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山田節男君 これは甘利君も昨年六月の中旬に就任され、
植竹郵政大臣も六月の中旬に就任されたのですが、その後、これは昨年の七月、八月にかけてだったと思いますけれども、アメリカから、これは偶然か故意か知らぬけれども、アメリカのRCA系統のNBC、
カラーテレビジョンをやっておるNBCの社長が来た。それから続いてABC、CBSのスタットンとかキントナー社長とか、これは私みんな会って、約一時間以上にわたって話をした。NBCのサーノフ社長は、もとよりこれは具体的にNTVの招待と勧誘があって来ておる。であるから、サーノフ氏の話というものは、もうすべて
カラーテレビジョンの一点張りです。しかるにABC、CBS、それから一昨年、来ましたBBCの社長、この話も、帝国ホテルで私は約一時間ぐらい話した。これらの現にアメリカでNBCが
カラーテレビジョンをやり、そうでない、慎重にやっておるABC、CBSの社長の
諸君の話を聞いてみると、こういうことを言っておる。プログラムに色をつけたからといって、そのプログラム番組は決してよくなるものではない、これは非常な至言だと思うのですね。であるから、決してわれわれ急がない。その他は、今甘利
局長が言われたような、N
TSC式のいわゆる欠陥と申しますか、コストが高い、安定度がない、調整がむずかしい、まあこういったようなことで、とにかく
カラーテレビジョンというものを急ぐ必要はない。こういうことです。
〔理平松平雄君退席、
委員長退席〕
それから、もう
一つは、NBCはああいうことを言っておるけれども、
日本で
カラーテレビをやる場合、一体何百台というものを東京でたちまち見る人があるか。
放送法から見れば、アメリカの通信法もそうだけれども、そういう街頭で見せるものは、これは
放送でない。なるほど
放送法の第一条にうたっている趣旨からいえば、
日本の
放送法の第一条からいっても、街頭で数百名の者が集団でこれを見ているのは、これは
放送でない、ブロードキャストじゃないというのですよ。ラジオでもテレビでも、家庭においてみんな一家団らんして見るのが、これが
放送だ。これは
日本の
放送法の第一条にもそういうことがうたってある。
電波法の第一条にもそういうことがうたってある。
そこで、先ほど来
郵政大臣に申し上げておる。一体、昨年のそういう多年の経験を持つ、外国から来て、
テレビジョンというものに対するそういうきわめて謙虚な、また事業経営家としてきわめて慎重な、それから日進月歩の技術のテンポの早さというものを十分知っておるからしてあせらない。しかるに、もう歴代の
郵政大臣、ことに
植竹郵政大臣は、もう何が何でもこれはやらなければならぬ、
テレビジョンの
調査会のさしあたってというこの
言葉、これに対して何ら決定的の線もつけないで、この
委員会で
一つの条件をつけてお願いしておったものを、十八日の
電波監理審議会にかけてしまうということですね。一体そういうようなやり方というものは、これは私は
電波監理局の
局長、その他幕僚
諸君の
責任があると思う。
もう
一つ、私は具体的に申し上げるが、このことについてかなり良心的である
——電波監理局長といえば、これはもう一
郵政大臣の外局のような、そんな内局の
局長とは違うのです。
立法、
行政をつかさどる大
局長でなくちゃいかぬ。であるから、もう少なくとも
電波監理局長という者は
郵政省の一内局じゃないのです。もう
内閣へ総理府にそれを輝くか、
総理大臣の干渉も受けないというぐらいの
立場になくては、この
電波行政はうまくいかないというのが、これがアメリカの一九三四年に連邦通信法を作ったゆえんなんです。まるで無
政府主義的になったら迷惑するのは
国民です。しかるにそういう大
局長であり、大
責任を持っておる
電波行政に対して、技術的なアドバイスをしなければいかぬ甘利
局長に対して、先ほど申し上げたように、国際標準
方式に対して
——今の
理由は、なるほど若干わかりますよ。しかし、あなたは政治的なことには、干渉できない。これは
郵政大臣が全
責任を持ってやるのだが、しかし
郵政大臣を誤らせない、長い目で見て誤った道を踏まないようにするためには、そこにあなたの補佐する
責任があるというのは、そこなんですよ。どうも今あなたのおっしゃった御
答弁では、あなたがもう
自分が
責任を持っても、一般
国民はよく知らないのです。色がついていればきれいだなというところぐらいで賛成している。それは世論じゃないのです。そういう世論はもう決して
国民の世論じゃないのです。これはあなたが就任すると同時に
新聞で発表しておられるように、もう
ほんとうにこの
国民の世論はないのです。ただ一部の者が
カラーテレビジョンをやりたがって、わあわあ騒いでいる。従って、これはあせる必要がないということを
電波監理局長は言っておられる。しかるに、わずか半歳を経てむしろ、
大臣これなら大丈夫です、おやりなさいというように、あなたの
意見がそういうように変わったというならば、それを裏づけるだけの、少なくともわれわれを納得せしむるような、つまり技術的な裏づけがなくちゃならぬ。しかし今あなたの御説明によれば、これも決して完全なものじゃない。もちろん、それは私は百パーセントの完全を求めません。それは求めるのは無理です。求めませんけれども、しかし、あなたが良心的におっしゃってこれなら大丈夫ですというように、どうも
大臣に保証して、これなら大丈夫ですというように忠告なさったようにはないように私は思うのですがね。この点どうですか。これはやがて
カラーテレビジョンがいよいよ実施されることになって、その後あともう数年閲すれば、その結果ははっきり現われてくるのです。ですから、今のあなたの技術的ないろいろな御説明があるが、それにプラス
電波監理局長として大
局長として
しろうとの
郵政大臣に対してこれは政治的であろうがあるまいが、あなたは率直に、こういうようにすべきですということを、これは言わなくちゃならない。これは私、今のあなたの御
答弁なり、
大臣の
答弁、最近の本問題に関しての
郵政大臣の行動等を見ますというと、これはここじゃ、あなたたちははっきりおっしやらぬけれども、
郵政大臣が政治的
理由でもって、
電波監理局長以下、全部のそういう
専門家の
諸君を押えつけてしまってもうとにかくこれを裏づけろというような命令を受けて、これは、むしろ良心に反したようなことであるけれども、理屈をつける役を買ったということにしか私は聞こえないのですけれどもね。これはもうおそらくこの問題についての最後の
質問になるかもしらぬから、あえて私は申し上げますが、この点
一つ明瞭にしていただきたい。