○松永忠二君 私は、だいぶ実は違っているという認識を持っているわけです。それは、こういう点から申し上げているわけなんですよ。この前は、特にここに出ている
示威運動等関係する事柄については、この前の令六十八条の十三というところに、明確に、
公安委員会が定めた
行為と、
現行法律の二十五条において、「
交通の妨害となり又は
交通の危険を生ぜしめるような
行為で命令で定めるものは、これをしてはならない。」と、こういうふうにして、いろいろ
規定をしている中に、こういうことはしていけないと書いてある。その中に、明確に、
公安委員会がこういう判断のもとに必要と認めた
行為をすることと、こういうふうになっていたわけであります。そして、その次の御承知のように第七十七条の中でいう
警察署長の
許可の
権限というものは、令の第六十九条にあるように、
許可を受けようとする者は、必要な
事項等を記載して、そして届け出よと、そしてそれについて、「
警察署長が前項の
規定による
申請に対し
許可したときは、
公安委員会の定める様式の
許可証を交付するものとする。」こういうふうに
規定しているのです。だから、たとえば、今の示威
行進のような問題については、
公安委員会が、この
法律二十五条によって、危険ではなのかどうかという判断をしてきめたものについて、機械的に
手続をして、
警察の
署長はこれを必要な
書類に基づいて認可をするという形をとったわけです。ところが、今度はそうじゃなくて、この第二項の中で
警察署の
署長が
許可する基準を、つまり任意に、あなた方は明確にした、第七十七条に明確にしたという形において明確にして、そうしてその基準で、たとえば
公安委員会の定めたそういうものについても、この基準に基づいて一応
許可の
権限を持つようにしたわけだ。特に示威運動とか、そういうものについては問題はあるので、今までの
法律では、明確にこれは
公安委員会がそういう判断を決定する。つまり危険ではないという判断で決定をする。それについて
警察の
署長は単にいろいろな
手続に基づいて、
手続をされたものについてそれを
許可するということ、それから同時にまた、第七十七条の問題のない一、二、三というようなものについては、その前の
法律の二十五条によって、それを受けて立っているこの政令の六十八条でこう明確にしてあるので、この点については、
警察署長は判断をする余地はないはずです、こんなことはもう。
法律でもちゃんときめてあるのだ。だから、そこで今一番問題になっている、
公安委員会がこの
道路等における
交通の妨害を防止するため必要と認めた
行為をすることときめた事柄については、これは、単に今までの
警察署長は
一つの
手続上の
許可の
権限しかなかったわけなんです。ところが、今度新たに第七十七条の二項に
警察署長の判断の基準を示して、
警察署長において判断をするということになった。そういう点が私たちは違っていると思っているわけです。だから、そういう点からいうと、今までの特に問題の多いいわゆるデモ
行為等を含んだようなそういう問題、「その土地における気候風土又は
交通の
状況に応じ
公安委員会が
道路における危険又は
交通の妨害を防止するため必要と認めて定めた
行為」、こういうものについては、あくまでその判断は
公安委員会が判断をしてきめる、それについて
手続的に
規定したものをただ
警察署長が
許可したというのを、今度はその判断を、つまり
警察署長の判断の基準として取り入れてきたところに問題があるというふうに言っているわけです。これはやはり私はそうだと思うのです。そういうふうに私たちは理解をしているので、非常な大きな違いがあるので、そういう
権限を
警察署長に、特に問題の多いそういうことについて、
署長が
一つの基準を与えられて判断をするということについては問題がある。やはり
公安委員会が判断をしたものについて、
警察署長がその
手続の備不備を見て
許可するということなら従前
通りであるけれども、基準を与えて、そういうものについても判断をさせるということは少し行き過ぎている。ほかのわかり切った事柄については、もう判断をするまでもなくて、今まではちゃんと政令に明確になっておって、はっきりしていたわけです。だから、今までの
署長の
権限というのは、いずれも「命令の定めるところにより」という、「命令の定めるところにより」というのは、
許可を受けようとするものはこういうふうにして届け出をせいということが書いてある。そういう形だったのが、今までと違って、特に問題の多いそういう問題について、基準を示して、
警察署長にその判断をさせるということでは、特に今法的にも疑義のある問題、特に慎重を要する問題については、やはりそういう基準を与えて、
警察署長が判断をするということは行き過ぎではないか、こういう
考え方を持つ。従来のものとは、この項目に関しては、はなはだしく相違をしている事実があるということを私たちは
指摘をしたいわけです。