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政府委員(
細田吉藏君) 実はこの資料につきまして
先ほど御
指摘がございましたが、いろいろな点で非常に不完全な点が多いかと私
どもも考えるのであります。非常に急がせましたので申しわけないと思います。たとえば今の
お話しでもこういう問題がございます。国鉄の事故の件数が、死傷者についてたまたまここへ出ております数字では五千人台というところへ固定いたしております。二十四
年度あたりからは少し減っておりますが、こういう数字になっております。しかし、これは実際に起こった件数の表でございまして、事故の数にいたしましても、私
どもは百万キロ当たりどうなるか、列車キロが非常にふえておりますから、百万キロ当たりの数字を
ほんとうは出すべきだというふうに実は考えております。そういう列車の回数の割にふえる列車回数といいますか、列車キロと言っておりますが、キロ
自体が非常にふえております。そういうものとの相対的な
関係においてこれを見なければならぬので、これは私
どもの方でこういう資料を出しておいてそういうことを申し上げるのは失礼でございますが、それから乗降人員、旅客輸送人員につきましても、これは第一の表にあるわけでございますけれ
ども、非常にふえておりますので、割合的に見ますと、鉄道
あたりにつきましては、同じ
程度の数字になっておるということは、相対的な数字としては、少しずつでも減少をいたしておるというふうに見ることができるかと思っております。ただ、これはもうこの
程度はやむを得ないのかどうかということでございますが、かようなことはもちろん考えておるわけじゃございません。特に前回のこの
委員会でも申し上げましたが、これは自動車にも国、私鉄にも
関係がございますのは、やはり一番大きい踏み切りの問題をどうするか、踏み切りの事故が、自動車に乗っている人がひかれるということだけでなしに、脱線によってこれから起こってくるといったような点、もちろん、ほかの列車の衝突とか追突とかいったような、あるいは車両の故障とか、これは安全的な見地から改善していかなければならぬ列車の保安
措置その他でございますね、しなければならぬということは、これはもちろんでございますけれ
ども、特に増加して参っておりますのがこれも実はもう少し詳しい数字でございますと、踏み切りの障害が出るわけでございますが、踏み切りの問題につきまして、これはどうしても解決をしていかなければならない。これには私
どもは今国会にどうしても
法律を出したいと考えておったのでございますが、この前
お話し申し上げましたように、負担区分の問題等で
政府部内の意見がまとまらないというようなことでございます。まあいずれにいたしましても、そういった道路と鉄道との交差の問題、これは
一つ取り上げて
重点的に解決していくということが、この死傷事故を少なくいたします、鉄道、自動車を通じての最も
重点を置かなければならぬ問題で、現在の
関係における施策であるというふうに私考えておりまして、そういう方向に向かいまして私
どもの方もまた
努力をいたしておりますが、今後ともいたしたいと考えておる次第でございます。
それから自動車につきましては、実は自動車の増加数字その他から考えて、これも相対的にも考えていかなければなりませんが、いずれにいたしましても、自動車による死傷の事故はおそるべきカーブで上がって参っております。これにつきましては、実は非常にたくさんな問題があろうかと思います。もちろん、踏み切りも大きいことでございましょうが、道路の問題でございますとか、あるいは公安
委員会の担当しておられる
交通取り締まりの問題、いろいろな問題があるわけでございますが、いずれにいたしまして、これにつきましては、実は今回私
どもの方で設けようといたしております自動車審議会、これでもやりますけれ
ども、むしろそうではなくて、建設省の問題あるいは警察の問題、いろいろな問題もひっからんでおりますので、内閣にございます事故防止対策本部を今度は名前も
内容も変えまして、自動車の
関係にしぼって、こういう事故の対策を
中心に論議をしていこうということで、これまでもまあ神風タクシーその他をやって参っておるのでございますが、それを今度は完全に自動車に
重点をしぼって、事故はほかにもありますけれ
ども、特に自動車の事故ということで、近く新発足をしようということにいたしておる次第でございます。
船舶並びに航空機につきましては、異常数字がいろいろ出ておるのでございますが、たとえば航空機につきましては、三十三
年度の五十二というのは全日空のものでございますし、それから二十九年の
船舶の二千四百というのは洞爺丸の事故でございますが、これにつきましても、私
どもの方としまして安全対策をいろいろやっておるのでございますが、事故が依然として跡を断たないということは、非常に遺憾と考えておるところでございます。ただ、事故の対策につきましては、これは先般の小牧の飛行場の事故といったようなことの防止について考えてみましても、全体の施策の総合的な結果として事故に現われるということでございまして、これだけやれば事故がなくなるという万能薬みたいなものがございません。設備の問題もございましょうし、訓練、教育の問題もございましょうし、それから待遇の問題もございましょうし、いろいろな問題がからまっておるわけでございまして、
先ほどお話が出ておりました
旅客船公団といったものも、
経営面というものは、むしろ
船舶の安全を確保するということが第一番でございまして、老朽船ではあぶない、これを直すということが第一の目的になっているわけでありますが、そういった意味から、私
どもとしては省内でもいろいろ
お話しておりますし、また御注意も受けているのでありますが、事故が起こったあと、すぐはいろいろやりますけれ
ども、またしばらくたつと忘れてまた事故が起こるではないかというおしかりを受けているのでありますが、
海運につきましても、南海丸の事故もございまして、われわれの方でいろいろ組織を作ってまたいろいろやっておりますが、
現実にやるということにつきましてさらに一そう
努力いたしたい、かように考えておる次第であります。