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政府委員(飯田良一君) まず、その仕事に対する知識の範囲というふうな問題で申し上げますと、同じ
公務員の、いわば係員、上級係員
程度の仕事でありまして、知識の範囲というものに関しまして、特別に従来の上級の範囲と異にする必要はないと存じます。もっと端的に申しますと、たとえば
大学院卒業
程度というふうに甲種をいたしまして、いわば狭く深くというふうな知識をためすことは、
公務員としてはまあ
一般的には必要ないという見地におきまして、出題の範囲という問題は、これは従来の上級と異ならない。つまり甲、乙が今回の場合も同じ範囲ということになると思います。問題は、その知識の身につけ方といいますか、消化、応用能力の問題、特にその専門的な知識の社会的な、まあ社会事象と申しますか、そういう問題との結びつきとか、関連、まあ常識的にいいまして、視野が広いというふうな見地が、やはり一つ上の、上級の段階では必要であろうという見地から、専門試験のほかに、総合試験、これはやはり筆記で行なうのでありますが、そういう特別な試験を加えまして、専門試験、並びにその総合試験の合格者ということによりまして、甲種の合格を
判定する。乙種は従来通りの、まあ教養のほかに、専門的な分野の試験、かように分けておるわけであります。それから、従来の上級試験合格者とのつり合いの問題でありますが、今回の甲種の試験というものは、従来の上級試験とは、いわば一格上の試験でありまして、試験の性格と申しますか、性格自体は、いわゆる資格試験とか、幹部候補試験とかというふうな意味ではないわけであります。とにかく高度の能力をためす試験であるということになるわけでありまして、従いまして従来とは別であるということが、一応理論的には言えるわけであります。ただ、昨年、あるいは一昨年の上級合格者というものの中にも、もしことしと同じように、一級上位の試験があったらば、当然受験すれば合格したりし、べかりしというような能力を持っておる人もあるわけでございまして、ここに新しい
制度ができて断層が生じると、その断層をそのままほうっておくというわけにはいかない点もあるわけでございます。その意味におきまして、今回の甲種試験の合格者、これは六等級に直ちに任用して
給与を与えていいわけでありますが、これは試験公告にもはっきり断わってございますけれ
ども、初任
給与といたしましては、一等級下の七等級二号とするということにいたしまして、直ちに六等級の
給与は与えないということを配慮もいたしております。その他の配慮によりまして、実質的に見まして、一年先輩を追い越す、少なくとも追い越すというふうな
状態になることは、実質上の
均衡から言って面白くないと思いまして、その配慮はいたす予定になっております。