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1960-04-07 第34回国会 参議院 逓信委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年四月七日(木曜日)    午前十時五十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     柴田  栄君    理事            鈴木 恭一君            手島  栄君            松平 勇雄君            森中 守義君    委員            黒川 武雄君            新谷寅三郎君            寺尾  豊君            野田 俊作君            谷村 貞治君            久保  等君            鈴木  強君            野上  元君            山田 節男君            奥 むめお君   国務大臣    郵 政 大 臣 植竹 春彦君   政府委員    郵政政務次官  佐藤虎次郎君    郵政大臣官房長 荒巻伊勢雄君    郵政省電気通信    監理官     松田 英一君    郵政省電気通信    監査官     岩元  巌君   説明員    日本電信電話公    社総裁     大橋 八郎君    日本電信電話公    社職員局長   行広 清美君    日本電信電話公    社営業局長   大泉 周蔵君    日本電信電話公    社計画局長   伊藤  誠君    日本電信電話公    社施設局長   平山  温君    日本電信電話公    社経理局長   山本 英也君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○電信電話設備拡充のための暫定措  置に関する法律案内閣提出、衆議  院送付)   —————————————
  2. 柴田栄

    委員長柴田栄君) ただいまより開会いたします。  電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律案を議題といたします。  前回に引き続き、質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 野上元

    野上元君 公社にお尋ねしますが、昨日、私は公社全電通労働組合との紛争の問題について二、三御質問申し上げ、かつ、最終的には円満に妥結されるように、公社側努力されるよう希望しておきましたが、その結論はどういうふうになりましたか、それをお聞かせ願いたいと思います。
  4. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 数日前から、いやもうもっと前、先月中から労働組合員側要求事項につきまして、たびたび団交を継続して参ったのであります。ただその途十さらに重要な問題について普通の団交以外に、特に組合幹部の方と私ども公社幹部の二、三の者といろいろ話し合いもいたしたのであります。昨日この席上においても、至急解決するようにという御意見もございましたので、昨日の晩も団交もやり、また一方、少数の幹部の者の会合も継続してやりました。ほとんど徹宵して幹部間の話し合いを進めまして、ほぼ妥結に及んだかと私ども考えておったのでありますが、最後の、けさほどの段階に至りまして、組合側の御意見で、どうもあのままではちょっと妥結しにくいということで、その方の話は一時打ち切りになりました。今後引き続いて正式な団交の途上でさらに話をする、こういうことになっております。
  5. 野上元

    野上元君 ここは団交の席上ではありませんので、具体的な内容についてお尋ねするのはどうかと思いますが、不幸にして団交が決裂し、実力行使に入るという場合には、あらかじめ総裁警告を発せられているようでありますが、朝日新聞の四月五日の記事によりますれば、全電通労組は七千円べ一スアッフあるいは時間短縮等要求を掲げて闘ってきたけれども、五日から無期限の時間外拒否並びに順法闘争を行なう。こういうことに対する総裁としては、断固厳重なる処分をもって臨む、こういうふうに出ておりますが、無期限時間外労働拒否というものが、公社としては処分対象になっている。こういうふうにお考えになるのですか。
  6. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 私ども新聞記事を実は拝見いたさないのでありますが、ただいまのお話は、多分無期限超勤拒否という意味であろうかと考えます。さようでございましょうか。超勤拒否そのものについては、特に違法とは私ども必ずしも考えておりませんので、ただそれ以外に、業務命令違反行為、もしくは違法の行為のあった場合には、やむを得ず処分をいたさなければならぬ場合が生ずるであろう、かような警告を発したわけであります。
  7. 野上元

    野上元君 そうすると、時間外労働拒否並びに順法闘争については、そのままでは処分対象にはならぬ、こういうふうにお考えになっているわけですか。
  8. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) その行動が合法的である限りにおいては、むろん仰せの通りであります。
  9. 野上元

    野上元君 私が聞いているのは、時間外労働を拒否し、かつ、順法闘争を行なうということは、これは原則的に公社としては処分対象にならぬ、ただ派生的に、現実に違法な行為が行なわれた場合には処分対象になる、こういうふうにお考えになっているかということをお聞きしているのです。
  10. 行広清美

    説明員行広清美君) 私からお答えいたします。先ほどのお話の時間外労働拒否については、三六協定が結ばれていないわけでございますから、それのみをもちましては違法行為というふうには断定するわけにいかないのでございますが、ただ、よけいな仕事をしない運動、いわゆる業務規制行動につきましては、怠業的行為という結果を来たすことに相なるかと思うのでございまして、そういうような場合におきましては、正常な業務の運営を阻害する行為といたしまして、処分対象になるというふうに考えております。
  11. 野上元

    野上元君 労働組合考えている順法闘争というのは、公社が持っている各種の規程あるいは規則に従って仕事を行なう、こういうふうに私は理解しているのですが、その通りじゃないですか。
  12. 行広清美

    説明員行広清美君) 一応名前といたしましては、順法闘争という言葉も使われているかと思いますけれども、ただ私どもとして問題にいたします点は、従来規程運用の面といたしまして、一定のスピードをもって通信を行なっているような場合におきまして、これが特に闘争手段といたしましてスロー・ダウンをするような事態が起こった場合におきましては、これは怠業的な行為であるというふうに断定するわけでございます。
  13. 野上元

    野上元君 順法闘争は即怠業であるというふうにお考えになってはおらないのですね。順法闘争の過程において怠業になり得る場合があるのだ、そういう事例があるのだ、こういうふうにお考えなんですか。
  14. 行広清美

    説明員行広清美君) 闘争手段といたしまして、かりに名前順法闘争ということでありましても、結果的に怠業的な行為になっておりますれば、それは処分対象になるということでございましてただ抽象的に順法闘争ということ自体ということよりも、その実態が問題なんであろうかと思っております。
  15. 野上元

    野上元君 私は公社皆さん方にお聞きしたいのは、最近公社側労働政策が非常に弾圧的な政策に変わりつつあるということをしばしば聞かれておるのですが、そういう点について、公社側は何か労働政策で新しい転換をしたということが言えるのですか。
  16. 行広清美

    説明員行広清美君) 私どもは、労働組合に対しましては常に対等の立場におきまして、問題はすべて団体交渉によりまして解決をしていきたい、その場合におきましては、労働組合立場十分尊重をして参りたいということで対処しておるのでございまして、特に労働組合を弾圧するというふうな意味におきまして特別な労務対策をとっておる考えは全然ございません。
  17. 野上元

    野上元君 公社全電通労働組合に対する処分の過去における累積は、どのくらいになっておりますか。
  18. 行広清美

    説明員行広清美君) お尋ねの点は、処分のされました人員数でございましょうか。
  19. 野上元

    野上元君 と、内容と……。
  20. 行広清美

    説明員行広清美君) 私、ただいま正確な数字を持っておりませんけれども、大体延べ人員にいたしまして約一万人程度ではないかというふうに考えておりますが、この点はなお調査いたしましてお答え申し上げたいと思います。
  21. 野上元

    野上元君 その一万人はどういう処分を受けておりますか。
  22. 行広清美

    説明員行広清美君) その違法行為内容によりまして、停職、戒告あるいは減給という処分を受けておるのでございまして、なおまた、訓告処分に該当する者もその中に入っておると思います。
  23. 野上元

    野上元君 かく首という処分を行なったことはないのですか。
  24. 行広清美

    説明員行広清美君) 最近におきましては、特にかく首というふうな事態は起こっておらないのでございますが、一昨年であったかと思いますが、津の電報局におきましては、はね上り的な行為がありましたので、三名の解雇処分をした例がございます。なおまた、大体昭和三十一年であったかと思いますが、千代田丸海底線修理工事のために出港する場合におきまして、業務命令を拒否したという理由によりまして、三名の者を解雇した例がございます。
  25. 野上元

    野上元君 私は公社職員解雇処分にするということはきわめて慎重でなければならぬと思うのですが、特に聞くところによりますと、千代田丸事件等の問題につきましては、明らかに公社の行き過ぎであったということが裁判上明らかになったようでありますが、そういう点について公社としてはどう反省をしておられますか。
  26. 行広清美

    説明員行広清美君) 千代田丸の問題に関しまして、解雇者三名につきましては、昨年裁判所の判決が出まして、一審におきましては残念ながら公社側敗訴ということになったのでございますが、私どもはその判決内容につきましては疑義があるのでございまして、目下控訴をしているのでございます。
  27. 野上元

    野上元君 あなた方は、残念ながら敗訴と言われておるのですが、その敗訴したことが非常に残念だそうですが、そういう気持職員を見るということは、公社側としてはおかしいのじゃないですか。
  28. 行広清美

    説明員行広清美君) 私どもといたしましては、やはり労働組合運動につきましても、正常なるものと正しからざるものとの間につきましては、はっきりと区別をいたしまして、正しからざるものにつきましては、やむを得ずこれは処分をするということによりまして、職場秩序を維持して参りたいというふうに考えたのでございましてその建前から考えまして、千代田丸の場合におきましても、私どもは明らかに違法行為であり、従って職場秩序を維持するためには処分をせざるを得ないということで行ないました解雇処分でございまして、従って、残念ながらという言葉はいささか問題かとも思いますけれども、私どもは正常な職場秩序を維持するということが必要であるという観点から考えた場合におきましては、私ども主張というものがいれられなかったという意味におきまして、残念ながらというふうに申し上げたのであります。
  29. 野上元

    野上元君 そのかく首された方々の法律的根拠といいますか、何を根拠かく首されたのですか、法律的に。
  30. 行広清美

    説明員行広清美君) 私どもといたしましては、千代田丸という海底船朝鮮海峡におきましての海底線修理工事に出港するということは、海底船乗組員業務であるというふうに考えておったのでございますが、その出港の命令を拒否するように解雇を受けた人たちが指導し、あおりそそのかしたという点に着目をいたしまして処分をしたのでございます。
  31. 野上元

    野上元君 適用条文は何ですか。
  32. 行広清美

    説明員行広清美君) 公労法十八条でございます。
  33. 野上元

    野上元君 このあとの津の場合も、公労法十八条ですか。
  34. 行広清美

    説明員行広清美君) 津の場合におきましては公社法であります。
  35. 野上元

    野上元君 どうしてそういう使い分けをしたのですか。
  36. 行広清美

    説明員行広清美君) 私どもといたしましては、正常なる業務を阻害する行為を行いました場合におきましては、公労法十八条によりまして解雇することもできるわけでございますが、なお、その行為自体というものが、公社法に違反する行為であった場合におきましては、公社法によって処分することが可能であるというふうに考えておりますので、津の場合におきましては、公社法に基づきまして処分した次第でございます。
  37. 野上元

    野上元君 そうすると、津の五名の組合員かく首されたときの問題は、これは労働争議ではないのだ、単なる公社職員としての体面を汚したのだ、こういう理由でやられたわけですか。
  38. 行広清美

    説明員行広清美君) 津の場合におきましては、労働組合活動の面を逸脱いたしまして、特別なはね上がり行為があったのでございます。その点は野上委員お話のように、公社法において禁止された行為に該当するというふうに考えて、公社法を適用したのでございます。
  39. 野上元

    野上元君 その場合、当然公労法十八条によってかく首できるのじゃないですか。
  40. 行広清美

    説明員行広清美君) 公労法の十八条によりまして処分をすることも可能であろうと思うのでございますが、その場合におきましては、私どもといたしまして、特にはね上がり行為という点に着目をいたしまして、公社法を適用する、こういうふうに考えたのであります。
  41. 野上元

    野上元君 再び団体交渉の問題に戻りますが、今後公社全電通要求をどのように解決しようとするのか、いつごろをめどにしてその解決努力するのか、その点を一つお聞かせ願いたいと思うのです。
  42. 行広清美

    説明員行広清美君) 昨日も申し上げましたように、現在、全電通要求項目は二十数項目にわたっているのでございます。私どもといたしましては、全電通労働組合との間におきまして、団体交渉によりまして、できるだけ早期解決めどを見出していきたいというふうに考えまして、現在努力しておるのでございますが、何分にも項目も多数にわたっておりますので、今の段階におきまして、いつごろということは、まだはっきりと申し上げかねるような段階でございます。
  43. 野上元

    野上元君 そうすると、交渉めどは全く今日においてはついておらない、こういう考え方でよろしいですか。
  44. 行広清美

    説明員行広清美君) 交渉めどは全くついておらないのかというお話でございますが、私どもといたしましても、すでに組合との間におきまして妥結に達したものもあるのでございまして、できるだけ双方側におきまして努力をし、鋭意誠意をもって交渉をいたしまして、解決し得るものはできるだけ早期解決をはかるというふうに考えておるのでございますが、今申し上げましたように、すべての項目につきまして全部妥結するのがいつごろであるかということにつきましては、まだ十分に交渉が熟していないものもある関係上、はっきり申し上げる段階ではない、このような意味でお答えしたいのであります。
  45. 野上元

    野上元君 交渉がそのように長引いておるということは、かつてあまり公社全電通労働組合の間ではなかったことじゃないですか。最近こういう情勢が出てきたことについて、公社側としてはどういうふうにお考えになっているか。
  46. 行広清美

    説明員行広清美君) 先ほど申し上げましたように、ことしの春闘におきまする全電通要求事項というものは、従来に比べまして非常に多数のものに上っておるのでございまして、従って、私どもといたしましては、いたずらに、今、時日を遷延するというような気持は全然持っておらないのでございまして、誠意を持ちまして、できるだけ早く解決するということが努力をしておるような次第でございます。
  47. 野上元

    野上元君 要求項目が多数あるということは、しばしばの御説明でわかったのですが、しかし昨日私の質問に対して局長は、今問題になっておるのはベースアップの問題と時間短縮の問題の二つにしぼられたと、こういうお話で、実はその問題でゆうべ徹夜交渉され、その解決を期待しておったのですが、遺憾ながら交渉は決裂したということですが、その他の問題については、おおむね妥結に至っておるわけですか。
  48. 行広清美

    説明員行広清美君) 完全に妥結に至りました項目は、数といたしましてはまだそれほど多数のものではございません。
  49. 野上元

    野上元君 そうすると、私どもは非常に心配するのは、あとに残ったきわめて大きい問題のベースアップと、それから時間短縮の問題については、公社はどういうふうな解決策を持っておられるのか。たとえば組合はあくまでもこれを強硬に要求し続ける、公社はがんとしてこれを拒否し続けるということになると、これは永久にこの紛争解決できないと思うのですが、いずれからか歩み寄らなければならないし、両者とも歩み寄りをしなければ解決めどかつかぬと思うのですが、公社はその点については最後までがんばるつもりですか、それとも、ある程度歩み寄りは当然考えておられるのかどうか、その点はどうですか。
  50. 行広清美

    説明員行広清美君) 私どもといたしましては、今御指摘のございました賃金引き上げの問題あるいは時間短縮の問題につきましては、従来たびたび交渉を持ちまして、現在に至っているのでございますが、昨日も申し上げましたように、賃金引き上げにつきましても、時間短縮につきましても、今の段階におきまして、組合要求をいれるということは不可能だというふうに考えておりますので、その点につきまして、いろいろと私ども考え方説明をいたしまして、できるだけ御了承を得られるかと思って努力しておるのでございまするが、しかしながら、今後の交渉のいかんによりましては、項目によりまして、第三者機関判定に待たなくてはならないというふうな事態になることは十分考えられることだというふうに思っております。
  51. 野上元

    野上元君 私は第三者を入れて解決するということも、これは当然考えてよろしいと思うのですが、しかしそれよりも大切なことは、労使が自主的に解決していくということが、これは最もオーソドックスな基本的な態度でなければならぬと思うのですが、その点について、公社第三者にかけることなく、みずから解決するというような努力は今後されないのですか。
  52. 行広清美

    説明員行広清美君) 私どもといたしましても、労使間の問題につきましては、自主的に解決し得るものにつきましては、もちろん自主的な立場におきまして解決策を見出していきたいというふうに考えておるのでございますけれども、問題によりましては、私どもだけで解決できないような問題、また、私ども主張というものが組合にいれられないような場合におきまして、必要に応じまして、第三者機関にその判定を求めるということもやむを得ない措置であろうというふうに考えております。
  53. 野上元

    野上元君 私は組合がきわめて公社に対して不満の意を表明しておる点は、三十五年度の公社予算を見ましても、建設資金には膨大な金を注ぎ込んでおるけれども給与総額の方においてはわずかな額の増額を認めたにすぎない。しかも生産手当といいますか、業績手当という程度のものでお茶を濁しておる。こういう点が非常に大きな不満であろうというふうに考えるわけですが、その点はどういうふうにお考えですか、公社は。
  54. 行広清美

    説明員行広清美君) その点につきましては、昨日も一部お答えしたように思うのでございますが、特に給与総額の面につきましては、支出の中に占める割合というものは横ばいの程度になっておりまして、決して不当に給与総額を圧迫しておるというふうな実情にないということが一つでございます。それからまた、生産手当程度のものというお話もございますけれども、私どものように、計画された生産性の向上に見合いまして特別の手当を支給されるという例は、ほかの企業体にはないのでございまして、その点は電電公社におきまする企業合理化の進展の実態から見た場合におきましての特別な措置であるというふうに考えているような次第でございます。
  55. 野上元

    野上元君 また、要員の問題にしても、これはまあ各省ともそうなんですが、要求をはるかに下回った査定を受けても、それをのまなければならぬ、こういう状態が見られるのです。公社においても、やはり、昨日もお話が出ておりましたように、九千名の増員要求をしたのにかかわらず、その半分ぐらいしか認められなかった。こういう点では非常にまあ組合としても不満だと思いますが、そういう点、公社が九千名必要だというのに五千名で押えられた。それだけは結局従業員の肩にかかっていくのじゃないか、こういうことも考えられるのですが、公社としては、それだけ査定されて、どういう措置をとろうとしておられるわけですか。
  56. 行広清美

    説明員行広清美君) 今お話のございましたように、三十五年度の予算要求の場合におきましては、要員といたしまして九千数百名の要求をしたのでございますが、大蔵省の方におかれまして一応の査定がございましたけれども、私どもといたしましては、その査定に対しましては、業務の合理的な措置をとるといたしましても不足であるというふうに考えられたものでございますから、その点につきまして鋭意折衝をいたしまして、五千三百六十一名という増員を得たのでございます。そのようにいたしまして、私どもといたしまして、五千三百六十一名というもので一応査定を受け入れました場合におきましては、ただ漫然とそれを甘受したということではないのでございまして、当然作業合理化あるいはまた作業標準化、あるいは簡素化というふうな措置をとることによりまして、職員方たち労働というものが特に増大することのないようにというふうに考えておりまして、今後もそのような事務の簡素化標準化機械化等に対しましては、十分に考えて参りたいというふうに存じております。
  57. 野上元

    野上元君 結局、公社要求した数と査定された数とは四千数唐名ですから、それだけ公社はやらなくてもいい合理化をやらなきゃならぬし、非常な無理を今しなければならぬというようなふうに私にはとれるわけですが、そういうふうに電電公社定員大蔵省がとやかくいうということは、公社としてはどういうふうにお考えになっておるのですか。
  58. 行広清美

    説明員行広清美君) 現在の公社法建前といたしまして御承知のように給与総額というものが予算で定められておるのでございまして、従いまして、予算の編成の場合におきまして、要員の面につきまして、大蔵省の方で予算的な立場から検討をされるということはやむを得ないことであるというふうに考えております。
  59. 野上元

    野上元君 それは公社法があるからやむを得ない、こういうことですか。
  60. 行広清美

    説明員行広清美君) 現在の公共企業体といたしましては、そのような建前になっておりますので、その制度の運用といたしまして、私どもといたしましては、やむを得ないものであるというふうに考えております。
  61. 野上元

    野上元君 そうすると、公社としては積極的な希望はありませんか。たとえばそういう制約は一切はずしてもらいたい、予算を縛ることもやめてもらいたい、定員も縛ることをやめてもらいたい、公社の全くの自主経営にまかしてもらいたい、こういうふうな希望的な御意見はないんですか。
  62. 行広清美

    説明員行広清美君) 私どもといたしましては、公共企業体自主性を確保するという面から考えてみた場合におきましては、今お話のございましたように、予算の面あるいは給与総額の面、あるいは定員等の面におきまして、十分な自主性を与えていただきたいというふうに考えておりますけれども、やはりそれぞれの国内の事情ということで、社会的あるいは経済的な条件というものとのからみ合いで相対的に考えていくべきものだろうというふうに考えておりますので、少なくとも現在の段階におきましては、私ども公共企業体について見た場合におきましても、そこまでの自主性ということは、残念ながら認められるだけの客観的な要素というものがないように見ておるのでございます。
  63. 野上元

    野上元君 私が聞きたいのは公社意見です。公社希望を聞きたいわけです。客観的情勢云々じゃなくて、公社としてはかくあるべきだというような大方針というようなものはないんですか。
  64. 行広清美

    説明員行広清美君) その点でございますが、今も申し上げましたように、公共企業体としての自主性を確保するという見地から考えた場合におきましては、先ほどの御指摘のような点につきましても、十分に自主性を発揮できるように考慮していただきたいということは、希望としては持っており、また、公共企業体合理化審議会審議の際にも、そのようなことにつきまして意見も出し、いろいろと論議をし、また審議もしていただいたこともあるのでございますけれども、少なくとも従来の段階におきましては、それが容認されるような客観的な情勢になっておらないというふうに考えておるのでございます。そのような意味において申し上げたのでございます。
  65. 野上元

    野上元君 この際、郵政大臣にもお聞きしておきたいのですが、今公社は、職員局長の口を通じて、もう少し自主性を与えてほしい、しかし、客観的情勢でまだ成熟しておらないんだ、まあこういうことが言われております。が、郵政当局としては、公社にもう少し自主性を持たして、そうして公社らしい事業の経営というものをやらせる、こういうような御意向はないんですか。
  66. 植竹春彦

    ○国務大臣(植竹春彦君) 全く御意見のような意向を持っております。自主性を十分に認めまして、公社としてやっていってくれる趣旨をよく考えております。
  67. 野上元

    野上元君 それで私は公社にも言いたいんだが、もう少し積極的に公社になった一つの特徴を生かすようなことをやらなければ、先ほど来言ったように、定員は押えられてしまう、給与総額も押えられてしまう、あるいはその他一切の自主的に経営すべき内容を押えられてしまうというようなことでは、職員も大きな期待を持っておったにもかかわらず、その期待がまあ一朝の夢として消え去ったというところに大きな不満があるのじゃないか、こういうふうに考えられる。もう少し公社としてのうま味が必要だと思うのですが、その点は大橋総裁としてはどうお考えになり、今後どういうふうに措置されようとするのか、お聞きしたいと思います。
  68. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 公社自主性をいま少しく広範に認めてもらいたい、あるいは予算の面においても、あるいは定員等の面においても、自主性のいま少しく拡大することの問題につきまして、これは私どもも望ましいことだと考えております。また、公社仕事をやる上において好ましいことだと私は考えております。しかしながら、これは御承知の通り、一電電公社だけの問題として取り扱うべきものでなくて、公社としましても、国鉄あり、また専売公社もあります。これらはそれぞれ、内閣なり、あるいは政治家としてのいろいろ皆様の御審議によって決定される問題だろうと考えております。
  69. 野上元

    野上元君 ここに朝日新聞の記事を持っておるのですが、三月二十日の記事ですが、「電話事業はもうかる仕事にから、民営だったら、どんどん外部資金を入れて、数多くの電話をつけ、ますますもうけるようにするはずだが、公社は法律や規則にしばられて、それが出来ない」、こういうふうに公社の広報課で説明しておりますが、これはどうですか、公社全体の御意見ですか。
  70. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 私、実はその用事を拝見いたしておらないのでありますが、もうかる、もうからないということは、これはどういうふうに考えていいのですか。公社の現在の建前としては、もうけることはちっとも考えていない。現在の公社の収支の状態が、剰余金が相当出ておるという意味をそういう言葉で現わしたんだろうと思いますが、公社といたしましては、もうけるということはちっとも考えておりません。
  71. 野上元

    野上元君 それは同じことじゃないですか。剰余金が出るということは、もうかるということじゃないですか。
  72. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) いや、ただいま私はそういう意味において、もうかるという真実の意味のもうけ、商事会社のような意味のもうけではない。ただその事業の収支の状態が、剰余金がたくさんできるような状態にあるということを、さような言葉で表現したんだろうと、かように申し上げたわけです。
  73. 野上元

    野上元君 私の聞きたいのはそういうことではなくて私は、もうけるのはけっこうだと思うんですが、剰余金か出ることもけっこうなことだが、しかしながら、今の公社では法律や規則に縛られてどうにもならぬ。これが民営だったらもっとうまくいくんだというふうに説明されておりますが、これは公社考え方ですか。
  74. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 私は、実はそのことについて拝見いたしておりませんので、公社としてはそんなことは現在のところは考えておりません。
  75. 野上元

    野上元君 そうすると、公社としては窮屈で、やはり今のままがいいんだということですか。
  76. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) これはそれぞれ意見が分かれる点であろうかと思いますが、私個人の意見としては、現在の段階においては、やはり民営といいますか、商事会社としてこれを経営するよりも、公共企業体として経営することの方が、私はよろしいと考えております。
  77. 野上元

    野上元君 その点は、しかし、公社にある場合には、総裁が言われたように、電電公社だけでなくて、専売あるいは国鉄等もあるので、当然これらの問題ともからんで、相当の制約を受けることを覚悟しなければならぬと言われておるが、それはやむを得ぬ、こういうわけですか。
  78. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 現在の段階においてはやむを得ないと考えます。ただし、これは公共企業体と申しましても、おそらくこれは法律の書き方によっていろいろな段階があるだろうと実は考えます。よほど官営に近い公共企業体もあれば、また、よほど民営に近い公共企業体もあり得ると思います。ただ、現在の日本に行なわれておる三公社は、どちらかと申せば、非常に官営に近い公社であります。もともとこれは官営から出発したものでありますから、これが一つ段階であるかもしれません。あるいは将来さらにこれが運営せられていく道程において、漸次やや民営に近いような、もう少し自主性の多い公社にだんだん移行する傾向はあるかもしれぬと思います。ことに最近、御承知の公共企業体審議会等の答申を見ましても、大体さような意味の答申が出ておるようでありますから、あるいは趨勢としては、漸次そういうふうにいくのではないか、かように考えておる次第であります。
  79. 野上元

    野上元君 そうすると大橋総裁は、官営的公社ではなくて、民営的公社を望まれる、こういう御希望ですか。
  80. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 私の希望ということを申し上げていいかどうか知りませんが、いま少しく自主性があった方が私は望ましいということは申し上げております。
  81. 野上元

    野上元君 私は先般、参考人として本委員会で陳述された電電公社の経営委員長の古野さんですか、御意見を聞いても、公社には金がだぶついているのだ、にもかかわらず、何にもできやせぬではないか、これは明らかに公社法あるいはその他の規則に縛られておるからこんなふうになっているのだ、もっと大胆率直にやらなければならぬし、かつまた、公社というのは官僚的でいかぬということを発言されておりましたが、こういう人が経営委員長をやっておられることについて、公社はどういうふうに考えておられますか。
  82. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 私は各個人の、経営委員長についての批判をすることは差し控えたいと思います。
  83. 野上元

    野上元君 しかし、経営委員長というのは、電電公社の経営について重大な発言権を持っておると思うのですが、その吉野委員長が当委員会において発言されたことについては、あなた方は一切批評を加えない、こういう態度では、公社としての意見は一体どういうことになるのか。
  84. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 各人それぞれの意見があることはもちろんのことであります。意見はもちろん自由だと思います。ただし、それらの意見について批判をすることは差し控えたい、かように思います。
  85. 野上元

    野上元君 私は古野さんが一評論家であるならば、今の大橋総裁の答弁でけっこうだと思うのです。しかし、少なくとも電電公社の経営委員長という責任あるポストにある人の発言だ。それを公社が一切無関心だ、あるいはこれにはノー・コメントだということでは、経営委員長としておまかせするということ自体がおかしいのじゃないですか。
  86. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) これは私が委員長を批判すべき地位に、先ほど言いましたようにない。批判することは差し控えたいと思います。
  87. 野上元

    野上元君 批判ではなくて、古野さんは、とにかく公社は金がどんどんだぶついて困っておるのだ、これが使えないのは、公社法だとか、その他の法律の規制によって縛られているのだ、これを変えなければならぬ。また、公社組織というものはどうも官僚的でいかぬ。こういうことを盛んここの会議で言われた。これは鈴木委員の質問に答弁されて、そういう意見を吐かれたわけですよ。それについて公社として何らこれに差しはさむ余地がないというならば、それは一体経営委員長気持というものは、公社にどういうふうに反映すべきなのか、そんなものは関係ないと、こう言われるのですか。
  88. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 古野氏が経営委員長として経営委員会において発言された発言については、私は十分意見も戦わし、またお互いに論議をいたします。しかし、ここで国会で皆さんの御質疑に対して、おそらくどういう意味で申し述べられたか知りませんけれども、その論議を一々ここで批判することは差し控えたい、かように申し上げております。
  89. 野上元

    野上元君 経営委員会での発言はあなたの方は尊重されるという、国会での発言は尊重されない、こういう御意向ですか。
  90. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 私は尊重しないとはもちろん申し上げておりません。ただ批判することは差し控えたいと申し上げておるのです。
  91. 野上元

    野上元君 経営委員長の経営委員会における発言と、この当委員会における発言とは、私は全く同一でなければならぬと思うのだが、もしもかりに全く相反したようなことを発言されるということになれば、これは経営委員長として重大な責任を追及しなければならぬが、その点はどうなるのですか。
  92. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) それは委員長の御意見としては、もし経営委員会において御発言があれば、私はそれに対してもし意見の違ったことがあれば、それについて意見も申し上げまするが、しかしながら、ここでの発言に対して一々私は批判することは差し控えたい。
  93. 野上元

    野上元君 しかし、国会の委員会における発言というのは、その人の本心でなければならぬと思うのだが、その点はどうなんですか、そういうふうに軽く考えられるのですか。ここでは何を答弁されてもいいということですか。
  94. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 私は決して古野氏の意見を尊重しないとか、軽く見るということはちっとも考えておりません。それでは、さようなことをもしお感じになっている、私がそういうふうに考えているとお感じになったら、それは一つ誤解を解いていただきたい。
  95. 野上元

    野上元君 それでは角度を変えますが、吉野委員長は、今私が申し上げたようなことをここで言われたのです。これは皆さんお聞きになっておったからわかると思うのですが、そういうことは経営委員会ではしゃべられたことはないんですか。
  96. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 先ほど例としてあげられました、二つの点があったと思います。一つは官僚的なこと、これは私どもしょっちゅう聞きます。われわれもときどきたしなめられておるのであります。その点については、私どもは常に傾聴してできるだけ御趣旨に沿うように努めておる次第でございます。しかし、先ほどの何か金がだぶついておって、それが使えないのは、公社法の規定が悪いとか制度が悪いとかいうようなお話のように聞きましたけれども、そういう点は実は聞かなかったように思いますが、公社において金がだぶついておるとすれば、それはすべて建設費なり、その他に使っておるのでありまして、ただ、だぶついてそのままにほうってあることは決してないのであります。何かちょっとその点に誤解があるのじゃないかという気がいたしますが、また、古野先生もそういうことはおっしゃらなかったように私記憶しておる。
  97. 野上元

    野上元君 だぶついた金をどうするこうするという問題については、私の発言は必ずしも正確じゃないと思いますが、ここではっきりと記憶しておるわけじゃありませんが、大体言われた意味はそういうような意味であって、私としては、これはもう公社ではまずいのだと、これは民営の方がいいんじゃないかという発言に聞こえて仕方がなかったのですが、そういう点については、経営委員会では古野さんが発言されたことはないのですか。
  98. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) まだ民営に移すべしという古野先生の経営委員会における発言は私記憾ありません。
  99. 野上元

    野上元君 まあ、その点はそのくらいにしておきます。が、いずれにしても今申し上げましたように、公社は二省分立後、電通省から公社になり、そうして公社になったからというので、若干のいわゆる自主性というものが打ち出されるだろうというふうに考えておりましたが、ほとんどその自主性が打ち出されておらない。特に申し上げたいのは、同じ昔は逓信省の中に郵政と一緒にあったために、郵政とのバランスというものが非常に大きくあなたの方に影響しておると思うのです。それで郵政は、御承知のように非常に貧乏ですから、全くどうにもこうにもならぬような非常に貧乏世帯ですが、これと非常に経営状態のいい公社と同じ歩調ですべてのものをやっていく、特に職員の待遇の問題をやっていくということになると、どうしてもそこに不平が起こるのじゃないか。むしろあなたの方は国際電電あたりを対象にしてやられていく方か正しいのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、あなたの方は、郵政省の職員との待遇の問題について非常に大きな制約を受けておるのじゃないか、この点はどうなんですか。
  100. 行広清美

    説明員行広清美君) 今お話のございました、郵政職員に比べまして制約があるというふうに聞き取りましたのですが、そのような御質問でございますか、ちょっと意味がわかりませんでしたが。
  101. 野上元

    野上元君 あなたの方の職員の待遇を改善しようとする場合に、郵政省の職員の待遇のバランスというものが非常に大きなウエートを占めるのじゃないか、しかしながら、御承知のように郵政省というのは非常に貧乏です。ほとんど赤字ばかりなんでどうにもならぬ。こういうような状態の職員と、あなたの方の、生々発展する電話事業の職員とが同一の待遇を維持していくということは、あなたの方に不満が非常に起きるのじゃないか。それよりも、むしろ郵政職員との比較をしないで、国際電電のごときものと比較をして待遇改善をはかっていくというふうなことをやらなければ、あなたの方の職員に大きな不満が起きるのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、郵政職員との比較が大きな制約にならぬかということを聞いておるのです。
  102. 行広清美

    説明員行広清美君) 今お話しのような意味におきまして、特に郵政職員とのバランスの関係で電電公社職員の給与ベースというものが制約を受けるということは、私どもといたしましては考えておらないのでございます。ただ、昨日も申し上げましたように、国家公務員あるいは民間の給与、その他の百要素を考慮するということになっておりますので、そのような場合におきましては、郵政職員の給与ベースというものもその一つの要素になるということはあり得るわけであります。
  103. 野上元

    野上元君 民間と公務員との両方考えるのだ、と言われるのですが、そうするとその中間ぐらいだという意味ですか。
  104. 行広清美

    説明員行広清美君) これはなかなかむずかしい問題でございまして、両方考えるということは、その中間であるということには必ずしもならないと思うのでございまして、まあ、要は電電公社の事業の実態から考え、また国家公務員あるいは民間の給与の状態、その他を総合的に考えるわけでございますから、一がいにまん中辺ということにはならないと思うのでございます。  ただ、御参考までに申し上げておきますならば、先般の、三十四年度でございましたかと思いましたが、公共企業体の臨時合理化審議会の答申の中には、一応給与水準につきましては公務員に比準ずるように考えるべきではなかろうか、ただ公共企業体の特殊性として考えられるような業績の向上については、業績手当として考慮すべきではないかという意味の答申があったように記憶しておりますので、これらの点につきましては、政府におきまして御検討の段階ではないかと考えております。
  105. 野上元

    野上元君 そういうふうに低いものに低いものに肩を並べる必要はないと思うのですがね、私は。そんなことはかりやっておってはみんなが低くなっちゃうのですよ。この際、電電公社職員あたりが一頭地を抜いた高い給与を現実にやってみせることによって、ほかの方を刺激し、ほかの水準がレベル・アップしていくということも考えられる。いつまでも消極的なことを考えておってはどうにもならぬ。日本全体の給与水準までがいつまでたっても上がらない。そんなことをやっておると、私は公社職員の中から民営にしてくれという声が出るのではないかと考えるのですが、どうですかね。もう少し積極的な施策を講ずる意図はないのですか。たとえば今日、年間三百億からの収益があるわけでしょう。それにまた減価償却費の計算の方法にしても、あなたの方は手厚いことをやっていられる。もう少しこれだって考えようによっては収益の方に回せることもできるということを言われておるのですが、こんな企業はないですよ。それが一番貧乏な、言葉は悪いが、こじきと肩を並べてやっていいのだ、みんながこじきなんだから、おれたちもこじきでいいじゃないかと、そんな行き方では職員だって納得せぬし、日本の労働者の貸金水準の問題にとっても私は不幸だと思うのです。この意味電電公社あたりが高い給与を支払ったらどうですか、そういう積極的意図はありませんか。
  106. 行広清美

    説明員行広清美君) 私どもといたしましては、電電公社職員の給与につきまして、事業の発展とサービスの向上、それと同時に給与の改善という三つの柱ということを重要な経営目標という、ふうに考えているのでございます。従いまして企業の合理化によりまして生産性を向上していくべきである。その場合におきましてその向上の一部は適当な限度におきまして職員の給与として還元をしていくべきである、このように考えているのでございます。ただこの場合におきましても、やはり社会的に、なるほど電電公社の企業努力というものは非常に程度も進んでおりまするし、職員の給与の改善につきましても十分に考慮すべきである、考慮に値するというふうな考え方というものが出てこなければならないのでございまして、私どもといたしましては、サービスの改善とともに、そのような世論の支持を得まして給与の改善が進められていくように考えて参りたいと思うのでございます。
  107. 野上元

    野上元君 そうすると、三十五年度で五十億給与総額がふえていますね。その五十億の内容というのは何ですか
  108. 山本英也

    説明員(山本英也君) 給与総額は六十億ほどふえております、総額におきまして。そのうちで昇給原資に充てます分が、損益勘定だけにおいて申しますと、今年度の給与総額は五百八十八億でございますが、これ以外に建設勘定あるいは中間勘定等の給与総額を合わせますと六百六十七億に相なりまして、損益勘定においてだけ比較をいたしますと、前年度に比べて喜五十億円の増加となっております。総体では約六十億円の増加に相なっております。  そこで、そのうちこの五十億円というものを使途別に分けますと、昇給原資といたしまして二十億円でございます。これは年率四・五%の昇給というものをいたしますために必要とする額でございます。次に、おもな項目といたしまして、期末奨励手当を〇・一カ月分だけ増額いたしまして、これで予算に見積りました期末奨励手当というものは全体で二・七五カ月分に相なりますが、〇・一カ月分の増額に要しまする額が三億でございます。それから先ほど御質疑の中に出て参りました、来年度におきましては五千三百六十一名の増員に要しますところの人件費の増が十一億円でございます、それから昨年の四月に仲裁裁定が下りまして、二百五十円のベースアップの裁定がございました。これを予算化いたしますと七億円を要しますので、その分を三十五年度予算には計上をいたしてございます。それからさらに昨年の八月に出されました仲裁裁定によりますとこるの生産性向上協力手当、八億五千万円というものを給与総額の中に掲げてございます。これらを総計いたしますと、損益勘定だけにおきまして約五十億円の前年度に対比いたしますと増額を要しているわけでございます。
  109. 野上元

    野上元君 そうすると、五十億の大宗を占めるものは昇給の原資と、前に出た仲裁裁定の二百五十円の予算化、こういうことになるわけですね。
  110. 山本英也

    説明員(山本英也君) 五十億のうちで二十億が昇給原資でございまして、人員の増加に要します分が約十一億でございます。これは初年度だけでございますので、三十六年度になりますと、この額がまたふえて参りますので、増員分というものと昇給原資というようなものが金額としては多い方でございます。ただいまお話のございました仲裁裁定によります分は七億円でございまして、これとほぼ見合う額の八億五千万円というものが生産性協力手当として計七されております。
  111. 野上元

    野上元君 これは組合員の感じとしては、五十億の中身を見ると、昇給と人員増加によるものがほとんどであって、あとは大した待遇の改善になっておらぬじゃないか。しかも長期の画期的な計画を遂行される上においては、これでその従業員に協力を求められても心よく応じることはできぬじゃないかという、率直な意見が非常に強いようですが、公社としてはこれ以上には考えられないのですか。
  112. 山本英也

    説明員(山本英也君) 本年度の予算におきましても、予算総則において定められたところによりまして業務の増高に伴いまして収入等が予定よりもふえました場合には、直接に必要とする経費といたしまして、弾力的な運用をする余地が予算総則には残されております。それからもう一つは、公社法及び予算総則に定められておりますところの業績手当の制度がございます。これは年々、過去の実績におきましても相当の額を占めておりますので、この給与総額に示された額以上にどのくらいのものが年々支給されているかということを申し上げますと、正確には覚えておりませんけれども、約二十億から十五、六億というものが、これ以外に給与の総額としては予算措置によりまして増額に相なっております。彼此合わせますと、五百八十八億というものの給与総額に対しまして、来年度におきましては五十億と申し上げましたが、五十億というものは約一割弱でございますので、必ずしも少ない金額とも考えられないのじゃないかと考えます。
  113. 鈴木強

    鈴木強君 ちょっと関連して。職員局長のさっきの御答弁の中に、郵政職員等の給与の問題について野上委員から質問があったわけでありますが、その際どうもようわからぬ答弁をされたので、一つ念のために伺っておきたいと思いますが、きのうも公社職員の給与のあり方については質疑がございました。  で、第三十条は、ここにも書いてありますように、「職員の給与は、その職務の内容と責任に応ずるものであり、且つ、職員が発揮した能率が考慮されるものでなければならない。」、「前項の給与は、国家公務員及び民間事業の従業者の給与その他の事情を考慮して定めなければならない。」、こう書いてあるわけですね。ですから、私は第三十条というものは、きのうも意見が出ましたように、公社職員としての給与は国家公務員の給与と同一でなければならぬということでもない。民間給与を下回らなければならぬとか、あるいは上回っちゃいかぬとか、そういう制約は何らないと思うのです、一般的常識で考えれ、は。国家公務員の給与とか、あるいは民間事業の従業員の給与とか、そういうものは考慮はいたしますが、しかし、あくまでも大前提は前段にある本文ですね。職務の内容と責任に応ずるものであり、なおかつ職員が発揮した能率に見合うようなものでなければならないというのが、公社法の給与の精神なんですよ。私は局長の話を聞いていると、どうも前段を忘れて、きのうも盛んに第二項をおっしゃっておる。しかし第二項も私は考慮するということは、同一レベルでなければいかぬとかということではないと思うのです。野上委員から、たまたま、民間賃金と国家公務員賃金の中間を行くのかというような質問が出たのですけれども、そう明らかに断言もできないと思うのですけれども、そこに公社職員に対する妙味といいますか、独自性というものが与えられていいと私は思うのです。だからこういう点をもう少し、御答弁なさる場合に前段のところをもう少し認識をしていただきたいと思うのです。  それからもう一つ、あなたが公共企業体審議会からの答申の中に、賃金は国家公務員と大体同一水準に置いて、その他業績に合うような特別な手当を出すように書いてある、こういうふうに引例されたのですが、これは私はちょっと今までの公共企業体のあり方に対する——これは大臣にも質問しておって答弁がまだなされておらない。これは岸総理にも二回、三回と私は予算委員会でも伺っておるわけなんです。ところが依然として検討しているということを言われておって、私は答申案をどういうふうに採用するかということについては、今日まだ内閣の態度はきまっておらぬと思うのです。そういう場合に、何か一般公務員の給与と同じ水準に置かなければならぬというようなものをあなたが引例して答弁されたからには、やはり思想的には何かそれを指向しているのじゃないかと私は思うのです。そういうことが最近の公共企業体の、特に公社職員に対する場合には顕著に出てきているのです。これは明らかに昭和三十三年以来の仲裁裁定の動きがそうなっている。あなたの方では、お聞きしたいのは、答申案の中で、今あなたが指摘したような思想というものを取り入れて公社はやっているのですか、私はそういうふうに受け取れる。しかも現状を流れている思想というものは、そういう方向に行っている。そうであれば重大問題です。私は大臣にもこの点は、あの答申に対して政府は、あの答申の職員局長が引例したことについてすでに実施しているのかどうか。そうでないとすれば、職員局長は、そういう非常に何か悪いような例をこういう機会に出して、まさに公社職員はそういうふうな形で給与がきめられるような印象を与えるような発言をすることについては、ちょっと私はこれは受け取れない。これは一つお二人から意見を承っておきたいと思う。非常に大事なところですから。
  114. 行広清美

    説明員行広清美君) 最初、私に関連したものといたしまして二つの点の御質問があったのでございますが、第一の三十条の解釈の問題でございますが、三十条の第一項は、職務の内容と責任に応じたものであり、また、能率を考慮したものでなければならない、こういうことをうたっているのでございますが、これは電電公社におきますところの給与の基本原則をうたったものでございまして、これはいわば給与体系のあり方の問題であろうかと思うのでございます。第三項の問題が賃金ベースの問題でございまして、従って公社賃金ベースをきめる場合におきましては、第一項によりまして考慮をしていかなければならないということになるわけでございます。  それから第二の点につきましては、私、昨日来申し上げておりますことは、電電公社の給与といもののあり方につきましては、やはり社会的に認容される限度というものがある。それか公共企業体としての、また独占企業としての給与のあり方に関連する問題にというふうに申し上げているわけでございますが、この場合に、私どもが社会的に容認する限度というのは何によってはかるかということになりますと、仲裁裁定の内容でございますとか、あるいはこのような公の機関としての合百理化審議会等の答申の内容というものが一つの目安になるだろうというふうに考えるわけでございます。しかしながら、私どもとして特に申し上げておりますことは、私どもの事業につきましても、たとえば第二次五カ年計画を遂行いたしまして、主産性が向上した、また企業努力というものが非常に行なわれているというふうなことになりまして、社会的にやはり世論の支持を得るということによりまして、私ども職員の給与の改善を行なっていくということが必要であろうと思うの、でございます。昨日も総裁から御答弁申し上げましたように、給与水準が現在のままでいいということを言っているわけではございませんで、今後、五カ年計画の遂行の過程におきましては、できるだけその改善についても努力をするというふうに申しているのでございますが、要は、先ほどのような社会的なものさしというものがありますので、これらに対しまして、特に電電公社の職責の給与の改善の必要性というものを一般的に認識していただくように、私どもとしては努力していかなければならないのじゃないかと、このような意味で申し上げたのでございます。このように、常に公務員について同じように考えるべきであるという意味で申し上げたわけではございません。その点は御了承いただきたいと思います。
  115. 鈴木強

    鈴木強君 今、職員局長が、第一項は給与体系だと、こうおっしゃったのですね。なるほど思想的にはこれは給与体系ということは言えるのですね。給与体系というものとベースというのはどういう関係があるのですか。給与体系というのは、もちろん、責任の度合いとか職務の内容とか、あるいはその職員が発揮した能率が考慮されなければならぬということは、その体系自体一つベースを基準とする場合に大きな影響が出てくるわけでしょう。これは不離一体であって、こっちが給与体系であって、こっちがベースだと、こういうふうな使い方は私はできぬと思うのですよ。そういうような体系はどういう体系なんですか。私の言いたいのは、だから、「職員の給与は、その職務の内容と責任に応ずるものであり、」、能率を考慮しなければならない。その給与というものは、国家公務員並びに民間企業の従業員の給与も関連して考えてやりなさいということですから、国家公務員と民間賃金というのは、今人事院が勧告しようとしているように、中小企業をとってみても、大体まあ人事院の事業のやり方というのは問題があるのですが、そこでとったものでも約五%近いものがすでに格差ができてきているわけですね、これは事実。そういう民間賃金というものも考慮しなければならぬけれども、必ずしもこれよりか上へ行ってはいかぬということは書いていないのですよ。そうでしょう。考慮はするが、どこで線を引くかということは、私はやはり前段のところに大きくかかってくると思うのですね。そういうふうにこの三十条を解釈しないと、給与体系と給与ベースを一項、二項使い分けるというのは、給与というものの根本的な性格からいってもおかしのですね。  それからもう一つ、もっとはっきりしていただきたいのは、公共企業体審議会から出ている答申の中に、さっきあなたがおっしゃったような、本俸というのは国家公務員とそろえなさい、そのほか特殊な企業に見られるような手当というのを作ったらどうかと、こういうのがあることも私も知っておりますが、それはまだ答申に出されたままであって、決してそれは実施に移されておるわけではない。政府がこういう態度でいくということをきめたということも、まだ私は聞いていないのです。そういう段階であなたがそれを引例するというのはちょっとおかしいのですよ。しかも、そういう思想があると言われれば、なるほどそうかなと、現にその方向に公社賃金体系というものが行ってしまっている。今、国家公務員と比べて幾ら公社職員がいいのですか。だからちょっとその公共企業体審議会の答申との関連を言われると、どうもそういう方向でもうすでにそのことだけはスタートしているのじゃないかというふうな私たちは気がしてならないのですね。その点もはっきり答弁がなかったものですから、もう一回一つ……。
  116. 行広清美

    説明員行広清美君) 先ほど申し上げたように、三十条の第一項は、基本給与その他の給与のあり方をうたった基本原則なんでございます。この場合におきまして、いかなる方法で給与体系を、いわゆる第一項にうたっております給与体系を実施して参るかということを考える場合におきましては、三十条の第二項にありますところの趣旨をも考慮いたしましてそれで給与を企業の実態に応じまして公社が定めていく、こういうことになるわけでございます。その場合におきましては、いわゆる第一項にいう能率の向上によってあげ得た業績というものを基本給で反映していくか、あるいはまた手当という形で反映していくかということは、これはその方法としてはいろいろと考えるということになっておるわけでございますが、その場合におきまして基本給の、いわゆる基本給与のベースとして考える場合におきましては、第二項にありますように諸般の要素を考慮しなくてはならない、こういうことになっているわけでございます。それからもう一つの点といたしましては、私の申し上げました答申の引例についてでございますが、まあ私先ほども申し上げましたように、一つの尺度というものといたしまして、参酌をするものとして、このようなものがあるというふうな意味において申し上げたわけでございまして、この点につきましては、政府の方におかれましていろいろ検討をいただいておる段階であるというふうに拝察しておりますので、私どもが給与を考える場合におきまして、常に国家公務員の給与と比較をいたしまして考慮していくというふうなやり方はとっておりませんということを申し上げたのでございまして、その点につきましてなお申し足らない点がありましたならば、そのような意味として補足さしていただきたいと思うのでございます。
  117. 鈴木強

    鈴木強君 あなたは今、そういう答申があるので、それを参酌するということをおっしゃったんですが、これは重大問題ですよ。現行の公社法第三十条というものが現存しておる限りにおきましては、そんなものを参酌するなんというのは、これはどういうことですか。もし答申が受諾されたとすれば、公社法第三十条というのは変わってこなければならない。これはこの法律が現存している限り、法律を守れ守れというあなた方が、まだ答申が出たままのものを参酌して野上委員の郵政職員の問題が出たときにそれを参酌するというのはとんでもない間違いですよ、これは。そうでなくて、ただそういう意見もあるということであなたが言われるならば、これはわかるのですよ。あなたはそれを参酌するというのです。そんなものを参酌されて公社の給与をきめられたら、あなた、とんでもないことですよ。それは訂正しておいて下さい。
  118. 行広清美

    説明員行広清美君) 私の言葉が不十分な関係で、今御指摘のような誤解が生じたといたしますれば、私その点は訂正さしていただきたいと思うのでございますが、私は、あるいは世論をはかる尺度の一つとしてということを申し上げたかと思いますが、その点につきましては私訂正さしていただきまして、一つそのような答申の内容のような考え方があるということを申し上げたのでございますので、そのような意味においてお聞き取りをいただきたいと思うのでございます。
  119. 植竹春彦

    ○国務大臣(植竹春彦君) ただいま鈴木委員の述べられました給与についてり御意見は、私も全くその通りだと思います。第三十条の第一項と第二項とは並列的に表示してはおりますものの、第一項が原則的であり、第一項はむしろただし書き的のものであり、考慮ということは、これも鈴木委員の御指摘通り、中をとるという意味ではない。その業績いかんによりまして、よた公共の利益、利便ということを考えまして、また社会福祉ということを考えまして、公社法第一条の趣旨にのっとりましてこの給与の問題もきめていくべきものだと、さように考えております。全く鈴木委員の御意見と回収の意見を持っております。
  120. 森中守義

    ○森中守義君 資料を一つお願いしたいのです。昭和三十四年十一月十日付、電信電話公社報の付録、当面の労務対策についてこれを早急に御提出をいただきたい。
  121. 柴田栄

    委員長柴田栄君) よろしゅうございますか。
  122. 行広清美

    説明員行広清美君) これは部内の管理者用として作成したものでございますので、資料の提出につきましても、できますならばごかんべんいただきたいと思いますが、その点いかがでございましょうか。
  123. 森中守義

    ○森中守義君 どうして出せないのですか。職員局長、部内の管理者用に作成をされたものであるというが、五カ年計画の審議上、重要だと思いますが、どうして出せないのですか。
  124. 行広清美

    説明員行広清美君) ちょっとお待ちいただきます。——これは私どもといたしまして別に組合を弾圧するたりに作成したものではございませんで、部内の管理者につきまして、その指導のための資料として作成したのでございますから、これは一応部内のものでもございますので、できますならば御提出を遠慮させていただけますればとお願いしたのでありまして、別にその点につきまして、組合との関係において他意があるわけではございません。
  125. 森中守義

    ○森中守義君 私は何も言あげしてそういうものをもらおうというのじゃない。ただ今言われるだけの理由では、国会にお出しにならないという理由にはならない。きのう、あるいはきょうあたり審議が進んでおるように、向後行なわれんとする改訂五カ年計画が、何としても労使の協力態勢のもとに置かれなければ、円満な目的の完成はできないということを私は考える。それで特段の秘密でも何でもない、ただ管理者用に作成をしたということであれば、一体電電公社が労務政策としてそういうことをおとりになろうとするのか、そういう判断を委員会がつけなければ、ただ単に法案のみを中心にして、これで満足に、改訂五カ年計画が円満に実行をされるという確証が握れない。そういう意味から私はぜひこれはお出しいただきたい。それとも、まさかこういう問題で、成規の手続による議院証言法によって内閣に声明を出させますか。郵政大臣どうですか、こういう資料のために内閣は声明を出しますか。それくらい重要なものですから、どうしてもこれは出していただかなければ困る。郵政大臣、こういう労務対策の資料が出ないために、議院証言法による内閣の声明を出すところにまでいきますか。まさか、そういうばかばかしいことはできないでしょう。大橋総裁、どうですか、お出しになれませんか。
  126. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) ただいま事務当局の方と相談したのですが、相なるべくは、実は出さずに済ませれば出したくない、こういうことを申しておりますが、しかしながら、委員会において、委員会として出せと委員長からあれば、これはどうも仕方がないと思います。
  127. 森中守義

    ○森中守義君 大臣はどうですか。
  128. 植竹春彦

    ○国務大臣(植竹春彦君) 大体、総裁と同じ考えでございます。
  129. 柴田栄

    委員長柴田栄君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  130. 柴田栄

    委員長柴田栄君) それじゃ、速記を起こして。  午前中はこの程度にいたしたいと存じます。  これにて休憩いたします。    午後零時三十二分休憩    —————・—————    午後二時二十一分開会
  131. 柴田栄

    委員長柴田栄君) ただいまより再開いたします。  午前中森中委員より要求の資料は、御提出を願うことにいたしましたので御了承を願います。  午前中に引き続き、電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律案に対する質疑を続けます。  御質疑の方は順次御発言を願います。
  132. 野上元

    野上元君 職員局長、きのう私が、賃金総額が総支出額に占める割合について、アメリカのGTCとPTTの問題をあなたに聞いたのですが、あの資料お調べになりましたか。
  133. 行広清美

    説明員行広清美君) まだ調べるように言っておきましたのですが、お手元まで申し上げるまでにはいっておりません。
  134. 野上元

    野上元君 このことは公社経営にとってはきわめて重要な問題だと私は考えるのですが、さらにまた、職員の給与状況についてこれまた重要な関係があるし、とりわけ皆さん方が模範とされておるアメリカの電信電話の会社の状況と比較するということは、きわめてこれは必要なことじゃないかと思うのです。そして、先ほど来大橋総裁からもお答えがありましたように、官営的公社でなくてもう少し自主性のあるいわば民営的な公社の性格を持ちたいんだ、ということを言われたということを考えると、そういう点が非常に私は重要だと思うのですがね。調べるといっても簡単だと思うんですよ。たとえば国際電電の肥爪さんが最近出しておる「アメリカの電信電話事情」という本があります。これはこの間私に送ってきてくれたのですが、これの中身は公社の方も肥爪さんたちと一緒に行って向こうを調べてきておられるのですから、その点はっきりすると思うのですが、そういう資料がないということになると、私も論を進めていくのに非常に支障があるわけです。いつあなたの方ではそれを調べられますか。
  135. 行広清美

    説明員行広清美君) 今さっそく結果を徴したいと思います。
  136. 野上元

    野上元君 それでは、後ほど公社側が資料を把握されたときにあらためてその問題については研究することにいたしまして、私は料金の制度について二、三質問をしたいと思いますが、電話料金をきめるということについては、その基礎的な条件は何ですか。
  137. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 御質問の趣旨が必ずしもよくわかりませんが、大体申し上げますと、私たちが料金をきめるにつきましては、そのかかりました原価というものを考えまして、原価並びに利用価値というもの等を勘案いたしまして配慮しておるような次第でございます。
  138. 野上元

    野上元君 原価主義が基本になっている、こういうふうにおっしゃるわけですね。
  139. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) ただいま申しましたのは、総合的に原価というものを考えまして、個々のサービスに対する料金につきましてはその原価も考慮いたしまするし、また、その利用価値にも着目いたしてきめられてきておるのでございます。
  140. 野上元

    野上元君 たとえば原価主義ということでとってみれば、東京都内の武蔵野は都内になりますか、府下ですか。府下の武蔵野と荻窪の例をとってみますと、荻窪の方はとにかく度数制といいますか、七円で済むわけですね、何分かけてもよろしい。しかし武蔵野から来る場合には一回が二十一円ですか、それで三分に限られておる。これをかりに十分間やれば、もう六十何円かかる。そうすると、六十何円と七円の差というものは、原価主義を厳密にいえば非常に逸脱しておる料金だと私は思うのだが、そういう点ではどうなんですか。あるいはあなたの言われた百原価主義と利用価値という点から見ても、これは明らかに不合理じゃありませんか、この距離から見て。
  141. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 今の申されましたお話は、加入区域の設定方法にかかっておる問題でございますが、実は加入区域内の原価と申しますのは、面積が広いものよりも、場合によっては方式によっては、面積の狭い所でもかえって原価の高い場合も多いのでございます。しかしながらこれにつきましては、利用価値に着目しまして級局という制度を設けまして、一級から十二級までこしらえてございます。それで今の東京の場合と武蔵野の場合につきましては、その級局は東京が一級、武蔵野は今度武蔵野三鷹電話局となりまして四級局となりましたので、基本料において差をつけまして、これは事務用で計算いたしますと、東京は事務用が基本料千円、それから武蔵野のほうは七百円という工合に差をつけておる次第でございます。
  142. 野上元

    野上元君 そうすると、現在の料金制度は、今私が例をあげた点に関する限りは、公社としては妥当であると、こういうように考えておられるのですか。
  143. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) その問題に関しましてはいろいろ考え方がございますわけですが、実はこのような形と申しますのは、東京が非常に大きくなりまして、しかもそこにまた隣接する都市が、いわば家が連擁するという形になりました結果起こりました矛盾でございます。それで、私たちといたしましても、現在加入区域を境にする家の相互間が一通話二十一円といったような形というものは、現在の状態として必ずしも望ましいものではないという考え方を持っております。しかしながらこれをいかに解決するかにつきましては、諸外国にもいろいろのやり方がございまして、この問題につきましては別に料金一の体系と申しますか、あるいは加入区域と市外通話の関係と申しますか、この辺につきまして根本的な考え方を検討いたしまして改善をはかりたいと、目下事務的に検討を続けておる次第でございます。
  144. 野上元

    野上元君 そうすると公社としては必ずしも妥当ではない、将来検討の余地があると、こういうふうにお考えになっておるようですが、かりに最近市町村が合併されますが、合併されても旧市内の料金と、それから新しく合併された市内の料金がこれまた違うようですね、こういう点についてはどういうふうにお考えになっておるのですか。
  145. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) この加入区域というものは、行政区域を相当考慮しなければならないことはもちろんなんでございますが、その他、これは実は法律にも書いてございますが、その他の経済情勢等を十分勘案してきめることになっております。それで私たち町村合併が進みましたにつきまして、法律上もわれわれは協力の義務を持っておりますので、できるだけこれに協力をいたしまして、とりあえず可能なものにつきましてはできるだけ合併をする。その点につきましては、ある程度考慮いたしましたのは、使います線路というものがどの程度のものを使えばいいであろうかというようなこと、あるいは今までの実績、実態等も考えまして、大体四キロまでならば割合に細い線路でいける、またもう少し線路を大きくすれば六キロまではいけそうだ、従いまして六キロまでならば具体的条件を勘案して合併するという方針をきめ、そういうふうに逐次進めて参っておる次第でございます。ところがそれ以上に広げたらどうかという意見もあるのでございますが、これは現在のやり方、つまり交換局における収容区域と市内通話の料金の区域を同じにしておくという建前のままでいきますと、非常にその点において、不経済なものになるのでございます。一つ考え方は、東京あたりは各分局相互間のものが一つの加入区域になっておるのでございまして、今申されました町村合併においては原則として集中合併をしておる。特殊のものについては従局という形をとっておるのですが、その集中合併の形でどんどん進めていくのには、今の広さ以上にするのははなはだ困難であります。それじゃそれをどこまで広げるかというと、全体の体制を考えなければいけませんし、またこれは全体の料金収入にも相当影響いたします。また社会経済のいろいろな関係からも考慮する余地があると申しますのは、同一町村内のみならず隣接町村におきましても、経済関係の特に密接な所からは合併要求が出ておるのでございます。そういうこと等を考えますとただ、行政、区域だけで考えるわけにいかない。原価並びに経済条件等を考える必要があるので、その点あわせて研究をいたしておるのでございます。
  146. 野上元

    野上元君 これも研究の余地があるということですが、私は現在千葉に住んでいるのですが、千葉から東京にかけるときには、この市内通話のようなわけにいかぬわけですね。一通話三十何円ですか、いずれにしても市内通話とは全然違う。数倍の料金を払わなければならない。ところが簡単に出るのですね、ダイヤルを回せば。ところが東京においては千葉くらいの距離と同等の距離にあるところだってあると思うのです。距離としては少しは短いかもしれませんが。そういうことになると、もう明らかに料金体制としては若干不合理があるのじゃないか、こういう声が非常に強いのです、大衆の中に。これについて公社当局としてはいっこういうものを直される用意があるのですか。
  147. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 今申された点が私たち今検討しておる非常に大きな項目になっておるのでありまして、この従来の加入区域の合併の確率では、ある程度一般の使用区域の基準できめたものに、さらに連続して家がどんどん続いておるという条件等を加味して考えられておったのでございますが、最近のごとく膨大な都市になりますと、自然東京のような大きな加入区域になってくる。それが今申されましたような端から端までいきますと、場合によっては三十キロもある所がある。これは不合理ではないかというお尋ねでございますが、ただ実際のことを申しますと、そういう通話というのは割に少ないのでございます。しかしながら体系としてはおかしいじゃないかという利用者の方々のお気持もごもっともと思う次第でございます。ただこれを解決いたしますのに、何といいますか距離だけで解決すべきものか、今言いましたような加入区域等も考慮すべきであるということで、諸外国にもいろいろなやり方がございます。それで私たちもこの点今申されましたようなことを研究の項目に加えてやっている次第でございます。
  148. 野上元

    野上元君 これも研究の必要がある、こういうことですが、要するに結論的にいえばあなたの答弁から察すると、加入区域ということが問題になるのじゃないのですか。今まで加入区域は何といいますか、ある孤立した町の中に電話局があってそれを中心にして物事を考えていく、いわばあなたの方の専門語でいえば。ポイント・ツー・ポイント・べーシスというのですか、こういうことになるのじゃないですか、それをいつまでもあなたの方で固執されておれば、料金の問題は抜本的にメスを入れなければ、いつまでたっても今私が質問したような問題が起きてくるのじゃないか。それよりもやはりゾーン・ツー・ゾーン・べーシスの方に早く切りかえないと、この問題は解決できぬのじゃないかというように私は考えるのだが、公社としてはどういうようにお考えになっておるか。
  149. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 今申されました点はまことに卓見でございまして、私たちの研究の項目にはゾーン・ツー・ゾーンというのも非常に有力な考え方として研究を進めております。
  150. 野上元

    野上元君 その問題も検討中だというわけですね。  市外通話をお聞きしたいのですが、市外通話料金は百キロまでは直線コースでみる、百キロをこえると郵便線路図のキロ程によるというのですね、それはどういうことなんですか。
  151. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) この問題につきましては過去に歴史的にそういう工合にきまっておるのでございまして、私こまかい経緯は存じませんが、ただいま私の考えておりますのは、おそらくこれは設定のときには線路の実費と申しますか、そういうものにある程度ふさわしく考えたのではないか。と申しますのは、郵便線路図というのは当時の交通路線であったのでございまして、その線に沿って大体電信電話線路が引かれておった、それではかったのでありますが、近距離になりますと、いわばこちらの方の線路の設計いかんによって実際の社会感覚よりも遠いものも近いものもできる、従って近い所は特にそれを直線ではかるというようなやり方をしたのではないか、その証拠に近距離でも現在はたとえば湖沼港湾といったようなものがございますと、実際の迂回距離に従ってはかっておるのでございます。ですからおそらくこれは実際距離をもとにしながら社会感覚から見て、変に思われる所を是正するという趣旨できっときまったのだと思います。しかしながら現在のごとく交通がさらに発達いたしますし、また線路の技術等についても非常に進歩を見ますと、そのようなやり方は必ずしも適当と思われませんので、これも改善いたしたいと思って研究を進めておる次第であります。
  152. 野上元

    野上元君 これも改善しなければならぬという将来の問題のようですが、そうすると公社がそういうふうに改善しなければならぬという料金についてのたくさんの問題を持っておられるわけですね。にもかかわらずこの問題に手をつけられないのはどういう理由なんですか。
  153. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) この問題につきましては、私たちは長期計画にも関連しまして相当検討いたしてみたのでございます。で、実はこれは一つには非常に複雑多岐にわたるのであまり拙速をやるということは将来の体系のためによろしくないということと、同時に私たちといたしましては、この問題で一番大きく問題になりますのは、将来の市外の自動化にからみまして市外番号計画等について、今からきめておかないとうまくいかないというようなことがございまして、この最終ぎりぎりの時期はいっかということを考えてみますと、今すぐというわけには……、この次までにきめれば、たとえば本年末までにきめれば十分間に合うというような検討もございましたので、十分慎重な期間を得るまでに研究をさらに継続しておるような次第でございます。同時にまたこれが長期の計画に及ぼす収支の影響につきましては、私たちはただいまのところ、この料金水準というものは現在のまま維持するのが適当なのではないかと、こう考えていますので、収支についてもこの検討がおくれていることは、根本的影響の及ぶものではないという見解で、むしろ拙速よりも十分慎重検討という方を選んだわけでございます。
  154. 森中守義

    ○森中守義君 関連して。今の野上質問に対しまして多少関連があるので聞いておきますが、公衆法の四十七条二項に「公社が指定する地域相互間においては、至急通話及び特別至急通話は、取り扱わない。」、これと別表の第四市外通話料の第一普通通話料、ここに「第四十七条第二項の規定により公社が指定する地域相互間の通話」、これがおそらく関連したものと思うのですが、この内容をちょっと御説明して下さい。
  155. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) この四十七条の第二項と申しますのは、通話が相当サービスがよくて、至急通話、特別至急通話というものを必要としない程度に達したものと認める地域、つまり端的に申しますと即時通話地域でございまして、サービスは特別悪くない、要するに標準的なサービスという考え方で四十七条二項ができておるわけでございます。この料金が、この別表第四市外通話料の先ほど御指摘の点にございまして、この点につきましては単一の料金といたしておる次第でございます。
  156. 森中守義

    ○森中守義君 これはいずれ私も聞こうと思っていたことで、関連ですからあまりここでは詳しく聞きませんが、そういうことになりますと、主として即時通話の場合言うわけですか、形態としては。即時通話ということであれば、ここに第四でいっている「指定する地域相互間の通話」ということは、今までの手動から即時に改式になった場合自動的に適用される、つまり公社の方が地域指定をするというとき」ですね。
  157. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) この指定は、そのつど指定いたしまして宿報に出ておる通りであります。
  158. 森中守義

    ○森中守義君 この料金決定をする場合には公社の方で検討されて、それで官報、あるいはその他総裁なりあるいは公社名で告示をすれば料金改定が行なわれる、こういうことですか。
  159. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) その通りでございます。その趣旨は結局、当初は即時通話は全部南動的にと考えた場合もございますが、現実にはサービスの悪いものもございましたので、そういうものは指定しない。結局サービスの質を保障するという意味で即時通話にしたわけでございます。
  160. 森中守義

    ○森中守義君 具体的にある改変が加えられた地域をお示しいただくと非常にはっきりすると思う。たとえば今まで即時でなくて四十七条の普通、至急、特別という三種類のものが適用されていた。ところが自動改式になったので、この三種のものが、なくなって至急通話、特別至急通話というものがなくなった。だから普通の場合に料金が幾らであったのに、それが今度自動改式になって即時になったから料金がどういうように変わってきたのか、何か具体的なそういう一つの実例をあげられませんか。  私の聞いておるのはこういうことですよ。要するに公社の方がここに地域を指定をすると料金の改定ができるということは、今までとっていた至急通話、特別通話、あるいは普通通話、この三通話のうちのどの程度の料金をとつているのですか、これを聞きたいのです。
  161. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) ただいま申されました点は、別表第四の上欄下欄がちょうど対応いたしておるのでございまして、たとえて申しますと、百キロメートルまでというところが、普通通話ならば四十五円のものが指定されますと即時通話で七十五円となるというような読み方となるわけでございます。また一番少ないのは、たとえば十キロメートルまで十円というのが十四円となり、二十円のものが二十一円、二十五円のものが二十八円という工合になっております。
  162. 森中守義

    ○森中守義君 ちょっと私はそれでは理解できないのです。つまりこれこそ概念的な問題ですがね。特別に改式になったので、それで全部普通になってしまう——特別も至急もなくなるわけでしょう、これからいけば。そういうことですね。そうなりますと、今まで特別通話あるいは至急通話、普通通話といういわば一般の加入者がかける場合に三種類に分かれていたのに、全部なくなって、普通通話になったことによってどの程度の料金をとっているのか。もっと手つとり早く言いますと、普通料金にした場合に、在来の特別通話をとるのか、あるいは特別通話と至急通話の中間を料金としてきめておるのか、その辺がどうなんですかと、こう聞いておるのです。
  163. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) これは大体普通通話と至急通話の中間というようなことで、その当時におきまする事実上の特急、至急、普通はどの程度占められておるかを勘案いたしまして、大体これはその距離によって違っておりますが、四割増から八割増の間に大体きめられると思います。
  164. 森中守義

    ○森中守義君 非常に具体的になってきましたが、四割増から八割増ということはどういう意味ですか、ちょっとそこのところ理解しにくいのですが。
  165. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 今申し上げました通り、普通通話と至急通話の中間でございまして、四割増というのは、普通通話料金の四割増しの料金である。それから所によっては八割増しの料金になっておる所があるということでございます。
  166. 森中守義

    ○森中守義君 これはこの公衆法からいきますと、別に料金改定の必要がない、どこにもそういうのがありませんね。公社が特定の地域を指定をして、こことこことの区間はこれから先はこれだけの料金をきめる。しかもそのきめ方が四割もしくは八割ということであれば、相当かさばった通話料を払わなくっちゃならない、こういうことになるわけでしょう。だから、多少これは議論になるかわかりませんが、野上委員がさっき指摘したように、料金の問題については多少これは一考を要する点がある。
  167. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) まあただいま申された点は確かに傾聴すべき御議論だと思いますが、この当時のきめました考え方は、サービスが改善されるに従って料金が減収になるという行き方というものはサービスの姿として望ましくない、従って、サービスがどんどんよくなってもまあ大きな減収は来たさないということもある程度考えられましてきめるべきでありますので、従いましてこの点は具体的に、たとえば当初適用されました大阪—東京間の場合などにおきましては、従来ほとんど全部の人が特別至急通話でかけていた、それが即時になったために、むしろ利用者の方々から見ると安くなって便利になった、こう言われるのでございましてその場合に使用度数もふえまして、結局公社の方におきましても、そのことによって減収にならなかったという経緯もございまして、これは何もこれによって値上げするということじゃなくて、むしろ特急、至急で相当数の人がかけていたのがそれによって値下げになった、同時にこの料金が国会で御審議になりましたときもいろいろ御議論がございまして、この夜間通話料——午後八時から翌日の午前七時までというのは、それはその即時通話になる前の普通通話料金と同様にきめられておりまして、従来でも夜でなければ特別通話が使えなかった。昼はほとんど特急、至急でなければ通じなかった。それから見れば昼は値下げであって夜は同額ではないかというふうな工合にきめられたように承知しております。
  168. 森中守義

    ○森中守義君 それは法制的の経緯は経緯としてわかりますが、ただ、問題は、私が言っているのは、一体それじゃ、サービスがよくなって、料金も下がるというのが一番理想だと思うのです、私は。だからといって、公社に施設は拡充した、改善も加えた、それには金が要ったんだからあるいは将来もそういう金の要るような仕事もしなくちゃならぬから、サービスを上げて料金を下げた方がいいという、そういう最高の理想を今私ここで言おうとしているのじゃない。だけれども公社が独断で認定をし、指定をすれば料金は幾らにでもきめることができる。そこに問題がある。だから四割ないし八割というのが第三者が見て、あるいは第三機関があって、はたしてこれが正当な料金という評価が出るかどうか、こういうことを実は言いたいのです。だから減収になっていいとか、そういう意味じゃありませんけれども、要するに公衆電気通信法四十七条とこれを受ける第四との関係は、できるならば国会の承認が必要になるように、あるいはこれにかわるべき何らかの機関が、なるほどサービスも改善された、しかしそれは、公社一つの素案をもって、それで認定評価をして適正な料金というようなきめ方が、加入者の立場からするならば望ましいのではないか。ただ公社がこの区間マイクロを通したから、今言われるように四割から八割まで一挙にとるということは、これは今まで一般の加入者は、特急で頼んでも至急でも出なかったのに、すぐ出るようになったらありがたいと思うでしょう。しかしその気持がすぐ四割にも八割にもなっていいという気持じゃないと思う。便利になったという気持でしょう。その点料金の策定として、別段に国会に承認を求める事項でもない。郵政大臣の認可をとる事項でもない。公社がそのまま即時にすれば料金は幾らにでもきめられるということであれば、そういう不見識な、あるいは悪意ある料金決定じゃないと思うけれども、見方によっては、かなり公社が独薄的な料金決定をしているのじゃないかというようなことも、考えられないことはないというようなことで、料金決定についてかなり危険な要素を持っているのじゃないかということを聞いておる。
  169. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) ただいま申されました点は、具体的な問題を抜きにしますと、ある程度、あるいはと、そういうような感じをお持ちになるかもしれないのですが、実際の例といたしましては、この料金の適用の場合に、おかしいと言われたような実例は実は私もいまだ経験がないのでございまして、現実に申しますと、ここに、公社が指定したら勝手に料金がきまるのじゃなくて、指定しましても、キロ程ではっきりきまっております具体的料金しか適用できない点がきまっておりまするし、もう一つは、この場合には即時通話、つまり、ゼロ・ダイヤルでいくとか、あるいは一〇八なり一〇二なり一〇三という申し込み番号に変わらない限り適用されてないのでございまして、加入者の方々から見ましても非常にはっきりわかるのであります。そのように取り扱い方法がはっきり変わった機会に指定しておりますので、現実の問題としてはさほど問題がないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  170. 森中守義

    ○森中守義君 そうしますと、さっき変わった場合に、四割ないし八割増という話があった。こちらの方の一〇キロメートルから云々、長く羅列してありますね。これを逆算すれば四割から八割という意味ですか。
  171. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) さようでございます。
  172. 森中守義

    ○森中守義君 そういうことになると、ある程度制限を受けたとはいいながら、さて四割、八割というのが適正な料金かどうかということになると、相当問題があるのじゃないですか。マイクロをどんどん伸ばしていきますね、そうすると全部これにひっかかってくるわけです、この条項が当てはまってくるでしょう、そのキロ数で。
  173. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) これはこの指定料金区間の料金がきめられるときの経緯は、いろいろ御論議になったと思いますが、私たちといたしましては、実は市外通話というのは即時であるべきだ、従ってこの料金体系は将来の理想の姿である、こういう工合に考えて当時作ったのでございますが、このできました過程におきましていろいろ御意見もございまして修正される点もございます。しかしながらこの全体の体系といたしましては、むしろ待ち合わせ時間がうんとあるという姿の料金体系は将来どんどんなくなって、今後指定通話区間の料金に持っていくべきじゃないか、それで私たちも今後の料金体系といたしまして、しからばはたしてこのようなキロ程の刻みなり料金の刻みがいいかどうかということ、この点につきましても、これは将来の理想といたしまして十分検討したいという工合に考えてはおります。しかしながらこの姿というものは、何も普通通話のものを値上げするのじゃなくて、将来のあるべき姿というのはこうであって、現在残念ながらサービスも悪いので、二時間も三時間もお待ち願う姿というものが理想体系の料金ではおかしいから、もっと安い普通通話の料金にしたらどうかというので今考えております。
  174. 森中守義

    ○森中守義君 この立法のときのいきさつはいろいろ私ども聞いております。電気通信省から電電公社に直すときに、あまり、料金の問題で国会で承認を求めるとかあるいはむずかしい議論がないように、公社立場からこういうのがきまったというのがこれは通説である。そういう一こまもあったように聞いているだけに、今回第二次改定をされる、マイクロはどんどんどんどん伸びていく。そうなると今、大泉局長説明された話からいけば、四割あるいは八割増というきめ方をしていけば、改定が具体的な実行段階に移って、どんどん自動改式が促進していけば四割ないし八割の増収になるという、こういう勘定になるのじゃないですか。
  175. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 今のお話は、そのようなおとりになり方もあろうかと思うのでございますが、現実のことを申します。と、実は即時通話になりますと即時につなぎますために回線数が、常識的に大ざっぱに申し上げまして三倍要るのでございます。ですから一回線あたりの収入はむしろ減るのでございまして、ただ便利になったために通話がどんどんふえて、こちらの方もどんどん仕事をするということによりまして事業が発展していくのでありまして、この即時通話によりましてすぐに値上げするかということになりましたら、これはむしろ一部だけをつかみますならば下がるのでございます。これは先ほど申し上げました通り、そのようなおとり方をされますと私たちは非常に困るのでございまして、これは全体のサービスがよくなるに従ってお客さんの方にも便利になり、事業の万も発展するというようなきめ方、かように御了解願えばいいのであります。
  176. 森中守義

    ○森中守義君 ちょっと、私しろうとなのでその辺の意味がよくわからぬのですよ、つまりさっき言われた自動に変わったために四割増から八割増になるということであれば、やはりこれは自動にどんどん切りかえていけば四割から八割程度の増収というものは必然的に起こり得るのじゃないか、この別表を改正しない限りは。それが一つと。それから、設備の改善にはなるほど投資しました、その見返りも必要だ、そういうように投資に対する措置の問題等はこれは連鎖的にいろいろ問題はありましょうけれども、加入者から取り立てていく料金ということ自体考えるならば、相当増収があるのじゃないか、だからして電電公社がたとえこの別表に羅列されているキロ数による料金を取られても、自動に直る限りは相当増収になるのじゃなかろうか、こう思っております。
  177. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) ただいま申されましたお話は、こういう過程におきますと、あるいはそうなると思うんです。つまり全部普通通話でかけられていたということを前提といたしますと、なるほどそういうことになるのでございますが、現実にはそういうところは待ち合わせ時間がある。いわゆる待機通話という形になりまして、急ぐ方は特急、至急をお使いになる。特急通話は三倍で、至急通話は普通通話の二倍である。そのような方々から見ますならば、四割増、八割増といいましても現実には値下げになるのでございます。それで、この普通通話というものは、また昼間現実にとっておるというところも間々あるかもしれませんが、あまり多くないのでございまして、従いまして、これは決して値上げではなくて、言い方もありましょうが、むしろ値下げといった方がいいのではないかと思われるのでございます。
  178. 森中守義

    ○森中守義君 まあ大体理解できたような気もしますが、もう少し私も勉強させてもらいたいんだけれども、さっき言われたように、羅列されている十キロメートル、二十キロメートルという、これは必ずしも理想的なものじゃない。若干修正の時期がきているというような、そういう御見解もお持ちですか。
  179. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) ただいまの御質問は、おそらく距離の刻み方の御質問だろうかと思うのでございますが、この点につきましては、ただいますぐどうするかという考え方がいいか、あるいは将来にわたって考えた方がいいかという点を実は検討いたしておるのでございまして、この刻み方は、実は先ほどお話がありましたような、郵便線路図というようなはかり方でなくて、別なはかり方にするということになりますと、この刻み方と料金との対応関係は、多少変化しなければならぬじゃないかというような予想もいたしておりますが、まだ細部の検討をいたしておりませんので、どうなるかまだ申し上げる段階ではありません。
  180. 森中守義

    ○森中守義君 どうも、やはり私は四十七条と第四のところがあまり釈然としないので、あとでもう少し局長の方からでも一つ聞かしてもらいましょう。やはりこの解釈からいけば、私は別に間違っている持論を強く主張する意思は毛頭ないのでありますが、やはりこういう具体的な内容を少し聞かしてもらいませんと、どうしても納得ができない。というのは、さっきから申し上げているように、公社が特別の地域を指定して、これからこれだけ上げるんだと言えば、それで終わってしまうというところに料金設定の不安さがある。  まあ、きょうは一つこの問題については、この程度に私はしておきたいと思います。
  181. 野上元

    野上元君 市外電話の電話料金を、まあ将来のことを言うと、いわゆる技術革新によって回線が非常に多くのものを運んでくれるような状態になれば、回線コストというのはうんと下がるんじゃないでしょうか。
  182. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) ただいまの傾向から見ますと、市外伝送路のコストというものは次第に下がる傾向がございます。
  183. 野上元

    野上元君 そうすると、現在の市外電話料金というものも、当然近い将来に検討されなければならぬ、こういうふうに考えるのですが、どうですか。
  184. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) この原価と申しますのは、伝送路だけでなしに、さらに交換ということが非常に大きな要素でございます。それで、電話がふえればふえるほど交換は加速度的に複雑になって参ります。この点につきましても、最近技術の進歩が著しくて相当進んでおりますが、にわかにどれだけ下がるかということは、私ちょっと申し上げかねるのでございますが、私ども公共企業体でございますからには、原価がどんどん下がって料金が将来下がるということが、一つの理想でございましょうが、ただいますぐにそのようなことができるということは申し上げにくいかと思います。
  185. 野上元

    野上元君 総じて現在の料金の体系を見ると、先ほども申し上げましたように、孤立した町から町、それから手動交換ですか、手動交換を中心とした料金制度がとられておるような気がしてならないんですよ。そうすると、今後十年間における技術の革新というものは、おそらく私たちしろうとの想像を絶するものがあると思う。その場合には革命的な電話技術というものが現出するかもしれない。そういう場合に料金制度というものを全く根本的に建て直さなければならぬのじゃないか。市外も市内もそう変らぬじゃないかというふうな状態がくるんじゃないかというふうに考えるんだが、その点は公社はどういうふうにお考えになっておりますか。
  186. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) まさしくおっしゃる通りでございまして、私たちは、この電気通信の理想は距離を克服する、市外も市内もないという形に早く進むのがいいんではないか。ただ現実的にコストの差が相当ある状態におきましては、これをあまり性急にあわててやるのも、利用される方々の利便からいってどうか。やはりそこにある程度の名残りを残さなければならぬのでございますが、将来技術の進歩に伴って、今申されたように市外、市内の差というものは逐次なくしていく方向に向かっていくのが理想ではないかと考えておるのでございます。
  187. 野上元

    野上元君 それで市外通話も最終的には手動交換から自動交換に移っていく、こういうふうになるわけですね。その場合に、料金を計算するというんですか、それはどういう機械を使おうとしておるんですか。電電公社は、自動交換によって市外通話の料金を計算するのは、どういうふうにやっているんですか。
  188. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 今申されましたのは、今後料金を自動的に計算する機械をどういうものを使おうとしておるかという御質問であろうかと思いますが、私が技術のことを説明申し上げるのは適当でないと思いますが、最近のパラメトロンその他の発展に伴いまして、集中処理をする方法がいいのではないかという考え方で、研究が進められておるように承知いたしております。
  189. 野上元

    野上元君 現在はアメリカが使っておるAMAですか、あるいはSATTですか、ああいうものは日本では全然使っておらないんですか。
  190. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) AMAもSATTも現在研究所あたりでは試作もいたしてみてはおりますが、これは現在は実際のものとしては全然使われておりません。
  191. 野上元

    野上元君 米国においてはAMAがべル会社系統で使われておるそうですね。その点は実際には実用になっておるわけでしょう。日本ではなぜ使えないんですか。
  192. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) これはむしろあとで施設局長説明した方がいいかと思いますが、現実にはアメリカのアマは相当高いのでございまして、そういうものを今すぐ日本で使うことがいいかどうかということがございますが、なお施設局長から説明申し上げた方がいいと思います。
  193. 平山温

    説明員(平山温君) 今の営業局長説明に補足して申し上げます。御承知のように、自動式の場合にどういう方法で料金を計算するのか、あるいは課金をするのかということにつきましては、現在わが国で使っておりますのは度数計でございまして、これは市内通話におきましては、御承知のように、一回かけていただきますと、時間にかかわらず度数計が一回回わります。それから先ほどの自動即時通話におきまして今わが国では百キロ以上とかそういう長い自動即時区間は持っておりませんが、非常に近距離の場合につきましては、これも市内の度数計と——この度数計というのは、加入者に一つずつついておるわけであります。その加入者ごとについておる度数計を使いまして先ほどのように十四円の区間の場合には三分間かけますと度数計が二回回る、二十一円の区間の場合には三分間かけますと度数計が三回回るというふうにして、度数計で課金をして料金をいただいておるのであります。今の先生のお話の米国で使っておりますAMAあるいはSATTというようなものをなぜ日本で使わないのか、こういうお尋ねでございますが、その前に、米国以外のヨーロッパではどういう方式を使っておるかと申しますと、実はヨーロッパではドイツとかイギリスとか、こういう所ではAMAを使わずに、やはり度数計で課金しておる国もあるわけであります。わが国といたしましては、先ほどもお話がありましたようにだんだん自動化が進みまして、それから自動即時の区間が今申しました百キロ以下ということでなしに、いずれ、長距離の自動即時もだんだん出ていくと思います。その場合に従来のような度数計のままで課金をするのがいいのか、あるいは今先生のお話になったアメリカ等で使っておりますAMAを使ったがいいのかということにつきまして、いろいろ研究はしておるわけでございまして、またAMAとかSATTという機械そのものについても、研究所で試作をしたり実験をしておるのであります。で、なぜ使わないのかといいますとまだ研究段階にある、あるいはまだコストも現在のところは、技術的に経済的に現在の段階では研究段階にある。  それからもう一つは、サービス上からいって、まだ長距離の自即区間が現実にありませんものですから、まあ、非常に短距離区間だけならば、むしろ従来のような度数計でやる方が簡便だというようなことで、今日まで使っていないのであります。そこで先ほど御指摘の料金のいろいろな問題と関連して、今おっしゃっております将来の技術革新、あるいはそれに伴う市外通話の制度のいろいろな改変等に関連いたしまして、将来日本として使う課金方式として、どういう機械で料金をやったらいいのかということについていろいろ検討いたしましたところ、将来としてはやはり今の私どもの方ではCAMAと言っておるわけですけれども、まあAMAをもう少し集中的にやったようなもの、そういうもので集中的に処理するのが一等課金方式としては理想的ではなかろうか、一応そういうように考えております。しかしこれには技術的に、経済的に問題もございますし、サービス上の関連もありますから、将来その過渡期をどうするかというような問題も実はありまして、その点につきましても、料金の制度に関連して現在いろいろ検討しておる段階でございます。
  194. 野上元

    野上元君 市外通話の自動化による課金体制というのは研究中だそうですが、カラーテレビみたいなものでまだ研究中のようですが、しかしそれは近い将来においては、どうしてもやらなければならぬような状態に追い込められるのではないだろうかというふうに考えるのですが、それはどういうふうにお考えになっておりますか。
  195. 平山温

    説明員(平山温君) 御指摘通りでございまして、まあ近い将来ということですが、もう少し具体的に言いますと、長距離の自動即時を実施するときに、たとえば東京——大阪が今即時通話でございますが、現在は交換手が間に——交換手による手即——手動即時といいますか、この間に今交換手が記帳して料金をいただいておりますから、これは自動の機械が要らないのであります。こういった長距離区間に自動即時が入ったときには、今御指摘のようにどうするかはっきりきめなければならないのであります。  しからばそういう、長距離自動即時がいつから実施に移されるのか、まあこの点につきましては、いろいろ技術上とサービス上と、両方から考えなければならぬわけでございますけれども、三十七、八年ごろからそろそろそういった問題が実用の問題として出てくるのではなかろうか。それで私どもの方といたしましても、まだ若干の時間はございますけれども、先ほど営業局長も申しましたように、大体今年中ぐらいには料金制度と関連して、そういった問題もきめなければならないと、かように考えておるわけでございます。
  196. 野上元

    野上元君 度数制の問題が出ましたが、この度数制に対しては非常に強い批判があるわけですね。批判というか不満があるわけです。定額制の方がいいのじゃないかという声が非常に強いのですが、当局としてはどういうふうにお考えですか。
  197. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 実は今度の料金体系の中におきまして、多少その辺の利用者の方々から批判があるように聞いているのでございますが、これは実は制度それ自体の問題なのか、現実の料金などのきめ方の問題であるのか、いろいろ問題があろうかと思います。ただ私全体の料金体系として考えますに、やはり電話というものは利用する実際の時間と申しますか、回数と申しますか、そういうものに比例して負担をするというのがほんとうなんではないか。ただ非常に小さな局、あるいはまあ磁石式等の局におきましては、これは度数をはかるというそのこと自体が非常な手数である。しかもそれほどしなければならないほど、利用者の方々の中に大きな利用価値の差というものはないという場合でしたならば、均一制もよかろうかと思うのでございますが、まあだんだん局が大きくなりまして、全体を均一にするためには非常な商い料金になるというふうな場合におきましては、うんと利用される方々と、あまり利用されない方との間に、料金に差がある方がいいのではないか。こう考えてみますと、実は度数制の方が本来で、均一制というのはあれは一種の便宜的なものではないか。ことに先ほど野上先生のおっしゃいましたように、もっと広いエリアでものを考えなければならぬのだということになりますと、均一制という体系はだんだん取りにくくなるのではないか、という工合にも考えております。従って私どもといたしましては、度数計に対する批判というよりも、度数計の体系というものがむしろ根本であって、均一制というものは、課金装置その他の便宜からする、一種の便宜的な課金方法だという工合にお考えいただくのが適当ではないか。ただこの間におきまする料金の額をどうしたらいいか、その辺に調整の余地がないかどうかということにつきましては、さらに検討をしたいと考えております。
  198. 野上元

    野上元君 あなたの言われることもわかりますが、公社としてはどっちにころんでももうかるような料金制度、こういうことじゃないのですか。
  199. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) そういうまあ言い方をされますと、はなはだ困るのでございますが、私たちといたしましては、電話というものは利用される方方が非常に便宜な、しかもなるべく安くという工合にしたいと思うのでございまして、度数制にしたからそこでもうけるようにと、こういうのも困るのでございまして、御承知の通り、私たちの方の電話の料金は、小さな方の局は全部赤字になっておるのでございまして、度数制にしたから急に全部が黒字になるというわけのものではございません。大体たしか五、六級同程度以上が辛うじてコストをまかなっておる次第でございまして、それ以下は全部赤字なのでございます。しかしながら、私たちは現在のような磁石式等のサービスのまま、それをペイするというような考え方をとるよりも、将来の理想的な姿に改善する過程において直していく方がいいのじゃないか、こう思うのでございまして、まあいわば自動式のりっぱな電話になって急に高くなったというお考えよりも、本来の姿であるべき姿に、なかなか私どもの方としてもそこに手が回らずに、また今までの歴史的な料金でやってきたという工合におとり願えたならばいいのではないかと考えます。
  200. 野上元

    野上元君 アメリカにおいては、料金を設定するときの考え方といいますか、こういうふうにあなたの方で表わしておられる本の中に入っておりますが、それは、理屈や理論や原価主義だけじゃないのだ。要するに、お客が不満を言わない料金、そうして、しかももうかる料金、これがアメリカの電話事業を今日あらしめた考え方なんだ。  こういうふうに言っておりますが、それはどうですか、公社として、そういうふうにお考えになりませんか。
  201. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) そういうアメリカのような営利的な会社における言い方と、公社立場とは、おのずから違うのでございます。  ただ、今申されました点から言えますことは、あまりに原価主義にこだわるというよりも、利用される方々の利用価値、それと料金とが相伴うという感じ、これを全体の総合原価の中で、どういうふうに割り振るということが、料金体系として一番いいのじゃないかという意味にとれますならば、私たちも同感でございます。
  202. 野上元

    野上元君 それで、あなたの方から、久保先生の要求によって、きょう資料をいただきましたが、この長期資金計画がありますが、これは四十八年度の第四次五カ年計画まで載っておりますが、これまでには、料金改定ということは、全然考えておられないのですか。
  203. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 先ほど施設局長からもちょっとふれましたように、今までのところ、できたならば今年内には料金改定を考えたいと思っておるのでございまして、ただ、今申されました点から説明いたしますと、要するに料金体系は変えるが料金水準は、今のところ変えない考え方である。  従って個々の収入は、水準が同じであるので、このような、はじき方をしている、こういうふうに御説明申し上げたいと思います。
  204. 野上元

    野上元君 それはちょっと、無理じゃないんですか、収入を先に押えておいてそれに料金を当てはめていくといういき方は、それは料金制度としては、どうなんですか。そういうことやれるんですか。
  205. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) これは、料金のきめ方といたしまして、料金体系と、それから具体的な金額という問題点があるわけでございまして、体系がはっきりきまりますならば、これによって幾らの収入を取れるか、これは料金をきめる場合の一番大きな問題でございます。きっちりこれは言いにくいかもしれませんが、大体、同じ程度まではいけるものと考えております。
  206. 野上元

    野上元君 そうすると、三十五年度中には料金改定、いわゆる料金体系を変えると、こういうことになるのですか。
  207. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) これは、総裁からも前に国会でも御答弁があったと思うのでありますが、私たち事務当局といたしましては、できるだけそのようにするように、間に合うように、目下努力をいたしておるのでございますが、ただ、大きな改定というものは、一挙にやるか、逐次にやらなければいけないか、あるいは先ほど施設局長が申しました通り、機械装置の関係でも、一挙に理想体系にいくべきか、過渡的なものを見るべきか等、いろいろ問題がございます。  そういうことも含めまして、料金体系というものは、少なくとも年内にきめなければならないと考えております。
  208. 野上元

    野上元君 私は、先ほど来、料金問題の質疑応答によって明らかになったように、幾つかの矛盾点を指摘しました。そうして、公示も、その点は認められて考究中だと、また、研究する必要があると、こういうふうに答弁されておるのですが、そういう大きな問題をかかえておりながら、この十三カ年間にわたるようなこういう長期の計画を、その問題を放置しておりながらこういう計画を立てられることは、若干軽率じゃないですか、無計画のそしりは免れないのじゃないですか。
  209. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) この点につきましては、むしろ今度の改訂第二次五カ年計画のときに、すでに長期の基本構想を考え、それから料金体系なんというものは、どの方向に向くべきかということをいろいろ検討いたしたのでございます。実は、細部にわたってのものはさまっておりませんが、また、ものによりましては二案、三案とあるものはございますが、ある点の見当をつけてやっているのでございますが、その点からいきまして、このような計画は、決して将来の料金体系と矛盾しない、こう考えているのでございます。
  210. 野上元

    野上元君 今の料金によれば、何らの不合理な点がないということであれば問題ありませんが、私のようなしろうとがあげても、幾つかの根本的な不備な点があるように思うのです。  それを放置したまま計画を立てられるということは、計画自体が、非常に不安なものになるのじゃないか、将来動揺しなければならぬような計画の原因になるのじゃないか。こういうふうに実は心配しているわけですが、あなたの方で出しておられる電信電話経営月報の百十七号に、こういうふうに書いてあるのです。「これに伴う料金体系の是正が早急に行なわれぬ限り、長期計画の遂行は方向の不明確な腰のすわらぬものとならざるを得ず、特に市外サービスの拡充改善は行き詰らざるを得ない。そしてこれは遷延すればするほど、問題を困難なものにし、かつ、将来においてむだとなるべき多額の失費を招く結果となるかもしれぬ危険性をも含むものである。」こういうふうにいわれているのですが、あなたの方で、ちゃんとそういうふうにわかっておりながら、こういう計画を料金改定に手をつけずにやられるということは、おかしいじゃないですか。
  211. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) その書いてありますことの意味は、いろいろとり方もございましょうが、私ども考えておりますのは、もっと端的に申しますと、その言っている意味は、長距離自動即時網というものができ上がるまでには、基本的な料金体系ができ上がらないと困るのではないか、ことに市外の局番等、あるいは課金方法等がきまらないと計画上そごをきたすおそれがあるということをいっているのでありまして、先ほど施設局長も申しました通り、長距離自動即時というものは、現在まだ行なわれておりませんし、また、近い将来できるとしましても、ほんの一部試験的なものでございます。本格的には、来たる三十七年、八年ぐらいでないと始まらないのじゃないかと思うのであります。従いまして、私たちは、できるだけ年内あたりに、基本方法をきめたい、そうすることが将来の計画上、一番いいのじゃないか、今すぐきめなければ動かないものではないが、できるだけ、年内にきめたいということを申し上げているわけでございます。
  212. 野上元

    野上元君 この論文は、あなたの方の幹部の人が書いたものであり、かつ、電信電話経営月報として公社が発行されているのですから、それは責任があると思うのですが、ずっと読んでいきますと、料金に対する不備な点が、幾つも並べてあるわけです。公社みずから認めているわけです。これをほったらかしておいて、こういう長期計画を立てられることについては私は納得できぬと、こう言っているのです。まずこの料金改定の問題を、早急に料金の体系を是正して、適当なものにして、初めて長期計画が立つのじゃないか、いわば基礎工事である。この基礎工事をほったらかしておいて、大廈高楼を夢見ても無理じゃないか、こういうふうに、あなたの方がみずから認めておられるということになると、この長期計画というものは、砂上の楼閣ではないかと私は思う。その点は、どうなんです。
  213. 伊藤誠

    説明員(伊藤誠君) 長期計画に関連しまして、お答え申し上げます。私ども第一次五カ年計画の改訂をいたしましたのは、実は、当初予想しておりました加入者の需要申し込みが非常に多くなりまして、とうてい今の状態で、従来の計画の幅で進めて参りましては、積滞がどんどんふえて参りまして、ますます御不便をおかけするということから、第一次の五カ年計画の中途におきまして、改訂をいたしたのでございます。改訂いたしました分は、第二次五カ年計画でございまして、今後三十五年度以降三カ年間の分を改訂したのでございます。ここに載っております第三次、第四次と申しますのは、第二次五カ年計画を策定いたします際に、どういう目標でやるかということを一応想定いたしたのでございますが、その目標は、第四次五カ年計画が完了いたしました際、すなわち昭和四十七年度におきまして、申し込んだらすぐつくような状態に電話を持っていきたい、それから市外通話につきましても、大部分の市外通話を即時にいたしたい、こういう目標に向かいまして改訂するためには、どういう計画を作らなくちゃいけないかということをベースにいたしまして、第二次五カ年計画につきましてだけ計画の改訂をやったのでございまして、従いまして、第三次、第四次につきましては、第三次五カ年計画中に、幾万の加入者をつける、あるいは第四次五カ年計画中に幾万の加入者をつける、何万をつけるという、大体の見当はつけたのでございますけれども、具体的に、どこをどうするという計画までには、まだ入っておらないのであります。  この提出いたしました資料は、そういう非常に大ざっぱな前提のもとに、この建設資金の調達状況は、どうなるかということを見るために、実は策定いたしたのでございます。従いまして、具体的内容につきましては、今後これを逐次作っていくというふうに相なるのでございます。
  214. 野上元

    野上元君 そうすると、久保委員要求されたこの資料ですね、三十五年度以降長期の資金計画、収支、要員見積りというやつは、これは、必ずしも責任は持てないと、こういうわけですか。
  215. 伊藤誠

    説明員(伊藤誠君) これは、私ども今申し上げましたように、将来の予想でございまして、その前提となりますものは、先ほども申し上げましたように、四十七年度におきまして需給のバランスをとりたい、その時点におきまして、一体幾らの加入者になるかということを想定したのでございますが、現在は三百万をこしております程度でございまするけれども、四十七年度におきましては一千六十万程度になるだろう、一千六十万程度の加入者になりますときに、需給のバランスがとれるように持っていきたい。  従いまして、これは非常に先の問題でございますので、はたして一千六十万になりますか、あるいは私ども、それよりふえるのではないかという気もいたしておるのでございますが、そういう不確定な要素が非常にたくさんございますので、第二次五カ年計画の終わりましたあとにおきまして、第三次五カ年計画を策定して、その途中におきまして、さらに第四次を策定いたすのでございますが、現実に、なるべく将来と申しますか、現実に近い点におきまして、計画を策定いたしまして参りたいというふうに考えておりますので、現在の時点におきましては、見通しと申しますか、目標と申し上げる方がいいかと思うのですが。
  216. 野上元

    野上元君 そうすると、公社としては、躍進する技術の革新等も考慮して、いわゆる昭和四十八年における状態というのは、予想できない、確実には予想できないと、こういうわけですね。
  217. 伊藤誠

    説明員(伊藤誠君) 実際問題といたしまして、第二次五カ年計画を策定いたしました数年後に改訂せざるを得なくなったような状態でございまするので、今後十三年間の問題につきましては、確実に、この通りということは申し上げかねるのでございますけれども、大体趨勢といたしまして考えるならば、もちろん年度によりましてでこぼこはできると思うのでございまするけれども、大勢といたしましては、加入者の伸びと申しますか、需要が、この程度になるだろう、従いまして、若干の変動はもちろんございましょうけれども、大体、こういう見通しでいけるのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
  218. 野上元

    野上元君 次に、これは専門語じゃないかもしれませんが、電話設備費ですね、電話設備費の変遷といいますかね、過去十年間ぐらいにおける変遷を教えてもらいたい。
  219. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) この電話架設のために、加入される方が、どういうような御負担を持っておられたかということの変遷でございますが、これを戦争直後あたりから申し上げますと、昭和二十一年、二年ごろには、昭和二十一年には設備費、二十二年には装置料といったようなもので、二十一年には、全国の一番最高が九百円、最低が三百円でございますが、二十二年には、これが全開八百円に変わりました。二十一年になりまして電話公債という制度ができました。これには公債が三万六千円、それに装置料が千五百円といった制度であったのでございますが、これが二十四年には、公債というものをやめるというような方針に急に変わりまして、これは装置料千五百円だけになったのでございますが、これが昭和二十六年になりまして、電話設備費負担臨時措置法ができまして、負担金というものが三万円または二万円に、さらに装置料四千円というものになり、その後二十八年になりまして、電信電話公社が引き続いて債券を発行することができるようになりましたので、電話設備費負担臨時措置法の一部を改正いたしまして、債券の引き受けを、これに追加いたしたのでございますが、これが最高六万円でございまして、これが現行の制度で、三十一年に、これがさらに延長されまして、現在まで続いいておるのでございます。
  220. 野上元

    野上元君 日本における場合は、戦後において貨幣価値が非常に大きな変動をしておりますので、各年ごとの設備費の比較というのは、非常にむずかしいのですが、結論的にいって、この設備費というものは上がっていますか、下がっていますか。
  221. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) これは一がいに、なかなか申し上げかねるのでございますが、戦前におきましての設備費——施設のための費用は、実は明治、大正のころから至急開通料とか、いわゆる設備費というものがございまして、これは現在から見ますと、非常に高いものでございます。ただ戦後におきましては、一つの理想に近いと申しますか、割安でございます。そのかわり、ほとんど電話がついていないのでございますね。  それが、今のお話を具体的に申し上げますと、電話のつき工場合いから申し上げますれば、むしろ昔の方が高かったのではないか、こういう、工合に考えております。
  222. 野上元

    野上元君 そうすると、安くなったごいうふうに認識してよろしいですか。
  223. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) まあ、戦前の向かった時代から見れば、最近は、お安くなったといっていいのではないかと思います。
  224. 野上元

    野上元君 私が先ほど申し上げました肥爪氏が著わした署書の中に、米国の設備費の変遷状況が書いてある。それを見ますと、一九三九年においては一個当たり二千ドルだった、ところが一九四九年になると、これは五百ドルに下がっている、現在ではおそらく二百ドルくらいに下がっているのじゃないか、こういうふうに言っているのですね。そうすると、十数年の間に十分の一くらいに下がっておる、こういうふうに統計が出ているのですね、日本の場合は、どうしてそういうふうな下がり方をしないのですか。アメリカに、一緒に電電で、行った人いないのですか。
  225. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 今申されたのは、加入者の方が支出されまする架設費なのか、あるいは具体的にかかった工事費なのかよくわからないのでございますが、どうも加入者が一人三千ドルも出したということは、私は実は聞いていなかったのでございまして、戦後アメリカにおいても、一時ある程度積滞を持った時代もございますが、そのような金は出していなかったように覚えております。今二百ドルと申されましたのも、現実に二百ドルも出させておるとは思われない、工事費か何かのことをおっしゃっておるのじゃないか、その点、はっきりいたしません。
  226. 野上元

    野上元君 一緒にアメリカにおいでになっているはずなんですね、電電公社のだれかが。私、調べればすぐわかるのですが、その人に聞けば、大体わかると思うのですが、結論的には、個人が負担するものでないかもしれませんね、これは。しかし設備費が下がれば、結局個人の負担も下がってくるということはあたりまえのことでしょう。少なくとも設備費が十分の一にも下がっておるということは、日本の場合には、どうなんですか、電話一個の設備費、コストの変遷は。
  227. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) このコストの点と、加入者の方が具体的に負担される金額の問題でございますが、コストと申しますのは、先ほどもちょっと申し上げましたように、市外の伝送路等につきましては、どんどん安くなっておるのでございますが、同時に、交換関係の方につきましては、ふえればふえるほど加速度的に高くなる要素がございまして総体的に申しまして、そう著しい値下がりというのは、必らずしも期待できないのではないかと思います。  もし詳細に御必要でしたら、担当の者から申し上げたいと思いますが、ただ、その加入者の方々が、負担された金額はどうか、こういうことを申しますと、実は、私の手元にありまする昔の架設費の物価変動を考慮した現在の換算額というものを申しますと、たとえば大正十四年には、この電話特別開通規則というものが制定されまして、東京あたりの一番高いところは、設備費千五百円を出してもらった、これを現在の物価に換算いたしますと、四十万四千百円になるそうでございます。これは、しかも今度のような債券というような借りるのでございませんで、出しっきりの金額だったのでございまして、このあと昭和二年も、これは千二百円に下がりましたけれども、実際に換算しますと三十八万円、昭和五年でも現在の金に換算しますと、三十九万七千円、昭和六年には四十二万三千円と、こういった金額になっております。従いましてこれを債券の時価等も換算して現在のものを見ますと、あるいは十分の一くらいになっておるという言い方もあるいはできるんじゃないかと思います。
  228. 野上元

    野上元君 さらにくわしいことをお聞きしたいと思うのですが、何か時間もありませんので、ほかの問題に御質問申し上げますが、たとえば三十七年度末における需要の予測といいますか、これは何によって算定されますか。
  229. 伊藤誠

    説明員(伊藤誠君) 私ども五カ年計画をやって参ります際の需要の予測につきましては、大きなワクをきめますための予測と、各局を建設いたしますための予測と、二つあるのでございますが、あとの方の各局を建設いたします際の、その局の大きさをどのくらいにするかということにつきましては、この地域におきまする非常に詳細な調査をいたしましてきめるのでございまするが、大きく毎年何万ずつ加入者をふやして参らなければならないということをきめますためには、いわゆるマクロ的な予測をやっておるのでございます。  やり方は従来の需要の伸びと、経済成長率、いわゆる国民所得の伸びでございますが、この関係を、従来の実績から関係を見出しまして、その状態が、将来も続いていくだろうというふうに算短いたしまして、将来におきまする経済の成長年率を、経済企画庁等でいたしております予測をもとにいたしまして需要を推定いたしておるのが一つでございます。それから次は、電話の使われる方面を大体三つに分けまして、住宅でございますとか、あるいは、私ども産業世帯と呼んでおりますが、住居と店と一緒にいたしました、住みながら営業しているところでございますが、そういうものを産業世帯と呼んでおりますが、この産業世帯と、さらに工場あるいは事務所というような、これを純事業所と呼んでおりますが、そういう住宅世帯、産業世帯、純事業所と、この三つに分類いたしまして、それを将来に向かいまして、各三十七年度末、あるいは四十二年度末あるいは四十七年度末というものに、どれくらいの数になるかということを、これをまたほかの方の統計を使うのでございますが、そういうものを求めまして、それに住宅世帯でありまするならば、従来どれくらいの、たとえば百世帯のうち、どれくらいが電話を持っておるかということなどから算定いたしますし、あるいはまた産業世帯でございますならば、どれくらいの産業世帯当たりの電話の需要になるかということを算定いたしまして、そのようにいたしまして、世帯数の伸びあるいは事業所数の伸びというものに需要率をかけ合わせまして、需要を算定いたしておるのでございます。
  230. 野上元

    野上元君 国民経済の成長率と、きわめて大きい関係があると思うのですが、公社側としては、大体三十三年度から四十年度くらいまでの間の国家経済成長率というのは、どのくらいに見ておられますか。
  231. 伊藤誠

    説明員(伊藤誠君) 私ども算定いたしました数字は、現在までのものは別にいたしまして、将来に向かいまして使いました数字でございますが、三十七年度までは、国民経済の成長年率が六・五%、それから四十二年度までは五%、四十五年度までは四・五%、それ以降四%という数字を使っておるのでございます。これは三十二年十一月におきまする経済企画庁の推定値を使ったのでございます。
  232. 野上元

    野上元君 そうすると将来、政府が行なっておる所得倍増計画が現実に推進され、かつ成功するとするならば、この率でいくと、さらにまた予測需要が、これを上回るものができるのじゃないですか。
  233. 伊藤誠

    説明員(伊藤誠君) 今申し上げましたように、成長年率を使っておりますので、おそらくこれ以上のテンポで経済が伸びて参ります際には、あるいはこれを上回る需要が出てくるのではないかというふうに私ども考えております。
  234. 野上元

    野上元君 そうすると、三十七年度においても、その三十七年度末における需要を把握するというのは、非常に困難な状態ですが、四十七年の末の需要を把握するなんということが、現実にできますか。
  235. 伊藤誠

    説明員(伊藤誠君) 実際問題といたしまして、四十七年度末になりまして私どもが推定いたしました数値が、どうなるかということにつきましては、先ほども、ちょっと申し上げたのでございまするけれども、たしかにお話のように非常に困難な面はあるのでございます。  しかしながら大数的と申しますか、傾向と申しますか、そういう点から申しますならば、そう突然急に変わるというような状態は、おそらくないだろう、まあ変わるといたしましても、逐次変わっていくというようなふうに相なるのではないかと、私考えまするので、たしかにお話のように、確実に四十七年末におきまして一千六十万になるということは、それは断言いたしかねるのでございまするけれども、もし需要が相当伸びて参りますれば、それに対応した計画を、修正していくというふうに相なるのではないかというふうに考える次第でございます。
  236. 野上元

    野上元君 第二次五カ年計画の中途において、早くも、こういうふうな大きな修正をやらなければならなくなつた理由は何ですか、それは。
  237. 伊藤誠

    説明員(伊藤誠君) 第二次五カ年計画を策定いたします際に使いました需要の推定でございまするけれども、これは需要の伸びは、経済の成長に比例するというふうに推定いたしたのでございます。  ところが、実際その後の趨勢を見て参りますと、経済の伸び、需要の伸びは、経済の成長率を上回わっておりましてこれは、わが国だけではございませんで、相当多数の国を調べたのでございまするが、いずれも経済の成長率を上回った需要の伸びがあるということが判明いたしましたので、今回修正いたしました計画におきましては、需要の伸びは、経済の成長、国民所得に比例いたすとは考えておりませんで、それ以上の一・二倍程度の伸びを示すというふうに、算式を修正いたしたのでございます。  こういう点が第二次五カ年計画の当初の計画と、今回修正いたしました計画との相違と申し上げていいかと思うのであります。
  238. 野上元

    野上元君 公社が、かつて需要を予測したもので、的中したことがありますか、あの月報を見ると、的中したことは一ぺんもないと書いてある、しばしば修正をせざるを得なかったのだ、こういうふうに言っておる。当然、今後の十三年間のやつを、あなた方が予測するなんということは私は不可能だと思います。その点は、自信ありますか。
  239. 伊藤誠

    説明員(伊藤誠君) 従来と申しますか、需要の捕捉を本格的に始めましたのは、もちろん推定は、従来もやっておったと思うのでありまするけれども、第一次五カ年計画以降でございまして、当時は、そう的確な推定方法が定められておらなかったというふうに考えられると思います。  従いまして、今お話のように、需要の予測が的中したということが一度もないではないかというお話でございまするが、そういう、どの程度の的中率があれば、的中したかということにも関連をいたすと思うのでございますが、やはり予測は、将来の推定でございまするので、絶対にこれが間違いなく、その通りになるということは、たしかにお話のようにむずかしいと思うのでございまするけれども、やはり私ども仕事を進めていく上におきましては、何らかのよりどころが必要になるのでございまして、私ども考えられまする範囲で、最も確からしいという方法をとったわけでございます。
  240. 野上元

    野上元君 そうすると、公社考えられておる四十七年度末における需要数千五十七万ですか、これはどういうのですか。現在の債券と、それから現在の設備費というのですか、のもとに、実施した場合の需要の総数を示しておるのですか。
  241. 伊藤誠

    説明員(伊藤誠君) その通りでございます。
  242. 野上元

    野上元君 そうすると、この債券を廃止するということは考えないのですか。
  243. 伊藤誠

    説明員(伊藤誠君) 私ども、長期の予測をいたしました場合におきましては、現在の状態が、そのまま続くというふうに考えまして、四十七年度末の需要数を予測いたしておるのでございます。
  244. 野上元

    野上元君 これは、あなたに質問しても仕方がないと思いますが、十三年間にわたって、同じような設備料を加入者に負担させるという方法が、はたして妥当でしょうか。
  245. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 実は、私たち過去において、非常ににがい経験をなめたのでありますが、たとえば公債法が出まして、加入電話をつけて、一年でやめる、そして一、二年して負担金をとる、さらに債券をとる、こういうことになると、つける方々にとって、変動が非常に多うございまして、こういうような、悪く言えば、朝令暮改といいますか、そういう形でなく、加入者の方々の御納得のいく制度の方がいいのじゃないか。むろんこれは永久不変、これよりは絶対変えないという法案ではないのでございます。こういう金額以内という最高限を示しまして、書いてあるのでございまして、私たちといたしましては、一般の調達計画をずっと見ますと、おおむね、このような現在のものを続けるのが、一番いいと思っておりますが、しかも、その間において大きな変動をあまりやって、つけられる方々に、非常な不均衡を起こさない方がいいのじゃないか、こう考えたのでございます。  また、従前は長期の見通しでなしにきまっておったのでございます。しかしながら、私たち長期計画を立てますにつきましては、電話の需要ということを考えまして、昭和四十七年度に目標を置いて、その間に目標に到達しよう、こう考えまして、そういたしますれば、現在の時点において、考えられますこの一番いい方法というものを、なるべく変動なしに続けることが、つけらる方々に、御理解を得るためにもいいのではないかと考えたようなわけでございます。
  246. 野上元

    野上元君 私は、しつこいようですが、躍進する今日において、とにかく十三年間も、同じような状態でこの加入者から負担金をとる、あるいは債券を請負わせるというような考え方は、これはちょっと、公社としても、少し考える必要があるのじゃないかというふうに考えるのですが…。
  247. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) これは、立案過程において、いろいろ考えたのでありますが、この負担法の際におきましても、そのうちには、電話が全部ついて、要らなくなるのじゃないかという意見もございましたが、実は、それは予測違いであって、むしろどんどん需要がふえてきた、そこで、現在の状態から考えまして、ただいま新計画局長が御説明申し上げました通り、この長期計画は、需要の最低限でこそあれ、これが多過ぎることは、まずないであろう、こういう状態のときに、あとのことはかまわずにというようなことは、非常におかしいので、少なくとも現在時点において考えられるものは、完全にやり遂げられるという、はっきりした態勢と意欲をもってやるべきじゃないか。それをはっきりした見通しもなしに、目前だけ糊塗するということは、長期計画の考えとしておかしいんじゃないか。こう考えまして、法制局とも、いろいろ御相談もいたしました結果、このような法体系というものを考えまして、目的と期限というものを、あわせてやるのがよろしいであろうということになりまして、このようなことになったようなわけであります。
  248. 野上元

    野上元君 私は、考え方としては必ずしも反対ではないのです。長期な安定した計画を立てるということは、もう経営者としては、当然なことだと思うのです、私は十三年という長い間の安定した、しかも長期な確率のある計画というのは、無理じゃないかというのです。そういうやり方というのは、もう少し、現実に即したことをやる必要があるんじゃないか。すでに第二次五カ年計画の中においてでさえ、大きな修正を余儀なくされておるという状態の中では、無理じゃないかと言っておるのです。そういうことをする必要はないんじゃないかというのです、あわてて。毎年々々、五年、五年と、計画を立てていけば、十分じゃないでしょうか。
  249. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 実は、長期の計画につきましては、細部につきましては、先ほど計画局長が申しました通り、具体的の加入者数等につきましては、年によって多少の変動はあろうかと思いますけれども、先ほど申しました通り、全国を一本につないでしまうという大きな構想からいきますと、実は第二次、第三次、第四次、どうなるかということも、大ワクではありますが、全部見通しをつけてやっておるのでございます。  ところが、それは法案の点から、法律からいけば、資金はどうなるかわかかぬというようなものでは、現実性のある案が立てれないのでありまして、現に私たちの方では、もう先へ先へ次の計画を考えていっておるのであります。それを短かく切るということは、この電気通信のいろいろ進歩しておる姿、それを見通しながら、どんどん計画を立てている現段階において、あまりこまかく切るということは、かえってその計画というものの現実性を失わしめるのではないかというふうに考えます。
  250. 野上元

    野上元君 そうすると、あなたの方で出されておる長期計画は、設備費においても、料金の収入においても、あるいは今のような加入者負担においても、すべてもう動かざるものとして計画を立てておられるのですね。
  251. 伊藤誠

    説明員(伊藤誠君) 料金収入とか、あるいは支出とかにつきまして、全然、これが現在点と変わらないというふうには考えておりませんで、たとえば収入について申しますならば、現在は、住宅童話が割合少ないのでありますが、将来一千万程度になりますと、相当住宅電話がふえてくるだろう。あるいは共同電話も、相当ふえてくるだろう。また逆に、度数制施行地もふえてくる。あるいは市外通話におきましても、即時になるものが相当ふえてくるというような、そういう変動がございますので、そういう点の変動を予想いたしまして、立てておるのであります。現在点と、すべて同じというふうには、考えておらないのであります。
  252. 野上元

    野上元君 そうすると、四十七年度のこの第四次計画が終わったときには、先ほど来言われているように、需要数は千五十七万ということになるわけですね。そうして、その中の住宅世帯は、大体一八・八%、産業世帯においては二三・四%、純事業所においては二三五・四%、こういうふうに飛躍的に大きくなるわけですが、そうすると、大体、こういう状態になったときに、合理化といいますか、あるいはまた郵政省に委託しているような小さい郵便局における電話事業、ああいうものは、一体どういう姿になってくるのですか。
  253. 伊藤誠

    説明員(伊藤誠君) 郵政省に委託しております電話が、どういう姿になるかというお尋ねでございますが、私ども、今推定いたしております千六十万の電話のうち、約九五%程度が四十七年度末におきまして自動式になるだろうというふうに考えているのでございまして、従いまして残りの五%は、依然として磁石式のままに残るのじゃないか、そういうものは、おそらく郵政委託のままで残るのではないかというふうに、これはまだ、確実に見通したわけではございませんけれども、推定しているわけでございます。
  254. 野上元

    野上元君 そうすると、自動化が九五%までいった場合には、それは全部公社の直轄経営ということになるわけですか、この九五%は。
  255. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) その点につきましては、実は深く、まだ考えていないのでございまして、郵政省の方でも、将来委託の点について、いろいろ御研究でございますが、今までのままでいきますれば、自動局は、全部直営ということに現在なっているわけでございますが、しかし将来、どういう工合にいたしますか、また郵政省と相談があろうかと存じます。
  256. 野上元

    野上元君 しかし、根本的な問題を郵政当局と話し合わずに、こういう長期計画を立てるということは、どういうことなんですか。郵政当局は、全然そのことを知らないということなんですか。
  257. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) ただいまのお話につきまして、ちょっと言葉が足りなかったかと思いますが、この具体的な第二次、第三次というたびに、郵政省の事務当局と詳しいお話し合いをするわけでございます。  実は、先ほども計画局長も申しました通り、おおむね九五%の自動化ということは、五%、つまり一千万でありますから、五十万の磁石式が、そのまま残るというような姿になるわけでございます。  このような、数だけでいきますと、そう根本的な大きな変動でもないじゃないかという考えもありますが、しかしながら局数の変動もございましてこれは第二次五カ年計画の過程におきましても、郵政省当局と御相談申し上げております。また第三次五カ年計画になりましたならば、その間の具体的問題が出て参りますから、その点について、どういう工合にやるか、また御相談申し上げるというふうに考えております。
  258. 野上元

    野上元君 あなたのさっきの御答弁によると、九五%自動化になったものは、全部直轄経営にするかどうかは、まだ何ら話をしていないということを答弁されるから、それでは、そういう根本的な問題について、郵政当局と話し合ったことがあるのか、ないのか、その点を郵政省としては、どういうふうに考えているか、郵政大臣、一つ答弁願います。
  259. 植竹春彦

    ○国務大臣(植竹春彦君) 絶えずこの五カ年計画につきましては、郵政省と連絡があるわけでありますが、ただいまの具体的なことにつきましては、電気通信監理官からお答えいたさせたいと存じます。
  260. 松田英一

    説明員(松田英一君) この計画の、第二次五カ年計画の改訂案はかなり具体的になっております。それ以後の四十七年度までの計画は、非常に大ざっぱと申しますか、大体電話の拡充一つめどとしてやっているわけでございまして、これが具体的に実現をする暁には、そのつど、郵政省と申しましても、これは実際は、現実に郵政事業をやっております事業当局の方ですが、そういう方面と連絡をとって、計画を実施していくということになっておりますので、現在の段階といたしましては、そう詳細に、具体的な一つ一つの虚実についてまで、郵政事業当局と打ち合わせて、計画を策定するという段階にまでは至っていないわけであります。
  261. 野上元

    野上元君 まあ計画について、最終的な打ち合わせが、まだ完全に行なわれていない——今の五%残っても、五十万残るから、大して郵政当局にとっては、問題じゃないじゃないか、今でも、大体五十万ぐらいだ、こういうお話があったのだが、そういうお考えですか、電電公社としては。
  262. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) どうも、言葉が足りないで申しわけないのでございますが、こういう制度が、全然なくなるのかどうかというような御質問のような感じがいたしましたものでございますから、五十万の磁石式は残る、そのうちの、相当多くは委託のままで残るだろう。こういう意味で、制度の根本の問題ではなく大体、こういうふうになるだろうということを考えて申し上げたので、この点、言葉が足りなかったことをおわび申し上げます。
  263. 野上元

    野上元君 これは、郵政当局にも電電公社にも申し上げておきたいのですが、電話の設備が、直覚化されるばかりでなくて、人間が移動するわけですね、こうなった場合に、これが、私は一番大きな問題になると思うのです、将来。この問題を、全然話し合いもしておらないで、一方的に、公社がどんどん、どんどん計画を進めていったときに、大きな障害に私はぶつかると思う。  その問題を、いまだに解決されないで、ただ計画だけを、どんどん、どんどん進めていくというようなやり方は、それは行き過ぎじゃないですか。なぜ、そういう問題について、お互いに話し合いをし、意見の一致を見ないのですか。
  264. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) この問題につきましては、過去から、いろいろ経緯がございまして、一部、十分に了解に価し得なかった前例もないわけではないのでございますが、この問題は、むしろ私たちとしましては、今後郵政省の担当者と私たちの間で、十分話し合って、解決の道を講じ得るものと考えておりまするし、また郵務局とも、今後とも、もっとさらに改善するように、話を進めたいと考えているわけであります。
  265. 野上元

    野上元君 その点は、また後ほど御質問する機会があると思いますので、今保留しておきますが、かりに、四十一年度末において、すべての公社の計月が実現された場合には、おおむね三帯に一個の電話がつくということになると思うのです。その場合に、電報などというものは、もう必要なくなるのじゃないか、非常に今日の状態とは変ってくるのじゃないかと思うのです、電報に対する考え方が。その場合の電報事業に対る、電信事業に対する公社の計画というものはありますか。
  266. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) この計画ということになりますと、あるいは私が答えるのは、筋が違うかもしれませんが、私たち昭和四十七年度末における話の普及状態ということを考えましときに、半分がおそらく業務関係、半分が住宅になると考えますと、全国二千万世帯とすれば、四戸に一つぐらいになるのかしらと考えたこともあるので、これでも、まだまだ発展性もあると考えたこともあるのですが、その際における電報の姿ということにつきましては、むしろ私たちの考えは、電報というものは、本来電話で足りるもののために使う、こういう姿よりも、電報本来の姿に使われる。つまり記録通信として使われるべきものと、こう考えておりまして、この電報の中には、やはり記録をとるために、電話だけでは用の足りないものも相当ございます。  ですから、この点につきましては全然用がなくなるとは、むろん考えておりませんので、むしろ横ばいなり、ある程度多少減りぎみでありながら続いていくというのは、実は電話の相当普及しております諸外国でも、電報が横ばいで続いておりますので、そういうことになる。同時に加入電信と申しますか、電信で加入者同士が通信し合うという方式、これが諸外国で非常に発展しておりますので、電信面では、むしろ記録通信を加入電信によってやるという部面が非常に発展をするのではないか。それからまた加入電信以外に専用線による電信、たとえばIDPと言われておりまするが、データを全部集中して電子計算機にかけてしまうというようなことで電信を使うというような動きも、相当進んでおりますので、電信というものは、そういう面で非常に発達を見るのではないかという工合に考えております。
  267. 野上元

    野上元君 そうすると、将来電信事業における収入は、ふえこそすれ、減らない、こういうことですか。
  268. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) これは、実は加入電信は、まだ始って間もないのでございますので、将来の収入につきましては、料金体系等にも多少影響するかとも思いますが、この電信の将来について、加入電信が相当将来のホープと考えてしかるべきものという工合に考えております。
  269. 野上元

    野上元君 そうすると、今の電信体系から加入電信体系へ移行するということになると、現在の電信要員というものは、どうなるのですか、ふえるのですか、減るのですか。
  270. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 今の御質問は、少し私の言葉が足りないと思いますが、今の一般の電信が、加入電信へ全部移行するという工合におとりになりますと、私の言ったのと違うのでございまして、加入電信と申しましても、結局加入者でない方は、使えないわけでございますから、諸外国の加入電信が相当発達しておりますところでも、一般の電信は、多少減りぎみかもしれませんが、横ばいで続いておるということを申し上げたのでございまして、その要員が加入電信の方に、どれだけ移るかというようなことについては、私、御答弁申し上げる筋ではないのでございますが、むしろ電信要員の問題は、中継機械化の問題とからんで考えられる方が大きいのではないかと考えております。
  271. 野上元

    野上元君 そうすると、四十七年度末における電信要員というのは、現在の要員と比べると、ぐっと減るのですか、それともふえているのですか。
  272. 伊藤誠

    説明員(伊藤誠君) 四十七年度末におきまする具体的に電話の要員がどう、あるいは電信の要員がどうなるかという具体的な算定は、実はまだいたしておらないのでございまして、いわゆる総体として、人員がどの程度ふえていくかという算定をいたしておるのでございますが、しかし電信につきましては、ただいま営業局長が御説明申し上げましたように、第四次五カ年計画が終わりましても、電信はそう減らない、収入面から申しましても、大体横ばい程度にいくであろうというふうに推定いたしておるのでございまして従いまして、確実なことは今申し上げる資料は持っておらないのでございますが、電話の交換要員の変動と申しますか、それを見ますと、それよりも変動の程度が少ないのじゃないかというふうに推定いたしておるのであります。
  273. 野上元

    野上元君 そうすると、今あなたの方が出されておる法案は、電話事業の拡充計画だけですか。
  274. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) これには、「電信電話の設備の拡充」と書いてございますが、特に加入電信に関しては、非常な大きな拡充を計画いたしております。
  275. 野上元

    野上元君 私が聞きたいのは、あなたの方で電話の画期的な拡充を行ない、かつまた加入電信制度を拡充するということになれば、一般の電信事業というものは非常に大きな影響を受けると思うんだが、それをなぜ同時に計画として出されないのですか。
  276. 伊藤誠

    説明員(伊藤誠君) 四十七年度におきまする目標につきましては、先ほど申し上げましたように、電話の事業のバランスをとる。それから市街通話の即時化を大体進めていくという大きな目標のもとに、一応の試算をやったのでございまして、具体的な計画につきましては、先ほど来申し上げておりまするように、今後具体化して参るのでございまして、今の段階におきましては、詳細な点につきましては、まだ申し上げる段階まで至っておらないのでございます。
  277. 野上元

    野上元君 私は、この法案の審議がおくれておるという原因は、やはりそういうところにあるのじゃないかと思うんですよ。  電電公社で電話の拡充をやるけれども、将来の要員関係は、どうなるのだ、電信の関係は、どうなるのだ、給与の関係、あるいは労働条件は、どうなるのだというようなことが全然なくて、あなたの方は、ただ電話さえつければいいんだ、とにかく年間四十万個つければいいんだ、それだけで事足りるのだと、こういうふうな計画を立てられるから、従業員としても非常に不安な状態になると思うんですが、もう少し公社としては、従業員が安定して仕事に従事できるように計画をし、かっこれを組合に提示して、その同意を求めることが必要なんじゃないでしょうか。
  278. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) これは、計画局長から申し上げるべきことだと思いますが、先ほどちょっと申し上げたことと関連するので、つけ加えたいと思いますが、電信の要員につきましては、一番大きく変動しますのは、電報中継機械化でございます。今度のわれわれの長期計画では、電報中継機械化は、おおむね第二次五カ年計画中に完成するということになっておりまして、要員問題等は、全部その第二次五カ年計画において計画してあるわけでございます。  そこで、その後の動きというものを見ますと、先ほど申し上げました通り、電報がそう急激に減るかということにつきましては、諸外国の例から見て、ある程度横ばい程度じゃないか、減っても、ほんのわずかじゃないか、むしろ加入電信の方で大きく伸びるのではないかというような点等から、細部の検討は、必ずしもやっていないと計画局長は言ったと思いますが、私たち大きな見通しといたしまして、むしろ電報の要員問題というのは、第二次五カ年計画中に、ある程度安定するのじゃないか、こう考えております。
  279. 鈴木強

    鈴木強君 私は、またあらためて、この問題については質問いたしますから、きょう多くは申しませんが、一計画局長の答弁を聞いても、営業局長の答弁を聞いても、今野上委員指摘している電信電話拡充計画というものは、中身は電話の拡充であって、電信というものに対して、しからば四十七年の時点においてどういう推移をたどって、しかも加入電信なり、専用線利用の電信利用なり、こういったものが、どういう趨勢に行くのか、これ自体が計画がないじゃないですか。具体的なものは、そのときになって考えるとか、これから検討するとか、そういう、あんた中身と、胴体と違うような計画を立てているところに、非常に私は不満を持つのですね。  特に私は、電信の問題については、従来も、かなり料金政策を含めて、現在の赤字克服対策を基本的に立ててもらいたい。これは歴代の郵政大臣にも、強く要請したところです。  そういった事業であるだけに、これからの方向が、どう向かっていくのか、あなた方は、横ばいだとおっしゃるが、専用線の利用なり加入電信なんか、どんどんふえていく場合に、はたしてどういう趨勢をたどるかということは、そう軽々には断じられないと思うのです。しかも要員対策については、これは中継機械化によって、大体変わるんだという判断は、これはあやまちであって、問題は取り扱い件数が、どういうふうに変化していくか、これによって、要員対策が変わっていく、そういう、大まかな見通しを持っていない、また郵政事業委託についても、非常に私は不満がある。今特定局に委託することが是か否かということは、大いに論議があるところなんですよ。むしろ郵政側では、委託料金というものを、もらってやっておるんだが、かなりその問題が出てきている。  ですから、これは公社、が発足するときにも、取扱所といいますか、そういう形にして国営方式でやったらどうかという意見もあったくらいですから、今度四十七年度までの長い年限、電電公社があらゆるすみずみまで、そういう格好でやるのかどうかということも、これは基本の政策として、やはりきめなければならぬと思いますよ。しかも五十万個の磁石式が残るとおっしゃいますけれども、これは、かなりの今の取扱所というものが、市街集中なり集局なりになって、大都市の周辺のこの自動改式に伴う特定局の集中というものが、今はかなり激しくなっておる。だから、電話が、五十万の数になれば、もうかるというけれども、中身というのは、がらりと変わってくる、そういうことを考えてみますると、その要員対策をどうするかということは重大なる問題だと思う。  監理官の話を聞いても、まだあまり詳細に打ち合わせもしていない、しかもこの計画は、大ざっぱだということを監理官は発言している。何だか知らんが、努力目標みたいな感じも受けるような気がするので、こういう国会に対する提案については、私は非常に問題があると思うのです。  だから、私はそれらの問題については、次回に質問いたしますが、もう少し、われわれの納得できるような資料を整備して、電信はこう、電話はこう、特定局の問題についてはこうだと、こういうような、関連を持った一つ御答弁ができるように、議事進行をかねて、私は申し上げておきたいと思いますが、非常に不親切なやり方なので——あるがごときことを言ってもいるんだが、実際あなた方が作った第二次五カ年計画の拡充を見ても、電信の行く先々が、どうなるか、さっぱり抽象論だけであって、具体的に一つも示されておらない。こういうことは私は非常にいかぬことだと思うのです。これは議事進行上、私はちょっと発言しておきますが、一つ勉強しておいて下さい。
  280. 野上元

    野上元君 これも、公社の経営月報に載っておるのですが、三年後には、電信の音響通信はなくなることになる。そうして配達制度も、大幅に変えなければならぬ、こういうことがうたわれておるのですが、これについてのあなたの方の計画は、どういうふうになっておるか。——権威ある御答弁ができないということになると、それは何にもなりませんから、運用局長がおられるときに、さらに私の質問は保留します。きょうは、大体私の時間が来たようですから。
  281. 森中守義

    ○森中守義君 営業局長にさっきお尋ねした件、少し私の方で整理してみましたら、多少はっきりしてきたんです。  それで、この改式前と改式後における収入の増減の状況は、特定の区間で、二、三カ所わかりますか。
  282. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 今申し上げた改式とおっしゃるのは、おそらく即時通話に変えたということだと思いますが、そういう区間につきましては、割合に短かい期間ならば、これはとったものがあるかと思います。これは、ほんとうは長期にわたって調べるのがほんとうかもしれませんが、一応の推移を見ました短期のものは、あると思います。
  283. 森中守義

    ○森中守義君 これは全国至る所——そういう、膨大な資料は要りませんから、自動になる前と、なった後の収入の状態を、資料として二、三カ所出していただきたい。
  284. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) ちょっと私、理解いたしかねるのでございますが、と申しますのは、自動になったと申されるのと、即時とは関係がないのでございまして、自動、即時というものは、自動化の機械にすることはございますが、即時というのは、自動にならなくてもやることがあるのでございます。これはまた、すでに自動になっていたもの、双方が待時であって、それが即時なる、たとえば、最近伊勢崎—東京間、あるいは今度は熊谷と東京が即時になるということは、何も自動化と関係がないのでございまして、御質問は市外関係のものも含めての御要求でございましょうか。市内だけのものでございましょうか。
  285. 森中守義

    ○森中守義君 これは、私のお尋ねしている最初からの質問の要点をつかんでいただくと、御理解いただけると思って、そういう聞き方をしたのです。言い方が悪ければ、直します。聞きたいのは、要するに、四十七条二項の規定を適用する前と後は、どうなのか、こういう聞き方をしているのです。わかりましたか。出せますか。
  286. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 承知いたしました。
  287. 森中守義

    ○森中守義君 それから、さっきの答弁によりますと、この市外通話地域の、それぞれ指定をされた距離がありますね。この距離に、大体四割をかけるのですか。たとえば、八十キロの所は四十円となる、この四十円を、そのまま告示されるのか、あるいは四十円に四割をかけるのか、これはどっちですか。
  288. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 実は、それは、その際の経緯でございまして、その金額は、ここに一覧で全部指定してございまして、この上欄に書いてあります待時通話の料金を指定通話区間にいたしますと、自動的に、その下の欄になるの百でございます。  ですから公社の計算ではなくて、この表に書いてある市外通話……。
  289. 森中守義

    ○森中守義君 あの大泉さん、こういうことですよ。要するに「第四十七条第二項の規定により公社が指定する地域相互間の通話」と、こうありますね。この算出というのは、さっきの答弁を私が聞いたところでは、距離にずっと……、十キロは十円、下の十四円とありますね、これをそのまま告示をするのか、あるいは十円とあるのに、円制をかけて出すのか、どっちかと、こう聞いているのです。
  290. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 現在の告示の仕方は、たとえば東京—伊勢崎間を指定通話区間に指定すると、それだけでようございます。そういたしますと、法律上当然この区間が適用されてくるわけでございます。
  291. 森中守義

    ○森中守義君 ちょっと、私の質問も要領を得ていないかわかりませんが、こういう意味なんです。要するに、地域指定が行なわれていけば、四割上がるという説明があったわけですね。指定する前と指定した後との比較が、どんなんだと、こういう聞き方をしたところが、普通と至急の大体中間をとつて、それは四割ぐらい高くなるだろ、こういうお話があったでしょう、さっきの答弁の中で。それならばその指定ということが、そのまま、十キロまでは十円ないしは十四円という、ここに出ている表が、そのまま適用されるのか。もしそうであるとするならば、いわゆる指定前の料金は、これに三割滅っているわけですからね、そういうことでしょう。あるいはそうではくてこの十円に四割をかけたのを口示されるのか、この表が、そのまま出るのですかと、こう聞いているのですが、ちょっと意味はわかりませんか。
  292. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 実は、この告示の仕方を、公示の仕方をここで申し上げればいいと思うのですが、ここに書いてありますのは、指定されたら、この料金だと書いてあるのでございますから、公社が、区間だけを指定しますと、自動的にこの表が適用されることになるのでございます。  ですから金額は、全然指定しないのでございます。どの区間が指定通話区間かということだけで、つまり特急、至急を扱わない区間は、この区間は扱いませんと、こう指定いたしますと、自動的にこの表の下の方の欄が適用される、指定しない場合は、上の方の欄が適用される、距離は、その間変わりございません。  先ほど四割と申し上げましたのは、実は計算の過程でございまして、一番下の欄を一番上の欄で割りますと、大体八割増しか四割増しの現実になっております、という説明でございまして指定の過程において、公社は全然計算しないのでございまして、ここに書いてある通りでございまして、どうしてきまったかということを申しますと、そのときには、それは至急と普通の間できめようじゃないかという、そういう経緯でございます。  至急は、どのくらい、特急は、どのくらいかという実際の料金を勘案して、きめたものでございますから、遠距離の方は特急が多かったものだから、多少割り高になっておるところがございますが、それは何も指定を上げるのじゃなくて、そのときの指定の収入歩合い、これは特急、至急、普通のあり方というものを、もとにして、きめられたものである、そういうことでございまして、四割とか八割とかいうものは、上の欄と下の欄との比較だということで御了承願いたいと思います。
  293. 森中守義

    ○森中守義君 わかるのですけれども、ただ、しろうとの質問に対するくろうとの答弁ですから、ちょっとこれは、私も多少ぼけているかもしれませんよ、だけれども、それでも、実ははっきりしないのは、要するに地域指定を受けると、キロ数即金額という、ここに掲げてあるものを、そのままお出しになるのか。そうでなくて、さっき四割という数字を言われたけれども、たとえば三十キロまで一十五円とありますね、これに四掛けの料金が出てくるのか。いやそうじゃない、二十キロまでは二十円、三十キロまでは二十五円というふうにお出しになるのか、そこのところが、よくわからない。
  294. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 具体的の例を申しますと、東京—小金井間は、現在待時で二十五円だったと思います。そこでかりにこれが即時になりましたときに、公社として東京—小金井間を指定通話区間とする、こういう告示をしますと、自動的に下の欄の一十八円が適用されるようになっております。
  295. 森中守義

    ○森中守義君 そういうことになれば、結局ここに掲げてある市外通話地域というのは、これはあくまでもこの指定に関係ない地域料金なんでしょう。これは三百十九ページにある市外通話地域というのは、距離、金額というのは、この指定には特別関係ないのでしょう。
  296. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 御質問の御趣旨、よくわからないのですが、実は、非常に関係あるのでございまして、指定されますと、この下の欄が適用されるのでございますから、これはもう直接関係あるのでございます。  結局先ほど申し上げました説明が非常にまずうございましたので、四割、八割と全部捨てていただきまして、指定されたら、その区間が何キロあるかということさへわかれば、当然下の欄が適用されるのだ、ただ、それを前の料金と比べて、どうなるかということを逆算して計算してみると、四割高のものがある、あるいは八割高のものがある、こういうことでございます。
  297. 森中守義

    ○森中守義君 どうしても、私が何か先入感を持って聞いているので、多少、答弁者も理解しにくいような質問をしているかわかりませんが、それじゃ、もう一つ聞いておきますが、この普通を基礎にして、四割増ということでしょう、普通を基礎にして、指定前の四割増しですね。そうなると、指定をされたために、従来の普通の関係の人は、恩恵をこうむっておらないで、逆に、今度は特急、至急の方だけが、恩恵をこうむっておる、こういうことになっているのですね。
  298. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) おっしゃった通りでございまして、実は、指定市外通話区間というのは、昼間は、特急至急でなければ、用が足りない輻湊した区間のサービスを改善して、即時通話にした区間でありますから、特急、至急から見れば安くなるのでありますが、普通通話は、夕方、夜間等でなければ通じない場合が多いのでございまして、夜間料金については、普通通話料金と同額に定めた次第でございます。  なお、四十七条二項の「公社が指定する地域相互間」と申しますのは、東京とか小金井という地域を指定するのではなくて、東京—小金井間という区間を指定するのでございます。東京と小金井の間が即時であるならば、東京—小金井間と指定し、小金井と武蔵野間が即時であるならば、また別に小金井—武蔵野間と指定するのでございます。
  299. 森中守義

    ○森中守義君 どうも私には、はっきりしないのですが、ただ、これだけは一つ聞いておきたいと思う。要するに、四割という話が出ましたが、その四割の根拠は、一体どこにあるのですか。
  300. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) 四割というのは、取り消してもいいのですが、料金表、つまり市外通話料、別表第四をごらん願いますと、十キロメートルまでというところの上の欄が十円で、下の欄が十四円でございますので、この差が四割ということを申し上げたのでございまして、それ以外には、何も意味がないのでございます。  それから、八割と申しますのは、三百二十キロメートルまでというところをごらん願いますと、上の待時のところが百円で、下の即時のところが百八十円になっていますので、その差が八割だということだけでございます。
  301. 森中守義

    ○森中守義君 そうすると、この告示が、そのまま出るということですね。
  302. 大泉周蔵

    説明員(大泉周蔵君) その通りでございます。
  303. 森中守義

    ○森中守義君 四割、八割というのは、この中に出ておる。——いや、わかりました。
  304. 柴田栄

    委員長柴田栄君) ほかに、御発言もないようですから、この件に関しては、この程度にいたしたいと存じます。  これにて、散会いたします。    午後四時四十三分散会