○辻政信君
委員長が発言せよということですが、関連して一言言いますが、これは岸総理に話を聞きたかったのですが、どうも
福田さんじゃ少しピントがはずれるかもしれません。しかし、岸総理なかなか引っぱり出すわけにいかぬから、その
意味でお聞き取り願いたい。当
委員会というのは、衆議院、参議院を通じまして一番大きな
仕事がある。これは
行政機構の簡素化、能率化という点です。しかるに、最近のこの両院の内閣
委員の審議を見ておりますと、小さな問題を必ず出してくる。三人ふやすとか五人ふやすとか、そうしてできるだけ
委員の注意が向かぬようなやつを、各省の官僚たちが頭がいいものですから、あまり注意を引かぬようにして、これは一人だから反対するなといって次々と
人間を
増加していく。私はこの種々雑多な雨後のタケノコのように出ておる
調査会とか、審議会というのは、非常に不同意なんです。ある
意味におきまして、
行政府の責任転嫁だと思うのです。
民間人を一人加えたから責任はないのだというふうにみな逃げてしまう、農地問題にしても、あるいはこの間の訴訟法の審議会にしましても。そうして一年でやれるところを月に一回くらいでお茶を濁して、そうして二年に延ばしてくれという、このくらい非能率的な責任を逃れようとする悪い制度はないと思う。そこで、次の
委員会の審議の資料として、
長官に資料の提出をお願いします。現在
総理府にある審議会あるいは
行政府全体が持っておる各省ごとの
研究機関とか、審議機関、その名前を全部網羅してもらって、そうして、各省の
局長以上でそのメンバーになっておる者を一覧表にして、どの
局長はどの
委員会のどの部門に出ておるか、そういうことを
一つわれわれ審議の資料としてこの
委員会に、次の機会までに御提出をお願いします。それに基づいてわれわれ要らないものをチェックしていく。この
委員会で
一つも要らないものをチェックした例はないのです。毎回ふやしておる、人員多少にかかわらず。そういうことが、私は
国民が非常な不満を持つ
一つの原因になっておると思います。そのくせ先ほど申しましたように、この
技術者というものの優遇ができておらない。
大学教授が三万や四万の月給を取っておるから、この
委員会に顔を出して車代でもかせごう、だから中身のない顔合わせだけで、できるだけその中に割り込もうとするから、一人の
教授が五つも、六つもの審議会に顔を出す、気の毒にたえない。中曽根さんが幾ら馬力をかけて
科学技術の
振興と言おうが、
技術者の
生活を安定できなくて、どこに一体
科学技術の
振興があるのか。私
ソ連に行ってきましたが、
ソ連において進歩した理由は、あの最高の
科学者はフルシチョフと同じ月給をもらっている。
総理大臣と同じ月給を。かすみを食って生きるわけにいかぬから、ほんとうにあなたが
科学技術の
振興をやろうと思えば、あなたの部下並びに
大学の
教授の給与を
改善してやりなさい。三倍にも五倍にもしてやっていいです。
科学者の
生活を安定しない限り、
日本の科学の進歩はあり得ない。今の若い大臣が情熱を傾けて、あなたの在任中に、現在の
技術者の給与というものは、事務官の給与より下がっている、
大学の卒業した年次は同じであっても。口に科学とか、宇宙
研究とか、とんでもない。宇宙
研究をやる前に足元のでこぼこを直す、そういうことに全力を尽くされることを希望しておきます。