようなことを
都府県
にやって参りますのについての
補助金
でございます。それから(2)の
蚕業技術指導所設置費補助金
、これは全国二百九十カ所余りに
蚕業技術指導所
を県の
機関
として設置されておりますが、
技術指導
の
中核体
でありますので、これの
人件費
、旅費、
事業費
、さらに、オートバイを持たせて
機動力
を発揮させるというような
費用
でございます。それから次の
ページ
の(3)の
蚕業技術指導強化費補助金
、これは
養蚕組合
の
職員
でありまして、
蚕業技術指導所
の最末端の手足となって、いわゆる
嘱託普及員
として活動するものでありまして、これは従来は国が四分の一の
補助
、それから県が四分の一の
補助
、
団体自身
が二分の一を負担するという形でございましたが、
技術指導
を強化するという
意味
で国が三分の一を持ち、県が三分の一を出し、
団体
も三分の一を出すというふうに、
年度
途中からではありますが、変えて、国が持つ
費用
を強化いたしました。それから(4)の
国際養蚕委員会分担金
、これは主
養蚕国
が国際的に作っておるものでございますが、
経済
上あるいは
技術
上あるいは科学的な分野の情報、
研究調査
というようなものの
連絡交換
をする
機関
でございますが、わが国も主要なメンバーとしてこれに参加しておりまして、それの
分担金
でございます。 それから次の
ページ
に参りまして、こういうことで昨
年度
三十八億の
予算
はことしは四億七千五百万ということでございます。 それから次に
蚕糸
試験場
の
運営
に必要な
経費
、これは
技術会議
の方で御
説明
があったと思いますが、
本省
を
中心
として各所にある
試験場
の
研究
あるいは
運営
の
費用
であります。 それから
生糸検査所
の
運営
に必要な
経費
、これは横浜と神戸にあります
生糸検査所
での
輸出生糸
に対する
検査機関
の
活動費
であります。
一般会計
は以上の
通り
であります。 次に、
糸価安定特別会計
でございますが、これは
糸価安定特別会計
は、御
承知
のように
資本金
三十億をもちましてそれからことし二十億の
繰り入れ
をし、さらにそのほかに
借入金
をしてまかなっておるわけでありますが、三十億の
資本金
、繰入金の二十億、こうしたものは
生糸
の物になってやるわけでありまして、来
年度
にこの物は持ち越し、さらにこのほかに
借入金
で持っております約三十七億くらいの
生糸
を持ち越すということで、来
年度
では
借入金
が三十七億ほど持ち越されるのでございますが、そうしたものを
年間
保管し、さらに
糸価安定特別会計
で糸価安定をするために来
年度
買うであろうという糸の量と足しましてそれを管理し、あるいは保管するという
経費
すべてをまとめまして、
総額
として百十五億という
規模
の
特別会計
が組まれておるわけであります。 簡単に条項に従って御
説明
申し
上げ
ますと、
歳入
といたしましては、
生糸
の
売払代
、これは
会計
を健全にするという
意味
で、ことしと同じように五俵の売り払いを予定しております。それから証券及び
借入金
の
収入
、雑
収入
、それから
一般会計
よりの
繰り入れ
ば、ことしはありましたが、来
年度
はないわけであります。大体
借入金
でまかなっていくということで百十五億の
歳入
、これに対して
歳出
は
生糸
の
買い入れ費
、これはことしは
保管会社
が持っておりましたものを
特別会計
でこのようにここに書いてありますように買いましたが、
明年度
は一万俵を二条
買い入れ
、九条の三の
保管会社
に質入れしたものの
買い入れ
を五千俵ということで一万五千俵ということでこの
金額
を
計上
しております。なお、ここに一万五千俵載っておりますけれども、
あと残り
の一万五千俵は、繭でも
生糸
でも買えるというようにしておくために
予備金
の中に
計上
いたしました。
年間
の
生産量
の大体一割、三万俵
程度
を買えるというような組み方になっております。 それからその次の
ページ
、
生糸
の
管理費
、これはことしから持ち越します
生糸
と、それからさらに
買い入れ
る
生糸
の
保管料
その他でございます。 それから
日本輸出生糸保管株式会社
の
損失補てん補助金
ですが、これは本
年度保管会社
は十九万円で買ったものに
経費
がかかってそれを十八万円で売っているということもございますので、それについての
損失補てん
をやる
費用
でございます。一応確定をしておりませんので、ことしと同じ
金額
を
計上
しております。 それから
繭保管費補助金
、これは
農協連
が共同保管する
繭——生繭
の
保管繭
につきまして交付する
補助金
でございますが、一応百万貫、百万俵分を予定してこういう
費用
になっております。 その他は
糸価安定事務費
、それから他
会計
への
繰り入れ
、
一般会計
への
繰り入れ
、それから
国債整理基金特別会計
への
繰り入れ
、それからさらに
予備金
を五十三億ということで
歳出
の百十五億、この
予備金
は、先ほどもちょっと触れましたが、一万五千俵を繭でも糸でも買えるというようなこと、あるいはその百万貫の
保管繭
を
農協連
がした場合に、これも買うことになるかもしれないというようなことのための
費用
というようなものが考えられます。 大体以上で私の
説明
を終わります。
堀本宜実
4
○
委員長
(
堀本
宜実君) 続いて
畜産局
の
予算
について御
説明
をいただきたいと存じます。
安田善一郎
5
○
政府委員
(
安田善一郎
君)
畜産局
の
昭和
三十五
年度
予算要求額
の御
説明
を申し
上げ
ます。官房の方から分厚い
縦書き
のをお届けしてありますが、当
畜産局
で薄い
縦書き
のをまとめましたので、お手持ちの
資料
が多い方で御
説明
申し
上げ
たいと思いますが、どちらがよろしゅうございますか。
堀本宜実
6
○
委員長
(
堀本
宜実君) きょう出たやつで、みんなこれをもらっているので、これで……。
安田善一郎
7
○
政府委員
(
安田善一郎
君) それじゃ、お許しを得まして、
昭和
三十五年一月二十七日に印刷しました、
昭和
三十五
年度
畜産局関係予算要求
の概要、
畜産局
というのに基づきまして御
説明
を申し
上げ
ます。 その冊子の一番最後にありますが、
本省
の
畜産局
の
予算
として
計上
してありますものは、来
年度
は四十億四千五百万円余でありまして、昨
年度
はこれに対応するものとしまして三十七億五千六百万円余でございます。ほんとうの国会へ出しました
予算書
は、たとえて申しますと、
家畜
の中にいろいろな
家畜
がございまして、一括してありましたり、
畜産物
の
流通改善
という中に各種の
畜産物
が入りましたり、
自給飼料
、
草地改良
といいますと、
内訳
が
酪農
、肉牛、
肉豚用
の
草地改良
及び
自給飼料
と分かれておりましても、一本になったりしたものが出ているわけでございます。それを、御配付申し
上げ
ました
資料
は、
酪農総合対策
を第一としまして、第二を
肉畜増産総合対策
としまして、以下目次にありますように、十三の
項目
に分解して
中身
は同じものでございますが、
説明書
を作ったのであります。 第一の
酪農総合対策
でございますが、これは前
年度
の
酪振法
の
改正
を
お願い
をいたしましたとき以降の
生産
から
消費
まで、特に
酪農経営
の
合理化
を含めましてとって参りました総合的な
対策費
を引き続いて
拡充
推進することといたしまして
計上
をいたしました。その額は二十二億九千万円余であります。昨
年度
は、対応しますものは二十一億八千余万円でございます。そのおもなものは、
酪農
改善
安定及び
振興
という事項になっておりますが、これは
指導費
、
事務費
、
計画費
でございます。
事業
に当りますものはほかに抜いてあるわけでございます。その
予算
八百八十一万円、前
年度
は七百三十六万円、その
中身
は、すでに御了承の
通り
、
改正酪振法
に従いまして
集約酪農地域
の中と外とを通じまして、相当密集した
酪農
のあるところの
市町村
につきまして
酪農経営改善計画
を立てることが規定されておりますが、前
年度
は七百八十
市町村
につきまして
計画指導費
が
計上
されてありましたものを、新
年度
は新たに千百
市町村
について
計画
を立て、これを
指導
する
費用
を
計上
したのであります。この合計千八百八十
市町村
、目下私どもの方で押えておりまする
酪農密集市町村
、大体百頭以上おる
市町村
でございますが、それで全部になるわけでございます。この
計画指導費
は二分の一
補助
でございます。さらに、法に基づきまする
酪農審議会
がございますので、
審議会費
が
計上
してありまして、前
年度
と同額であります。
酪農
の
講習
につきましても、さらに
府県
の
職員
を
講習
し、
改良普及員
や
畜産
の
特技技術員
や、
中央畜産会
その他の
団体
によりまする
経営診断
その他の
事業
についての
講習
をすることになっております。
酪農対策
の細目、第二は、
乳牛
の
導入
及び
種畜
でございまして、その額は来
年度
三億三千百万円余でございます。これは前
年度
は三億四千六百万でございますが、
内訳
といたしましては、御
承知
の、
寒冷地
に
国有貸付
の牛を入れていく、さらに
有畜農家創設
に関しまする
法律
に基づきまして
利子補給
と
損失補償
を
政府
がいたしまして
家畜
を
導入
して参るということに分かれておりますが、
国有貸付
は三千頭、前年
通り
でございます。
有畜農家
によりまする
導入
も三万頭、前
年度
通り
でございます。
金額
がこの
項目
について少し減っておりますのは、二
ページ
の冒頭にありまする
ジャージー地区
でございまして、
ジャージー地区
に対しまして、
ジャージー
を輸入して、
導入
して参るのでございますが、前
年度
千七百頭でございましたが、
府県希望
をとりましたところ、千三百頭の数字が出ましたので、それをそのまま
希望
のないところに入れるのもどうかと思いまして、
府県
からの
希望頭数
をあげたのであります。従いまして、その分だけが、千七百頭と千三百頭の差だけ減少をいたしております。なお、
乳用種畜
は
人工授精
の発達その他からいたしまして、血液の
更新
その他が必要でございますので、三百二十八万円を
計上
いたしまして、主要な
乳牛
の
生産
県に対しまして種牛を設置せしめて国が三分の一を
補助
するということでございます。昨
年度
は二分の一でございました。来
年度
は馬を二分の一にして、
あと
三分の一の
補助
にしましたので、その
関係
の変化がございます。これは
人工授精
の
手数料収入
が入るというので、
精液販売
の
収入
も入るというので三分の一でやむを得ないということになりました。さらに
雌畜
の
調査
をすることにいたしまして、所要の
経費
を
計上
いたしました。これも申し
上げ
ますように、
人工授精
の
普及
に伴う不良な
遺伝形質
を除去したいための
調査
でございます。さらに
国立牧場
を
整備
することにいたしておりまして、その分の
乳牛分
でございますが、これは
北海道
の
新冠牧場
に三十四
年度
から
整備
拡充
して三十五
年度
に終わる、その
計画
に対します完成のための
予算
でございまして、前
年度
は四千三百万円、三十五
年度
は三千八百万円でございます。これで
整備
が終わるという
予算
でございます。また
草地改良
、
自給飼料増進
は、
ひとり酪農
に限るのではございませんが、かなり
重点
を
酪農
に置いておるわけでありますが、新しいことも若干加えまして
高度集約牧野
また
改良牧野
、
北海道
の
湿地牧野
の
排水事業
、そういうもの等を加えまして、
予算
上では二億六千五百万円、前年は二億四千八再万円でございます。なお、これは
あと
でも申し
上げ
ますが、
酪農用
の
飼料給与改善施設
ないしは
畜産経営改善施設
、(4)の次に出て参りますものとともに、
酪農
のようなもの、
肉畜増産用
のものとを多少従来より分けまして各
拡充
をいたした点がございます。また
草地改良事業
は従来の
高度集約牧野
の
造成
を
予算
では八千町歩やることになっておりますが、別冊の厚いのにはこまかいことが出ておりますが、さらに本
年度
からは
飼料管理
の
施設
、
高度集約牧野
ができましても、その後の
管理等
を十分にして、三年目、四年目には
更新
も徐々にしていく要がありますので、その後の
飼料管理施設
の
予算
もその
補助予算
として
計上
いたしました。なお、大
規模草地調査
というのを国の直轄でやることにいたしておりましたが、これは三十四
年度
も四カ所やっておりまして、これを引き続き二年目の
調査
をいたしますと同時に、さらに
肉畜増加
をすることにいたしました。
放牧利用管理施設
もこれは
肉畜増産用
におもに使われるものかと思いますが、東北あるいは九州、
北海道等
におきましては、
放牧
を
中心
にして
増産
をはかることも今後必要だというので、そういう
予算
を
計上
いたしました。さらに前年
並み
ぐらいでございますが、
飼料作物種子対策強化
の
予算
も
計上
いたしました。 総体といたしましていろいろの
内容
を持っております
草地改良
及び
自給飼料増進
はある
程度
の
前進増加
をいたしております。その
補助事業
によりますもののほかに、
経済基盤強化
に関しまする
法律
の改定を
お願い
したいと思っておりますが、非
補助小団地開発事業
に対する
農林漁業公庫
の融資によるもののようなものですが、
農林漁業公庫
による三分五厘の
低利資金
で
牧野改良
をやるということも考えておりまして、
資金
としましては、二千
町歩分
、一億の
資金
が
計上
をいたしてあります。次に、三
ページ
の(4)でございますが、三十五
年度
の
新規事業
といたしまし
てれ畜産経営改善施設設置費
千百万円、前
年度
はございませんが、これは
濃厚飼料
が相当使われておりますが、
自給飼料
の
増産
あるいは
草地
の
改良造成
ということに
重点
を置いておりますが、その両者の
えさ
の
給与
をもっと
合理化
するための
共同施設
を、初
年度
でございまするからモデル的に置くようにいたしまして、先ほど申し述べました
酪農経営改善地区
、
町村単位
でございますが、千八百八十あるわけでございますが、将来逐次
拡大
をしていくことといたしまして、その
中核
ともなるべき
地区
に
畜産経営改善施設
、
内容
は主として、
えさ
の
給与改善
のための草を刈る
機械
とか、
飼料
の配合の
機械
、粗
飼料
を乾燥する
機械
とか、サイロを作る
機械
だとか、中に
耕転機等
を入れたものもいいということになっておりますが、新しく十八カ所これを置きたいと思っておるのでございます。
肉畜増産等
においても同様のことを考えております。
補助率
三分の一でございまして、
新規事業
でございますので、
指導費
を
計上
しまして、原則として二分の一
補助
の考えでございます。 さらにその次には、
畜産技術指導
という
予算
がございますが、計五千四百万円、前
年度
は三千九百万円でございました。その
内訳
はア、イ、ウ、工と四つございまして、第一は、
畜産技術経営診断事業
、前
年度
に引き続きまして
酪農経営改善地区
が増しましたことに応じまする
拡充
といたしまして千八百七十万円余でございます。また最近は
乳牛
の
繁殖障害
がかなりございますので、これが
農業経営酪農経営
にも相当打撃を与えまするので、
乳牛特別事故防止事業
に八百三十万円ばかり、前
年度
は五百十九万円ばかり、特に
予算
も
拡充
いたしまして
乳牛
の
繁殖障害多発地帯
で
共済事故
が高いような
地帯
について
事故防止
についての
指導
を行なうことに対して
補助
をしようとしているわけでございます。
補助率
は前年
通り
でございます。また
乳牛
の
産乳能力検定事業
といっておりますが、三十四
年度
から始めましたことでございますが、大体前
年度
並み
にさらに
地区
を加えましてすなわち、三十四
年度
は
酪農経営改善地区
のうちの
中心
的な
地区
であります所二百二
地区
について二分の一を
補助
しておりましたが、さらに六十を加えまして二百六十二
地区
にすることにいたしました。
予算内容
は
検定指導員
の雇い
上げ手当
と
指導器具
の
購入費
の二分の一
補助
でございます。また
生乳品質改善事業
といっておりますが、数カ年前から出ておりましたが、三十三年以降でございますが、これは
飲用牛乳
として
牛乳
が
生産
され、
消費
されるような
地区
を
中心
にいたしまして、
牛乳
の
品質
を検査し、
改善
をしていくということ、二等乳その他をなくしていくという
指導事業
でございますが、従来実施してきました京浜及び京阪神の二十県の分につきまして、五十二セットでございましたが、さらにこれに加うるに
中京地方
、
北九州地方等
の
飲用牛乳
の
供給地域
につきまして、
地域
を増加することにいたしました。そこで、五十二セットでありましたものが、来
年度
は六十八セットとなるのでございます。この
予算
の
内容
も
牛乳検定技術員
、
指導員
、それの雇い
上げ
の
費用
の二分の一
補助
また
関係
の
機械器具購入費
の三分の一
補助
でございます。 さらに、
総合酪農対策
の大きな二といたしまして、
牛乳乳製品
の
消費
の
拡大
、
流通
の
改善
に関しまする
予算
でございますが
総額
十六億二千万円、前
年度
は十五億三千万円、まず第一に、
生乳取引
の
改善
をはかる
予算
を
計上
いたしまして七百六十六万円、前
年度
は二十五万円でございました。その
内訳
を申しますと、これは
新規事業
でございますが、かねて各地から要望がありました
生産
者
団体
によりまするなま
牛乳
の共販
事業
——共同販売
事業
のために必要な
施設
補助
でありまして、初
年度
でございますので、慎重を期しまして、全国の各ブロックに模範
地区
を設ける、十
地区
を設ける、その
地区
の生乳の共販態勢を育成するために集乳
施設
、たとえばバルク・クーラー集乳所、クーラー・ステーション等の
施設
に対して
利子補給
ぐらいの
意味
でございますが、五分の一
補助
をすることにいたしました。さらに
関係
の
法律
に従いまして、なま
牛乳
のいわゆる乳価の紛争が生ずる場合には、中央地方にその調停審議をする
機関
を設けることにいたしましたので、地方にも置きまするが、中央の審議会の
費用
を
計上
いたしました。また
牛乳乳製品
の
消費
関係
につきまして、あるいは需給調節につきまして、最も大きなのはすでに御
承知
の国産
牛乳乳製品
によりまする学校給食べの供給でございますが、これは三十五
年度
十五億七千万円、前
年度
は十五億でございました。これは供給する対象もふえますると同時に、
年間
想定しました
牛乳
関係
品の需給
計画
に従って
計上
いたしましたので、これだけの分を学校給食に回しますれば、
あと
農村の
消費
の増加とか、職域におきまする
牛乳
の
消費
の増加とか、一般の
消費
の増加等、ほぼ妥当に押えまして需給調節がおおむねできるというつもりでございまして、学校給食用としましては四十二万八千石分の
飲用牛乳
と乳製品、前年は三十九万九千石でございまして、ある
程度
の増加をはかっております。単価は
飲用牛乳
一合当たり前年
通り
、バターも前年
通り
、脱脂粉乳だけ八十数円でございました
補助金
を六十二円にいたしました。これは従来余剰農産物としての供給をされましたものとの
関係
がございましたが、本
年度
はアメリカのCCC等にも尋ねましても、
輸出
国の値段が上がるということがございましてこの単価はカナダ、アメリカ等におきまする市場の平均価格との差を出したわけでございます、その結果、
補助
単価が少し減りました。さらに
法律
に従いまして農林大臣が立てまする需給調整のための
計画
保管の制度がございまするが、昨
年度
七万五千石分の
計画
保管をし得る
予算
を
計上
いたしましたが、三十五
年度
は十万石に増加いたしまして九十日分の金利、倉敷を
補助
する、そういうことにいたしました。二千九百万円余でございますが、前年は二千二百万円でございます。石数の増加でございます。また学校給食用の国産の
牛乳乳製品
を使用、供給するにつきましても、なお、実態をよく
調査
して将来に資する要がございますので、その
調査委託費
を
計上
いたしますと同時に、その
調査
事務費
も
計上
いたしまして百四万円でございます。学校給食以外の
牛乳乳製品
の
消費
拡大
を行ないまする
予算
といたしましては八百七十八万円余、前
年度
は六百五十五万円、これは一般的な
牛乳
消費
を中央に置きました中央
牛乳
普及
運動本部、各県におきまして地方の
牛乳
普及
運動本部、これを啓蒙
宣伝
する
費用
でございますが、百七十五万円、前
年度
百八十万円でございます。さらに、特に今回は農村におきまする
牛乳乳製品
の
消費
拡大
に力を入れたいと思っておりますが、今、
生産量
の一割ぐらいが、特に
酪農
農家の自家
消費
のようなものでございますが、それを
中心
にし、さらに農村
地帯
における
牛乳乳製品
の
消費
を増さしたいという
意味
におきまして、生活
改善
事業
の中へ入れましたりいたしまして、主婦の研修会に要する
費用
を二分の一
補助
しよう。また多年懸案でありました高温殺菌
施設
によりまする
牛乳
の
消費
を厚生省と話をつけましたので、
生産
者
団体
等あるいは
生産
者
団体
が農山村の学校などと連係を保ちまして行ないまする高温殺菌処理による
牛乳
消費
増加を
補助
することにいたしまして、その殺菌器その他の
機械
施設
の五分の一
補助
を行なうことにいたしました。これが二百七十一万円、前
年度
はなしということでございます。さらに
牛乳乳製品
関係
は、農林省といたしましても
調査
資料
の
整備
をはかる要がございまするので、他日の施策のために
調査
を
拡充
することにいたしました。
総額
三百三十五万円余でございまして、前
年度
よりはある
程度
増加いたしておりますが、
生産
費
調査
、製品の価格
調査
、需要の動向
調査
、この
畜産物
需要動向
調査
は、
牛乳乳製品
ばかりでなしに、肉類等においても行なうことにいたしております。さらに
流通
、在庫の
調査
、小売の実態
調査
、いずれも実情を
調査
いたしまして
合理化
をはかって施策が出るように思っておる次第でございます。 第二の大きな眼目は、肉畜
増産
対策でございますが、そこに書きましたように、肉牛、肉豚を
中心
にいたしております。十二
ページ
の二が肉豚対策です。これらにおきましては、各種の
項目
を合わせますと、前
年度
一億八千万円余、三十五
年度
は二億六千万円余でございますが、種雄牛の設置、鳥取和牛牧場の
整備
、
寒冷地
和牛
指導
施設
の充実、この二つは前
年度
から引き続いてこの
整備
事業
は三十五
年度
で完了するという
予算
でございます。さらに肉牛の
経済
的飼育
施設
設置費二千万円でございますが、これは阿蘇地方においてモデルを作りまして、
国立牧場
で
放牧
中心
の
経済
的肉牛を飼育する
施設
をやってみようというものでございます。さらに種の雄牛とか、その他
種畜
の
購入費
用を考えておるわけでございます。また牛が数カ年、年々屠殺等の
関係
もございますが農林統
計上
、二月一日現在の飼育頭数は年々十万頭前後減って参るのに対応いたしまして、また肉牛の
生産
地、飼育地、使役地等の
関係
をなお調整することにいたしまして肉牛の
増産
をはかろう、そういう
意味
で従来あった既存の
生産
地帯
を育成強化するとともに、その手段として、繁殖牝牛を国有貸与をしてみよう。また購入の
利子補給
制度を使おう。さらに、そのための共同
放牧
地
造成
改良
事業
の
補助
も行なう。なお使役
地帯
を経ないで、短期の飼育を、若令肥育、短期肥育といっておりますが、そういうような肥育を育成をしましょう。東北、
北海道等
には従来
生産
が微々たるものでございましたが、新
生産
地を育成をしたいというようなことを
内容
といたしておりまして、一部肉用として適当と認められまする外国の肉牛でございますが、アバーデン・アンガスの輸入を
試験
的にやりたいと思っておるのでございます。その
予算
がそこに
計上
してあります。なお、肉牛の頭数の増加のほかに、さらに頭数は同じでも肉量の
増産
等をはかろうという
意味
でございまして、あわせまして
流通改善
のことも考えておりますが、十一
ページ
でございますが、肉畜の食用
生産
効率を高めるための短期肥育、若令肥育奨励をすることにいたしまして、食肉用の素畜を
導入
することを新たに始めることにいたしました。十一
ページ
の真ん中のがそれでございます。なお、これには
酪農
でも申し
上げ
ましたように、
濃厚飼料
と
自給飼料
を上手にやって経営費の軽減をはかり、共同利用
施設
を新たに付置するようにいたしました。肝蛭の駆除の徹底費も一部ございますが、これはヒルのことでございます。病気のために肉牛の
増産
障害
になっておりますので、それを
家畜
伝染病予防費でもってやろうとしているのでございます。 次に、肉
生産
の
重点
といたしまして肉豚対策三千七百万円、これは優良種豚の
普及
、適正なその配置、なお国立の豚産肉能力
検定
施設
でございますが、三十四
年度
から着手したものを完成したいということでございます。なお豚の
生産
を効率化するためには、豚コレラ等のおそるべき病気を撲滅すること、寄生虫駆除、その他
技術指導
の実施と豚舎の
改善
等について
資金
措置等も講ずるようにいたしております。また肉不足の現状に対応しまして、やはり養豚を盛んならしめるのが重要でございますので、豚の飼養経営の
拡大
、
合理化
をはかることにいたしまして、飼養
規模
を
拡大
することを
中心
にいたしまして二千七百万円、前
年度
千七百万でございましたが、それらの
予算
を
計上
いたしております。従前からありました中小農に対しまする
家畜
導入
は新農村
予算
の中にも同様のものがございます。また、これには
酪農
で御
説明
しましたようにイモ等を利用しまする
飼料
給与
の
改善
施設
を養豚の増加、増強につけることにいたしまして、十四
ページ
、四百二十一万円を
計上
いたしております。なお、イモ作の
飼料
化の
研究
を進めるように二百万円の
予算
を
計上
いたしました。 第三は、養鶏対策でございますが、これは目下国会で継続審査になっておりまする養鶏
振興
法を大体想定いたしまして、種鶏の
改良
、養鶏経営の
改善
に関しまする
費用
、小
規模
養鶏農家の経営
改善
をする
費用
、さらに
法律
をお通し願いましたならば施行できるようなための施行費を
計上
いたします。 第四点といたしまして、
家畜
及び
畜産物
の
流通改善
、この
畜産物
の中には
牛乳
、乳製品を除いてございますが、それ以外の
流通改善
でございますが、従来この
関係
のものの
整備
が非常におくれておりますので、
予算
といたしましては、来
年度
四千百万円、三十四
年度
は九十六万円でございましたが、それをもって一応肉畜、特に牛肉、豚肉等を
中心
にまず
整備
をしたいと思っているのでございます。そのためには肉畜の
生産
者
団体
が共同販売をいたしまする場合におきまして必要な枝肉出荷
施設
、すなわち、冷蔵
施設
、冷蔵トラック等の
整備
をする場合に
補助
をすることにしまして八百七十三万円、三十五
年度
は六カ所やるつもりでございます。また枝肉取引の促進をいたす要があると思いまするので、その
関係
の
研究
打ち合わせに要しまする
経費
を
計上
しております。さらに
家畜
飼養によりまする
流通改善
を考えまして、
家畜
市場の現状が適当でない、あるいは設備の増強が要るというようなことに対しまして、
家畜
市場の再編
整備
を行なう
予算
を
計上
しまして、さらに食肉の市場の設備
補助
も考えまして、食肉市場については、大
消費
地について中央卸売市場
関係
の
予算
が
経済
局の方へ
計上
いたしましたほか、
畜産局
の方へ中小都市におきまする枝肉の冷蔵
施設
の
補助
費を
計上
いたしました。
家畜
市場と食肉市場の再編
整備
及び
施設
の
整備
増強を考えておるわけであります。また、
畜産物
は取引規格がまだ十分によくできておりませんので、食肉の枝肉、鶏卵、食鳥等につきまして、取引規格を設定するための協議会を設けて、公定版を作ろうと思っておりますが、その
経費
として新規
費用
五十万円が
計上
してあります。 次は、
家畜
、
畜産物
そのものの需給調整でございますが、
家畜
の方につきましては、需給予想、出荷
計画
等につきまして、
府県
及び
生産
団体
等と協議をする
予算
を
計上
いたしまして、
家畜
あるいは食肉になる肉畜の出荷調整費でございます。また、十七
ページ
の最後にありますが、豚の枝肉等の価格の変動が大きくありますので、あわせましてその裏には需給の非常な不均衡を生ずる場合もございまするので、価格の極端な変動を平準化いたしますために、
生産
者
団体
が冷蔵
施設
を設けますことに対しました
補助
を
計上
いたしまして、この分は六百三十三万円でございます。前
年度
はございませんでした。そのほか、必要な
調査
を
計上
いたしております。 第五点といたしまして、
種畜
の確保及び能力向上でございますが、これは、
国立牧場
及び都道
府県
の
種畜
場、
畜産
試験場
等におきまする
種畜
の雄の畜と雌の畜に関しまする
予算
で、前
年度
と同じようでございますが、
酪農対策
と肉畜
増産
対策に合いますようにその分が強化をいたしております。二十
ページ
は、最初の方は従来からの継続
事業
でございます。 次に、第六点としまして、
草地改良
及び
自給飼料
増産
事業
、
総額
といたしましては三億一千八百万円、前
年度
二億六千万円でございますが、このうちの
酪農
関係
分と認められるのを先ほど御
説明
申し
上げ
ましたが、各
家畜
を通じまして全体の
草地改良
及び
自給飼料
増産
をここに書いておるのでございます。その第一は、
草地
の
造成
改良
が二億八千万円、前
年度
二億二千万円。その
内訳
は、
高度集約牧野
、
改良牧野
、大
規模
草地改良事業
の
調査
、
草地
放牧
利用模範
施設
、
湿地牧野
の
改良
、さらに
草地
の維持管理の利用
機械
の
補助
、
国立牧場
におきまする
牧野改良
センター、これら従前の
項目
に従いましてこれを増強いたしました。また
草地改良
造成
には、土地の所有権、利用権から農地、林野との
関係
で基本的な制度を整える要があると認められますので、
草地改良
制度確立のための
調査
会を置くことにいたしまして、その
予算
五十二万九千円を
計上
いたしております。二十二
ページ
の一番終わりでございます。牧野土壌
調査
は、前年
並み
でございます。
自給飼料
増産
は、これは既耕地でもちまして
自給飼料
を
増産
することを
中心
にいたしておりますが、おおむね前年
並み
でございまして、種子対策を
中心
にいたしております。以下同様の趣旨でございますが、二十四
ページ
の最後(4)でございますが、カンショ及びバレイショ作と
畜産
との結びつきをもっと強化いたしますように、畑作
地帯
の
飼料
自給化
普及
研修費を
計上
いたしましたが、
振興
局とともに行のうことにいたしておるわけであります。 なお、
流通
飼料
対策でございますが、これは
事務費
をあげております。これは食糧管理
特別会計
の中の農産物等勘定の中の
飼料
勘定でございますが、
政府
の手持ちを取り扱いまする品目につきまして、
政府
売渡量の三カ月分を常時確保することにいたしまして、総計は
畜産
の増殖の趨勢を織り込みまして、
政府
の
買い入れ
、売り渡しを増強することを考えております。これは食管
予算
の中にありますが、あわせましてその需給、価格の安定を図るために
一般会計
からの
繰り入れ
を考えておりますが、前
年度
五億六千万円でありましたのを六億三千万円
繰り入れ
るごとにいたしました。さらに、
家畜
飼料
給与
実態の
調査
も進めようと思っておるのであります。なお、二十六
ページ
の最初でございますが、現在
本省
飼料
課の分室になっておりまする
飼料
検査業務をとり
上げ
まして、不正
飼料
の取り締まり
指導
をいたしますために、農林省設置法の
改正
が要りますが、
飼料
検査所
の独立を
お願い
したいと思っております。その
経費
千四百七十万円余でございます。 第八は、以上いろいろの施策を講ずるに必要な
家畜
導入
の
補助
費でございまして、これは第一は
国有貸付
によりますもの、また、中小農に対しまして
購入費
の二割
補助
をいたしますもの、
関係
の
法律
に従いまして
利子補給
、
損失補償
をいたしますもの、
予算
面では
利子補給
分は二十七
ページ
の有畜営農の確立というところにそういう名前の
予算
になっておるのでございますが、さらに、これに加えまするに新規の
事業
として
肉畜増産用
の素牛
導入
補助
を先ほど申し
上げ
ましたのでございます。このほかに農林省では開拓
関係
があるわけでございますが、その頭数、購入単価、融資
総額
、
利子補給
額は、そこに印刷をいたしました
通り
でございます。なお、
国有貸付
事業
は、従来は
寒冷地
対策としまして
寒冷地
だけやっておりましたのを、肉畜
増産
のことも考えまして、
寒冷地
ばかりでありませんで、中部日本以西九州にわたりまして
国有貸付
をやることに
拡充
をいたしました。二十九
ページ
の最初に書いてあるのはその趣旨でございます。
ジャージー
の
説明
はすでに申し
上げ
ました。 第九は、国営の国立の
種畜
牧場とその
整備
でございますが、普通の一般に牧場経営に必要な
事務費
、
人件費
をあげますほか、一部必要な外国
種畜
の購入をしよう。アバーデン・アンガス及び黒毛和種等のことを考えておりますが、さらに前
年度
に引き続きまして重複
説明
になりますが、
乳牛
の新冠、和牛の鳥取牧場、
北海道
の
寒冷地
和牛をより一そう
導入
しようということ、さらに豚産肉能力
検定
をいたしまして、肉太りのいいものを取り出して系統繁殖しようという
施設
。
新規事業
ですが、先ほど申し
上げ
ました肉牛の
経済
的飼育
施設
、以上をもちまして
国立牧場
の
整備
をしたいと思っているのであります。
家畜
衛生対策は、従前に準じまして一部強化をいたしまして、その
総額
七億四千六百万円、昨年は七億一千万円でございました。特に
家畜
衛生車の設置を昨年に引き続いて行ないまするほか、前
年度
と違いましたのは、雇入獣医手当を日額四百円から六百円に引き
上げ
まして
予算
の増加がございます。
あと
は動物医薬品
検査所
、動物検疫所、
家畜
衛生
試験場
の従前に準じた
予算
でございます。 さらに
団体
関係
の
事業
、いわゆる
畜産技術経営診断事業
、乳業特別
事故防止
事業
のことはすでに御
説明
申し
上げ
ましたが、
畜産
関係
の
技術指導
の
費用
をある
程度
増強いたしまして、前
年度
三千六百万円余が三十五
年度
は四千八百万円余でございます。 また
本省
の行政機構をもう少し
整備
強化をした方がいいんじゃないかと思われますので、参事官を設けまするほか、
畜産
に関しまする営農
指導
課を新設いたしまして態勢を
整備
したいと思っているのでございますが、その
関係
の
予算
がございます。官房
計上
でございます。先ほど
飼料
検査所
を独立していただきたいと申し
上げ
ましたことは御
説明
申し
上げ
た
通り
でございます。 大要、以上の
通り
でございます。
堀本宜実
8
○
委員長
(
堀本
宜実君) 以上の
説明
に対し、質疑のおありの方は順次御発言を願います。
清澤俊英
9
○
清澤
俊英君
蚕糸局
長、十五日の審議会の審議結果の答申が出ますね。その際にこの
予算
とどういう
関係
になりますか。だいぶ変わった意見など出やせぬかというようなことも考えられるのですが、その場合に、この
予算
と
振興
審議会決定の実施に対する
予算
関係
に対してあなたにお伺いしたいと思います。それから安田さんの方は、いろいろめんどうなことでお伺いしたいこともありますが、また機会もあると思いますので、こまかいことを申し
上げ
ませんが、この
予算
が大体
酪農
、
乳牛
、畜肉、養鶏等を
中心
にしてどのくらいの
増産
対策を数字の上で見てあるのか、それを基本にしてこれが出てくると思いますので、従って、その
資料
を
一つ
いただいて、それから機会があったらお尋ねしたいと思います。その
資料
を
一つ
出して下さい。
大沢融
10
○
政府委員
(
大沢融
君)
清澤
委員
の御質問は主として
特別会計
についての問題だと存じますが……。
清澤俊英
11
○
清澤
俊英君
特別会計
ばかりじゃないと思う。
振興
対策としていろいろな面で意見があるいは出るかもしれない。こういうものをもうちっと増額して、こうした方がいいとか、あるいは今われわれが非常に問題にしているのは、
検査所
の問題なんですが、今の
検査所
では、実際と違ったものとなっているという議論が盛んにある。今の
検査所
は
輸出
中心
の
検査所
ですから、これは織物
中心
に直せ、直し方はこうだということになれば、また設置の位置も違ったり、いろんなことが考えられるのじゃないかと思うのであります。そういうことを
中心
にして、あるいは機構上の改革というようなことまで出てくるかもしれないので、そういった場合には、補正
予算
かなにかに組み直しする意思を持っているのかどうか伺いたい。
大沢融
12
○
政府委員
(
大沢融
君) ただいま、
振興
審議会に今後の
蚕糸業
の安定なり発展なりを考える場合にどんな考え方でやったらいいのかという諮問をいたしまして、それで種々これから論議をしていただくわけでございます。そこで、ただいま私御
説明
申し
上げ
ました
予算
は、本来ならば昨
年度
のうちにそういうようなことができれば一番よかったわけでございますが、そういうこともできませんので、現状を前提として組んでおります。従って
振興
審議会でいろいろ御意見が出、結論が出て、その結果
政府
の措置がきまれば、その段階でいろいろのことをやっていかなければならないだろうというふうに考えております。
清澤俊英
13
○
清澤
俊英君 その場合はどうせ
予算
を組みかえなければならない問題が出てくると思う。そういうときにはやっぱりやる気持があるのかどうか。
大沢融
14
○
政府委員
(
大沢融
君) 問題によりまして具体的にどういう措置のとり方ということを今からなかなか予想できないと思いますけれども、一番早い機会に一番答申の線に沿った的確なやり方で措置をして参りたい、こういう気持でおります。
櫻井志郎
15
○櫻井志郎君
畜産局
長に伺いますが、今の
説明
で類別していきますと、
酪農対策
ができ、
肉畜増産総合対策
ができ、養鶏
振興
対策、こういうものがずっと出てくるのですが、綿羊がどうなっておるか。そこで、ずっと見ますと、今、
説明
された
資料
の二十八
ページ
ですかに、わずかに綿羊
導入
のための
資金
のあっせんとその一部の
利子補給
という点で綿羊に触れておるだけなんですが、
畜産局
として綿羊をどういうふうに考えておられるか。そして、それに対する
予算
措置というものはどういうふうになっているか。
畜産局
長にまずその一点。 それから
蚕糸局
長に、少し
予算
と関連してお伺いするのが見当が狂っているかとも思うし、私もよく知らないで、ただちょっと聞いたことでお尋ねするのでありますけれども、過去の
養蚕
、——繭の
生産
というと結局蚕と桑の組み合わせということで、繭の
生産
の問題あるいは繭の
品質
の向上の問題という点に関しては、少なくとも桑というものは切り離せなかった。私ちょっと聞いたのでは、そういうような従来の飼育
方法
ではなしに、人工食料とでもいうのですか、桑だけじゃなしに桑をごく一部やればいいのだ、そういう何か画期的な飼育
方法
がほぼ成功の段階に到達したのだということをちょっと耳にしたのですが、それは
技術
的にあるいは
経済
的に見て、どういう
程度
までの段階にあるのか。以上、お伺いいたします。
安田善一郎
16
○
政府委員
(
安田善一郎
君) 櫻井先生のお尋ねでございますが、
畜産局
といたしましては、農林統
計上
の綿羊をまず押えまして、三十五年の二月一日には、推定でございますが、九十九万頭余の綿羊があると思います。いろいろな
経済
事情あるいは自然
関係
の条件の変化がそうないといたしますと、昨
年度
の二月一日には百十四万頭ぐらいになると推定をいたしておりますが、これについてどういう考えかということでございますが、綿羊は農業経営全体から見まして、あるいは適地適畜というような観念からいたしまして、
北海道
、東北の一部、その他長野等においては、奨励すべきものだと思っております。あわせまして、その肉及び羊毛の需給
関係
、価格
関係
等が重要でございまして、この点をよく検討をする段階ではないかと、こう思っているのでございます。肉用を
重点
に考えますならば、肉綿羊としての
品種
を奨励すべきでありますし、現在日本におりますのは羊毛にかなり
重点
を置いた
品種
でございますので、目下のところから情勢判断をまずいたしますと、国産羊毛の規格を定めましたり、その
消費
のことを考えましたり、綿羊飼育経営の採算はどうかをあらためてよく検討する要があると思っているのでございます。従いまして、
予算
では、従前に続きました
有畜農家創設
資金
の
利子補給
損失補償
によります
導入
と、中小農に対しまする二割
補助
の
導入
を考えておるのでありますが、
畜産物
の規格協議会の中に、
一つ
の品目として、重要な品目として、
研究
をするように
予算
を
計上
してあります。なお、その
種畜
関係
は当然でございますが、
国立牧場
におきまする
整備
費が
計上
してあるのでございます。
大沢融
17
○
政府委員
(
大沢融
君) 私不勉強で、櫻井
委員
のお話の
研究
、具体的にここでまだ知っておりませんので、よく調べてから
一つ
御連絡を申し
上げ
ます。ただ、私どもの知る限りでは、桑のみならずチシャというような、まあ多年性でない植物での飼養の
研究
とか、あるいはまた従来桑を食う量はかまわずに、糸の量だけ問題にしておったというような点は考え直して、桑の
消費
量は少なくて、糸がたくさん出るようにというような
研究
は、
蚕品種
については進んでおりますが、桑の
品種
改良
についてはどっちかというとおくれているということでございまして、そういう点については、今後
研究
に大いに力を尽くしていきたいというようなことでやっております。具体的に調べてから御連絡を申し
上げ
ます。
清澤俊英
18
○
清澤
俊英君 関連して。今新潟県ではこういう問題が出ている。
蚕糸
課を廃止して、
畜産
課へつける。それは養連としてはどうせそういう整理をせられるならば、特産課かなんか作って、畑作
振興
かなんかやってもらいたい、こういう議論がだいぶ出て相当進んでいるらしいんです。そこで、これは両
関係
者がおられますから、大体これはどっちへつけたら妥当性があるのか、おのおの主張してもらいたい。ということは、戦前に御
承知
の
通り
、特約組合があった時分、鐘紡の特約組合など、綿羊と
養蚕
とを結んで残草、蚕沙等を
中心
にした特約組合を作って、ずっとやっていたと思うのです。それが絹毛混紡糸等を作り出すきっかけになったのではないかと思うので、私はそういう点で
畜産
課と当面している
蚕糸
課と、
一つ
どういう御見解でおられるか、もしするものだとしたらどっちがいいのか、御意見があったら聞かしていただきたい。
安田善一郎
19
○
政府委員
(
安田善一郎
君) 東京都には
蚕糸
畜産
課という
一つ
の課がございますが、全国的に見まして、行政機構としてどちらへつけるということよりは、農業基本問題
調査
会等も進んでおる時期でございますので、国際
経済
や貿易自由化に関します観点からの問題もございましょうし、種々の観点から今後の農業問題、そのうちの農業の構造といいますか、それに必要な
試験
研究
、経営
指導
、
補助事業
、いろいろ検討すべきことがございますので、より高い見地から、どこをどちらへつける方がいいということでなしに考える方がいいと、こういうふうに思います。
大沢融
20
○
政府委員
(
大沢融
君) 私は、まあ今安田局長からお話がございましたけれども、確かにどちらへどうつけるということでなくて、
畜産
といい、
蚕糸
といい、同じ農業経営の中で行なわれているわけでありますから、農業経営がうまくいくようにということを考えて、県の体制も考えたらいいのじゃないかと思います。
岡村文四郎
21
○
岡村文四郎
君
畜産局
長にちょっとお伺いいたしますが、御
承知
のように貿易の自由化というので、なかなか何でもかんでも影響を受けるようなお話でございますが、そうではないと思いますが、
酪農
製品をほんとうに自由化されると、相当考慮されなければならぬものがあると思いますが、
畜産局
の方では御心配願っておると思いますが、御
承知
のように、日本の
酪農
家は、いかに
生産
費を下げてたくさんな品物を供給しようかというのでなくして、どうして高く売ろうかというのが今までの傾向でございますから、なかなか困難でございまして、
一つ
その点どうお考えになっておるか、一応伺いたい。
安田善一郎
22
○
政府委員
(
安田善一郎
君) 御指摘の問題は、昨年
酪農
振興
法の
改正
をいたします際に、農林省の考えを申し
上げ
まして、ことしは、来
年度
もこれに引き続きまして、このラインの路線を
整備
拡充
、継続
拡充
していくという考えであります。
中身
を申し
上げ
ますと、農家としての
酪農経営
及び
牛乳
を処理加工せられる乳業、製品を販売せられる販売業の三者にわたりまして、おのおのその
生産
基盤を強化いたしましたり、
自給飼料
を強化いたしましたりして、
生産
費の低減をはかるのがいいのじゃないかと、特に農業の段階としての
酪農
はもっと既耕地におきまする作物自身も利用するように、耕地以外の土地も利用いたしますようにすると同時に、さらに経営
規模
をもう少し大きくしていただくのがいいのじゃないか——その他ありますが、一応きょうは簡単に申し
上げ
ます。 第二点の乳業
関係
は、まずなま乳取引の値段の問題もありますが、現在の日本では集乳費と申しますか、集乳費が乳価の中に非常にふえておりますので、これを業界の自主的調整、
生産
者
団体
との
関係
でなお
合理化
されることを期待しておるのであります。さらに借り入れ資本が非常に多いのであります。だから、自己資本の増加並びに借り入れ資本の金利の低下をはかる要があると思います。それらを通じまして、これもまた経営の
合理化
をしていただきたい、また適正
規模
に乳業を行なうことが製品原価を引き下げることでもあるように思いますが、もう
一つ
、やはり
酪農
、
牛乳
、乳製品を通じまして、もっとはっきりした国の長期
計画
を立てますというと、農業としての
酪農経営
も乳業の企業としての経営も、もっと
生産
費
切り下げ
に努力していただけるんじゃなかろうか、こういうふうに思っております。それから販売業につきましては、
飲用牛乳
等でもわかりますように、非常に販売費、配達費が高いわけでございまするので、また乳製品の方といたしますれば、まだ近代的な取引規格がなくて、製造会社の信用とか銘柄等でかなり値段も違っておるところもございまするので、それらの近代的な取引や
経費
の
合理化
をはかりまして、
酪農
関係
は総じまして農業段階、乳業段階、販売業者段階総体が
合理化
して強い産業になり、外国にも対応できるようになっていただくように
政府
としても期待を申し
上げ
たり援助をするのがよろしい、こう考えております。
岡村文四郎
23
○
岡村文四郎
君 またほかのことは折り入ってお伺いしますが、実は
畜産局
の
予算
のうちにも何のうちにも馬というものが
一つ
もない。ところが、今心配なのは、去年、おととしあたりに始まって、去年相当多数売れたのですが、当才馬の売れることなんです。育ってくれるならいいのですが、肉にするらしい。ソーセージか何かだと思うのです。従って本州へいくのですが、どう一体お考えになっているのか。こまかな農家でも
機械
を使えば馬や牛は要らぬということは一言えると思いますが、私はそうばかりでもないと思います。競馬馬と輓馬はおりますが、本州で畑に使うのはやはり馬の方がいいと思うのですから、こういうふうにほっておくと、非常に高く売れてけっこうですが、馬の資源がずっと減るというようなことで、何だか考えてみるといかぬと思うのですが、御
承知
だろうと思いますが、どう考えておられるか。
安田善一郎
24
○
政府委員
(
安田善一郎
君) 馬のことは非常にむずかしいと思いますが、その
意味
におきまして、局内で学識経験者のお知恵も借りて現状の把握と、今後いかに考えるかを実は
研究
会をやらしております。しかし、行政当局が
研究
会だけではいけませんので、現在及び近い将来には……まず農林省
畜産局
はどう考えておるかを検討いたしております。現在馬はいろいろな馬を合わせまして六十七万頭ぐらいおりますが、これを大別しますと、軽種馬、農用馬、輓馬とありますが、輓馬は私は都市の馬力のようなものでございますので、農村でも農業用のものは必要でございますが、輓馬はなくなっていいということを原則として考えております。ただし、農業経営の
機械
力に匹敵する畜力としては考えなくてはいけない。
あと
は軽種馬と農用馬のことでございますが、今後の農業経営のあり方の問題と密接な
関係
を持ちますが、緊急
畜産
センサスからまあ私どもが導き出しました現状について申し
上げ
ますと、日本の農家にトラクターその他の農業の
機械
が非常な勢いで進出しております。馬が減ってくるところと、馬が維持されておる、ないしはちょっと増加しておるところとの
関係
を見まするというと、まだ十分には
機械
が代替をいたしておりません。しかし、
地帯
で相当違いまして
北海道
、東北等の場合と西日本の場合、また九州の南の方にいく場合と多少違いますが、トラクターの
導入
増加と馬の減少とがまだ非常に
関係
が多いほどにはなっておらぬようであります。しかし、
関係
がないことはない、それは馬も、役肉用牛もトラクターに侵蝕されておるなら同様
程度
侵蝕されておる。そこでこれのもう
一つ
の要素としましては、他の家産と馬との
関係
であります。これは馬が
乳牛
に変わったところは相当多いのであります。今後も相当進むと思いますが、それらの
関係
から今後五十数万頭ぐらいまでは減っていくのじゃないかという想定をいたしておりますが、引き下がっていくのは、
畜産局
長もいらっしゃいますけれども、特に慎重な行政も要ると思います。目標も要ると思いますが、この場合は五十万頭ぐらいなだらかに減っていく場合で、他の
家畜
にかわる、
機械
にかわる等の場合は、合理的ならばこれは推進すべく、残りにつきましては経営
規模
が相当大きくて、また農業上畜力が要るというようなところに馬が残っていくといいのじゃないだろうか、大ざっぱに申し
上げ
ますと、以上のようにしまして、新種等の
関係
におきましては、従いまして競馬等に使いまする軽種馬のことが
一つ
、
あと
は栃木県の那須の
地域
試験場
で東北、
北海道等
に適した農用馬をむしろ作っていく、昔の軍馬、今の軽種馬と、そのいずれとも別に考えていく、そういう考えでおる次第であります。
東隆
25
○東隆君 私は
畜産局
長にお聞きいたしますが、
北海道
に和牛を入れるというようなことは、これはだいぶ問題があるのですが、その前に私はやはり
牛乳
が農家に
消費
されないで、そうして一滴でも多く売る、こういうような形でもって非常に不自然なこともずっと続けておったわけです。そこで私はやはり農家の食生活の
改善
を考えると、肉を食べる形を作らなきゃならぬと思います。それをまず前提において考えて参りますと、ホルスタインの
地帯
なんかでも私は牡犢をやはり……、これはいつも言うことなんですけれども、肥育牛にして、そうしてこれを養う、こういうようなことが前提になるのじゃないか、
北海道
のホルスタインの
乳牛
を肉にするのはうまくないのですけれども、しかし、種牛を見て食欲を感ずる人がだいぶいるわけですから、私は牡犢を肥育牛にして、そうして育成をすると、これはだいぶ肉用の資源になると思います。これを
一つ
考える必要があると思います。 それから肉牛を
北海道
に入れる場合に、
乳牛
を飼っているものの中に同時に肉牛を入れる、こういう態勢を作らなければいかぬと思います。それは
乳牛
専門というよりも、やはり健全な形とすれば
乳牛
に肉牛、そうして小
家畜
、こういうような形が当然出てこなきゃならぬ、そういう態勢でなくて専門に
地帯
を選んで、そうして肉牛をそこに
導入
する、こういうような形は、
北海道
でも以前経験を持っておりますけれども、しかし、そういうのはやはり市場の
関係
その他によってうまくいっておらないわけです。そこでそういうような点について考え及ぼす必要があるのじゃないか、こういう点が一点。 それからもう
一つ
は、牛を飼っておる、あるいは小動物でもいいんですが、その肉を直接農家が食べるということは、これはいろいろなことであまり好ましくないと思う。だからもうすでに各地でもやっておるような、例の肉の銀行ですか、そういうような制度を急速に協同組合等にやらせて、そうして動物を供出すると同時に、肉を町の肉屋から何斤買うことができるとか、あるいは協同組合から買うことができるとかいうような態勢を作り
上げ
ていけば一ペンにたくさん食べなくて、必要なときに肉を食う、こういう態勢ができ上がってくると思う。こういうような形をとらなければ、私はやはり
牛乳
と同じように、せっかく農家が
生産
をして、それを
一つ
も飲まないで、利用しないで、そうして全部売り払ってしまう、こういうような形ができてくると思うのです。やはり農家が十分に食べ得るという態勢を作り
上げ
て、その基盤の上に、
生産
したものを市場に出していくと、こういうことにすると、町村の協同組合その他によって肉畜が十分に組織的な線の上に乗って、そうして市場に出ていく、こういう態勢が確立されていくと思うのです。そういうような形をとっていかなければ、肉畜の市場
関係
というのは非常に問題になろうと思う。場合によっては、簡易屠殺場でもって簡単に枝肉にして送るとか、そういうような態勢もできますし、いろいろな形で私はそういう
方法
をとらなければならぬと思う。だから、今の場合ですと、農家は密殺したり、そういうようなことをしなければ肉が食えないという形ができてくるわけです。それをできるだけ省く、環境衛生法によって取り締りを受けないような、そういうような態勢のもとにやり得る態勢を考え出していく必要があると、こう考える。肉畜の
流通
の面で私は少しお考え下されば、この制度は確立されていくのじゃないか、しかも大きな基盤の上に、農家の食生活の
改善
、こういう考え方がある、それは早急にやってもらいたいと思います。その点についてお考えをお聞きしたい。
安田善一郎
26
○
政府委員
(
安田善一郎
君) 東先生の、質問でございますか御意見でございますか、両者まざっておるように伺いましたが、第一点は、
牛乳
の
生産
者の自家
消費
を増せ、農村の
消費
を増せ、その奨励政策なり、また制限的なことがあるものを撤廃せよ、いいことを助長せよという御意見が
一つ
だと思うのであります。また、
生産
者である農家が大きな
消費
をすべきであるし、その
消費
の基盤を持つと、
生産
物の販売といいますか、
流通改善
にまた活が入ってくる、こういう御意見だと思いますが、お話の
通り
であると思います。本
年度
予算
化をしたいと思って果たさなかったこともございますが、奨励が第一のことでございますし、
あと
は
関係
法規のことでございますから、行政措置、融資、
計上
しました
予算
がある場合は、その
予算
、いろいろの手を講じまして、奨励的に進むといいと思っております。これも制度化する
研究
がまだ実は私ども十分でないと思います。
牛乳
からさらに肉について、
一つ
は
増産
、
一つ
は
消費
及び
流通改善
の御意見があったと思いますが、
増産
の方が大事でございますが、
北海道
の肉牛の
導入
はよほど慎重にやらなくちゃならぬということも事実でございまするが、一時二万頭まで飼養されておりましたのが、間もなく、それ以前の二千頭に帰りまして、今ずっと二千頭でございます。開拓地で
乳牛
とともに肉牛を入れておるところがございますが、さらに、私ども昨年から着手して本年完成したいと思っておりまする
北海道
の和牛
指導
所、これを
整備
いたしまして、先ほど
飼料
の
給与改善
とか
畜産
経営の
改善
施設
と申しましたが、そういうものを整えまして、言いかえますと、冬場の
飼料
をどんなふうにするか、その他の飼養管理をどうするかを慎重にして入れて参るのがいい、こういうふうに思いますが、最初は
国有貸付
等でやっておくのが確実じゃないかというような考えも持っております。また、肉の需給、供給不足等に
関係
しまして、肉の
増産
はまず
乳牛
の母犢を太らせていい食肉化する、そういうことが非常に重要なことじゃないかという御意見でございますが、私も同様に思います。目下、
畜産局
で
研究
をいたしておりまして、裏磐梯等では実は
試験
的にやってみようというのでやっておりますが、この
予算
期までの
研究
といたしましては、どうも採算が合わなくて飼養がむずかしい、飼うことがむずかしい。というのは、各地から似たような年令のものを相当まとめてやりませんといけないのじゃないか、そういうところにまた非常なむずかしさもある。そのほかに飼い方もあり食い方もある、こういうことで御意見のような考えを持っておりまするが、これをいかに具体化するかはまだ
研究
中であるわけでございます。民間にもその
研究
が相当進みつつある段階でございます。 農村
消費
の枝肉銀行等はいろいろな
内容
の枝肉銀行がございましょうが、あるいは群馬、茨城でございましたか、愛知等ではすでに実際行なっておるところもございますので、これは農協の
生産
に関しまする
事業
と、購買
事業
と申しますか、共同利用の
事業
という、今の農協法によりまする上手な農協の
運営
でできるように実は思うのであります。やり方等を奨励したり
指導
するのがまず第一じゃないかと思って
研究
中であるわけでございます。
東隆
27
○東隆君 もう
一つ
、これは
予算
その他ではないと思うんですが、例の羊毛ですね。国産羊毛を私は相当保護していかなければならぬと思うんですが、そこで、輸入の羊毛に対して関税をかける、それから国内産のものには税をかけないという、糸ですか織物、そっちの方にかけておるはずですが、それをはっきりさせると、だいぶ開きができて国内産を奨励することができるのじゃないかと思います。その辺は、今度の貿易自由化の問題に関連をしてやるべき問題じゃないかと思いますが、その点を伺っておきたいと思います。
安田善一郎
28
○
政府委員
(
安田善一郎
君) 現在の綿羊は、飼育農家が羊毛を自家
消費
する、その形も特定の毛織物会社に委託加工をしまして、加工賃を払って
消費
しておる、使っておるというのが非常に多いのでございます。急速に綿羊がふえるといたしますと、この問題は非常に重要な問題になって困難な問題も生じてくるように思うのであります。まあそこで慎重に増殖もやっていきたいと思うのでありますが、一頭あたりからわれわれの洋服一着分くらいの羊毛が出まして、まあ値段もまちまちでございます。規格が統一されておらないので、大きな羊毛工場に輸入品と一緒に使うことがなかなかむずかしい。そうしますと、勢いシャツのような中小企業にばらばらといっておるわけであります。この点を——用途も違いますし、規格もまだはっきりいたしませんし、綿羊の、綿羊による国産羊毛の自給そのものがどんなものかということはなお
研究
を要すると思いますので、それと照応しましてどのくらい国が保護をするものか、目下ガット等の意見もありまして、日本も参加しておることもありまして、現行関税を引き
上げ
るということはなかなかむずかしいのではないか。日本の産業全体としては、免税をされた外国羊毛が圧倒的にたくさん入ってくる。これらの事情からいたしまして、東先生の御意見も非常に有力な意見で、私も農業経営から見た綿羊の問題は同様に思いますが、その他の国民
経済
の問題としてはどうかということをもう少し
研究
したいと思っております。
東隆
29
○東隆君 もう
一つ
。実は戦前福島が一番多くて五、六万頭でしたでしょうか。それから
北海道
もほぼその
程度
ぐらいだった。それが戦後
北海道
で非常にふえて——それは税金をみなとられますからね、
家畜
頭数割りか何かでとられるもんですから、非常に頭数は少ない、表面に出ているのは少ないのでありますけれども、
北海道
では五十万頭ぐらいいるのではないか。そして織物業者が相当春の候にささり込んで参ります。三十社ぐらいささり込んで参る。こういうような態勢になっております。同時に北紡という織物会社ができております。これは農業協同組合が
中心
になってできた会社ですけれども、そこで今お話しになったように、農家が供出したものを委託加工をして、そうして織物をこしらえておる。メリヤスだけじゃなくてりっぱな洋服地もこしらえておるわけであります。それから
技術
も、だいぶ勉強してりっぱなものが今できておるわけであります。国産羊毛で作り
上げ
た洋服ができておるわけであります。これは
北海道
が戦後に非常に被服でもって苦労をしたから結局それで大ぶるまいをしたので、そういうような形が出た。そう考えてもいいのですが、そういう問題が
一つ
。 それから、合わせて廃羊ですか、それの今度は食肉化が行なわれてきておる。それで先ほど言ったように、食肉用の綿羊の問題、そういうような問題、真剣に取り組んでおるわけであります。それでこの綿羊は東北、
北海道
のような寒い寒冷の
地帯
においては性質上りっぱな毛ができる、こういうように考えていいと思うのです。だから、南の方と切り離してそうして考えなければならぬ問題じゃないか。まあ、こういうことを考えるんで、せっかく基礎ができ上がっておるんですから、
一つ
これは貿易自由化の問題と関連をして、だいぶ強固に対策を講じてもらわなければせっかくのものがつぶれてしまう。こういうようなことにぶつかっていると思いますから、これは
一つ
早急に
研究
をしていただいて対策を
一つ
考えていただきたい、こう思うわけです。
石谷憲男
30
○石谷憲男君
草地
であって、これを維持し、さらにまあ
造成
をして、将来それだけの数量のものをぜひとも確保したいというふうに考えておられる目標の数字があれば、それを
一つ
お示しいただきたいこと。 それから、一体それらのものはどのような土地を対象としてお考えになっているかということと。それから、その「大
規模
草地改良
基本
調査
」というやつがありますが、これはあくまでも
事業
設計を確実にするための前提としてやる
調査
であって、それだけのものかということと。 それから、昨年は四
地域
にやられて、本
年度
は二
地域
ぐらいですが、これはむしろ
畜産局
の都合でこんなふうなテンポであるのか。まあその辺のことにつきまして簡単に
一つ
。
安田善一郎
31
○
政府委員
(
安田善一郎
君)
草地
というのはほんとうはなかなかわかりにくい言葉でございますが、
予算
面について御
説明
申し
上げ
ましたところで分類して申し
上げ
ます。まず第一は「
高度集約牧野
」でございますが、これは草も作物も
生産
力が少ない牧野で、
機械
開墾をしまして牧草栽培をしようというような
意味
で、反収も高く集約的であるというので、「
高度集約牧野
」といっておりますが、現在全国に約十一万町歩ぐらいでございます。これを三十七
年度
を目標としましてさらに約十万町歩を増そうと思っているわけであります。その対象用地の種類は部落有地、
市町村
有地あるいは
府県
有の土地を従前も
中心
にやって参りましたし、今後もその分がかなり多いと思いますが、しかし、
草地改良
造成
、
自給飼料
の
増産
、あるいは昨年から特に
計画
的に力を入れ出しまして以降は種々問題があることは今後解決することにいたしまして、河川堤防でありますとか、また国有林等におきまして、林業と共同して成り立つようなふうにいく場合とか等について、まだ
高度集約牧野
の対象用地を考えたいと思っております。さらにほかの広い
草地
としましては、自然ばえの草をよりいい
飼料
用の草に直す
意味
の
事業
をする
改良牧野
というのがございますが、これは多くはもとの戦前の馬産地でありまして、草を取って馬にやるとか、馬を
放牧
するところが相当あるわけでございます。これはまあ土地台帳からいえば、林野になりましたり、国有林、私有林、民有林を通じてもございますが、ほんとうは立木等を育てる林業はやっておらぬところも多いのでありまして目下牧野法によりまする保護牧野と管理牧野の区分によりまする指定もあるのでございます。これはずっと前の当参議院農林
委員
会等でも御審議になりましたし、そのとき御指摘を受けたはずでございますが、
畜産局
の
資料
では百三十万町歩ぐらいある、林野庁や農地局ではまた違った数字がある。どれがほんとうだということがございますが、それらの実態を
家畜
により一そう能率的に使いまする使い方と対象をどういうふうにしていくか、その権利調整や
事業
推進をどうしてやっていくかという、またそれがための制度をどんなふうにするかというようなことにつきましては、先ほど御
説明
申し
上げ
ました
草地改良
造成
に関しまする基本制度の
調査
会を新
年度
は作りまして、官民であることはもちろん、林野
関係
の方、農林
関係
の方と
畜産
関係
のお方、その他の学者、農政
関係
の方、それらの方々のまたお知恵をいただきまして確立していきたいと、こういう段階でございます。
仲原善一
32
○仲原善一君 簡単にお伺いしますが、まず
蚕糸局
長にまあ一点でございますけれども、桑の萎縮病の問題の対策が今度の
予算
の中に
計上
してあるかどうかという点であります。これは地方によってはずいぶん被害が出て参りまして、二割
程度
の減収の
地帯
が相当出て参っております。原因
調査
等についてだいぶ農林省も力を入れておられるようですけれども、その原因等がはっきりしたのか、あるいはそれに対する対策というものの確立ができたのか、
予算
については何か
計上
してあるのかどうか、そういう点をお伺いいたします。 それから、
畜産局
長にこれもお伺いしたいのですが、
集約酪農地域
の問題であります。全国に、ある時代にこの
集約酪農地域
をだいぶ指定しまして、相当の
乳牛
の
導入
あるいは
機械
の
補助
なり、手厚い保護をやられたこともございましたけれども、まあ最近はどうも跡始末と申しますか、その後の
集約酪農地域
に対する施策というものが、何かぼやけてきているのじゃないかという気がいたしますので、これはどういうふうに措置されるのか、今度の
予算
等に相当その点見てあるのかどうか、その点をお伺いいたします。
大沢融
33
○
政府委員
(
大沢融
君) 萎縮病の問題ですが、率直に申し
上げ
まして、まだこれに対する的確な対策というものが確立されておりません。そこで西の方に、熊本それから山陰等に広がっておりますので、これに対する
研究
は特に
重点
を入れてやっていきたいということで
明年度
も
蚕糸
試験場
では診断法の確立でありますとか、発病生態条件の解析でありますとか、病原体の媒介者の探索あるいは耐病性の桑の
研究
とか、防除法の確立というような基本的なことについて基礎
研究
を進めますと同時に、
技術会議
でもバイラス一般の問題として取り
上げ
て特に力を入れて
研究
をしていくということにしております。さらにまだこれは確定しておりませんが、
明年度
の応用
研究
費におきましても強健性の桑の
品種
でありますとか、あるいは採葉法——桑の葉っぱを取る
方法
の違いでの比較
研究
をいたしますとかというようなことを応用
研究
費でもやっていきたい、こういうふうに考えております。ただほんとうに残念なことですが、今日まではっきりしたまだ対策、どうしたら防除できるかというような
方法
が確立しておりませんのは残念ですが、力を入れて
研究
は進めて参りたい、こう思っております。
安田善一郎
34
○
政府委員
(
安田善一郎
君) お許しを得ますれば、石谷先生の答えを
一つ
忘れましたので、大
規模
草地改良
基本
調査
は、その
改良造成
事業
を行ないまする前の
調査
設計でございます。土壌とかその他の利用、
草地
等の基本
調査
を行なうのではなしに、農地局で申しますればあるいは灌排
事業
とか、愛知用水
事業
の前の実施
計画
のような設計するものでございます。これは
北海道
、岩手、岡山、熊本で今やっておりまして、来
年度
は二カ所、二カ所はもとの農林省の意見かということでございますが、新規の
地区
として四カ所ばかりやりたいと思って当初おりましたが、本
年度
の
調査
設計の進行の状況を見まして、四
地区
を早く完了するのが大事で、二
地区
を加えるとちょうどいいところじゃないかと思ったのであります。それは第一は、
畜産局
系統に、
本省
から地元に至りますまでに、
草地改良
のいい
技術
者を陣容
整備
がございません。それから民間の方にもそう充実はいたしておりません。その実施する制度
法律
等もどうもはっきりいたしておりませんので、従来の経験と能力で大体できる、それに農地事務局の力を借り、林野庁の系統の力を借りまして、できるところをまずやってみることが重要じゃないか。まあそういうことで
関係
方面の協力も得まして、
調査
設計の四
地区
に二年目を迎えておるのでありまして、
調査
設計をしながら問題を発見したり解決していくやり方でございますから、この
調査
設計をさらに進めますと同時に、問題を
草地
の基本問題
調査
会に移しまして、その次から大いに
事業
が進行していくようにしたいと思っております。大
規模
と申しますのはそういうふうに扱いたいと思っております。現在やっておりますのは十町歩、二十町歩、小さくて、
畜産局
長が例外を認めますればもっと小
地域
でもいいということになっておりますが、それが
高度集約牧野
の
補助
費でございます。この大
規模
草地
事業
は五百町歩以上くらいのところを
一つ
やってみよう、それは農地局でいえば県営
事業
のようなものをやってみよう、そういう考えでございます。 仲原先生の御質問に対しましてお答えを申し
上げ
ますが、農林省は、
集約酪農地域
制度を
法律
に基づきまして進めてきたが、近ごろぼやけたではないか、またその
地域
におきまする
酪農
の
振興
あるいは安定
合理化
は
予算
が
計上
してあるかということでございますが、過般
酪農
振興
法の
改正
を御審議いただきました際に申し
上げ
ましたように、現在もそういうつもりでおるのでありますが、
集約酪農地域
は少し広大に過ぎて、現在の
乳牛
飼育の状況は、近く数カ年を考えまして、新たに
家畜
導入
をいたしていきまする対象としては広いという感じを持っておるのであります。そこで
集約酪農地域
については従来の
計画
を続けていきますが、その中において経営
改善
地区
を
町村単位
ぐらいで指定をいたしまして、その
地区
は全国に千八百八十になるわけでございますが、さらに集約
地域
外に——
地域
内よりも外の方がより多くの
乳牛
が飼育されておる状況でございますから、
集約酪農地域
外につきましても農業的に見て
酪農
をやっておると言い得る
地帯
、すなわち都市付辺の専業
酪農
者でない場合、そういうようなところは両方をさらに
酪農経営
の
合理化
と
振興
をはかるように持っていきたい、こういうように思っておるのであります。しかし、集酪
地域
しかない制度、すなわちその
地域
全体にどう
家畜
導入
をするか、
ジャージー
を集団的にどう入れるか。また
草地改良事業
の大
規模
の方の
事業
を県営、
市町村
営でやる場合にはどういうようにやるか。その
生産
された
牛乳
の集荷組織でありますとか、特に承認制度がありまする
中心
工場、
牛乳
の処理所、この制度は
酪農
を安定して発展していく上にまだ十分な意義があるという
意味
におきまして
集約酪農地域
制度をそのまま続けていきたいと思っておる。従いまして、集酪
地域
の方には乳業者に対して融資あっせんをすること、また生乳の取引について紛争があれば処理をするとか、集酪
地域
には乳業者と
酪農
家との
牛乳
の売手、買手が対立しておるわけでございますから、その
生乳取引
の合理的解決の問題でありますとか、
経営診断
事業
、濃密
指導
をする
事業
でございますとか、さらに今までいろいろ申し
上げ
ました
乳牛
の特別
事故防止
、産乳能力の
検定
事業
、市乳集約
地域
には
生乳品質改善事業
、
草地改良
、
自給飼料
事業
、そういうような点を取り
上げ
まして、これが
酪農
振興
法において、集酪
地域
における
酪農
振興
計画
は次のようなことを
計画
立てよと書いてありますが、その
法律
に基づきまする
計画
事項については所要の
予算
を
計上
しておるつもりでございます。
清澤俊英
35
○
清澤
俊英君 ごく簡単に
一つ
、ちょっとほかの方と関連があると思いますので、聞いておきたいのは、二十二
ページ
の(8)ですが、「
草地改良
制度確立のための
調査
」というところの御
説明
の中に、この制度を確立するために
草地
造成
上の土地の利用から生ずる、まあ土地を集める上にいろいろ問題があるから、そういうものも
調査
すると、こういうように御
説明
があったと思いますが、そういうものがあったかないかについて、そういう
説明
があったようにちょっと聞いておったのです。 その次には、大体
放牧
等をやっていきます場合には、まあ草のいいことはもちろんでありますが、傾斜度として大体どのくらいまでが適地であり、全然不適地として見られるのは何度くらいから見られるか。私の知ってる範囲だと牛で、肉牛などはもう相当の傾斜度がありましても前の足を折って、後足だけで上がったりおりたりしておる状態でありますから、傾斜度はほとんど
関係
しないのじゃないかと、こういうふうに考えておりますが、その点二つを
一つ
……。
安田善一郎
36
○
政府委員
(
安田善一郎
君) 前者につきましては、
草地
利用上の権利調整と申し
上げ
たと思いますが、主としては需要の調整と思います。 第二点は、大体十五度くらいと思っております。
清澤俊英
37
○
清澤
俊英君 十五度なんというものじゃないと思うのですがね。こんなくらいで、非常に傾斜度の強いところでも前足でどんどん行き来しております。ここに専門家、
委員長
がおられますが、これはあなた見ないから十五度なんて言っておられるが、前足折っても——一日に何回も水を飲むときがある、水を飲んだらまた前足を折って上がっていく、後足だけでやっている。だから私は傾斜度なんかあまり
関係
しないのじゃないかと思います。
安田善一郎
38
○
政府委員
(
安田善一郎
君)
試験
研究
的に限度がどうかということになりますと、それは
清澤
先生の御意見のようだと思いますし、あわせましてまた農道牧道管理
施設
がよくついておるかどうかによってかなり差があると思いますが、原則は私が申し
上げ
たくらいがいいと思っております。限度というと、どういう角度で限度を出すか、またよく
研究
してお答えを申し
上げ
ます。
植垣弥一郎
39
○
植垣弥一郎
君
畜産局
長にお尋ねするわけですが、
予算
の
説明
をここ両三日来承りましてのですが、どうも満足できない点が皆さんの御
説明
にあるわけなんですよ。この
予算
が厚生、文部といったようなところでやれば、これは使いっぱなしで、要るだけのものを使ったのだということになるのでしょうけれども、農林省のように物資の
生産
行政をやっている官庁の
予算
の
説明
としてどうも納得できないという点なんですが、ずっと御
説明
聞きましたのですが、これだけの金を使うのだけれども、その効果がことしのうちにどれほど農村にプラスになるのかと、その支出の
金額
の
説明
はありますが、それの見込みの
説明
がないという点なんです。中には
研究
費や、いろいろなものがありますからすぐプラスは生まないでしはうけれども、ことしは
研究
だけで済むけれども、来年はこの効果がこれほどのプラスに見られるのだ、再来年はこう見られるのだと、たとえば
草地改良
をするにしても、いわゆる
改良
地域
の年別予定があって、それがこの
通り
に
改良
されれば農村の
飼料
支出がこういうふうに減るのだといったような
意味
なんですね。それでずっと
説明
しておられましたが、私も承りましたが、局長のお話は、肉、乳、卵の
増産
をはかるためである、
コスト
を下げるためであるということのようでありまして、また畜類の排泄物から得る肥料の活用によって土壌の老化を防ぐべきだとか、他の農作物がその肥料によって
増産
するとか、いろいろなそういう利点があったわけですね。それだから、そういうふうにねらっていらっしゃる
増産
、
コスト
安、副産収益等のものを通算して、これだけの
予算
を使うけれども、たとえば五十億使うけれども、ことしはこれだけのプラス、来年はこれだけのプラスと、農林省の
予算
は、使っても使うほどためになっておるんだというところの、その支出の
説明
の次に
収入
説明
があってほしいということなんです。これはまあ、何年こういうしきたりで
予算
の
説明
が行なわれているかどうか知りませんし、そういうことはできないこととなっているのではないかと思うのですが、その収支予想は、安田局長ならばできると、こう思いますので、特にやってもらいたいんですが、そういうお気持が、今はなくても将来生んでくるかどうかについて、お話を聞いておきたいと思います。
安田善一郎
40
○
政府委員
(
安田善一郎
君) 植垣先生の御質問及び意見は、およそ国の
予算
に関しまする従来の日本の慣例については、全部当てはまることだと思います。まあ言に言いますと、
予算
効果、
政府
財政投融資の効果はどう踏んでおるか、それを
金額
的に表わさない場合は、たとえば、
生産
に関する
予算
は
生産
がどうなる、財産をふやす場合は財産がどうふえる、経営の
合理化
ならば経営費がどう減るということだと思いますが、たとえて申しますと、この
予算
によりますると、
草地
及び
自給飼料
関係
で申しますと、三十四
年度
の場合は、全国の平均した——きょうは大ざっぱに申し
上げ
ますが、自給率というものは、二割九分ぐらいでありますが、三十五
年度
のこの
予算
では、まあ各地方を通じての話でありますが、ならしてでありますが、四割をこえる、四割二分ぐらいと一応机上計算をいたしております。これは三十七年にはせめて六割くらいを自給できることを目標にしたいと思っておるからでありますが、今申しましたのは、
畜産
全体をならしてしまったことでございますので、そのうちの
重点
は、
酪農
に
重点
を置いていきたい、その場合は、従いまして
酪農
に厚くいきますので、まあ自給率では目下のところは四割くらいでございますので、三十五
年度
、この
予算
では、一割五分くらいはさらに自給が増されるだろう、まあそんなふうに達観して押さえております。なお、
家畜
の頭数とか、
生産
物とか、効果がどんなふうにあるかは、また別の機会に用意を整えてお話をしたいと思います。
植垣弥一郎
41
○
植垣弥一郎
君 そういう点の集計になるわけなんですが、一口にいえば、この
予算
は、これで三十五年に五十億使うのだが、農村プラスは七十五億になるのだといったような、一口で
説明
のできる数字がほしい。それはむろん
内訳
があるでしょうし、その
内訳
の明細が、今お話しになるような、さような事柄が集計されるものになるわけでしょうけれども、収支差し引き、国は、あるいは農村は、これだけ得になる
予算
ですよ、ということを最後に一口言ってもらいたいということです。それは安田さんならできる仕事だと思いますので、
お願い
します。
堀本宜実
42
○
委員長
(
堀本
宜実君) 別に御質疑もなければ、本件についてはこの
程度
にとどめます。 本日はこれにて散会をいたします。 午後四時十五分散会