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1960-02-25 第34回国会 参議院 逓信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年二月二十五日(木曜日)    午前十一時八分開会   —————————————   委員の異動 一月二十八日委員牛田寛辞任につ き、その補欠として大竹平八郎君を議 長において指名した。 一月三十日委員西田隆男君、中村正雄 君及び須藤五郎辞任につき、その補 欠として山口重彦君を議長において指 名した。 二月二十三日委員大竹平八郎辞任に つき、その補欠として奥むめお君を議 長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     柴田  栄君    理事            鈴木 恭一君            手島  栄君            松平 勇雄君            森中 守義君    委員            黒川 武雄君            野田 俊作君            最上 英子君            谷村 貞治君            鈴木  強君            野上  元君            光村 甚助君   国務大臣    郵 政 大 臣 植竹 春彦君   政府委員    郵政大臣官房長 荒巻伊勢雄君    郵政大臣官房電    気通信監理官  松田 英一君    郵政大臣官房電    気通信監理官  岩元  巌君    郵政省監察局長 荘   宏君    郵政省郵務局長 板野  学君    郵政省貯金局長 山本 圭二君    郵政省簡易保険    局長      大塚  茂君    郵政省電波監理    局長      甘利 省吾君    郵政省経理局長 西村 尚治君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    日本電信電話公    社総裁     大橋 八郎君    日本電信電話公    社副総裁    横田 信夫君    日本電信電話公    社職員局長   行広 清美君   参考人    国際電信電話株    式会社社長   町田辰次郎君    国際電信電話株    式会社専務取締    役       大野 勝三君    国際電信電話株    式会社取締役営    業部長     八藤 東禧君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○郵政事業及び電気通信事業運営並  びに電波に関する調査  (郵政大臣所管事項に関する件)  (日本電信電話公社事業概況に関す  る件)  (太平洋海底同軸ケーブル建設計画  に関する件) ○派遣委員報告   —————————————
  2. 柴田栄

    委員長柴田栄君) ただいまより開会いたします。  まず、委員変更についてお知らせいたします。  二月二十三日、委員大竹平八郎君が辞任せられました。その補欠奥むめお君が委員に選任せられました。
  3. 柴田栄

    委員長柴田栄君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件の審査、並びに郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査のうち、放送に関する問題調査のため、日本放送協会会長野村秀雄君、同じく副会長溝上けい君、同じく専務理事前田義徳君、同じく専務理事田辺義敏君、同じく小野吉郎君、同じく総務局長赤城正武君、同じく経理局長春日由三君を参考人に決定いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 柴田栄

    委員長柴田栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査として、太平洋海底同軸ケーブル建設計画等に関し、参考人として国際電信電話株式会社社長町田辰次郎君、同じく専務取締役大野勝三君、同じく営業部長藤東福君の御出席をお願いいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 柴田栄

    委員長柴田栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。よって、手続その他につきましては、委員長に御一任願います。
  6. 柴田栄

    委員長柴田栄君) 郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査を議題といたします。まず、郵政大臣より、所管事項概要について御説明をお願いいたします。
  7. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) それでは郵政省所管事項につきまして概略御説明申し上げます。まず、ただいまのところ、この国会で御審議をいただくこととしております法律案は、すでに提出いたしました電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律案及び日本電信電話公社法の一部を改正する法律案のほか、簡易生命保険法の一部を改正する法律案であります。電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律案内容は、電信電話に対する国民需要が急激に増大したことに対応いたしまして第二次五カ年計画拡大改定により、電信電話設備の飛躍的な拡充計画実施するためには、膨大な建設資金を必要といたしますので、加入電話加入申込者等に従来以上の御協力を願うことを趣旨とするものであります。日本電信電話公社法の一部を改正する法律案も同じく建設資金調達の一方伝として、日本電信電話公社外債発行する等のため必要な改正を行なおうとするものであります。簡易生命保険法の一部を改正する法律案は、簡易保険保険金最高制限額を引き上げようとするものであります。なお、このほか、公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案の提案をいたすつもりでおりますが、これは、国家公務員共済組合法恩給法守改正に伴い、国家公務員公共企業体職員との間に長期給付内容の不均衡を生じておりますので、これを是正するため等の改正であります。次に、郵政事業現況等につきまして御説明申し上げます。先般の全逓の年末闘争により、全国円にかなりの郵便物の滞留が発生し、年賀郵便の運行につきましても相当な困難が予想されたのでありますが、藤林あっせん案によりまして団交問題は一応の解決を見、団体交渉が再開されて、年末首業務はおおむね正常に近い状態で運行することができました。この間の皆様方の御配慮に対しましては、ここに厚くお礼申し上げます。団体交渉が再開されたことに伴い、思案となっておりました全逓の新賃金問題につきましては、先般仲裁裁定が提示されましたが、省としては、かねてから、すべての職員にひとしくこれを実施したいと考えていたところでありますので、その実施はできるだけ早急に行ないたいと思っております。その他、団交再開に伴い、組合から提起された問題に対しましては、誠意をもって交渉に当たり、解決して参りたいと考えております。このように全逓正常化によりまして郵政部内の労使関係明朗性を取り戻しましたことは、事業のために喜ばしい次第でありますが、団交再開を契機とし、この際特に健全な労使慣行の確立に意を注いで参りたいと考えているところでございます。  なお、年末闘争違法行為者等に対する処分につきましては、事態が円満に解決したことを十分考慮に入れ、できるだけ避けたいところでありますが、昨秋以来の違法な闘争により、国民に多大の迷惑を与えた事実及び暴行、傷害、公務執行妨害等という刑事事件に該当するような行為は看過することができませんので、職場秩序維持の上からその責任を追及する行政処分を行なった次第であります。  郵便事業運営はおおむね順調に進んでおります。すなわち、引き受け郵便物数の面から見て参りますと、本年度四月から十一月までの内国郵便引き受け物数は、通常郵便物約三十九億二千万通、小包郵便物約六千九百万個で、これを前年同期に比較いたしますと、通常七・七%、小包七・八%それぞれ増加しております。また、外国郵便では、通常郵便物は約三千四百万通、小包郵便物は約七十七万個で、前年同期に比較いたしますと、通常九・三%、小包一二・三%の増加となっております。また、同期間の郵便収入は四百六十三億円でありまして、予定収入に対して四・五%の増、前年同期に比較しまして八・六%の増となっております。  なお、今期年末首に差し出されました年賀郵便物は目下集計中でありますが、およそ十億一千万通程度になるものと思われます。これは前年度に比べて約四・二%の増加であります。  郵便貯金につきましては、本年度増加目標額は、当初一千億円と決定したのでありますが、経済事情の好況と関係従事員努力とによりまして、好調な増加を続け、早くも昨年十二月下旬には当初の目標額を突破し、年度初頭以来、二年二十三日までの増加額は一千三百八十六億円に達して、追加の分を加えた増加期待額一千二百五十億円をも上回る実績をあげ、これにより、先般の伊勢湾台風による災害復旧等の原資としての役割をも十分に果たし得たのであります。また、二月二十三日現在の郵便貯金現在高は九千七百五十六億円となっておりますが、郵便貯金は季節的な事情から、例年二月から三月にかけて減退を示しますので、年度末までの間、さらに努力を続けて参ります。  昭和三十五年度郵便貯金増加目標額につきましては、本年度の増勢、来年度財政投融資面からの要請及び事業経営上からの必要性等、諸般の情勢を考慮いたしまして、一千三百億円と予定しております。郵便貯金の現在高は、本年六、七月ごろ一兆円に達する見込みでありますが、わが国経済の安定的な成長をはかり、国民生活向上を期するためには、さらにその増強をはかることがきわめて重要であると思われますので、増強施策等につきましても一そう充実をはかっていきたい考えであります。  簡易生命保険及び郵便年金の両事業は、おおむね順調な伸張を見せておりまして、本年一月末現在、簡易保険契約件数は四千四百六十七万件、契約保険金総額は一兆八千七百八十四億円に及び、郵便年金契約件数は百二十七万件、契約年金総額は四十億円となっております。また、両事業資金総額は、同じく本年一月末現在、五千九百五十一億円の巨額に達しております。  郵政関係犯罪は、前年度までは漸次減少する傾向にありましたが、本年度は、遺憾ながら、ただいままでのところ、若干増加している状況であります。犯罪防止につきましては、昭和三十一年度以降、監察実施方針重点を、特に事故犯罪徹底的防止と、現業局における管理体制指導に置いて、各般の措置を講じてきたのでありますが、本年度もこの面に一そう意を用いまして、犯罪防止の実をあげるよう努力しております。  次に、電気通信関係について申し上げます。  太平洋ケーブル設置については、新型ケーブルの利用による世界的な通信網の急速な発展の状況に即応し、わが国としましてもその設置の必要を認め、これについては、昨年当初に、わが国国際電信電話株式会社米国側アメリカ電話電信会社との間に瀬踏み交渉が行なわれ、その後検討を続けてきたところでありますが、最近米国側において、この種ケーブルに使用するさらに進んだ新技術についての研究試作が完成いたしましたので、新技術の視察と、なお、ケーブル設置問題について具体的な交渉を行ないますために、国際電信電話株式会社から関係者が渡米された次第であります。  カラーテレビジョンの問題につきましては、就任以来、約八ヵ月間にわたって慎重に各方面から御意見を承って考慮を重ね、また、私自身ITU会議出席しましたおり、できるだけの時間をさいて各国の実情を見て参ったのであります。  また、わが国カラーテレビジョンに関する権威者専門家をもって構成されているカラーテレビジョン調査会におきまして研究調査の結果、昭和三十三年十一月第一次の中間報告として「白黒テレビ発達状況から考えて、VHF帯では両立式が望ましい」旨を発表し、さらに昨年十二月、第二次の中間報告として「現段階においてはカラーテレビジョン実施するとすれば、NTSC方式以外に見当たらない」との結論を発表いたしております。私といたしましては、この結論を慎重に検討いたしました結果、カラーテレビジヨンについては、この際、方式を決定する場合には右の方式によることを明示するのが適当であると考えまして、その旨発表したのであります。この方針実施するためには、省令改正等が必要でありますので、改正省令案電波監理審議会に諮問いたす運びになりますが、電波監理審議会におきましては、さらに法律で定められた聴聞において、関係各界の御意見を十分に承った上で答申を出されるものと考えます。私といたしましては、各方面の御意見電波監理審議会の御意見を十分尊重いたしまして遺漏のないよう措置いたしたいと存じております。  また、現在、日本放送協会実施している東京及び大阪二つ教育テレビジョン放送に加えて、二十七地区においても協会教育テレビジョン放送実施が可能になるように、本年一月十四日、テレビジョン放送用周波数割当計画表の一部を改正いたしました。  次に、当省所管昭和三十五年度予算案について御説明申し上げます。郵政事業特別会計におきましては、歳入歳出予算総額は千八百九十三億円でありまして前年度の千七百三十九億円に比べて、百五十三億円の増加となります。歳出予算内訳は、業務費千三百九十二億円、業務外支出額四百二十四億円、郵便局舎等建設費五十億円、公債及び借入金償還金十八億円、予備費八億円、歳入予算内訳は、郵便固有業務収入六百九十五億円、他会計からの受入収入七百三十九億円、設備負担金七億円、借入金二十七億円、業務外収入四百二十四億円、となっており、また、定員は四千五百三十三人の増加となっております。  郵便貯金特別会計予算は、歳入歳出とも六百八十二億円を計上いたしておりまして、前年度に比べて八十七億円の増加となっております。  簡易生命保険及郵便年金特別会計におきましては、歳入が千七百四十億円でありまして前年度予算額に比べますと百七十億円の増加となっており、歳出は六百二十七億円でありまして前年度に比べますと九十三億円の増加となっております。以上の歳入歳出差額千百十三億円は積立金になっております。なお、一般公共貸付運用資金といたしましては、千百五十億円を確保する予定となっております。  一般会計におきましては、歳出予算総額二十億九千四百万円でありまして、これを前年度に比較いたしますと二億六百万円の増加となり、定員は三十一人の増加となっております。  次に、日本電信電話公社昭和三十五年度予算案について申し上げます。  昭和三十五年度は、電信電話拡充第二次五カ年計画の第三年度にあたりますが、加入者開通は三十七万加入公衆電話増設一万三千個、市外回線増設百九万キロメートル、霊話局建設二百五十六局等の施設増によりまして、電信電話拡充サービス向上を強力に推進いたしますとともに、町村合併対策、無電話部落対策にも重点を置きまして、次の通り編成されております。すなわち、損益勘定におきましては、収入は二千二百九億円、支出は一千七百二十億円で、差引四百八十九億円の収支差額を生じますが、これは建設財源及び債務償還に充てられることになっております。建設勘定におきましては、その総額は一千二百八十五億円でありまして、前年度当初予算八百五十億円に対し四百三十五億円の増加となっております。建設資金調達は、自己資金を七百九十七億円、外部資金を四百八十八億円と予定しております。また、これに対する支出といたしましては、一般拡張工程に一千二百二億円、町村合伴に伴う電話サービス改善に四十億円、農山漁村電話対策に四十三億円となっております。  なお、ほかに外貨債七十二億円を予定しており、この財源をもって加入者開通三万加入、その他の施設工程を追加することを考慮いたしております。  日本放送協会昭和三十五年度予算につきましては、その収支予算等は、放送事業五カ年計画の第三年度計画を実現しようとするものでありまして、おもな事業計画は、ラジオについては、難聴地域の解消及び外来混信防止のための放送網拡充を進めるとともに、放送業務質的向上に資するため、老朽設備改善を行ない、また放送番組内容の刷新をはかること等であります。  テレビジョンについては、総合放送主要置局を完了した上、微電力放送等により、空白地域の補完をはかる一方、教育放送網普及を積極的に推進することとし、また、番組については、全国番組及びローカル番組拡充をはかることとしております。  また、受信者維持及び開発のための対策を積極的に講ずることとしております。  なお、予算総額は三百七十二億九千八百万円でありまして資本収入七十五億円、事業収入二百九十七億円、資本支出九十三億円、事業支出一百七十五億円となっております。  以上をもちまして私の説明を終わりといたします。何とぞ格段の御協力、御支援を賜わりまするように切にお願い申し上げます。
  8. 柴田栄

    委員長柴田栄君) 次に、日本電信電話公社総裁より、事業概要について御説明をお願いいたします。
  9. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 日本電信電話公社の本年度事業概況並びに昭和三十五年度予算案につきまして御説明を申し上げます。  まず、予算実施状況でありますが、事業収入につきましては、最近の一般経済状況を反映し、きわめて好調でございまして、予算額の一千八百六十五億円を若干上回る増収が予想されるに至りました。  建設勘定につきましては、本年度は、成立予算額弾力発動額、前年度よりの繰越額合計いたしまして、予算現額は、総額一千十九億円でありますが、十二月末までに六百八十一億円を支出し、進捗率は六七%で、おおむね順調に進んでおります。  現在までに実施いたしました工程のおもなものにつきまして申し上げますと、十一月末現在加入電話は、農山漁村電話普及対策分を含め二十万八千、公衆電話は一万一千、市外電話回線は、専用線を含めまして五千八百回線、四十六万四千キロメートルをそれぞれ増設いたしております。その結果、十一月末における加入電話の数は約三百十一万二千、公衆電話の数は九万三千となり、市外電話回線専用線を含めまして八万六千回線、五百六万八千キロメートルとなりました。  次に、昭和三十五年度予算案について御説明をいたしますと、最近における経済規模拡大国民生活向上に伴い、急激に増大した電気通信サービスに対する需要に即応するため、公社は既定の電信電話拡充第二次五カ年計画拡大修正を行ないましたので、これに基づいた電気通信設備拡充を行ないますとともに、前年度に引き続き電信電話サービス向上経営合理化をはかることといたしました。  まず、事業収入について申し上げますと、電信収入百九億円、電話収入二千三十八億円を中心といたしまして、合計二千二百九億円の見込みでありまして、三十四年度予算に比べ三百四十四億円の増加となります。  支出のおもなものについて申しますと、人件費は六百五十四億円でありまして、前年度に比し五十三億円の増加となっておりますが、これは昇給、期末奨励手当の増額、仲裁裁定による給与改訂分生産性向上協力手当及び増員等を見込んだためであります。物件費は二百八十七億円で、前年度に比し二十七億円の増加となり、業務委託費は二百六十億円、減価償却費は三百七十三億円で、前年度に比しそれぞれ十九億円及び六十億円の増加となります。以上の結果、収支差額、は四百八十九億円となり、前年度に比して百七十一億一円の増加を見込んでおります。  次に、建設勘定につきましては、三十五年度総額千二百八十五億円でありまして、前年度成立予算額八百五一十億円に対し四百三十五億円の増加となっております。  建設資金調達自己資金を七百九十七億円、外部資金を四百八十八億円と予定しておりますが、特に、外部資金につきましては、今国会政府より御提出の電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律により、四百八億円を期待するとともに、公募債券発行を五十五億円、簡保及び運用部資金による電信電話債券引き受けを二十五億円予定しております。なお、このほか、予算総則において七十二億円、米貨にして二千万ドルの外債発行し得るよう規定しております。  主要建設工程について申し上げますと、まず、サービス工程でありますが、加入電話は、外債発行による三万加入を含めまして、合計四十万加入公衆電話一万三千個を増設してサービス改善をはかることといたしております。市外電話サービス改善につきましては、市外回線は、専用線を含めて約百十三万キロメートルの増設を予一定しておりますが、これにより、大阪中心として近畿、中国地方の大半の県庁所在地相互間を即時化するとともに、きわめて密接な関連のある都市相互間、すなわち京都——福知山、舞鶴間、青森—函館間等、二十二区間即時化を行ない、さらに大都市近郊都市等市外通話で、サービスの非常に悪い区間即時化予定しております。  次に、基礎工程でありますが、三十四年度末におきまして設備が行き詰まって電話増設ができない局は四百五十五局に達しますので、この窮状を打開するため、三十五年度におきまして前年度より継続の九十八局のほか、百五十八局の工事に着手し、合計二百五十六の新電話局建設工事実施いたしますが、このうち、年度内に完成してサービスを開始いたします局は八十二局の予定であります。  市外伝送路につきましては、市外通話即時化並びにテレビジョン放送局の開局に寄与するため、同軸ケーブル及び無装荷ケーブルを十六区間建設するとともに、マイクロウエーブにつきましては、前年度からの継続区間のほか、既設の幹線のルート増設を含めて十八区間の新設に着手する計画であります。  電報の中継機械化につきましては、大分、東京大阪及び岡山の四局について工事実施する予定であります。  次に、町村合併に伴う電話サービス改善計画は、前年度と同様四十億円をもって実施することとし、四百二十八局の電話局の統合と二万二千四百キロメートルの市外回線増設を行なって、約四百六十区間、約六百局の局間通話即時化実施する予定であります。  農山漁村電話普及特別対策につきましては、特に農村公衆電話増設重点を置くこととし、前年度に比べ八億円増の四十三億円をもって六千個の公衆電話又び約一万一千五百加入共同電話設置いたしますと同時に、百二十五カ所の団体加入電話の架設を予定いたしております。  次に、公社関係法律案といたしまして電信電話設備拡充のための暫定措置に関する法律案及び日本電信電話公社法の一部を改正する法律案がございますが、これらの法律案はいずれも公社長期計画を遂行するための基盤となるものであり、公社といたしましても、その趣旨を体しまして十分努力いたし、もって国民の与望にこたえる覚悟であります。  以上をもちまして説明を終わらせていただきますが、この機会にあらためて日ごろの御指導と御鞭撻に対しましてお礼申し上げますとともに、今後ともよろしく御援助を賜わりますようお願い申し上げます。
  10. 柴田栄

    委員長柴田栄君) この際、郵政事業及び電気通信事業運営並びに電波に関する調査として、太平洋海底同軸ケーブル建設計画等に対しまして質疑の通告がございますので、これを許します。
  11. 鈴木強

    鈴木強君 大臣が今席におらないようでございますが、私の質問大臣関係がございますので、御出席がないとちょっとできないのですが……。
  12. 柴田栄

    委員長柴田栄君) 今、すぐ戻って参りますから……。
  13. 鈴木強

    鈴木強君 で、その前にごく簡単な問題ですが、一つ、二つ太平洋海底同軸ケーブル以外の問題で質問いたしたいと思います。
  14. 柴田栄

    委員長柴田栄君) どうぞ。
  15. 鈴木強

    鈴木強君 電電公社の方にお尋ねをいたしますが、現在公社では指定管理職に対して月額調整手当として支給しているようでございますが、それはどういうふうになっておりますか。
  16. 横田信夫

    説明員横田信夫君) 指定管理職に対しまして、先生のおっしゃるように月額調整手当を出しておりますが、御質問の点がよくはっきりいたしませんので……。それによってなお御説明いたしたいと思います。
  17. 鈴木強

    鈴木強君 それは公社の内規といいますか、一つの通達といいますか、そういうものによって支給されているのてございますか。
  18. 横田信夫

    説明員横田信夫君) さようでございます。
  19. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますとその後、最近、通達か内規か知りませんが、そういうものをお変えになったことはないのでございます。
  20. 横田信夫

    説明員横田信夫君) 調整月額につきましては、ごく部分的なものは必要に応じて随時やっておりますが、最近全面的な改正をいたしたことはありません。
  21. 鈴木強

    鈴木強君 これは私まだ自分で確認をしているものではないのでございますが、聞くところによりますと、非常に公社が今合理化が進んでおりますし、そうしてこの問題を中心にして労使間にもいろいろ労働条件の問題で問題が提起されているようでございますが、その御苦労のほどは私たちもよくわかりますが、何とか一つ労働条件の向上の中に合理化が進捗していく、こういう姿を出していただいて、全従業員の協力態勢を仰ぐ、これが本質だと思うわけです。そういう合理化が非常に急速に進捗しておりますので、御苦労でございますが、何か聞くところによりますと、この合理化に回ってきた局ですね、合理化される局、その局の局長なりあるいは課長なりに、ここでおきめになっております通達か内規かわかりませんが、そういうものより以上の調整月額を支給されている。こういうことがございますんですか、それは事実でございましょうか。
  22. 行広清美

    説明員(行広清美君) 私どもといたしましては、調査加給というものは、職務の責任と内容という点を考慮いたしまして支給を定めているわけでございます。それらの関係からいいまして、特にその後の調整で非常に職務内容に責任というものが加重されたといったような局長に対しましてその情勢に応じまして、若干の増額をなし得るということを実施いたしまして、各部分的でございますけれども、取り計らいをいたしております。
  23. 鈴木強

    鈴木強君 その原資はもちろん超過勤務手当の中から出て参るのでございましょうか。
  24. 行広清美

    説明員(行広清美君) さようでございます。
  25. 鈴木強

    鈴木強君 今ここで私詳細の内容につきましては控えますが、今のお話で、大体一般的な基準はあるが、特に合理化が進行する過程で事務量その他非常に輻湊してきたら大へんだ、従ってそういう点について考慮をしてやっておる、こういうことでございますが、一つ後ほどでけっこうでございますが、現在の調整月額の支給基準ですね、各局長ごとに違うと思いますが、それと、それからもう一つは、特にそういう考慮をしていただいておる局所の支給基準、そういうものの資料を後ほど委員長、お出しを願いたいと思うのでございますが、それでよろしゅうございますか。
  26. 行広清美

    説明員(行広清美君) 承知しました。
  27. 鈴木強

    鈴木強君 それから引き続いてもう一つ伺いたいのは、公社には、就業規則というものがございます。これは労働基準法その他によっておやりになっておると思うのでございますが、それと同時に、労使間において労働協約というものがございます。これは労働協約は少なくとも就業規則に優先すると私は思うのですが、たまたま公社になりましてから労働協約というものと就業規則とのスタートがずれておりまして、就業規則が先に作られたという経過がございます。そこで団体交渉によって労働協約がきまりました場合は、当然就業規則が変わっていくと思うのでございますがね。そういう点は、現行の結ばれている労使間の労働協約に抵触する部面は勅業規則上はございませんでしょうか。
  28. 行広清美

    説明員(行広清美君) 抵触するものはございません。
  29. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、今公社で就業規則の改訂をお考えになっておるようでございますが、一方、労働組合の方でも労働協約の改訂を公社に要求されておるようでございます。これは電気通信事業が日本の産業の中で、特に先ほど来申し上げておりますような合理化がかなり急速に進捗しておりますので、必然的にこの労働協約の解消ということはかなりこれから行なわれると思うのですね。そういう際に就業規則をあなたの方ではいじろうとする、片や団体交渉によってきめなければならぬ問題がある、そういう段階に今あるというように私思うのでございますがね。ですから、就業規則をお変えになることについて、その内容にはきょうは触れませんが、少なくとも考え方として、やはり労使間で今の結ばれております協約というものを改訂する場合もあるでしょう。ですから、そういうものをむしろ優先的に処理して、それから就業規則の改訂をおやりになった方が、私は労使間の問題としては適切ではないかと思うのですがね。その点はどうでございましょうか。
  30. 行広清美

    説明員(行広清美君) ただいま私申し上げました、労働協約に抵触する就業規則はありませんということを申し上げましたのは、本質的にそういうものはあり得ないのでありまして、そういうものがあればそれは無効であると、こういうように申し上げたのであります。  ところが、現在私どもで改正をいたしたいということで、現在、組合の方と労働協約に基づきまして協議をしておりますものは、そういうものではなくて、結局現在の就業規則というものは、当然職員に対しましてその労働条件あるいはまた服務規律というものをはっきりと明確に、しかも現実にマッチしたものとして示さなくちゃならないものでございますが、制定当時からその後の経過を見ますと、労働協約が改正になったもの、あるいはまた法律改正になったようなもの、こういったようなものがそのまま就業規則の面では表現としては残されておるわけでございます。従ってそういうものをこの際やはり明確にする必要がある。それからもう一点は、立法の趣旨というものが、あるいは制定の趣旨といった方がいいでしょうが、制定の趣旨というものが誤解されやすいということが明らかになっておりましたものにつきましてそれを改正したらどうだろうか、こういうふうに三つの点につきまして現在のものにマッチするように改正をする、こういうことで現在私どもとして考えておるわけでございます。従いまして現在それにつきまして組合の方にも提示をいたしまして、組合意見を聞きまして、それにつきまして協議をしておる、こういうふうな段階でございます。  そこで労働協約というものが制定されました場合におきましては、当然それが優先するわけでございますから、今後団体交渉によりまして労働協約の内容が変わった場合におきましては、それによりましてさらにまた就業規則の改正ということをやらなくちゃならないというふうにまあ思っておりますけれども、現在の段階は今申し上げましたようなことでございまして現実にマッチするというものにするという意味の改正であります。
  31. 鈴木強

    鈴木強君 公社のお考えはわかりましたが、一般的な労働行政との関連もおありのようですし、そうしますと、このILO条約の批准等も今国会になされるというような一つの段階にあるわけですね。従ってこのILO条約が批准された場合に、今政府が言われているように、国内法の整備をやる。これはまあいろいろの企業に影響がくると思うんですが、そういうもの等の関連で、十分に時間を置いておやりになった方が私はいい、ように思うんですがね。ILOを批准された場合に、電電公社はどうなりますか、その公社法等の関連ですね、これはどんなふうにお考えですか。
  32. 行広清美

    説明員(行広清美君) ILOの批准の場合におきましての問題につきましては、まあ成案を得た上におきまして、私どもといたしましても十分検討していかなくちゃならないというふうに考えておるのでございますが、なおその点につきましては、まだ具体的に、内容を正式にも承っておりませんので、いろいろと問題を取り上げて想定をいたしまして検討はしておりますけれども、今の段階ではまだはっきりと申し上げる実情にはなっておらない次第でございます。
  33. 鈴木強

    鈴木強君 今まで、全電通という労働組合があるわけですが、その労働組合から、労働協約の改訂について皆さんの方に要求がございますね。そういうその労働協約改訂ということが、この就業規則にかなり影響のあることだと思うんですね。ですから、こまかいことはきょうは私時間の関係で言いませんけれども、大きな思想としては、やはりそういう労働協約の改訂をやろうじゃないかという考え方が両者にあると思うんですね。あると思うんですから、そういうその本筋の問題を片づけて、それからその就業規則というものをもし改訂するとするならばやっていくと、そういう方向にいった方がいいと私は思うんですがね。その点の判断が、ちょっとあなたの御説明ではよくわかりませんけれども、そうすることが私は本筋じゃないかと、こう思うんですね。そういう思想で今後おやりになるお考えはないですか。
  34. 行広清美

    説明員(行広清美君) 労働協約の改訂の問題につきましては、今後労使間でいろいろと団体交渉を進めていかなくちゃならないわけでございまして、これはまあ今後の問題として、どのようなことになりますか、まだ、もちろん今もって結ぶことはできないわけでございます。そこで、私どもといたしましては、従来から改正方を取り運んでおったものにつきましては、この際まあ一ぺんはっきり整理をして改正をしておこう。なお、今後労働協約の改正によりまして、就業規則の改正をするとすれば、それはその問題として取り上げてやっていきたい。まあこういうことで、二段がまえにしていった方がむしろいいのではないかというふうに考えて、取り運びをしているようなわけでございます。
  35. 鈴木強

    鈴木強君 まあきょうはこの程度に私とどめますが、希望意見として申し上げておきますが、もちろん、考え方はいろいろあると思います。しかし、問題は、就業規則にしても労働協約にしても、労使間の業務の運営についてスムーズに、しかもトラブルなく、きめられた就業規則なり協約に基づいてやっていこうとするのが、これは精神ですから、その改訂をめぐって、逆に、今公社の方で二段がまえというお考えのようですが、そういうことよりも、私の言っている考え方の方が本筋だと思うので、その辺は、改訂のときにトラブルを起こしていくなんというのは愚の骨頂だと思います。従って、労使間において一つ十分に、私のさっきから申し上げているような基本的な、今後の労働行政全般に関連をしてくるような問題は、ILOとの関係もございますが、しかしまあそれについては大したこともないようでございますが、いずれにしても、そういう一般的な労働情勢との関係の中で配慮をしていただいて、一つ円満にこの協約の改訂なり、あるいはその就業規則というものが、いわゆる全職員の希望に合うようなものでないといかぬと思います。まあ労働基準法上、半分とか三分の一とかいう制限もあるようですけれども、いずれにしても半数以上のあれがないと、これは実際やってみたってそのことによってトラブルも起きるということになるわけですから、そういうトラブルをなくすためにも、一つ改訂の時期も十分なる配慮をしていただいて進めていただきたいと思います。これを強く希望いたしまして、きょうはこの程度で終わっておきます。  大臣がお見えになりましたので、先ほど概況御説明の中にも触れられておりました太平洋海底ケーブルの問題についてこの際、私は、政府のお考え、それから公社の考え方をお聞きしておきたいと思いますが、当委員会でもすでに質疑がありまして、昨年この太平洋横断の海底ケーブルの布設については、郵政省が仲立ちをしましてこの基本的な確認事項と申しますか、ATTとKDDとの問の代表者の話し合いというものが七項目に集約されて報告されておるわけです。で、これに基づいて最近、お話にありましたように、国際電電から人が向こうに派遣されておりますが、これを派遣する際に、郵政大臣としてお聞きしたいのは、まず第一番に、この基本協約に基づいてどうしたらよろしいか、どういう御指示をやったかどうか、やったとすればどういう内容であった。  それからもう一つは、これはもちろん民間会社相互間の契約ではございますが、特に太平洋というような、公海に海底線を布設する場合でありますから、当然外務省との連係を密にして対アメリカとの関係を調整する努力をされると思うのですが、ATTは、御承知の通り、かなり政府当局の干渉を受けている会社だと私は思うのです。まさにKDDと同じような性格だと思いますから、そういう点で国際ルート、外交ルートというものを活発に使うべきだということを私は前回も主張しておったのです。この点どうなっておりますか。その二つをまずお尋ねしたいのです。
  36. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) ただいまお話しのございました通りに、ATTとKDDとの間に瀬踏み交渉もすでに済みまして、また試作品の実験、またその打ち合わせ、建設、施設の打ち合わせについて、KDDあるいはメーカーの方等がアメリカに行って、数日前に帰ってこられましたことも事実でございます。これに対しましてただいま御質問がございました郵政省方針といたしましては、この布設につきましては、従来から国際的の慣行といたしましては、むろん外務省または郵政省等がこれを監督、指導して参るのが当然でござい、漢するし、また事柄によりましては、外交交渉も外務省の所管事項として考える場合もあるわけでございますが、おおむね業者同士のコマーシャルの話し合いによりまして行なわれているという国際間の従前からの慣例等も尊重いたしまして、ただいまその線で今のところは進めておりますけれども、また段階によりましてただいま御指摘のありました、これは外務当局といたしましてもむろん重大関心を持ち、その交渉の任に当たる場合も出てくると存じます。郵政省といたしましては、むろん外務省とも打ち合わせ、了解の上にこの事態に善処しつつある実情でございます。
  37. 鈴木強

    鈴木強君 その最初の質問の一つですがね。国際関係については大体わかりました、その外務関係とのことはね。で、あなたが向こうに行くときに相談を受けたと思うのです。受けた場合に、どういう指示をされたかということですね。やったか、やらないか、やったらそれを一つ聞かしてもらいたいのです。
  38. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) これから向こうべ行くというあいさつがございましてかつそのときに説明も受けたのでございますが、その際に、まだ、試作品ができてそれを実地に研究に行ってくる、こういう程度でございましたけれども、なお、この問題につきましては、詳細ただいま電気通信の監理官が出席いたしておりますので、その方から打ち合わせの内容、KDDの出発前の打ち合わせの内容につきましては、監理官から御説明させたいと思います。
  39. 鈴木強

    鈴木強君 監理官から御説明いただくのもけっこうですが、前から私は大臣に対して、こういう問題に対しては郵政省自体がもっと積極的に援助といいますか、支援といいますか、そういう体制を政府として作るべきである。これは国際通信政策ですから、私はそのことを強く要望しておったはずなんです。ですから今大臣が、内容がわからなくて、監理官に説明させようというのですが、そういう行く場合に、少なくとも大臣と密接な連係をおとりになって行くに際しては、どういう構想でやったがよろしいとか、そういう政府当局の御趣旨もKDDの方に示してあると私は思うのです。現に、業界紙はもちろんですが、一月十九日ごろの商業新聞にもかなりその報道がされております。ですから、そういう点について大臣が知らぬということはないと思うのです。私は、こまかいことまで一々大臣が御了承とは思いませんが、少なくとも大きなアイデアとして、どういう方法がいいかということについて、私はあなたから直接お聞きしてこまかいことは監理官でよろしゅうございますが。
  40. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) 私の実は目の前で、出発前にKDD当局の、電気通信関係の事務当局、技術当局とも話しをいたしまして打ち合わせましたのは、これから試作品を見にいってくる。そうすると、試作品を見にいってくれば、しょせんこのケーブルがどこべ陸揚げされる、どういうルートを通るとかいう、この問題の一番の大きな眼目ともなるべき問題の話もむろん出ることであろうと存じまして、またその資本の構成とか製品の製作につきましても話し合いがむろん出ることと存じましたので、それらの点につきまして、十分日本としてどういう方針でこれを製作していったらよいか、また向こうの意向がどうであるかということ、まず向こうの意向を十分承知いたしまして、それからこちらとしてもそれに対応していくのがしかるべき順序であり、そういうふうに大体において指示をいたしましたので、そこで陸揚げの問題とか資本構成の問題とか、建設上の問題等について、詳細は監理官からお答え申し上げた方がよろしいかと思ってそう申し上げた次第であります。
  41. 鈴木強

    鈴木強君 その点はちょっとおきますが、質問の二の方の外務省との関係でございますが、大臣は衆議院の逓信委員会で、今おっしゃったのとちょっとニュアンスが違うように、いわゆる外交ルートというものは、これはもう関係ないんだ、直接やれるんだというような趣旨を言われたのですが、違いますか。
  42. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) そういうことはなかったと思いますが、なおその点は、もしそう述べたとすると、これは即刻にも向こうの方を取り消しておかなくちゃならぬと存じますので、取り調べまして、衆議院の委員会に対しては善処をいたしたいと存じますが、これはやはり外交交渉の段階で、外務当局が交渉するような段階になる場合もあろうかと存じますが、ただいまの段階としては、絶えず外務省と連係をとっておりますが、今の段階では、まだコマーシャル・べースの上で交渉しておる段階である、その段階を申し上げた次第でございます。
  43. 鈴木強

    鈴木強君 実は、きょうは外務省のアメリカ局長をお呼びしておったんですが、安保の関係で御出席ができないわけでありまして、それは向こうが優先ですから、これはやむを得ないわけですが、現に一月十一日ごろに、公式文書をもってあなたの方から外務省に、この同軸ケーブルの経過とか、そういうものを出しておられるでしょう。
  44. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) 日取りは忘れましたが、外務省の方にもさように報告をいたしております。
  45. 鈴木強

    鈴木強君 一つ衆議院の議事録をよくごらんになって下さい。で、もし私たちが把握をしているような形ですと、非常にこれは問題だと私は思います。今大臣がこの委員会でお述べになったように、最終的にやはり外交ルートを通じて折衝する場合があり得るということは、これは当然のことだと思いますし、そういう趣旨でないとまたいけませんので、この点はよく調べていただけませんか。  それから、社長さんにお尋ね上ますが、一月十五日の新聞を私はここに持っておりますが、日本経済新聞に、「東京五輪までに敷設」ということで、使節団が二十二日に米国へ向けて出発、こういう記事がございますが、今大臣の話を聞きますと、新海底ケーブル一条式双方向型同軸ケーブルというのが発明されまして、しかし、これは現在の大西洋のケーブルが二条式ですから、どういうふうに技術的に私は違うか知りませんが、そういうものを公開する機会がボストンであった。それに対してKDDと住友電工、古河電工、藤倉電線、ケーブル・メーカーが一緒になってアメリカに行ったようであります。何人国際電電から行かれてそうしていつお帰りになりましたか、その点をお尋ねしたいと思います。
  46. 町田辰次郎

    参考人町田辰次郎君) 先ほど来大臣からもお話がありましたように、先般ATTから、かねて研究中の一条式双方向型ケーブルの研究が完成いたしたので、その技術的の説明会を行なうとともに、試作工場、施設なども見てもらいたい、こういうことでありまたので、わが社から新堀技術部長、そのほか技術陣の人を合わせて四人派遣をいたしたのでございます。同時に、そのときには、古河電工、住友電工、藤倉電線の三社の方からも専門家がその説明会に参画をいたしたのでありますが、それに前後しまして、そのケーブルの実施の問題につきまして、いろいろお話し合いをするということの必要から、大野専務並びに八藤営業部長、経理部次長、ケーブル委員会の室長の諸君が参ったような次第であります。その結果は、いろいろと打ち合わせをいたしまして……。
  47. 鈴木強

    鈴木強君 ちょっと発言中ですが、逐次聞きますから、何人が何日に行って、何日に帰ってきたか、それを聞いているんです。
  48. 町田辰次郎

    参考人町田辰次郎君) ちょっとこまかいことの日付を一々今覚えておりませんから、後刻文書でお答えしてよろしゅうございますか。
  49. 鈴木強

    鈴木強君 社長でわからなければ、そのほかの方にお答えいただいてもいいのですが、その方々から、できればこまかいことを伺いたい。
  50. 大野勝三

    参考人大野勝三君) 私からお答えいたします。先ほどお話しいたしました、新堀技術部長以下の技術グループは、一月二十二日に出発をいたしまして、明日帰って参ります。それから、われわれ事務系統のグループは、一月二十八日に出発をいたしまして、二月二十日に帰って参りました。
  51. 鈴木強

    鈴木強君 営業部長さんはいつお帰りになったのですか。
  52. 八藤東禧

    参考人(八藤東禧君) 私は、二十八日に出まして、先々週でしたか、帰って参りました。
  53. 鈴木強

    鈴木強君 大へん済みませんが、帰ってきた日はわかりませんか。
  54. 八藤東禧

    参考人(八藤東禧君) 大野専務より五、六日早かったでしょうか、先々週の末だったと思います。たしか日曜日だと思います。日付はちょっと覚えておりませんが、先々週の日曜日です。
  55. 鈴木強

    鈴木強君 新聞報道は間違いないと思いますが、行かれた方々は、一条式双方向型同軸ケーブルの公開視察をされたあと、具体的にケーブル布設ルートの選定、海底調査建設資金、資材調達、特許問題、こういう一般的な問題についてお話し合いをするように書いてありますが、これは間違いございませんか。
  56. 大野勝三

    参考人大野勝三君) 大体その通りでございます。
  57. 鈴木強

    鈴木強君 それから少しこまかくなると思いますが、そうしますと、皆さんが公開されたケーブルを御視察になったあと、ATTと、今申し上げたような大体五つの項目について協議をなさったと思いますが、そこでKDDの方からもある構想を持っていかれたと思いますが、それは一応おきまして先方のATTからどういう内容の布設に対する計画が示されましたか、そういうものは教えていただけませんか。
  58. 大野勝三

    参考人大野勝三君) 大体技術グループは今の新試作品を見まして、その工場の施設などを視察するというのが目的でございましたから、あまり関係ございませんが、われわれの事務グループは、今お話しのような問題点について実は自由討議をいたしました。先方も新しい一条式双方向型のケーブールができたばかりでございますから、こちらはこう考えておるが、そちらはどう考えておるかということではございませんで、この問題についてはどうだろう、われわれはこう考えるというような、お互いの意見も持ち合って相談をしたというような形になっております。
  59. 鈴木強

    鈴木強君 意見を持ち出す場合に、当然ATT側としてはこういう考え方でやりたい、日本はどうだろうか、日本はこういう考え方があるが、アメリカはどうだろうか、こういうような相談はあったわけでしょう。
  60. 大野勝三

    参考人大野勝三君) その通りなのです。たとえば今ルートの問題が出て参りました。これは基本的な考え方は、昨年の二月の打ち合わせで、大体双方の意見が一致しておりまして、それはすでに御承知の通りでございますが、たとえばルートの問題をとってみますと、われわれの考え方は、なるべく一つアメリカから日本へ向かって最短の距離をとる、ただし最短とは申しましても、海底の状況やあるいは距離が相当長うございますから、その長い距離の間に、いかにして電力をフィードするか、その電力をフィードする施設の便宜の場所をどこに求めるか、あるいはそういったいろいろの問題がございますが、そういうことについては双方とも意見は一致しております。ですからその双方一致しておる意見について、それでは海底をどういうふうに調査するか、調査するについて、調査の手配はどうだろうかというような話を事務的なこまかいことを議論するということになっております。ですから、今の問題一つ取り上げて御説明してもおわかりになりますように、全く対立した意見をぶち合わすというのじゃなくて、基本的に一致した問題をどういうふうに具体化するかという事務的な意見を交換を進めてきた、こういうわけでございます。
  61. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、まず日本側からもいろいろと七項目の基本協約に基づいて、覚書か知りませんが、確認に基づいて意見を出したと思いますが、まずチャンネルの点でお尋ねしたいのですが、KDDは大体四十から六十ぐらいのチャンネルをお考えになっておるようですね。それについて、ATTはどういうふうにお考えになっておりますか。
  62. 大野勝三

    参考人大野勝三君) これも決定的な結論が出ておりません。向こうもよけいなものを日本に持たせるつもりはございませんし、私どもも必要以上の回線を主張する気持はございません。これは需要見込みをどういうふうに立てるかということによっておのずからきまる問題でございますから、まだ今回の話し合いでは最終的にどういうふうな回線を多く持とうかという結論が出ていませんでしたが、私どもの方としては、今おっしゃったような考え方もありますし、先方も大体六十なんという回線は日本に言うかどうか、ちょっとそれは疑問のような顔もしておりましたけれども、まあ、それで結局もう少しお互いに研究しましょうということで別れてきました。
  63. 鈴木強

    鈴木強君 それから、それと関連するのですが、ルートの布設の、日本がかりに直線距離を希望するとしますと、アメリカは将来フィリピンとか何か、そちらの方の東南アジアへのルートも考えているようですから、日本も当然考えておられると思いますし、そういうような最短の距離を通そうというようなことで意見は大体一致したか、また、フィリピンの方へ行くために何かグアムあたりか、そういうところにおろした方がよろしいという意見はございますか。
  64. 大野勝三

    参考人大野勝三君) 先ほど申しました最短ということにはいろいろ条件がついておりまして、御承知の今度のケーブルも、非常に深い所、大体五千五百メーターでございましたか、それ以上の深い所の水圧にはやはり耐えられないもののようでございます。ですから、非常に深い所は避けて通らなければなりませんし、また海底の状況が起伏の非常に激しいところでは、これまた損傷が多いのでありますから、これも避けなければなりませんし、それからさっき申しました電力をどこでフィードするか、どうしてもどこかの島に寄らなければ日本からアメリカへ一本で布くわけに参りませんので、そういう便宜の問題、そういう条件をいろいろ検討して、最終的に一番経済的なルートをきめようという状況でございますので、いろいろな島の名前も出ましたけれども、結局、結論に至りませんで、さらにお互いにもう少し検討しよう、その前に測量を一つやってみようじゃないかということには、これは一致いたしました。
  65. 鈴木強

    鈴木強君 その島の名前が出たというのですが、多少こまかい質問で恐縮ですけれども、たとえばグアムからフィリピンを通ってというようなことは、名前は出なかったですか。
  66. 大野勝三

    参考人大野勝三君) 私どもアメリカから日本へのケーブルの計画を話しているわけですから、そのほかのルートについてはあまり触れなかったのであります。ところが向うは、私の方もそうです。今ほかの方のルートは一つも考えておりません。しかし、それは未来永久に考えないというふうに取ってくださっては困ります。日本の立場でもそうです、向うの立場でもそうです。お互いの国の通信政策はだんだん伸びていく、ネット・ワークは考えなければなりません、そのときそのときの必要に応じて。そのほかのことも考えられることもあるかもしれませんが、今現在は全くそういうことを考えておりません。アメリカから日本へのルート、それだけで一つやりましょう、こういうことでございます。    〔委員長退席、理事松平勇雄君着席〕
  67. 鈴木強

    鈴木強君 それから工事費の点はこの前御質問しましたけれども、松田監理官から多少その額が出たのですが、工事料の総額がどの程度になるとか、それからその際、日本はチャンネルとの関係があると思うのですが、どの程度出すかという大よその話はございませんでしたか。
  68. 大野勝三

    参考人大野勝三君) 工事費の関係は御承知の通りルートがどうなるか、つまり長さに非常に支配されますので、これまた最終的な見積りはまだいたしかねる段階でございますが、ただ私ども非常に力強く思いましたことは、こちらでいわばいろいろのペーパーの資料で机上の調査をいたしておりました際に、大体今度の一条式双方向型のケーブルはケーブル自体として大体一マイル百五十万円見当要るのじゃないだろうか、これはまだできていないものを推算しておったわけです。それからリピーターはこれは双方向型でちょっと手のこんだものになるらしいのですが、いろいろな点を考えてこれも二千万円くらい一個するのじゃないだろうかというような推算を立てておりました。先方に行って聞いてみますと、大体その見当でございます。大体その見当でございますが、リー。ヒーターについてはまだ試作品がやっとできたところでございますので、最終的にどれだけの価格になるかということは、まだ決定的には言いかねるといっておりました。しかし見当はそう狂わないと思います。ですからこの二つのデータ、それに直接の工事費やあるいは端局の設備費、あるいは電力の施設費そういったものをだんだん寄せ集めていきますと、大体ルートが最終的にきまって、長さがきまりますればこの工事費は、工事費と申しますか建設総額はおよそ計算ができます。  それから次に分担の割合でございますが、これはお説の通り回線の持ち分によりましてきまるということ、この原則は大西洋のケーブルの場合に、はっきり持ち込まれた全く新しいやり方でございまして、この大西洋のケーブル、特にアメリカからフランスに渡りまして一九五八年でしたかできました。これは第二大西洋ケーブルといっておりますが、相手国は、契約関係に参加しております国がアメリカとフランスとドイツと三カ国間の契約でできたものでありますけれども、その契約のタイプをそのまま太平洋の場合にも適用しようということに、はっきり了解ができました。
  69. 鈴木強

    鈴木強君 新聞報道ですから間違いないと思うのですが、皆さんは出発する前に記者会見をやったと思うのですが、その際の記事によりますと、資金が大体二百億近くかかるだろう、その半分の百億を日本が負担しなければならぬだろうというような予想を持っておられたように書いてあるわけですね。そうしますと、今あなたのおっしゃったルートの使用に按分をして出すということとちょっと違うようなんですが、この点は総額が大体どの程度か、概略でもおわかりですか、おわかりだとその点と今申し上げた折半の点はどうで、ございましょうか。
  70. 大野勝三

    参考人大野勝三君) まあ大体二百億をこすのじゃないかということの見当はつきますけれども、しかしそう非常に大きくこすかどうか、まだはっきりいたしません。  それから折半ということは当初から考えておりません。この折半という行き方は昔の行き方でございますが、最近はそうじゃなくて、関係国の持ち分といいますか、割当回線のその割合によって建設費は分担する、そういう行き方でございます。もしもかりにアメリカと日本が五十・五十で回線を持つとしますれば、それは折半になります。
  71. 鈴木強

    鈴木強君 それからお話にありました、とりあえず調査をしようということになったようでございますがね。    〔理事松平勇雄君退席、委員長着席〕 その調査費を、われわれ聞くところによると、約五千万ドルくらいは米側がすでに予算化して、予算化してというとおかしいが、その資金準備をしておるというように聞いておるのですが、その際調査費はどうなんでございますか。やはりルートということもいかぬでしょうから、やはり折半くらいになるのですか、これは。
  72. 大野勝三

    参考人大野勝三君) こういった建設費は、調査費も建設費のうちでございますから、その建設費全体が今の持ち分の割合で分担されるということになりますれば、調査費も同じ割合で分担されることになります。  それから、今調査するとおっしゃいました。おそらく海底測量のことだと思いますけれども、海底測量は、今度行ってはっきりしましたのですが、私どもは、太平洋は広うございますし、一本でなしに相当いろいろなルートを調べなければなりませんから、一年くらいかかるのじゃないだろうか、こう予想しておりましたら、向こうに大へんいい測量船があるそうでございまして、もっと短期間にできそうでございます。従いましてこの費用全体から見ますとほとんど用船料くらい、でございますから、大したことはないと思います。
  73. 鈴木強

    鈴木強君 ちょっとわからないのは、まだ将来何ルートを布設して、そのうち日本が四十使うか六十使うかわかりませんね。従って全体的な資金計画というものは日本側が幾ら出すか、アメリカが幾ら出すかということは、それがきまりませんとこれは問題にならないと思います。そこでその前段として、その海底の地質調査といいますか、それをやろうというときに、まあ金がかりに一億ドルなら一億ドル要るということになりますね。そういうときに将来のことはちょっとわからないのですが、その費用の捻出は、かりに半分なら半分出しておいて、将来全部の計画がきまった場合に、またよけい出した方は戻してもらうとか、そういうふうな形になるのでございますか。
  74. 大野勝三

    参考人大野勝三君) この調査につきましては、アメリカに、さっき先方側にいい測量船があると申しましたが、日本側にもだんだん承ってみますと、保安庁の水路部ですか、そういうようなところにもなかなか優秀な技術をお持ちだし、また設備もあるようですし、そういうものも協力して一緒にやろうということにいたしております。そこでその調査費ですが、さっき申しましたような、とても何千万ドルとか何とか、そう大きなものでもございません。もっと小さいものと思いますが、分担するとしましても、さっきおっしゃいましたように、いずれあとで精算をしなければなりません。あとで精算ということになろうと思います。たぶんこっちの分はこっちが、向こうの分は向こうが出す以上はあとで精算する、こういうことになると思います。
  75. 鈴木強

    鈴木強君 そうすると、調査してみた、ところが不可能なことが、これは万一のことですがあったと、そういう場合に、かりに折半をして出した場合はどうなるのですか。
  76. 大野勝三

    参考人大野勝三君) 御承知でございましょうが、これはだいぶ前の時代ですけれども、例の商業太平洋電信会社というのがございまして、ずっとアメリカからハワイを通ってグアムを通って、小笠原を通って鎌倉の付近に上がっております海底電信がございます。それが一つ——少なくとも昔の非常に技術の低い時代に細いケーブルでもひけたという一つの実例がございますので、今度のケーブルが不可能ということはまずないと思っております。
  77. 鈴木強

    鈴木強君 わかりました。  それから社長に一つお尋ねいたしますが、この前、委員会で私が会社の現在の経営状態からして百億なりあるいはなんぼの額になるかわからないが、そういう建設資金を捻出するのは非常に至難なことではないか。こういう質問をしたのですが、太鼓判を押して大丈夫と胸をたたいて威勢のいいところを見せたのですが、お伺いすると、二百億をちょっとこす程度であって、半分にいって百億出すとしても、その程度の資金ですから、また胸をたたくと思うが、どうですか、今そういう点の見通しは。
  78. 町田辰次郎

    参考人町田辰次郎君) それは会社としてはどうしても作らなければならないので、私は最善の努力をして作ります。
  79. 鈴木強

    鈴木強君 作ると言っておるが、すでに調査にかかろうという段階ですから、およそいろいろ折衝されておると思うが、そういう点からみて大丈夫、まかせておけ、こういうふうに言えるわけですね。
  80. 町田辰次郎

    参考人町田辰次郎君) そういうようなことを言うからには、いろいろな角度から見当をつけて申し上げておる。私はただ胸をたたくと、こういうような軽薄な、軽率な発言はいたしておらぬつもりであります。
  81. 鈴木強

    鈴木強君 郵政大臣にちょっと関連してお尋ねしたいのですが、三百億をどう出すかまだ未定のようでございますが、私の考え方では、国策としてのルートの建設ですから、かなり政府も積極的にこの資金の援助等もやるべきだと思う。国際電電も会社になってからかなりサービスもよくなっておりますし、また一面対外通信網拡充等かなり金もかかると思う。これは太平洋ケーブルだけでなしに将来東南アジア向けあるいはヨーロッパ向けが十年なりあるいは十五年先には周波数の割当も困難だというような情勢もわかっておるわけですから、かりに拡充をしなければならぬという情勢の中で、この同軸ケーブルの布設については、かなり私は積極的に政府が乗り出してもらいたいと思うんですよ。今政府当局としてはいろいろ構想がまとまり、いよいよ実現の段取りに、どの程度に実現しようというプランはあるのですか。
  82. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) 具体的の金額までには考えは及んでおりませんけれども、しかし大体の大きな目安といたしまして、国内の電信電話拡充資金計画などともにらみ合わして、また国内のケーブルの拡充等、そういったようなことからにらみ合わしますと、このくらいのものは、もし、今、町田社長の言われました通り、何としてでもこれはやっているのは、国際電電という一会社がやっておられるのであるけれども、国策としてこれは重大な関心を持ち、ぜひとも日米協力して作り上げていかなければならない、さような考えを持っております。従って、資金面におきまして当然政府としても最善の努力をいたしていくべきだとさように考えております。
  83. 鈴木強

    鈴木強君 大野専務。この料金の点が将来どうなるかということなんですけれども、伺うところによると、現在の無線料金と同じようなシステムで徴収しようということなんですか、この話は出ましたか。
  84. 大野勝三

    参考人大野勝三君) ちょっとこの問題に触れました。一般の電話の料金は、現在の無線の電話の料金を維持しようということで、われわれもその考えでございましたけれども、先方も大体そういう考えでありました。それから私どもはそのケーブルにある程度テレックスや一般電報、いわゆるその他の符号通信も通したいと思っておりますが、そういうものの料金は大体現状維持ということを考えておりますけれども、ただこのごろ非常に発達をしております専用線がございますね、深海回線、これにつきましては大西洋のやり方も、これも無線の場合クオリティがずっと上がりますから、若干引き上げたらどうかというので引き上げた実例があるそうです。それから今度の太平洋につきましてもそういう先例があることと、それから何と申しましてもラジオよりも建設コストが非常に高いものにつきますから、専用線の場合には一つ別途の新規料金を考えたらどうかということでわれわれもそうだと思っております。
  85. 鈴木強

    鈴木強君 それから、その次にお尋ねしたいのは、住友電工と古河電工と藤倉電線の三つが一緒に行かれたということですが、これは今電電公社がアルペスやスタルペスのケーブル線を導入する場合に問題になったんですよ。これは通産省が中に入って最終的に一社が追加されて技術提携をさしたんですが、何かこの人たちの行くのは御自由ですから私何とも言いませんが、そういう日本の電線メーカー関係の連合体組織もあるでしょうし、たくさんの会社もあるでしょうから。私の心配するのは、そういう会社と十分連係をとりある程度了承した上でこの三者がお出かけになっておると思うんですがね、将来を心配するものですから、この三者が特に行かれたのはどういうふうなことが原因であったのかどうか、その点はいかがでしょう。
  86. 大野勝三

    参考人大野勝三君) この点はまさにおっしゃる通りでございまして、なかなか今度の新型ケーブルを作りますのに工場施設なども新規に作っていかなきゃならぬし、精度も非常に高いものだそうでございますので技術も要求されます。なかなかそうかといって日本のメーカーにぜひこの際私どもとしてはこの製造に参加してもらいたいわけですね。その製造に参加してもらうためにはそれだけのクオリティの高いものに、しかもリーズナブルな値段で生産できる態勢がこっちになければならぬので、まさにおっしゃる通り、何と申しますか協力態勢が必要だと考えております。まあ私ども今度のボストンの試作品の発表、あるいは技術説明会に行く前に、若干日本のケーブル・メーカーとして、今申しましたような何と申しますか、目的に沿うようなメーカーさんがどういうところであろうかということにつきましては、それぞれその道の先達の人がいろいろ御配慮していただいておったようでありますが、たまたま私どもの予期しておりましたより少し早目に一月の末にボストンで説明会をやるから、日本から一つだれか希望があればこっちによこしてもらいたいと、ATTの方から私どもの方に照会が参りました。ところがその照会が参りますと同時に、あるいはちょっと早目にウエスタン・エレクトリック、これは向こうのATT系統の製造会社ですが、その製造会社から古河、住友、藤倉の三社に対してボストンのシンポジウムに出席せられたいという招請状が届いた。なお前後いたしましたが、私どもの方に来ましたATTのシンポジウムに出席の案内状と申しますか、それにはこれは世界の各国から有力なメーカーを呼んであるから、従っていろいろスペースの関係で、つまり部屋の関係で、日本から二社だけ一つ招請をしたいんだ、しかしどうしても必要というならば三社までは特に認めましょうというようなことを言ってきております。それでわれわれは数の多いほどいいですから、技術を見せてもらう機会ですから二社といわず少なくともぜひ三社に行ってもらいたいと思っておりましたが、別途にウエスタン・エレクトリックからこの古河、住友、藤倉の三社を指定しまして案内状が出てしまっておりました。そんなようなことで、結局実際に出席せられたのは右の三社、こういうことになりました。
  87. 鈴木強

    鈴木強君 それからこれは将来のことですから、話に出ましたかどうかわかりませんが、完成後の保守ですね、地上はもちろん公海上の保守はどうなるんですか、その点は。
  88. 大野勝三

    参考人大野勝三君) これは双方の共同責任であります。そこで保守費をどう分担するかということが経済的に残るわけです。これがさっき申し上げました建設費の分担と同じような割合で分担することになります。保守は共同の責任でございます。
  89. 鈴木強

    鈴木強君 そうしますと、具体的にたとえば東京ーハワイ間に障害ができたというような場合には、日本側の技術も進んでいるようですが、まさにそうでしょう、そういう布設船、修理船が出動していくようになるのか、これは東経何度からこちらというようにするのか、そういう点は論じられていないのですか。
  90. 大野勝三

    参考人大野勝三君) まだそこまで論じられておりませんが、ただ何さま非常に距離の長いケーブルでございますから、少なくとも西の方、つまり日本側に一ぱいいつでも出動できるような修理船と申しますか、そういう場合に間に合うような保守用のケーブル・シップがほしいものだという考え方、同時にそれから東側のアメリカ・サイドにもやはりそういうものが必要だし、そういうものを用意することを考えるべきであろうというようなことは話をいたしました。ですから結論としましては、大方今おっしゃるようにある分界線を作りまして、ここからこっちは日本側が持とう、そっちはアメリカ側が持ってくれ、ただし費用はさっき言ったような比率で分担するというようなことになろうかと思いますが、そこまで突っ込んだ話はしませんでした。
  91. 鈴木強

    鈴木強君 陸上の保守について今電電公社にお願いしておるわけですね。今度完成した場合の陸上の保守はやはりそういう格好になりますか。それから海上の場合ですが、自衛隊、海上保安庁ですか、布設船もありますし、電電公社にもありますが、より優秀なものを作ろうという企画もありますし、そういう際に会社側が直接、船を作ってやろうということなのか、これは従業員との関係で、公海上に勤務するということになるわけですね。ですからその点を明確にしておきたいと思っておったのですが、やはり何か委託をしてやっていただくという方針で今会社はおられるのですか。
  92. 大野勝三

    参考人大野勝三君) その点は全くまだ白紙でございます。委託の方式でもよし、あるいは何らかの形で自前の保守船を持つのもよしということでございますが、一つは経済問題もございますので、今のところは白紙でございます。
  93. 鈴木強

    鈴木強君 最後に一つ、この海底同軸ケーブルはおそらく電話、電信、それからNHKの方も政府の方もどう考えておるかわかりませんが、テレビ利用ということが必然的に考えられるわけですね、そういう場合に、たとえば電信を同軸ケーブルに乗せるということになると、RCA、マッケーなどもあると思うのですが、そういうような会社との関係で、今勢い海底線の方に取られてしまうと、無線の方が多少手薄になるということで利害が出てきますね。それらの範囲はかなりやっておきませんと問題が起きると思います。私は海底線を使い、なおかつ現在の無線短波の方でずっといけばいいと思いますが、なかなかそういうわけにはいきません。そういうところのかね合いでマッケー、RCAとの間はどうなりますか。
  94. 大野勝三

    参考人大野勝三君) 大西洋の実情を申しますと、ごく最近にアメリカ電信電話会社の作りました大西洋同軸海底ケーブルをRCA、マッケーそれぞれに何本か賃借させている話し合いができている、それに電信を乗せることとして向うのFCCの許可を得るばかりになっているそうで、これは時の問題であります。太平洋のケーブルにつきましては、この計画が世の中に出ましてから、RCA、マッケーまでこれができたらぜひわれわれの方の日本との電信通信は、ケーブルを使わせてもらいたいということの希望を書面で申し出ております。そういうふうにいたしましても、大西洋の実情がそうでありますし、アメリカ本土、ハワイのケーブルの実情もそうでありますが、ラジオを併用しております。ラジオをやめることはできないと言っております。向うでも、ケーブルといっても万能ではありませんので、ときどき故障は起きます。通信の需要もどんどんふえる一方のようでございまして、ケーブルができたとたんに不足を生ずる、ラジオとケーブルは常に併用ということを言っております。私は太平洋の場合もそういう方式で行く考えでおります。
  95. 鈴木強

    鈴木強君 NHKの方から話があったかもしれませんが、技術的に今の地上式のケーブルはテレビはどうなりますか、テレビはどうされるのですか、大西洋の方は。
  96. 大野勝三

    参考人大野勝三君) 電話を主にしたケーブルでございますので、テレビの波の幅を乗せるにはまだ不十分のようでございます。大西洋でカナダのセントローレンス運河の開通式のときに、エリザベス女王が出まして、それの実況放送を大西洋のケーブルでやったことがありますが、聞くと、こま送り、同時にやれませんので映画のフィルムの一こま一こまのようなものを狭い幅で送っていってまた集めて、同時にテレビに出すということにしたそうですが、そういう方法をとれば太平洋についてもできますが、同時中継は不向きだというふうに技術の方から聞いております。
  97. 森中守義

    ○森中守義君 大臣にちょっと伺っておきますが、この前の臨時国会でお約束をいただいた郵政省長期計画、これが私はどうも、所管事項説明の中にある程度述べられているかどうか聞いていたが、全然そういうことが言われておりませんが、その後の作業状態がどうなっておるか、お聞きしたい。
  98. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) 大体来週かその次の週あたりにその点の御審議をいただくことになっております。先ほど所管事項説明で落としましたが、さようにどうぞ御理解いただきたいと思います。
  99. 森中守義

    ○森中守義君 ちょっと大事なことを私は聞きとれなかったのですが、来週か再来週審議できるようになる、こういうことですか。
  100. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) はあ、そうです。
  101. 柴田栄

    委員長柴田栄君) 別に御発言もなければ、本件に関しましてはこの程度にとどめたいと存じます。
  102. 柴田栄

    委員長柴田栄君) 次に、委員派遣の報告に関する件を議題といたします。
  103. 光村甚助

    ○光村甚助君 私は、野田委員及び牛田委員とともに、去る一月十一日より一四日間東海地方における逓信関係業務運用状況並びに伊勢湾台風被害の復興状況を視察いたして参りましたが、この詳細は委員長のお許しを得て速記録にとどめたいと存じますので、御了承をお願いします。  右簡単でありますが御報告いたします。
  104. 柴田栄

    委員長柴田栄君) 第二班の御報告をお願いいたします。
  105. 鈴木恭一

    鈴木恭一君 私は、野上委員及び須藤委員とともに一月十一日より四日間、大阪及び京都方面における逓信関係業務の運営状況を視察して参りましたが、この詳細は委員長のお許しを得まして速記録にとどめることといたしたいと存じますので、御了承を願います。  右簡単でありますが御報告申し上げます。
  106. 柴田栄

    委員長柴田栄君) それでは、ただいま各班より派遣委員の概略報告があった次第でありますが、その詳細な内容につきましては、派遣報告書を便宜会議録に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  107. 柴田栄

    委員長柴田栄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  108. 鈴木強

    鈴木強君 議事進行について。従来、御苦労されて委員の皆さんに視察していただくのですが、行ってきますとその地域にかなり問題があると思うのです。そういうことは報告書の中に集約されていると思う。ですから報告しっぱなしではなく、委員長の取り計らいで、いっか適当な機会をみて、各委員報告に対して要望事項という問題点があると思いますから、それを一つまとめて関係者の方から御見解を承るようにお取り計らいいただきたいと思います。これを提案いたします。
  109. 柴田栄

    委員長柴田栄君) 承知いたしました。報告書を各委員の皆様で一つ御熟覧を願いまして、適当な機会に、いろいろお話し合いをする機会がありますればそれをしていただくようにいたしたいと思います。  本日はこの程度にいたしたいと存じます。これにて散会いたします。    午後零時四十七分散会